JPH10264429A - 発熱装置およびその製造方法 - Google Patents

発熱装置およびその製造方法

Info

Publication number
JPH10264429A
JPH10264429A JP7746497A JP7746497A JPH10264429A JP H10264429 A JPH10264429 A JP H10264429A JP 7746497 A JP7746497 A JP 7746497A JP 7746497 A JP7746497 A JP 7746497A JP H10264429 A JPH10264429 A JP H10264429A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
heat storage
heat
polyimide resin
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7746497A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3652831B2 (ja
Inventor
Hideo Taniguchi
秀夫 谷口
Yasuhisa Fujii
泰久 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rohm Co Ltd
Original Assignee
Rohm Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rohm Co Ltd filed Critical Rohm Co Ltd
Priority to JP7746497A priority Critical patent/JP3652831B2/ja
Publication of JPH10264429A publication Critical patent/JPH10264429A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3652831B2 publication Critical patent/JP3652831B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electronic Switches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓄熱層としてポリイミド樹脂を用いたもので
ありながら、抵抗層や電極層の断線を良好に防止できる
発熱装置、およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 通電されることにより発熱する抵抗層6
と、この抵抗層6に通電するための共通電極4および個
別電極5と、抵抗層6により発生された熱を蓄熱する蓄
熱層3とを、基板1上に備えた発熱装置であって、蓄熱
層3をポリイミド樹脂により構成し、抵抗層6および共
通電極4ならびに個別電極5を厚膜により構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、サーマルプリン
トヘッドなどに用いられる発熱装置、およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】サーマルプリントヘッドに用いられる発
熱装置においては、一般に、所望の熱特性を得るための
蓄熱層として、ガラスグレーズ層が用いられていた。
【0003】このガラスグレーズ層は、熱伝導率が比較
的大きく、また比熱も比較的大きいので、低消費電力化
および印字品質の向上に限界があり、印字速度を高速化
する妨げともなっていた。
【0004】そこで、蓄熱層として、ガラスグレーズ層
2よりも熱伝導率および比熱が小さいポリイミド樹脂を
用いた発熱装置が提案されている。
【0005】このような従来の発熱装置は、図38に示
すように、金属板あるいはセラミックからなる基板51
上に、ポリイミド樹脂からなる蓄熱層52を全面に形成
し、その上に厚さ0.1μm〜0.6μm程度の金属薄
膜をスパッタリングあるいは蒸着により形成して抵抗層
53とし、その上に厚さ0.05μm〜0.1μm程度
