JPH10264578A - ボードマーカー - Google Patents

ボードマーカー

Info

Publication number
JPH10264578A
JPH10264578A JP9090311A JP9031197A JPH10264578A JP H10264578 A JPH10264578 A JP H10264578A JP 9090311 A JP9090311 A JP 9090311A JP 9031197 A JP9031197 A JP 9031197A JP H10264578 A JPH10264578 A JP H10264578A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
piston
passage
board marker
passage blocking
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9090311A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Maruyama
真市 丸山
Masayuki Tamura
政之 田村
Yuji Ishida
裕司 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MARUJIYUU KASEI KK
Original Assignee
MARUJIYUU KASEI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MARUJIYUU KASEI KK filed Critical MARUJIYUU KASEI KK
Priority to JP9090311A priority Critical patent/JPH10264578A/ja
Publication of JPH10264578A publication Critical patent/JPH10264578A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pens And Brushes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 容器部にインキを自由流動状態で貯留する形
態のボードマーカーとして、筆記時のインキのぼた落ち
を防止でき、良好な筆記性が得られ、操作性に優れるも
のを提供する。 【解決手段】 容器本体1と、インキ浸透性の筆記軸3
を保持した筆先ホルダー2とでインキ容器10を構成
し、内部がインキ通路となるシリンダ部50を境とし
て、ボードマーカーインキを自由流動状態で収容するイ
ンキ貯留室10bと、インキ含浸体6を装填したインキ
含浸室10aとに区割され、シリンダ部50にはインキ
通路を遮断する前後一対の通路遮断部70a,70bを
備えたピストン7が挿嵌され、ストロークの前後両端に
おいて、両通路遮断部70a,70bの一方が通路遮断
位置にあって他方が通路開放位置にくるように設定さ
れ、ピストン7を後退方向へ付勢するばね部材9と、ピ
ストン7より後方へ延出するピストンシャフト72とを
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ホワイトボード
や電子黒板を始めとして、ほうろう、金属、ガラス、プ
ラスチック、プラスチックラミネート紙等で構成される
インキ不浸透性の平滑な表記面に筆記し、その筆跡をイ
レーザー等の乾いた布面で軽く拭って消去できるボード
マーカーに関する。
【0002】
【従来技術とその課題】従来、ボードマーカーとして
は、容器本体に充填したフェルトや綿状繊維塊よりなる
インキ含浸体(中綿と称される)にボードマーカーイン
キを含浸させ、この容器本体にの開口端部に、インキ浸
透性の筆記軸を外方突出状態に保持した筆先ホルダーを
嵌着したものが汎用されている。
【0003】しかるに、このようなボードマーカーで
は、インキ含浸体の充填によってインキ容量が小さくな
る上、筆跡の色濃度の経時的低下が大きく、しかも容器
内にまだ多くのインキが残っている段階でも筆跡のかす
れを生じるため、早期に使用できなくなって寿命が短い
という難点があった。しかして、筆跡の色濃度の低下は
インキ含浸体でインキ中の着色成分の沈着や吸着が次第
に進行することに起因し、また筆跡のかすれについて
も、インキ含浸体によるインキの吸収性が大きいため、
インキ残量がある程度まで減少すると筆記軸まで移行し
