JP4436991B2 - 被覆層の形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被覆層の形成方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、廃棄物最終処分場などの有害な物質の貯蔵場や、微粒子などの粉塵被害を起こし得る物質の貯蔵場からの微粒子の飛散、流出を防止し、悪臭、有害ガスの周囲への拡散を抑制するために、被保護物上に耐候性に優れ、長期間効果を持続し得る被覆層を形成することができる被覆層の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、廃棄物の最終処分場においては、真砂土、山土、砂、スラグなどによるごみの被覆(即日覆土)が行われていた。しかし、最も一般的に行われている土砂などによる覆土は、平面の施工は比較的容易であるが、法面の施工が難しい。また、土砂などによる覆土は、重機により行われるために、対象面が平坦であっても15cm以上の覆土厚になり、施工者の技術レベルや対象面の凹凸の状態によってはさらにそれ以上の厚さになるので、その分ごみの埋立容積を消費してしまう。さらに、覆土に使用した土砂が飛散するおそれがあり、土砂が廃棄物により汚染されていると、その飛散により周囲へ与える被害は深刻であり、汚染されていない場合でも粉塵被害を与えることになる。
土木市場においては、合成樹脂などを接合剤として水に溶解して散布し、飛砂及び土壌流出を防止する工法が行われ、合成樹脂にさらにセルロース繊維を混合する施工方法も知られている。また、石炭貯蔵場などで、合成樹脂などを用いて炭塵を固化し飛散防止する方法が行われている。廃棄物最終処分場向けの飛散防止薬剤として、数日ないし3ケ月程度で消失する消失速度の速い即日覆土代替の薬剤が数種上市されているが、一回の薬剤散布で長期間その効果を持続する薬剤はない。長期にわたって効果を維持したい場合には、皮膜の消失ごとに繰り返し施工を行わなければならないので、経済的でない。
特表平4−500697号公報には、廃棄場の廃棄物にカバーしてその上に水抵抗性保護層を形成するに適する組成物として、水溶性ポリマー、クレー、石膏及び水性キャリヤーを含むスプレー可能な水性スラリーからなる組成物が提案されている。しかし、この組成物から形成される被覆層は、即日覆土代替剤としては充分な強度を有するが、長期耐久性を有しない。また、特表平5−504486号公報には、ごみ処理場に堆積した廃棄物と大気との間にバリアを設ける方法として、アニオン性界面活性硫酸塩又はスルホン酸塩とカルボン酸塩とにより構成される水性組成物から調製された生分解性の泡を付す方法が提案されている。しかし、この方法は、ごみ処理場の2、3日のカバーとして泡を形成することを目的としているので、耐久性のある被覆層は得られない。さらに、特開平7−126427号公報には、耐久性があり、外圧により崩壊されてその体積が殆ど無視し得るものとなり、散布装置配管内壁に残った残渣が水洗浄により容易に取り除かれる発泡体からなる被覆材として、アニオン性界面活性剤と、カチオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤との反応生成物を含む発泡体からなる被覆材が提案されている。しかし、この被覆材も、十分に満足し得る長期耐久性を有しない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、廃棄物最終処分場などの有害な物質の貯蔵場や、微粒子などの粉塵被害を起こし得る物質の貯蔵場からの微粒子の飛散、流出を防止し、悪臭、有害ガスの周囲への拡散を抑制するために、被保護物上に耐候性に優れ、長期間効果を持続し得る被覆層を形成することができる被覆層の形成方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、接着型接合剤、石膏又はクレー及び水を含有する被覆組成物を被保護物に吹き付けることにより、耐久性に優れ、微粒子の飛散や悪臭の拡散を長期間にわたって抑制することができる被覆層を形成し得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)有害物質の貯蔵場又は粉塵被害を起こし得る物質の貯蔵場の被保護物に、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−バーサチック酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル又はスチレン−アクリル酸エステル共重合体である合成樹脂からなる接着型接合剤、石膏若しくはクレー及び水を含有する被覆組成物を吹き付けることを特徴とする被覆層の形成方法、
