JPH10262643A - 細胞除去器、細胞除去方法及び輸血用血液 - Google Patents

細胞除去器、細胞除去方法及び輸血用血液

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JPH10262643A
JPH10262643A JP9085537A JP8553797A JPH10262643A JP H10262643 A JPH10262643 A JP H10262643A JP 9085537 A JP9085537 A JP 9085537A JP 8553797 A JP8553797 A JP 8553797A JP H10262643 A JPH10262643 A JP H10262643A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 血液中の白血球を高率に除去し、かつその中
でも特定の白血球サブセットをより高率に除去して、特
定白血球サブセットに起因する副作用と、白血球全体が
関与する副作用を同時に予防できる、細胞除去器、細胞
除去方法及び輸血用血液を提供する。 【解決手段】 白血球浮遊液から白血球を除去し、かつ
その中でも特定の白血球サブセットをより高率に除去す
る細胞除去器であって、除去対象白血球サブセットに対
する抗体が固定されている白血球サブセット除去手段
と、該白血球サブセット除去手段の上流に位置する、白
血球中の特定サブセットに対する抗体が固定されていな
い白血球除去手段からなることを特徴とする細胞除去
器。白血球浮遊液から白血球を除去し、かつその中でも
特定の白血球サブセットをより高率に除去する方法であ
って、白血球浮遊液を先ず、白血球全体の細胞数を減少
させる手段に通液した後、特定の白血球サブセットの細
胞数を選択的に減少させる手段に通液することを特徴と
する細胞除去方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、白血球浮遊液から
白血球を除去し、かつその中でも特定の白血球サブセッ
トをより高率に除去する細胞除去器及び細胞除去方法と
該方法により得られた輸血用血液に関する。
【0002】
【従来の技術】遺伝子工学の進歩に伴い、バイオリガン
ド、たとえばモノクローナル抗体、接着分子等(以下、
抗体と略す)の入手が容易になったことから、これらを
固定した器具を用いて病因細胞を除去して疾病の治療あ
るいは予防を行うことが盛んに検討されている。従来、
抗体を利用した細胞除去器は抗体の特異性の高さという
特長が利用されている。即ち、抗体がターゲットとする
細胞のみを高率に除去し、それ以外は可及的高率に回収
したい場合に用いられている。特開平6−154316
では、自己免疫疾患治療の為の、抗CD4抗体における
可変領域を構成しているアミノ酸配列を有するペプチド
を固定した不織布によるCD4陽性細胞捕集材が開示さ
れている。本法ではCD4陽性Tリンパ球(ヘルパーT
リンパ球)のみの除去が技術課題であって、その他の白
血球、即ち、ヘルパーTリンパ球以外のTリンパ球(例
えばCD8陽性Tリンパ球=サプレッサー/細胞傷害性
Tリンパ球)や、Bリンパ球、NK細胞、顆粒球は除去
せずに高率に回収する必要があるため、抗体が利用され
ている。また、抗Tリンパ球抗体固定フラスコに、レク
チン固定フラスコでの前処理粗分離を行った細胞集団を
導入し、骨髄移植の重篤な合併症である移植片対宿主病
の原因とされるTリンパ球を除去する方法が報告されて
いる(Tricot,et al:Seminars
in Hematology,1992)。本法におい
てレクチン固定フラスコの前処理粗分離の目的は、Tリ
ンパ球を含む成熟細胞(他にはBリンパ球、顆粒球、単
球)を非特異的に除去させて後続の抗Tリンパ球抗体固
定フラスコの負担を減少(結果的に必要器具数の減少)
しようというものであり、骨髄移植の際に用いられるた
め、白血球の1種である造血幹細胞及び/または造血前
駆細胞(以下造血幹細胞と総称する)を可及的高率に回
収する必要があり、白血球全てを除去する目的ではな
い。特開平8−10321では抗体固定器具による目的
細胞の分離の前処理として、ナイロンウールによる単球
除去が開示されている。しかしながら、本法の目的は抗
体固定器具による分離の際に妨害(粘着性の高い単球の
非特異的粘着による細胞結合表面の被覆)する単球の除
去のみを目的としたものであり、単球以外の白血球は除
去対象になっていない。特に、前述のレクチン固定フラ
スコの例と同様、造血幹細胞の除去率を可及的に低くす
