JP3496537B2 - 有機電界発光装置 - Google Patents

有機電界発光装置

Info

Publication number
JP3496537B2
JP3496537B2 JP28798898A JP28798898A JP3496537B2 JP 3496537 B2 JP3496537 B2 JP 3496537B2 JP 28798898 A JP28798898 A JP 28798898A JP 28798898 A JP28798898 A JP 28798898A JP 3496537 B2 JP3496537 B2 JP 3496537B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light emitting
electrode
layer
transport layer
organic electroluminescent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP28798898A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11191489A (ja
Inventor
茂雄 藤森
義夫 姫島
亨 小濱
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP28798898A priority Critical patent/JP3496537B2/ja
Publication of JPH11191489A publication Critical patent/JPH11191489A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3496537B2 publication Critical patent/JP3496537B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示素子、フラッ
トパネルディスプレイ、バックライト、インテリアなど
の分野に利用可能な、有機電界発光素子によるそれぞれ
異なる色で発光する発光領域を同一基板上に備えた有機
電界発光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、新しい発光素子として有機電界発
光素子が注目されている。本素子は陽極から注入された
正孔と陰極から注入された電子とが両極に挟まれた有機
発光層内で再結合することにより発光するものであり、
低電圧で高輝度に発光することがコダック社のC.W.
Tangらによって初めて示された(Appl.Phy
s.Lett.51(12)21,p.913,198
7)。
【0003】図21は有機電界発光素子の代表的な構造
を示す断面図である。ガラス基板1に形成された透明な
第一電極(陽極)2上に正孔輸送層5、有機発光層(兼
電子輸送層)6、第二電極(陰極)8が積層され、駆動
源9による駆動で生じた発光は第一電極およびガラス基
板を通じて外部に取り出される。このような有機電界発
光素子では薄型、低電圧駆動下での高輝度発光や有機発
光材料を選択することによる多色発光が可能であり、表
示素子やディスプレイなどの発光装置に応用する検討が
盛んである。
【0004】有機電界発光素子を利用した従来の発光装
置の一例を図22〜24に示す。この有機電界発光装置
は日経エレクトロニクス1996.1.29(No.6
54)p.102や特開平9−115672号公報など
で示されたものと基本的には同様の構造を有する単純マ
トリクス型カラーディスプレイである。つまり、カラー
表示を可能とするために、それぞれ異なる3色で発光す
る発光領域に応じて発光層6および電子輸送層7がパタ
ーニングされている。
【0005】上記のとおり従来の有機電界発光装置の構
造では発光層と電子輸送層が基本的に同一平面形状に形
成されるので、両層は同一の工程にてパターニングされ
ることになる。例えば、前記の特開平9−115672
号公報に示された技術では、基板に対するシャドーマス
クの位置を一定に保ったまま発光材料と電子輸送材料を
順次蒸着することで、同一平面形状をもつ発光層と電子
輸送層がパターニングされる。図22〜24に示した有
機電界発光装置の両層をマスク法によってパターニング
する場合も同様である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
シャドーマスクの位置ずれやシャドーマスクに付着した
異物などの影響を受けた場合に、図25および図26
示す従来の有機電界発光装置の構造では発光領域中に発
光層6も電子輸送層7も存在しない欠陥部分15が形成
されることになる。この欠陥部分では第一電極2と第二
電極8との間に正孔輸送層5しか存在しないために、た
とえ欠陥部分の面積がわずかであっても両電極間の短絡
やリーク電流の増大が起こり、その発光領域の非発光化
だけでなく消費電力増大やクロストーク発生が起こる可
能性が大きかった。つまり、わずかな欠陥部分の存在が
有機電界発光装置全体の諸特性に大きく影響するという
問題があった
【0007】発明はかかる問題を解決し、発光層パタ
ーニング工程などで発光領域に欠陥部分が導入された場
合でも装置全体の諸特性の悪化を抑制することが可能
な、より信頼性の高い構造をもつ有機電界発光装置を提
供することが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の有機電界発光装
置は、基板上に形成された第一電極と、前記第一電極上
に形成された有機化合物からなる発光層と、前記発光層
上に別に形成された上部キャリア輸送層と、上部キャリ
ア輸送層上に形成された第二電極とを全ての発光領域に
おいて含む有機電界発光装置であって、前記第一電極上
にスペーサーが形成され、前記発光層が異なる色で独立
に発光する発光領域に応じてパターニングされ、前記発
光層と前記上部キャリア輸送層とがそれぞれ異なる平面
形状を有することを特徴とする有機電界発光装置であ
り、基板上に形成された第一電極と、前記第一電極上に
形成された有機化合物からなる発光層と、前記発光層上
に別に形成された上部キャリア輸送層と、上部キャリア
輸送層上に形成された第二電極とを全ての発光領域にお
いて含む有機電界発光装置であって、前記発光層が異な
る色で独立に発光する発光領域に応じてマスク蒸着によ
りパターニングされ、前記発光層と前記上部キャリア輸
送層とがそれぞれ異なる平面形状を有することを特徴と
する有機電界発光装置である
【0009】
【発明の実施の形態】本発明における有機電界発光装置
とは、有機電界発光素子による複数の発光領域を同一基
板上に備えたものである。以下で本発明を説明するが、
本発明は例示された形式や構造をもつ有機電界発光装置
に限定されるわけではなく、セグメント型、単純マトリ
クス型、アクティブマトリクス型などの形式や発光領域
の発光色数を問わず、任意の構造の有機電界発光装置に
適用することが可能である。
【0010】本発明の有機電界発光装置は、発光層と第
二電極との間に形成された上部キャリア輸送層が前記発
光層と異なる平面形状を有することを特徴とする。その
一例を図1〜3に示す。基板1上に形成されたストライ
プ状の第一電極2と、各第一電極上にパターニングされ
た有機化合物からなる発光層6を含む薄膜層10と、第
一電極に対して直交するストライプ状の第二電極8とが
積層されており、両電極の交点に有機電界発光素子構造
をもつ複数の発光領域が形成されている。各発光領域は
発光層に異なる材料を用いることで赤(R)、緑
(G)、青(B)に発光するので、この単純マトリクス
型発光装置を線順次駆動することにより画像などをカラ
ー表示することが可能である。ここで、電子輸送層7は
RGBの各発光領域にまたがって平面連続的に形成され
ている。したがって、何らかの原因で発光層に欠陥部分
が導入されても、全面に形成された電子輸送層が前記欠
陥部分を覆うために、短絡やリーク電流の増大を抑制す
る効果がある。場合によっては前記欠陥部分では電子輸
送層が発光するために発光領域中に発光色の異なる部分
が発生することもあるが、欠陥部分の面積がわずかであ
ればこのことは無視できる。したがって、結果的には有
機電界発光装置の信頼性が大きく向上する。以下では、
