JP4163898B2 - ロック式接続具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血液回路等流体の流通ラインに接続されたゴムボタンに取り付けられ、該ゴムボタンのゴム材に形成されたスリットを介して流通ラインを流れる流体を採取等する接続医療器の先端に形成されたロック手段と係合又は螺合しつつ流通ラインに対し前記接続医療器を接続するためのロック式接続具に関する。
【0002】
【従来の技術】
透析治療時に使用され、患者の血液を体外循環させる血液回路は、一般に、ダイアライザやドリップチャンバ等の各構成要素間を連結する可撓性チューブから主に構成されており、かかる血液回路の所定の位置には、ゴム材を有するゴムボタンが接続されている。このゴムボタンのゴム材には、血液の流通ラインの内外を連通したスリットが形成されており、かかるスリットに穿刺管やシリンジの先端等を挿通し、血液回路を流れる血液を採取したり、或いは当該血液回路中に薬剤又は生理食塩水を注入し得るよう構成されている。
【0003】
ところで、例えば投与すべき薬剤の量や種類によっては、シリンジをゴムボタンに接続するのに代えて、薬剤投与のためのチューブ先端をゴムボタンに接続する場合がある。即ち、血液回路を流れる血液に対し、少量の薬剤を短時間で注入する場合は、シリンジ等で注入するのが好ましい一方、大量の薬剤を長時間かけて注入する場合は、シリンジに代えて、薬剤を収容した容器からチューブを延設し、該チューブの先端をゴムボタンに接続することにより、容器内の薬剤を血液回路に一定量ずつ注入することが行われる。
【0004】
このようなチューブの先端には、ゴムボタンにおけるゴム材のスリットに挿通可能なコネクタが形成されるとともに、薬剤投与中にコネクタがゴムボタンから外れてしまうのを防止するためのロック手段が形成されている。かかるロック手段は、チューブ先端のコネクタとは別途に設けられ、内周面に雌ネジ形状が形成された部材から成り、該雌ネジ形状がゴムボタンに取り付けられたロック式接続具に螺合してロック可能とされたものである。
【0005】
従来のロック式接続具は、図12に示すように、ゴムボタン100のゴム材101に形成されたスリット101aに対して挿通又は離間可能とされたフロート102を有し、該フロート102がゴムボタン100のゴム材101を収容すべく立設された筒状部103に収容されているとともに、当該筒状部103外周面にロック手段の雌ネジ形状と螺合可能な雄ネジ形状104が形成されていた。
【0006】
より具体的には、ゴムボタン100の筐体と一体成形された筒状部103の外周面に雄ネジ形状104を形成するとともに、その筒状部103の内部にフロート102を収容させておき、該フロート102の先端をスリット101aに対し挿通又は離間させて構成されていた。そして、図13に示すように、チューブD等の先端のコネクタCをフロート102内に嵌合させつつ押圧すると、フロート102が下降してゴム材101のスリット101aに挿通されるので、当該チューブDをゴムボタン100に対して接続することができる一方、その接続状態のままチューブD先端に配設されたロック手段Lを回動させて、該ロック手段Lの内周面に形成された雌ネジ形状Laを筒状部103に形成された雄ネジ形状104に螺合させることによりロックしていた。これにより、チューブDがゴムボタン100から外れてしまうのを防止することができる。
【0007】
尚、近時においては、シリンジ形状を成す薬剤の収容部材の先端に雌ネジ形状から成るロック手段を配設したものも提案されているが、上記ロック式接続具によれば、当該収容部材先端をゴムボタンにおけるゴム材のスリットに挿通させつつ、ロック手段をロック式接続具に形成された雄ネジ形状に螺合させてロックすることもできる。即ち、ロック手段が配設されたものとしては、コネクタが形成された薬剤投与のためのチューブに限らず、シリンジや他の採取又は注入手段(本明細書においては、これらを総称して接続医療器という。)に適用することができるのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のロック式接続具においては、フロート102及び雄ネジ形状104がゴムボタン100の筐体と一体成形された筒状部103に配設及び形成されているので、これらフロート102及び雄ネジ形状104を有する筒状部103をゴムボタン100から取り外すことができず、専らロック手段を有する接続医療器を接続することしかできないという問題があった。
