JPH10261491A - 有機電界発光素子およびその製造方法 - Google Patents

有機電界発光素子およびその製造方法

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JPH10261491A
JPH10261491A JP10004678A JP467898A JPH10261491A JP H10261491 A JPH10261491 A JP H10261491A JP 10004678 A JP10004678 A JP 10004678A JP 467898 A JP467898 A JP 467898A JP H10261491 A JPH10261491 A JP H10261491A
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JP
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organic electroluminescent
electroluminescent device
electrode
light emitting
organic
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Application number
JP10004678A
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English (en)
Inventor
Shigeo Fujimori
茂雄 藤森
Kosuke Yoshimura
康輔 吉村
Yoshio Himeshima
義夫 姫島
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】良好なパターン加工精度の電極を有する有機電
界発光素子およびその製造方法を提供する。 【解決手段】陽極と陰極の間に有機化合物からなる発光
層が存在する有機電界発光素子において、該素子に含ま
れる陽極と陰極のうち少なくとも一方が所定の形状の単
位電極にパターン加工されており、かつ、該素子の面内
に存在する複数の前記単位電極が電気的に接続される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示素子、フラッ
トパネルディスプレイ、バックライト、照明、インテリ
ア、標識、看板、電子写真機などの分野に利用可能な、
電気エネルギーを光に変換できる有機電界発光素子およ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】陰極から注入された電子と陽極から注入
された正孔とが、両極に挟まれた有機蛍光体内で再結合
して発光するという有機電界発光素子の研究が近年活発
に行われるようになってきた。この素子は、薄型、低駆
動電圧下での高輝度発光、蛍光材料を選ぶことによる多
色発光が特徴であり注目を集めている。
【0003】有機電界発光素子が低電圧で高輝度に発光
することは、コダック社のC.W.Tangらによって
初めて示された(Appl.Phys.Lett.51
(12)21,p.913,1987)。コダック社の
研究グループが提示した有機電界発光素子の代表的な構
成は、ITOガラス基板上に、蒸着法によって正孔輸送
性のジアミン化合物、発光層である8−ヒドロキシキノ
リンアルミニウム、そして負極としてMg:Agを順次
設けたものであり、10V程度の駆動電圧で1000c
d/m2 の緑色発光が可能であった。現在の有機電界発
光素子は、上記の素子構成要素の他に電子輸送層を設け
るなど構成を変えているものもあるが、基本的にはコダ
ック社の構成を踏襲している。
【0004】高輝度および多色発光が可能であるこれら
の有機電界発光素子を表示素子などに利用する検討も盛
んである。しかし、日経エレクトロニクス1996.1.29(N
o.654)p.102にも指摘されているように、素子のパター
ン加工が1つの大きな問題となっている。例えば、フル
カラーディスプレイの場合では、所定の位置に赤
(R)、緑(G)、青(B)の発光層を形成する必要が
ある。従来、このようなパターン加工はフォトリソ法に
代表されるウェットプロセスによって達成されるが、有