の金属薄膜をスパッタリングあるいは蒸着により形成
し、それをフォトエッチングによりパターン形成して電
極層54とし、その上に耐摩耗性を有する薄膜を形成し
て保護層55としていた。
【0006】しかしながら、このような従来の発熱装置
では、ガラスグレーズよりも軟らかいポリイミド樹脂か
らなる蓄熱層52の上に、非常に薄い金属薄膜からなる
抵抗層53および電極層54を形成していたので、蓄熱
層52と抵抗層53および電極層54との熱膨張率の差
に起因する熱応力により抵抗層53や電極層54の断線
が頻発することから、印刷時の高温に耐え得るポリイミ
ド樹脂が製品化されているにも係わらず、未だ実用化に
は至っていない。
【0007】
【発明の開示】本願発明は、上記した事情のもとで考え
出されたものであって、蓄熱層としてポリイミド樹脂を
用いたものでありながら、抵抗層や電極層の断線を良好
に防止できる発熱装置、およびその製造方法を提供する
ことを、その課題とする。
【0008】上記の課題を解決するため、本願発明で
は、次の技術的手段を講じている。
【0009】本願発明の第1の側面によれば、通電され
ることにより発熱する抵抗層と、この抵抗層に通電する
ための電極層と、抵抗層により発生された熱を蓄熱する
蓄熱層とを、基板上に備えた発熱装置であって、蓄熱層
をポリイミド樹脂により構成し、抵抗層および電極層を
厚膜により構成したことを特徴とする、発熱装置が提供
される。
【0010】このようにすれば、抵抗層および電極層を
厚膜により構成したので、薄膜と比較して非常に丈夫で
あることから、蓄熱層としてポリイミド樹脂を用いたも
のでありながら、抵抗層や電極層の断線を良好に防止で
きる。
【0011】この発熱装置は、サーマルプリントヘッド
に限らず、たとえば温度を非常に高い精度で制御する必
要のある恒温槽用のヒータなどにも用いることができ
る。
【0012】好ましい実施の形態によれば、蓄熱層は、
抵抗層の下側付近にのみ配置されている。
【0013】このようにすれば、高価なポリイミド樹脂
の使用量を削減でき、製造コストを低減できる。しか
も、駆動ICなどとの接続のためのワイヤのボンディン
グ位置において、電極層の下側に蓄熱層としてのポリイ
ミド樹脂が存在せず、電極層の下側に基板あるいはガラ
スグレーズ層を直接存在させることができ、これら基板
あるいはガラスグレーズ層は蓄熱層としてのポリイミド
樹脂と比較して硬いので、良好にワイヤボンディングを
行え、信頼性が向上する。
【0014】他の好ましい実施の形態によれば、蓄熱層
を構成するポリイミド樹脂は、通常のポリイミド樹脂と
比較して、耐熱性、硬度、および他の物体との密着性が
高いポリイミド樹脂である。
【0015】このようにすれば、耐熱性が高いことか
ら、製造時や印刷時の高温による劣化を一層抑制でき、
また硬度が高いことから、抵抗層や電極層の断線を一層
防止でき、さらには他の物体との密着性が高いことか
ら、耐久性を一層向上させることができる。
【0016】他の好ましい実施の形態によれば、抵抗層
を覆う保護層を備え、抵抗層および保護層は、ポリイミ
ド系の樹脂を主成分としている。
【0017】このようにすれば、抵抗層および保護層
が、ポリイミド系の樹脂を主成分としているので、可撓
性があり、しかもポリイミド樹脂からなる蓄熱層との熱
膨張率の差が小さいことから、熱応力による抵抗層や保
護層の損傷を一層良好に防止できる。
【0018】他の好ましい実施の形態によれば、基板上
に抵抗層の下側付近を除いてガラスグレーズ層を備え、
蓄熱層を、基板上のガラスグレーズ層が設けられていな
い抵抗層の下側付近に、ガラスグレーズ層と密着させて
形成した。
【0019】このようにすれば、製造時に、ガラスグレ
ーズ層により形成された溝状の谷部にポリイミド樹脂の
粘液を塗布して焼き付けることにより蓄熱層を形成でき
ることから、厚い蓄熱層を容易に形成できる。
【0020】他の好ましい実施の形態によれば、蓄熱層
の基板からの突出高さを、ガラスグレーズ層の基板から
の突出高さ以上にした。
【0021】このようにすれば、印字圧力が増大し、蓄
熱層上の抵抗層を、保護層を介して記録紙に良好に押圧
できる。
【0022】他の好ましい実施の形態によれば、蓄熱層
の基板からの突出高さを、ガラスグレーズ層の基板から
の突出高さよりも10μm〜20μm高くした。
