JPH10263075A - 体外循環回路用の継手キャップ - Google Patents
体外循環回路用の継手キャップInfo
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- JPH10263075A JPH10263075A JP9094728A JP9472897A JPH10263075A JP H10263075 A JPH10263075 A JP H10263075A JP 9094728 A JP9094728 A JP 9094728A JP 9472897 A JP9472897 A JP 9472897A JP H10263075 A JPH10263075 A JP H10263075A
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- extracorporeal circulation
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Abstract
(57)【要約】
【課題】使用時の操作性を向上させ得ると共に、圧力上
昇に伴う体外循環回路の破損を防止し得る体外循環回路
用の継手キャップを提供する。 【解決手段】内部に貫通孔を有し、該貫通孔の一方側に
採血もしくは返血用の部品が接続される体外循環回路用
の継手キャップであって、貫通孔の他方側の開口部が疎
水性膜で閉塞されていることを特徴とする。疎水性膜
は、所定圧未満で空気の通過を可能にし生理食塩水の通
過を阻止すると共に、所定圧以上で生理食塩水を通過さ
せる機能を有する。
昇に伴う体外循環回路の破損を防止し得る体外循環回路
用の継手キャップを提供する。 【解決手段】内部に貫通孔を有し、該貫通孔の一方側に
採血もしくは返血用の部品が接続される体外循環回路用
の継手キャップであって、貫通孔の他方側の開口部が疎
水性膜で閉塞されていることを特徴とする。疎水性膜
は、所定圧未満で空気の通過を可能にし生理食塩水の通
過を阻止すると共に、所定圧以上で生理食塩水を通過さ
せる機能を有する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば透析等の体
外循環の治療に使用する体外循環回路用の継手キャップ
に係わり、特に体外循環回路内を生理食塩水等の水によ
って容易に充填して密閉し得る体外循環回路用の継手キ
ャップに関する。
外循環の治療に使用する体外循環回路用の継手キャップ
に係わり、特に体外循環回路内を生理食塩水等の水によ
って容易に充填して密閉し得る体外循環回路用の継手キ
ャップに関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、透析用の体外循環回路は、一般的
に生理食塩水を充填した後に使用するが、この生理食塩
水の充填方法としては、先ず、体外循環回路のいわゆる
補液ラインから生理食塩水を入れ、患者の動脈から血液
を引き出す側の回路先端まで充填する。そして、生理食
塩水が充填されたこの回路先端を鉗子等でクランプした
り、回路先端の汚染を防止するため継手キャップに蓋を
する等して、回路先端を閉状態にする。
に生理食塩水を充填した後に使用するが、この生理食塩
水の充填方法としては、先ず、体外循環回路のいわゆる
補液ラインから生理食塩水を入れ、患者の動脈から血液
を引き出す側の回路先端まで充填する。そして、生理食
塩水が充填されたこの回路先端を鉗子等でクランプした
り、回路先端の汚染を防止するため継手キャップに蓋を
する等して、回路先端を閉状態にする。
【０００３】その後、透析器等の浄化フィルター及び患
者の静脈に血液を返す側の回路先端まで生理食塩水で充
填する。この充填が終了したら、上記したと同様に回路
先端をクランプしたり継手キャップに蓋をする等して、
回路先端を閉状態にする。これにより、体外循環回路の
準備が終了し、この体外循環回路に採血及び返血用のコ
