JP2000238485A - ボードマーカー - Google Patents

ボードマーカー

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JP2000238485A
JP2000238485A JP11093258A JP9325899A JP2000238485A JP 2000238485 A JP2000238485 A JP 2000238485A JP 11093258 A JP11093258 A JP 11093258A JP 9325899 A JP9325899 A JP 9325899A JP 2000238485 A JP2000238485 A JP 2000238485A
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JP
Japan
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valve
ink
rear end
board marker
valve body
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JP11093258A
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Masayuki Tamura
政之 田村
Yuji Ishida
裕司 石田
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MARUJIYUU KASEI KK
Original Assignee
MARUJIYUU KASEI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インキを自由流動状態で収容するボードマー
カーとして、筆記時にインキのぼた落ちがなく、筆跡の
かすれを生じた際に簡単な操作でインキを筆先に補充で
き、構造が簡素であり、組立製作が容易なものを提供す
る。 【解決手段】 蛇腹部12を有する容器本体1に、イン
キ浸透性の筆記部材3Aを保時した筆先ホルダー2が連
結され、内部に弁部55と操作軸6を備え、弁部は第一
のコイルスプリング53にて付勢された弁体52が前方
から弁座55bに押接して常時は閉弁しており、操作軸
6は、前端側が弁体52に軸方向変位可能に凹凸嵌合
し、第二のコイルスプリング7の付勢により常時は軸方
向当接部62を弁体52から離間した状態で、後端6c
が容器本体1の後端内面1bに押接しており、容器本体
1の後端の押圧により、蛇腹部12の短縮を伴って操作
軸6が前進し、軸方向当接部62に当接した弁体52が
開弁作動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ホワイトボード
や電子白板を始めとするインキ不浸透性の平滑な表記面
に筆記し、その筆跡をイレーザー等の乾いた布面で軽く
拭って消去できるボードマーカー、特に内部にインキを
自由流動状態で貯留する方式のボードマーカーに関す
る。
【0002】
【従来技術とその課題】従来、ボードマーカーとして、
容器本体に充填したフェルトや綿状繊維塊よりなるイン
キ含浸体(中綿と称される)にボードマーカーインキを
含浸させ、この容器本体の開口端部に、インキ浸透性の
筆記軸を保持した筆先ホルダーを嵌着したものが汎用さ
れている。しかるに、このようなボードマーカーでは、
インキ含浸体の充填によってインキ容量が小さくなる
上、筆跡の色濃度がインキ含浸体内での着色成分の沈着
や吸着によって経時的に低下し、しかもインキ含浸体に
よる吸収が大きいため、かなりのインキ残量があっても
筆跡のかすれを生じて使用できなくなるという欠点があ
った。
【0003】そこで、近年においては、容器内にインキ