【0009】
即ち、フロート102における上側の内周面は、コネクタCと良好に嵌合し得るよう、当該コネクタCの外形形状と略等しく設定されているので、ロック手段Lを有さず、フロート102に嵌合される前提で設計されていない接続医療器の先端は、十分に嵌合され得ず、接続が極めて不安定となってしまうのである。より詳しく述べると、接続医療器の先端をスリット101aに対し貫通させるには、当該先端をテーパ状に形成する必要があるので、フロート102を介して接続させるものと、直に接続させるものとでは、接続医療器の先端の傾斜角が異なり、直に接続させるもの(即ち、ロック手段Lを有さないもの)をフロート102に接続させようとしても、うまく嵌合しないのである。
【0010】
また、上記従来のロック式接続具においては、フロート及び雄ネジ形状がゴムボタンの筐体と一体成形された筒状部に配設及び形成され、そのフロート下にゴム材が配置しているので、ゴム材表面の外部への露出面積が極めて小さく、当該ゴム材を消毒するのが極めて面倒であり、所望の薬剤を注入した後、再度接続医療器を接続して再使用することができないという問題があった。即ち、医療現場においては、例えばゴムボタンを介して血液回路を流れる血液を採取した後、当該ゴムボタンを介して薬剤を注入することがなされる場合があるが、その場合、衛生上の観点から、採血後にゴムボタンのゴム材を消毒し、しかる後に薬剤注入を行う必要があったのに対し、上記従来のロック式接続具があると、ゴム材の消毒が困難となって、再使用ができなくなってしまうのである。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ロック手段を有した接続医療器及びロック手段を有さない接続医療器の何れも接続でき、汎用性を向上させることができるとともに、ゴムボタンのゴム材を消毒し易くして、当該ゴムボタンの再使用を可能にすることができるロック式接続具を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、患者の血液を体外循環させつつ浄化するための血液回路に両端が接続されて一部に開口を有する接続部、該接続部の開口を塞ぐように配設されたゴム材、該ゴム材に形成されたスリット、前記ゴム材の外側表面を外部に臨ませつつその側面を覆う如く前記接続部の開口側に固定されたキャップ、及び該キャップの上面に形成されて前記ゴム材の外側表面を外部に臨ませるための開口縁部に沿って形成された凹部を有したゴムボタンに取り付けられ、該ゴムボタンのゴム材に形成された前記スリットを介して前記血液回路を流れる血液を採取或いは別途の流体を当該血液回路に注入する接続医療器の先端に形成されたロック手段と係合又は螺合しつつ前記血液回路に対し前記接続医療器を接続するためのロック式接続具であって、前記ゴムボタンのゴム材上方に取り付けられ、前記接続医療器のロック手段と係合又は螺合する被ロック手段が形成されるとともに、下端における外周縁部に外側に膨出した膨出部が形成され、その膨出部の外径が前記ゴムボタンのキャップに形成された前記凹部の内径より大きく圧入可能とされたハウジングと、該ハウジング内に収容され、前記接続医療器先端と接続されつつ、下端が前記ゴム材のスリットに対して挿通した位置まで下降可能とされるとともに、上下端を連通する連通孔が形成されたフロートとを具備し、前記ゴムボタンのゴム材を収容したキャップの凹部に前記ハウジングの下端の前記膨出部が圧入及びその圧入を解くことが可能とされ、当該ハウジングが前記フロートを収容しつつゴムボタンに脱着自在とされたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、患者の血液を体外循環させつつ浄化するための血液回路に両端が接続されて一部に開口を有する接続部、該接続部の開口を塞ぐように配設されたゴム材、該ゴム材に形成されたスリット、前記ゴム材の外側表面を外部に臨ませつつその側面を覆う如く前記接続部の開口側に固定されたキャップ、及び該キャップの上面に形成されて前記ゴム材の外側表面を外部に臨ませるための開口縁部に沿って形成された凹部を有したゴムボタンに取り付けられ、該ゴムボタンのゴム材に形成された前記スリットを介して前記血液回路を流れる血液を採取或いは別途の流体を当該血液回路に注入する接続医療器の先端に形成されたロック手段と係合又は螺合しつつ前記血液回路に対し前記接続医療器を接続するためのロック式接続具であって、前記ゴムボタンのゴム材上方に取り付けられ、前記接続医療器のロック手段と係合又は螺合する被ロック手段が形成されるとともに、下端における外周縁部にネジが形成され、そのネジが前記ゴムボタンのキャップにおける前記凹部に形成されたネジと螺合し得るよう構成されたハウジングと、該ハウジング内に収容され、前記接続医療器先端と接続されつつ、下端が前記ゴム材のスリットに対して挿通した位置まで下降可能とされるとともに、上下端を連通する連通孔が形成されたフロートとを具備し、前記ゴムボタンのゴム材を収容したキャップの凹部のネジに前記ハウジングの下端のネジが螺合及びその螺合を解除することが可能とされ、当該ハウジングが前記フロートを収容しつつゴムボタンに脱着自在とされたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本発明に係るロック式接続具は、血液回路に接続されたゴムボタンに取り付けられ、接続医療器をロックしつつ、その先端を当該ゴムボタンに接続するためのものである。尚、ここでいう接続医療器とは、血液回路を流れる血液を採取或いは薬剤や生理食塩水を血液回路に注入する手段の総称を指し、具体的には、シリンジや薬剤投与のためのチューブを指す。また、接続医療器先端は、薬剤投与のためのチューブ先端に形成されたコネクタや、シリンジ先端に取り付けられる穿刺管を含むものである。
【0016】
まず、本実施形態に適用されるゴムボタンについて説明する。かかるゴムボタンは、図3及び図4に示すように、両端が血液回路を構成する可撓性チューブαと接続されるとともに、一部に開口5aを有する接続部5と、該接続部5の開口5aを塞ぐように配置されたゴム材6と、該ゴム材6に形成されたスリット7と、ゴム材6の外側表面を外部に臨ませつつ、その側面を覆う如く接続部5の開口5a側に固定されたキャップ8とから主に構成されている。
【0017】
即ち、ゴム材6は、接続部5の開口5a縁部とキャップ8とで挟持されて固定されており、その外側表面に形成されたスリット7が接続部5内部と外部とを連通している。かかるスリット7は、通常状態において、ゴム材6の弾力により固く閉じており、穿刺管やシリンジ先端が押圧されると、該先端を挿通すべく開口するよう形成されている。
【0018】
接続部5は、両側に可撓性チューブαが接続されて、血液回路の一部を構成するもので、内部が患者の血液の流通ラインを構成する。かかる流通ラインには、患者の血液が流れる他、プライミング時などに、生理食塩水や透析液等が流れることとなる。尚、接続部5における開口5a縁部には、当該縁部に沿って凹部5bが形成されており、かかる凹部5b内にキャップ8のフランジ及びゴム材6の周縁が圧入されている。
【0019】
キャップ8の上面には、ゴム材6の外側表面を外部に臨ませるための開口8aが形成されており、該開口8a縁部には、その縁部に沿って凹部8aaが形成されている。かかる凹部8aaは、その内径が後述するロック式接続具aにおける膨出部4より若干小さく形成されており、当該膨出部4を圧入固定可能とされている。尚、本実施形態に係るゴムボタンbのキャップ8は、上面から見て略円形とされているが、ゴム材6の外側表面を外部に臨ませる開口8a及びその縁部に形成された凹部8aaを有していれば、楕円や矩形又は異形のものであってもよい。
【0020】
上記ゴムボタンbによれば、スリット7を介して、血液回路を流れる血液を採取したり、或いは当該血液回路内に薬剤や生理食塩水等を注入することができる。特に、比較的大量の薬剤又は生理食塩水等を長時間かけて少量ずつ注入する作業においては、図5に示すように、薬剤を収容した容器からチューブDを延設し、該チューブDの先端に形成されたコネクタCをゴムボタンbに接続することが行われる場合がある。
【0021】
