JP2003117515A - 被覆層の形成方法 - Google Patents
被覆層の形成方法Info
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- JP2003117515A JP2003117515A JP2001314415A JP2001314415A JP2003117515A JP 2003117515 A JP2003117515 A JP 2003117515A JP 2001314415 A JP2001314415 A JP 2001314415A JP 2001314415 A JP2001314415 A JP 2001314415A JP 2003117515 A JP2003117515 A JP 2003117515A
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Abstract
害を起こし得る貯蔵場からの微粒子の飛散、流出防止、
悪臭、有害ガスの拡散を抑制する耐候性に優れた被覆層
の形成方法を提供する。 【解決手段】飛散の恐れのある粒子、悪臭や有害ガスを
出す有害な廃棄物等の表面に接着型接合剤、石膏または
クレーおよび水を含有する被覆組成物を吹き付ける事に
より、耐久性に優れ、微粒子の飛散や悪臭の拡散を抑制
する被覆層の形成方法。被保護物が焼却残渣からなる廃
棄物である形成方法。接着型接合剤が合成樹脂、アスフ
ァルトである被覆層の形成方法。被覆組成物が繊維質物
質を含みまたセルロース繊維である被覆層および被覆組
成物が界面活性剤である被覆層の形成方法。
Description
に関する。さらに詳しくは、本発明は、廃棄物最終処分
場などの有害な物質の貯蔵場や、微粒子などの粉塵被害
を起こし得る物質の貯蔵場からの微粒子の飛散、流出を
防止し、悪臭、有害ガスの周囲への拡散を抑制するため
に、被保護物上に耐候性に優れ、長期間効果を持続し得
る被覆層を形成することができる被覆層の形成方法に関
する。
は、真砂土、山土、砂、スラグなどによるごみの被覆
(即日覆土)が行われていた。しかし、最も一般的に行
われている土砂などによる覆土は、平面の施工は比較的
容易であるが、法面の施工が難しい。また、土砂などに
よる覆土は、重機により行われるために、対象面が平坦
であっても15cm以上の覆土厚になり、施工者の技術レ
ベルや対象面の凹凸の状態によってはさらにそれ以上の
厚さになるので、その分ごみの埋立容積を消費してしま
う。さらに、覆土に使用した土砂が飛散するおそれがあ
り、土砂が廃棄物により汚染されていると、その飛散に
より周囲へ与える被害は深刻であり、汚染されていない
場合でも粉塵被害を与えることになる。土木市場におい
ては、合成樹脂などを接合剤として水に溶解して散布
し、飛砂及び土壌流出を防止する工法が行われ、合成樹
脂にさらにセルロース繊維を混合する施工方法も知られ
ている。また、石炭貯蔵場などで、合成樹脂などを用い
て炭塵を固化し飛散防止する方法が行われている。廃棄
物最終処分場向けの飛散防止薬剤として、数日ないし3
ケ月程度で消失する消失速度の速い即日覆土代替の薬剤
が数種上市されているが、一回の薬剤散布で長期間その
効果を持続する薬剤はない。長期にわたって効果を維持
したい場合には、皮膜の消失ごとに繰り返し施工を行わ
なければならないので、経済的でない。特表平4−50
0697号公報には、廃棄場の廃棄物にカバーしてその
上に水抵抗性保護層を形成するに適する組成物として、
水溶性ポリマー、クレー、石膏及び水性キャリヤーを含
むスプレー可能な水性スラリーからなる組成物が提案さ
れている。しかし、この組成物から形成される被覆層
は、即日覆土代替剤としては充分な強度を有するが、長
期耐久性を有しない。また、特表平5−504486号
公報には、ごみ処理場に堆積した廃棄物と大気との間に
バリアを設ける方法として、アニオン性界面活性硫酸塩
又はスルホン酸塩とカルボン酸塩とにより構成される水
性組成物から調製された生分解性の泡を付す方法が提案
されている。しかし、この方法は、ごみ処理場の2、3
日のカバーとして泡を形成することを目的としているの
で、耐久性のある被覆層は得られない。さらに、特開平
7−126427号公報には、耐久性があり、外圧によ
り崩壊されてその体積が殆ど無視し得るものとなり、散
布装置配管内壁に残った残渣が水洗浄により容易に取り
除かれる発泡体からなる被覆材として、アニオン性界面
活性剤と、カチオン性界面活性剤及び/又は両性界面活
性剤との反応生成物を含む発泡体からなる被覆材が提案
されている。しかし、この被覆材も、十分に満足し得る
長期耐久性を有しない。
処分場などの有害な物質の貯蔵場や、微粒子などの粉塵