この構造を例にして本発明の有機電界発光装置を詳しく
説明する。
【0011】以下では、発光層と第二電極との間に形成
された上部キャリア輸送層の形状について電子輸送層を
例にして説明するが、本発明における前記上部キャリア
輸送層の種類は限定されるものではない。
【0012】本発明においては発光層と第二電極との間
に形成された上部キャリア輸送層が前記発光層と異なる
平面形状を有するが、その形状は特に限定されない。し
たがって、図1〜3に示したように電子輸送層7がRG
Bの各発光領域の全てにまたがって平面連続的に形成さ
れていてもよいが、例えば図4に示すように、第一の電
子輸送層7aがRGの各発光領域にまたがって平面連続
的に形成され、第二の電子輸送層7bがB発光領域にの
み形成されていてもよい。この場合には、第一および第
二の電子輸送層はそれぞれ同一の材料からなっていても
異なる材料からなっていてもかまわない。また、図1〜
3ではB発光層と電子輸送層が同一の材料からなってい
てもよいし、図4では第二の電子輸送層7bを形成せず
に省略することもできる。
【0013】電子輸送層は多層構造であってもよく、例
えば図5に示すように、第一の電子輸送層7aはそれぞ
れRGBの各発光領域に対応して形成されており、前記
第一の電子輸送層上に第二の電子輸送層7bがRGBの
各発光領域の全てにまたがって平面連続的に形成されて
いてもよい。この場合にも、各発光領域に対応する第一
の電子輸送層や、第一および第二の電子輸送層は、それ
ぞれ同一の材料からなっていても異なる材料からなって
いてもかまわない。
【0014】発明の有機電界発光装置における上部
ャリア輸送層は必ずしも発光能をもつ必要はない。上部
キャリア輸送層が発光層に接して積層されている場合に
は、上部キャリア輸送層による望ましくない発光やエネ
ルギー失活によって発光層における発光の色純度や効率
が低下するのを防ぐために、前記上部キャリア輸送層の
発光エネルギーが前記発光層の発光エネルギーのうち最
も高いものと同程度かそれ以上であることが好ましい。
例えば図1〜3では、電子輸送層7の発光エネルギーは
発光層6のうち最も高エネルギーで発光するB発光層の
発光エネルギーと同程度かそれ以上であることが好まし
い。前記電子輸送層7が多層構造である場合には、電子
輸送層のうち発光層に接する層の発光エネルギーがB発
光層の発光エネルギーと同程度かそれ以上であることが
好ましく、その上に形成された残りの電子輸送層の発光
エネルギーは特に限定されるものではない。また、図4
では、第一の電子輸送層7aの発光エネルギーはG発光
層の発光エネルギーと同程度かそれ以上であることが好
ましい。
【0015】本発明の有機電界発光装置はその製造方法
を限定するものではなく、公知技術を用いてそれを製造
することができる。
【0016】第一および第二電極は有機電界発光素子の
発光に十分な電流が供給できる導電性をもてばよいが、
光を取り出すために少なくとも一方の電極が透明である
ことが好ましい。
【0017】透明な電極は可視光線透過率が30%以上
あれば使用に大きな障害はないが、理想的には100%
に近い方が好ましい。基本的には可視光全域において同
程度の透過率を持つことが好ましいが、発光色を変化さ
せたい場合には積極的に光吸収性を付与させることも可
能である。このような場合にはカラーフィルターや干渉
フィルターを用いて変色させる方法が技術的には容易で
ある。透明電極材料としては、インジウム、錫、金、
銀、亜鉛、アルミニウム、クロム、ニッケル、酸素、窒
素、水素、アルゴン、炭素から選ばれる少なくとも一種
類の元素からなることが多いが、ヨウ化銅、硫化銅など
の無機導電性物質、ポリチオフェン、ポリピロール、ポ
リアニリンなどの導電性ポリマーを用いることも可能で
あり、特に限定されるものでない。
【0018】好ましい第一電極材料の例としては、透明
基板上に形成された酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウ
ム、酸化バナジウム、酸化錫インジウム(ITO)など
を挙げることができる。パターニングを行うディスプレ
イ用途などでは、加工性に優れたITOを第一電極に用
いることが特に好ましい。導電性向上のためにITOに
は少量の銀や金などの金属が含まれていてもよく、ま
た、錫、金、銀、亜鉛、インジウム、アルミニウム、ク
ロム、ニッケルをITOのガイド電極として使用するこ
とも可能である。とりわけクロムはブラックマトリック
スとガイド電極との両方の機能を持たせることができる
ので好ましいガイド電極材料である。有機電界発光装置
の消費電力の観点からITOの抵抗は低いことが好まし
い。300Ω/□以下のITO基板であれば第一電極と
して機能するが、現在では10Ω/□程度のITO基板
の供給も容易になっていることから、低抵抗品を使用す
ることも可能である。ITOの厚みは抵抗値に合わせて
任意に選択できるが、通常は厚みが100〜300nm
のITOを用いることが多い。透明基板の材質は特に限
定されず、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリ
エステル、ポリイミド、アラミドからなるプラスチック
板やフィルムを用いることができるが、好ましい例とし
てガラス板を挙げることができる。ガラスの材質につい
ては、無アルカリガラスや酸化ケイ素膜などのバリアコ
ートを施したソーダライムガラスなどが使用できる。ま
た、厚みは機械的強度を保てればよいので、0.5mm
以上あれば十分である。ITOの形成方法は、電子ビー
ム蒸着、スパッタリング蒸着、化学反応法など特に制限
されるものではない。
【0019】第二電極材料についても特に限定されない
が、第一電極としてITOを使用する場合にはITOが
一般的に陽極として機能するために、第二電極には有機
電界発光素子に電子を効率良く注入できる陰極としての
機能が求められる。したがって、第二電極材料としては
アルカリ金属などの低仕事関数金属を使用することも可
能であるが、電極の安定性を考えると、白金、金、銀、
銅、鉄、錫、アルミニウム、マグネシウム、インジウム
などの金属、またはこれら金属と低仕事関数金属との合
金などを使用することが好ましい。また、あらかじめ有
機電界発光素子の薄膜層に低仕事関数金属を微量にドー
ピングしたり、薄膜層上にフッ化リチウムなど金属塩の
層を薄く形成するなどし、その後に比較的安定な金属を
第二電極として形成することで、電子注入効率を高く保
ちながら安定な電極を得ることもできる。第二電極の形
成方法も抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリン
グ蒸着、イオンプレーティング法などドライプロセスで
あれば特に限定されない。
【0020】有機電界発光素子に含まれる薄膜層として
は、1)正孔輸送層/発光層、2)正孔輸送層/発光層
/電子輸送層、3)発光層/電子輸送層のいずれであっ
てもよい。すなわち、素子構成として有機化合物からな
る発光層と、前記発光層と第二電極との間に形成された
上部キャリア輸送層とが存在していればよい。本発明の
説明においては、基板/第一電極(陽極)/正孔輸送層
/発光層/電子輸送層/第二電極(陰極)の積層構造が
専ら例示されるが、素子構造は特に限定されるものでは
なく、例えば前記構造とは逆の積層構造、つまり、基板
/第一電極(陰極)/電子輸送層/発光層/正孔輸送層
/第二電極(陽極)の積層構造であってもよい。
【0021】正孔輸送層は正孔輸送材料単独で、あるい
は正孔輸送材料と高分子結着剤により形成される。正孔
輸送材料としては、低分子化合物ではN,N’−ジフェ
ニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−1,1’
−ジフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)やN,
N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチル−1,1’−
ジフェニル−4,4’−ジアミン(NPD)などに代表
されるトリフェニルアミン類、N−イソプロピルカルバ
ゾール、ピラゾリン誘導体、スチルベン系化合物、ヒド
ラゾン系化合物、オキサジアゾール誘導体やフタロシア
ニン誘導体に代表される複素環化合物などを、また、ポ