かかるチューブDの先端には、コネクタCの他、ロック手段Lが形成されている。該ロック手段Lの内周面には、雌ネジ形状Laが形成されており、かかる雌ネジ形状Laが後述するロック式接続具aに形成された雄ネジ形状3と螺合することにより、ロック式接続具aを介してチューブDのコネクタCをゴムボタンbに接続し得るよう構成されている。尚、本実施形態においては、ロック手段Lに雌ネジ形状Laを形成するとともに、これと螺合する雄ネジ形状3をロック式接続具aに形成しているが、ロック手段Lに雄ネジ形状、ロック式接続具aに雌ネジ形状を形成するようにしてもよい。
【0022】
ここで、本実施形態に係るロック式接続具aは、ゴムボタンbに脱着自在とされたもので、図1及び図2に示すように、ハウジング1と、フロート2とから主に構成されている。ハウジング1は、その上下端が開口した樹脂製の円筒状部材から成り、上端近傍の側面には、被ロック手段としての雄ネジ形状3が形成されている。該雄ネジ形状3は、既述したロック手段Lの雌ネジ形状Laと螺合し得るものであり、チューブD先端のコネクタCをロック式接続具aにロックするためのものである。
【0023】
また、ハウジング1の下端における外周縁部には、外側に膨出した膨出部4が形成されている。この膨出部4は、その外径がゴムボタンbのキャップ8に形成された凹部8aaの内径より若干大きく設計されており、該凹8aaに対して圧入可能とされている。即ち、凹部8aaに対しハウジング1の下端を押圧することにより、膨出部4が弾力で変形しつつ当該凹部8aa内に入り込み、図7に示すように、ロック式接続具aがゴムボタンbに圧入固定されるのである。
【0024】
フロート2は、ハウジング1内に収容され、その上端側がチューブD先端と接続可能とされつつゴムボタンbにおけるゴム材6のスリット7に対して挿通又は離間可能とされたものである。更に詳しくは、フロート2の内部は、上下端を連通する連通孔が形成されており、該連通孔には、図2で示すように、上端側の径t1の部分と下端側の径t2の部分とが形成されている。
【0025】
上端側の径t1は、チューブD先端のコネクタCの外径と略等しく設計されており、当該コネクタCをハウジング1の上端開口から挿通することにより、嵌合可能とされている。また、ハウジング1の内周面における下端側には、フロート2側に突出した凸部4aが形成されており、フロート2がハウジング1内で下降しても当該凸部4aで更なる下降が規制されている。かかる凸部4により、フロート2がハウジング1の下端開口から脱落してしまうのを防止している。
【0026】
次に、上記ロック式接続具aにおける作用について説明する。
まず、ゴムボタンbにおけるキャップ8に形成された凹部8aaにロック式接続具aの膨出部4を圧入することにより、ゴムボタンbにロック式接続具aを固定しておく。その後、図8で示すように、上方よりチューブDの先端を近づけ、コネクタCをハウジング1の上端開口と対向させた後、図9に示すように、当該コネクタCをロック式接続具aの上端開口内に挿入しつつロック手段Lを回動させる。
【0027】
これにより、フロート2が下降して、その下端がゴム材6のスリット7に挿通されるとともに、ロック手段Lの雌ネジ形状Laが被ロック手段である雄ネジ形状3と螺合し、ロック状態とされる。かかる状態においては、医師等の医療従事者がチューブDやゴムボタンbから手を離しても、接続状態が維持され、当該チューブDを流れる薬剤等をゴムボタンbを介して確実に血液回路内へ注入することができる。
【0028】
チューブDによる薬剤等の注入が終了すると、ロック手段L又はハウジング1の外周面を把持しつつ上方へ引っ張ることにより、膨出部4の凹部8aa内への圧入を解き、図10に示すように、ロック式接続具aが接続された状態のままチューブD及びコネクタCをゴムボタンbから抜き取る。これに伴い、フロート2もスリット7から離間するので、当該スリット7がゴム材6の弾力により再び固く閉じ、接続部5内を流れる血液が漏れないようになっている。
【0029】