被害を起こし得る物質の貯蔵場からの微粒子の飛散、流
出を防止し、悪臭、有害ガスの周囲への拡散を抑制する
ために、被保護物上に耐候性に優れ、長期間効果を持続
し得る被覆層を形成することができる被覆層の形成方法
を提供することを目的としてなされたものである。
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、接着型接合剤、
石膏又はクレー及び水を含有する被覆組成物を被保護物
に吹き付けることにより、耐久性に優れ、微粒子の飛散
や悪臭の拡散を長期間にわたって抑制することができる
被覆層を形成し得ることを見いだし、この知見に基づい
て本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
(1)被保護物に、接着型接合剤、石膏又はクレー及び
水を含有する被覆組成物を吹き付けることを特徴とする
被覆層の形成方法、(2)被保護物が、焼却残渣からな
る廃棄物である第1項記載の被覆層の形成方法、(3)
接着型接合剤が、合成樹脂である第1項記載の被覆層の
形成方法、(4)合成樹脂が、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビ
ニル−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、酢酸ビニル−バーサチック酸ビニル共重
合体、ポリアクリル酸エステル、スチレン−アクリル酸
エステル共重合体又はポリエチレンである第3項記載の
被覆層の形成方法、(5)接着型接合剤が、アスファル
トである第1項記載の被覆層の形成方法、(6)被覆組
成物が、繊維質物質を含有する第1項記載の被覆層の形
成方法、(7)繊維質物質が、セルロース繊維である第
6項記載の被覆層の形成方法、及び、(8)被覆組成物
が、界面活性剤を含有する第1項記載の被覆層の形成方
法、を提供するものである。
保護物に、接着型接合剤、石膏又はクレー及び水を含有
する被覆組成物を吹き付ける方法である。本発明方法を
適用する被保護物に特に制限はなく、例えば、焼却残渣
からなる廃棄物、建設残土、土木工事にともなって発生
する法面、埋立地、造成地、仮土砂置場などを挙げるこ
とができる。これらの中で、焼却残渣からなる廃棄物
は、有害物質を含む微粒子の飛散、流失や、悪臭、有害
ガスなどの拡散を生ずるおそれがあるので、本発明方法
を適用することにより、これらの悪影響の発生を効果的
に防止することができる。本発明方法に用いる被覆組成
物に含有させる接着型接合剤に特に制限はなく、例え
ば、合成樹脂、アスファルト、合成ゴムなどを挙げるこ
とができる。これらの接着型接合剤は、水への分散性が
良好で施工が容易であり、被保護物に対して良好な接着
性を有し、常温下で水の蒸発とともに接着が進み、完全
に水分が蒸発すると水に不溶性の連続した被覆層が形成
される。特に、合成樹脂、アスファルトは、石膏又はク
レーとの混和性がよいため好ましい。
は、例えば、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−アクリル酸
エステル共重合体、酢酸ビニル−ビニルエステル共重合
体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビ
ニル−フマル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−アクリ
ルアミド共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステ
ル、ポリ塩化ビニル、スチレン−アクリル酸エステル共
重合体、ポリエチレンなどを挙げることができる。接着
型接合剤として合成樹脂を用いることにより、被保護物
の上に耐候性に優れた被覆層を形成することができ、1
回の薬剤散布により長期間その効果を維持することがで
きる。合成樹脂の中で、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−
アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、酢酸ビニル−バーサチック酸ビニル共重合体、
ポリアクリル酸エステル、スチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体及びポリエチレンを好適に用いることがで
き、耐候性及び作業性の点から、酢酸ビニル−アクリル
酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共
重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体を特に好適に