機電界発光素子を形成する有機膜は水分や有機溶媒、薬
液に対する耐久性に乏しい。特開平6−234969号
公報に代表されるように、有機材料を工夫することによ
りウェットプロセスの可能な素子が得られることも示さ
れているが、このような方法では素子に用いる有機材料
が限定されてしまう。さらに、表示素子などに必要な有
機層上部の電極のパターン加工についても同様の問題が
ある。
【0005】このような理由から、従来は、蒸着法に代
表されるドライプロセスによって有機電界発光素子を製
造し、パターン加工はシャドーマスクを利用して実現す
ることが多かった。つまり、素子を製造する基板前方に
シャドーマスクを配置して、シャドーマスク開口部のみ
に有機層あるいは電極を蒸着するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、微細なパター
ンに対応するには、シャドーマスクの開口部に挟まれた
マスク材残り部分は糸のように細くなり、強度が十分で
なくなるために、たわみなどによって開口部形状が変形
する。その結果、従来方法ではパターンが微細であるほ
ど素子のパターン形状の精度が悪化する傾向にあった。
例えば、特開平2−66873号公報によれば、パター
ンピッチ300μm未満というのは、シャドーマスクを
用いることによってパターン加工が可能な範囲よりも、
かなり小さいピクセルサイズであることが示されてい
る。
【0007】本発明はかかる問題を解決し、ウェットプ
ロセスを用いなくても製造可能な、良好なパターン加工
精度の電極を有する有機電界発光素子と、その製造方法
を提供することが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するため
に、本発明の有機電界発光素子は次のことを特徴とす
る。すなわち、「陽極と陰極との間に有機化合物からな
る発光層が存在する有機電界発光素子であって、該素子
に含まれる陽極と陰極のうち少なくとも一方が、複数の
単位電極が電気的に接続されている」ことを特徴とする
ものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明における有機電界発光素子
とは、陽極と陰極との間に有機化合物からなる発光層が
存在し、電気エネルギーにより発光する素子である。
【0010】陽極と陰極は、素子の発光に十分な電流が
供給できる導電性をもてばよいが、光を取り出すために
少なくとも一方の電極が透明であることが望ましい。
【0011】透明な電極は可視光線透過率が30%以上
あれば使用に大きな障害はないが、理想的には100%
に近い方が好ましい。基本的には、可視光全域にわたっ
てほぼ同程度の透過率を持つことが好ましいが、色を変
えたい場合は積極的に吸収を持たせることも可能であ
る。その場合、カラーフィルターや干渉フィルターを用
いて変色させる方法が技術的には容易である。透明電極
の材質としては、インジウム、錫、金、銀、亜鉛、アル
ミニウム、クロム、ニッケル、酸素、窒素、水素、アル
ゴン、炭素から選ばれる少なくとも一種類の元素からな
ることが多いが、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物
質、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリンなど
の導電性ポリマを用いることも可能であり、特に限定さ
れるものでない。
【0012】本発明において特に好ましい陽極の例とし
ては、透明基板上に置かれた酸化錫、酸化亜鉛、酸化イ
ンジウム、酸化錫インジウム(ITO)などをあげるこ
とができる。パターン加工などを施すディスプレイ用途
などにおいては、加工性に優れたITOが特に好適な例
としてあげることができる。表面抵抗を下げたり電圧降
下抑制のために、ITOには少量の銀や金などの金属が
含まれていてもよく、また、錫、金、銀、亜鉛、インジ
ウム、アルミニウム、クロム、ニッケルをITOのガイ
ド電極として使用することも可能である。中でもクロム
はブラックマトリックスとガイド電極の両方の機能を持
たせることができることからも好適な金属である。素子
の消費電力の観点からは、ITOは低抵抗であることが
望ましい。例えば300Ω/□以下のITO基板であれ
ば素子電極として機能するが、現在では10Ω/□程度