ネクタを接続することによって透析が行われる。
者の静脈に血液を返す側の回路先端まで生理食塩水で充
填する。この充填が終了したら、上記したと同様に回路
先端をクランプしたり継手キャップに蓋をする等して、
回路先端を閉状態にする。これにより、体外循環回路の
準備が終了し、この体外循環回路に採血及び返血用のコ
ネクタを接続することによって透析が行われる。
【０００４】そして、通常体外循環回路の回路先端に
は、汚染防止の目的で上記した蓋付きの継手キャップが
付けられているが、この継手キャップは生理食塩水の充
填時に、体外循環回路内の空気を追い出す必要があるた
め、継手キャップの蓋を外して回路先端を開放状態にす
る。また、充填後には、充填した生理食塩水が漏れない
ように蓋で密閉できる方が良く、この継手キャップの蓋
による回路先端の開放、密閉操作はできるだけ簡単に行
い得ることが好ましい。そこで、このような体外循環回
路の回路先端の開放、密閉を容易にするための継手キャ
ップが、例えば実公平３−３１０３０４号公報及び実用
新案登録第２５０６８０４号公報に開示されている。
は、汚染防止の目的で上記した蓋付きの継手キャップが
付けられているが、この継手キャップは生理食塩水の充
填時に、体外循環回路内の空気を追い出す必要があるた
め、継手キャップの蓋を外して回路先端を開放状態にす
る。また、充填後には、充填した生理食塩水が漏れない
ように蓋で密閉できる方が良く、この継手キャップの蓋
による回路先端の開放、密閉操作はできるだけ簡単に行
い得ることが好ましい。そこで、このような体外循環回
路の回路先端の開放、密閉を容易にするための継手キャ
ップが、例えば実公平３−３１０３０４号公報及び実用
新案登録第２５０６８０４号公報に開示されている。
【０００５】前者（実公平３−３１０３０号公報）の継
手キャップは、図２に示すように、一方に医療用チュー
ブ５１の継手５２に結合可能な結合端部と他方に開口端
部とを有する管状の第１キャップ５３（以下キャップ５
３という）と、一方に前記開口端部に対し段階的な装着
が可能な装着端部と他方に前記開口端部を封止する封止
手段５４と貫通孔５５とを有する第２キャップ５６（以
下蓋５６という）からなり、蓋５６のキャップ５３に対
する段階的な装着によって開口端部の封止または開放を
可能にしたものである。
手キャップは、図２に示すように、一方に医療用チュー
ブ５１の継手５２に結合可能な結合端部と他方に開口端
部とを有する管状の第１キャップ５３（以下キャップ５
３という）と、一方に前記開口端部に対し段階的な装着
が可能な装着端部と他方に前記開口端部を封止する封止
手段５４と貫通孔５５とを有する第２キャップ５６（以
下蓋５６という）からなり、蓋５６のキャップ５３に対
する段階的な装着によって開口端部の封止または開放を
可能にしたものである。
【０００６】また、後者（実用新案登録第２５０６８０
４号公報）の継手キャップは、図３に示すように、筒状
の本体６１（以下キャップ６１という）と筒状の蓋体６
２（以下蓋６２という）により構成され、これらがヒン
ジ６３を介して一体的に連結されている。そして、蓋６
２をキャップ６１に当接させキャップ６１の長さ方向に
押し込んだ時に、蓋６２の装着部６４の先端がキャップ
６１のストッパー６５に突き当たり、蓋６２の封止部が
キャップ６１の封止部装着部に接することなく、装着部
６４とキャップ６１の栓体嵌着部６６の間に隙間を有
し、封止部をキャップ６１方向に押すことにより封止部
装着部に液密に嵌着するようにしたものである。
４号公報）の継手キャップは、図３に示すように、筒状
の本体６１（以下キャップ６１という）と筒状の蓋体６
２（以下蓋６２という）により構成され、これらがヒン
ジ６３を介して一体的に連結されている。そして、蓋６
２をキャップ６１に当接させキャップ６１の長さ方向に
押し込んだ時に、蓋６２の装着部６４の先端がキャップ
６１のストッパー６５に突き当たり、蓋６２の封止部が
キャップ６１の封止部装着部に接することなく、装着部
