JP2000334412A - 遮水材料とその製造方法及び遮水層の構築方法 - Google Patents
遮水材料とその製造方法及び遮水層の構築方法Info
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Abstract
ラックが発生しても遮水材料が有する自己修復機能によ
りクラックを塞ぐことができ、降雨等の水による侵食抵
抗が高く、かつ、可撓性を有し、ある程度の地盤の変形
(沈下)等に追随する遮水材料の製造方法及び遮水層の
構築方法を提供する。 【解決手段】骨材1とアスファルト乳剤とを混合し、ア
スファルト乳剤を分解し、骨材1表面をアスファルト2
でコーティングする。その後にベントナイト3を混合し
て遮水材料を製造する。こうして製造した材料を敷設し
て遮水層を構築する。
Description
場あるいは貯水池又は貯水槽等に用いる、遮水材料とそ
の製造方法、および遮水材料を使用して構築する遮水層
の構築方法に関するものである。
水層等の遮水層構築工事において、遮水層として一般的
に使用されるものに合成ゴムシート、ポリエチレンシー
ト、ウレタンシート及びアスファルトシート等の止水性
能が高い遮水シートがある。また、漏水を許さない重要
な箇所においては、遮水シートを2枚重ねた構造にする
場合が多い。
立てる時の重機による突刺しや引っかけ、下地あるは保
護土の突起物による突刺し、埋立て工事進行に伴い遮水
シートに作用する張力等の原因により、遮水シートが破
損することがある。そのため、2重遮水構造として遮水
シートと粘土、あるいはベントナイトと砂又は現地土と
混合して難透水層を形成するベントナイト混合土との組
合わせによる遮水構造が用いられる。
ントナイト混合土は材料の透水性能から50cm以上の
層厚とする場合が普通であり、使用材料が膨大となり、
施工時の厳密な品質管理が必要である。また、使用材料
が膨大となる粘土あるいはベントナイト混合土の代わり
に、水密アスファルトコンクリートを用いる場合があ
る。この水密アスファルトコンクリートは、粘土やベン
トナイト混合土と比較して止水性能が高いことから、層
厚は5cm以上で良いことになっている。水密アスファ
ルトコンクリートは、一般にアスファルトフィニッシャ
ーを用いて加熱混合物を敷き均した後ローラ転圧して施
工するが、斜面の施工に当たっては特殊機械が必要であ
る。また、供用中に何等かの原因により遮水層にクラッ
クが発生した場合、層厚が薄いことが災いし遮水性能が
著しく低下してしまう欠点を有している。
解決するため、優れたアスファルト遮水材料及び遮水層
の構築方法を提供することを目的とする。
発明の遮水材料は、表面にアスファルトをコーティング
した骨材と、ベントナイトとより構成した、遮水材料で
ある。また本発明の製造方法は、骨材とアスファルト乳
剤とを混合し、アスファルト乳剤を分解し、骨材表面を
アスファルトでコーティングし、その後にベントナイト
を混合した遮水材料の製造方法である。また本発明の遮
水層の構築方法は、骨材とアスファルト乳剤とを混合
し、アスファルト乳剤を分解させて、骨材表面をアスフ
ァルトでコーティングし、その後にベントナイトを添
加、混合して遮水材料を製造し、地表面にこの遮水材料
を層状に敷き詰めて締め固めて遮水層を構築し、その上
に遮水シートを敷設して構築した、遮水層の構築方法で
ある。
説明する。
最大粒径が5mm以下のさまざまな粒径を有する砕石の
スクリーニングスを用いる。スクリーニングスは、骨材
粒径が微細であるため、後述のアスファルト乳剤との結
合性に優れている。また粒度調整のために、スクリーニ
ングスより大きい、7号砕石を加えることもできる。し
かしその場合は、アスファルトの剥離現象が生じる可能
性があるので、加熱アスファルトで予めコーティングし
ておくことが望ましい。天然産の骨材は他に砂、粘土
や、又は副産物の高炉スラグ、発泡ガラスあるいはこれ
らの混合物を用いることも可能である。
る。その際に、スクリーニングスが細かい場合にはアス
ファルト乳剤をバインダとして用いて効果を発揮できる
最低の添加量は、6%付近である。このときに透水係数
や自己修復機能を考慮した場合、最低0.5%のベント
ナイトが必要となる。一方、スクリーニングスが粗く、
細粒分が少ない場合には、各物性を満たすためにはベン
トナイトの添加量は、最高15%は必要である。
ス表面の化学的特性に適合したアスファルト乳剤であ
り、カチオン系、ノニオン系及びアニオン系全てを使用
することができる。特にカチオン系アスファルト乳剤が
適している。また、アスファルト乳剤100重量%の
内、アスファルト固形分が50〜68重量%のものを使
用するのが好ましい。