【0023】このようにすれば、印字圧力が適度に増大
し、蓄熱層上の抵抗層を、保護層を介して記録紙に適切
に押圧できる。
【0024】本願発明の第2の側面によれば、通電され
ることにより発熱する厚膜からなる抵抗層と、この抵抗
層に通電するための厚膜からなる電極層と、抵抗層によ
り発生された熱を蓄熱するポリイミド樹脂からなる蓄熱
層とを、基板上に備えた発熱装置を製造するための発熱
装置の製造方法であって、電極層を形成するに際して、
蓄熱層の形成前に、蓄熱層の形成予定位置を除く部分に
高温用金を印刷し、その高温用金をポリイミド樹脂の劣
化点よりも高い温度で焼成して、蓄熱層の形成後に、蓄
熱層上に低温用金を印刷し、その端部を高温用金に重ね
合わせた状態で、その低温用金をポリイミド樹脂の劣化
点よりも低い温度で焼成することを特徴とする、発熱装
置の製造方法が提供される。
【0025】このようにすれば、蓄熱層の形成後に電極
層の全部を形成する場合のように、電極層全体を低温用
金により構成する必要がなく、製造コストを低減できる
とともに、良好にワイヤボンディングでき、さらには電
極層を低抵抗にできる。
【0026】すなわち、ポリイミド樹脂の劣化点よりも
低温で焼成可能な低温用金は、ポリイミド樹脂の劣化点
よりも高温で焼成する必要のある高温用金よりも、高価
で、ワイヤボンディングを行い難く、シート抵抗が高
く、さらには密着力が弱い。
【0027】なお、劣化点とは、ポリイミド樹脂に変
形、流動、あるいは熱分解が生じ始める温度をいう。ま
た、高温用金とは、たとえば一般に使用されているレジ
ネート金のように、摂氏800度程度の高温で焼成する
必要がある金であり、低温用金とは、摂氏300度程度
で焼成可能な金である。この低温用金のペーストは、粒
径80オングストローム程度の微細な金粒子を溶剤に分
散させたものである。
【0028】本願発明の第3の側面によれば、通電され
ることにより発熱する厚膜からなる抵抗層と、この抵抗
層に通電するための厚膜からなる電極層と、抵抗層によ
り発生された熱を蓄熱するポリイミド樹脂からなる蓄熱
層とを、基板上に備えた発熱装置を製造するための発熱
装置の製造方法であって、抵抗層を形成するに際して、
ポリイミド系の樹脂と抵抗物質とを混合した材料を2μ
m〜10μmの厚さで印刷し、それを焼成することを特
徴とする、発熱装置の製造方法が提供される。
【0029】このようにすれば、ポリイミド系の樹脂と
抵抗物質とを混合した材料を2μm〜10μmの厚さで
印刷し、それを焼成することにより抵抗層を形成するの
で、抵抗層が可撓性を有し、しかもポリイミド樹脂から
なる蓄熱層と抵抗層との熱膨張率の差が小さいことか
ら、熱応力による抵抗層の断線を一層良好に防止でき
る。
【0030】抵抗物質としては、たとえばカーボンブラ
ックを用いることができる。
【0031】本願発明の第4の側面によれば、通電され
ることにより発熱する厚膜からなる抵抗層と、この抵抗
層に通電するための厚膜からなる電極層と、抵抗層によ
り発生された熱を蓄熱するポリイミド樹脂からなる蓄熱
層と、抵抗層を覆う保護層とを、基板上に備えた発熱装
置を製造するための発熱装置の製造方法であって、保護
層を形成するに際して、ポリイミド系の樹脂と耐摩耗性
物質とを混合した材料を2μm〜10μmの厚さで印刷
し、それを焼成することを特徴とする、発熱装置の製造
方法が提供される。
【0032】このようにすれば、ポリイミド系の樹脂と
耐摩耗性物質とを混合した材料を2μm〜10μmの厚
さで印刷し、それを焼成することにより保護層を形成す
るので、保護層が可撓性を有し、しかもポリイミド樹脂
からなる蓄熱層と保護層との熱膨張率の差が小さいこと
から、熱応力による保護層の損傷を一層良好に防止でき
る。
【0033】耐摩耗性物質としては、たとえば酸化アル
ミニウム(Al2O3) 、二酸化珪素(SiO 2)、炭化珪素(SiC)
、あるいは窒化アルミニウム(AlN) などを用いること
ができる。
【0034】本願発明のその他の特徴および利点は、添
付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より
明らかとなろう。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施の