６４とキャップ６１の栓体嵌着部６６の間に隙間を有
し、封止部をキャップ６１方向に押すことにより封止部
装着部に液密に嵌着するようにしたものである。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の継手キャップにあっては、使用時の操作性が劣るとい
う問題点があった。すなわち、一般的に体外循環に使用
される回路は、滅菌バッグに収容された後、滅菌され、
無菌状態で出荷されるが、生理食塩水の充填時に、上述
したようにキャップ５３、６１から蓋５６、６２を外し
て回路先端を開放する。そのため、回路の汚染防止の観
点からキャップ５３、６１等を滅菌バッグから取り出
し、生理食塩水を充填した後に直ちに使用する必要があ
る。
の継手キャップにあっては、使用時の操作性が劣るとい
う問題点があった。すなわち、一般的に体外循環に使用
される回路は、滅菌バッグに収容された後、滅菌され、
無菌状態で出荷されるが、生理食塩水の充填時に、上述
したようにキャップ５３、６１から蓋５６、６２を外し
て回路先端を開放する。そのため、回路の汚染防止の観
点からキャップ５３、６１等を滅菌バッグから取り出
し、生理食塩水を充填した後に直ちに使用する必要があ
る。
【０００８】また、生理食塩水の充填時に、蓋５６、６
２が外されて開放されているキャップ５３、６１から、
空気が追い出された後に生理食塩水が続けて出てくるた
め、この生理食塩水がキャップ５３、６１の出口部分や
蓋５６、６２に付着し汚染され易くなる。そのため、こ
の付着をできるだけ少なくするには、空気が追い出され
た後に速やかに蓋５６、６２をキャップ５３、６１に装
着する必要がある。また、生理食塩水の付着を皆無にす
るのは、実用上不可能である。
２が外されて開放されているキャップ５３、６１から、
空気が追い出された後に生理食塩水が続けて出てくるた
め、この生理食塩水がキャップ５３、６１の出口部分や
蓋５６、６２に付着し汚染され易くなる。そのため、こ
の付着をできるだけ少なくするには、空気が追い出され
た後に速やかに蓋５６、６２をキャップ５３、６１に装
着する必要がある。また、生理食塩水の付着を皆無にす
るのは、実用上不可能である。
【０００９】さらに、蓋５６、６２のキャップ５３、６
１に対する装着度合いを調整することが困難で、キャッ
プ５３、６１から蓋５６、６２が脱落したり、意に反し
てキャップ５３、６１の開口部を封止してしまう場合が
ある。特に、後者の蓋６２にあっては、キャップ６１と
ヒンジ６３で一体に形成されていることから、装着度合
いの調整が一層困難で、脱落あるいは開口部の封止が発
生し易い。また、開口部を密閉状態にするには、蓋５
６、６２のキャップ５３、６１に対する装着作業が必ず
必要となり、これらのことから、上記の継手キャップに
あっては、使用時の操作性が劣ることになる。
１に対する装着度合いを調整することが困難で、キャッ
プ５３、６１から蓋５６、６２が脱落したり、意に反し
てキャップ５３、６１の開口部を封止してしまう場合が
ある。特に、後者の蓋６２にあっては、キャップ６１と
ヒンジ６３で一体に形成されていることから、装着度合
いの調整が一層困難で、脱落あるいは開口部の封止が発
生し易い。また、開口部を密閉状態にするには、蓋５
６、６２のキャップ５３、６１に対する装着作業が必ず
必要となり、これらのことから、上記の継手キャップに
あっては、使用時の操作性が劣ることになる。
【００１０】また、上記の継手キャップにあっては、蓋
５６、６２は、キャップ５３、６１の開口部を単に閉塞
するという蓋本来の機能を有するのみで、例えば循環ポ
ンプ等の切り忘れで体外循環回路内の圧力が上昇した場
合等には、蓋機能によって圧力上昇を助長する虞もあ
り、圧力上昇による体外循環回路の破損を防止すること
ができないという問題点があった。
５６、６２は、キャップ５３、６１の開口部を単に閉塞
するという蓋本来の機能を有するのみで、例えば循環ポ
ンプ等の切り忘れで体外循環回路内の圧力が上昇した場
