JP4036304B2 - 細胞捕捉・回収方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、細胞集団から特定の細胞を捕捉・回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、全血輸血に代わって、全血から赤血球、血小板、白血球を選択的に取り出し、治療に必要な血球成分を輸血する成分輸血が行われるようになった。また最近では、白血病などの造血器腫瘍及び固形癌の化学療法における副作用である造血障害に対して、末梢血、骨髄、臍帯血の中の造血幹細胞を移植することが盛んに行われている。そのほとんどの場合、細胞は移植前まで凍結保存されるが、保存スペース、解凍時の破壊赤血球による副作用が問題となるため、通常凍結前に赤血球除去が行われている。
従来、血液から治療に必要な血球成分を分離する方法として、比重液(例えばファルマシア社製Ficoll)を用いる比重遠心法が採用されている。本法は比重液に原料細胞を重層させる際に液面を乱してはならない等、非常に熟練を要する煩雑な操作である。特開昭61−84577号公報、特開平2−134564号公報等で操作の煩雑さを解決すべく、多くの試みがなされているが、比重液を用いるという点では変わらず、抜本的な解決には至っていない。また、ヒドロキシエチルスターチと混和して、赤血球の連銭形成により赤血球を沈降させ、白血球層を分離する方法がある。本法も作業は煩雑であり、分離性能も十分とは言えない。最近では、簡便法として、特開昭54−119016号公報、特開昭57−145662号公報等で、血液中の回収必要細胞をフィルターに捕捉し、フィルター内に残存した除去対象細胞をリンス液で洗い流した後、フィルターに振動を与えながら回収液をフィルターに通液することにより回収必要細胞を回収するフィルター法が散見されるようになった。しかしながら、除去対象細胞を除く目的で行われているフィルターのリンス操作が、回収必要細胞の回収率に大きな影響を及ぼすとの記載は一切ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、簡便な操作で、細胞集団から除去対象細胞を高率に除去するだけでなく、回収必要細胞を高率に回収可能な細胞捕捉・回収方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、少なくとも回収必要細胞と除去対象細胞を含む細胞集団を、少なくとも該回収必要細胞を捕捉する細胞分離フィルターに導入し、次に該細胞分離フィルター内に残存する除去対象細胞をリンス液で洗い流し、更に回収液を該細胞分離フィルターに細胞集団及びリンス液の流れと逆方向に導入することにより該細胞分離フィルターに捕捉された回収必要細胞を回収することからなる細胞分離操作について鋭意検討した結果、除去対象細胞を除く目的で行われているフィルターのリンス操作が、回収必要細胞の回収率に大きな影響を及ぼすことを見出した。詳しく述べると、細胞分離フィルター内に残存する除去対象細胞を洗い流すリンス液移動距離が短いと除去対象細胞を十分除けず、一方でリンス液移動距離が一定値を超えると、回収必要細胞の捕捉率はあまり低下しないものの、回収操作時、回収必要細胞の回収率が大きく低下する、言い換えると、細胞分離フィルターのリンス液を一定範囲内の距離だけ細胞分離フィルターに導入することにより、除去対象細胞を高率に除去し、且つ回収操作時、回収必要細胞を高率で回収できるという驚くべき効果を発見し、本発明を完成させたものである。即ち、本発明は、少なくとも回収必要細胞と除去対象細胞を含む骨髄、末梢血、臍帯血或いはこれらを遠心分離等により粗分離したものを、少なくとも該回収必要細胞を捕捉する細胞分離フィルターに導入し、次に該細胞分離フィルター内に残存する除去対象細胞をリンス液で洗い流し、更に回収液を該細胞分離フィルターに細胞集団及びリンス液の流れと逆方向に導入することにより該細胞分離フィルターに捕捉された回収必要細胞を回収することからなる細胞分離操作において、前記回収必要細胞が白血球で前記除去対象細胞が赤血球、血小板であり、または前記回収必要細胞がCD34陽性細胞で前記除去対象細胞が赤血球、血小板、CD34陰性細胞であって、下記の式で表される上記細胞分離フィルター内におけるリンス液移動距離が0.77cm以上2.06cm以下となるようにリンスすることを特徴とする細胞捕捉・回収方法である。