リマー系では前記低分子化合物を側鎖に有するポリカー
ボネートやスチレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、
ポリシランなどを好ましい例として挙げることができ
る。
【0022】単純マトリクス型発光装置の用途では各有
機電界発光素子の発光時間は短く、パルス電流を流すこ
とで瞬間的に高輝度に発光させることが必要になる。こ
のような場合に正孔輸送材料には優れた正孔輸送特性と
安定した薄膜形成能だけでなく、正孔輸送層中の電子の
漏れによる発光効率低下を防ぐために良好な電子ブロッ
キング特性が要求される。上記特性をバランスよく満足
させるために、本発明においては下記に示すビスカルバ
ゾリル骨格を含む有機化合物からなる有機層を形成する
ことが特に好ましい。
【0023】
【化1】
【0024】ここで、R1、R2は、水素、アルキル、
ハロゲン、アリール、アラルキルおよびシクロアルキル
の中から選ばれる。また、カルバゾリル骨格にはアルキ
ル、アリール、アラルキル、カルバゾリル、置換カルバ
ゾリル、ハロゲン、アルコキシ、ジアルキルアミノおよ
びトリアルキルシリル基から選ばれる置換基が1つ以上
連結されていてもよい。
【0025】発光材料としては、低分子化合物では以前
から発光体として知られていたアントラセン誘導体、ピ
レン誘導体、8−ヒドロキシキノリンアルミニウム誘導
体、ビススチリルアントラセン誘導体、テトラフェニル
ブタジエン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール
誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ピロロピリジン誘
導体、ペリノン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、オ
キサジアゾール誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体な
どを、ポリマー系ではポリフェニレンビニレン誘導体、
ポリパラフェニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体など
を好ましい例として挙げることができる。また、発光層
にドーピングするドーパントとしては、ルブレン、キナ
クリドン誘導体、フェノキサゾン誘導体、DCM、ペリ
ノン誘導体、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ジアザ
インダセン誘導体などを好ましい例として挙げることが
できる。
【0026】電子輸送材料には陰極から注入された電子
を効率良く輸送することが要求されるので、大きな電子
親和力、大きな電子移動度、安定した薄膜形成能を有す
ることが好ましい。このような特性を満足させる材料と
して、8−ヒドロキシキノリンアルミニウム誘導体、ヒ
ドロキシベンゾキノリンベリリウム誘導体、2−(4−
ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,
3,4−オキサジアゾール(t−BuPBD)や1,3
−ビス(4−t−ブチルフェニル−1,3,4−オキサ
ジゾリル)ビフェニレン(OXD−1)、1,3−ビス
(4−t−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジゾリ
ル)フェニレン(OXD−7)などのオキサジアゾール
誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体
などを好ましい例として挙げることができる。
【0027】上記の正孔輸送層、発光層、電子輸送層に
用いられる材料は単独で各層を形成することができる
が、高分子結着剤としてポリ塩化ビニル、ポリカーボネ
ート、ポリスチレン、ポリ(N−ビニルカルバゾー
ル)、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリ
レート、ポリエステル、ポリスルフォン、ポリフェニレ
ンオキサイド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン
樹脂、フェノキシ樹脂、ポリサルフォン、ポリアミド、
エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレ
タン樹脂などの溶剤可溶性樹脂や、フェノール樹脂、キ
シレン樹脂、石油樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、
シリコーン樹脂などの硬化性樹脂に分散させて用いるこ
ともできる。
【0028】上記正孔輸送層、発光層、電子輸送層など
の形成方法は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッ
タリング蒸着法など特に限定されないが、一般的には抵
抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着などの方法が特性面で好ま
しい。有機層の厚みはその抵抗値にも関係するので限定
できないが、経験的には10〜1000nmの間から選
ばれる。
【0029】また、キャリア輸送層の全体、もしくは一
部分に無機材料を用いることも可能である。好ましい例
として炭化ケイ素、窒化ガリウム、セレン化亜鉛、硫化
亜鉛系の無機半導体材料を挙げることができる。
【0030】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるも
のではない。
【0031】実施例1 発光層パターニング用として、図に示したようにマス
ク部分と補強線とが同一平面内に形成された構造のシャ
ドーマスクを用意した。シャドーマスクの外形は120
×84mm、マスク部分31の厚さは25μmであり、
長さ64mm、幅300μmのストライプ状開口部32
がピッチ900μmで横方向に92本配置されている。
各ストライプ状開口部には、開口部と直交する幅20μ
m、厚さ25μmの補強線33が1.8mmおきに形成
されている。また、シャドーマスクは外形が等しい幅4
mmのステンレス鋼製フレーム34に固定されている。
【0032】第二電極パターニング用として、図およ
に示すようにマスク部分31の一方の面35と補強
線33との間に隙間36が存在する構造のシャドーマス
クを用意した。シャドーマスクの外形は120×84m
m、マスク部分の厚さは170μmであり、長さ100
mm、幅770μmのストライプ状開口部32がピッチ
900μmで横方向に66本配置されている。マスク部
分の上には、幅45μm、厚さ40μm、対向する二辺
の間隔が200μmの正六角形構造からなるメッシュ状
の補強線が形成されている。隙間の高さはマスク部分の
厚さと等しく170μmである。また、シャドーマスク
は外形が等しい幅4mmのステンレス鋼製フレーム34
に固定されている。
【0033】第一電極は以下のとおりパターニングし
た。厚さ1.1mmの無アルカリガラス基板表面にスパ
ッタリング蒸着法によって厚さ130nmのITO透明
電極が形成されたITOガラス基板(ジオマテック社
製)を120×100mmの大きさに切断した。ITO
基板上にフォトレジストを塗布して、通常のフォトリソ
法による露光、現像によってフォトレジストをパターニ
ングした。ITOの不要部分をエッチングした後にフォ
トレジストを除去することで、ITOを長さ90mm、
幅270μmのストライプ形状にパターニングした。図
に示したように、このストライプ状第一電極2は30
0μmピッチで横方向に272本配置されている。
【0034】次に、ポリイミド系の感光性コーティング
剤(東レ社製、UR−3100)をスピンコート法によ
り前記ITO基板上に塗布して、クリーンオーブンによ
る窒素雰囲気下で80℃、1時間プリベーキングした。
さらに、前記塗布膜にフォトマスクを介して紫外光を露
光して所望部分を光硬化させ、現像液(東レ社製、DV
−505)を用いて現像した。最後にパターニングされ
た前記塗布膜をクリーンオーブン中で180℃、30分
間、さらに、250℃、30分間ベーキングして、図
および図11に示したように第一電極に直交するスペ
ーサー4を形成した。このスペーサーは長さ90mm、
幅150μm、高さ4μmであり、900μmピッチで