を自由流動状態で貯留する形態のボードマーカーの開発
が進められている。しかしながら、ボードマーカーイン
キは、筆跡消去のために筆跡塗膜の表記面からの剥離性
と分解性を高める必要から、ペイントマーカー等の筆跡
消去を要しない一般的な筆記具に用いるインキに比較し
て結合剤成分の配合比率が格段に低く設定され、もって
非常に低粘性であるため、容器内に自由流動状態で貯留
した場合には筆記時に過剰流出によるぼた落ちを生じ易
い。
【0004】このような過剰流出を防止するには、容器
内に弁機構を組み込み、常時は弁部を閉弁状態としてイ
ンキ貯留部から筆先側へのインキ供給を断ち、筆跡にか
すれを生じた際に開弁させて筆先側にインキを補給する
手段が有効であると考えられる。
【0005】しかして、これに類した弁機構は、従来よ
り化粧液塗布器等の特殊な液剤塗布器に採用されてい
る。すなわち、これら液剤塗布器では、容器後端側に容
器内外の封止を兼ねた膜状の弾性体を取り付け、この弾
性体の内面側に弁体より後方へ延出した操作軸の後端を
結合すると共に、該弾性体の外側にノック部材を取り付
けるか、あるいは前記操作軸の後端側をシール部を介し
て容器外へ突出させ、この突出した後端にノック部材を
取り付けた構造を有しており、これらノック部材を外側
から押圧することにより、弁体が操作軸を介して開弁作
動するように構成されている。
【0006】しかしながら、上記液剤塗布器のような構
成では、容器尾端側の構造が複雑化して部品点数も多く
なり、組み立てに多大な手間を要して製造コストが高く
つくことから、とりわけ消耗品性向が強く高級指向にそ
ぐわないボードマーカーには適用しにくいという難点が
あった。
【0007】そこで、この発明者は、上述の構造に代わ
るものとして、ボードマーカーの容器本体として後部に
蛇腹部を有するものを用い、前記弁機構における操作軸
の後端を容器本体の後端内面に当接させておき、該容器
本体の後端を押圧することにより、蛇腹部の短縮を伴っ
て操作軸を前進させて弁体を開弁作動させる方式につい
て検討を重ねた。この方式では、容器本体は蛇腹部を有
する以外は単純な容器形態でよく、その内部に操作軸の
全体を収めるから、容器後端での封止や操作軸との連結
を必要とせず、弾性体、シール材、ノック部材等も一切
不要であり、構成的に極めて簡素となる。
【0008】しかるに、上記の蛇腹部を有する容器本体
は、その形態と機能性から熱可塑性合成樹脂を用いてブ
ロー成形によって製作することになるが、この成形時の
特に蛇腹部における偏肉による部分的な硬化収縮性の違
い等に起因して、成形品の長さのばらつきが避けられな
い。そして、この長さが設計寸法より僅かでも短いと、
ボードマーカーを組み立てた際、前記操作軸の後端を容
器本体の後端内面に当接した状態で弁体が弁座から離れ
てしまい、その隙間を通して常時インキが筆先側へ供給
されるため、筆記時にぼた落ちを生じ易くなる。一方、
これを避ける上で、前記ばらつきを考慮して容器本体の
設計寸法を長めに設定した場合、殆どのボードマーカー
において容器本体の後端が操作軸の後端から浮き離れた
状態になり、インキ補給のために容器本体の後端を指で
押して開弁操作する際、初期には手応えがなく、更に押
し付けた段階で操作軸に触れることから、使用感及び使
い勝手が悪いものとなる。
【0009】また、上述のような問題は、容器本体のブ
ロー成形に起因した長さのばらつきだけでなく、容器本
体と筆先ホルダーとの嵌合度合や、弁部の組み付け具合
も大きな要因となる。すなわち、弁部は硬質の筆先ホル
ダー側に設けられ、この筆先ホルダーと容器本体とは一
般的にねじ部で螺合連結されるから、その締め付け度合
によって弁座と容器本体の後端との距離が変動する。ま
た、弁部は筆先ホルダーの受け部に対して内周に弁座を
設けた筒状部材を圧入して固定するのが普通であり、こ
の圧入深さに多少の差があっても固定状態には影響はな