れた粒度特性により、高膨潤性ベントナイト又は中膨潤
性ベントナイト又は低膨潤性ベントナイト等のあらゆる
ベントナイトを使用することができる。高吸水性ポリマ
ーは、ポリアクリル酸系、ポリビニルアルコール系、ポ
レチレンオキサイド系及びメタアクリル酸エステル等、
アニオン系、ノニオン系及びカチオン系等の全てを使用
することができる。
に、アスファルト乳剤及び水を添加する。骨材1の代わ
りに、加熱アスファルトでコーティングした7号砕石で
一部を置き換えたスクリーニングス、砂、粘土、高炉ス
ラグ、発泡ガラスあるいはこれらの混合物を用いること
もできる。アスファルト乳剤は、ストレートアスファル
トを用いたアスファルト乳剤又はブローンアスファルト
を用いたブローンアスファルト乳剤又はゴムや樹脂で改
質した改質アスファルトであり、配合割合は骨材100
重量部に対してアスファルト乳剤6〜25重量部とす
る。この状態において1〜3分間混合すると、アスファ
ルト乳剤が分解を起こし、骨材1表面がアスファルト2
によってコーティングされる。
材1にベントナイト3を添加する。ベントナイト3は、
高膨潤性ベントナイト又は中膨潤性ベントナイト又は低
膨潤性ベントナイトがある。配合割合は、スクリーニン
グスの骨材100重量部に対してベントナイト0.5〜
15重量部とする。上記ベントナイト3の代わりに吸水
性ポリマーの高分子膨張材料、あるいはこれらとベント
ナイトの混合物を用いることもできる。この状態におい
ては、ベントナイト3が直接骨材1に付着せず、アスフ
ァルト2被膜の表面に付着する。図1(b)。
と、アスファルト乳剤がスクリーニングスだけでなくベ
ントナイトにもコーティングしてしまう。その結果、ベ
ントナイトの膨潤を妨げたり、アスファルト乳剤が骨材
とそれに付着したベントナイトを包み込んでしまう。そ
のためにベントナイトの膨潤によって、スクリーニング
スの表面からアスファルトが剥離したり、遮水層の遮水
性の低下強度の低下を招くことになる。(図1a)。こ
の場合には降雨などによって激しい浸食(エロージョ
ン)が発生する可能性がある。したがって上記したよう
に製造工程を二工程に別け、まず骨材表面をアスファル
トでコーティングし、その後の工程でベントナイトを添
加して混合することが必要である。
繊維は化学繊維又は植物繊維の短繊維であり、骨材10
0重量部に対して短繊維0〜3.0重量部を加える。遮
水材料にはアスファルト2が用いられるため、気温及び
湿度により若干の変化を伴う。そのため、アスファルト
2の針入度及び配合によっては、寒冷時で乾燥が激しい
時に乾燥収縮してひび割れしたり、また猛暑時において
は、だれ現象が生じ易くなる。短繊維の添加によりこれ
らの現象を効果的に防止することができる。
剤、ベントナイト及び最適含水比になるように水を添加
し、前述の方法で混練して以下の試験を行った結果を示
したものである。図中、Asはアスファルトの配合を示
し、Beはベントナイトの配合を示す。それぞれの配合
を変化させ、以下の試験結果に基づき特性を求めた。
係数Kは乾燥密度ρdが大きいほど即ち、良く締ってい
るほど透水係数Kは小さくなり、アスファルトAs量あ
るいはベントナイトBe量を増やせば、それに応じて透
水係数Kは小さくなることを示している。このことから
締固め度を規定(一定に)し、アスファルト乳剤及びベ
ントナイトを適量配合すれば、所定の透水層を構築する
ことが可能であることを示している。ちなみに、総理府
及び厚生省の共同命令によると、アスファルト遮水層は
5cm以上でその時の透水係数が1×10-7cm/s以
下となる必要があるが、骨材100部に対しアスファル
ト13部、ベントナイト4.5部の配合では、乾燥密度
ρdが1.82以上締固めれば遮水性を満足することを
示している。尚、アスファルトの針入度を変えると乾燥
密度ρdが更に小さい場合でも透水係数が1×10-7c
m/s以下になる試験結果も得られている。
であり、試験体の受圧面φ100mmに、高さ12.5
cmの位置から5リットル/分の水を散水した時に、試
験体表面がどれだけ流失するのかを調べたものである。
この試験結果から、乾燥密度ρdを大きくするか、アス
ファルト量を多くすれば遮水層の降雨侵食(エロージョ
ン)SLの影響を非常に小さくすることができる配合が
可能であることを示している。
水浸させ、その膨張量Swを調べたものである。この結
果から、数%の膨張性を得ることができ、万一遮水層に
クラックが発生してもベントナイトの膨張力により自己
修復することが分かる。
乾燥させてその収縮率Shを調べたものである。収縮量
を0.1%以下にすることができるので、アスファルト
の延びを考慮すると、クラックの発生は極端に少なくな
る。
は、難透水性で降雨侵食防水および自己修復機能を有