ることが必須であり、白血球全体を除去する目的とは全
く異なる技術である。
【0003】ところで、白血球全体を除去する方法とし
ては、不織布や多孔質体からなる白血球除去フィルター
が種々製品化されており、輸血現場で汎用されている。
近年、これらフィルターは高性能化が進み、白血球除去
率は上昇の一途をたどっている。これら白血球除去率向
上の検討は白血球粘着の観点から、即ち不織布枚数増、
不織布の小繊維径化で行われており、粘着性の弱い白血
球、例えばTリンパ球はこれらによっても捕捉されずに
漏れ出てしまうため、高率除去は困難であった。特公平
7−20872では白血球の除去率を向上させるため
に、平均繊維径の異なる複数のフィルター要素を組み合
わせることが開示されている。しかしながら、これも総
白血球数の除去率向上を技術課題としたものであり、総
白血球数の減少に加え、その中の特定の白血球サブセッ
トをより高率に除去するという発想は全くない。実際、
実施例ではチュルク法による総白血球数のみが測定され
ており、総白血球数の除去率は高いものの、粘着性の低
いTリンパ球をフローサイトメトリー法で測定した場
合、除去率は総白血球除去率よりはるかに低いことが予
想される。以上のように、抗体を利用した従来の細胞除
去器では抗体はその特異性の高さという特長が利用さ
れ、抗体がターゲットとする細胞以外は可及的高率に回
収したい場合にのみ用いられており、また、不織布等を
利用した従来の白血球除去フィルターでは総白血球数の
減少のみが注目されていた。即ち、総白血球数の減少に
加え、更にその中の特定の白血球サブセットをより高率
に除去する方法は存在しなかった。現在、輸血副作用は
1)移植片対宿主病(GVHD)のように特定白血球サ
ブセットのみが関与しているものと、2)ウイルス感
染、非溶血性発熱のように白血球全体が関与しているも
のがある。前述の、抗体を利用した細胞除去器は1)を
予防することは可能であるが、抗体がターゲットとする
白血球サブセット以外の白血球は漏出しやすいので、
2)の予防は不可能であり、また、不織布等を利用した
従来の白血球除去フィルターでは2)は予防できるもの
の、1)の予防は不完全である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は血液中
の白血球を高率に除去し、かつその中でも特定の白血球
サブセットをより高率に除去する細胞除去器、細胞除去
方法及び該方法により得られた輸血用血液を提供するこ
とにある。より具体的には特定白血球サブセットに起因
する副作用と、白血球全体が関与する副作用を同時に予
防できる細胞除去器、細胞除去方法及び輸血用血液を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは従来技術の
有する問題点を解決すべく鋭意検討した結果、白血球除
去手段により、白血球全体を除去することにより、白血
球全体が関与している輸血副作用を防止し、それでもま
た残っている微量の白血球サブセットを白血球サブセッ
ト除去手段により徹底的に除去することにより、上記問
題点がほぼ完全に解決できることを見出し、本発明を完
成させたものである。即ち、本発明は白血球浮遊液から
白血球を除去し、かつその中でも特定の白血球サブセッ
トをより高率に除去する細胞除去器であって、除去対象
白血球サブセットに対する抗体が固定されている白血球
サブセット除去手段と、該白血球サブセット除去手段の
上流に位置する、白血球中の特定サブセットに対する抗
体が固定されていない白血球除去手段からなることを特
徴とする細胞除去器であり、更に前記白血球サブセット
除去手段と白血球除去手段が同一容器内に収納されてい
る細胞除去器である。また、本発明は白血球浮遊液から
白血球を除去し、かつその中でも特定の白血球サブセッ
トをより高率に除去する方法であって、白血球浮遊液を
先ず、白血球全体の細胞数を減少させる手段に通液した
後、特定の白血球サブセットの細胞数を選択的に減少さ
せる手段に通液することを特徴とする細胞除去方法であ
る。また、本発明は白血球数を減少させた輸血用血液で
あって、総白血球数が1μl当たり10個以下で、かつ
Tリンパ球数aと総白血球数bの比がa/b<0.8で
あることを特徴とする輸血用血液である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。本発明で言う白血球浮遊液とは末梢血、リンパ液、
骨髄液、臍帯血、あるいはこれらに何らかの処理を施し
た白血球を含む液体である。また、本発明で言う特定の