にくくなることに起因すると考えられる。
【0004】上述のように従来汎用のボードマーカーに
おける難点の要因がいずれも容器内に充填したインキ含
浸体にあることから、近年においては容器部にインキを
自由流動状態で貯留する形態のボードマーカーの開発が
進められている。しかしながら、ボードマーカーインキ
は、筆跡の消去のために筆跡塗膜の表記面からの剥離性
と分解性を高める必要から、ペイントマーカー等の筆跡
消去を要しない一般的な筆記具に用いるインキに比較
し、結合剤成分の配合比率が格段に低く設定され、もっ
て非常に低粘性であるため、これを上記の如く容器部に
自由流動状態で貯留させた場合、筆記時に筆記軸から過
剰流出してぼた落ちするという問題があった。そこで、
この対策として、ボードマーカーの内部に弁機構や流量
制限機構等を組み込む提案が種々なされているが、現状
では上記のぼた落ちを確実に防止して且つ良好な筆記性
及び操作性を確保できるものは得られていない。
【0005】この発明は、上述の状況に鑑み、容器部に
インキを自由流動状態で貯留する形態のボードマーカー
として、筆記時の過剰流出によるインキのぼた落ちを確
実に防止でき、しかも滑らかで良好な筆記性が得られる
と共に操作性に優れるものを提供することを目的として
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の請求項1に係るボードマーカーは、容器
本体の開口端部に、インキ浸透性の筆記軸を外方突出状
態に保持した筆先ホルダーが嵌着されてインキ容器を構
成し、前記インキ容器の内部が、インキ通路をなす両端
開放形のシリンダ部を境として、ボードマーカーインキ
を自由流動状態で収容する容器本体側のインキ貯留室
と、インキ含浸体を装填した筆先ホルダー側のインキ含
浸室とに区割され、前記シリンダ部にはその内周に摺接
してインキ通路を遮断し得る前後一対の通路遮断部を備
えたピストンが挿嵌され、このピストンのストロークの
前後両端において、前記の両通路遮断部の一方がシリン
ダ部内周に接する通路遮断位置にあって、他方が該シリ
ンダ部から外れた通路開放位置にくるように設定され、
インキ容器の内部に、筆先側を前として、ピストンを後
退方向へ付勢するばね部材と、該ピストンより後方へ延
出するピストンシャフトとが配置した構成を採用してい
る。
【0007】上記構成のボードマーカーでは、シリンダ
部に挿嵌されたピストンはばね部材の付勢によって常時
はストローク後端にあり、このとき該ピストンの前部側
の通路遮断部がシリンダ部内周に接する通路遮断位置に
あるため、インキ貯留室とインキ含浸室との間は遮断さ
れてインキの流通を生じない。従って、筆記時に消費さ
れるインキはインキ含浸室内のインキ含浸体より供給さ
れる分にて賄われることになる。
【0008】しかして、ピストンがストローク後端に配
置した状態では後部側の通路遮断部は通路開放位置にあ
るため、筆先側を下向きにすると、該ピストンの両通路
遮断部間の外周面とシリンダ部内周面との間隙にインキ
貯留室内のボードマーカーインキが流入する。従って、
この下向きの状態でピストンシャフトを押圧してピスト
ンをストローク前端まで移動させると、前部側の通路遮
断部が通路開放位置にくるから、前記間隙に入ったイン
キがインキ含浸室内へ流出してインキ含浸体に補給され
る。このピストンのストローク前端においては後部側の
通路遮断部が通路遮断位置にあるから、インキ貯留室の
インキがインキ含浸室へ流れ込むことはない。またピス
トンシャフトの押圧を解除すれば、該ピストンはばね部
材の付勢によって自動的にストローク後端へ戻る。
【0009】請求項2の発明では、上記請求項1のボー
ドマーカーにおいて、ピストンの通路遮断部が、当該ピ
ストンの外周面の環状溝に嵌着したOリングよりなる構
成を採用しているから、該通路遮断部をシリンダ部内周
に対して弾接させることができ、もってインキ通路の液
密遮断をより確実に行える。
【0010】請求項3の発明では、上記請求項1又は2
のボードマーカーにおいて、ピストンにおける前後一対
の通路遮断部の間隔がシリンダ部の長さ以下に設定され
てなる構成を採用している。従って、ピストンのストロ
ーク範囲において常に一対の通路遮断部の少なくとも一
方が通路遮断位置にあり、該ピストンの動作途上でイン
キ貯留室からインキ含浸室へインキが直接に流れ込むこ
とがなく、ピストンの両通路遮断部間の外周面とシリン
ダ部の内周面との間の環状空間を満たすインキだけがイ
ンキ含浸室へ送られるから、該ピストンの一往復による
インキ送り量は一定となる。