いが、弁座と容器本体の後端との距離の変動に結び付く
ことになる。
【0010】この発明は、上述の状況に鑑み、内部にイ
ンキを自由流動状態で貯留する形態のボードマーカーと
して、筆記時の過剰流出によるインキのぼた落ちがな
く、筆跡のかすれを生じた際に簡単な操作で確実にイン
キを筆先に補給でき、しかも構造が極めて簡素であっ
て、容易に且つ低コストで組立製作できる上、高品質な
ものを安定的に得る手段を提供することを目的としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の請求項1に係るボードマーカーは、後部
周面が蛇腹部をなす容器本体の開口した前端側に、イン
キ浸透性の筆記部材を保時した筆先ホルダーが連結され
て、ボードマーカーインキを自由流動状態で収容するイ
ンキ容器を構成し、このインキ容器内に、筆記部材への
インキ通路を開閉する弁部と、該弁部よりも後方に配置
した操作軸と、第一及び第二のコイルスプリングとを備
え、前記弁部は、常時は弁座に対して第一のコイルスプ
リングにて付勢された弁体が前方から押接して閉弁して
おり、前記操作軸は、前端側が前記弁体に軸方向変位可
能に凹凸嵌合すると共に、この前端側に該弁体に対する
軸方向当接部を有し、第二のコイルスプリングによる後
方への付勢により、常時は前記軸方向当接部を前記弁体
から離間した状態で後端が前記容器本体の後端内面に押
接するように配置している。
【0012】上記構成のボードマーカーにおいては、常
時は弁部が閉じているが、容器本体の後端を押圧すれ
ば、蛇腹部の短縮を伴って操作軸が前進し、その軸方向
当接部が弁体に押接することにより、該弁体が前方移動
して開弁し、インキが筆先側に補給される。従って、常
時はインキ貯留部から筆先側へのインキ供給がなく、筆
記は筆先側に存在するインキのみで賄われるから、筆記
時に過剰流出によるぼた落ちを生じず、筆跡にかすれを
生じ始めた際に上記の開弁操作を行えばよい。
【0013】しかして、操作軸の前端側が弁体に軸方向
変位可能に凹凸嵌合し、この前端側の軸方向当接部が閉
弁位置の弁体から離間した状態で、該操作軸の後端が容
器本体の後端内面に押接する構造であるから、容器本体
の長さのばらつき、容器本体と筆先ホルダーとの嵌合度
合や弁部の組み付け具合の差等により、製品によって弁
座と容器本体の後端との距離に多少の違いがあっても、
操作軸の軸方向当接部と弁体との設定間隔の範囲で吸収
され、弁部の閉弁状態と操作軸後端の容器本体後端内面
への当接状態が確実に保障される。
【0014】請求項2の発明では、上記請求項1のボー
ドマーカーにおいて、前記弁部は、弁室を構成する筒状
ケース内に、該弁室の前後両側の開口部に前後両端を挿
嵌した軸状の弁体と、該弁体を後方へ付勢する前記第一
のコイルスプリングとが装填されたバルブユニットより
なり、前記弁体は、外周に後方向きの環状テーパー面を
持つ鍔部を備え、その環状テーパー面において弁室の後
部開口側に設けられた環状の弁座に密嵌するように設定
されたものとしている。この場合、弁部がユニットにな
っているから、ボードマーカーの組立て製作時に該ユニ
ットを筆先ホルダー側に嵌合させるだけで弁部を構成で
きる。また、弁体は弁室の前後の開口部でガイドされて
開閉動作することになる。
【0015】請求項3の発明では、上記請求項2のボー
ドマーカーにおいて、弁体の前記鍔部が前方へ傾いたフ
ィン状をなし、弁室には弁開閉に伴う当該弁体の可動範
囲において前記鍔部の頂縁と略摺接する内周部を有して
なる構成としている。この場合、開弁操作を行った際、
弁部が開放しても鍔部の頂縁と弁室の前記内周部との間
でインキ流量が制限され、インキが一挙に筆先側へ流入
することはない。
【0016】請求項4の発明では、上記請求項1〜3の
いずれかのボードマーカーにおいて、弁体が後端面に開
口した中心孔を有すると共に、前記操作軸の前端側に細