本発明におけるリンス液移動距離を下記の算出式で定義する。
リンス液 の移動距離が、0.77cm未満では除去対象細胞が十分除かれない。また、2.06cmを超えるとたとえ振動等の外力を加えても回収必要細胞の回収率は大きく低下する。これは、一般に細胞は濾材の上流側に多く捕捉され、下流に向かってその数は指数関数的に減少していくが、濾材上流からのリンス液移動距離が長くなると濾材上流側の細胞が濾材中央部へ移動すると考えられ、濾材に捕捉された回収必要細胞の回収は非常に困難になる。即ち、できるだけ濾材上流側に回収必要細胞を留めておくことが、回収必要細胞の回収を容易にすると考えられる。また、リンス液移動距離が長くなると濾材の孔の奥へ回収必要細胞が移動し、濾材に留まるため回収必要細胞の捕捉率は低下しないが、回収操作時、孔の奥に入り込んだ回収必要細胞を回収しにくく、回収率低下を招くと推測される。ここで言うリンス液の容量とは、実質的に濾材を通過する容量であり、フィルターにリンス液を導入するまでの接続管内の空間やフィルター内の濾材以外の空間を満たすリンス液の容量は除く。また、ここで言うフィルターの有効濾過断面積とは、液体の流れ方向の法線方向の断面積であって、濾材を固定する周辺押さえ部を除く。濾過断面積が液体の流れ方向で変化する場合の有効濾過断面積は、リンス液が実際に移動した距離の範囲内における平均値とする。また、ここで言う濾材空隙率は、下記の算出式で定義する。
濾材を2種類以上使用する場合の濾材空隙率は、各濾材毎に(濾材の重量)/(濾材の比重)を計算し、その合計をフィルター内で全濾材の占める空間容積で除し、1から引いた値とする。好ましいリンス液移動距離の範囲は0.77cm以上2.06cm以下である。
【0005】
本発明におけるリンス液としては、回収必要細胞が剥離しにくく、除去対象細胞が洗い流されるものが好ましい。例えば、市販の生理食塩水またはD−PBS(ダルベッコリン酸緩衝液)やHBSS(ハンクス液)等の緩衝液が挙げられ、細胞膜保護の目的でアルブミンや血清等が含有されていてもよい。また、リンスする際の流速は特に限定しないが、回収必要細胞を濾材の上流側に留めておき、また孔の奥への入り込みを防ぐために、できるだけ低速が好ましい。
本発明に用いる細胞分離フィルターとしては、濾材を容器に充填したものが挙げられる。濾材としては、水不溶性であればいかなる材質でも使用可能であるが、成形性、滅菌性や細胞毒性が低いという点で好ましいものを例示すると、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリルアミド、ポリウレタン等の合成高分子、アガロース、セルロース、酢酸セルロース、キチン、キトサン、アルギン酸塩等の天然高分子、ハイドロキシアパタイト、ガラス、アルミナ、チタニア等の無機材料、ステンレス、チタン等の金属があげられる。また、これらの濾材はこのままでも用いられるが、必要に応じ、アミノ酸、ペプチド、糖タンパク(抗体、接着分子等のバイオリガンドを含む)といった、特定の細胞に親和性のあるリガンドを固定してもよい。また、細胞分離フィルターに血小板通過性を付与する場合、例えば特公平6−51060号公報公報で提案されているように、ヒドロキシエチルメタクリレートを主成分とする合成高分子等で濾材表面を改質してもよい。また、濾材の形状としては粒状、繊維塊、織布、不織布、平板、スポンジ状多孔質体等があげられるが、体積あたりの表面積が大きいという点で繊維塊、織布、不織布、スポンジ状多孔質体が好ましい。
【0006】