の基板の供給も可能になっていることから、低抵抗品を
使用することが特に望ましい。ITOの厚みは抵抗値に
合わせて任意に選ぶ事ができるが、通常100〜300
nmの間で用いられることが多い。透明基板の材質は特
に限定されないが、好適な例としてはガラス基板をあげ
ることができる。ソーダライムガラス、無アルカリガラ
スなどが用いられ、また厚みも機械的強度を保つのに十
分な厚みがあればよいので、0.5mm以上あれば十分
である。ガラスの材質については、ガラスからの溶出イ
オンが少ない方がよいので無アルカリガラスの方が好ま
しいが、SiO2 などのバリアコートを施したソーダラ
イムガラスも市販されているのでこれを使用できる。I
TO膜形成方法は、電子ビーム法、スパッタリング法、
化学反応法など特に制限を受けるものではない。
【0013】陰極は、電子を本素子の発光層に効率良く
注入できる材質であれば特に限定されない。従って、ア
ルカリ金属などの低仕事関数金属の使用も可能である
が、電極の安定性を考えると、白金、金、銀、銅、鉄、
錫、アルミニウム、マグネシウム、インジウムなどの金
属、またはこれら金属と低仕事関数金属との合金などが
好ましい例として挙げられる。また、あらかじめ有機電
界発光素子に含まれる有機層に低仕事関数金属を微量に
ドーピングしたり、有機層上にフッ化リチウムなどの金
属塩の層を薄く形成するなどし、その後に比較的安定な
金属を陰極として形成することで、電子注入効率を高く
保ちながら安定な電極を得ることもできるこれらの電極
の作製法も抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリ
ング、イオンプレーティング法などドライプロセスであ
ればよいが、本発明では手軽にできる抵抗加熱蒸着法を
使用している。
【0014】上記の陽極もしくは陰極は同一系の材料に
よる単層構造であってもよいが、異なる材料系を厚み方
向に2層以上重ねた積層構造であってもよい。例えば、
電極材料として水分や酸素などに活性な金属を用いる場
合には、それを保護するキャップ層を積層することもで
きる。
【0015】有機電界発光素子に含まれる有機層として
は、1)正孔輸送層/発光層、2)正孔輸送層/発光層
/電子輸送層、3)発光層/電子輸送層、そして、4)
以上の組合わせ物質を一層に混合した形態の発光層、の
いずれであってもよい。すなわち、素子構成として有機
化合物からなる発光層が存在していれば、上記1)〜
3)の多層積層構造の他に4)のように発光材料単独ま
たは発光材料と正孔輸送材料や電子輸送材料を含む発光
層を一層設けるだけでもよい。
【0016】正孔注入層は正孔輸送性物質単独で、ある
いは正孔輸送性物質と高分子結着剤により形成され、正
孔輸送性物質としてはN,N´−ジフェニル−N,N´
−ジ(3−メチルフェニル)−4,4´−ジアミン(T
PD)などのトリフェニルアミン類、N−イソプロピル
カルバゾール、N置換ビスカルバゾリル誘導体、ピラゾ
リン誘導体、スチルベン系化合物、ヒドラゾン系化合
物、オキサジアゾール誘導体やフタロシアニン誘導体に
代表される複素環化合物、ポリマー系では前記単量体を
側鎖に有するポリカーボネートやスチレン誘導体、ポリ
ビニルカルバゾール、ポリシランなどが好ましいが特に
限定されるものではない。
【0017】発光層材料は主に以前から発光体として知
られていたアントラセンやピレン、そして前述の8−ヒ
ドロキシキノリンアルミニウムの他にも、例えば、ビス
スチリルアントラセン誘導体、テトラフェニルブタジエ
ン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、
ジスチリルベンゼン誘導体、ピロロピリジン誘導体、ペ
リノン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、オキサジア
ゾール誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、ポリマー
系では、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリパラフェ
ニレン誘導体、そして、ポリチオフェン誘導体などが使
用できる。また発光層に添加するドーパントとしては、
前述のルブレン、キナクリドン誘導体、フェノキサゾン
660、DCM1、ペリノン、ペリレン、クマリン54