軸部を備え、この細軸部を前記中心孔に摺動自在に挿嵌
する構成としている。この場合、弁体と操作軸が深く凹
凸嵌合した形になるから、弁開閉において凹凸嵌合部で
のがたつきが防止される。
【0017】請求項5の発明では、上記請求項1〜4の
いずれかのボードマーカーにおいて、筆記部材が毛筆状
をなす構成としているから、ホワイトボードや電子白板
に毛筆様の書体で筆記することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係るボードマー
カーの実施例を図面を参照して具体的に説明する。図1
及び図2は第一実施例、図3は第二実施例、図4は第三
実施例、図5は第四実施例、図6は第五実施例、をそれ
ぞれ示す。
【0019】図1(イ)(ロ)において、1は半硬質合
成樹脂のブロー成形物からなる略円筒状の容器本体であ
り、開口した前端部1aに雄ねじ部11を有すると共
に、閉塞した後端1b側の周面が蛇腹部12をなしてい
る。2は硬質合成樹脂成形物からなる筆先ホルダーであ
り、前部に小径筒状の筆先保持部2aを有すると共に、
後部が雌ねじ部21を有する短い外筒部2bと長い内筒
部2cとで二重筒状をなし、筆先保持部2aにスライバ
ー、フェルト、多孔質合成樹脂等のインキ浸透性材料か
らなる棒状の筆記部材3Aが一部を外方突出した状態で
保持され、また先細テーパー状をなす中間部2dの内側
にフェルトや綿状繊維等からなるインキ含浸体4が装填
されている。
【0020】容器本体1と筆先ホルダー2は、後者の内
筒部2cを容器本体1内へ挿嵌した状態で、両者のねじ
部11,21を螺合して連結することにより、ボードマ
ーカーインキを自由流動状態で貯留するインキ容器10
を構成している。そして、このインキ容器10内には、
バルブユニット5が筆先ホルダー2の内筒部2cに嵌着
されると共に、該バルブユニット5と容器本体1の後端
との間に操作軸6が配置している。なお、図示を省略し
ているが、筆先ホルダー2の前部にはキャップが嵌着さ
れる。
【0021】バルブユニット5は、図1(ロ)に示すよ
うに、前後に開口した弁室50を構成する筒状ケース5
1内に、前後方向に沿う軸状の弁体52と、第一のコイ
ルスプリング53とが装填されている。そして、筒状ケ
ース51は、一端側に鍔部54aを有する長いばね受け
筒54内に、同じく一端側に鍔部55aを有して内周に
環状の弁座55bを設けた短かい弁座筒55が両鍔部5
4a,55aを重ねる形で嵌合しており、ばね受け筒5
4の鍔部54aにおいて筆先ホルダー2の内筒部2cの
後端に係合している。なお、弁体52、ばね受け筒5
4、弁座筒55はいずれも半硬質合成樹脂成形物からな
る。
【0022】弁体52は、後部寄り位置の外周に前方へ
傾いたフィン状の鍔部52aを備えると共に、後端に開
口した中心孔52bを有し、外周に複数本の導出溝52
c…を設けた前端側をばね受け筒54の縮径した前部5
4bに挿嵌して、後端側を弁座55bよりも後方へ突出
するように配置しており、その鍔部52aとばね受け筒
54側の環状段部50aとの間に圧縮状態で嵌装した第
一のコイルスプリング53により、常時は鍔部52aの
後方向きの環状テーパー面52dが弁座55bに線接触
状態で密嵌して閉弁するように構成されている。しかし
て、鍔部52aは、その頂縁が弁座筒55における弁座
55bよりも前部側の内周部55cに略摺接するように
近接して配置している。
【0023】操作軸6は、硬質合成樹脂成形物からな
り、前部に径大の頭部6aとその前端中央部より前方へ
延出した細軸部6bとを備えると共に、後端に円板部6
cを有している。しかして、この操作軸6は、細軸部6
bを弁体52の中心孔52bに挿嵌した形で、頭部6a
後端のフランジ部61と弁座筒55の鍔部55aとの間
に装填された圧縮状態の第二のコイルスプリング7にて
付勢されることにより、常時は後端の円板部6cが容器