形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0036】図1は、本願発明に係る発熱装置を備えた
サーマルプリントヘッドの要部の平面図、図2は、図1
におけるA−A矢視断面図であって、平板状の基板1上
には、ガラスグレーズ層2と蓄熱層3とが形成されてい
る。蓄熱層3は、基板1の幅方向一端部寄りに、長さ方
向ほぼ全長にわたって形成されており、その他の部分に
はガラスグレーズ層2が全面に形成されている。蓄熱層
3の上面はガラスグレーズ層2の上面よりも突出してい
る。ガラスグレーズ層2および蓄熱層3上には、共通電
極4および多数の個別電極5が形成されている。共通電
極4は、基板1の幅方向他端側へ突出する多数の櫛歯部
4aを有しており、これら櫛歯部4aと個別電極5とは
基板1の長さ方向に交互に位置している。蓄熱層3上に
は、基板1の長さ方向ほぼ全長にわたって抵抗層6が形
成されており、各櫛歯部4aと各個別電極5との対向部
分の一部は蓄熱層3と抵抗層6との間に挟み込まれてい
る。抵抗層6は保護層7により覆われており、この保護
層7は、基板1の幅方向一端から中央よりも他端側にわ
たって、基板1の長さ方向全長に形成されている。ガラ
スグレーズ層2上には、基板1の幅方向他端部の位置
に、複数の駆動IC8が一列にボンディングされてお
り、駆動IC8の出力端子と各個別電極5とはワイヤボ
ンディングされたワイヤ9を介して接続されている。
【0037】基板1は、セラミック製である。ガラスグ
レーズ層2は、厚さが20μm〜30μm程度である。
蓄熱層3は、たとえば商品名ユーピレックス(宇部興産
株式会社製)のように、通常のポリイミド樹脂と比較し
て、耐熱性、硬度、および他の物体との密着性が高いポ
リイミド樹脂からなり、幅は0.5mm〜1.5mm程
度であって、ガラスグレーズ層2よりも10μm〜20
μm程度上方へ突出している。共通電極4および個別電
極5は、金製の厚膜からなり、厚さは0.6μm程度で
ある。抵抗層6は、ポリイミド系の樹脂と抵抗物質とし
てのカーボン粉との混合物を焼成した厚膜からなり、厚
さは2μm〜10μm程度、好ましくは5μm〜10μ
m程度である。保護層7は、ポリイミド系の樹脂と酸化
アルミニウム(Al2O3) 、二酸化珪素(SiO2)、炭化珪素(S
iC) 、あるいは窒化アルミニウム(AlN) などの耐摩耗性
物質との混合物を焼成した厚膜からなり、厚さは2μm
〜10μm程度、好ましくは5μm〜10μm程度であ
る。駆動IC8は、印字データに応じて抵抗層6への通
電を制御するものであって、各個別電極5に対応して駆
動IC8に内蔵されているスイッチング素子がオンする
と、電源の陽極、共通電極4、共通電極4の櫛歯部4
a、抵抗層6、個別電極5、ワイヤ9、駆動IC8のス
イッチング素子、および電源の陰極からなる閉ループが
形成され、個別電極5とその両側の櫛歯部4aとの間の
抵抗層6に通電される。
【0038】このようなサーマルプリントヘッドによれ
ば、蓄熱層3の厚さが30μmの場合、従来のガラスグ
レーズからなる蓄熱層を設けたサーマルプリントヘッド
と比較して、消費電力を半分以下にできることが、実験
により確認された。
【0039】このサーマルプリントヘッドの製造に際し
ては、図3に示すようなアルミナを96パーセント含む
セラミック製の基板1上に、図4に示すように、ガラス
を印刷し、摂氏1200度程度で焼成することによりガ
ラスグレーズ層2を形成する。このとき、ガラスグレー
ズ層2に、幅0.5mm〜1.5mm程度の溝状の谷部
2aを長さ方向全長にわたって形成しておく。そして図
5に示すように、ガラスグレーズ層2上に高温金11を
印刷し、摂氏800度程度で焼成する。そして図6に示
すように、基板1上にガラスグレーズ層2により形成さ
れた溝状の谷部2aに、ポリイミド樹脂の粘液をスクリ
ーン印刷などの方法で塗布し、摂氏400度程度で焼き
付けることにより蓄熱層3を形成する。ポリイミド樹脂
の粘液は、たとえばビフェニルテトラカルボン酸二無水
物(BPDA)と芳香族ジアミンとを溶剤中で縮合させ
たものであって、溶剤分が多いので、ガラスグレーズ層
2よりも10〜20μm程度突出するように厚く形成す
るためには、塗布と乾燥とを繰り返す必要がある。