0、ジアザインダセン誘導体などがそのまま使用でき
る。
【0018】電子輸送性物質としては、電界を与えられ
た電極間において陰極からの電子を効率良く輸送するこ
とが必要で、電子注入効率が高く、注入された電子を効
率良く輸送することが望ましい。そのためには電子親和
力が大きく、しかも電子移動度が大きく、さらに安定性
に優れ、トラップとなる不純物が製造時および使用時に
発生しにくい物質であることが要求される。このような
条件を満たす物質として8−ヒドロキシキノリンアルミ
ニウム、ヒドロキシベンゾキノリンベリリウム、例えば
2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニ
ル)−1,3,4−オキサジアゾール(t−BuPB
D)などのオキサジアゾール系誘導体、薄膜安定性を向
上させたオキサジアゾール二量体系誘導体の1,3−ビ
ス(4−t−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジゾ
リル)ビフェニレン(OXD−1)、1,3−ビス(4
−t−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジゾリル)
フェニレン(OXD−7)、トリアゾール系誘導体、フ
ェナントロリン系誘導体などがある。
【0019】以上の正孔輸送層、発光層、電子輸送層に
用いられる材料は単独で各層を形成することができる
が、高分子結着剤としてポリ塩化ビニル、ポリカーボネ
ート、ポリスチレン、ポリ(N−ビニルカルバゾー
ル)、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリ
レート、ポリエステル、ポリスルフォン、ポリフェニレ
ンオキサイド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン
樹脂、フェノキシ樹脂、ポリサルフォン、ポリアミド、
エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレ
タン樹脂などの溶剤可溶性樹脂や、フェノール樹脂、キ
シレン樹脂、石油樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、
シリコーン樹脂などの硬化性樹脂などに分散させて用い
ることも可能である。
【0020】上記正孔輸送層、発光層、電子輸送層など
の有機層の形成方法は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸
着、スパッタリング法など特に限定されるものではない
が、通常は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着などの蒸着
法が特性面で好ましい。層の厚みは、有機層の抵抗値に
もよるので限定することはできないが、経験的には10
〜1000nmの間から選ばれる。
【0021】電気エネルギーとは主に直流電流を指す
が、パルス電流や交流電流を用いることも可能である。
電流値および電圧値は特に制限はないが、素子の消費電
力、寿命を考慮するとできるだけ低いエネルギーで最大
の輝度が得られるようにするべきである。
【0022】本発明における単位電極とは、有機電界発
光素子の陽極と陰極のうち少なくとも一方の電極が所定
の形状にパターン加工されたものであり、各単位電極は
それぞれ1つの島状領域を形成している。図1に示すよ
うに、有機電界発光素子の面内にはこのような単位電極
が複数存在している。単位電極は陽極や陰極が分割され
たものであるので、単位電極の材質としては上記の陽極
や陰極の材質を例示することができる。同様に単位電極
は単層構造であっても積層構造であっても構わない。有
機電界発光素子における単位電極の面内形状も特に限定
されるものではなく、複数の単位電極がそれぞれ異なる
形状であってもよい。また、複数の単位電極の配列パタ
ーンも特に限定されるものではなく、用途によって最適
な配列とすればよい。
【0023】単位電極をパターン加工するにはウェット
プロセスもしくはドライプロセスを用いることが可能で
あるが、有機層上部の電極のパターン加工にウェットプ
ロセスを用いると有機層にダメージを与えることがある
ので、本研究の好ましいパターン加工方法としてはシャ
