JPH10259245A - ポリエステルの製造方法 - Google Patents

ポリエステルの製造方法

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JPH10259245A
JPH10259245A JP8612197A JP8612197A JPH10259245A JP H10259245 A JPH10259245 A JP H10259245A JP 8612197 A JP8612197 A JP 8612197A JP 8612197 A JP8612197 A JP 8612197A JP H10259245 A JPH10259245 A JP H10259245A
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polyester
polymerization
antimony trioxide
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melt
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JP8612197A
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Masayuki Kinugawa
雅之 衣川
Yuji Taneda
祐路 種田
Takao Okochi
隆雄 大河内
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Nippon Ester Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 三酸化アンチモン触媒を使用し、透明性に優
れ、かつ、溶融成形時にエチレンテレフタレート環状3
量体を主体とするオリゴマーの析出が少なく、金型汚れ
による操業不良を発生し難い、中空容器用として適した
ポリエチレンテレフタレート又はこれを主体とするポリ
エステルを製造する。 【解決手段】 極限粘度が 0.5以上のポリエチレンテレ
フタレート又はこれを主体とするポリエステルを製造す
るに際し、ポリエステル低重合体を三酸化アンチモン触
媒の存在下に溶融重合し、極限粘度が0.35以上となった
時点でリン酸類あるいはリン酸モノエステルをポリエス
テルを構成する酸成分1モルに対して1×10-4〜30×10
-4モル添加して極限粘度が 0.5以上のポリエステルと
し、次いで、固相重合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、三酸化アンチモン
触媒を使用し、透明性に優れ、かつ、溶融成形時にエチ
レンテレフタレート環状3量体を主体とするオリゴマー
の析出が少なく、金型汚れによる操業不良を発生し難い
ポリエチレンテレフタレート又はこれを主体とするポリ
エステルを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(PET)
は、機械的強度、化学的安定性、透明性等に優れ、か
つ、安価であり、各種のシート、フィルム、容器等とし
て幅広く用いられており、特に、炭酸飲料、果汁飲料、
液体調味料、食用油、酒、ワイン用等の中空容器用途の
伸びが著しい。
【0003】PET製中空容器は、例えば、延伸中空容
器の場合、PETチップを射出成形してプレフォームに
成形し、続いて、このプレフォームをブロー成形する方
法で製造される。そして、このようにして得られる中空
容器は、果汁飲料等熱充填を必要とする飲料用中空容器
として使用する場合、一般にヒートセットと呼ばれる熱
処理を施して耐熱性を向上させてから使用される。
【0004】ところが、PETには通常環状3量体を主
体とする種々の環状の低重合体(オリゴマー)が含まれ
ており、これらオリゴマー類、特にそれらの主成分であ
る環状3量体が成形時あるいはヒートセット時に析出し
て金型を汚すという問題があった。
【0005】このような金型の汚れは、中空容器の表面
を汚すとともに、白化を促進し製品の品質を低下させる
ため、従来は、金型の洗浄を頻繁に行う必要があり、生
産性が低下するという問題があった。そのため、オリゴ
マーの含有量が少なく、かつオリゴマーが生成し難いP
ETが望まれていた。
【0006】この要望に応える方法として、溶融重合し
て得られたPETを固相重合することにより、オリゴマ
ーの含有量を減少させ、固相重合後に水又は水蒸気で処
理することによって重合触媒を失活させて、成形時のオ
リゴマーの生成を抑制する方法が提案されている(特開
平3− 47830号公報等) 。
【0007】しかし、この方法は、重合触媒としてゲル
マニウム化合物(二酸化ゲルマニウム)を使用する場合
には有効であるが、重合触媒として三酸化アンチモンを
使用する場合には、水又は水蒸気で処理しても三酸化ア
ンチモンの触媒活性は殆ど失われず、この方法では、成
形時のオリゴマーの生成を抑制することはできなかっ
た。また、この方法は、重合触媒を失活させるために、
固相重合工程とは別に熱水処理又は水蒸気処理の工程を
必要とし、コスト高になるという問題を有していた。
【0008】従来、ボトル等の中空容器用PETの製造
には、透明性や色調の点で、主として二酸化ゲルマニウ
ムが使われているが、二酸化ゲルマニウムは三酸化アン
チモンに比べると価格が大幅に高いため、コスト面で問
題があった。
【0009】重合触媒として三酸化アンチモンを用いた
場合は、三酸化アンチモンが溶融重合中に還元され、ア
ンチモン金属となってポリエステル中に析出するため、
二酸化ゲルマニウムを用いた場合に比べて透明性や色調
が劣るという問題があった。また、ボトル等に成形する
際には、PET中に含有しているアンチモン金属が結晶
核となってポリエステルの結晶化速度を速めるため、ボ
トル等が白化しやすいという問題があった。
【0010】これらの問題を解決する方法として、三酸
化アンチモンを重合触媒として使用する方法において、
リン化合物を添加することによりPETの透明性や色調
を向上させる方法が検討されている。
【0011】しかし、リン化合物としてリン酸を使用す
ると、リン酸と三酸化アンチモンとが反応してリン酸ア
ンチモン等の不溶性微粒子が形成され、ポリエステルが
白濁して透明性が著しく悪化したり、重合触媒が失活す