【0011】請求項4の発明では、上記請求項1〜3の
いずれかのボードマーカーにおいて、ピストンが前後一
対の通路遮断部の間の外周面に環状凹陥部を有してなる
構成を採用しているから、該環状凹陥部によってピスト
ンの両通路遮断部間の外周とシリンダ部の内周面との間
の環状空間の容量が増大し、それだけピストンの一往復
によるインキ送り量が多くなる。
【0012】請求項5の発明では、上記請求項1〜4の
いずれかのボードマーカーにおいて、容器本体が後部側
に設けたベローズ部によって長手方向に伸縮可能である
と共に、この容器本体の後端内面に前記ピストンシャフ
トの後端が接当してなる構成を採用しているから、容器
本体の後端を指で押すことによってピストンシャフトを
介してピストンを前進させることができる。また、ピス
トンシャフトの後端部を容器本体の外側へ突出させる構
成では、容器本体のピストンシャフト貫通部分はインキ
の漏出や通気を完全に防止して且つ該シャフトが摺動可
能な封止構造とする必要があるが、請求項5の構成では
ピストンシャフトの全体が容器本体内に収まるために前
記封止構造は不要となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係るボードマー
カーの実施例について、図面を参照して具体的に説明す
る。なお、以下における前と後の表現は、ボードマーカ
ーの筆先側を前とするものである。
【0014】図1〜図3は、この発明の第一実施例に係
るボードマーカーAを示す。このボードマーカーAは、
後部にベローズ部11を設けた半硬質合成樹脂からなる
円筒状の容器本体1と、その開口した前端部1aに螺着
された硬質合成樹脂からなる先細り形状の筆先ホルダー
2とでインキ容器10を構成すると共に、筆先ホルダー
2の先端筒部2aよりインキ浸透性の筆記軸3の尖った
先端が突出して筆先を構成している。4は硬質合成樹脂
からなる二重筒状のキャップであり、短い内筒部4aが
筆先ホルダー2の先端筒部2aに気密状態に外嵌すると
共に、長い外筒部4bの後端が該筆先ホルダー2の中間
外周部の環状段部20に嵌合するように構成され、前端
面に内外筒部4a,4b間に臨む通気孔40を有してい
る。
【0015】筆先ホルダー2の基部側は二重筒状に形成
され、短い外筒部2bが内周のねじ部21を介して容器
本体1の前端部1aに螺合すると共に、長い内筒部2c
が容器本体1内に突入配置しており、この内筒部2cの
後端側に、硬質合成樹脂からなる両端を開放した短円筒
状のシリンダ部材5が後端フランジ部5aを当該内筒部
2cの開口縁に係止した状態で挿嵌されている。このシ
リンダ部材5は、内側中間部が一定内径のシリンダ部5
0を構成し、その前後両側が該シリンダ部50よりも内
径の大きい流路部51a,51bとなり、両流路部a,
51bには各々シリンダ部50との境界段部より軸方向
に突出した4本のストッパー片52a…、52b…が等
間隔を置いて環状に配置している。これらストッパー片
52a…、52b…は横断面円弧状であり、内面がシリ
ンダ部50の内周面に連続する円弧面なす(図2参
照)。
【0016】インキ容器10の内部は、シリンダ部50
を境として、合成樹脂連続気泡発泡体やフェルト等より
なる筒状のインキ含浸体6を装填した筆先ホルダー2側
のインキ含浸室10aと、容器本体1側のインキ貯留室
10bとに区割されており、シリンダ部50が両室10
a,10b間のインキ通路を構成している。しかして、
このシリンダ部50には、前後両端にフランジ部7a,
7bを有する丸軸状のピストン7が、前端フランジ部7
aと前部ストッパー片52a…との当接位置をストロー
ク後端、後端フランジ部7bと後部ストッパー片52b
…との当接位置をストローク前端として、軸方向移動自
在に挿嵌されている。
【0017】このピストン7は、硬質合成樹脂からな
り、シリンダ部50との間で間隙を生じるように当該シ
リンダ部50の内径よりも小さい外径を有すると共に、
周面に設けた前後2本の環状溝71,71に嵌装したO
リング8,8により、シリンダ部50の内周に液密に摺
接し得る前後一対の通路遮断部70a,70bを形成し
ており、これら通路遮断部70a,70bの間隔がシリ
ンダ部50の長さに略等しくなっている。そして、ピス
トン7のストローク後端においては、前部の通路遮断部
70aがシリンダ部50内に位置すると共に、後部の通
路遮断部70bが該シリンダ部50から外れて後側の流
路部51bに臨み、また同ストローク前端においては、
後部の通路遮断部70bがシリンダ部50内に位置する
と共に、前部の通路遮断部70aが該シリンダ部50か