このように、ロック式接続具aをゴムボタンbから取り外すことにより、ゴムボタンbのゴム材6の外側表面(上面)が再び外部に臨んだ状態となるので、その外側表面を消毒し易くすることができる。即ち、従来の如く、雄ネジ形状が形成された筒状部がゴムボタンの筐体と一体であり、取り外し不可能であるものに対し、ゴム材6の消毒を容易とすることができるので、所望の薬剤を注入した後、再度他の接続医療器を接続して再使用することができるのである。尚、ロック式接続具a自体の消毒も問題ない。
【0030】
また、上記の如く、ロック式接続具aがゴムボタンbに対して脱着自在とされているので、ロック式接続具aをゴムボタンbから取り外した状態とすれば、図11に示すように、ロック手段Lを有さない接続医療器(例えば、同図の如きシリンジS等)の先端を良好に嵌合することができる。従って、ロック手段を有した接続医療器及びロック手段を有さない接続医療器の何れも接続でき、汎用性を向上させることができる。
【0031】
更に、従来の如きロック式接続具がゴムボタンから取り外せないものにおいては、投入する薬剤の種類分又は採血の回数分だけゴムボタンを血液回路に接続しておかなければならなかったのに対し、本実施形態によれば、一つのゴムボタンで足りることとなる。即ち、本実施形態によれば、ゴムボタンの消毒が容易であるので、薬剤の注入作業或いは血液の採取作業の度にゴムボタン外表面を消毒して幾度の使用をすることができ、従来のように、複数接続しておく必要がないのである。
【0032】
以上、本実施形態に係るロック式接続具について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばゴムボタンの凹部8aaにネジを形成しておき、これと螺合し得るネジをハウジング1の下端部に形成するようにしてもよい。この場合、ハウジングのネジをゴムボタンのネジに合致させつつ回動させることにより、これらの螺合及び解除を行うことができるので、上記実施形態と同様、ロック式接続具をゴムボタンに脱着自在とすることができる
【0033】
また、ロック式接続具と脱着可能とされるゴムボタンは、本実施形態にものに限定されず、種々形態のもの(例えば、スリットやキャップの形状が異なるもの等)に適用することができる
【0034】
また更に、本実施形態においては、チューブDの先端に形成されたコネクタCを接続するよう構成されているが、ロック手段を備えた他の接続医療器(シリンジ形状を成す薬剤の収容部材の先端に雌ネジ形状から成るロック手段を配設したもの)を接続するのに適用してもよい。
【0035】
【発明の効果】
請求項1、2の発明によれば、フロートを収容したハウジングがゴムボタンに脱着自在とされているので、ロック手段を有した接続医療器及びロック手段を有さない接続医療器の何れも接続でき、汎用性を向上させることができるとともに、ゴムボタンのゴム材を消毒し易くして、当該ゴムボタンの再使用を可能にすることができる。また、ゴムボタンのゴム材を収容したキャップにハウジングの下端が圧入又は螺合され、当該ゴムボタンにフロートを収容しつつ脱着自在とされたので、ゴムボタンに対するロック式接続具の取り付け作業及び取り外し作業を容易としつつ、その構造を簡素化することができる。更に、一般に種々の採血作業や薬剤注入作業がなされる血液回路に本ロック式接続具を接続したので、ゴムボタンの再使用が可能とされるという本発明の効果を十分に有効なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るロック式接続具を示す斜視図
【図2】本発明の実施形態に係るロック式接続具を示す縦断面図
【図3】本発明の実施形態に係るロック式接続具が脱着されるゴムボタンを示す上面図
【図4】図3におけるIV−IV線断面図
【図5】本発明の実施形態に係るロック式接続具に接続されるべくコネクタC及びロック手段Lを備えたチューブDを示す模式図
【図6】同コネクタC及びロック手段Lを備えたチューブDの先端側における断面図
【図7】本発明の実施形態に係るロック式接続具がゴムボタンに取り付けられた状態を示す断面図
【図8】本発明の実施形態に係るロック式接続具がゴムボタンに取り付けられ、且つ、チューブD先端が近づいた状態を示す断面図
【図9】本発明の実施形態に係るロック式接続具がゴムボタンに取り付けられ、且つ、チューブD先端が接続された状態を示す断面図
【図10】本発明の実施形態に係るロック式接続具がゴムボタンから取り外された状態を示す断面図