用いることができる。特に、エチレン−酢酸ビニル共重
合体が、耐候性が高く好ましい。接着型接合剤として用
いる合成樹脂の形態に特に制限はなく、例えば、不揮発
分を数十重量%含有する合成樹脂エマルジョンとして用
いることができ、あるいは、粉体化して用いることもで
きる。
しては、例えば、天然に産出する天然アスファルト、石
油精製の際に減圧蒸留の残油として得られるストレート
アスファルト、ストレートアスファルトに脱水素、酸
化、重縮合などの反応を起こさせて得られるブローンア
スファルトなどを挙げることができる。接着型接合剤と
してアスファルトを用いることにより、接着性と防水性
に優れた被覆層を形成することができる。接着型接合剤
として用いるアスファルトの形態としては、例えば、界
面活性剤と安定剤を含む水中に、アスファルトを微粒子
として分散させたアスファルト乳剤などを挙げることが
できる。接着型接合剤として用いる合成ゴムとしては、
例えば、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレンブ
タジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、メタ
クリル酸メチルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブ
チルゴムなどを挙げることができる。これらの中で、接
着性の良好なスチレンブタジエンゴム及び接着性と皮膜
強度の大きいアクリロニトリルブタジエンゴムを特に好
適に用いることができる。接着型接合剤として合成ゴム
を用いることにより、低温においても柔軟性を失わない
被覆層を形成することができる。本発明方法に用いる被
覆組成物において、合成樹脂、アスファルト、合成ゴム
などの接着型接合剤は、1種を単独で用いることがで
き、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもで
きる。被覆組成物に含有させる接着型接合剤の量に特に
制限はないが、不揮発分として0.02〜8重量%であ
ることが好ましく、1〜5重量%であることがより好ま
しい。接着型接合剤の量が不揮発分として0.02重量
%未満であると、形成される被覆層の強度が不十分とな
るおそれがある。接着型接合剤の量が不揮発分として8
重量%を超えると、被覆組成物の粘度が高くなりすぎて
吹き付け施工の作業性が低下するおそれがある。
る石膏に特に制限はなく、天然品、人工品のいずれをも
用いることができ、また、二水石膏、半水石膏、無水石
膏のいずれをも用いることができる。これらの中で、微
粉末状の二水石膏を特に好適に用いることができる。被
覆組成物に石膏を含有させることにより、粘度の高いス
ラリー状の被覆組成物とし、乾燥後に被保護物上部に、
厚みがあって、強固で、連続した被覆層を形成して、ダ
イオキシンなどの有害物質が含まれている可能性のある
焼却残渣などの飛散を、より確実に防止することができ
る。被覆組成物に含有させる石膏の量に特に制限はない
が、0.05〜24重量%であることが好ましく、3〜
22重量%であることがより好ましい。石膏の量が0.
05重量%未満であると、形成される被覆層の厚みと強
度が不足するおそれがある。石膏の量が24重量%を超
えると、被覆組成物の粘度が高くなりすぎて吹き付け施
工の作業性が低下するおそれがある。
るクレーは、1)可塑性がある、2)粒径2μm以下の微
細な粒が大部分を占める、3)赤熱すると固化する、と
いう三つの性質のうちの少なくとも二つを満たす無機天
然物であり、例えば、カオリン、ベントナイト、木節粘
土、がいろめ粘土、アタパルガイト、モンモリロナイト
などを挙げることができる。カオリンは、組成式Al2
Si2O5(OH)4の粘土鉱物で、水で練ることにより可
塑性を示し、乾燥すると適度の強度を有する固体とな
る。ベントナイトは、水中に投入すると、自然に水を吸
って崩壊、膨潤し、少量の添加により高粘度のスラリー
を形成する。被覆組成物にクレーを含有させることによ
り、粘度の高いスラリー状の被覆組成物が得られ、乾燥
後に被保護物上部に、厚みがあって、強固で、連続した
被覆層を形成して、ダイオキシンなどの有害物質が含ま
れている可能性のある焼却残渣などの飛散を、より確実
に防止することができる。被覆組成物に含有させるクレ
ーの量に特に制限はないが、0.01〜5重量%である
ことが好ましく、0.2〜3重量%であることがより好
ましい。クレーの量が0.01重量%未満であると、形
成される被覆層の厚みと強度が不足するおそれがある。
クレーの量が5重量%を超えると、被覆組成物の粘度が
高くなりすぎて吹き付け施工の作業性が低下するおそれ
がある。本発明方法に用いる被覆組成物においては、石