ら外れて前側の流路部51aに臨むように設定されてい
る。なお、ストッパー片52a…、52b…は、ストッ
パー機能と共に、通路遮断部70a,70bがシリンダ
部50から外れた開放位置において摺接する摺接ガイド
としても機能している。
【0018】また、ピストン7の後端よりピストンシャ
フト72が後方へ延出し、その後端の円板部72aがピ
ストン7のストローク後端において容器本体1の後端1
bの内面に当接するようになっている。このピストンシ
ャフト72は、前端にピストン7の前端フランジ部7a
と突軸部72bを一体形成した硬質合成樹脂成形物から
なり、図3に示すように突軸部72bをピストン7側の
嵌合孔73に圧嵌することにより、当該ピストン7に連
結一体化されている。
【0019】一方、インキ含浸室10aには、筆先ホル
ダー2の先端筒部2aの基部内周に設けた環状突縁部2
2とピストン7の前端との間に圧縮コイルスプリング9
が装填され、そのばね力によってピストン7が常時はス
トローク後端に配置するように付勢されている。なお、
筆記軸3は、長繊維を軸方向に揃えて束ねたものからな
り、太径の前軸部3aが筆先ホルダー2の先端筒部2a
内に圧嵌状態で配置すると共に、細径の後軸部3bが圧
縮コイルスプリング9の内側に挿通する形でインキ含浸
室10a内に突入し、両軸部3a,3bの境界段部で該
筆先ホルダー2の環状突縁部22に係止している。
【0020】上記構成のボードマーカーAでは、ボード
マーカーインキi(図3参照)がインキ貯留室10bに
自由流動状態で貯留されると共に、一部のインキiはイ
ンキ含浸室10a内のインキ含浸体6と筆記軸3とに含
浸状態で保持され、常時はストローク後端にあるピスト
ン7の前部側の通路遮断部70aがシリンダ部50の内
周に接しているため、インキ貯留室10bとインキ含浸
室10aとの間は遮断されてインキiの流通を生じな
い。従って、筆記に伴って消費されるインキiはインキ
含浸体6より筆記軸3へ供給される分によって賄われ、
インキ貯留室10b内のインキiがインキ含浸室10a
へ流れ込んで筆記軸3に直接浸透することはないから、
筆記軸3からの過剰流出によるぼた落ちを生じない。
【0021】しかして、インキ含浸体6のインキ量が減
少して筆跡のかすれや色濃度の低下を生じ始めた時は、
筆先側を下向きにした状態で、ピストンシャフト72の
後端の円板部72aを容器本体1の外側から指で押圧す
るノッキング操作を数回程度繰り返せばよく、これによ
って滑らかな筆記性と筆跡の高い色濃度が回復する。す
なわち、ピストン7がストローク後端に配置していると
き、後部側の通路遮断部70bが通路開放位置にあるた
め、筆先側が下向きになると、該ピストン7の両通路遮
断部70a,70b間の外周面とシリンダ部50の内周
面との間隙にインキ貯留室10b内のインキiが流入す
る。そして、上記ノッキング操作を行うと、容器本体1
のベローズ部11の圧縮を伴ってピストン7が図3の実
線で示すようにストローク前端まで移動し、前部側の通
路遮断部70aが通路開放位置にくるから、前記間隙に
入ったインキiがインキ含浸室10a内へ流出してイン
キ含浸体6に補給される。またピストンシャフト72の
押圧を解除すれば、該ピストン7は圧縮コイルスプリン
グ9の付勢によって自動的に図1と図3の仮想線で示す
ストローク後端へ戻り、これに伴って前記間隙の気体
(インキと置換した溶媒ガス及び空気)がインキ貯留室
10b内へ入る。
【0022】なお、ピストン7のストローク前端におい
ては後部側の通路遮断部70bが通路遮断位置にあり、
また該ピストン7が前進及び後退する途上においても、
両通路遮断部70a,70bの一方が通路開放位置にな
ると同時に他方が通路遮断位置にくるため、インキ含浸
室10aとインキ貯留室10bとは常時遮断された状態
に維持され、インキ貯留室10bのインキiがインキ含
浸室10aへ流れ込むことはなく、上記ノッキング操作
によってピストン7の両通路遮断部70a,70b間の
外周面とシリンダ部50の内周面との間の環状空間を満
たすインキiだけがインキ含浸室10aへ流入する。従
って、ノッキング一回毎のインキ供給量は一定となり、
このノッキング操作を過度に繰り返さない限りは、イン
キ貯留室10bにインキiが溜まり過ぎて筆記時のぼた
落ちを生じるよう事態には至らない。
【0023】通路遮断部70a,70bの間隔は、上記
第一実施例ではシリンダ部50の長さに略等しくしてい
るが、ピストン7の前進及び後退する途上でのインキ含
浸室10aとインキ貯留室10bとの連通を防止する目