ドーマスクを利用したドライプロセスを挙げることがで
きる。つまり、電極を形成する面の前方にシャドーマス
クを配置して、ドライプロセスによってシャドーマスク
の開口部に電極材を堆積せしめることで単位電極をパタ
ーン加工することができる。ここで、ドライプロセスと
しては、電極の作製法として例示した抵抗加熱蒸着、電
子ビーム蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング
法などを挙げることができる。
【0024】シャドーマスクは所望の単位電極形状にあ
わせて最適な形状とすればよいが、開口部の変形を防止
するという観点から、例えば格子状のような形状である
方が望ましいと言える。マスクの好適な材料としては、
ステンレス鋼、銅合金、鉄ニッケル合金、アルミニウム
合金などの金属系材料、各種樹脂系材料が挙げられる
が、特に限定されるものではない。パターンが微細なた
めにシャドーマスクの強度が十分ではなく、有機電界発
光素子の製造面との密着性を向上させることが必要な場
合の一例として磁力を利用する際には、シャドーマスク
材として磁性材料を用いてもよい。好適な例としては、
純鉄、炭素鋼、W鋼、Cr鋼、Co鋼、KS鋼などの焼
入硬化磁石材料、MK鋼、Alnico鋼、NKS鋼、
Cunico鋼などの析出硬化磁石材料、OPフェライ
ト、Baフェライトなどの焼結磁石材料、各種希土類磁
石材料,ケイ素鋼板、Al−Fe合金、Ni−Fe合金
(パ−マロイ)などの金属磁心材料、Mn−Zn系、N
i−Zn系、Cu−Zn系などのフェライト磁心材料、
カ−ボニル鉄、Moパ−マロイ、センダストなどの微粉
末を結合剤とともに圧縮成型させたの圧粉磁心材料が挙
げられる。これらの磁性材料を薄い板状に成型したもの
からマスクを作製することが望ましいが、ゴムや樹脂に
磁性材料の粉末を混入してフィルム状に成型したものを
用いることもできる。
【0025】有機電界発光素子の好適な例としては、透
明基板上に置かれた陽極の上に有機層を形成し、その上
部に陰極を形成した構成が挙げられる。この場合には、
陽極の方はウェットプロセスによって先にパターン加工
することができるので、上記の方法によってパターン加
工される単位電極は陰極であることが望ましい。
【0026】本発明においては複数の単位電極が電気的
に接続される。陽極としてガラス基板上のITOを用
い、陰極が単位電極にパターン加工されている有機電界
発光素子を例に挙げると、図1の断面は図2のようにな
り、複数の単位電極が素子面内において接続されること
で電気的にまとめられることになる。
【0027】電気的接続方法は特に限定されるものでは
なく、図1および2に示したようにリード線を用いても
よいが、好適な例としてはガイド電極を挙げることがで
きる。この場合の素子平面図および断面図の例はそれぞ
れ図3、4のようになる。ガイド電極の電気抵抗値は小
さいほど望ましいが、各単位電極が電気的に接続される
のに必要な導電性があればよいので、その材質や形状は
用途によって最適なものを選べばよい。ガイド電極の形
成法としては特に限定されるものではないが、単位電極
と同様にドライプロセスが望ましいと言える。
【0028】さらに好適な例としては、単位電極同士が
部分的に重なり合うことによる電気的接続方法を挙げる
ことができる。この場合の素子平面図および断面図の例
はそれぞれ図5、6のようになる。はじめに第一の単位
電極を形成し、その後に第二の単位電極を橋渡しするよ
うに形成することで、単位電極同士が電気的に接続され
る。この例では、単位電極の形成は2回の工程で行われ
ることになるが、必要によっては3回以上の工程にわけ
ることも可能であり、さらにガイド電極を付加してもよ
い。また、図11に示すような格子状に配列した長方形
開口部を有するシャドーマスクを用いて第一の単位電極
を形成し、基板に対してシャドーマスクを開口部長辺方
向に移動させてから第二の単位電極を形成したり、図1
4に示すような配列の長方形開口部を有するシャドーマ
スクを用いて第一の単位電極を形成し、基板に対してシ
ャドーマスクを開口部短辺方向に移動させてから第二の
単位電極を形成するなどして、1枚のシャドーマスクを
用いて単位電極同士を電気的に接続することも可能であ
る。単位電極同士が重なり合う程度については、電極に
要求される抵抗値や、ドライプロセスの場合に使用する