本体1の後端内面1bに押接し、且つ細軸部6bの根元
周囲の環状段部62が軸方向当接部として対向する弁体
5の後端面52eから間隔tだけ離れるように設定され
ている。なお、この間隔tは通常0.3〜3mm程度で
ある。
【0024】上記構成のボードマーカーにおいては、イ
ンキがバルブユニット5の弁座55bを境として後部側
のインキ貯留室10aに自由流動状態で貯留されるが、
常時は弁座55bが閉塞しているため、筆記に伴って消
費されるインキは該弁座55bよりも前部側つまり筆先
側に存在する分によって賄われ、インキ貯留室10a内
のインキが筆先側へ流れ込んで筆記部材3Aに直接浸透
することはないから、筆記部材3Aからの過剰流出によ
るインキのぼた落ちを生じない。
【0025】一方、筆先側のインキ不足によって筆跡に
かすれを生じ始めた際には、筆先側が下位になる把持姿
勢で容器本体1の後端を指で押圧するノック操作を行う
ことにより、良好な筆記性を回復できる。すなわち、容
器本体1の後端を押圧すれば、蛇腹部12の短縮を伴っ
て操作軸6が前進し、その環状段部62が弁体52の後
端面52eに当接し、図2に示すように弁体52も前方
移動して開弁し、蛇腹部12の短縮による容積縮小で生
じる与圧を受けてインキ貯留室10aのインキが筆先側
に補給される。
【0026】上記の開弁作動の際、弁体52の前方移動
は操作軸6の前頭部6aの前端周縁部63が弁座筒55
の後端に当接する位置で限界となるが、この前方移動限
界においても鍔部52aは弁座筒55の内周部55cか
ら離脱しない位置にある。従って、弁体52の鍔部52
aが弁座55bから離れても、該鍔部52aの頂縁が弁
座筒55の内周部55cに略摺接する状態にあり、この
部分でインキ流量が制限されるため、インキ貯留室10
a内のインキが筆先側へ一挙に流入してぼた落ちを生じ
るようなことはない。また、鍔部52aはフィン状で圧
力によって容易に弾性変形するから、その頂縁が弁座筒
55の内周部55cに密接して流路を閉塞してしまうこ
ともない。
【0027】そして、容器本体1の後端の押圧を止めれ
ば、第一及び第二のコイルスプリング53,7の蓄力に
よって弁体52及び操作軸6が後方へ復帰移動するが、
この過程で筆先側へのインキ補給量に見合う気体がイン
キ貯留室10a内へ流入するから、蛇腹部12も元の長
さまで伸長し、図1(イ)(ロ)で示す元の状態に戻
る。なお、1回のノック操作で筆跡のかすれが解消され
ない場合は、同じ操作を繰り返せばよい。
【0028】このような構成のボードマーカーは、内部
にインキを自由流動状態で収容するものであるから、従
来汎用のボードマーカーのようにインキ含浸体を充填し
たものに比較し、インキ容量が大きく、経時的な筆跡色
濃度の低下がなく、インキの略全量を使い切るまで良好
な筆記性が得られ、長寿命である。しかして、弁体52
と操作軸6とは前者の中心孔52bに後者の細軸部6b
が摺動自在に挿嵌した形で凹凸嵌合しているため、前記
の開弁操作において該凹凸嵌合部でのがたつきを生じ
ず、且つ弁体52は弁室10の前後の開口部でガイドさ
れて移動することになるから、弁部の作動安定性がよ
い。
【0029】ところで、このボードマーカーに用いる容
器本体1は、伸縮する蛇腹部12を持つという形態及び
機能上から半硬質合成樹脂材料を用いたブロー成形にて
製作されるが、この成形時の特に蛇腹部12における偏
肉による部分的な硬化収縮性の違い等に起因して、成形
品の長さにある程度のばらつきを生じることが避けられ
ない。また、ボードマーカー全体を組立製作する際、容
器本体1と筆先ホルダー2との螺合の強弱度合、バルブ
ユニット5のばね受け筒54と弁座筒55との嵌合状
態、筆先ホルダー2の内筒部2cに対するバルブユニッ
ト5の嵌合状態等にもばらつきを生じるのが普通であ
る。そして、これらのばらつきは、弁座55bと容器本