(2)被保護物が、焼却残渣からなる廃棄物である第1項記載の被覆層の形成方法、
)被覆組成物が、繊維質物質を含有する第1項記載の被覆層の形成方法、
)繊維質物質が、セルロース繊維である第項記載の被覆層の形成方法、及び、
)被覆組成物が、界面活性剤を含有する第1項記載の被覆層の形成方法、
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の被覆層の形成方法は、被保護物に、接着型接合剤、石膏又はクレー及び水を含有する被覆組成物を吹き付ける方法である。本発明方法を適用する被保護物に特に制限はなく、例えば、焼却残渣からなる廃棄物、建設残土、土木工事にともなって発生する法面、埋立地、造成地、仮土砂置場などを挙げることができる。これらの中で、焼却残渣からなる廃棄物は、有害物質を含む微粒子の飛散、流失や、悪臭、有害ガスなどの拡散を生ずるおそれがあるので、本発明方法を適用することにより、これらの悪影響の発生を効果的に防止することができる。
本発明方法に用いる被覆組成物に含有させる接着型接合剤に特に制限はなく、例えば、合成樹脂、アスファルト、合成ゴムなどを挙げることができる。これらの接着型接合剤は、水への分散性が良好で施工が容易であり、被保護物に対して良好な接着性を有し、常温下で水の蒸発とともに接着が進み、完全に水分が蒸発すると水に不溶性の連続した被覆層が形成される。特に、合成樹脂、アスファルトは、石膏又はクレーとの混和性がよいため好ましい。
【0006】
接着型接合剤として用いる合成樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−ビニルエステル共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−フマル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−アクリルアミド共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリエチレンなどを挙げることができる。接着型接合剤として合成樹脂を用いることにより、被保護物の上に耐候性に優れた被覆層を形成することができ、1回の薬剤散布により長期間その効果を維持することができる。合成樹脂の中で、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−バーサチック酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル、スチレン−アクリル酸エステル共重合体及びポリエチレンを好適に用いることができ、耐候性及び作業性の点から、スチレン−アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体を特に好適に用いることができる。特に、エチレン−酢酸ビニル共重合体が、耐候性が高く好ましい。接着型接合剤として用いる合成樹脂の形態に特に制限はなく、例えば、不揮発分を数十重量%含有する合成樹脂エマルジョンとして用いることができ、あるいは、粉体化して用いることもできる。
【0007】
接着型接合剤として用いるアスファルトとしては、例えば、天然に産出する天然アスファルト、石油精製の際に減圧蒸留の残油として得られるストレートアスファルト、ストレートアスファルトに脱水素、酸化、重縮合などの反応を起こさせて得られるブローンアスファルトなどを挙げることができる。接着型接合剤としてアスファルトを用いることにより、接着性と防水性に優れた被覆層を形成することができる。接着型接合剤として用いるアスファルトの形態としては、例えば、界面活性剤と安定剤を含む水中に、アスファルトを微粒子として分散させたアスファルト乳剤などを挙げることができる。
接着型接合剤として用いる合成ゴムとしては、例えば、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、メタクリル酸メチルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴムなどを挙げることができる。これらの中で、接着性の良好なスチレンブタジエンゴム及び接着性と皮膜強度の大きいアクリロニトリルブタジエンゴムを特に好適に用いることができる。接着型接合剤として合成ゴムを用いることにより、低温においても柔軟性を失わない被覆層を形成することができる。