【図11】本発明の実施形態に係るロック式接続具がゴムボタンから取り外された後、当該ゴムボタンにシリンジ先端を穿刺した状態を示す断面図
【図12】従来のロック式接続具におけるコネクタを挿通する前の状態を示す断面図
【図13】従来のロック式接続具におけるコネクタを挿通した後の状態を示す断面図
【符号の説明】
1…ハウジング
2…フロート
3…雄ネジ形状(被ロック手段)
4…膨出部
5…接続部
6…ゴム材
7…スリット
8…キャップ
8a…開口
8aa…凹部
a…ロック式接続具
b…ゴムボタン
C…コネクタ
D…チューブ(接続医療器)
L…ロック手段
La…雌ネジ形状

Claims (2)

  1. 患者の血液を体外循環させつつ浄化するための血液回路に両端が接続されて一部に開口を有する接続部、該接続部の開口を塞ぐように配設されたゴム材、該ゴム材に形成されたスリット、前記ゴム材の外側表面を外部に臨ませつつその側面を覆う如く前記接続部の開口側に固定されたキャップ、及び該キャップの上面に形成されて前記ゴム材の外側表面を外部に臨ませるための開口縁部に沿って形成された凹部を有したゴムボタンに取り付けられ、該ゴムボタンのゴム材に形成された前記スリットを介して前記血液回路を流れる血液を採取或いは別途の流体を当該血液回路に注入する接続医療器の先端に形成されたロック手段と係合又は螺合しつつ前記血液回路に対し前記接続医療器を接続するためのロック式接続具であって、
    前記ゴムボタンのゴム材上方に取り付けられ、前記接続医療器のロック手段と係合又は螺合する被ロック手段が形成されるとともに、下端における外周縁部に外側に膨出した膨出部が形成され、その膨出部の外径が前記ゴムボタンのキャップに形成された前記凹部の内径より大きく圧入可能とされたハウジングと、
    該ハウジング内に収容され、前記接続医療器先端と接続されつつ、下端が前記ゴム材のスリットに対して挿通した位置まで下降可能とされるとともに、上下端を連通する連通孔が形成されたフロートと、
    を具備し、前記ゴムボタンのゴム材を収容したキャップの凹部に前記ハウジングの下端の前記膨出部が圧入及びその圧入を解くことが可能とされ、当該ハウジングが前記フロートを収容しつつゴムボタンに脱着自在とされたことを特徴とするロック式接続具。
  2. 患者の血液を体外循環させつつ浄化するための血液回路に両端が接続されて一部に開口を有する接続部、該接続部の開口を塞ぐように配設されたゴム材、該ゴム材に形成されたスリット、前記ゴム材の外側表面を外部に臨ませつつその側面を覆う如く前記接続部の開口側に固定されたキャップ、及び該キャップの上面に形成されて前記ゴム材の外側表面を外部に臨ませるための開口縁部に沿って形成された凹部を有したゴムボタンに取り付けられ、該ゴムボタンのゴム材に形成された前記スリットを介して前記血液回路を流れる血液を採取或いは別途の流体を当該血液回路に注入する接続医療器の先端に形成されたロック手段と係合又は螺合しつつ前記血液回路に対し前記接続医療器を接続するためのロック式接続具であって、
    前記ゴムボタンのゴム材上方に取り付けられ、前記接続医療器のロック手段と係合又は螺合する被ロック手段が形成されるとともに、下端における外周縁部にネジが形成され、そのネジが前記ゴムボタンのキャップにおける前記凹部に形成されたネジと螺合し得るよう構成されたハウジングと、
    該ハウジング内に収容され、前記接続医療器先端と接続されつつ、下端が前記ゴム材のスリットに対して挿通した位置まで下降可能とされるとともに、上下端を連通する連通孔が形成されたフロートと、
    を具備し、前記ゴムボタンのゴム材を収容したキャップの凹部のネジに前記ハウジングの下端のネジが螺合及びその螺合を解除することが可能とされ、当該ハウジングが前記フロートを収容しつつゴムボタンに脱着自在とされたことを特徴とするロック式接続具。
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JP2011036358A (ja) * 2009-08-10 2011-02-24 Nikkiso Co Ltd 医療用送液回路の接続具

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