本発明における少なくとも回収必要細胞と除去対象細胞を含む細胞集団の例としては、骨髄、末梢血、臍帯血或いはこれらを遠心分離等により粗分離したものが挙げられる。また、回収必要細胞と除去対象細胞の組み合わせの例をいくつか示す。回収必要細胞が白血球であり、除去対象細胞が赤血球、血小板の場合、白血球は細胞分離フィルターに捕捉され、細胞分離フィルター内に残存した赤血球、血小板をリンス液で洗い流し、回収液にて細胞分離フィルターに捕捉された白血球が回収される。また、回収必要細胞がリンパ球であり、除去対象細胞が赤血球、血小板、顆粒球、単球の場合、リンパ球は細胞分離フィルターに捕捉され、細胞分離フィルター内に残存した赤血球、血小板、顆粒球、単球をリンス液で洗い流し、回収液にて細胞分離フィルターに捕捉されたリンパ球が回収される。また、回収必要細胞がCD34陽性細胞であり、除去対象細胞が赤血球、血小板、CD34陰性細胞である場合、CD34陽性細胞は細胞分離フィルターに捕捉され、細胞分離フィルター内に残存した赤血球、血小板、CD34陰性細胞をリンス液で洗い流し、回収液にて細胞分離フィルターに捕捉されたCD34陽性細胞が回収される。
【0007】
本発明で用いる回収液としては、目的細胞の損傷がなく、且つ高率に回収可能なものが好ましい。好ましいものを例示すると、市販の生理食塩水、PBS(リン酸緩衝液)やHBSS(ハンクス液)等の緩衝液、RPMI1640等の細胞培養用培地、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等の合成高分子溶液、メチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシエチルスターチ、デキストラン、キチン誘導体、コラーゲン、フィブロネクチン、アルブミン、グロブリン等の天然高分子溶液、グルコース、サッカロース、マルトース、ソルビトール、グリセリン、ジメチルスルホキシド等の有機物溶液及びこれらの混合物が挙げられる。また、2価カチオンを除去して細胞剥離を容易にする目的でキレート剤が含有されていてもよい。デキストランやヒドロキシエチルスターチ等の高分子溶液は凍害保護剤としても機能するため、そのまま或いはDMSO等の凍害保護剤を更に添加することで凍結保存も可能である上、生食等に比し粘性を上げることができ、回収時の剪断応力を向上できるため、我々の評価では好結果を得ており、回収液としてより好ましい。
本発明で行う回収方法としては、特に限定しないが、回収液の流速は剪断応力を高め、回収必要細胞を高率で回収するためにできるだけ高速が好ましいが、内圧上昇による細胞分離フィルターとチューブ等の接続部のはずれや、回収必要細胞へのダメージを起こさない流速に制御することが好ましい。また、回収液を細胞分離フィルターに導入する手段は、シリンジポンプ、ブラッドポンプ、ペリスタポンプ等の装置を用いるものや、簡便法としてシリンジを手で押す方法、液体を貯留したバッグを押しつぶして液流を惹起する方法、落差処理等が挙げられる。更に、回収必要細胞の回収率をより高めるために、フィルターに振動を加えるとか、ストップドフロー等を行ってもよい。
【0008】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を比較例と共に示すが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【実施例1】
▲1▼細胞分離フィルターの作製
上容器と下容器からなり、組み立てた後の内寸が縦30mm、横30mm、高さ12mm(有効濾過断面積9cm2、内容積11cm3)で液体流出口と液体流入口を最長対角線上にもつポリカーボネート製容器の入口側から、第1層目に平均繊維径12μm、目付100g/m2のポリエステル不織布25枚を、第2層目に平均繊維径2.3μm、目付60g/m2のポリエステル不織布12枚を、上容器と下容器の周辺で挟み込むように充填して容器入口側空間と出口側空間に分離した。尚、本細胞分離フィルター内に充填された不織布の空隙率は0.81で、充填密度は、第1層目が0.29g/cm3、第2層目が0.22g/cm3であった。
また、該細胞分離フィルターに血小板通過性を付与する目的で、親水性ポリマーのコーティングを行った。即ち、ヒドロキシエチルメタクリレート・ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(モル比で97:3)の1%エタノール溶液を該細胞分離フィルターの液体流入口から通液し、窒素ガスで余分なポリマー溶液をパージした後、60℃で8時間以上真空乾燥機で乾燥させた。
▲2▼細胞分離操作