本発明方法に用いる被覆組成物において、合成樹脂、アスファルト、合成ゴムなどの接着型接合剤は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。被覆組成物に含有させる接着型接合剤の量に特に制限はないが、不揮発分として0.02〜8重量%であることが好ましく、1〜5重量%であることがより好ましい。接着型接合剤の量が不揮発分として0.02重量%未満であると、形成される被覆層の強度が不十分となるおそれがある。接着型接合剤の量が不揮発分として8重量%を超えると、被覆組成物の粘度が高くなりすぎて吹き付け施工の作業性が低下するおそれがある。
【0008】
本発明方法に用いる被覆組成物に含有させる石膏に特に制限はなく、天然品、人工品のいずれをも用いることができ、また、二水石膏、半水石膏、無水石膏のいずれをも用いることができる。これらの中で、微粉末状の二水石膏を特に好適に用いることができる。被覆組成物に石膏を含有させることにより、粘度の高いスラリー状の被覆組成物とし、乾燥後に被保護物上部に、厚みがあって、強固で、連続した被覆層を形成して、ダイオキシンなどの有害物質が含まれている可能性のある焼却残渣などの飛散を、より確実に防止することができる。被覆組成物に含有させる石膏の量に特に制限はないが、0.05〜24重量%であることが好ましく、3〜22重量%であることがより好ましい。石膏の量が0.05重量%未満であると、形成される被覆層の厚みと強度が不足するおそれがある。石膏の量が24重量%を超えると、被覆組成物の粘度が高くなりすぎて吹き付け施工の作業性が低下するおそれがある。
【0009】
本発明方法に用いる被覆組成物に含有させるクレーは、1)可塑性がある、2)粒径2μm以下の微細な粒が大部分を占める、3)赤熱すると固化する、という三つの性質のうちの少なくとも二つを満たす無機天然物であり、例えば、カオリン、ベントナイト、木節粘土、がいろめ粘土、アタパルガイト、モンモリロナイトなどを挙げることができる。カオリンは、組成式Al2Si25(OH)4の粘土鉱物で、水で練ることにより可塑性を示し、乾燥すると適度の強度を有する固体となる。ベントナイトは、水中に投入すると、自然に水を吸って崩壊、膨潤し、少量の添加により高粘度のスラリーを形成する。被覆組成物にクレーを含有させることにより、粘度の高いスラリー状の被覆組成物が得られ、乾燥後に被保護物上部に、厚みがあって、強固で、連続した被覆層を形成して、ダイオキシンなどの有害物質が含まれている可能性のある焼却残渣などの飛散を、より確実に防止することができる。被覆組成物に含有させるクレーの量に特に制限はないが、0.01〜5重量%であることが好ましく、0.2〜3重量%であることがより好ましい。クレーの量が0.01重量%未満であると、形成される被覆層の厚みと強度が不足するおそれがある。クレーの量が5重量%を超えると、被覆組成物の粘度が高くなりすぎて吹き付け施工の作業性が低下するおそれがある。
本発明方法に用いる被覆組成物においては、石膏又はクレーのいずれか一方を含有させることができ、あるいは、石膏とクレーを併用して両方を含有させることもできる。クレーを用いた場合は、少量の添加で高い粘度のスラリーとなるので、傾斜地の被覆に適する。一方、石膏は、多量に添加しても粘度が高くなりすぎることなく、良好な作業性のもとで、厚みがあってより強固な被覆層を形成することができる。
【0010】
本発明方法に用いる被覆組成物は、繊維質物質を含有することが好ましい。被覆組成物に繊維質物質を含有させることにより、被覆組成物の粘度を高めるとともに、被保護物上に形成される被覆層に厚みを持たせ、強度を向上することができる。特に、被保護物の表層に塊状の物体などがあって凹凸を有しても、確実に被覆することができる。被覆組成物に含有させる繊維質物質に特に制限はなく、例えば、木質パルプ、古紙、コットンリンターなどのセルロース繊維、麦わら、ヤシがら繊維などの天然繊維、ポリエステル、ナイロンなどの合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維などの無機繊維などを挙げることができる。これらの中で、セルロース繊維を好適に用いることができ、切りきざんだ古紙や解繊した古紙を特に好適に用いることができる。被覆組成物に含有させる繊維質物質の量に特に制限はないが、0.1〜10重量%であることが好ましく、2〜8重量%であることがより好ましい。繊維質物質の量が0.1重量%未満であると、被覆層の強度を向上する効果が十分に発現しないおそれがある。繊維質物質の量が10重量%を超えると、被覆組成物の粘度が高くなりすぎて吹き付け施工の作業性が低下するおそれがある。
【0011】
本発明方法に用いる被覆組成物は、界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤を含有することにより、被覆組成物中の接着型接合剤の不揮発分、石膏、クレー、繊維質物質などの凝集を防ぎ、被覆組成物を安定化することができる。接着型接合剤として、合成樹脂エマルジョン、合成ゴムラテックス、アスファルト乳剤などを用いると、これらの接着型接合剤には通常はすでに界面活性剤が含まれているが、必要に応じて、さらに界面活性剤を追加することができる。使用する界面活性剤に特に制限はなく、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などを挙げることができるが、接着型接合剤に界面活性剤が含まれている場合には、その界面活性剤と同じイオン性を有する界面活性剤を追加することが好ましい。
本発明方法に用いる被覆組成物には、さらに必要に応じて、着色剤、臭気制御剤などを含有させることができる。被覆組成物に着色剤を含有させることにより、景観を向上することができる。被覆組成物に臭気制御剤を含有させることにより、被保護物が悪臭を発生する物質であっても、臭気の拡散を防止することができる。
【0012】
本発明方法において、被保護物に被覆組成物を吹き付ける方法に特に制限はなく、例えば、クローラーによって走行する走行部上に、水平旋回が可能な搭載部を設けた車両の搭載部に、散布方向を制御する制御装置を備えた被覆組成物散布装置と、散布装置に供給する被覆組成物の撹拌調整装置を設けた薬剤散布車などを用い、車両を運転席で操縦して走行し、走行中又は停止中に被保護物に被覆組成物を吹き付けることができる。
本発明方法においては、被保護物粒子相互を結合する厚さ1mm以上の結合層と、該結合層と接着し、被保護物の上部を覆う厚さ1mm以上の連続した被覆層を形成することができる。被保護物粒子相互を結合する結合層の厚さは、被保護物の空隙率、被保護物粒子の形状、表面性状などに応じて、被覆組成物の粘度などを選択することにより、調整することができる。被覆組成物が被保護物の表面より1mm以上浸透した状態で、凝固ないし硬化するように被覆組成物の特性を選定する。被保護物粒子相互を結合する厚さ1mm以上の結合層を形成したのち、さらにその上に被覆組成物を吹き付けることにより、結合層と接着した厚さ1mm以上の被覆層を形成することができる。結合層又は被覆層の厚さが1mm未満であると、長期間にわたる耐久性が不足するおそれがある。被保護物粒子相互を結合する厚さ1mm以上の結合層と、該結合層と接着し、被保護物の上部を覆う厚さ1mm以上の連続した被覆層を形成することにより、被保護物の表層近傍の被保護物粒子が固定され、結合層に接着した連続した被覆層により覆われるので、被覆組成物が乾燥したのちは、被保護物は長期間にわたって安定して被覆された状態が保たれ、豪雨やそれに伴う水みちの発生により被保護物粒子が流失したり、強風により被保護物粒子が飛散したりするおそれがない。
【0013】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例1
エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン[不揮発分55重量%、栗田工業(株)、クリコートC720グリーン]6重量部、石膏6.3重量部及び水87.7重量部を配合して、被覆組成物を調製した。
直径86mmのシャーレに、ごみ焼却炉の焼却灰約75gを充填し、その上に調製した被覆組成物24mLを塗布し、40℃に保った乾燥機で24時間乾燥した。
次いで、シャーレを金網に載置して、降雨量100mm/hに設定した人工降雨機にかけ、浸食状況を目視により観察した。試験時間300分まで、充填された焼却灰の浸食は認められなかった。
実施例2
エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン[不揮発分55重量%、栗田工業(株)、クリコートC720グリーン]6重量部、石膏6.3重量部、古紙5重量部及び水82.7重量部を配合して、被覆組成物を調製した。
この被覆組成物を用い、実施例1と同様にして、焼却灰の上に被覆層を形成し、人工降雨試験を行った。試験時間300分まで、充填された焼却灰の浸食は認められなかった。
実施例3
エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン[不揮発分55重量%、栗田工業(株)、クリコートC720グリーン]6重量部、カオリン0.52重量部及び水93.48重量部を配合して、被覆組成物を調製した。