的では、シリンダ部50の長さを越えなければよく、従
ってシリンダ部50より小さく設定しても差し支えな
い。しかして、ノッキング一回毎にインキ貯留室10b
からインキ含浸室10aへ送られるインキ量は、ピスト
ン7の両通路遮断部70a,70b間の外周面とシリン
ダ部50の内周面との間の環状空間の容積によって定ま
る。従って、必要とするインキ送り量に応じて、ピスト
ン7の外径、シリンダ部50の内径、通路遮断部70
a,70bの間隔、シリンダ部50の長さ等を適宜設定
すればよいが、この送り量を多くする手段としては次の
第二実施例の構成が好適である。
【0024】すなわち、図4に示す第二実施例のボード
マーカーBでは、ピストン7の前後一対の通路遮断部7
0a,70b間の外周面に環状凹陥部74を設けている
が、他の構成は前記第一実施例と同様である。この場
合、該環状凹陥部74によってピストン7の両通路遮断
部70a,70b間の外周とシリンダ部50の内周面と
の間の環状空間の容量が増大し、それだけピストン7の
一往復によるインキ送り量が多くなる。従って、インキ
含浸体6のインキ量減少による筆跡のかすれや色濃度の
低下に対応して前記ノッキング操作を行う場合に、良好
な筆記性と筆跡の高い色濃度を回復するのに必要なノッ
キングの回数が少なくなる。
【0025】一方、前記の第一及び第二実施例ではピス
トン7の通路遮断部70a,70bをOリング8にて構
成しているが、これら通路遮断部70a,70bをピス
トン7自体に一体形成してもよい。ただし、Oリング8
を用いた場合、該通路遮断部70a,70bをシリンダ
部50の内周に対して弾接させることができ、もってイ
ンキ通路の液密遮断がより確実になると共に、シリンダ
部50及びピストン7の寸法精度が緩和されて製作容易
になるという利点がある。
【0026】図5に示す第三実施例のボードマーカーC
は、通路遮断部70a,70bにOリングを用いない構
成例である。この場合、ピストン7は、前後両端にフラ
ンジ状の通路遮断部70a,70bを一体形成してお
り、両通路遮断部70a,70bの互いに対向する内側
面に環状テーパー面75を設けている。またシリンダ部
材5は、前記第一及び第二実施例におけるストッパー片
52a…、52b…に代えて、シリンダ部50の長手方
向中央位置に、両側を環状テーパー面53a,53aと
した環状突縁部53が形成されると共に、シリンダ部5
0の前後の流路部51a,51bが当該シリンダ部50
より漸次拡径するテーパー状内周面を有している。そし
て、両通路遮断部70a,70bの内端間の幅がシリン
ダ部50の長さと略等しく設定され、他の部分は前記第
一及び第二実施例と同様の構成になっている。
【0027】このボードマーカーCでは、ピストン7
は、図示実線で示すように通路遮断部70aが環状突縁
部53に当接する位置をストローク後端、図示仮想線で
示すように通路遮断部70bが環状突縁部53に当接す
る位置をストローク前端として、前記第一及び第二実施
例と同様に常時は圧縮コイルスプリング9の付勢によっ
てストローク後端に配置すると共に、ピストンシャフト
72の後端の押圧によってストローク前端へ移動し、こ
の前進過程でボードマーカーインキがインキ貯留室10
bからインキ含浸室10aへ送られる。
【0028】しかして、両通路遮断部70a,70bの
周面外径はピストン7を移動可能とする上でシリンダ部
50の内径と厳密に同一には設定できず、もって通路遮
断部70a,70bの周面とシリンダ部50との間は摺
動間隙によって完全には液密封止されないが、前後のス
トローク端では環状テーパー面75と環状突縁部53の
環状テーパー面53aとが接合して完全な遮断状態とな
る。すなわち、環状突縁部53は、ピストン7のストロ
ーク両端を定めるストッパー機能と共に、該ピストン7
の通路遮断部70a,70bを弁体として、これらに対
応する弁座の機能をも併せ持つ。
【0029】なお、この発明のボードマーカーでは、容
器本体1を硬質材料にて形成し、ピストンシャフト72
の後端部を該容器本体1の後端を貫通して外側へ突出さ
せ、この突出した後端部を指で直接に押圧してピストン
7を前進作動させる構成も採用可能である。しかるに、
この構成では、容器本体1のピストンシャフト貫通部分
は、インキiの漏出や通気を完全に防止して且つ該シャ
フト72が摺動可能な封止構造とする必要がある。これ
に対し、前記第一実施例のように、ベローズ部11によ
って長手方向に伸縮可能な容器本体1の後端1b内面に
ピストンシャフト72の後端を接当した構成では、上記
の格別な封止構造が不要であり、容器本体1はベローズ