シャドーマスクに必要な強度などに依存するので、条件
によって最適化すればよい。
【0029】電気的に接続された単位電極の有機電界発
光素子面内における配列パターンや接続順番は特に限定
されるものではなく、用途によって最適化すればよい。
表示素子やディスプレイの用途を考えた場合、例えば、
図7および8に示す従来の単純マトリクス型ディスプレ
イのように、ストライプ状の電極が所定の間隔で並んで
いることが少なくない。本発明においても、複数の単位
電極が電気的に接続されることで、図9および10のよ
うなストライプ状の列が形成され、その列が所定の間隔
で並んでいることが望ましい。さらには、その列が有機
層を挟んで対向するもう一方の電極と交差していること
がより望ましい。
【0030】このようなディスプレイでは、発光層や電
極ならびにブラックマトリクスなどの非発光領域との組
み合わせによって規定される1つの発光領域、すなわち
画素が、有機電界発光素子の面内に複数存在する。セグ
メント方式や単純マトリクス方式などの表示方式によっ
て画素形状は異なるが、そのサイズとしては2mm角以
下が好ましく、高精細表示の用途では500μm角以下
が望ましい。したがって、上記の列の間隔も2mm以下
であることが好ましく、さらには500μm以下である
ことがより好ましいと言える。
【0031】上記発光領域と単位電極との位置的関係に
ついては、必要に応じて最適な関係が選ばれるので一概
に示すことはできない。例えば、セグメント方式では複
数の単位電極を電気的に接続した電極によって1つの発
光領域を規定することもできる。また、単純マトリクス
方式では発光領域と単位電極とを1対1に対応させて、
それらの単位電極をガイド電極や第二の単位電極によっ
て接続することもできる。しかしながら、特に単純マト
リクス方式のようなディスプレイにおいて発光領域の微
細化を容易に実現するためには、単位電極が複数の発光
領域にまたがることが好ましい。
【0032】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるも
のではない。
【0033】実施例1 3.5mm×400μmの長方形開口部が長手方向にピ
ッチ5mmで6周期、短手方向にピッチ500μmで1
6周期繰り返された、図11に示すような格子状のシャ
ドーマスクを用意した。シャドーマスク材としてはステ
ンレス板(外形28×36mm、厚さ100μm)を使
用した。
【0034】このシャドーマスクを真空蒸着装置内に固
定し、その上に38×46mmの大きさのガラス基板
(厚さ1.1mm)をセットした。装置内の真空度が2
×10-4Pa以下になるまで排気した後、アルミナるつ
ぼを用いた抵抗加熱蒸着法によって金属Alを1.0n
m/秒の速度で200nmの厚さに蒸着した。さらに、
シャドーマスクとガラス基板とを、両者の相対的位置が
長方形開口部長手方向に2.5mmずれるようにセット
して、上記と同様にしてAlを蒸着した。
【0035】2回の工程に分けてガラス基板上に蒸着さ
れたAl単位電極は、それぞれが部分的に重なり合うこ
とで、長さ30mm、ピッチ500μmである16本の
ストライプ状電極となった。ストライプ状電極同士の電
気的短絡はみられず、電極幅(平均値420μm)のば
らつきは10%以内に抑えられ、良好なパターン加工精
度が達成された。
【0036】比較例1 30mm×400μmのストライプ状開口部が、その短
手方向にピッチ500μmで16周期繰り返された、図
12に示すような形状のシャドーマスクを使用した。そ
れ以外は実施例1と同様にしてAl電極を蒸着した。な
お、電極は1回の工程で蒸着している。
【0037】蒸着された16本のAlストライプ状電極
については、その長手方向の中央部分に近づくほど電極
幅が大きくなり、中央部分では隣り合うすべての電極同
士が電気的に短絡した。これはシャドーマスクの強度が
十分でなく、開口部形状が変形するとともに、シャドー
マスク中央部分とガラス基板との密着性が悪化したため
であった。
【0038】実施例2 3.5mm×250μmの長方形開口部が長手方向にピ
ッチ5mmで6周期、短手方向にピッチ300μmで1
6周期繰り返された、図11に示すような格子状のシャ
ドーマスクを用意した。シャドーマスク材としては、組
成比がFe54%、Ni29%、Co17%の磁性材料
