JP2002275428A - 粉粒状堆積物の着色表面被覆剤及び着色表面被覆方法 - Google Patents

粉粒状堆積物の着色表面被覆剤及び着色表面被覆方法

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JP2002275428A
JP2002275428A JP2001082538A JP2001082538A JP2002275428A JP 2002275428 A JP2002275428 A JP 2002275428A JP 2001082538 A JP2001082538 A JP 2001082538A JP 2001082538 A JP2001082538 A JP 2001082538A JP 2002275428 A JP2002275428 A JP 2002275428A
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Japan
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emulsion
mass
colored surface
coating agent
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JP2001082538A
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Hiroki Yamamoto
広記 山本
Koichi Shimizu
晃一 清水
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粉粒状堆積物の乾燥時の飛散防止、降雨に対
する崩れ・流出防止及び耐色落ち性に優れた効果を有す
る粉粒状堆積物の着色表面被覆剤を提供する。 【解決手段】 特定量の水性エマルジョン、撥水剤、湿
潤浸透剤及び着色剤を含有する被覆剤組成物は、表面強
度や散水後の表面強度、散布後の着色性及び散水後の耐
色落ち性にも優れるので、粉粒状堆積物の着色表面被覆
剤として好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、野積み石炭、鉱石
等の粉粒状堆積物の飛散防止や流出防止の効果を有する
着色した表面被覆剤及びその表面被覆方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】製鉄所等における石炭や鉱石類などの粉
粒状堆積物は各種類毎に、コンベアーで搬送され、スタ
ッカー等により屋外貯蔵ヤードに山積貯蔵されるのが一
般的である。これら粉粒状堆積物は、乾燥時には風によ
り飛散して粉塵を発生するほか、降雨等により雨水が浸
透して含水量が上昇して、崩れ流れることや含水量の増
加によるエネルギーロス等の問題が生じる。
【0003】粉粒状堆積物のこの崩れや流出を防止する
ために、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂等のエマル
ジョン、あるいはゴムラテックス等をコーティング剤と
して、堆積物に散布して粉粒状堆積物の表面を固める方
法(特開昭49−31589号公報)、微粉砕したセメ
ント水溶液を散布した後、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹
脂、ポリエチレン、飽和ポリエステル等の樹脂水溶液を
散布して粉粒状堆積物の表面を固める方法(特開昭58
−45285号公報)、ポリビニルアルコール水溶液と
硬化剤とから成るコーティング剤を散布し乾燥させて固
結層(コーティング剤が堆積粒子を固結した層)を形成
させる方法(特開昭61−236866号公報)、エチ
レン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョンを主剤とした
液状組成物を散布する方法(特開昭48−40209号
公報)、ポリビニルアルコール、重合体エマルジョン、
湿潤浸透剤、撥水剤を含有する流出防止剤(特開平10
−306190号公報)、特定の表面張力及び乾燥被膜
の耐水溶出率である流出防止剤(特開2000−803
56号公報)などが提案されている。通常の風雨に対し
て、これらの方法はかなり良好な飛散防止や流出防止効
果を有し、既に実用化されているものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】また、各種の石炭や鉱
石等の粉粒状堆積物を貯蔵する製鉄所等においては、広