部11を有するだけの単純な筒状であるために半硬質合
成樹脂のブロー成形等によって安価に製作できると共
に、ボードマーカーの組立製作も容易になるという利点
がある。
【0030】その他、この発明では、シリンダ部50を
筆先ホルダー2自体に一体形成したり、前記第三実施例
におけるようなピストン7自体に形成する通路遮断部7
0a,70bを球形等の他の形状としたり、ピストン7
のストローク端の設定手段を実施例とは異なるものとし
たり、ピストン7をストローク後端本体へ付勢するばね
部材をインキ貯留室10b側に設ける等、種々の構成を
採用できる。また、各構成部材の形状、相互の組み付け
構造、材質等、細部構成については実施例以外に種々設
計変更可能である。
【0031】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、容器部にイン
キを自由流動状態で貯留する形態のボードマーカーとし
て、筆記時の過剰流出によるインキのぼた落ちを確実に
防止できる上、滑らかで良好な筆記性が得られ、しかも
筆跡のかすれや色濃度の低下を生じた際に、ピストンシ
ャフトを指で押圧操作するだけでピストンを介して適量
のインキが筆先側へ補給され、もって良好な塗布性と高
い筆跡色濃度を極めて容易に回復し得るものが提供され
る。
【0032】請求項2の発明によれば、上記ボードマー
カーにおいて、筆記時のインキのぼた落ちをより確実に
防止できると共に、前記ピストンとこれを摺動させるシ
リンダ部が寸法精度の緩和によって製作容易になるとい
う利点がある。
【0033】請求項3の発明によれば、上記ボードマー
カーにおいて、筆記時のインキのぼた落ちをより確実に
防止できると共に、前記ピストンシャフトの一回の押圧
操作に伴うインキ補給量が一定になるという利点があ
る。
【0034】請求項4の発明によれば、上記ボードマー
カーにおいて、前記ピストンシャフトの一回の押圧操作
に伴うインキ補給量を多くでき、もって筆記性及び高い
筆跡色濃度の回復に要する押圧操作の回数を少なくでき
るという利点かある。
【0035】請求項5の発明によれば、上記ボードマー
カーにおいて、インキを自由流動状態で貯留させる容器
本体が構造簡単で安価に且つ容易に製作できると共に、
ボードマーカー自体の組立製作も容易になるという利点
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第一実施例に係るボードマーカー
の縦断面図。
【図2】 図1のII−II線の断面矢視図。
【図3】 同ボードマーカーのピストンがストローク前
端に配置した状態における要部の縦断面図。
【図4】 この発明の第二実施例に係るボードマーカー
の要部の縦断面図。
【図5】 この発明の第三実施例に係るボードマーカー
の要部の縦断面図。
【符号の説明】
1 容器本体 1a 前端部(開口端部) 1b 後端 2 筆先ホルダー 3 筆記軸 4 キャップ 5 シリンダ部材 50 シリンダ部 51a,51b 流路部(通路開放位置) 52a,52b ストッパー片 6 インキ含浸体 7 ピストン 70a 前部側の通路遮断部 70b 後部側の通路遮断部 71 環状溝 72 ピストンシャフト 72a 円板部(後端) 74 環状凹部 8 Oリング 9 圧縮コイルスプリング(ばね部材) 10 インキ容器 10a インキ含浸室 10b インキ貯留室 11 ベローズ部 A〜C ボードマーカー i ボードマーカーインキ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器本体の開口端部に、インキ浸透性の
    筆記軸を外方突出状態に保持した筆先ホルダーが嵌着さ
    れてインキ容器を構成し、 前記インキ容器の内部が、インキ通路をなす両端開放形
    のシリンダ部を境として、ボードマーカーインキを自由
    流動状態で収容する容器本体側のインキ貯留室と、イン
    キ含浸体を装填した筆先ホルダー側のインキ含浸室とに
    区割され、 前記シリンダ部にはその内周に摺接してインキ通路を遮
    断し得る前後一対の通路遮断部を備えたピストンが挿嵌
    され、このピストンのストロークの前後両端において、
    前記の両通路遮断部の一方がシリンダ部内周に接する通
    路遮断位置にあって、他方が該シリンダ部から外れた通
    路開放位置にくるように設定され、 インキ容器の内部に、筆先側を前として、ピストンを後
    退方向へ付勢するばね部材と、該ピストンより後方へ延