【0040】そして図7に示すように、蓄熱層3上に低
温金12を印刷し、摂氏400度〜500度程度で焼成
する。このとき、低温金12の幅方向両端部が高温金1
1上に重なるように印刷することにより、高温金11と
低温金12とが互いに接続されるようにする。そして図
8に示すように、ホトエッチングにより高温金11およ
び低温金12の不要部を除去することにより共通電極4
および個別電極5を形成する。そして図9および図10
に示すように、蓄熱層3上に、ポリイミド系の樹脂とカ
ーボン粉などの抵抗物質との混合物からなる抵抗ペース
トを帯状に印刷し、摂氏400度程度で焼成することに
より抵抗層6を形成する。この抵抗ペーストとしては、
たとえば蓄熱層3を形成したのと同じポリイミド樹脂の
粘液とカーボンブラックとを混合したものを用いること
ができる。カーボンブラックを、固形成分中50重量パ
ーセントにすれば、単位長当たり290Ω/m2 の抵抗
率になり、カーボンブラックを、固形成分中43重量パ
ーセントにすれば、430Ω/m2 の抵抗率になる。そ
して図11に示すように、抵抗層6上にポリイミド系の
樹脂と耐摩耗性物質との混合物からなる保護膜ペースト
を帯状に印刷し、摂氏400度程度で焼成することによ
り保護層7を形成する。この保護膜ペーストとしては、
たとえば蓄熱層3を形成したのと同じポリイミド樹脂の
粘液と二酸化珪素(SiO2)粉末とを混合したものを用いる
ことができる。この後、基板1の幅方向他端部位置にて
ガラスグレーズ層2上に所定数の駆動IC8をボンディ
ングし、駆動IC8の出力端子と個別電極5とをワイヤ
9により接続することにより、図1および図2に示すよ
うなサーマルプリントヘッドが得られる。
【0041】上記実施形態では、高温金11と低温金1
2とによって共通電極4および個別電極5を形成した
が、低温金のみによって個別電極5を形成することもで
きる。すなわち、図12のような基板1上に、図13の
ようにガラスグレーズ層2を形成し、図14のようにガ
ラスグレーズ層2の谷部2aに蓄熱層3を形成し、図1
5のようにガラスグレーズ層2および蓄熱層3上に低温
金13を印刷し、摂氏400度〜500度程度で焼成す
る。そして図16のようにホトエッチングにより低温金
13の不要部を除去することにより共通電極4およ個別
電極5を形成し、図17および図18のように蓄熱層3
上に抵抗層6を形成し、図19のように抵抗層6上に保
護層7を形成して、駆動IC8およびワイヤ9をボンデ
ィングすることにより、図1および図2に示すようなサ
ーマルプリントヘッドが得られる。
【0042】また上記実施形態では、ガラスグレーズ層
2に谷部2aを形成したが、谷部を有しないガラスグレ
ーズ層を用いることもできる。すなわち、図20のよう
に基板1上に全面にわたってガラスグレーズ層14を形
成し、図21のようにガラスグレーズ層14上に蓄熱層
3を形成し、図22のようにガラスグレーズ層14およ
び蓄熱層3上に低温金13を形成し、図23のようにホ
トエッチングにより低温金13の不要部を除去すること
により共通電極4および個別電極5を形成し、図24お
よび図25のように蓄熱層3上に抵抗層6を形成し、図
26のように抵抗層6上に保護層7を形成して、駆動I
C8およびワイヤ9をボンディングすることにより、図
27および図28に示すようなサーマルプリントヘッド
が得られる。
【0043】また上記実施形態では、ガラスグレーズ層
2あるいはガラスグレーズ層14を用いたが、これらを
用いなくてもよい。すなわち、図29のような基板1上
に、図30のように蓄熱層3を形成し、図31のように
基板1および蓄熱層3上に低温金13を形成し、図32
のようにホトエッチングにより低温金13の不要部を除
去することにより共通電極4およ個別電極5を形成し、
図33および図34のように蓄熱層3上に抵抗層6を形
成し、図35のように抵抗層6上に保護層7を形成し
て、駆動IC8およびワイヤ9をボンディングすること
により、図36および図37に示すようなサーマルプリ
ントヘッドが得られる。
【0044】もちろん、谷部を有しないガラスグレーズ
層14を用いる場合、あるいはガラスグレーズ層を用い
ない場合であっても、低温金13の代わりに高温金およ
び低温金を用いることができる。すなわち、ガラスグレ