大な原料ヤードにある粉粒状堆積物群の中から目標の原
料種を効率的かつ、正確に探し出すための工夫が求めら
れている。その手段として、着色した表面被覆剤を散布
する方法、例えば、白色粉末を含有する樹脂溶液を散布
しコーティング皮膜を形成する方法(特開平3−157
492号公報)、樹脂と着色剤とからなる表面処理剤を
散布する方法(特公平5−45486号公報)が提案さ
れている。これら方法により、粉粒状堆積物は着色する
ことができるが、降雨に対する耐色落ち性や粉粒状堆積
物の飛散防止や流出防止効果が不十分であり、頻繁に着
色剤を散布しなければならない課題が残されていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、この様な従来
技術の課題を改善するためになされたものであり、粉粒
状堆積物に、該粉粒状堆積物の粉粒体と着色表面被覆剤
剤とからなる結合層を形成し、降雨に対する耐色落ち
性、粉粒状堆積物中の含水量の増加防止や崩れ・流出防
止及び乾燥時の飛散防止に対して優れた効果を有する粉
粒状堆積物の着色表面被覆剤を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】すなわち本発明の第一は水性エマ
ルジョン、撥水剤、湿潤浸透剤、及び着色剤を含有する
ことを特徴とする粉粒状堆積物の着色表面被覆剤であ
る。
【0007】第二は第一の形態にさらに分散剤を含有と
することを特徴とする粉粒状堆積物の着色表面被覆剤で
ある。
【0008】第三は着色剤が体質顔料50〜100質量
%、着色顔料0〜50質量%からなることを特徴とする
第一、及び第二の発明の着色表面被覆剤である。
【0009】第四は着色剤の各成分の比表面積と配合量
との積の合計値(単位:m2)に対して、0.001〜
1倍量の分散剤を配合することをを特徴とする第一〜第
三の発明の着色表面被覆剤である。
【0010】第五は水性エマルジョンが、酢酸ビニル系
エマルジョン、酢酸ビニル共重合体系エマルジョン、ア
クリル系エマルジョン、ビニリデン系エマルジョン、ポ
リブテン系エマルジョン、スチレン−ブタジエン系エマ
ルジョンの1種または2種以上であることを特徴とする
第一〜第四の発明の着色表面被覆剤である。
【0011】第六は水性エマルジョンが、エチレン5〜
40質量%、酢酸ビニル95〜60質量%、これらと共
重合可能な単量体0〜40質量%からなるエチレンー酢
酸ビニル共重合体であることを特徴とする第一〜第五の
発明の着色表面被覆剤である。
【0012】第七は粉粒状堆積物に水性エマルジョン、
撥水剤、湿潤浸透剤を含有する表面被覆剤を散布した
後、第一〜第六の発明のいずれかの着色表面表面被覆剤
を散布することを特徴とする着色された表面被覆方法で
ある。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における着色表面被覆剤に使用される水性エマル
ジョンとしては酢酸ビニル系エマルジョン、酢酸ビニル
共重合体系エマルジョン、アクリル酸エステル系エマル
ジョン、スチレンアクリル酸エステル共重合体系エマル
ジョン、エチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョ
ン、スチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン、ビニ
リデン系エマルジョン、ポリブテン系エマルジョン、ア
クリルニトリル−ブタジエン系エマルジョン、メタアク
リレート−ブタジエン系エマルジョン、アスファルトエ
マルジョン、エポキシ樹脂エマルジョン、ウレタン樹脂
エマルジョン、シリコン樹脂エマルジョン等がある。好
ましくは、酢酸ビニル系エマルジョン、酢酸ビニル共重
合体系エマルジョン、アクリル系エマルジョン、ビニリ
デン系エマルジョン、ポリブテン系エマルジョン、スチ
レン−ブタジエン系エマルジョンであり、特にエチレン
−酢酸ビニル系共重合体エマルジョン(以下「EVAエ
マルジョン」という。)は粉粒状堆積物との優れた接着
性や成膜性等により結合層の形成に効果があるととも
に、形成された結合層に雨水に対する耐性を与えると共
に、粉粒状堆積物への雨水の浸透抑制に効果を有するの
で好ましい。適用範囲量は固形分換算にして着色表面被
覆剤総質量100質量部当たり2〜28質量部が好まし
い。勿論、これら水性エマルジョンの1種あるいは2種
以上を混合使用することもできる。
【0014】EVAエマルジョンは市販のものを使用で
きるが、特にEVAエマルジョン中のエチレン−酢酸ビ