横方向に67本配置されている。また、このスペーサー
は良好な電気絶縁性を有していた。
【0035】上記スペーサーを形成したITO基板を洗
浄した後で真空蒸着機内にセットした。また、上記発光
層用シャドーマスク3枚、第二電極用シャドーマスク1
枚を真空蒸着機内にセットした。本真空蒸着機では、真
空中においてそれぞれが10μm程度の精度で基板と位
置合わせができるように、上記4種類のシャドーマスク
を交換することが可能である。
【0036】薄膜層は抵抗線加熱方式による真空蒸着法
によって以下のように形成した。なお、蒸着時の真空度
は2×10-4Pa以下であり、蒸着中は蒸着源に対して
基板を回転させた。
【0037】まず、図12に示した配置において、水晶
振動子方式の膜厚モニター表示値で銅フタロシアニンを
20nm、ビス(N−エチルカルバゾール)を200n
m基板全面に蒸着して正孔輸送層5を形成した。
【0038】次に、第一の発光層用シャドーマスクを基
板前方に配置して両者を密着させ、基板後方にはフェラ
イト系板磁石(日立金属社製、YBM−1B)を配置し
た。この際、図13および図14に示したように、スト
ライプ状第一電極2がシャドーマスクのストライプ状開
口部32の中心に位置し、補強線33がスペーサー4の
位置と一致するように、両者は位置合わせされている。
この状態で8−ヒドロキシキノリン−アルミニウム錯体
(Alq3)を100nm蒸着して、G発光層をパター
ニングした。次に、前記G発光層のパターニングと同様
にして第二の発光層用シャドーマスクを使用し、1wt
%の4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(パ
ラジメチルアミノスチリル)−4−ピラン(DCM)を
ドーピングしたAlq3を100nm蒸着して、R発光
層をパターニングした。さらに、同様にして第三の発光
層用シャドーマスクを使用し、4,4’−ビス(2,
2’ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)を1
00nm蒸着して、B発光層をパターニングした。
【0039】さらに、図15に示したような配置におい
て、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10
−フェナントロリン(BTCPN)を20nm、基板全
面に蒸着して電子輸送層7を形成した。この後に、薄膜
層をリチウム蒸気にさらしてドーピング(膜厚換算量
0.5nm)した。
【0040】第二電極は抵抗線加熱方式による真空蒸着
法によって以下のように形成した。なお、蒸着時の真空
度は3×10-4Pa以下であり、蒸着中は2つの蒸着源
に対して基板を回転させた。
【0041】上記発光層のパターニングと同様に、第二
電極用シャドーマスクを基板前方に配置して両者を密着
させ、基板後方には磁石を配置した。この際、図16
よび図17に示したように、スペーサー4がマスク部分
31の位置と一致するように両者は位置合わせされてい
る。この状態でアルミニウムを400nmの厚さに蒸着
して第二電極8をパターニングした。
【0042】最後に、図15に示したような配置におい
て、一酸化ケイ素を200nm電子ビーム蒸着法によっ
て基板全面に蒸着して、保護層を形成した。
【0043】上記のようにして、図18〜20に模式的
に示すように、幅270μm、ピッチ300μm、本数
272本のITOストライプ状第一電極2上に、パター
ニングされたRGB発光層6と、各発光領域の全てにま
たがって平面連続的に形成された電子輸送層7を含む薄
膜層10が形成され、前記第一電極と直交するように幅
750μm、ピッチ900μmのストライプ状第二電極
8が66本配置された単純マトリクス型カラー発光装置
を作製した。RGBからなる3つの発光領域が1画素を
形成するので、本発光装置は900μmピッチで90×
66画素を有する。
【0044】各ストライプ状第二電極はシャドーマスク
の補強線によって分断されることなく100mmの長さ
方向に渡って電気的に十分低抵抗であった。一方、幅方
向に隣り合う第二電極同士の短絡は皆無で、完全に絶縁
されていた。
【0045】各発光領域は270×750μmの大きさ
でRGBそれぞれ独立の色で発光した。また、この発光
装置を線順次駆動することで、明瞭なパターン表示とそ
のマルチカラー化をすることが可能であった。
【0046】実施例2 正孔輸送層を形成するまでは実施例1と同様に行った。
【0047】次に、第一の発光層用シャドーマスクを基
板前方に配置して両者を密着させ、基板後方にはフェラ
イト系板磁石(日立金属社製、YBM−1B)を配置し
た。この際、図13および図14に示したように、スト
ライプ状第一電極2がシャドーマスクのストライプ状開
口部32の中心に位置し、補強線33がスペーサー4の
位置と一致するように、両者は位置合わせされている。
この状態でAlq3を30nm蒸着して、G発光層をパ
ターニングした。次に、前記G発光層のパターニングと
同様にして第二の発光層用シャドーマスクを使用し、1
wt%のDCMをドーピングしたAlq3を40nm蒸
着して、R発光層をパターニングした。さらに、同様に
して第三の発光層用シャドーマスクを使用し、DPVB
iを30nm蒸着して、B発光層をパターニングした。
【0048】さらに、図15に示したような配置におい
て、DPVBiを90nm、Alq3を30nm基板全
面に蒸着して電子輸送層7を形成した。この後に、薄膜
層をリチウム蒸気にさらしてドーピング(膜厚換算量
0.5nm)した。
【0049】その後、第二電極のパターニングおよび保
護層の形成は実施例1と同様に行った。
【0050】上記のようにして、実施例1と同様の、幅
270μm、ピッチ300μm、本数272本のITO
ストライプ状第一電極2上に、パターニングされたRG
B発光層6と、各発光領域の全てにまたがって平面連続
的に形成された電子輸送層7を含む薄膜層10が形成さ
れ、前記第一電極と直交するように幅750μm、ピッ
チ900μmのストライプ状第二電極8が66本配置さ
れた単純マトリクス型カラー発光装置を作製した。RG
Bからなる3つの発光領域が1画素を形成するので、本
発光装置は900μmピッチで90×66画素を有す
る。
【0051】各ストライプ状第二電極は、実施例1と同
様に長さ方向に渡って電気的に十分低抵抗であり、短絡
は皆無であった。
【0052】各発光領域は270×750μmの大きさ
でRGBそれぞれ独立の色で発光した。また、この発光
装置を線順次駆動することで、明瞭なパターン表示とそ
のマルチカラー化をすることが可能であった
【0053】施例 正孔輸送層を形成するまでは実施例1と同様に行った。
【0054】次に、第一の発光層用シャドーマスクを基
板前方に配置して両者を密着させ、基板後方にはフェラ
イト系板磁石(日立金属社製、YBM−1B)を配置し
た。この際、ストライプ状第一電極2はシャドーマスク
のストライプ状開口部32の中心に位置するが、補強線
33はスペーサー4の位置から少しずれるように両者を
位置合わせした。この状態でAlq3を30nm蒸着し
てG発光層をパターニングしたので、G発光領域はG発
光層によって完全には被覆されていない。このようにす
ることで、シャドーマスクの位置ずれやシャドーマスク
に付着した異物などの影響を受けて、発光領域中に発光
層がわずかに存在しない欠陥部分が形成される事態を擬
似的に再現した。
【0055】次に、第二の発光層用シャドーマスクを使
用し、図13および図14に示したように、ストライプ
状第一電極2がシャドーマスクのストライプ状開口部3
2の中心に位置し、補強線33がスペーサー4の位置と
一致するように両者を位置合わせした。この状態で1w
t%のDCMをドーピングしたAlq3を40nm蒸着
して、R発光層をパターニングした。さらに、前記R発
光層のパターニングと同様にして第三の発光層用シャド
ーマスクを使用し、DPVBiを30nm蒸着して、B
発光層をパターニングした。
【0056】その後、電子輸送層の形成、第二電極のパ
ターニングおよび保護層の形成は実施例2と同様に行っ
た。
【0057】上記のようにして、基本的には図18〜2
で模式的に示した構造と同じ、幅270μm、ピッチ
300μm、本数272本のITOストライプ状第一電
極2上に、パターニングされたRGB発光層6と、各発
光領域の全てにまたがって平面連続的に形成された電子