白血球サブセットとは白血球集団を構成する細胞の一部
(複数を含む)のことであり、具体的には以下があげら
れるが、これに限定されるものではない。リンパ球、T
リンパ球、ヘルパーTリンパ球、サプレッサーTリンパ
球、細胞傷害性Tリンパ球、活性化Tリンパ球、Bリン
パ球、NK細胞、顆粒球、好塩基球、好中球、好酸球、
単球、造血幹細胞、造血前駆細胞、白血病細胞。除去対
象白血球サブセツトに対する抗体とはたとえば以下があ
げられるが、これに限定されるものではない。抗CD2
抗体、抗CD3抗体、抗CD4抗体、抗CD5抗体、抗
CD6抗体、抗CD7抗体、抗CD8抗体、抗CD10
抗体、抗CD16抗体、抗CD19抗体、抗CD20抗
体、抗CD22抗体、抗CD23抗体、抗CD25抗
体、抗CD33抗体、抗CD34抗体、抗CD38抗
体、抗CD45抗体、抗CD45RA抗体、抗CD45
RO抗体、抗CD56抗体、抗CD62L抗体、抗CD
69抗体、抗IL2R抗体、抗IL4R抗体、抗IL6
R抗体。これらの抗体は、例えば除去対象白血球サブセ
ツトがTリンパ球全体である場合には抗CD2抗体、抗
CD3抗体、抗CD5抗体、抗CD7抗体を、Tリンパ
球の一部であるヘルパーTリンパ球あるいはサブレッサ
ーTリンパ球/細胞傷害性Tリンパ球である場合にはそ
れぞれ抗CD4抗体、抗CD8抗体を、白血病細胞に対
しては抗CD10抗体を、というように除去対象によっ
て適宜選択して用いる。なお、本発明で言う抗体とは抗
体全分子だけでなく、抗原結合部位を含む断片、可変領
域を構成するアミノ酸配列からなるペプチド、可変領域
以外の部分をヒト型化したいわゆるキメラ抗体なども含
まれる。
【0007】本発明で言う、除去対象白血球サブセット
に対する抗体が固定されている白血球サブセット除去手
段とは、前述の抗体(複数を含む)が水不溶性抗体に固
定され、容器に充填されたものである。ここで、水不溶
性担体としてはいかなる材質も使用可能であるが、成型
性、滅菌性や細胞毒性が低いという点で好ましいものを
列記すると、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ
レン、アクリル樹脂、ナイロン、ポリエステル、ポリカ
ーボネート、ポリアクリルアミド、ポリウレタン等の合
成高分子、アガロース、セルロース、酢酸セルロース、
キチン、キトサン、アルギン酸塩等の天然高分子、ハイ
ドロキシアパタイト、ガラス、アルミナ、チタニア等の
無機材料、ステンレス、チタン等の金属材料があげられ
る。担体の形状としては、粒状、綿状、織布、不織布、
スポンジ状多孔質体、平板があげられるが、体積当たり
の表面積が大きいという点で粒状、綿状、織布、不織
布、スポンジ状多孔質体が好ましい。中でも、血液の通
液性、除去効率、充填の容易さという点から不織布が特
に好ましい。不織布の繊維径としては0.3〜50μm
程度のものが通常用いられるが、血液の通液性、除去効
率の観点から1〜20μmが好ましく、更に、1〜5μ
mがより好ましい。これらの担体への抗体固定は公知の
パンニング法、即ち抗体溶液と担体を数時間接触するこ
とで物理吸着により達成することもできるが、より強固
に、化学結合により固定したい場合には特開平2−26
1833で提案されているハロアセトアミド活性化法、
特開平3−505287に例示されている、ハロゲン化
シアン活性化法、エピクロルヒドリン活性化法、ポリオ
キシシラン活性化法等、公知の方法を適宜選択すれば良
い。本発明で言う白血球中の特定サブセットに対する抗
体が固定されていない白血球除去手段とは、前述の抗体
が固定されていない水不溶性担体が容器に充填されてい
るものを言う。ここで、水不溶性担体としてはいかなる
材質も使用可能であるが、成型性、滅菌性や細胞毒性が
低いという点で好ましいものを列記すると、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ナ
イロン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリ
ルアミド、ポリウレタン等の合成高分子、アガロース、
セルロース、酢酸セルロース、キチン、キトサン、アル
ギン酸塩等の天然高分子、ハイドロキシアパタイト、ガ
ラス、アルミナ、チタニア等の無機材料、ステンレス、
チタン等の金属材料があげられる。担体の形状として
は、粒状、綿状、織布、不織布、スポンジ状多孔質体、
平板があげられるが、体積当たりの表面積が大きいとい
う点で粒状、綿状、織布、不織布、スポンジ状多孔質体
が好ましい。中でも、血液の通液性、除去効率、充填の