▲1▼で作製した細胞分離フィルターに、CPD加ヒト末梢全血50cm3を液体流入口から落差(流速約5cm3/分)により通液して白血球を捕捉した後、同じく液体流入口からフィルター内に残存する赤血球、血小板を市販の生理食塩水15cm3を落差(流速約5cm3/分)で通液してリンスした。濾過した血液及びフィルター内を通ったリンス液はドレインボトルに回収した。この場合のリンス液移動距離は2.06cmであった。その後、市販の10%デキストラン生理食塩水溶液(ミドリ十字「デキストラン40注」)にヒト血清アルブミンを3%になるように添加した液体23cm3を、液体流出口からポンプを用いて100cm3/分で通液し、液体流入口から白血球を回収した。本細胞分離操作での白血球捕捉率、白血球回収率、赤血球除去率、血小板除去率はそれぞれ90%、80%、85%、80%であった。尚、細胞数のカウントは、自動血球計数装置(コールター社製ヘマトロジーアナライザー)を用い、回収率、捕捉率、除去率は以下の式で算出した。
回収率(%)=100×(回収液中細胞数/元細胞数)
捕捉率(%)=100−100×(ドレイン液中細胞数/元細胞数)
除去率(%)=100−100×(回収液中細胞数/元細胞数)
【0009】
【実施例2】
▲1▼細胞分離フィルターの作製
上容器と下容器から成り、組み立てた後の内寸が縦30mm、横30mm、高さ12mm(有効濾過断面積9cm2、内容積11cm3)で液体流出口と液体流入口を最長対角線上に持つポリカーボネート製容器の入口側から、第1層目に平均繊維径12μm、目付100g/m2のポリエステル不織布25枚を、第2層目に平均繊維径2.3μm、目付60g/m2のマウス抗ヒトCD34モノクローナル抗体固定ポリスチレン不織布12枚を、上容器と下容器の周辺で挟み込むように充填して容器入口側空間と出口側空間に分離した。尚、本細胞分離フィルター内に充填された不織布の空隙率は0.81で、充填密度は、第1層目が0.29g/cm3、第2層目が0.22g/cm3であった。
尚、マウス抗ヒトCD34モノクローナル抗体(コールター社製)のポリスチレンへ固定は特開平2−261833号公報で提案されている公知のハロアセトアミド法にて行った。具体的には、活性基にN−ヒドロキシメチル−2−ヨードアセトアミド、溶媒にテトラメチレンスルホン、触媒にトリフルオロメタンスルホン酸を用いた。また、特開平2−261833号公報で提案されている公知のラジオイムノアッセイ法で測定した抗体固定量は120ng/cm2であった。
▲2▼細胞分離操作
血液としてCPD加臍帯全血50cm3、リンス液として生理食塩水10cm3を用いた以外は実施例1と同様な操作を行った。尚、この場合のリンス液移動距離は1.37cmであった。本細胞分離操作でのCD34陽性細胞捕捉率、CD34陽性細胞回収率、赤血球除去率、血小板除去率、CD34陰性細胞除去率はそれぞれ95%、85%、85%、80%、85%であった。尚、有核細胞数、赤血球数、血小板数は実施例1と同じ自動血球計数装置を、有核細胞中のCD34陽性細胞数はFITC標識CD34抗体を用い、SSC−FITCに展開するフローサイトメトリー法(宮崎、他:日常診療と血液、第5巻2号、21〜24ページ、1995年)により、フローサイトメーター(コールター社製EPICS ELITE ESP)を用いて測定した。
【0010】
【実施例3】
▲1▼細胞分離フィルターの作製
上容器と下容器から成り、組み立てた後の内寸が縦57mm、横57mm、高さ2.8mm(有効濾過断面積32cm2、内容積9cm3)で液体流出口と液体流入口を最長対角線上に持つポリカーボネート製容器の入口側から、第1層目に平均繊維径12μm、目付100g/m2のポリエステル不織布5枚を、第2層目に平均繊維径2.3μm、目付60g/m2のポリエステル不織布4枚を、上容器と下容器の周辺で挟み込むように充填して容器入口側空間と出口側空間に分離した。尚、本細胞分離フィルター内に充填された不織布の空隙率は0.81で、充填密度は、第1層目が0.29g/cm3、第2層目が0.22g/cm3であった。親水性ポリマーのコーティング方法は、実施例1と同様の方法で行った。
▲2▼細胞分離操作