合等には、蓋機能によって圧力上昇を助長する虞もあ
り、圧力上昇による体外循環回路の破損を防止すること
ができないという問題点があった。
【００１１】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、請求項１または２記載の発明の目的は、使用時
の操作性を向上させ得ると共に、圧力上昇に伴う体外循
環回路の破損を防止し得る体外循環回路用の継手キャッ
プを提供することにある。
もので、請求項１または２記載の発明の目的は、使用時
の操作性を向上させ得ると共に、圧力上昇に伴う体外循
環回路の破損を防止し得る体外循環回路用の継手キャッ
プを提供することにある。
【００１２】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成すべ
く、請求項１記載の発明は、内部に貫通孔を有し、該貫
通孔の一方側に採血もしくは返血用の部品が接続される
体外循環回路用の継手キャップであって、貫通孔の他方
側の開口部が疎水性膜で閉塞されていることを特徴とす
る。
く、請求項１記載の発明は、内部に貫通孔を有し、該貫
通孔の一方側に採血もしくは返血用の部品が接続される
体外循環回路用の継手キャップであって、貫通孔の他方
側の開口部が疎水性膜で閉塞されていることを特徴とす
る。
【００１３】また、請求項２記載の発明は、疎水性膜
が、所定圧未満で空気の通過を可能にし生理食塩水の通
過を阻止すると共に、所定圧以上で生理食塩水を通過さ
せる機能を有することを特徴とする。
が、所定圧未満で空気の通過を可能にし生理食塩水の通
過を阻止すると共に、所定圧以上で生理食塩水を通過さ
せる機能を有することを特徴とする。
【００１４】このように構成することにより、継手キャ
ップの貫通孔の他方側の開口部を閉塞している疎水性膜
は、例えば体外循環回路の補液ラインから生理食塩水を
充填すると、最初に出てくる空気は通過させ、その後の
生理食塩水の通過は阻止する。これにより、生理食塩水
の充填時に、空気が自動的に排出されて生理食塩水が回
路先端まで充填されるため、生理食塩水の体外循環回路
への充填が容易に行えると共に、継手キャップの他方側
開口部が常時疎水性膜でシールされているため、生理食
塩水の他方側開口部からの漏れが防止される等汚染防止
が図れ、かつ蓋の装着作業も不要になって、使用時の使
い勝手が向上する。
ップの貫通孔の他方側の開口部を閉塞している疎水性膜
は、例えば体外循環回路の補液ラインから生理食塩水を
充填すると、最初に出てくる空気は通過させ、その後の
生理食塩水の通過は阻止する。これにより、生理食塩水
の充填時に、空気が自動的に排出されて生理食塩水が回
路先端まで充填されるため、生理食塩水の体外循環回路
への充填が容易に行えると共に、継手キャップの他方側
開口部が常時疎水性膜でシールされているため、生理食
塩水の他方側開口部からの漏れが防止される等汚染防止
が図れ、かつ蓋の装着作業も不要になって、使用時の使
い勝手が向上する。
【００１５】さらに、体外循環回路内の圧力が所定値以
上になると、疎水性膜が生理食塩水の通過を可能にする
ため、体外循環回路内の圧力を一定圧未満に抑えること
ができて、圧力上昇による体外循環回路の破損が防止さ
れる。
上になると、疎水性膜が生理食塩水の通過を可能にする
ため、体外循環回路内の圧力を一定圧未満に抑えること
ができて、圧力上昇による体外循環回路の破損が防止さ
れる。
【００１６】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を図面に基いて詳細に説明する。図１は、本発明に係わ
る体外循環回路用の継手キャップの一実施例を示す断面
図である。図１において、継手キャップ１は、略筒状に
形成されてその軸方向に貫通孔２を有している。この貫
通孔２は、継手キャップ１の一端側１ａ（一方側）から
他端側１ｂ（他方側）に向けて段階的に径小となるよう
に形成され、一端側１ａの開口部２ａが大径で他端側１
