JPH10259390A - 野積み石炭の表面被覆方法 - Google Patents

野積み石炭の表面被覆方法

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JPH10259390A
JPH10259390A JP6659797A JP6659797A JPH10259390A JP H10259390 A JPH10259390 A JP H10259390A JP 6659797 A JP6659797 A JP 6659797A JP 6659797 A JP6659797 A JP 6659797A JP H10259390 A JPH10259390 A JP H10259390A
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勝博 太田
Seiji Morita
聖二 森田
Akihiro Kuroda
明広 黒田
Hisaaki Kamiyama
久朗 神山
Yoshifumi Nosaka
佳史 野坂
Mitsuyuki Yajima
満之 矢島
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、野積み石炭山の発塵、降雨による
部分的崩壊等を確実に抑制することのできる被覆剤方法
を提供する。 【解決手段】 撥水性塗布剤中の界面活性剤含有量を、
野積み石炭中の細粒炭混合率に応じて、調整含有せしめ
た組成物を石炭山に被覆する野積み石炭の被覆方法であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、野積み石炭の表面
被覆方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、野積み石炭の発塵防止、あるいは
劣化および自然発火防止、更には豪雨による石炭の流出
防止、水分の変化防止等を目的として野積み石炭の被覆
剤として各種薬剤を散布する技術が提案されている。例
えば、特公昭60−48412号に開示されているごと
く、野積み石炭山にセメントミルクを散布コーティング
してセメント被膜を形成した後、耐水性樹脂水溶液を散
布コーティングする方法や、特公昭60−54349号
のごとくセメントミルクと高分子樹脂とを水に分散させ
た樹脂エマルジョンを石炭山に散布して硬化させる方法
が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特公昭60−4841
2号のごとく、石炭山にセメントミルクを散布コーティ
ングした後、樹脂水溶液を散布すると、石炭山の自然沈
下等による変形や内部熱、或いは自然熱に起因する応力
で、セメント被膜に容易に亀裂が発生する。この亀裂発
生により発塵し、樹脂水溶液を散布して撥水効果を付与
しても降雨等で亀裂部位より水分が侵入し、石炭山の部
分流出等が発生する。また、特公昭60−54349号
公報に記載の発明のようにセメントミルクと高分子樹脂
とを水に分散させた樹脂エマルジョンを石炭山に散布す
ると、セメント粒子が樹脂間に介在することになり、セ
メントによる高い被膜強度が得られず、石炭山の自然沈
下等による変形や内部熱、或いは自然熱に起因する応力
によって、容易に亀裂が発生し、このような亀裂発生に
よる発塵、或いは劣化および自然発火、更には降雨によ
る石炭の部分流出、水分の上昇等が発生することにな
り、コークス製造時(石炭乾留時)に燃料コストを高め
ることになる等の課題がある。更に、製鉄所等で用いら
れる石炭の粒径は年々細粒化する傾向にあり、それに伴
い野積み石炭山表面への被覆剤による被膜形成が困難に
なり、これら従来の被覆方法においては、薬剤機能を十
分に発揮できない炭種が増加しているのが現状である。
本発明は、このような課題を有利に解決するためなされ
たものであり、野積み石炭の発塵、降雨時の石炭流出等
を確実に防止することのできる野積み石炭の被覆方法を
提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明被覆剤の特徴とす
るところは、撥水性塗布剤中の界面活性剤含有量を、野
積み石炭中の細粒炭混合率に応じて、調整含有せしめた
組成物を石炭山に被覆することを特徴とする野積み石炭
の被覆方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】上記のごとき、撥水性塗布剤とし
ては、例えば酢酸ビニル系ポリマー、アクリル系ポリマ
ー、ビニリデン系ポリマー、ポリブテン系ポリマー、ス
チレン−ブタジエン系ポリマーの1種または2種以上か
らなる薬剤等が好適であるが、その他アクリルニトリル
−ブタジエン系ポリマー、メタアクリレート−ブタジエ
ン系ポリマー、アスファルトエマルジョン、エポキシ樹
脂エマルジョン、ウレタン樹脂エマルジョン、シリコン
樹脂エマルジョン等を主成分とする薬剤を用いることが
できる。更に、これら薬剤の単独重合体もしくは共重合
体エマルジョン等も用いることができ、これら薬剤の1
種あるいは2種以上を混合使用することもできる。この
ような成分系から構成する被覆剤を野積み石炭表面に被
覆することによって形成する被覆層(固結層)は、雨水
に対する耐水性を付与し、石炭山内への雨水浸透を著し
く抑制することができ、適用範囲量は固形分換算にして
薬剤総重量100重量部当たり2〜50重量部が好まし
い。
【0006】このような撥水性塗布剤は、雨水に対する
耐水性機能を発揮して野積み石炭中への雨水浸透を著し
く抑制し、石炭の部分的流出を防止することができる。
また、野積み石炭中へ十分浸透させることによって、強
固な被覆層を形成することができるので、強風時の細粒
炭の飛散による発塵を防止することができる。しかしな
がら、撥水性塗布剤を野積み石炭に散布被覆後、経時と
ともに被覆層に亀裂が発生することがある。しかして、
本発明者等が種々検討した結果、野積み石炭中の細粒炭
混合率によって、撥水性塗布剤の石炭中への浸透が変化
し、被覆層としての厚みが変化て被覆層厚が薄くなる
と、上記のごとく亀裂が発生することが明らかになっ
た。即ち、野積み石炭中の石炭粒径3mm以下の細粒炭
が50%以上混合されていると、撥水性塗布剤の石炭中
への浸透が少なくなり、撥水性塗布剤の被覆層が薄くな
って、経時とともに被覆層に亀裂が発生することが明ら
かになった。
【0007】このようなことから上記のごとき、撥水性
塗布剤中へ例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、第4級アンモ
ニウム塩、アルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキ
ルナフタレンスルフホン酸塩の1種または2種以上から
なる界面活性剤を添加した撥水性塗布剤を3mm以下の
細粒炭が50%以上混合する野積み石炭の表層へ被覆す
ることによって、撥水性塗布剤の野積み石炭山内への浸
透を促進して強固な皮膜層とすることができる。具体的
には例えば、野積み石炭中3mm以下の細粒炭の混合率
が50〜70%の石炭山表面に被覆する場合は、固形分
換算にして総重量100部当たり、界面活性剤を0.0
05〜0.05重量部、3mm以下の細粒炭の混合率が
70%超と細粒炭の混合率が高い野積み石炭表面に被覆
する場合は、固形分換算にして総重量100部当たり、
界面活性剤を0.025〜0.20重量部添加した撥水
性塗布剤を野積み石炭表面に0.5〜2.0l/m2
布被覆することによって、石炭山内へ確実に浸透させ、
0.4〜80mm層厚の固結被覆層を形成することがで
きる。かくして、被覆層の亀裂発生を確実に防止して、
発塵、雨水侵入による石炭の流出等を防止することがで
きるものである。また、上記のごとき界面活性剤の他、
例えば脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベ
ンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン
酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニル
エーテルジスルフォン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオ
キシエチレンアルキルまたはアルキルアリル硫酸エステ
ル塩、ナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物、ポリ
オキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエ
チレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン誘
導体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビ
トール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレン脂肪酸エステル、アルキルアルカノー
ルアミド、アルキルアミン塩、アルキルベタイン、アミ
ンオキサイド等が例示されるが、石炭には一般的にアニ
オン系が好ましい。
【0008】更に、前記のごとき撥水性塗布剤のエマル
ジョンの安定性を確保するために、増粘剤を添加するこ
とが有効である。その増粘剤としては例えば、ポリビニ
ルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース等の1種または2種以上を用いるこ
とができ、添加量としては固形分換算にして総重量10
0重量部あたり0.1〜20重量部が望ましい。中でも
ポリビニルアルコールはそれ自身が乾燥時に強靭な固結
層を形成するため、高い発塵防止効果が期待できる。添
加量が0.1重量部未満では、エマルジョンの安定化効
果が弱く、ポリビニルアルコール自身の石炭との密着効
果も弱くなり、発塵防止が確実にできないことがある。
一方、20重量部を超えると粘性が高くなり、石炭への
浸透性および流動性が悪化し、十分な固結層(被覆層)
の厚みを形成することが困難になることがあり、かつ散
布作業等も困難となる。また、このポリビニルアルコー
ルは水溶性樹脂であるため、コーティング後の降雨等に
よる溶出するおそれがあり、上記添加範囲にすることが
好ましい。
【0009】次に、野積み石炭に被覆した撥水性塗布剤
(固結被覆層)の撥水性を一層向上するため、撥水剤と
して例えば、前記のごとき撥水性塗布剤に他の成分と相
分離しないワックス類が好ましく、このような撥水剤と
してはパラフィンワックス、ポリエチレンワックス、マ
イクロクリスタリンワックスの1種または2種以上から
なるものが好適である。添加量としては、固形分換算に
して総重量100重量部当たり0.025〜0.2重量
部の添加によって、撥水性塗布剤の撥水性を一層高め、
野積み石炭中への水分の侵入をより確実に防止すること
ができる。このような本発明による野積み石炭への被覆
方法としては、一回当たりの被覆を石炭山表面1m2
たり、0.5〜2.0l散布することにより、確実に被
覆層の亀裂を防止することができる。また、複数回で
0.5〜2.0l/m2 被覆してもよく、更に事前にセ
メントミルク等の硬化剤により、石炭山表面に固結層を
形成した後、その表面に本発明による被覆方法により、
一層強固な被覆層を形成することができる。
【0010】
【実施例】次に、本発明の実施例を比較例とともに挙げ
る。
【表1】
【0011】
【表2】(表1のつづき)
【0012】
【表3】
【0013】注1:実施例被覆剤の撥水性塗布剤、界面
活性剤、増粘剤及び撥水剤のそれぞれ1種または2種以
上を表中の○印からなる(複数系からなるものは、何れ
も等分量)被覆剤を野積み石炭山にタンクローリーから
ノズル付きホースを介して散布被覆した。 注2:撥水性塗布剤A系は、酢酸ビニル系ポリマー、B
系は、アクリル系ポリマー、C系は、ビニリデン系ポリ
マー、D系は、ポリブテン系ポリマー、E系は、スチレ
ン−ブタジエン系ポリマー。 注3:界面活性剤A系は、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル、B系は、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン、C系は、第4級アンモニウム塩、D系は、アルキル
スルホコハク酸エステル塩、E系は、アルキルナフタレ
ンスルフホン酸塩。 注4:増粘剤A系は、ポリビニールアルコール、B系
は、ヒドロキシエチルセルローズ、C系は、カルボキシ
メチルセルロース。 注5:撥水剤A系は、パラフィンワックス、B系は、ポ
リエチレンワックス、C系は、マイクロクリスタリンワ
ックス。 注6:界面活性剤、増粘剤及び撥水剤の添加量は、薬剤
総重量100部当たりの、それぞれの固形分重量部であ
る。 注7:比較例1及び2は、セメントミルクのみを石炭山
に被覆、比較例3、4及び5は、セメントミルク被覆
後、樹脂(アクリル系高分子樹脂)を被覆(表示被覆量
は、トータル量でそれぞれ1/2被覆、重量部は固形分
換算)。 注8:石炭の種類は、エルクビュー炭の野積み石炭山
で、ほぼ円錐形、頂点高さほぼ15m、底部直径ほぼ3
6m、斜面勾配下向き40°。 注9:細粒炭比率は、野積み石炭山中3mm以下の石炭
粒子混合比率。 注10:石炭山被覆調査結果は、被覆剤散布固結後、直
径30mmのシリンダーを表面から押し付け、被覆層に
亀裂が発生したときの荷重で、被覆層強度を10段階評
価(0:悪⇔10:良)した。 注11:石炭含水量は、石炭山の被覆層直下〜1m内側
の石炭含水量を表示。但し、被覆6日目に24時間降雨
(10mm/hr)のため7日以降は、降雨後のデータ
である。
【0014】
【発明の効果】本発明の野積み石炭の被覆方法によれ
ば、石炭表面に樹脂被膜が形成され、石炭山の表面を強
靱、且つ疎水化する。従って、石炭山表面の亀裂発生を
防止し、発塵防止、あるいは石炭の自然発火防止、更に
は豪雨による石炭の流出・崩壊防止することができる。
また、石炭の水分含有を著しく抑制することが長期に渡
って保持することができるので、コークス製造時の燃料
コストを軽減することができる等の優れた効果が得られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 聖二 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 (72)発明者 黒田 明広 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 (72)発明者 神山 久朗 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 (72)発明者 野坂 佳史 新潟県西頸城郡青海町大字青海2209番地 電気化学工業株式会社青海工場内 (72)発明者 矢島 満之 愛知県東海市東海町1丁目1番1号 東海 商事株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撥水性塗布剤中の界面活性剤含有量を、
    野積み石炭中の細粒炭混合率に応じて、調整含有せしめ
    た組成物を石炭山に被覆することを特徴とする野積み石
    炭の表面被覆方法。
  2. 【請求項2】 増粘剤を含有せしめた組成物を石炭山に
    被覆することを特徴とする請求項1に記載の野積み石炭
    の表面被覆方法。
  3. 【請求項3】 撥水剤を含有せしめた組成物を石炭山に
    被覆することを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載の野積み石炭の表面被覆方法。
  4. 【請求項4】 撥水性塗布剤として、酢酸ビニル系ポリ
    マー、アクリル系ポリマー、ビニリデン系ポリマー、ポ
    リブテン系ポリマー、スチレン−ブタジエン系ポリマー
    の1種または2種以上からなる組成物を石炭山に被覆す
    ることを特徴とする請求項1または請求項2請求項3に
    記載の野積み石炭の表面被覆方法。
  5. 【請求項5】 界面活性剤として、ポリオキシエチレン
    アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミ
    ン、第4級アンモニウム塩、アルキルスルホコハク酸エ
    ステル塩、アルキルナフタレンスルフホン酸塩の1種ま
    たは2種以上からなる組成物を石炭山に被覆することを
    特徴とする請求項1または請求項2または請求項3また
    は請求項4に記載の野積み石炭の表面被覆方法。
  6. 【請求項6】 増粘剤として、ポリビニールアルコー
    ル、ヒドロキシエチルセルローズ、カルボキシメチルセ
    ルロースの1種または2種以上からなる組成物を石炭山
    に被覆することを特徴とする請求項1または請求項2ま
    たは請求項3または請求項4または請求項5に記載の野
    積み石炭の表面被覆方法。
  7. 【請求項7】 撥水剤として、パラフィンワックス、ポ
    リエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックスの
    1種または2種以上からなる組成物を石炭山に被覆する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項
    3または請求項4または請求項5または請求項6に記載
    の野積み石炭の表面被覆方法。
  8. 【請求項8】 3mm以下の細粒炭を50%以上混合す
    る石炭山に組成物を被覆することを特徴とする請求項1
    または請求項2または請求項3または請求項4または請
    求項5または請求項6または請求項7に記載の野積み石
    炭の表面被覆方法。
  9. 【請求項9】 界面活性剤、増粘剤、撥水剤及び水を含
    有する撥水性塗布剤を石炭山に0.5〜2.0l/m2
    被覆し、0.4〜80mmの固結被覆層を形成すること
    を特徴とする請求項1または請求項2または請求項3ま
    たは請求項4または請求項5または請求項6または請求
    項7または請求項8に記載の野積み石炭の表面被覆方
    法。
  10. 【請求項10】 3mm以下の細粒炭を50〜70%混
    合する石炭山に撥水性塗布剤中の界面活性剤を0.00
    5〜0.05%含有せしめた組成物を被覆することを特
    徴とする請求項1または請求項2または請求項3または
    請求項4または請求項5または請求項6または請求項7
    または請求項8または請求項9に記載の野積み石炭の表
    面被覆方法。
  11. 【請求項11】 3mm以下の細粒炭を70%超混合す
    る石炭山に撥水性塗布剤中の界面活性剤を0.025〜
    0.20%含有せしめた組成物を被覆することを特徴と
    する請求項1または請求項2または請求項3または請求
    項4または請求項5または請求項6または請求項7また
    は請求項8または請求項9または請求項10に記載の野
    積み石炭の表面被覆方法。
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