この被覆組成物を用い、実施例1と同様にして、焼却灰の上に被覆層を形成し、人工降雨試験を行った。試験時間300分まで、充填された焼却灰の浸食は認められなかった。
実施例4
エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン[不揮発分55重量%、栗田工業(株)、クリコートC720グリーン]6重量部、カオリン0.52重量部、古紙5重量部及び水88.48重量部を配合して、被覆組成物を調製した。
この被覆組成物を用い、実施例1と同様にして、焼却灰の上に被覆層を形成し、人工降雨試験を行った。試験時間300分まで、充填された焼却灰の浸食は認められなかった。
実施例5
スチレン−アクリル酸エステル共重合体エマルジョン[不揮発分40重量%、栗田工業(株)、クリコートC710B]6重量部、石膏6.3重量部、古紙5重量部及び水82.7重量部を配合して、被覆組成物を調製した。
この被覆組成物を用い、実施例1と同様にして、焼却灰の上に被覆層を形成し、人工降雨試験を行った。試験開始15分後まで、充填された焼却灰の浸食は認められなかったが、30分後に10%、60分後に20%、120分後に40%、180分後に50%、300分後に70%が浸食された。
実施例6
スチレン−アクリル酸エステル共重合体エマルジョン[不揮発分40重量%、栗田工業(株)、クリコートC710B]6重量部、カオリン0.52重量部、古紙5重量部及び水88.48重量部を配合して、被覆組成物を調製した。
この被覆組成物を用い、実施例1と同様にして、焼却灰の上に被覆層を形成し、人工降雨試験を行った。試験時間300分まで、充填された焼却灰の浸食は認められなかった。
比較例1
ヒドロキシエチルセルロース粉末1重量部、石膏17重量部及び水82重量部を配合して、被覆組成物を調製した。
この被覆組成物を用い、実施例1と同様にして、焼却灰の上に被覆層を形成し、人工降雨試験を行った。充填された焼却灰は、試験開始15分後に40%が浸食され、30分後に90%、60分後に100%が浸食された。
比較例2
ヒドロキシエチルセルロース粉末1重量部、石膏17重量部、古紙5重量部及び水77重量部を配合して、被覆組成物を調製した。
この被覆組成物を用い、実施例1と同様にして、焼却灰の上に被覆層を形成し、人工降雨試験を行った。充填された焼却灰は、試験開始15分後に10%が浸食され、30分後に20%、60分後に30%、120分後に90%、180分後に100%が浸食された。
なお、ヒドロキシエチルセルロース粉末を1重量部を超えて配合した場合、粘度が高すぎるため散布が不可能であった。
実施例1〜及び比較例1〜2で用いた被覆組成物の配合を第1表に、実施例1〜及び比較例1〜2の結果を第2表に示す。
【0014】
【表1】
Figure 0004436991
【0015】
【表2】
Figure 0004436991
【0016】
第2表に見られるように、接着型接合剤として合成樹脂を用い、石膏又はカオリンを配合した実施例1〜の被覆組成物、耐久性の良好な被覆層を焼却灰の上に形成している。
これに対して、接着型結合剤でなく水溶性ポリマーであるヒドロキシエチルセルロースを配合した比較例1〜2の被覆組成物から形成される被覆層は、降雨に対する耐久性が低い。
【0017】
【発明の効果】
本発明方法によれば、廃棄物最終処分場などの有害な物質の貯蔵場や、微粒子などの粉塵被害を起こし得る物質の貯蔵場からの微粒子の飛散、流出を防止し、悪臭、有害ガスの周囲への拡散を抑制するために、被保護物上に耐候性に優れ、長期間効果を持続し得る被覆層を形成することができる。

Claims (5)

  1. 有害物質の貯蔵場又は粉塵被害を起こし得る物質の貯蔵場の被保護物に、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−バーサチック酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル又はスチレン−アクリル酸エステル共重合体である合成樹脂からなる接着型接合剤、石膏若しくはクレー及び水を含有する被覆組成物を吹き付けることを特徴とする被覆層の形成方法。
  2. 被保護物が、焼却残渣からなる廃棄物である請求項1記載の被覆層の形成方法。
  3. 被覆組成物が、繊維質物質を含有する請求項1記載の被覆層の形成方法。
  4. 繊維質物質が、セルロース繊維である請求項記載の被覆層の形成方法。
  5. 被覆組成物が、界面活性剤を含有する請求項1記載の被覆層の形成方法。
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