容易さという点から不織布が特に好ましい。不織布の繊
維径としては0.3〜20μm程度のものが通常用いら
れるが、血液の通液性、除去効率の観点から1〜5μm
が好ましく、更に、1〜2μmがより好ましい。また、
これらの水不溶性担体は血液の通液性向上の為WO87
/05812で開示されている非イオン性親水基と塩基
性含窒素官能基を有するポリマーをコートして用いるこ
とがより好ましい。また、前述の白血球サブセット除去
手段と白血球除去手段はそれぞれ別の容器に入れること
もできるが、同一の容器に収納する方が、コンパクト
化、白血球以外の成分の回収率、容器部材削減という点
でより好ましい。本発明で言う、白血球浮遊液には末梢
血、骨髄、臍帯血及びこれらを遠心分離器により粗分離
し、必要に応じ保存剤等を添加したもの(例:「MAP
−CRC」、「PC」)が含まれるが、血小板製剤を用
いる場合には、白血球サブセット除去手段、白血球除去
手段等に血小板通過性の向上の為の何らかの表面改質を
することが好ましい。表面改質の方法としては、WO8
7/05812で提案されている非イオン性親水基と塩
基性含窒素官能基を有するポリマーコート等、公知の表
面改質法が採用できる。
【0008】本発明による細胞除去方法では、白血球浮
遊液を先ず白血球全体の細胞数を減少する手段に通液す
る。ここで用いられる白血球全体の細胞数を減少する手
段とは、例えば、不織布や多孔質体が除去材として用い
られている白血球除去フィルターや遠心型血球分離装置
があげられるが、操作の簡便さという点で白血球除去フ
ィルターが好ましい。ここでは、白血球全体が特定のサ
ブセットに限定されることなくまんべんなく除去され
る。但し、夫々の除去手段の特性により、一部のサブセ
ットの除去率が若干高い傾向を示す場合がある(例え
ば、単球は粘着性が高いので白血球除去フィルターでは
除去率がリンパ球と比べ、若干高くなる傾向がある)
が、これは「後述する特定の白血球サブセットの細胞数
を選択的に減少させる手段」とは呼ばない。白血球全体
の細胞数が減少した白血球浮遊液は、次に特定の白血球
サブセットの細胞数を選択的に減少させる手段に通液す
る。ここで用いられる特定の白血球サブセットの細胞数
を選択的に減少させる手段は、除去対象白血球サブセッ
トに対する抗体が固定された除去材を予め容器に充填し
たフィルターや、ビーズや繊維からなる除去材を白血球
浮遊液の入ったコニカルチューブに投入するいわゆるバ
ッチ法があげられるが、操作の簡便さという点でフィル
ター法が好ましい。本発明による白血球数を減少させた
輸血用血液は、総白血球数が1μl当たり10個以下
で、かつTリンパ球数aと総白血球数bの比がa/b<
0.8である。より好ましくはa/b<0.5であり、
更により好ましくはa/b<0.1である。本発明によ
る細胞除去器は、輸血におけるGVHDの予防、白血病
患者、担癌患者等の自己血輸血における腫瘍細胞の除去
等に好適に用いられることが期待できるが、これらの用
途に限定されるものではない。
【0009】
【実施例】以下に、本発明の実施例を比較例と共に示す
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【実施例1】 細胞除去器の作製 容器寸法41×41×18mmで液体流出口と液体流入
口を対角線上に持つポリカーボネート製角型容器に、寸
法30×30mmの不織布を入口側から順に表1の構成
となるように充填した。ここで用いた各不織布の目付は
繊維径12μmポリエステル不織布100g/m2、同
1.7μmが66g/m2、同1.2μmが40g/
2、繊維径1.8μmポリプロピレン不織布が60g
/m2であり、充填密度は0.20g/cm3であった。
本細胞除去器は白血球、中でもTリンパ球を特に高率に
除去するために設計されており、ラット抗ヒト抗CD2
モノクローナル抗体(コールター社製、クローン名39
C1.5。以下CD2抗体と略す)を選択した。抗体固
定不織布は特開平2−261833で提案されている公
知のハロアセトアミド活性化法を用いて作製した。即
ち、ポリプロピレン不織布を活性化する目的で、スルホ
ラン165mlにヒドロキシメチルヨードアセトアミド
3.6gとトリフルオロメタンスルホン酸25gを添加
した反応液に前述のポリプロピレン不織布(予め前述の
寸法にカットしてある)を室温で5時間含浸、反応させ
た。次にこの活性化済み不織布に抗体を固定する目的
で、ダルベッコリン酸塩緩衝液(以下D−PBS)で2
0μg/ml濃度に調製したCD2抗体溶液10mlに
活性化済み不織布を2時間含浸し、D−PBSで洗浄