膏又はクレーのいずれか一方を含有させることができ、
あるいは、石膏とクレーを併用して両方を含有させるこ
ともできる。クレーを用いた場合は、少量の添加で高い
粘度のスラリーとなるので、傾斜地の被覆に適する。一
方、石膏は、多量に添加しても粘度が高くなりすぎるこ
となく、良好な作業性のもとで、厚みがあってより強固
な被覆層を形成することができる。
物質を含有することが好ましい。被覆組成物に繊維質物
質を含有させることにより、被覆組成物の粘度を高める
とともに、被保護物上に形成される被覆層に厚みを持た
せ、強度を向上することができる。特に、被保護物の表
層に塊状の物体などがあって凹凸を有しても、確実に被
覆することができる。被覆組成物に含有させる繊維質物
質に特に制限はなく、例えば、木質パルプ、古紙、コッ
トンリンターなどのセルロース繊維、麦わら、ヤシがら
繊維などの天然繊維、ポリエステル、ナイロンなどの合
成繊維、ガラス繊維、炭素繊維などの無機繊維などを挙
げることができる。これらの中で、セルロース繊維を好
適に用いることができ、切りきざんだ古紙や解繊した古
紙を特に好適に用いることができる。被覆組成物に含有
させる繊維質物質の量に特に制限はないが、0.1〜1
0重量%であることが好ましく、2〜8重量%であるこ
とがより好ましい。繊維質物質の量が0.1重量%未満
であると、被覆層の強度を向上する効果が十分に発現し
ないおそれがある。繊維質物質の量が10重量%を超え
ると、被覆組成物の粘度が高くなりすぎて吹き付け施工
の作業性が低下するおそれがある。
性剤を含有することが好ましい。界面活性剤を含有する
ことにより、被覆組成物中の接着型接合剤の不揮発分、
石膏、クレー、繊維質物質などの凝集を防ぎ、被覆組成
物を安定化することができる。接着型接合剤として、合
成樹脂エマルジョン、合成ゴムラテックス、アスファル
ト乳剤などを用いると、これらの接着型接合剤には通常
はすでに界面活性剤が含まれているが、必要に応じて、
さらに界面活性剤を追加することができる。使用する界
面活性剤に特に制限はなく、例えば、アニオン性界面活
性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、
両性界面活性剤などを挙げることができるが、接着型接
合剤に界面活性剤が含まれている場合には、その界面活
性剤と同じイオン性を有する界面活性剤を追加すること
が好ましい。本発明方法に用いる被覆組成物には、さら
に必要に応じて、着色剤、臭気制御剤などを含有させる
ことができる。被覆組成物に着色剤を含有させることに
より、景観を向上することができる。被覆組成物に臭気
制御剤を含有させることにより、被保護物が悪臭を発生
する物質であっても、臭気の拡散を防止することができ
る。
物を吹き付ける方法に特に制限はなく、例えば、クロー
ラーによって走行する走行部上に、水平旋回が可能な搭
載部を設けた車両の搭載部に、散布方向を制御する制御
装置を備えた被覆組成物散布装置と、散布装置に供給す
る被覆組成物の撹拌調整装置を設けた薬剤散布車などを
用い、車両を運転席で操縦して走行し、走行中又は停止
中に被保護物に被覆組成物を吹き付けることができる。
本発明方法においては、被保護物粒子相互を結合する厚
さ1mm以上の結合層と、該結合層と接着し、被保護物の
上部を覆う厚さ1mm以上の連続した被覆層を形成するこ
とができる。被保護物粒子相互を結合する結合層の厚さ
は、被保護物の空隙率、被保護物粒子の形状、表面性状
などに応じて、被覆組成物の粘度などを選択することに
より、調整することができる。被覆組成物が被保護物の
表面より1mm以上浸透した状態で、凝固ないし硬化する
ように被覆組成物の特性を選定する。被保護物粒子相互
を結合する厚さ1mm以上の結合層を形成したのち、さら
にその上に被覆組成物を吹き付けることにより、結合層
と接着した厚さ1mm以上の被覆層を形成することができ
る。結合層又は被覆層の厚さが1mm未満であると、長期
間にわたる耐久性が不足するおそれがある。被保護物粒
子相互を結合する厚さ1mm以上の結合層と、該結合層と
接着し、被保護物の上部を覆う厚さ1mm以上の連続した
被覆層を形成することにより、被保護物の表層近傍の被
保護物粒子が固定され、結合層に接着した連続した被覆
層により覆われるので、被覆組成物が乾燥したのちは、
被保護物は長期間にわたって安定して被覆された状態が
保たれ、豪雨やそれに伴う水みちの発生により被保護物
粒子が流失したり、強風により被保護物粒子が飛散した
りするおそれがない。
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 実施例1 エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン[不揮発分