ーズ層14を用いる場合、図20に示すようにガラスグ
レーズ層14を形成した後に、その上に蓄熱層3の形成
予定位置を除いて高温金を形成し、図21に示すように
蓄熱層3を形成した後に、その上に低温金を形成すれば
よいのである。また、ガラスグレーズ層を用いない場
合、図29に示すような基板1上に蓄熱層3の形成予定
位置を除いて高温金を形成し、図30に示すように蓄熱
層3を形成した後に、その上に低温金を形成すればよい
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る発熱装置を備えたサーマルプリ
ントヘッドの要部の平面図である。
【図2】図1におけるA−A矢視断面図である。
【図3】図1に示すサーマルプリントヘッドの製造工程
の説明図である。
【図4】図1に示すサーマルプリントヘッドの製造工程
の説明図である。
【図5】図1に示すサーマルプリントヘッドの製造工程
の説明図である。
【図6】図1に示すサーマルプリントヘッドの製造工程
の説明図である。
【図7】図1に示すサーマルプリントヘッドの製造工程
の説明図である。
【図8】図1に示すサーマルプリントヘッドの製造工程
の説明図である。
【図9】図1に示すサーマルプリントヘッドの製造工程
の説明図である。
【図10】図1に示すサーマルプリントヘッドの製造工
程の説明図である。
【図11】図1に示すサーマルプリントヘッドの製造工
程の説明図である。
【図12】図1に示すサーマルプリントヘッドの別の実
施形態による製造工程の説明図である。
【図13】図1に示すサーマルプリントヘッドの別の実
施形態による製造工程の説明図である。
【図14】図1に示すサーマルプリントヘッドの別の実
施形態による製造工程の説明図である。
【図15】図1に示すサーマルプリントヘッドの別の実
施形態による製造工程の説明図である。
【図16】図1に示すサーマルプリントヘッドの別の実
施形態による製造工程の説明図である。
【図17】図1に示すサーマルプリントヘッドの別の実
施形態による製造工程の説明図である。
【図18】図1に示すサーマルプリントヘッドの別の実
施形態による製造工程の説明図である。
【図19】図1に示すサーマルプリントヘッドの別の実
施形態による製造工程の説明図である。
【図20】別の実施形態におけるサーマルプリントヘッ
ドの製造工程の説明図である。
【図21】別の実施形態におけるサーマルプリントヘッ
ドの製造工程の説明図である。
【図22】別の実施形態におけるサーマルプリントヘッ
ドの製造工程の説明図である。
【図23】別の実施形態におけるサーマルプリントヘッ
ドの製造工程の説明図である。
【図24】別の実施形態におけるサーマルプリントヘッ
ドの製造工程の説明図である。
【図25】別の実施形態におけるサーマルプリントヘッ
ドの製造工程の説明図である。
【図26】別の実施形態におけるサーマルプリントヘッ
ドの製造工程の説明図である。
【図27】別の実施形態におけるサーマルプリントヘッ
ドの要部の平面図である。
【図28】図27におけるB−B矢視断面図である。
【図29】さらに別の実施形態におけるサーマルプリン
トヘッドの製造工程の説明図である。
【図30】さらに別の実施形態におけるサーマルプリン
トヘッドの製造工程の説明図である。
【図31】さらに別の実施形態におけるサーマルプリン
トヘッドの製造工程の説明図である。
【図32】さらに別の実施形態におけるサーマルプリン
トヘッドの製造工程の説明図である。
【図33】さらに別の実施形態におけるサーマルプリン
トヘッドの製造工程の説明図である。
【図34】さらに別の実施形態におけるサーマルプリン
トヘッドの製造工程の説明図である。
【図35】さらに別の実施形態におけるサーマルプリン
トヘッドの製造工程の説明図である。
【図36】さらに別の実施形態におけるサーマルプリン
トヘッドの要部の平面図である。
【図37】図36におけるC−C矢視断面図である。
【図38】従来の発熱装置の断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 ガラスグレーズ層 2a 谷部 3 蓄熱層 4 共通電極 4a 櫛歯部 5 個別電極 6 抵抗層 7 保護層 8 駆動IC 9 ワイヤ 11 高温金 12 低温金 13 低温金 14 ガラスグレーズ層

