JPH02310Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は顔料インキなどの固型分率の高いイン
キ類又は糊（以下、顔料インキという）を使用
し、弁を開いて筆記体に顔料インキを流出して筆
記するようにした筆記具に関するもので、その目
的とするところは筆記時筆記体とチツプとの間に
生じたインキ成分の固まりをはがし、あるいはく
ずすなどして円滑に筆記できるようにし、以上の
操作をサイドノツクで筆記しながら行うことがで
きるようにせんとするにある。

従来、顔料インキを使用したサイドノツク弁付
筆記具は、第１図に示すように筆記体１を前軸２
先端に固定し、弁３をスプリング４で弁座５に常
時圧接し、弾性体からなる後軸６の側面を押圧し
て押圧片７により弁３後端部を後方に摺動して弁
３を開弁し顔料インキを筆記体１先端に流出する
ようにするか、又は第２図のように筆記体１１を
前軸１２先端に固定し、球状弁１３をスプリング
１４で弁座１５に常時圧接し、弾性体からなる後
軸１６の側面を押圧して弾棒１７を変形し、押圧
片１８により球状弁１３を前方に押圧して開弁し
顔料インキを筆記体１１先端に流出するようにな
つていたが、何れも筆記体は固定し、弁のみが摺
動するようになつていたので、長期間使用してい
ない時や、チツプをとつた放置条件下等では筆記
体外面と前軸内面間の顔料インキ通路内に顔料イ
ンキの成分が固化して顔料インキが筆記体先端に
流出しなくなり筆記できなくなるという欠点があ
つた。又筆記体の先端をノツクして筆記体と一緒
に弁も摺動して開弁し顔料インキを筆記体先端に
流出するようにした筆記具もあるが筆記体の先端
をノツクする際、被筆記体等に不必要な顔料イン
キを吐出させなければならないという欠点があつ
た。

本考案は軸筒を押圧することにより開弁すると
同時に筆記体を一緒に摺動して筆記体外周にイン
キ成分が固着した場合インキ成分の固まりをはが
し又はくずし顔料インキが円滑に流通できるよう
にして従来の欠点を除くようにしたものである。

第３図は本考案の第１実施例である。２０は樹
脂、焼結体等よりなる芯の外周にジヤバラ状の液
保持機構２０ａを有する筆記体で前軸２１の先端
孔２１ａ内に摺動自在に挿入されその後端に弁体
２２を固定し、該弁体２２の後端螺孔２２ａには
弁棒２３の先端螺子部２３ａが螺合固定され、弁
棒後端には円錐面２３ｂが形成されている。２４
は弁棒２３外周に配設された弾板で、先端が前軸
２１内面に固定され、中間部内方突部２４ａと弁
体２２後端との間にスプリング２５が張設され、
弁体２２を常時前軸２１の弁座２１ｂに圧接して
閉弁し、弾発体２４後端は弁棒２３後端の円錐面
２３ｂに当接している。前軸２１後端には弾性体
からなる後軸２６が螺合され、その後端には顔料
インキのインキ室を設けている。

次に作用について説明する。非筆記時は第３図
の如く弁体２２がスプリング２５の弾力で弁座２
１ｂに圧接され閉弁している。筆記時は第４図の
如く後軸２６の矢印位置を押圧すると弾発体２４
が内方に変位し円錐面２３ｂを押圧するので弁棒
２３は後方に摺動し弁体２２は弁座２１ｂから離
れ、同時に筆記体２０も先端孔２１ａ内を摺動
し、先端孔２１ａ内面と筆記体２０外面との間に
固着しているインキ成分の固まりをはがし、ある
いはくずし、インキ室からの顔料インキは先端孔
２１ａに流入し、筆記体２０の外周に設けられた
液保持機構２０ａを通つて先端に流出する。第５
図は本考案の第２実施例で弁体３２先端に外周に
ジヤバラ状の液保持機構３０ａを有するホルダー
３３内に樹脂、焼結体等よりなる筆記芯３４を挿
入した筆記体３０が一体に形成され、顔料インキ
はホルダー３３の外周に設けられた液保持機構３
０ａを通つて先端に流出するようになつており、
他の作用は第１実施例と同様である。第６図は本
考案の第３実施例であり、４０は樹脂、焼結体等
よりなる芯の外周に螺旋状の液保持機構４０ａを
有する筆記体で前軸４１の先端孔４１ａの内に摺
動自在に挿入されその後端に弁体４２を固定し、
該弁体４２先端と前軸４１との間にスプリング４
３が張設されており、弁体４２後端には円錐面４
２ａが形成されている。４４は弁体４２外周に配
置された弾板で、先端を円筒形となし、先端内周
に弁座４４ａを有し、先端外周が前軸４１内面に
固定されており、後端は弁体４２後端の円錐面４
２ａに当接している。弁体４２はスプリング４３
により常時、弾板４４の先端内周に設けられた弁
座４４ａに圧接して閉弁している。前軸４１後端
には弾性体からなる後軸４５が螺合され、その後
端には顔料インキのインキ室が設けてある。

作用については後軸４５の矢印位置を押圧する
ことにより、弁体４２が筆記体４０とともに前方
に摺動しながら開弁する以外は第１実施例と同様
である。

本考案によれば弁と筆記体とを一体とし、弾性
体からなる軸筒を内方に向つて押圧し軸筒内の弾
発体を変位して弁と筆記体を一緒に摺動するよう
になつているので使用時筆記体とチツプとの間に
生じたインキ成分の固まりをはがすか又はくずす
ことができ円滑に筆記でき、サイドノツク式なの
で筆記し乍ら前記操作を行うことができ便利であ
る。

なお本考案は液保持機構を有する筆記体を用い
ているので顔料インキを筆記体側面に適量貯留で
き、顔料インキの吐出量を適正に調整できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の第１比較例要部正断面図、第２
図は従来の第２比較例要部正断面図、第３図は本
考案の第１実施例非筆記時要部正断面図、第４図
は第３図の筆記時要部正断面図、第５図は本考案
の第２実施例非筆記時要部正断面図、第６図は本
考案の第３実施例非筆記時要部正断面図である。 ２０，３０，４０……筆記体、２０ａ，３０
ａ，４０ａ……液保持機構、２１，４１……前
軸、２１ａ，４１ａ……先端孔、２２，３２，４
２……弁体、２３……弁棒、２３ａ，４２ａ……
円錐面、２４，４４……弾発体、２５，４３……
スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 弁体を固定した液保持機構を有する筆記体を軸
   筒先端孔に摺動自在に設け、軸筒の少くとも一部
   を軸筒内の弾性体となし、該軸筒を押圧すること
   により弾発体を変位し、弁体と筆記体を同時に摺
   動し得る如くなしたサイドノツク弁付筆記具。