し、変形に追随する遮水材料であることが分かる。
方法について説明する。
最終処分場あるいは貯水池又は貯水層等の表層部に敷均
し及び転圧締固めを行って遮水層Sを構築する。その上
には公知の遮水シートBを敷設する。(図7) 遮水層Sの構築時は、最適含水比付近の含水量で行うこ
とが最も効果的であることから、最適含水比を中心とし
て、締固め度が90%以上になるような含水量になるよ
うに、適切な水量を加える必要がある。構築された遮水
層が水に触れるとベントナイト3が膨潤し、透水係数を
小さくし、アスファルト2との併用効果と共に止水性能
を向上させる。図6(a)に示すように、万一微細クラ
ック4が遮水層Sを貫通して発生した場合でも、図6
(b)に示すように、ベントナイト3の膨潤によりその
微細クラック4の間隙を埋めて遮水することができるう
え、自己修復機能をも有する遮水層Sとすることができ
る。また、骨材1の粒子同士はアスファルト2により結
合されてるため、乾燥収縮が小さくクラックが発生し難
い。さらに、アスファルト2の結合効果により、降雨等
による侵食を大幅に減らすことができるので耐降雨侵食
性がある遮水層Sとなる。
次のような効果を得ることができる。 <イ>骨材とアスファルト乳剤とを混合し、アスファル
ト乳剤を分解し、骨材表面をアスファルトでコーティン
グした後、ベントナイトを添加混合した遮水材料を使用
して遮水層を構築したので、止水性が高く収縮が小さく
クラックが発生しない遮水層とすることができる。 <ロ>同上理由により、万一クラックが発生した場合で
も、遮水材料が有する自己修正機能によりクラックを塞
ぐことができる。
Claims (12)
- 【請求項1】表面にアスファルトをコーティングした骨
材と、 ベントナイトと、より構成した遮水材料。 - 【請求項2】骨材とアスファルト乳剤とを混合し、アス
ファルト乳剤を分解させて、骨材表面をアスファルトで
コーティングし、 その後に、ベントナイトを添加、混合して製造する、 遮水材料の製造方法。 - 【請求項3】請求項1に記載の遮水材料において、 骨材は、最大粒径が5mm以下のスクリーニングスであ
る、 遮水材料。 - 【請求項4】請求項2に記載の遮水材料の製造方法にお
いて、 骨材は、最大粒径が5mm以下のスクリーニングスを使
用して製造する、 遮水材料の製造方法。 - 【請求項5】請求項2に記載の遮水材料の製造方法にお
いて、 骨材は、スクリーニングスに対して、10〜50重量部
を加熱アスファルトでコーティングした骨材を使用して
製造する、 遮水材料の製造方法。 - 【請求項6】請求項2に記載の遮水材料の製造方法にお
いて、 骨材の代わりに砂、粘土、高炉スラグ、発泡ガラスある
いはこれらの混合物を用いて製造する、 遮水材料の製造方法。 - 【請求項7】請求項2に記載の遮水材料の製造方法にお
いて、 アスファルト乳剤を添加する以前に水を添加して製造す
る、 遮水材料の製造方法。 - 【請求項8】請求項2に記載の遮水材料の製造方法にお
いて、 アスファルト乳剤は、ストレートアスファルトを用いた
アスファルト乳剤又はブローンアスファルトを用いたブ
ローンアスファルト乳剤又はゴムや樹脂の改質を用いた
改質アスファルトであり、 配合割合は骨材100重量部に対してアスファルト乳剤
6〜25重量部として製造する、 遮水材料の製造方法。 - 【請求項9】請求項2に記載の遮水材料の製造方法にお
いて、 ベントナイトは、高膨潤性ベントナイト又は中膨潤性ベ
ントナイト又は低膨潤性ベントナイトであり、 配合割合は、骨材100重量部に対してベントナイト
0.5〜15重量部として製造する、 遮水材料の製造方法。 - 【請求項10】請求項2に記載の遮水材料の製造方法に
おいて、 ベントナイトの代わりに吸水性ポリマーの高分子膨張材
料、あるいはこれらとベントナイトの混合物を用いて製
造する、 遮水材料の製造方法。 - 【請求項11】請求項2に記載の遮水材料の製造方法に
おいて、 化学繊維又は植物繊維の短繊維を、骨材100重量部に
対して0〜3.0重量部を加えて製造する、 遮水材料の製造方法。 - 【請求項12】骨材とアスファルト乳剤とを混合し、ア
スファルト乳剤を分解させて、 骨材表面をアスファルトでコーティングし、 その後にベントナイトを添加、混合して遮水材料を製造
し、 地表面にこの遮水材料を層状に敷き詰めて締め固めて遮
水層を構築し、 その上に遮水シートを敷設して構築する、 遮水層の構築方法。
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-
1999
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