ニル系共重合体の組成が重量比でエチレン:酢酸ビニル
=5:95〜40:60のものが好適に使用される。更
に、第3モノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸等
のモノカルボン酸やそのエステル、マレイン酸やイタコ
ン酸等のジカルボン酸、無水物、エステル、酢酸ビニル
以外のビニルエステル、塩化ビニル等のハロゲン系ビニ
ル、スチレン等の芳香族系ビニル、トリアリルシアヌレ
ートのような多官能単量体、アクリルアミドのようなア
ミド類などの共重合可能な単量体を共重合させたものも
使用することができる。
【0015】本発明における撥水剤としては、撥水効果
だけではなく他の成分と相分離することのないものが良
く、例えばワックス類が好ましい。ワックス類として
は、例えば、パラフィンワックス、ポリエチレンワック
ス、マイクロクリスタリンワックス、カルバナワック
ス、高級脂肪酸エステルなどが挙げられ、中でも乳化型
のパラフィンワックスエマルジョンなどが好ましい。添
加量としては、着色表面被覆剤中に0.01〜2質量部
の添加によって、着色用表面被覆剤の撥水性を一層高
め、野積み石炭中への水分の侵入をより確実に防止する
ことができる。
【0016】このような撥水剤は、雨水に対する耐水性
機能を発揮して野積み石炭中への雨水浸透を著しく抑制
し、石炭の部分的流出を防止することができる。また、
野積み石炭中へ十分浸透させることによって、強固な被
覆層を形成することができるので、強風時の細粒炭の飛
散による発塵を防止することができる。
【0017】本発明における湿潤浸透剤としては、脂肪
酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスル
フォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、アル
キルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジ
スルフォン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレ
ンアルキルまたはアルキルアリル硫酸エステル塩、ナフ
タレンスルフォン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチ
レンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエー
テル、ポリオキシエチレン誘導体、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、
グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸
エステル、アルキルアルカノールアミド、アルキルアミ
ン塩、アルキルベタイン、アミンオキサイド等が例示さ
れるが、好ましくは、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン、第4級アンモニウム塩、アルキルスルホコハク酸エ
ステル塩、アルキルナフタレンスルフホン酸塩、アルキ
ルスルホコハク酸塩及びアルキルベンゼンスルホン酸塩
より選ばれる1種又は2種以上からなるものが用いられ
る。アルキルスルホコハク酸塩としては、ジアルキルス
ルホコハク酸ナトリウムが好ましい。アルキルナフタレ
ンスルホン酸塩としては、アルキルナフタレンスルホン
酸ナトリウムが好ましい。アルキルベンゼンスルホン酸
塩としては、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが
好ましい。上記アニオン系湿潤浸透剤の中では、アルキ
ルスルホコハク酸塩が好ましく、特にジアルキルスルホ
コハク酸ナトリウムが好ましい。
【0018】湿潤浸透剤は、粉粒状堆積物に対して浸透
効果が強く、着色表面被覆剤の表面張力を低下させ、粉
粒状堆積物との濡れ性を改良し、着色表面被覆剤の粉粒
状堆積物への浸透性を良くする。その結果、着色表面被
覆剤と粉粒状堆積物の結合層(皮膜)を厚くすることが
出来、結合層形成に重要な役割を果たす。着色表面被覆
剤に湿潤浸透剤を添加しないと、着色表面被覆剤は粉粒
状堆積物に十分浸透せず表面あるいは表面に近いところ
に止まるため、薄い皮膜にしかならず、耐久性に不足す
る傾向がある。
【0019】湿潤浸透剤の添加量は湿潤浸透剤の種類に
よっても異なるが通常着色表面被覆剤中に0.001質
量%〜0.2質量%、さらに詳しくは、着色表面被覆剤
を直接、粉粒状堆積物に散布する場合0.005質量%