輸送層7を含む薄膜層10が形成され、前記第一電極と
直交するように幅750μm、ピッチ900μmのスト
ライプ状第二電極8が66本配置された単純マトリクス
型カラー発光装置を作製した。RGBからなる3つの発
光領域が1画素を形成するので、本発光装置は900μ
mピッチで90×66画素を有する。
【0058】各ストライプ状第二電極は、実施例2と同
様に長さ方向に渡って電気的に十分低抵抗であり、第二
電極同士の短絡は皆無であった。
【0059】RB発光領域は270×750μmの大き
さでそれぞれ独立の色で発光した。G発光領域について
は、発光領域全体の大きさは同じであったが、顕微鏡観
察によりG発光領域の端部にわずかながらB発光領域が
認められた。ただし、肉眼で観察したところでは、この
わずかなB発光領域の存在は認識できなかった。
【0060】この発光装置を線順次駆動することで、実
施例2と同様に明瞭なパターン表示とそのマルチカラー
化をすることが可能であった。また、前記のわずかなB
発光領域の存在による表示特性などへの影響も認められ
なかった。
【0061】比較例1 正孔輸送層を形成するまでは実施例1と同様に行った。
【0062】次に、第一の発光層用シャドーマスクを基
板前方に配置して両者を密着させ、基板後方にはフェラ
イト系板磁石(日立金属社製、YBM−1B)を配置し
た。この際、実施例4と同様に、ストライプ状第一電極
2はシャドーマスクのストライプ状開口部32の中心に
位置するが、補強線33はスペーサー4の位置から少し
ずれるように両者を位置合わせした。この状態でAlq
3を30nm蒸着してG発光層をパターニングし、続け
てDPVBiを90nm、Alq3を30nm蒸着して
G発光層と同一平面形状のG電子輸送層をパターニング
した。G発光領域はG発光層およびG電子輸送層によっ
て完全には被覆されていない。このようにすることで、
シャドーマスクの位置ずれやシャドーマスクに付着した
異物などの影響を受けて、発光領域中に発光層および電
子輸送層がわずかに存在しない欠陥部分が形成される事
態を擬似的に再現した。
【0063】次に、第二の発光層用シャドーマスクを使
用し、実施例と同様に、ストライプ状第一電極2がシ
ャドーマスクのストライプ状開口部32の中心に位置
し、補強線33がスペーサー4の位置と一致するように
両者を位置合わせした。この状態で1wt%のDCMを
ドーピングしたAlq3を40nm蒸着してR発光層を
パターニングし、続けてDPVBiを90nm、Alq
3を30nm蒸着してR発光層と同一平面形状のR電子
輸送層をパターニングした。さらに、前記R発光層のパ
ターニングと同様にして第三の発光層用シャドーマスク
を使用し、DPVBiを30nm蒸着してB発光層をパ
ターニングし、続けてDPVBiを90nm、Alq3
を30nm蒸着してB発光層と同一平面形状のB電子輸
送層をパターニングした。
【0064】その後、第二電極のパターニングおよび保
護層の形成は実施例2と同様に行った。
【0065】上記のようにして、基本的には図22〜2
で模式的に示した構造と同じ、幅270μm、ピッチ
300μm、本数272本のITOストライプ状第一電
極2上に、同一平面形状にパターニングされたRGB発
光層6およびRGB電子輸送層7を含む薄膜層10が形
成され、前記第一電極と直交するように幅750μm、
ピッチ900μmのストライプ状第二電極8が66本配
置された単純マトリクス型カラー発光装置を作製した。
RGBからなる3つの発光領域が1画素を形成するの
で、本発光装置は900μmピッチで90×66画素を
有する。
【0066】各ストライプ状第二電極は、実施例1と同
様に長さ方向に渡って電気的に十分低抵抗であり、第二
電極同士の短絡は皆無であった。
【0067】RB発光領域は270×750μmの大き
さでそれぞれ独立の色で発光した。G発光領域について
は、発光領域全体の大きさがわずかに小さく、第一電極
と第二電極とが短絡に近い状態となり発光しないもの
や、発光はするもののリーク電流が多いために発光が不
安定になるものが認められた。
【0068】この発光装置を実施例と同様に線順次駆
動したが、非発光化したG発光領域が目立ち、また、リ
ーク電流に起因するクロストーク現象が発生したため、
明瞭なパターン表示をすることができなかった。
【0069】実施例 発光層パターニング用として、図に示したマスク部分
と補強線とが同一平面内に形成された構造のシャドーマ
スクを用意した。シャドーマスクの外形は120×84
mm、マスク部分31の厚さは25μmであり、長さ6
4mm、幅100μmのストライプ状開口部32がピッ
チ300μmで横方向に272本配置されている。各ス
トライプ状開口部には、開口部と直交する幅20μm、
厚さ25μmの補強線33が1.8mmおきに形成され
ている。また、シャドーマスクは外形が等しい幅4mm
のステンレス鋼製フレーム34に固定されている。
【0070】第二電極パターニング用として、図およ
び図に示したマスク部分31の一方の面35と補強線
33との間に隙間36が存在する構造のシャドーマスク
を用意した。シャドーマスクの外形は120×84m
m、マスク部分の厚さは100μmであり、長さ100
mm、幅245μmのストライプ状開口部32がピッチ
300μmで横方向に200本配置されている。マスク
部分の上には、幅40μm、厚さ35μm、対向する二
辺の間隔が200μmの正六角形構造からなるメッシュ
状の補強線が形成されている。隙間の高さはマスク部分
の厚さと等しく100μmである。また、シャドーマス
クは外形が等しい幅4mmのステンレス鋼製フレーム3
4に固定されている。
【0071】まず、実施例1と同様の工程で第一電極の
ITOを長さ90mm、幅70μmのストライプ形状に
パターニングした。図に示したように、このストライ
プ状第一電極2は100μmピッチで横方向に816本
配置されている。
【0072】次に、実施例1と同様のフォトリソ工程に
より、図10および図11に示したような第一電極に直
交するスペーサー4を形成した。このスペーサーは、長
さ90mm、幅60μm、高さ4μmであり、300μ
mピッチで横方向に201本配置されている。また、こ
のスペーサーは良好な電気絶縁性を有していた。
【0073】上記のシャドーマスクを使用して、実施例
2と同様にして単純マトリクス型カラー発光装置を作製
した。この発光装置では、図18〜20に模式的に示し
たように、幅70μm、ピッチ100μm、本数816
本のITOストライプ状第一電極2上に、パターニング
されたRGB発光層6と、各発光領域の全てにまたがっ
て平面連続的に形成された電子輸送層7を含む薄膜層1
0が形成され、前記第一電極と直交するように幅240
μm、ピッチ300μmのストライプ状第二電極8が2
00本配置されている。RGBからなる3つの発光領域
が1画素を形成するので、本発光装置は300μmピッ
チで272×200画素を有する。
【0074】各ストライプ状第二電極は、長さ方向に渡
って電気的に十分低抵抗であり、第二電極同士の短絡は
皆無であった。
【0075】各発光領域は70×240μmの大きさで
RGBそれぞれ独立の色で発光した。また、この発光装
置を線順次駆動することで、明瞭なパターン表示とその
マルチカラー化をすることが可能であった。
【0076】実施例 スペーサーを形成するまでは実施例と同様に行った。
【0077】まず、図12に示したような配置におい
て、水晶振動子方式の膜厚モニター表示値で銅フタロシ
アニンを30nm、N,N’−ジフェニル−N,N’−
ジナフチル−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミ
ン(NPD)を120nm基板全面に蒸着して正孔輸送
層5を形成した。
【0078】次に、第一の発光層用シャドーマスクを基
板前方に配置して両者を密着させ、基板後方にはフェラ
イト系板磁石(日立金属社製、YBM−1B)を配置し
た。この際、図13および図14に示したように、スト
ライプ状第一電極2がシャドーマスクのストライプ状開
口部32の中心に位置し、補強線33がスペーサー4の
位置と一致し、かつ補強線とスペーサーが接触するよう
に、両者は位置合わせされている。この状態で、0.3
wt%の1,3,5,7,8−ペンタメチル−4,4−
ジフロロ−4−ボラ3a,4a−ジアザ−s−インダセ