体1の後端内面1bとの距離の違いとして現れることに
なる。
【0030】しかるに、このボードマーカーにおいて
は、操作紬6の環状段部62が弁体5の後端面52eか
ら間隔tだけ離れるように設定されているから、前記ば
らつきに起因して製品によって弁座55bと容器本体1
の後端内面1bとの距離に多少の違いがあっても、この
違いは前記間隔tの範囲で吸収され、操作軸6の後端の
円板部6cが容器本体1の後端内面1bに当接した形
で、弁体52が弁座55aに密嵌した閉弁状態が確実に
保障される。
【0031】従って、このボードマーカーによれば、閉
弁不良によって筆先側のインキ量が過剰になって筆記時
にぼた落ちを生じる懸念はなく、また操作軸6の円板部
6cが容器本体1の後端内面1bに当接しているから、
開弁操作において該後端内面1bを指で押圧した際に確
実な手応えが得られ、使用感及び使い勝手がよい。更
に、容器本体1の長さの許容範囲が広くなるから、その
ブロー成形による製作を高歩留りで行えると共に、ボー
ドマーカーの組立製作時に要求される精度も緩和され、
高品質な製品を容易に安定的に得ることができる。
【0032】図3に示す第二実施例のボードマーカーで
は、容器本体1、筆先ホルダー2、バルブユニット5、
操作軸6の各部材は前記第一実施例と同様であるが、筆
先が毛筆状の筆記部材3Bにて構成されている。この筆
記部材3Bは、合成樹脂製の毛束を熱処理して一体化す
ると共に、後端部31をプレスにより外側へ拡がった形
に固めたものであり、硬質合成樹脂成形物からなる保持
筒8を介して筆先ホルダー2に保持されている。しかし
て、保持筒8は、筆記部材3Bに対応する内径の前部側
よりも後部側の内径が大きく、その前部側に挿通した筆
記部材3Bの拡がった後端部31を内周段部8aで係止
すると共に、内径の大きい後部側でバルブユニット5の
ばね受け筒54の前部54bに外嵌している。
【0033】この第二実施例のボードマーカーによれ
ば、バルブユニット5及び操作軸6の機能及び作用効果
は前記第一実施例のボードマーカーと同様であるが、筆
先が毛筆状をなすことから、ホワイトボードや電子白板
等のインキ不浸透性の表記面に毛筆様の書体で筆記する
ことが可能となる。
【0034】図4は、第三実施例のボードマーカーの弁
機構部分を示す。このボードマーカーでは、バルブユニ
ット5における弁体52の鍔部52aがフィン状ではな
く直角三角形の断面を有し、また筒状ケース51の弁座
筒55は弁座55bが前記鍔部52aの環状テーパー面
52dに対して面接触するテーパー面状をなし、該弁座
55bにおける開弁時の流路間隙が前記第一実施例の場
合よりも狭く設定され、逆に弁座筒55の弁座55bよ
り前方の内周部55cは前記鍔部52aの頂縁から離れ
て充分な間隙を生じる構造となっており、他は全て前記
第一実施例のボードマーカーと同様の構成である。
【0035】従って、この第三実施例のボードマーカー
によれば、筆先側のインキ不足によって筆跡にかすれを
生じ始めた際に、筆先側が下位になる把持姿勢で容器本
体1〔図1(イ)参照〕の後端を指で押圧するノック操
作を行うことにより、操作軸6の環状段部62が弁体5
2の後端面52eに当接し、弁体52が前方移動して開
弁し、インキ貯留室10a〔図1(イ)参照〕のインキ
が筆先側に補給され、良好な筆記性を回復できる。しか
して、上記の開弁作動の際、鍔部52aの頂縁と弁座筒
55の内周部55cとの間ではインキ流量の制限作用は
ないが、弁座55bでのインキ流通間隙が狭いため、イ
ンキ貯留室10a内のインキが筆先側へ一挙に流入して
ぼた落ちを生じるようなことはない。
【0036】上記の第一〜第三実施例では弁体52の中
心孔52bに操作軸6の細軸部6bが軸方向変位可能に
挿嵌した構造であるが、この凹凸嵌合の関係を逆にした
構造、例えば図5に示す第四実施例のように、弁体52
の後部側に細軸部52fを設け、この細軸部52fが操