〜0.2質量%、粉粒状堆積物に着色剤を含まず、水性
エマルジョン、撥水剤及び湿潤浸透剤を含有する表面被
覆剤を散布後、着色用表面被覆剤を散布する場合は、
0.001質量%〜0.1質量%である。添加量が少な
いと着色用表面被覆剤の粉粒状堆積物への浸透性の効果
が無く、多すぎると浸透性の点では問題ないが、皮膜の
耐水性、特に水の撥水性が低下する。
【0020】本発明において着色剤は、体質顔料50〜
100質量%と着色顔料0〜50質量%、特に体質顔料
70〜100質量%と着色顔料0〜30質量%からなる
ことが好ましい。体質顔料として、炭酸カルシウム、
(塩基性)炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、ドーソナイト、
アルミナ、酸化マグネシウム、アルミン酸カルシウム、
リトポン、シリカ、クレー、カオリン、マイカ、タル
ク、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウ
ム、炭酸亜鉛等が挙げられるが、好ましくは、炭酸カル
シウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水
酸化カルシウム、クレー、カオリン、タルクである。特
に好ましくは、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、タ
ルクである。着色顔料としては、酸化チタン、亜鉛華、
チタンイエロー、べんがら等の(複合)酸化物、炭酸亜
鉛等の炭酸塩、硫化亜鉛、カドミウムイエロー等の硫化
物、群青等の珪酸塩、黄鉛等のクロム酸塩、コバルトブ
ルー等のアルミン酸塩、紺青等のフェロシアン化物等の
無機顔料、カーボンブラック、アゾ系、キナクリドン
系、キノフタロン系、フタロシアニン系、イソインドリ
ノン系、スレン系、レーキ顔料等の有機顔料が挙げられ
る。環境負荷を小さく保つ点で、重金属元素を含まない
酸化物、炭酸塩等の無機顔料や有機顔料が好ましい。
【0021】本発明において、着色剤中の体質顔料の割
合が50質量%未満の場合、石炭等の粉粒状堆積物が黒
色の場合、着色表面被覆剤の色付け効果が不十分になる
傾向が現れる。換言すれば、有色顔料の単なる増量より
も、安価な体質顔料により黒色をできるだけ隠蔽させる
方が、色付けにとってより有効であることを本発明者ら
は見出したのである。勿論、有色でない白〜灰〜黒に色
付けする場合、体質顔料のみでもよい。
【0022】着色剤の添加量は、着色表面被覆剤中に、
1〜25質量%、特に2〜15質量%が好ましい。1質
量%未満では着色性が不足し、25質量%を超えると高
粘度液となるため、流出防止剤の製造や散布の作業性が
低下する短所が現れる。
【0023】本発明における着色剤の分散剤としては、
ポリビニルアルコール(PVA)、ヒドロキシエチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリ不飽和カ
ルボン酸アルカリ金属塩、特殊ポリカルボン酸型高分子
界面活性剤(花王株式会社製、ポイズシリーズ及びデモ
ールP・EP・ST等)、不飽和カルボン酸と(メタ)
アクリルアミド、(メタ)アクリル酸エステル、ビニル
芳香族、(メタ)アクリロニトリル等の単量体との共重
合体のアルカリ金属塩等の1種または2種以上を用いる
ことができ、中でもPVAはそれ自身が乾燥時に強靱な
固結層を形成するため、高い発塵防止効果が期待でき
る。
【0024】使用されるPVAには特に制限はなく市販
されているものを用いることができる。例えば脂肪酸ビ
ニルエステルの1種または2種以上を重合して得られる
単独重合体または共重合体、もしくは他の共重合可能な
単量体との共重合体などを鹸化して得られるPVA、或
いはこれらのPVAを変性したアセトアセチル化PVA
等の変性PVAが挙げられる。上記PVAにおいて、共
重合可能な他の単量体としては、例えばエチレン、プロ
ピレンなどのオレフィン類:アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸などの不飽和カルボン酸類:マレイン
酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸類:無水マレ
イン酸などの不飽和ジカルボン酸無水物:不飽和カルボ
ン酸類や不飽和ジカルボン酸類のエステル類、塩類:ア
クリルアミド、メタクリルアミドなどの不飽和カルボン
酸アミド類:アクリル酸メチル、アクリル酸エチルなど