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通電されることにより発熱する抵抗層
    と、この抵抗層に通電するための電極層と、前記抵抗層
    により発生された熱を蓄熱する蓄熱層とを、基板上に備
    えた発熱装置であって、 前記蓄熱層をポリイミド樹脂により構成し、 前記抵抗層および前記電極層を厚膜により構成したこと
    を特徴とする、発熱装置。
  2. 【請求項2】 前記蓄熱層は、前記抵抗層の下側付近に
    のみ配置されている、請求項1に記載の発熱装置。
  3. 【請求項3】 前記蓄熱層を構成するポリイミド樹脂
    は、通常のポリイミド樹脂と比較して、耐熱性、硬度、
    および他の物体との密着性が高いポリイミド樹脂であ
    る、請求項1または請求項2に記載の発熱装置。
  4. 【請求項4】 前記抵抗層を覆う保護層を備え、 前記抵抗層および前記保護層は、ポリイミド系の樹脂を
    主成分としている、請求項1ないし請求項3のいずれか
    に記載の発熱装置。
  5. 【請求項5】 前記基板上に前記抵抗層の下側付近を除
    いてガラスグレーズ層を備え、 前記蓄熱層を、前記基板上の前記ガラスグレーズ層が設
    けられていない前記抵抗層の下側付近に、前記ガラスグ
    レーズ層と密着させて形成した、請求項1ないし請求項
    4のいずれかに記載の発熱装置。
  6. 【請求項6】 前記蓄熱層の前記基板からの突出高さ
    を、前記ガラスグレーズ層の前記基板からの突出高さ以
    上にした、請求項5に記載の発熱装置。
  7. 【請求項7】 前記蓄熱層の前記基板からの突出高さ
    を、前記ガラスグレーズ層の前記基板からの突出高さよ
    りも10μm〜20μm高くした、請求項5に記載の発
    熱装置。
  8. 【請求項8】 通電されることにより発熱する厚膜から
    なる抵抗層と、この抵抗層に通電するための厚膜からな
    る電極層と、前記抵抗層により発生された熱を蓄熱する
    ポリイミド樹脂からなる蓄熱層とを、基板上に備えた発
    熱装置を製造するための発熱装置の製造方法であって、 前記電極層を形成するに際して、前記蓄熱層の形成前
    に、前記蓄熱層の形成予定位置を除く部分に高温用金を
    印刷し、その高温用金を前記ポリイミド樹脂の劣化点よ
    りも高い温度で焼成して、前記蓄熱層の形成後に、前記
    蓄熱層上に低温用金を印刷し、その端部を前記高温用金
    に重ね合わせた状態で、その低温用金を前記ポリイミド
    樹脂の劣化点よりも低い温度で焼成することを特徴とす
    る、発熱装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 通電されることにより発熱する厚膜から
    なる抵抗層と、この抵抗層に通電するための厚膜からな
    る電極層と、前記抵抗層により発生された熱を蓄熱する
    ポリイミド樹脂からなる蓄熱層とを基板上に備えた発熱
    装置を製造するための発熱装置の製造方法であって、 前記抵抗層を形成するに際して、ポリイミド系の樹脂と
    抵抗物質とを混合した材料を2μm〜10μmの厚さで
    印刷し、それを焼成することを特徴とする、発熱装置の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 通電されることにより発熱する厚膜か
    らなる抵抗層と、この抵抗層に通電するための厚膜から
    なる電極層と、前記抵抗層により発生された熱を蓄熱す
    るポリイミド樹脂からなる蓄熱層と、前記抵抗層を覆う
    保護層とを基板上に備えた発熱装置を製造するための発
    熱装置の製造方法であって、 前記保護層を形成するに際して、ポリイミド系の樹脂と
    耐摩耗性物質とを混合した材料を2μm〜10μmの厚
    さで印刷し、それを焼成することを特徴とする、発熱装
    置の製造方法。
JP7746497A 1997-03-28 1997-03-28 発熱装置およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3652831B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7746497A JP3652831B2 (ja) 1997-03-28 1997-03-28 発熱装置およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7746497A JP3652831B2 (ja) 1997-03-28 1997-03-28 発熱装置およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10264429A true JPH10264429A (ja) 1998-10-06
JP3652831B2 JP3652831B2 (ja) 2005-05-25