作軸6の前頭部6aに設けた中心孔64に挿嵌する構造
としてもよい。この第四実施例では、弁体52の閉弁状
態において、第二のコイルスプリング7の付勢により、
操作軸6の前頭部6aの前端面65が軸方向当接部とし
て、弁体52の細軸部52fの根元周囲に構成される環
状段部52gから間隔tだけ離れるように設定されてお
り、容器本体1〔図1(イ)参照〕の後端を押圧するノ
ック操作を行えば、操作軸6の前端面65が弁体52の
環状段部52gに当接し、弁体52が前方移動して開弁
することになる。
【0037】また、操作軸の前部側に設ける軸方向当接
部は、弁体との凹凸嵌合部自体の端面にて構成してもよ
い。例えば、図6の第五実施例では、弁体52側の中心
孔52bの長さ(深さ)が操作軸6の細軸部6bの長さ
よりも短くなっており、弁体52が閉弁した状態におい
て、第二のコイルスプリング7の付勢により、細軸部6
bの先端面66が軸方向当接部として弁体52側の中心
孔52bの奥端から間隔tだけ離れるように設定されて
おり、容器本体1〔図1(イ)参照〕の後端を押圧する
ノック操作を行えば、細軸部6bの先端面66が弁体5
2の中心孔52bの奥端に当接し、やはり弁体52が前
方移動して開弁することになる。
【0038】なお、この発明のボードマーカーにおける
細部構成については、前記第一〜第4実施例以外に種々
設計変更可能である。例えば、筆記部材へのインキ通路
を開閉する弁部はバルブユニット5として一体化したも
のでなくてもよいし、弁座と弁体の形状及び位置、第一
及び第二のコイルスプリングの両端の係止位置と係止部
分の構造、操作軸の前端部及び後端部の形状等について
も例示以外の構成を採用できる。
【0039】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、内部にインキ
を自由流動状態で貯留する形態のボードマーカーとし
て、筆記部材へのインキ通路を開閉する弁部を備え、こ
の弁部が常時は閉じているために筆記時の過剰流出によ
るインキのぼた落ちがなく、また筆跡にかすれを生じ始
めた際には、後端を指で押圧するだけの簡単な操作によ
り、内部の操作軸を介して弁部が開き、インキが筆先側
に補給されて良好な筆記性を回復できる上、構造が極め
て簡素であって、容易に且つ低コストで組立製作できる
ものが提供される。しかも、このボードマーカーにおい
ては、容器本体の長さに多少のばらつきがあったり、容
器本体と筆先ホルダーとの嵌合度合や弁部の組み付け具
合に多少の違いがあっても支障がなく、弁部の閉弁状態
と操作軸後端の容器本体後端内面への当接状態が確実に
保障されるから、容器本体のブロー成形による製作を高
歩留りで行えると共に、ボードマーカーの組立製作時に
要求される精度も緩和され、弁作動が確実で使い勝手の
よい高品質な製品を容易に安定的に得ることが可能とな
る。
【0040】請求項2の発明によれば、上記のボードマ
ーカーとして、弁部がユニットになっているために組立
て製作の作業性がよく、また弁部の作動安定性に優れる
ものが提供される。
【0041】請求項3の発明によれば、上記請求項2の
ボードマーカーにおいて、開弁操作を行った際にインキ
が一挙に筆先側へ流入することによるぼた落ちを確実に
防止できるという利点がある。
【0042】請求項4の発明によれば、上記のボードマ
ーカーとして、弁開閉において弁体と操作軸との凹凸嵌
合部でのがたつきを生じず、弁部の作動安定性により優
れるものが提供される。
【0043】請求項5の発明によれば、上記のボードマ
ーカーとして、ホワイトボードや電子白板に毛筆様の書
体で筆記できるものが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る第一実施例のボードマーカー
を示し、(イ)はボードマーカー全体の半断面側面図、
(ロ)弁機構部分の縦断側面図である。