ｂの開口部２ｂが小径に形成されている。
を図面に基いて詳細に説明する。図１は、本発明に係わ
る体外循環回路用の継手キャップの一実施例を示す断面
図である。図１において、継手キャップ１は、略筒状に
形成されてその軸方向に貫通孔２を有している。この貫
通孔２は、継手キャップ１の一端側１ａ（一方側）から
他端側１ｂ（他方側）に向けて段階的に径小となるよう
に形成され、一端側１ａの開口部２ａが大径で他端側１
ｂの開口部２ｂが小径に形成されている。
【００１７】そして、継手キャップ１は、その一端側１
ａの開口部２ａによって、例えば返血用の部品４が嵌合
接続される接続部５が形成され、他端側１ｂの開口部２
ｂは疎水性膜３で閉塞されている。この疎水性膜３は、
例えば疎水性のポリビニリデンジフロライドで形成され
ると共に、その孔径は菌が一般的に透過しないといわれ
る略０．２μｍ程度に設定され、継手キャップ１の他端
側１ｂの開口部２ｂの外周面部に熱溶着等によって固着
されている。
ａの開口部２ａによって、例えば返血用の部品４が嵌合
接続される接続部５が形成され、他端側１ｂの開口部２
ｂは疎水性膜３で閉塞されている。この疎水性膜３は、
例えば疎水性のポリビニリデンジフロライドで形成され
ると共に、その孔径は菌が一般的に透過しないといわれ
る略０．２μｍ程度に設定され、継手キャップ１の他端
側１ｂの開口部２ｂの外周面部に熱溶着等によって固着
されている。
【００１８】この継手キャップ１は次のようにして使用
される。すなわち、継手キャップ１の一端側１ａの開口
部２ａから接続部５に、体外循環回路の返血側（血液を
患者に返す側）の先端部分の部品４を接続する。この接
続によって、体外循環回路の開口部となる継手キャップ
１の他端側の開口部２ｂが、孔径０．２μｍ程度の疎水
性膜３で閉塞されることになり、部品４を含む回路全体
が疎水性膜３で閉塞された状態で滅菌バッグに収容さ
れ、滅菌され、無菌状態になる。
される。すなわち、継手キャップ１の一端側１ａの開口
部２ａから接続部５に、体外循環回路の返血側（血液を
患者に返す側）の先端部分の部品４を接続する。この接
続によって、体外循環回路の開口部となる継手キャップ
１の他端側の開口部２ｂが、孔径０．２μｍ程度の疎水
性膜３で閉塞されることになり、部品４を含む回路全体
が疎水性膜３で閉塞された状態で滅菌バッグに収容さ
れ、滅菌され、無菌状態になる。
【００１９】そして使用時に、体外循環回路の補液ライ
ンから生理食塩水を充填すると、その圧力によって体外
循環回路内の空気が部品４から出てくるが、この空気
は、図１の矢印イの如く疎水性膜をそのまま通過し継手
キャップ１外に排出される。また、体外循環回路内の空
気が排出されると、充填した生理食塩水が部品４から出
てくるが、この生理食塩水は、疎水性膜３によってその
通過が阻止される。
ンから生理食塩水を充填すると、その圧力によって体外
循環回路内の空気が部品４から出てくるが、この空気
は、図１の矢印イの如く疎水性膜をそのまま通過し継手
キャップ１外に排出される。また、体外循環回路内の空
気が排出されると、充填した生理食塩水が部品４から出
てくるが、この生理食塩水は、疎水性膜３によってその
通過が阻止される。
【００２０】これにより、生理食塩水が体外循環回路の
先端部分、すなわち継手キャップ１の貫通孔２内まで充
填され、この時、疎水性膜３によって生理食塩水の外部
への漏れが確実に防止され、継手キャップ１の開口部２
ｂ部分の生理食塩水による汚染が防止される。そして、
生理食塩水が充填された時点で、患者の静脈内に留置し
た注射針側のチューブ先端の継ぎ手（図示せず）との接
続に備えることになる。
先端部分、すなわち継手キャップ１の貫通孔２内まで充
填され、この時、疎水性膜３によって生理食塩水の外部
への漏れが確実に防止され、継手キャップ１の開口部２
ｂ部分の生理食塩水による汚染が防止される。そして、
生理食塩水が充填された時点で、患者の静脈内に留置し