後、真空乾燥して抗体固定不織布とした。 細胞除去操作 ヒト新鮮末梢全血(抗凝固剤ACD−A)40mlを入
れた血液バッグをの細胞除去器の入口側に、途中にロ
ーラークランプとドリップチャンバーを有するチューブ
で接続した。細胞除去器の出口側には細胞採取用血液バ
ッグをチューブで接続した。ローラークランプを調節
し、流速5g/分の落差処理で細胞除去器に血液を通液
した。血液は、フィルター内の入口側の抗体未固定不織
布にて、白血球全体の細胞数が減じられ、その後に接触
するCD2抗体固定不織布により、CD2陽性細胞の細
胞数が減じられ、細胞採取用血液バッグに回収される。
なお、本操作に要した時間は約10分であった。 分析 総白血球数は、細胞除去操作前は公知のチュルク法によ
り、細胞除去操作後は公知のナジェットチャンバー法に
より測定した。また、白血球中のCD2陽性細胞比率は
公知のFITC標識CD2抗体を用い、SSC−FIT
Cに展開するフローサイトメトリー法にて測定した。C
D2陽性細胞数は、以下の式により計算した。 CD2陽性細胞数=白血球数×CD2陽性率 結果 処理前及び処理後の総白血球数、CD2陽性細胞数、そ
れらから以下の式で算出した白血球除去率、CD2陽性
細胞除去率を表2に示す。 除去率(%)=100−100×(処理後細胞数/処理
前細胞数) 白血球全体が高率に除去され、更にCD2陽性細胞の除
去率がより高いことがわかる。
【0010】
【比較例1】 細胞除去器の作製 実施例1の細胞除去器においてCD2抗体固定不織布の
代わりに抗体未固定不織布(ポリプロピレン製1.8μ
m)を同一表面積となるように充填した。なお、構成は
表1のとおりである。充填密度は実施例1と同様の0.
20g/cm3であった。 細胞除去操作 実施例1と同様な操作を行った。 分析 実施例1と同様な操作を行った。 結果 実施例1と同様、結果を表2に示す。白血球全体の除去
率はやや低く、CD2陽性細胞の除去率は更に低いこと
がわかる。
【0011】
【0012】
【0013】
【発明の効果】以上示したように、本発明によれば血液
中の白血球を高率に除去し、更にその中でも特定の白血
球サブセットをより高率に除去することができる。これ
により従来不可能であった、特定白血球サブセットに起
因する副作用(GVHD等)と、白血球全体が関与する
副作用が同時に予防できることが期待される。また、本
操作は極めて短時間かつ簡便なので、臨床現場でのルー
チン作業にも適している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:91)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白血球浮遊液から白血球を除去し、かつ
    その中でも特定の白血球サブセットをより高率に除去す
    る細胞除去器であって、除去対象白血球サブセットに対
    する抗体が固定されている白血球サブセット除去手段
    と、該白血球サブセット除去手段の上流に位置する、白
    血球中の特定サブセットに対する抗体が固定されていな
    い白血球除去手段からなることを特徴とする細胞除去
    器。
  2. 【請求項2】 白血球サブセット除去手段と白血球除去
    手段が同一容器内に収納されている請求項1記載の細胞
    除去器。
  3. 【請求項3】 白血球浮遊液から白血球を除去し、かつ
    その中でも特定の白血球サブセットをより高率に除去す
    る方法であって、白血球浮遊液を先ず、白血球全体の細
    胞数を減少させる手段に通液した後、特定の白血球サブ
    セットの細胞数を選択的に減少させる手段に通液するこ
    とを特徴とする細胞除去方法。
  4. 【請求項4】 白血球数を減少させた輸血用血液であっ
    て、総白血球数が1μl当たり10個以下で、かつTリ
    ンパ球数aと総白血球数bの比がa/b<0.8である
    ことを特徴とする輸血用血液。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005094847A1 (ja) * 2004-03-31 2005-10-13 Juntendo Educational Foundation 骨髄細胞誘導剤の製造方法及び製造装置
JP2015003923A (ja) * 2009-07-14 2015-01-08 旭化成メディカル株式会社 癌特異的膜抗原に対する抗体を含有する癌治療剤

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