【図2】 同第一実施例のボードマーカーの弁部が開い
た状態における弁機構部分の縦断側面図である。
【図3】 同第二実施例のボードマーカーの前部側の縦
断側面図である。
【図4】 同第三実施例のボードマーカーにおける弁機
構部分の縦断側面図である。
【図5】 同第四実施例のボードマーカーにおける弁機
構部分の縦断側面図である。
【図6】 同第五実施例のボードマーカーにおける弁機
構部分の縦断側面図である。
【符号の説明】
1 容器本体 1a 前端部 1b 後端内面 10 インキ容器 10a インキ貯留部 12 蛇腹部 2 筆先ホルダー 3A,3B 筆記部材 5 バルブユニット 51 筒状ケース 52 弁体 52a 鍔部 52b 中心孔 52d 環状テーパー面 53 第一のコイルスプリング 55b 弁座 55c 内周部 6 操作軸 6a 前頭部(前部側) 6b 細軸部 6c 円板部(後端) 62 環状段部(軸方向当接部) 65 前端面(軸方向当接部) 66 先端面(軸方向当接部) 7 第二のコイルスプリング t 間隔

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 後部周面が蛇腹部をなす容器本体の開口
    した前端側に、インキ浸透性の筆記部材を保時した筆先
    ホルダーが連結されて、ボードマーカーインキを自由流
    動状態で収容するインキ容器を構成し、このインキ容器
    内に、筆記部材へのインキ通路を開閉する弁部と、該弁
    部よりも後方に配置した操作軸と、第一及び第二のコイ
    ルスプリングとを備え、 前記弁部は、常時は弁座に対して第一のコイルスプリン
    グにて付勢された弁体が前方から押接して閉弁してお
    り、 前記操作軸は、前端側が前記弁体に軸方向変位可能に凹
    凸嵌合すると共に、この前端側に該弁体に対する軸方向
    当接部を有し、第二のコイルスプリングによる後方への
    付勢により、常時は前記軸方向当接部を前記弁体から離
    間した状態で後端が前記容器本体の後端内面に押接する
    ように配置し、 前記容器本体の後端を押圧した際に、蛇腹部の短縮を伴
    って操作軸が前進し、その軸方向当接部が弁体に押接す
    ることにより、該弁体が前方移動して開弁するように構
    成されてなるボードマーカー。
  2. 【請求項2】 前記弁部は、弁室を構成する筒状ケース
    内に、該弁室の前後両側の開口部に前後両端を挿嵌した
    軸状の弁体と、該弁体を後方へ付勢する前記第一のコイ
    ルスプリングとが装填されたバルブユニットよりなり、 前記弁体は、外周に後方向きの環状テーパー面を持つ鍔
    部を備え、その環状テーパー面において弁室の後部開口
    側に設けられた環状の弁座に密嵌するように設定されて
    なる請求項1記載のボードマーカー。
  3. 【請求項3】 弁体の前記鍔部が前方へ傾いたフィン状
    をなし、弁室には弁開閉に伴う当該弁体の可動範囲にお
    いて前記鍔部の頂縁と略摺接する内周部を有してなる請
    求項2記載のボードマーカー。
  4. 【請求項4】 弁体が後端面に開口した中心孔を有し、
    前記操作軸は前端側に設けた細軸部を該中心孔に摺動自
    在に挿嵌することによって弁体に凹凸嵌合してなる請求
    項1〜3のいずれかに記載のボードマーカー。
  5. 【請求項5】 筆記部材が毛筆状をなす請求項1〜4の
    いずれかに記載のボードマーカー。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100903403B1 (ko) * 2007-11-20 2009-06-19 유홍근 액상 보드마커

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