55重量%、栗田工業(株)、クリコートC720グリー
ン]6重量部、石膏6.3重量部及び水87.7重量部を
配合して、被覆組成物を調製した。直径86mmのシャー
レに、ごみ焼却炉の焼却灰約75gを充填し、その上に
調製した被覆組成物24mLを塗布し、40℃に保った乾
燥機で24時間乾燥した。次いで、シャーレを金網に載
置して、降雨量100mm/hに設定した人工降雨機にか
け、浸食状況を目視により観察した。試験時間300分
まで、充填された焼却灰の浸食は認められなかった。 実施例2 エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン[不揮発分
55重量%、栗田工業(株)、クリコートC720グリー
ン]6重量部、石膏6.3重量部、古紙5重量部及び水
82.7重量部を配合して、被覆組成物を調製した。こ
の被覆組成物を用い、実施例1と同様にして、焼却灰の
上に被覆層を形成し、人工降雨試験を行った。試験時間
300分まで、充填された焼却灰の浸食は認められなか
った。 実施例3 エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン[不揮発分
55重量%、栗田工業(株)、クリコートC720グリー
ン]6重量部、カオリン0.52重量部及び水93.48
重量部を配合して、被覆組成物を調製した。この被覆組
成物を用い、実施例1と同様にして、焼却灰の上に被覆
層を形成し、人工降雨試験を行った。試験時間300分
まで、充填された焼却灰の浸食は認められなかった。 実施例4 エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン[不揮発分
55重量%、栗田工業(株)、クリコートC720グリー
ン]6重量部、カオリン0.52重量部、古紙5重量部
及び水88.48重量部を配合して、被覆組成物を調製
した。この被覆組成物を用い、実施例1と同様にして、
焼却灰の上に被覆層を形成し、人工降雨試験を行った。
試験時間300分まで、充填された焼却灰の浸食は認め
られなかった。 実施例5 スチレン−アクリル酸エステル共重合体エマルジョン
[不揮発分40重量%、栗田工業(株)、クリコートC7
10B]6重量部、石膏6.3重量部、古紙5重量部及
び水82.7重量部を配合して、被覆組成物を調製し
た。この被覆組成物を用い、実施例1と同様にして、焼
却灰の上に被覆層を形成し、人工降雨試験を行った。試
験開始15分後まで、充填された焼却灰の浸食は認めら
れなかったが、30分後に10%、60分後に20%、
120分後に40%、180分後に50%、300分後
に70%が浸食された。 実施例6 スチレン−アクリル酸エステル共重合体エマルジョン
[不揮発分40重量%、栗田工業(株)、クリコートC7
10B]6重量部、カオリン0.52重量部、古紙5重
量部及び水88.48重量部を配合して、被覆組成物を
調製した。この被覆組成物を用い、実施例1と同様にし
て、焼却灰の上に被覆層を形成し、人工降雨試験を行っ
た。試験時間300分まで、充填された焼却灰の浸食は
認められなかった。 実施例7 酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体エマルジョン
[不揮発分40重量%、栗田工業(株)、クリコートC7
10]6重量部、石膏6.3重量部、古紙5重量部及び
水82.7重量部を配合して、被覆組成物を調製した。
この被覆組成物を用い、実施例1と同様にして、焼却灰
の上に被覆層を形成し、人工降雨試験を行った。充填さ
れた焼却灰は、試験開始15分後に10%が浸食され、
30分後に15%、60分後に25%、120分後に4
0%、180分後に55%、300分後に80%が浸食
された。 実施例8 酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体エマルジョン
[不揮発分40重量%、栗田工業(株)、クリコートC7
10]6重量部、カオリン0.52重量部、古紙5重量
部及び水88.48重量部を配合して、被覆組成物を調
製した。この被覆組成物を用い、実施例1と同様にし
て、焼却灰の上に被覆層を形成し、人工降雨試験を行っ
た。試験開始15分後まで、充填された焼却灰の浸食は
認められなかったが、30分後に10%、60分後に1
0%、120分後に20%、180分後に40%、30
0分後に60%が浸食された。 実施例9 アスファルト乳剤[不揮発分50重量%、栗田工業
(株)、クリコートA501]6重量部、石膏6.3重量
部、古紙5重量部及び水82.7重量部を配合して、被
覆組成物を調製した。この被覆組成物を用い、実施例1