であるコバ−ル板(外形28×36mm、厚さ50μ
m)を使用した。
【0039】ITO透明電極膜(電子ビーム蒸着品、1
5Ω/□)の付いたガラス基板(厚さ1.1mm)を3
8×46mmの大きさに切断し、フォトリソグラフィー
法によってITOを300μmピッチ(ITO残り幅2
70μm)×32本のストライプ状にパターン加工し
た。この基板の洗浄を行い、UV−オゾン処理を施し
た。
【0040】上記ITOガラス基板をITO面が下にな
るように真空蒸着装置内に固定した。装置内の真空度が
2×10-4Pa以下になるまで排気した後、正孔輸送材
料であるビス(m−メチルフェニルカルバゾール)をタ
ンタルボートから抵抗加熱蒸着法によって0.3nm/
秒の速度で120nm蒸着し、0.35wt%のキナク
リドンをドーピングした8−ヒドロキシキノリンアルミ
ニウム(Alq3 )を0.3nm/秒の速度で30n
m、さらに、Alq3 を0.3nm/秒の速度で70n
mになるよう順次蒸着した。以上の有機物は基板全面に
蒸着した。
【0041】次に、上記シャドーマスクをマスク面を上
にして真空蒸着装置内に固定し、その上に有機物を蒸着
したITOガラス基板を、ITOストライプパターンと
シャドーマスクの長方形開口部とが直交するように置い
た。さらにその上には、シャドーマスクとガラス基板と
の密着性を高める目的で、34×42mm、厚さ3mm
の板磁石(日立金属株式会社製、H−23CV)を置い
た。真空中において、タングステンボートを用いた抵抗
加熱蒸着法によって有機層をLi蒸気にさらしてドーピ
ング(膜厚換算量1nm)した後、アルミナるつぼを用
いた抵抗加熱蒸着法によって金属Alを0.5nm/秒
の速度で200nmの厚さに蒸着した。このAlの蒸着
は、図9および10における第一の単位電極の形成に相
当する。
【0042】さらに、シャドーマスクとITOガラス基
板とを、両者の相対的位置が長方形開口部長手方向に
2.5mmずれるようにセットして、上記と同様にして
LiのドーピングとAlの蒸着を行った。このAlの蒸
着は、図9および図10における第二の単位電極の形成
に相当する。
【0043】2回の工程に分けて蒸着されたAl単位電
極は、それぞれが部分的に重なり合うことで、長さ30
mm、ピッチ300μmである16本のストライプ状電
極となった。ストライプ状電極幅(平均値255μm)
のばらつきは5%以内に抑えられ、良好なパターン加工
精度が達成された。
【0044】また、得られた32×16画素の単純マト
リクス型有機電界発光素子を線順次駆動により発光させ
たところ、明瞭な文字表示が可能であった。1つの画素
は270μm×255μmであり、その面積のばらつき
も5%以内であった。Al単位電極が部分的に重なり合
うことによる発光輝度むらなどは認められなかった。
【0045】比較例2 30mm×250μmのストライプ状開口部が、その短
手方向にピッチ300μmで16周期繰り返された、図
12に示すような形状のシャドーマスクを使用した。そ
れ以外は実施例1と同様にして有機層、Li、Al電極
を蒸着した。なお、電極は1回の工程で蒸着している。
【0046】蒸着された16本のAlストライプ状電極
幅は大きくばらつき、その最大値、最小値はそれぞれ3
50μm、150μmとなった。これはシャドーマスク
の強度が十分でなく、開口部形状が大きく変形したため
であった。得られた32×16画素の単純マトリクス型
有機電界発光素子についても画素面積のばらつきが±4
0%を越え、文字表示も不明瞭なのもであった。
【0047】比較例3 図13に示すように、30mm×250μmのストライ
プ状開口部が、その短手方向にピッチ600μmで8周
期繰り返されたシャドーマスクを使用した。まず、実施
例1と同様にして、有機層蒸着後にLiおよびAl電極
を1回蒸着した。次に、シャドーマスクとITOガラス
基板とを、両者の相対的位置がストライプ状開口部短手
方向に300μmずれるようにセットして、2回目のL
iとAlを順次蒸着した。
【0048】2回の工程に分けて蒸着された16本のA
lストライプ状電極は、その幅の最大値、最小値がそれ
ぞれ280μm、220μmであった。また、1回目と
2回目に蒸着したストライプ状電極のうち隣り合う3組
が部分的に短絡してしまい、単純マトリクス型有機電界