血液としてCPD加末梢全血50cm3、リンス液として生理食塩水20cm3を用いた以外は実施例1と同様な操作を行った。尚、この場合のリンス液移動距離は0.77cmであった。本細胞分離操作での白血球捕捉率、白血球回収率、赤血球除去率、血小板除去率はそれぞれ95%、85%、90%、85%であった。
【0011】
【比較例1】
▲1▼細胞分離フィルターの作製
実施例1と同様の細胞分離フィルターを用いた。
▲2▼細胞分離操作
リンス液として生理食塩水を45cm3を流した以外は実施例1と同様の方法で行った。尚、この場合のリンス液移動距離は6.17cmであった。本細胞分離操作での白血球捕捉率、白血球回収率、赤血球除去率、血小板除去率はそれぞれ85%、50%、98%、95%であった。
【0012】
【比較例2】
▲1▼細胞分離フィルターの作製
実施例1と同様の細胞分離フィルターを用いた。
▲2▼細胞分離操作
リンス液として生理食塩水を2cm3を流した以外は実施例1と同様の方法で行った。尚、この場合のリンス液移動距離は0.27cmであった。本細胞分離操作での白血球捕捉率、白血球回収率、赤血球除去率、血小板除去率はそれぞれ90%、85%、60%、50%であった。
【0013】
【比較例3】
▲1▼細胞分離フィルターの作製
実施例2と同様の細胞分離フィルターを用いた。
▲2▼細胞分離操作
リンス液として生理食塩水を45cm3を用いた以外は実施例2と同様の方法で行った。尚、この場合のリンス液移動距離は6.17cmであった。本細胞分離操作でのCD34陽性細胞捕捉率、CD34陽性細胞回収率、赤血球除去率、血小板除去率、CD34陰性細胞除去率はそれぞれ90%、40%、98%、95%、95%であった。
【0014】
【比較例4】
▲1▼細胞分離フィルターの作製
実施例2と同様の細胞分離フィルターを用いた。
▲2▼細胞分離操作
リンス液として生理食塩水を2cm3流した以外は実施例2と同様の方法で行った。尚、この場合のリンス液移動距離は0.27cmであった。本細胞分離操作でのCD34陽性細胞捕捉率、CD34陽性細胞回収率、赤血球除去率、血小板除去率、CD34陰性細胞除去率はそれぞれ95%、90%、60%、50%、65%であった。
【0015】
【比較例5】
▲1▼細胞分離フィルターの作製
実施例3と同様の細胞分離フィルターを用いた。
▲2▼細胞分離操作
リンス液として生理食塩水を120cm3流した以外は実施例3と同様の方法で行った。尚、この場合のリンス液移動距離は4.63cmであった。本細胞分離操作での白血球捕捉率、白血球回収率、赤血球除去率、血小板除去率はそれぞれ80%、55%、98%、95%であった。
【0016】
【比較例6】
▲1▼細胞分離フィルターの作製
実施例3と同様の細胞分離フィルターを用いた。
▲2▼細胞分離操作
リンス液として生理食塩水を7cm3流した以外は実施例3と同様の方法で行った。尚、この場合のリンス液移動距離は0.27cmであった。本細胞分離操作での白血球捕捉率、白血球回収率、赤血球除去率、血小板除去率はそれぞれ95%、90%、65%、60%であった。
表1に結果のまとめを示す。
【0017】
【0018】
【発明の効果】
本発明の細胞捕捉・回収方法は、簡便な操作で、細胞集団から除去対象細胞を高率に除去するだけでなく、回収必要細胞を高率に回収できる。

Claims (1)

  1. 少なくとも回収必要細胞と除去対象細胞を含む骨髄、末梢血、臍帯血或いはこれらを遠心分離等により粗分離したものを、少なくとも該回収必要細胞を捕捉する細胞分離フィルターに導入し、次に該細胞分離フィルター内に残存する除去対象細胞をリンス液で洗い流し、更に回収液を該細胞分離フィルターに細胞集団及びリンス液の流れと逆方向に導入することにより該細胞分離フィルターに捕捉された回収必要細胞を回収することからなる細胞分離操作において、前記回収必要細胞が白血球で前記除去対象細胞が赤血球、血小板であり、または前記回収必要細胞がCD34陽性細胞で前記除去対象細胞が赤血球、血小板、CD34陰性細胞であって、下記の式で表される上記細胞分離フィルター内におけるリンス液移動距離が0.77cm以上2.06cm以下となるようにリンスすることを特徴とする細胞捕捉・回収方法。
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