Family

ID=13634729

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7746497A Expired - Fee Related JP3652831B2 (ja) 1997-03-28 1997-03-28 発熱装置およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3652831B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005120841A1 (ja) * 2004-05-25 2005-12-22 Rohm Co., Ltd. サーマルプリントヘッドおよびその製造方法
JP2019031022A (ja) * 2017-08-08 2019-02-28 アオイ電子株式会社 サーマルヘッド

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006321123A (ja) * 2005-05-19 2006-11-30 Seiko Instruments Inc 発熱抵抗素子、サーマルヘッド及びインクジェットヘッド

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005120841A1 (ja) * 2004-05-25 2005-12-22 Rohm Co., Ltd. サーマルプリントヘッドおよびその製造方法
EP1767374A1 (en) * 2004-05-25 2007-03-28 Rohm Co., Ltd. Thermal print head and method for manufacturing the same
US7538785B2 (en) 2004-05-25 2009-05-26 Rohm Co., Ltd. Thermal print head and method for manufacturing the same
EP1767374A4 (en) * 2004-05-25 2010-01-06 Rohm Co Ltd THERMAL PRESSURE HEAD AND MANUFACTURING METHOD THEREFOR
JP2019031022A (ja) * 2017-08-08 2019-02-28 アオイ電子株式会社 サーマルヘッド

Also Published As

Publication number Publication date
JP3652831B2 (ja) 2005-05-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7969458B2 (en) Thermal printhead
US7460143B2 (en) Thermal printhead with a resistor layer and method for manufacturing same
JP3652831B2 (ja) 発熱装置およびその製造方法
JP5489836B2 (ja) サーマルヘッド
JP3451008B2 (ja) サーマルヘッド
JPH04288244A (ja) サーマルヘッド
WO1999058341A1 (fr) Tete d'imprimante thermique a couche epaisse
CN113386469B (zh) 热敏打印头及其制造方法
JPH01113261A (ja) サーマルヘッド
JP2788562B2 (ja) サーマルヘッド
JP2564555B2 (ja) 厚膜型サ−マルヘッドの製造方法
JP4360602B2 (ja) サーマルヘッドおよびその製造方法、ならびにサーマルプリンタ
JP3313953B2 (ja) サーマルヘッド
JP2023121941A (ja) サーマルプリントヘッド
JP2001035878A (ja) サーマルプリントヘッド
JPH0725174B2 (ja) 厚膜型サ−マルヘツドの製造方法
JPH02266959A (ja) サーマルヘッド
JPH079640Y2 (ja) サーマルヘッド
JPH1034994A (ja) 熱印字ヘッド
JPS59220382A (ja) 感熱記録用サ−マルヘツド
JP2657915B2 (ja) 厚膜サーマルヘッドの製造方法
JPS62297160A (ja) サ−マルヘツド
JP2000158690A (ja) サーマルヘッド
JPH07266596A (ja) サーマルヘッドの製造方法
JP2000135804A (ja) サーマルヘッド

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20041026

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041102

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050222

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20050224

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110304

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120304

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees