JPH10306190A - 粉粒状堆積物の流出防止剤 - Google Patents

粉粒状堆積物の流出防止剤

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JPH10306190A
JPH10306190A JP6766498A JP6766498A JPH10306190A JP H10306190 A JPH10306190 A JP H10306190A JP 6766498 A JP6766498 A JP 6766498A JP 6766498 A JP6766498 A JP 6766498A JP H10306190 A JPH10306190 A JP H10306190A
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Seiji Morita
聖二 森田
Akihiro Kuroda
明広 黒田
Hisaaki Kamiyama
久朗 神山
Yoshifumi Nosaka
佳史 野坂
Mitsuyuki Yajima
満之 矢島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粉粒状堆積物に固結層を形成し、降雨等によ
る粉粒状堆積物の流出防止に優れた流出防止剤を提供す
る。 【解決手段】 ポリビニルアルコール1〜10重量部、
エチレン−酢酸ビニル共重合体2〜40重量部、溌水剤
0.025〜2重量部、アルキルスルホコハク酸塩、ア
ルキルナフタレンスルホン酸塩およびアルキルベンゼン
スルホン酸塩より選ばれる1種または2種以上からなる
アニオン系湿潤浸透剤0.025〜0.2重量部および
水45〜97重量部を含有してなる粉粒状堆積物の流出
防止剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉粒状堆積物の流
出防止剤に関し、詳しくは粉粒状堆積物に固結層を形成
し、降雨等による粉粒状堆積物の崩れおよび流出防止に
優れた流出防止剤に関する。
【0002】
【従来の技術】石炭類などの粉粒状堆積物はコンベアー
で搬送され、スタッカー等により屋外貯蔵ヤードに山積
貯蔵されるのが一般的である。これら粉粒状堆積物は、
乾燥時には風により飛散して粉塵を発生するほか、降雨
による雨水が浸透して含水率が上昇し、崩れ流れる場合
がある。
【0003】従来、粉粒状堆積物の崩れおよび流出を防
止するために、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂等の
エマルジョン、あるいはゴムラテックス等をコーティン
グ剤として、堆積物に散布して粉粒状堆積物の表面を固
める方法(特開昭49−31589号公報)、微粉砕し
たセメント水溶液を散布した後、酢酸ビニル樹脂、アク
リル樹脂、ポリエチレン、飽和ポリエステル等の樹脂水
溶液を散布して粉粒状堆積物の表面を固める方法(特開
昭58−45285号公報)、ポリビニルアルコール水
溶液と硬化剤とから成るコーティング剤を散布し乾燥さ
せて固結層(コーティング剤が堆積粒子を固結した層)
を形成させる方法(特開昭61−236866号公
報)、白色粉末を含有する樹脂溶液を散布しコーティン
グ皮膜を形成する方法(特開平3−157492号公
報)、樹脂と着色剤とからなる表面処理剤を散布する方
法(特開平3−138208号公報)、エチレン−酢酸
ビニル共重合体エマルジョンを主剤とした液状組成物を
散布する方法(特開昭48−40209号公報)などが
提案されている。
【0004】しかしながら、従来の方法では、固結層の
形成が十分でなかったり、或いは形成された固結層にお
ける雨水の浸透抑制効果が十分でなかったり、施行に手
間がかかるなどの問題点があった。なかでもエチレン−
酢酸ビニル共重合体エマルジョンを主材とした流出防止
剤は、エチレン−酢酸ビニル共重合体の優れた耐水性と
接着性により表面の堆積物をよく結合し、雨水に対して
も散布当初は優れた耐久力を示すが、耐久性に乏しい欠
点があり、散布してからしばらくすると流出防止効果が
なくなる欠点がありその改良が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な従
来技術の欠点を改善するためになされたものであり、粉
粒状堆積物に、該粉粒状堆積物の粉粒体と流出防止剤と
からなる固結層を形成し、降雨による粉粒状堆積物の崩
れおよび流出防止に優れた効果を有する流出防止剤を提
供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、ポリビ
ニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、溌水
剤、アニオン系湿潤浸透剤の各成分の合計3.05〜5
2.2重量部および水45〜97重量部を含有してなる
ことを特徴とする粉粒状堆積物の流出防止剤である。
【0007】特に、本発明は、ポリビニルアルコール1
〜10重量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体2〜40
重量部、溌水剤0.025〜2重量部、アニオン系湿潤
浸透剤0.025〜0.2重量部および水45〜97重
量部を含有してなる粉粒状堆積物の流出防止剤が好まし
い。
【0008】また、前記アニオン系湿潤浸透剤が、アル
キルスルホコハク酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸
塩およびアルキルベンゼンスルホン酸塩より選ばれる1
種または2種以上からなるものが好ましい。前記溌水剤
の含有量は、0.025〜0.2重量部含有されている
のが好ましい。また、前記粉粒状堆積物が野積石炭堆積
物、又は野積鉄鉱石堆積物であるのが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、粉粒状堆積物の流出防止剤であって、ポリビ
ニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、溌水
剤、アニオン系湿潤浸透剤および水を含有してなること
を特徴とする。
【0010】本発明の流出防止剤において使用されるポ
リビニルアルコール(以下PVAという)は、粉粒状堆
積物に、該粉粒状堆積物の粉粒体と流出防止剤とからな
る強固な固結層を形成する役割を果たすとともに、PV
Aが固結層に流入した雨水を保持し、固結層下に存在す
る粉粒状堆積物へ流入する水量を少なくすることにより
粉粒状堆積物の崩れ、流出防止に効果を示す。また、強
固な固結層を形成することにより紛塵発生の防止にも効
果を示す。
【0011】PVAと同じ水溶性高分子にメチルセルロ
ースやヒドロキシエチルセルロースがある。しかし、メ
チルセルロースは水溶液の状態で分離しやすく作業性に
支障を生じ、堆積物の崩れ、流出防止効果が小さくな
り、またヒドロキシメチルセルロースはその皮膜強度が
小さいことから堆積物の崩れ防止効果が弱く、いずれも
好ましくない。しかし、PVAの効果を阻害しない程度
の少量を添加することが出来る。
【0012】PVAとしては、特に制限はなく通常のP
VAを用いることができ、例えば脂肪酸ビニルエステル
の1種または2種以上を重合して得られる単独重合体ま
たは共重合体、もしくは他の共重合可能な単量体との共
重合体などを鹸化して得られるPVA、或いはこれらの
PVAを変性した変性PVAが挙げられる。上記PVA
において、共重合可能な他の単量体としては、例えばエ
チレン、プロピレンなどのオレフィン類:アクリル酸、
メタクリル酸、クロトン酸などの重合性モノカルボン酸
類:マレイン酸、イタコン酸などの重合性ジカルボン酸
類:無水マレイン酸などの重合性ジカルボン酸無水物:
重合性モノカルボン酸類や重合性ジカルボン酸類のエス
テル類、塩類:アクリルアミド、メタクリルアミドなど
の重合性酸アミド類:アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チルなどのアクリル酸エステル類:メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチルなどのメタクリル酸エステル
類:アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレ
ートなどのグリシジル基を有する単量体:アルキルビニ
ルエーテル類などが挙げられる。
【0013】PVAの鹸化度は、70〜100モル%が
好ましい。70モル%未満では、PVAの親水性が低く
なるため液状組成物とするための溶解性が低下し、良好
な皮膜性が得られなくなる場合がある。
【0014】PVAの数平均分子量(GPC法による)
は、10000〜100000が好ましい。10000
未満では、得られる皮膜強度が小さく、かつ耐水性も劣
る。一方、100000を超えると、高粘度液となるた
め、粉粒状堆積物へ散布する時の作業性に支障をきたす
場合がある。
【0015】本発明に使用するPVA量は、粉粒状堆積
物に固結層を形成するのに必要な量であり、通常無水物
換算で1〜10重量部、好ましくは1.5〜5重量部が
望ましい。1重量部未満では十分な固結層を形成するこ
とができず、10重量部を越えると粘度が上昇し散布が
困難となる。
【0016】次に、本発明の流出防止剤において使用さ
れるエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下EVAとい
う)は、固結層の形成に効果があるとともに、形成され
た固結層に雨水に対する耐性を与えるとともに、粉粒状
堆積物への雨水の浸透抑制に効果を示す。EVAは、エ
チレンと酢酸ビニルとを加圧下で乳化重合して得られる
EVAエマルジョンが好適である。共重合比率は重量比
でエチレン:酢酸ビニル=10:90〜50:50が好
適に使用される。更に第3モノマーとして、アクリル酸
エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル以外のビ
ニルエステル、スチレン、塩化ビニルなど共重合可能な
モノマーを共重合させても良い。
【0017】本発明に使用するEVA量は、粉粒状堆積
物への雨水の浸透抑制に効果を示す量であり、通常無水
物換算で2〜40重量部、好ましくは4〜20重量部が
望ましい。2重量部未満では固結層の耐性、雨水の浸透
抑制ともに十分でない。40重量部を越えると粘度が上
昇し浸透性が低下すると共に粘度が上昇し散布が困難と
なる。
【0018】次に、本発明の流出防止剤に使用する溌水
剤は、粉粒状堆積物の主に表層に撥水性を与え、粉粒状
堆積物への雨水の浸透抑制効果を示す。溌水剤として
は、撥水効果だけでなく他の成分と相分離することのな
いものが良く、例えばワックス類が好ましい。ワックス
類としては、例えば、パラフィンワックス、ポリエチレ
ンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルバナ
ワックス、高級脂肪酸エステルなどが挙げられ、中でも
乳化型のパラフィンワックスエマルジョンなどが好まし
い。
【0019】本発明に使用する溌水剤量は、粉粒状堆積
物に撥水性を与えるのに必要な量であり、通常無水物換
算で0.025〜2重量部が好ましく、更に好ましくは
0.025〜0.2重量部である。0.025重量部未
満では撥水性の効果がなく、2重量部を越えると溌水性
が強くなりすぎ散布した際にはじきなどにより均一な皮
膜の形成に支障をきたすようになる。
【0020】次に、本発明に使用するアニオン系湿潤浸
透剤は、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルナフタレ
ンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩より選
ばれる1種または2種以上からなるものが用いられる。
アニオン系湿潤浸透剤は、粉粒状堆積物に対して浸透効
果が強く、流出防止剤の表面張力を低減し、粉粒状堆積
物との濡れ性を改良し、流出防止剤の粉粒状堆積物への
浸透性を良くする。その結果、粉粒状堆積物への固結層
の形成に重要な役割を果たす。上記アニオン系湿潤浸透
剤を添加しないと、流出防止剤は粉粒状堆積物に十分浸
透せず表面あるいは表面に近いところに止まるため、薄
い皮膜にしかならず、耐久性に欠ける結果となる。ま
た、前述のアニオン系湿潤浸透剤以外の湿潤浸透剤、或
いは界面活性剤を用いても、十分な効果を得ることが出
来ない。
【0021】アルキルスルホコハク酸塩としては、ジア
ルキルスルホコハク酸ナトリウムが好ましい。アルキル
ナフタレンスルホン酸塩としては、アルキルナフタレン
スルホン酸ナトリウムが好ましい。アルキルベンゼンス
ルホン酸塩としては、アルキルベンゼンスルホン酸ナト
リウムが好ましい。上記アニオン系湿潤浸透剤の中で
は、アルキルスルホコハク酸塩が好ましく、特にジアル
キルスルホコハク酸ナトリウムが好ましい。
【0022】本発明に使用するアニオン系湿潤浸透剤の
量は、流出防止剤の粉粒状堆積物への浸透性を良くする
のに必要な量であり、通常無水物換算で0.025〜
0.2重量部、好ましくは0.035〜0.1重量部が
望ましい。0.025重量部未満では流出防止剤の粉粒
状堆積物への浸透性の効果がなく、0.2重量部を越え
て添加すると浸透力の点では問題ないが、皮膜の耐水性
が低下する。
【0023】本発明に使用する水の量は、堆積物の全表
面に対して均一に散布するのに必要な量であり、通常4
5〜97重量部、好ましくは75〜95重量部が望まし
い。45重量部未満では均一に散布することが出来ず、
97重量部を越えて添加すると固結層の形成、雨水の浸
透抑制が低下する。
【0024】本発明の流出防止剤は、上記のPVA、E
VA、溌水剤、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルナ
フタレンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩
より選ばれる1種または2種以上のアニオン系湿潤浸透
剤および水を必須成分とするが、その他の成分としてア
クリル樹脂など他の合成樹脂エマルジョン、アルミナセ
メント、コールタールやアスファルトタールを市販の乳
化剤で乳化した乳化液などを、粉粒状堆積物への雨水の
浸透抑制などの目的に必要に応じて併用することも出来
る。また、添加剤として、消泡剤、着色顔料などを適宜
添加することも出来、その場合添加量に応じて水の量を
調整することにより対応する事ができる。
【0025】それ等のその他の成分の添加量は、本発明
の流出防止剤の機能を妨げない範囲であれば特に制限は
ないが、通常20重量部以下が好ましい。
【0026】本発明の流出防止剤の製造方法は、撹拌機
付きの混合槽に原料のPVA、EVAエマルジョン、溌
水剤、アニオン系湿潤浸透剤および水を添加、混合する
事によって得る事ができる。この場合溶解しにくいPV
Aは水溶液の形で添加すると短時間で混合する事ができ
る。水の量は各成分が水溶液の状態の場合には、その水
分量を含めて適宜調整される。
【0027】本発明の流出防止剤の配合割合は、ポリビ
ニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、溌水
剤、アニオン系湿潤浸透剤の各成分の合計3.05〜5
2.2重量部(無水物換算)および水45〜97重量部
を含有する組成からなる。
【0028】さらに具体的には、各々を無水物換算で、
PVA1〜10重量部、好ましくは1.5〜5重量部
と、EVA2〜40重量部、好ましくは4〜20重量部
と、溌水剤0.025〜2重量部、好ましくは0.02
5〜0.2重量部と、アニオン系湿潤浸透剤0.025
〜0.2重量部、好ましくは0.035〜0.1重量部
と、および水45〜97重量部、好ましくは75〜95
重量部とを添加する。実際には、例えばEVAはEVA
エマルジョンとして水と共に添加されるのでその場合エ
マルジョン中の水の量を含んだ量が全体の水の量とな
る。
【0029】本発明の流出防止剤の散布対象となる粉粒
状堆積物とは、石炭や鉄鉱石の堆積物、特に野積石炭堆
積物、野積鉄鉱石堆積物、コークスなどの粉粒状堆積物
や、道路の法面をさす。これら粉粒状堆積物に本発明の
流出防止剤を用いると、粉塵を防止し、降雨による崩
れ、流出防止に効果がある。
【0030】本発明の流出防止剤は粉粒状堆積物に対し
て、堆積物lm2 当たり固形分(水分を除いた残りの組
成物をさす)として約50〜500g散布するのが良
い。その際、散水車などを用いて、堆積物の全表面に対
して均一に散布することが出来る。コーティング剤の散
布は1回だけでもよいが、複数回行っても良い。また、
粉粒状堆積物が濡れている場合でも散布は可能である。
散布する際の流出防止剤の水分の割合、或いは固形分の
割合は特に限定されず散布することができればよい。固
形分を高く40〜50重量%で流出防止剤を製造し、実
際に散布する際に水で希釈して固形分を10重量%ある
いは15重量%にしてもよい。あるいは最初からその様
な固形分の割合のものを製造し希釈することなく散布し
ても問題ない。粉粒状堆積物が乾燥している場合は固形
分を比較的低くし、逆に水分が多い場合は固形分を高く
すると比較的均一な皮膜をうる事ができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例により具
体的に説明する。ただし、%は特に説明のないかぎり、
重量基準とする。
【0032】実施例1 20リットルの撹拌機付き溶解槽に濃度5%のPVA
(電気化学工業株式会社製のB−12F、鹸化度88モ
ル%、平均分子量58000)水溶液36重量部(PV
Aとして1.8重量部)、EVA(電気化学工業株式会
社製のデンカEVA#81、樹脂分56%)12.5重
量部(樹脂分として7.0重量部)、溌水剤(一方社油
脂工業社製のスーパーサイズN−77Cパラフィンワッ
クス)0.05重量部、アニオン系湿潤浸透剤(ジアル
キルスルホコハク酸ナトリウム)0.04重量部、およ
び水51.41重量部を添加し、良く撹拌混合し、流出
防止剤を製造した。この時の全体の重量は1500gで
あり、その組成は全体を100重量部としたとき、PV
Al.8重量部、EVA7重量部、溌水剤0.05重量
部、アニオン系湿潤浸透剤0.04重量部、水91.1
1重量部であった。
【0033】(粉粒状堆積物の崩れ、流出防止試験)高
さ8cm、底面半径22cm、傾斜角度36°、表面積
約470cm2 の円錐状石炭山(石炭種:エルクビュ
ー)の表面に該流出防止剤100重量部を、霧吹き器に
て1.01/m2 散布し、1日放置した。次いで、じょ
うろにて2Om1/秒の速度で水を160ml散布し水
散布後の石炭山の表層状態および崩れ、流出の有無を観
察するとともに、傾斜角度を高さと底面半径の比から求
めた。その試験結果を表3、4に記載した。
【0034】(粉粒状堆積物に形成される固結層の保水
量および水の浸透速度試験)石炭(石炭種:エルクビュ
ー、粒度3mmφ下が63.3%)400gに該流出防
止剤を12gを添加混合し、1日風乾した。次に、アク
リル樹脂製の筒(内径9cm)を金網(目開き3mm)
の上に置き、筒の中に流出防止剤を添加混合した石炭を
400gr入れた後、じょうろにて20m1/秒の速度
で水を600ml散布した。次いで、散布された水量と
金網を通過した水の量との差から固結層の保水量を、ま
た、水が石炭を浸透するまでの時間から固結層への水の
浸透速度を求めた。その試験結果を表3、4に記載し
た。
【0035】実施例2〜3 実施例1で使用した流出防止剤の配合量を表1のように
変えた以外は、実施例1と同様に試験を行った。その試
験結果を表3に示す。
【0036】実施例4 実施例1で使用した流出防止剤の中で、湿潤浸透剤をジ
アルキルスルホコハク酸ナトリウムからアルキルナフタ
レンスルホン酸ナトリウムに変えた以外は、実施例1と
同様に試験を行った。その試験結果を表3に示す。
【0037】実施例5 実施例1で使用した流出防止剤の中で、湿潤浸透剤をジ
アルキルスルホコハク酸ナトリウムからアルキルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウムに変えた以外は、実施例1と同
様に試験を行った。その試験結果を表3に示す。
【0038】実施例6 底面が100m×30mの長方形で、高さが15mの野
積石炭堆積物(粒径3mm以下の粒子が63.3%の石
炭(エルクビュー)を使用した)の表面に実施例1の流
出防止剤を1平方メートル当たり約1.3リットルの割
合で散水車を用いて散布した。散布時の作業性は良好で
あった。散布1日後の表層強度は約1100g、表層の
含水率は約2.2%であった。散水後4日目、7日目及
び13日目に降雨があり、散水後14日目の表層の含水
率は約4%まで上昇したが、表層強度は約2000gま
で上昇し、該野積石炭堆積物の表面には殆ど亀裂もな
く、また崩れもみられなかった。
【0039】表層強度はバネ式テンションゲージを表層
に垂直に当て、そのまま表層に穴があくまで押して測定
した。また、含水率は表層を105℃の乾燥機で4時間
乾燥させ、蒸発分を含水率とした。
【0040】実施例7 底面が80m×20mの長方形で、高さが10mの野積
鉄鉱石堆積物(平均粒度が0.28mmの鉄鉱石(キャ
ロル)を使用した)の表面に実施例6と同様に実施例1
の流出防止剤を散布した。散水後3日目、9日目に降雨
があったが、散水後14日目の該野積鉄鉱石堆積物の表
面には殆ど亀裂もなく、また崩れもみられなかった。
【0041】比較例1 流出防止剤を使用しなかったこと以外は、実施例1と同
様に試験を行った。その試験結果を表4に示す。
【0042】比較例2〜6 実施例1で使用した流出防止剤の配合量を表2のように
変えた以外は、実施例1と同様に試験を行い、その試験
結果を表4に記載した。
【0043】比較例7 実施例1に示す流出防止剤の中で、湿潤浸透剤をアニオ
ン系湿潤浸透剤(ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル硫酸ナトリウム)に変えた以外は、実施例1と