発光素子による文字表示は不可能であった。
【0049】
【発明の効果】本発明における、陽極と陰極のうち少な
くとも一方が所定の形状の単位電極にパターン加工され
ており、かつ、該素子の面内に存在する複数の前記単位
電極が電気的に接続されている有機電界発光素子では、
良好なパターン加工精度の電極をウェットプロセスを用
いなくとも形成することができ、素子の微細化に対して
有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】複数の単位電極が電気的に接続された有機電界
発光素子の一例を示す平面図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】複数の単位電極がガイド電極によって電気的に
接続された有機電界発光素子の一例を示す平面図であ
る。
【図4】図3の断面図である。
【図5】単位電極同士が部分的に重なり合うことによっ
て電気的に接続された有機電界発光素子の一例を示す平
面図である。
【図6】図5の断面図である。
【図7】従来の単純マトリクス型有機電界発光素子の一
例を示す平面図である。
【図8】図7の断面図である。
【図9】複数の単位電極が電気的に接続されることによ
って形成される列を有する単純マトリクス型有機電界発
光素子の一例を示す平面図である。
【図10】図9の断面図である。
【図11】実施例1または2で使用したシャドーマスク
形状を表す平面図である。
【図12】比較例1または2で使用したシャドーマスク
形状を表す平面図である。
【図13】比較例3で使用したシャドーマスク形状を表
す平面図である。
【図14】本発明の製造方法において使用できるシャド
ーマスク形状の一例を表す平面図である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽極と陰極との間に有機化合物からなる発
    光層が存在する有機電界発光素子であって、該素子に含
    まれる陽極と陰極のうち少なくとも一方が、複数の単位
    電極が電気的に接続されたものであることを特徴とする
    有機電界発光素子。
  2. 【請求項2】複数の単位電極からなるのが陰極であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の有機電界発光素子。
  3. 【請求項3】複数の単位電極がガイド電極によって電気
    的に接続されていることを特徴とする請求項1または2
    記載の有機電界発光素子。
  4. 【請求項4】複数の単位電極同士が部分的に重なり合う
    ことによって電気的に接続されていることを特徴とする
    請求項1または2記載の有機電界発光素子。
  5. 【請求項5】複数の単位電極が電気的に接続されること
    で形成される列がストライプ状に並んでいることを特徴
    とする請求項1〜4いずれかに記載の有機電界発光素
    子。
  6. 【請求項6】複数の単位電極が電気的に接続されること
    で形成される列が、有機層を挟んで対向するもう一方の
    電極と交差していることを特徴とする請求項5記載の有
    機電界発光素子。
  7. 【請求項7】列の間隔が2mm以下であることを特徴と
    する請求項5または6記載の有機電界発光素子。
  8. 【請求項8】列の間隔が500μm以下であることを特
    徴とする請求項5または6記載の有機電界発光素子。
  9. 【請求項9】単位電極が有機電界発光素子面内に存在す
    る複数の発光領域にまたがることを特徴とする請求項1
    〜8いずれかに記載の有機電界発光素子。
  10. 【請求項10】陽極と陰極との間に有機化合物からなる
    発光層が存在する有機電界発光素子の製造方法であっ
    て、該素子に含まれる陽極と陰極のうち少なくとも一方
    が、シャドーマスクを利用したドライプロセスによって
    パターン加工された複数の単位電極を電気的に接続した
    ものであることを特徴とする有機電界発光素子の製造方
    法。
  11. 【請求項11】シャドーマスクが格子状の形状であるこ
    とを特徴とする請求項10記載の有機電界発光素子の製
    造方法。
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