ン(PM546)をドーピングしたAlq3を43nm
蒸着して、G発光層をパターニングした。次に、前記G
発光層のパターニングと同様にして第二の発光層用シャ
ドーマスクを使用し、1wt%の4−(ジシアノメチレ
ン)−2−メチル−6−(ジュロリジルスチリル)−ピ
ラン(DCJT)をドーピングしたAlq3を30nm
蒸着して、R発光層をパターニングした。さらに、同様
にして第三の発光層用シャドーマスクを使用し、DPV
Biを40nm蒸着して、B発光層をパターニングし
た。
【0079】らに、図15に示したような配置におい
て、DPVBiを70nm、Alq3を20nm基板全
面に蒸着して電子輸送層7を形成した。この後に、薄膜
層10をリチウム蒸気にさらしてドーピング(膜厚換算
量0.5nm)した。
【0080】その後、第二電極のパターニングおよび保
護層の形成は実施例と同様にした。
【0081】上記のようにして、図1〜3に模式的に示
すように、幅70μm、ピッチ100μm、本数816
本のITOストライプ状第一電極2上に、パターニング
されたRGB発光層6を含む薄膜層10が形成され、前
記第一電極と直交するように幅240μm、ピッチ30
0μmのストライプ状第二電極8が200本配置された
単純マトリクス型カラー発光装置を作製した。RGBか
らなる3つの発光領域が1画素を形成するので、本発光
装置は300μmピッチで272×200画素を有す
る。
【0082】各ストライプ状第二電極は、長さ方向に渡
って電気的に十分低抵抗であり、第二電極同士の短絡は
皆無であった。
【0083】各発光領域は70×240μmの大きさで
RGBそれぞれ独立の色で発光し、発光層へのドーピン
グにより実施例に比べて発光色純度が向上した。ま
た、シャドーマスクに付着した異物の影響により発光領
域中に発光層が存在しない部分が形成され、肉眼では確
認できないその微小領域がB発光したが、短絡やリーク
電流の増加は起きておらず、その発光領域が安定に発光
することを確認した。さらに、本発光装置を線順次駆動
することで、明瞭なパターン表示とそのマルチカラー化
をすることが可能であった。
【0084】上記のように、本実施例における有機電界
発光装置の薄膜層の膜厚は実施例に比べて薄いが、発
光層に導入された欠陥によるリーク電流の増大を実施例
と同様に抑制することができた。
【0085】比較例2 正孔輸送層を形成するまでは実施例と同様に行った。
【0086】次に、第一の発光層用シャドーマスクを基
板前方に配置して両者を密着させ、基板後方にはフェラ
イト系板磁石(日立金属社製、YBM−1B)を配置し
た。この際、実施例と同様に、基板とシャドーマスク
とは位置合わせされている。この状態で、0.3wt%
の1,3,5,7,8−ペンタメチル−4,4−ジフロ
ロ−4−ボラ3a,4a−ジアザ−s−インダセン(P
M546)をドーピングしたAlq3を43nm蒸着し
てG発光層をパターニングし、続けてDPVBiを70
nm、Alq3を20nm蒸着して、G発光層と同一平
面形状のG電子輸送層をパターニングした。
【0087】次に、第二の発光層用シャドーマスクを使
用し、1wt%の4−(ジシアノメチレン)−2−メチ
ル−6−(ジュロリジルスチリル)−ピラン(DCJ
T)をドーピングしたAlq3を30nm蒸着してR発
光層をパターニングし、続けてDPVBiを70nm、
Alq3を20nm蒸着して、R発光層と同一平面形状
のR電子輸送層をパターニングした。さらに、同様にし
て第三の発光層用シャドーマスクを使用し、DPVBi
を40nm蒸着してB発光層をパターニングし、続けて
DPVBiを70nm、Alq3を20nm蒸着して、
B発光層と同一平面形状のB電子輸送層をパターニング
した。
【0088】この後に、薄膜層10全面をリチウム蒸気
にさらしてドーピング(膜厚換算量0.5nm)した。
【0089】その後、第二電極のパターニングおよび保
護層の形成は実施例と同様にした。
【0090】上記のようにして、図22〜24に模式的
に示すように、幅70μm、ピッチ100μm、本数8
16本のITOストライプ状第一電極上2に、パターニ
ングされたRGB発光層6およびRGB電子輸送層7を
含む薄膜層10が形成され、前記第一電極と直交するよ
うに幅240μm、ピッチ300μmのストライプ状第
二電極8が200本配置された単純マトリクス型カラー
発光装置を作製した。RGBからなる3つの発光領域が
1画素を形成するので、本発光装置は300μmピッチ
で272×200画素を有する。
【0091】各ストライプ状第二電極は、長さ方向に渡
って電気的に十分低抵抗であり、第二電極同士の短絡は
皆無であった。
【0092】発光可能な発光領域は70×240μmの
大きさでRGBそれぞれ独立の色で発光した。しかしな
がら、シャドーマスクに付着した異物の影響により発光
層および電子輸送層が存在しない部分が形成されたた
め、短絡やリーク電流の増加によって非発光化した発光
領域が多数認められた。本発光装置を実施例と同様に
線順次駆動したが、非発光化した発光領域が目立ち、ま
た、リーク電流に起因するクロストーク現象が発生した
ため、明瞭なパターン表示をすることができなかった。
【0093】
【発明の効果】光層と第二電極との間に存在する上部
キャリア輸送層が前記発光層と異なる平面形状を有する
ので、何らかの原因で発光層に欠陥部分が導入されても
前記上部キャリア輸送層が前記欠陥部分を覆うために短
絡やリーク電流の増大を抑制することが可能である。し
たがって、表示特性など装置全体の特性が悪化する可能
性がより低減されるので、有機電界発光装置の信頼性が
大きく向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機電界発光装置の一例を示す平面
図。
【図2】図1のXX′断面図。
【図3】図1のYY′断面図。
【図4】本発明の有機電界発光装置の別の一例を示すX
X′断面図。
【図5】本発明の有機電界発光装置の別の一例を示すX
X′断面図。
【図6】実施例1で使用した発光層パターニング用のシ
ャドーマスクを示す平面図。
【図7】実施例1で使用した第二電極パターニング用の
シャドーマスクを示す平面図。
【図8】図のXX′断面図。
【図9】実施例1でパターニングした第一電極パターン
を示す平面図。
【図10】実施例1で形成したスペーサーを示す平面
図。
【図11】図10のYY′断面図。
【図12】実施例1における正孔輸送層の形成方法を説
明するXX′断面図。
【図13】実施例1における発光層パターニング方法の
一例を説明するXX′断面図。
【図14】実施例1における発光層パターニング方法の
一例を説明するYY′断面図。
【図15】実施例1における電子輸送層の形成方法を説
明するXX′断面図。
【図16】実施例1における第二電極パターニング方法
の一例を説明するXX′断面図。
【図17】実施例1における第二電極パターニング方法
の一例を説明するYY′断面図。
【図18】実施例1で製造した有機電界発光装置を示す
平面図。
【図19】図18のXX′断面図。
【図20】図18のYY′断面図。
【図21】従来の有機電界発光素子の一例を示す断面
図。
【図22】従来の有機電界発光装置の一例を示す断面
図。
【図23】図22のXX′断面図。
【図24】図22のYY′断面図。
【図25】従来の有機電界発光装置に存在する欠陥部分
の一例を説明する平面図。
【図26】図25のXX′断面図。
【符号の説明】
1 基板 2 第一電極 4 スペーサー 5 正孔輸送層 6 発光層 7 電子輸送層 7a 第一の電子輸送層 7b 第二の電子輸送層 8 第二電極 9 駆動源 10 薄膜層 11 正孔輸送材料 12 発光材料 13 電子輸送材料 14 第二電極材料 15 欠陥部分 30 シャドーマスク 31 マスク部分 32 開口部 33 補強線 34 フレーム 35 マスク部分の一方の面 36 隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−92574(JP,A) 特開 平10−12377(JP,A) 特開 平10−223371(JP,A) 特開 平8−213172(JP,A) 特開 平7−235378(JP,A) 特開 平8−315986(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 33/00 - 33/28