同様に試験を行い、その試験結果を表4に記載した。
【0044】比較例8 実施例1に示す流出防止剤の中で、湿潤浸透剤をノニオ
ン系湿潤浸透剤(ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル)に変えた以外は、実施例1と同様に試験を行
い、その試験結果を表4に記載した。
【0045】比較例9 実施例1に示す流出防止剤の中で、PVAの代わりにヒ
ドロキシエチルセルロースを使用した以外は、実施例1
と同様に試験を行い、その試験結果を表4に記載した。
【0046】比較例10 実施例1に示す流出防止剤の代わりに、アクリル系樹脂
エマルジョンを使用した以外は、実施例1と同様に試験
を行い、その試験結果を表4に記載した。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の流出防止剤
は合成樹脂エマルジョンを用いた水系の流出防止剤であ
るため環境への悪影響が少ない。また、耐候性および耐
光性に富むため散布後も効果が持続する。また、浸透力
が強いため粉粒状堆積物に浸透して堆積物の表面に強固
に結合する。従来エマルジョンを用いた流出防止剤はあ
ったが浸透力が弱いため、堆積物の表面に流出防止剤だ
けの皮膜をつくっていたが、それに比較して本発明の流
出防止剤は粉粒状堆積物に浸透し堆積物を強固に結合
し、降雨による粉粒状堆積物の崩れおよび流出防止に優
れた効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 聖二 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 (72)発明者 黒田 明広 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 (72)発明者 神山 久朗 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 (72)発明者 野坂 佳史 新潟県西頸城郡青海町大字青海2209番地 電気化学工業株式会社青海工場内 (72)発明者 矢島 満之 愛知県東海市東海町1丁目1番1号 東海 商事株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸
    ビニル共重合体、溌水剤、アニオン系湿潤浸透剤の各成
    分の合計3.05〜52.2重量部および水45〜97
    重量部を含有してなることを特徴とする粉粒状堆積物の
    流出防止剤。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアルコール1〜10重量部、
    エチレン−酢酸ビニル共重合体2〜40重量部、溌水剤
    0.025〜2重量部、アニオン系湿潤浸透剤0.02
    5〜0.2重量部および水45〜97重量部を含有して
    なる請求項1記載の粉粒状堆積物の流出防止剤。
  3. 【請求項3】 前記アニオン系湿潤浸透剤が、アルキル
    スルホコハク酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩お
    よびアルキルベンゼンスルホン酸塩より選ばれる1種ま
    たは2種以上からなる請求項1または2記載の粉粒状堆
    積物の流出防止剤。
  4. 【請求項4】 前記溌水剤が0.025〜0.2重量部
    含有されている請求項1または2記載の粉粒状堆積物の
    流出防止剤。
  5. 【請求項5】 前記粉粒状堆積物が野積石炭堆積物であ
    る請求項1乃至4のいずれかの項に記載の流出防止剤。
  6. 【請求項6】 前記粉粒状堆積物が野積鉄鉱石堆積物で
    ある請求項1乃至4のいずれかの項に記載の流出防止
    剤。
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JP2016108364A (ja) * 2014-12-02 2016-06-20 住友精化株式会社 α−オレフィン−酢酸ビニル系エラストマー粒子のアニオン性水性分散体、その製造方法、成形体、及び、レゾルシン−ホルマリン−ラテックス接着剤

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