のアクリル酸エステル類:メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチルなどのメタクリル酸エステル類:アリルグ
リシジルエーテル、グリシジルメタクリレートなどのグ
リシジル基を有する単量体:アルキルビニルエーテル類
などが挙げられる。
【0025】PVAの鹸化度は、65〜100モル%が
好ましい。65モル%未満では、PVAの親水性が低く
なるため液状組成物とするためには溶解性が低下し、良
好な皮膜が得られなくなる場合がある。
【0026】PVAの重合度は100〜4500が好ま
しい。100未満では得られる皮膜強度が小さく、かつ
耐水性も劣る。一方、4500を越えると高粘度液とな
るため、流出防止剤を製造する上で、作業性に支障をき
たす場合がある。
【0027】本発明において、分散剤は着色表面被覆剤
中の着色剤濃度が低い場合や着色表面被覆剤を製造後直
ちに使用する場合は必ずしも添加しなくてもよい。な
お、着色表面被覆剤中の着色剤の沈降抑制や発塵防止・
耐色落ち性において一層の効果が必要な場合、添加する
分散剤の量は、着色剤の各成分の比表面積と配合量との
積の合計値TS(単位:m2)に対して、0.001〜
1倍量である。すなわち、着色剤を構成する各成分の比
表面積をSi(単位:m2/g)添加量をWiとする
と、添加する着色剤の比表面積と配合量との積の合計値
TSは、下式で表される。 TS=S1×W1+S2×W2+S3×W3+・・・
(i=1、2,3・・・) 分散剤の添加量Dwは、 0.001≦Dw/TS≦1 特に、0.003≦Dw/TS≦0.3が好ましい。D
w/TS比が1を超えると、固結層(被覆層)の耐水性
が低下する傾向がある。
【0028】本発明において、着色剤の比表面積Si
は、島津製作所製、粉体比表面積測定装置SS−100
型(空気透過法)により測定し、無機充填剤1g当たり
の表面積である。単位はm2/gである
【0029】着色用表面被覆剤の不揮発分は3質量%〜
30質量%が好ましく、更に好ましくは5質量%〜25
質量%の範囲である。しかし着色用表面被覆剤の不揮発
分はこれに限定されるものではない。不揮発分が低くと
もその散布量を多くすることにより、また高い場合は散
布量を少なくすることにより調整することができる。し
かし不揮発分が低すぎると固結層の耐性、雨水の浸透抑
制が低下する傾向となり、高いと粘度が上昇し粉粒状堆
積物への浸透性が低下するとともに散布が困難となる。
また不揮発分が低い場合、着色表面被覆剤を調整後直ち
に散布せず放置しておくと樹脂分が沈降して分離する場
合がある。
【0030】水性エマルジョンの添加量は着色用表面被
覆剤の不揮発分に合せて調整される。その添加量は不揮
発分として3質量%〜20質量%が好ましく、更に好ま
しくは4質量%〜15質量%の範囲である。また、消泡
剤などを適宜添加することも出来る。
【0031】着色表面被覆剤を製造するには、攪拌機付
きの混合槽に原料の重合体エマルジョン及びその他の原
料を混合する事によって得る事が出来る。この場合例え
ば溶解しにくいPVA等の水溶性高分子は水溶液の形で
添加すると短時間で混合する事ができる。水の量は所定
の不揮発分になるように水分量も含めて適宜調整するこ
とができる。あるいは、所定の不揮発分より高い着色用
表面被覆剤原液を調整し、それを使用前に水で希釈して
所定の不揮発分の流出防止剤として使用することもでき
る。この場合着色用表面被覆剤を輸送する際に量を少な
くする事ができる。着色用表面被覆剤原液の不揮発分の
濃度は、例えば20〜70質量%の範囲になるように、
更に好ましくは25〜60質量%の範囲になるように調
整するとよい。
【0032】本発明の着色表面被覆剤の散布対象となる
粉粒状堆積物とは粉粒状の堆積物であれば特に限定され
るものではないが例えば石炭や鉄鉱石の堆積物、特に野
積石炭堆積物や野積鉄鉱石堆積物、コークス、鉄鉱石な
どの粉粒状堆積物や、道路の法面、粉粒状の廃棄物の堆
積物等である。これら粉粒状堆積物に本発明の着色表面
被覆剤を用いると、粉粒状堆積物を遠方から容易に識別
することができ、しかも、固結層は耐色落ち性や耐水性
にも優れるので、散布頻度も削減することができる。勿
論、粉塵を防止し、降雨による崩れ、流出防止、及び粉
粒状堆積物中の含水量の増加防止にも効果がある。
【0033】着色表面被覆剤は粉粒状堆積物に対して、
堆積物1m2 当たり不揮発分(水分を除いた残りの組成
物をさす)として約5〜500g散布するのが良い。た
だしこの量はこれより少なくあるいは多く散布したとき
に効果がなくなることを意味するものではなく、堆積物
の種類、散布の環境等により適宜に変える事ができる。