    出するピストンシャフトとが配置し、 常時はストローク後端にあるピストンの両通路遮断部間
    の外周面とシリンダ部内周面との間隙にインキ貯留室内
    のボードマーカーインキが流入し、このインキがピスト
    ンシャフトの押圧によってピストンをストローク前端ま
    で移動させた際にインキ含浸室内へ流出するように構成
    されてなるボードマーカー。
  2. 【請求項2】 ピストンの通路遮断部が当該ピストンの
    外周面の環状溝に嵌着したOリングよりなる請求項1記
    載のボードマーカー。
  3. 【請求項3】 ピストンにおける前後一対の通路遮断部
    の間隔がシリンダ部の長さ以下に設定されてなる請求項
    1又は2に記載のボードマーカー。
  4. 【請求項4】 ピストンが前後一対の通路遮断部の間の
    外周面に環状凹陥部を有してなる請求項1〜3のいずれ
    かに記載のボードマーカー。
  5. 【請求項5】 容器本体が後部側に設けたベローズ部に
    よって長手方向に伸縮可能であると共に、この容器本体
    の後端内面に前記ピストンシャフトの後端が接当してな
    る請求項1〜4のいずれかに記載のボードマーカー。
JP9090311A 1997-03-24 1997-03-24 ボードマーカー Pending JPH10264578A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9090311A JPH10264578A (ja) 1997-03-24 1997-03-24 ボードマーカー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9090311A JPH10264578A (ja) 1997-03-24 1997-03-24 ボードマーカー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10264578A true JPH10264578A (ja) 1998-10-06

Family

ID=13994995

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9090311A Pending JPH10264578A (ja) 1997-03-24 1997-03-24 ボードマーカー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10264578A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100903403B1 (ko) 2007-11-20 2009-06-19 유홍근 액상 보드마커

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100903403B1 (ko) 2007-11-20 2009-06-19 유홍근 액상 보드마커

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4973180A (en) Pen with slide plug and valve
US5332326A (en) Writing instrument
EP0476492B1 (en) Marker
JPH10264578A (ja) ボードマーカー
JPH04332698A (ja) 直液形筆記具のスライド栓
JP3643155B2 (ja) ノック式のボールペン
JPH1134573A (ja) ボールペンのリフィール
JP3384196B2 (ja) 筆記具
JPS6134145Y2 (ja)
JP2556866Y2 (ja) 液式筆記具
JP3698807B2 (ja) ボールペンのリフィール
JP2679952B2 (ja) 筆記具
JPS62238799A (ja) 筆記具
JP3924933B2 (ja) 筆記具
JP3179589B2 (ja) 筆記具
JPH11188986A (ja) ボールペン
JPH0313396A (ja) 筆記具
JPS6345335Y2 (ja)
JPH10264575A (ja) ボールペン
JP2590439Y2 (ja) ボールペンのリフィール
JP2000238485A (ja) ボードマーカー
JPH09202092A (ja) 筆記具
JPH09188088A (ja) 複式筆記具
JPH09156292A (ja) 複式筆記具
JPH10287082A (ja) ボールペンのリフィール