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に形成された第一電極と、前記第一
    電極上に形成された有機化合物からなる発光層と、前記
    発光層上に別に形成された上部キャリア輸送層と、上部
    キャリア輸送層上に形成された第二電極とを全ての発光
    領域において含む有機電界発光装置であって、前記第一
    電極上にスペーサーが形成され、前記発光層が異なる色
    で独立に発光する発光領域に応じてパターニングされ、
    前記発光層と前記上部キャリア輸送層とがそれぞれ異な
    る平面形状を有することを特徴とする有機電界発光装
    置。
  2. 【請求項2】基板上に形成された第一電極と、前記第一
    電極上に形成された有機化合物からなる発光層と、前記
    発光層上に別に形成された上部キャリア輸送層と、上部
    キャリア輸送層上に形成された第二電極とを全ての発光
    領域において含む有機電界発光装置であって、前記発光
    層が異なる色で独立に発光する発光領域に応じてマスク
    蒸着によりパターニングされ、前記発光層と前記上部キ
    ャリア輸送層とがそれぞれ異なる平面形状を有すること
    を特徴とする有機電界発光装置。
  3. 【請求項3】第一電極上にスペーサーが形成されている
    ことを特徴とする請求項記載の有機電界発光装置。
  4. 【請求項4】上部キャリア輸送層が異なる色で独立に発
    光する発光領域にまたがって平面連続的に形成されてい
    ることを特徴とする請求項1または2記載の有機電界発
    光装置。
  5. 【請求項5】上部キャリア輸送層がすべての発光領域に
    またがって平面連続的に形成されていることを特徴とす
    る請求項1または2記載の有機電界発光装置。
  6. 【請求項6】第一電極と発光層との間に下部キャリア輸
    送層が存在し、該下部キャリア輸送層が全ての発光領域
    にまたがって平面連続的に形成されていることを特徴と
    する請求項1または2記載の有機電界発光装置。
  7. 【請求項7】上部キャリア輸送層が電子輸送層であるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の有機電界発光装
    置。
  8. 【請求項8】第一電極は横方向に間隔をあけて基板上に
    配置された複数のストライプ状電極であり、第二電極は
    横方向に間隔をあけて配置され、前記第一電極に対して
    交差する複数のストライプ状電極であることを特徴とす
    る請求項1または2記載の有機電界発光装置。
JP28798898A 1997-10-17 1998-10-09 有機電界発光装置 Expired - Lifetime JP3496537B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28798898A JP3496537B2 (ja) 1997-10-17 1998-10-09 有機電界発光装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9-285056 1997-10-17
JP28505697 1997-10-17
JP28798898A JP3496537B2 (ja) 1997-10-17 1998-10-09 有機電界発光装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11191489A JPH11191489A (ja) 1999-07-13
JP3496537B2 true JP3496537B2 (ja) 2004-02-16