た注射針側のチューブ先端の継ぎ手（図示せず）との接
続に備えることになる。
【００２１】このように、上記実施例の継手キャップ１
によれば、他端側１ｂの開口部２ｂが疎水性膜３で常時
閉塞されているため、この継手キャップ１に体外循環回
路の先端部分の部品４を接続するだけで、空気を自動的
に排出しながら生理食塩水の充填を行うことができると
共に、疎水性膜３によって生理食塩水の漏れが確実に防
止され、充填作業時に従来のような蓋による継手キャッ
プの開閉、密閉作業が不要になって、生理食塩水の充填
作業を容易に行うことができる。
によれば、他端側１ｂの開口部２ｂが疎水性膜３で常時
閉塞されているため、この継手キャップ１に体外循環回
路の先端部分の部品４を接続するだけで、空気を自動的
に排出しながら生理食塩水の充填を行うことができると
共に、疎水性膜３によって生理食塩水の漏れが確実に防
止され、充填作業時に従来のような蓋による継手キャッ
プの開閉、密閉作業が不要になって、生理食塩水の充填
作業を容易に行うことができる。
【００２２】また、疎水性膜３によって生理食塩水の継
手キャップ１外への漏れが確実に防止されるため、継手
キャップ１の他端側１ｂの開口部２ｂ外部に生理食塩水
が付着することがなくなると共に、疎水性膜３の孔径を
例えば０．２μｍ程度に設定することにより、菌の通過
を阻止することができるため、体外循環回路内への菌の
浸入が防止される等、体外循環回路の汚染防止が図れ
る。
手キャップ１外への漏れが確実に防止されるため、継手
キャップ１の他端側１ｂの開口部２ｂ外部に生理食塩水
が付着することがなくなると共に、疎水性膜３の孔径を
例えば０．２μｍ程度に設定することにより、菌の通過
を阻止することができるため、体外循環回路内への菌の
浸入が防止される等、体外循環回路の汚染防止が図れ
る。
【００２３】特に、例えば疎水性膜３を直接接続部５に
設けた場合は、留置した注射針側の継ぎ手と嵌合する部
分の外周部分が、滅菌バッグから取り出された時点から
空気に露出されることになり、接続部分が不潔になり易
いが、上記のように疎水性膜３を継手キャップ１の他端
側１ｂの開口部２ｂ外部に固着することにより、接続部
分を清潔に保つことが可能になって、一層の汚染防止が
図れる。また、疎水性膜３を開口部２ａ外周に単に固着
するだけで良いため、例えば図１の継手キャップ１全体
を疎水性材料で形成する場合等に比較して、材料コスト
のアップを抑えることができて、実用性の優れた継手キ
ャップ１が得られる。
設けた場合は、留置した注射針側の継ぎ手と嵌合する部
分の外周部分が、滅菌バッグから取り出された時点から
空気に露出されることになり、接続部分が不潔になり易
いが、上記のように疎水性膜３を継手キャップ１の他端
側１ｂの開口部２ｂ外部に固着することにより、接続部
分を清潔に保つことが可能になって、一層の汚染防止が
図れる。また、疎水性膜３を開口部２ａ外周に単に固着
するだけで良いため、例えば図１の継手キャップ１全体
を疎水性材料で形成する場合等に比較して、材料コスト
のアップを抑えることができて、実用性の優れた継手キ
ャップ１が得られる。
【００２４】さらに、疎水性膜３が予め継手キャップ１
の開口部２ｂに熱溶着等によって固着されているため、
従来のように蓋が継手キャップから脱落したり、あるい
は蓋が意に反して継手キャップの開口部を密閉してしま
うことがなくなる。これらのことから、継手キャップ１
の使用時の操作性（使い勝手）を大幅に向上させること
が可能になる。
の開口部２ｂに熱溶着等によって固着されているため、
従来のように蓋が継手キャップから脱落したり、あるい
は蓋が意に反して継手キャップの開口部を密閉してしま
うことがなくなる。これらのことから、継手キャップ１
の使用時の操作性（使い勝手）を大幅に向上させること
が可能になる。
【００２５】また、体外循環回路内の圧力が所定値以上
になると、自動的に生理食塩水が疎水性膜３を通過して
流れるため、体外循環回路の破損防止を図ることができ