散布は散水車などを用いて、堆積物の全表面に対して均
一に散布することが出来る。散布は1回だけでもよい
が、2回以上行ってもよい。また、粉粒状堆積物が濡れ
ている場合でも散布は可能である。粉粒状堆積物が乾燥
している場合は不揮発分を比較的低くし、逆に水分が多
い場合は不揮発分を高くすると比較的均一な皮膜を得る
ことができる。
【0034】特に、着色剤を含まないで、水性エマルジ
ョン、撥水剤及び湿潤浸透剤を含有する表面被覆剤を散
布後、本発明の着色用表面被覆剤を散布する方法が望ま
しい。着色剤を含まない安価な表面被覆剤で、飛散防止
や流出防止効果を確保し、高価な着色表面被覆剤の少量
散布により、粉粒状堆積物の色付けもできるからであ
る。なお、着色剤を含まない表面被覆剤中の水性エマル
ジョンと着色用表面被覆剤中の水性エマルジョンは同一
でなくてもよいが、親和性を有する組み合わせ、できれ
ば、同一であることが、耐色落ち性、流出防止、飛散防
止において一層優れた特性を有するので、好ましい。
【0035】
【実施例】以下に、本発明の実施例を比較例とともに挙
げて、本発明を説明するが、本発明はこれらの例に限定
されるものでない。なお、本発明記載の部、比及び%は
特に記載がなければ、質量基準で示す。
【0036】実施例、比較例において使用した原材料を
下記に示す。水性エマルジョンとして、デンカEVA#
81(電気化学工業株式会社製エチレン−酢酸ビニル共
重合体エマルジョン、不揮発分56%、エチレン18
%)を使用し、以下EV81と略す。撥水剤として、ダ
イジットS−8(互応化学株式会社製、不揮発分28
%)、湿潤浸透剤として、ジアルキルスルホコハク酸ナ
トリウムをそれぞれ使用した。体質顔料として、WHI
TON P30(東洋ファインケミカル株式会社製、炭
酸カルシウム、比表面積1.2m2/g)以下、CaC
と略す。SP−GBSS(キハラ化成製タルク、比表面
積2.0m2/g)以下、TALと略す。有色顔料とし
て、Symuler Fast Red 4081(大
日本インキ化学工業製、アゾ系顔料、比表面積16m2
/g)以下、Redと略す。Symuler Fast
Yellow 10GH(大日本インキ化学工業製、
比表面積5.8m2/g)以下、Yelと略す。分散剤
として、デンカポバールB−33(電気化学工業株式会
社製PVA、重合度3300、鹸化度88モル%)以下
PVA33と略す。
【0037】実施例1〜10、比較例1〜4 攪拌機付き混合槽に表1及び2に示す量のEVA、PV
A33、湿潤浸透剤、撥水剤及び水を添加し、全体を1
00部とし、30分撹拌混合後、得られた着色表面被覆
剤について次の評価を行い、その結果を表1及び2に示
す。なお、水以外は、不揮発分換算での部で表示してい
る。
【0038】なお、評価方法を下記に示す。 (表面強度)縦、横、深さが30、30、5cmの型枠
に石炭を充填し、その石炭表面に着色表面被覆剤を霧吹
き器にて1.5リットル/m2 散布し、20℃の恒温室
で7日乾燥後、デジタルフォースゲージ(A&D株式会
社製、測定部分の先端が6φの円柱状)で石炭表面が崩
れる時の荷重を測定し、1000g以上を合格とする。
【0039】(着色性)7日乾燥後の表面層の着色性を
目視で判定し、○〜△を合格とする。 着色性良好 ○ 下地石炭(黒)が部分的にでも透けて見える △ 殆どの着色性が認められない ×
【0040】(耐色落ち性)型枠を40°に傾斜させ、
じょうろにて1リットル/分の速度で水を27リットル
散布した。散布後の着色性変化を目視で判定すし、○〜
△を合格とする。 変化無し ○ 若干、色落ちする △ 色落ちがはっきりわかる ×
【0041】(散水後表面強度)耐色落ち性を判定した
型枠を水平な場所に置き、散水後30分以内にデジタル
フォースゲージ(A&D株式会社製、測定部分の先端が
6φの円柱状)で石炭表面が崩れる時の荷重を測定し、
800g以上を合格とする。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】表1及び2から、特定量のEVAエマルジ
ョン、撥水剤、湿潤浸透剤及び着色剤を含有する着色表
面被覆剤は、表面強度、散水後の表面強度、散布後の着
色性及び散水後の耐色落ち性にも優れる。さらに、特定
量の分散剤を添加すると、耐色落ち性を一層改良するこ
とができる。
【0045】実施例11 縦、横、深さが30、30、5cmの型枠に石炭を充填
し、その石炭表面に比較例4の表面被覆剤を霧吹き器に
て1.0リットル/m2 散布し、20℃の恒温室で1日
乾燥後、実施例8の着色表面被覆剤を霧吹き器にて0.
5リットル/m 2 散布し、20℃の恒温室で7日乾燥
後、デジタルフォースゲージ(A&D株式会社製、測定
部分の先端が6φの円柱状)で石炭表面が崩れる時の荷
重を測定する。他の特性も実施例1と同様に評し、次の
結果である。 表面強度 2700g 着色性 ○ 耐色落ち性 ○ 散水後の表面強度 1950g
【0046】
【発明の効果】本発明の粉粒状堆積物に対する着色表面
被覆剤は、該粉粒状堆積物の粉粒体と着色表面被覆剤剤
とからなる結合層を形成し、降雨に対する耐色落ち性、
粉粒状堆積物中の含水量の増加防止や崩れ・流出防止及
び乾燥時の飛散防止に対して優れた効果を有する。ま
た、着色剤を含まない表面被覆剤を散布後、本発明の着
色表面被覆剤を散布する方法は、耐色落ち性を損なうこ
となく、流出防止や飛散防止の効果がさらに向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 BA211 BA241 CB051 CC041 CF021 CF031 CG141 CJ031 DB001 DF021 DG001 DL001 HA026 HA146 HA166 HA186 HA206 HA21 HA266 HA30 HA34 HA376 HA446 HA45 HA526 HA536 JA36 JA53 JB01 JB02 JB13 JB16 JB25 JB26 JC09 JC13 JC23 KA08 KA09 MA08 MA10 NA04 NA12 PC01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性エマルジョン、撥水剤、湿潤浸透
    剤、及び着色剤を含有することを特徴とする着色表面被
    覆剤。
  2. 【請求項2】 請求項1の着色表面被覆剤に、さらに分
    散剤を含有することを特徴とする着色表面被覆剤。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の着色剤が体質
    顔料50〜100質量%、着色顔料0〜50質量%から
    なることを特徴とする着色表面被覆剤。
  4. 【請求項4】 着色剤の各成分の比表面積と配合量との
    積の合計値(単位:m2)に対して、0.001〜1倍
    量の分散剤を配合することをを特徴とする請求項2また
    は3の着色表面被覆剤。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4に記載の水性エマルジョン
    が、酢酸ビニル系エマルジョン、酢酸ビニル共重合体系
    エマルジョン、アクリル系エマルジョン、ビニリデン系
    エマルジョン、ポリブテン系エマルジョン、スチレン−
    ブタジエン系エマルジョンの1種または2種以上である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    着色表面被覆剤。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の酢酸ビニル共重合体系
    エマルジョンが、エチレン5〜40質量%、酢酸ビニル
    95〜60質量%、これらと共重合可能な単量体0〜4
    0質量%からなるエチレンー酢酸ビニル共重合体エマル
    ジョンであることを特徴とする請求項5の着色表面被覆
    剤。
  7. 【請求項7】 粉粒状堆積物に請求項1〜6のいずれか
    1項に記載の着色表面被覆剤を散布することを特徴とす
    る表面被覆方法。
  8. 【請求項8】 粉粒状堆積物に水性エマルジョン、撥水
    剤、湿潤浸透剤を含有する表面被覆剤を散布した後、請
    求項1〜6のいずれか1項に記載の着色表面被覆剤を散
    布することを特徴とする表面被覆方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010144114A (ja) * 2008-12-22 2010-07-01 Denki Kagaku Kogyo Kk 油分を多量に含む粉粒状堆積物の流出防止剤及びその製造方法
CN115838549A (zh) * 2022-11-22 2023-03-24 南方电网电力科技股份有限公司 一种煤堆表面覆盖剂及其制备方法和应用

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