Family

ID=26555726

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28798898A Expired - Lifetime JP3496537B2 (ja) 1997-10-17 1998-10-09 有機電界発光装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3496537B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3852509B2 (ja) * 1998-01-09 2006-11-29 ソニー株式会社 電界発光素子及びその製造方法
JP3206646B2 (ja) 1998-01-22 2001-09-10 日本電気株式会社 多色発光有機elパネルおよびその製造方法
US6639357B1 (en) * 2000-02-28 2003-10-28 The Trustees Of Princeton University High efficiency transparent organic light emitting devices
JP2002367787A (ja) * 2001-06-05 2002-12-20 Tohoku Pioneer Corp 有機el表示装置及びその製造方法
US6815033B2 (en) 2001-12-06 2004-11-09 Mitsubishi Chemical Corporation Compound, optical recording medium and optical recording method
JP3481231B2 (ja) * 2002-03-05 2003-12-22 三洋電機株式会社 有機エレクトロルミネッセンス表示装置およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11191489A (ja) 1999-07-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100903918B1 (ko) 유기 전계발광 소자 및 표시 장치
EP1289015B1 (en) Multicolor light emission apparatus and manufacturing method thereof
KR100918548B1 (ko) 청색 발광용 유기 el 소자 및 유기 el 디스플레이
JP2000235891A (ja) 有機電界発光装置
JPH1050478A (ja) 有機電界発光素子およびその製造方法
JP2001023777A (ja) 発光素子
JP4273191B2 (ja) 有機発光デバイス
WO2014030367A1 (ja) 有機el照明パネル用基板、有機el照明パネル用基板の製造方法、有機el照明パネルおよび有機el照明装置
JPH09115672A (ja) 有機光学的素子及びその製造方法
JP2000036391A (ja) 有機電界発光素子およびその製造方法
JPH08315986A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3456423B2 (ja) 有機電界発光素子の製造方法
JP3496537B2 (ja) 有機電界発光装置
JP2000082582A (ja) 有機elディスプレイの製造方法
JP3555736B2 (ja) 有機電界発光素子
JP2001291590A5 (ja)
JP2001267085A (ja) 有機発光装置およびその製造方法
JP2002299062A (ja) 有機電界発光装置
JP2000173769A (ja) 有機電界発光素子の製造方法
KR100581639B1 (ko) 유기 전계발광 소자
JPH08213172A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2002083679A (ja) 有機電界発光装置の製造方法
JPH11191491A (ja) 有機電界発光装置
JP4038834B2 (ja) 発光素子
JP2000200680A (ja) 有機電界発光素子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071128

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081128

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081128

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091128

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091128

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101128

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101128

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111128

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121128

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121128

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131128

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term