る。すなわち、疎水性膜３は一定圧以上の圧力が加わる
と水（生理食塩水）が通過してしまう性質をもっている
ため、例えば循環用ポンプ（図示せず）の切り忘れ等に
より、体外循環回路内の圧力が透析フィルター等の耐圧
強度（例えば５００ｍｍＨｇ程度）を越えた場合に、体
外循環回路が破損する前に、疎水性膜３から自動的に水
が流れ出ることになる。
になると、自動的に生理食塩水が疎水性膜３を通過して
流れるため、体外循環回路の破損防止を図ることができ
る。すなわち、疎水性膜３は一定圧以上の圧力が加わる
と水（生理食塩水）が通過してしまう性質をもっている
ため、例えば循環用ポンプ（図示せず）の切り忘れ等に
より、体外循環回路内の圧力が透析フィルター等の耐圧
強度（例えば５００ｍｍＨｇ程度）を越えた場合に、体
外循環回路が破損する前に、疎水性膜３から自動的に水
が流れ出ることになる。
【００２６】その結果、圧力異常による体外循環回路の
破損が確実に防止されることになり、透析器や循環ポン
プの駆動回路等に高価な安全回路を設ける必要もなくな
って、体外循環回路を安価に構成することができる。ま
たさらに、疎水性膜３は、継手キャップ１の他端側１ｂ
の開口部２ｂに外側から熱溶着等で固着するだけでよ
く、その製造を容易に行うことができて、安価な継手キ
ャップ１を得ることが可能になる。
破損が確実に防止されることになり、透析器や循環ポン
プの駆動回路等に高価な安全回路を設ける必要もなくな
って、体外循環回路を安価に構成することができる。ま
たさらに、疎水性膜３は、継手キャップ１の他端側１ｂ
の開口部２ｂに外側から熱溶着等で固着するだけでよ
く、その製造を容易に行うことができて、安価な継手キ
ャップ１を得ることが可能になる。
【００２７】なお、上記実施例においては、継手キャッ
プ１を体外循環回路の返血側の先端部分の部品４に装着
した場合について説明したが、本発明の継手キャップは
採血側の先端部分の部品に装着することも勿論可能であ
る。また、上記実施例における継手キャップ１の全体形
状、貫通孔２の形状、開口部２ａ、２ｂの大きさ、接続
部５の形状等は一例であって、部品４の形状等に合わせ
て適宜に設定することができる。さらに、疎水性膜３
も、上記材質等に限定されるものでもなく、空気を通過
させ水の通過を阻止する機能を有する他の適宜の材質か
らなる疎水性膜を使用することができる。
プ１を体外循環回路の返血側の先端部分の部品４に装着
した場合について説明したが、本発明の継手キャップは
採血側の先端部分の部品に装着することも勿論可能であ
る。また、上記実施例における継手キャップ１の全体形
状、貫通孔２の形状、開口部２ａ、２ｂの大きさ、接続
部５の形状等は一例であって、部品４の形状等に合わせ
て適宜に設定することができる。さらに、疎水性膜３
も、上記材質等に限定されるものでもなく、空気を通過
させ水の通過を阻止する機能を有する他の適宜の材質か
らなる疎水性膜を使用することができる。
【００２８】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項１または２
記載の発明によれば、継手キャップの部品が接続されな
い側の開口部が疎水性膜で閉塞されているため、空気を
自動的に排出し得て生理食塩水の充填を容易に行うこと
ができると共に、従来のような蓋を装着することなく汚
染防止が図れる等、使用時の操作性を向上させることが
できる。また、一定圧以上で水が通過するという疎水性
膜の性質によって、体外循環回路内の圧力上昇に伴う体
外循環回路の破損を確実に防止することができる等の効
果を奏する。
記載の発明によれば、継手キャップの部品が接続されな
い側の開口部が疎水性膜で閉塞されているため、空気を
自動的に排出し得て生理食塩水の充填を容易に行うこと
ができると共に、従来のような蓋を装着することなく汚
染防止が図れる等、使用時の操作性を向上させることが
できる。また、一定圧以上で水が通過するという疎水性
膜の性質によって、体外循環回路内の圧力上昇に伴う体