と同様にして、焼却灰の上に被覆層を形成し、人工降雨
試験を行った。試験開始30分後まで、充填された焼却
灰の浸食は認められなかったが、60分後に5%、12
0分後に10%、180分後に30%、300分後に7
0%が浸食された。 実施例10 アスファルト乳剤[不揮発分50重量%、栗田工業
(株)、クリコートA501]6重量部、カオリン0.5
2重量部、古紙5重量部及び水88.48重量部を配合
して、被覆組成物を調製した。この被覆組成物を用い、
実施例1と同様にして、焼却灰の上に被覆層を形成し、
人工降雨試験を行った。試験開始180分後まで、充填
された焼却灰の浸食は認められなかったが、300分後
に5%が浸食された。 比較例1 ヒドロキシエチルセルロース粉末1重量部、石膏17重
量部及び水82重量部を配合して、被覆組成物を調製し
た。この被覆組成物を用い、実施例1と同様にして、焼
却灰の上に被覆層を形成し、人工降雨試験を行った。充
填された焼却灰は、試験開始15分後に40%が浸食さ
れ、30分後に90%、60分後に100%が浸食され
た。 比較例2 ヒドロキシエチルセルロース粉末1重量部、石膏17重
量部、古紙5重量部及び水77重量部を配合して、被覆
組成物を調製した。この被覆組成物を用い、実施例1と
同様にして、焼却灰の上に被覆層を形成し、人工降雨試
験を行った。充填された焼却灰は、試験開始15分後に
10%が浸食され、30分後に20%、60分後に30
%、120分後に90%、180分後に100%が浸食
された。なお、ヒドロキシエチルセルロース粉末を1重
量部を超えて配合した場合、粘度が高すぎるため散布が
不可能であった。実施例1〜10及び比較例1〜2で用
いた被覆組成物の配合を第1表に、実施例1〜10及び
比較例1〜2の結果を第2表に示す。
して合成樹脂を用い、石膏又はカオリンを配合した実施
例1〜8の被覆組成物も、接着型接合剤としてアスファ
ルトを用い、石膏又はカオリンを配合した実施例9〜1
0の被覆組成物も、いずれも耐久性の良好な被覆層を焼
却灰の上に形成している。これに対して、接着型結合剤
でなく水溶性ポリマーであるヒドロキシエチルセルロー
スを配合した比較例1〜2の被覆組成物から形成される
被覆層は、降雨に対する耐久性が低い。 実施例11 一般ごみ焼却灰の処分場において、現場施工を行った。
被覆組成物の散布面積は、2アールである。酢酸ビニル
−アクリル酸エステル共重合体エマルジョン[不揮発分
40重量%、栗田工業(株)、クリコートC710]5重
量部、石膏21.6重量部、古紙6重量部及び水67.4
重量部を配合して、被覆組成物を調製した。クローラー
タイプの散布装置[栗田工業(株)、コンカバー散布機]
を用いて、調製した被覆組成物を4L/m2散布し、被
覆層を形成した。自然状態下におかれた被覆層は、施工
から1年ののち、降雨による若干の浸食を受けているも
のの、対象面は完全に被覆されていた。また、施工中及
び施工から1年間において、飛散及び臭気についての苦
情はなかった。
などの有害な物質の貯蔵場や、微粒子などの粉塵被害を
起こし得る物質の貯蔵場からの微粒子の飛散、流出を防
止し、悪臭、有害ガスの周囲への拡散を抑制するため
に、被保護物上に耐候性に優れ、長期間効果を持続し得
る被覆層を形成することができる。
Claims (8)
- 【請求項1】被保護物に、接着型接合剤、石膏又はクレ
ー及び水を含有する被覆組成物を吹き付けることを特徴
とする被覆層の形成方法。 - 【請求項2】被保護物が、焼却残渣からなる廃棄物であ
る請求項1記載の被覆層の形成方法。 - 【請求項3】接着型接合剤が、合成樹脂である請求項1
記載の被覆層の形成方法。 - 【請求項4】合成樹脂が、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル
−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、酢酸ビニル−バーサチック酸ビニル共重合
体、ポリアクリル酸エステル、スチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体又はポリエチレンである請求項3記載の
被覆層の形成方法。 - 【請求項5】接着型接合剤が、アスファルトである請求
項1記載の被覆層の形成方法。 - 【請求項6】被覆組成物が、繊維質物質を含有する請求
項1記載の被覆層の形成方法。 - 【請求項7】繊維質物質が、セルロース繊維である請求
項6記載の被覆層の形成方法。 - 【請求項8】被覆組成物が、界面活性剤を含有する請求
項1記載の被覆層の形成方法。
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