外循環回路の破損を確実に防止することができる等の効
果を奏する。
【図１】本発明に係わる体外循環回路用の継手キャップ
の一実施例を示す断面図
の一実施例を示す断面図
【図２】従来の継手キャップの断面図
【図３】従来の他の継手キャップの斜視図
１ 継手キャップ １ａ 一端側 １ｂ 他端側 ２ 貫通孔 ２ａ 開口部 ２ｂ 開口部 ３ 疎水性膜 ４ 部品 ５ 接続部
Claims (2)
- 【請求項１】内部に貫通孔を有し、該貫通孔の一方側に
採血もしくは返血用の部品が接続される体外循環回路用
の継手キャップであって、前記貫通孔の他方側の開口部
が疎水性膜で閉塞されていることを特徴とする体外循環
回路用の継手キャップ。 - 【請求項２】前記疎水性膜が、所定圧未満で空気の通過
を可能にし生理食塩水の通過を阻止すると共に、所定圧
以上で生理食塩水を通過させる機能を有することを特徴
とする請求項１記載の体外循環回路用の継手キャップ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9094728A JPH10263075A (ja) | 1997-03-28 | 1997-03-28 | 体外循環回路用の継手キャップ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9094728A JPH10263075A (ja) | 1997-03-28 | 1997-03-28 | 体外循環回路用の継手キャップ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10263075A true JPH10263075A (ja) | 1998-10-06 |
Family
ID=14118184
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9094728A Pending JPH10263075A (ja) | 1997-03-28 | 1997-03-28 | 体外循環回路用の継手キャップ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10263075A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009101093A (ja) * | 2007-10-25 | 2009-05-14 | Terumo Corp | コネクタおよび輸液チューブセット |
| JP2009522048A (ja) * | 2006-01-02 | 2009-06-11 | カーディナル ヘルス ３０３、インコーポレイテッド | 自己封止式雄型ルアー弁の保護用プライミング・キャップ |
-
1997
- 1997-03-28 JP JP9094728A patent/JPH10263075A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009522048A (ja) * | 2006-01-02 | 2009-06-11 | カーディナル ヘルス ３０３、インコーポレイテッド | 自己封止式雄型ルアー弁の保護用プライミング・キャップ |
| JP4891341B2 (ja) * | 2006-01-02 | 2012-03-07 | ケアフュージョン ３０３、インコーポレイテッド | 医療用コネクタのキャップ、及び医療用のコネクタをプライミングする方法 |
| JP2009101093A (ja) * | 2007-10-25 | 2009-05-14 | Terumo Corp | コネクタおよび輸液チューブセット |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060228 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060725 |