ることにより重合度が上がり難くなったりするという問
題があった。
【0012】また、特開平6−279579号公報には、ポリ
エステルを製造する際に、重合触媒として三酸化アンチ
モン、リン化合物としてリン酸トリメチル等のリン酸の
低級アルキルエステルを使用し、これらを特定の割合で
添加して溶融重合する方法が提案されている。しかし、
この方法では、溶融重合時にリン酸の低級アルキルエス
テルが系外に揮散しやすく、リン化合物の残存量が少な
いため、透明性や色調を向上させる効果は十分ではなか
った。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、安価な三酸
化アンチモンを重合触媒として使用し、透明性に優れ、
かつ、溶融成形時にオリゴマーの析出が少なく、金型汚
れによる操業不良を発生し難いポリエチレンテレフタレ
ート又はこれを主体とするポリエステルを製造する方法
を提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、重合触媒として
三酸化アンチモンを使用して溶融重合する際、その途中
又は溶融重合後に特定のリン化合物を添加し、次いで、
固相重合することにより、この目的が達成されることを
見出し、本発明に到達した。
【0015】すなわち、本発明の要旨は、極限粘度が
0.5以上のPET又はこれを主体とするポリエステルを
製造するに際し、ポリエステル低重合体を三酸化アンチ
モン触媒の存在下に溶融重合し、極限粘度が0.35以上と
なった時点でリン酸類あるいはリン酸モノエステルをポ
リエステルを構成する酸成分1モルに対して1×10-4
30×10-4モル添加して極限粘度が 0.5以上のポリエステ
ルとし、次いで、固相熱処理又は固相重合することを特
徴とするポリエステルの製造方法にある。
【0016】なお、本発明において、「固相重合」に
は、実質的に極限粘度の上昇を伴わない「固相熱処理」
を包含するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0018】本発明は、テレフタル酸とエチレングリコ
ールとからPETを製造する方法に係るものであるが、
PETの特性が損なわれない範囲で、イソフタル酸、ジ
エチレングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキ
シド付加体等の共重合成分を併用してもよい。
【0019】本発明においては、まず、テレフタル酸と
エチレングリコールとを常法によってエステル化してポ
リエステル低重合体を得る。次いで、このポリエステル
低重合体を三酸化アンチモンを重合触媒として溶融重合
する。
【0020】三酸化アンチモンの添加量は、ポリエステ
ルを構成する酸成分1モルに対して1×10-4〜5×10-4
モル、好ましくは 1.5×10-4〜 2.5×10-4モルとするの
が適当である。この添加量があまり少ないと溶融重合速
度が遅く、逆に多すぎると触媒効果が飽和するばかりで
なく、成形時にポリエステルが熱分解等を起こして物性
が低下したり、着色したりして好ましくない。
【0021】溶融重合により極限粘度が0.35以上でなっ
た時点でリン酸類又はリン酸モノエステルを添加する。
そして、極限粘度が 0.5未満のポリエステルにリン化合
物を添加した場合には、さらに溶融重合を行って極限粘
度が 0.5以上のポリエステルとする。
【0022】本発明におけるリン化合物は、三酸化アン
チモンと直接反応して錯体を形成し、三酸化アンチモン
の触媒能を失活させるリン酸類又はリン酸モノエステル
であることが必要である。
【0023】リン酸類としては、オルトリン酸、亜リン
酸、次亜リン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸、
メタリン酸等が挙げられ、リン酸モノエステルとして
は、炭素原子数1〜40の脂肪族アルコール又は脂環式ア
ルコール、もしくはフェノール又は炭素原子数1〜4の
アルキル基で置換されたフェノールとのリン酸モノエス
テルが挙げられる。
【0024】リン化合物の添加時期は、ポリエステルの
極限粘度が0.35以上になった時点とすることが必要であ
る。リン化合物を極限粘度が0.35未満のポリエステルに
添加すると、三酸化アンチモンとリン化合物とが速やか
に反応し、三酸化アンチモンの触媒能を失活させるた
め、その後の重合反応速度が遅くなり、高重合度のポリ
エステルを得ることが困難になる。しかるに、極限粘度
が0.35以上になった時点でリン化合物を添加すると、三
酸化アンチモンとリン化合物とがその後の溶融重合時又
は続いて行われる固相重合時に徐々に反応するので、重
合反応速度の低下が緩やかとなり、高重合度のポリエス
テルを得るのに実用上支障がなく、最終的に固相重合し
て得られるポリエステル中では、三酸化アンチモンの触
媒能が失活した状態となるので、溶融成形時のオリゴマ
ーの再生を抑制することができる。
【0025】リン化合物の添加量は、ポリエステルを構
成する酸成分1モルに対してリン原子の含有量が1×10
-4〜30×10-4モルとなる量とすることが必要である。こ
の添加量が少ないと、三酸化アンチモンの触媒能が十分
失活せず、成形時のオリゴマーの再生を抑制する効果が
不十分となり、一方、多すぎるとポリエステルが着色し
て、好ましくない。
【0026】なお、溶融重合時の熱安定性を向上するた
めに、溶融重合初期から熱安定剤として、リン化合物を
添加してもよい。ただし、このようなリン化合物として
は、三酸化アンチモンと直接反応し錯体を形成しないリ
ン酸のジエステル又はトリエステル類、亜リン酸エステ
ル類等を使用することが好ましく、特にリン酸のジエス
テル又はトリエステルが好ましい。熱安定剤としてのリ
ン化合物の添加量は、ポリエステルを構成する酸成分1
モルに対して 0.1×10-4〜10×10-4モルとするのが適当
である。
【0027】また、溶融重合時に、必要に応じて、滑
剤、顔料、酸化防止剤等の添加剤を存在させることがで
きる。
【0028】溶融重合により極限粘度が 0.5以上のポリ
エステルとすることが必要である。溶融重合によるポリ
エステルの極限粘度が 0.5未満であると、固相重合を行
う場合、成形に必要な高重合度のポリエステルとするに
は、固相重合に長時間を要し、経済的に不利である。
【0029】溶融重合後のポリエステルは、チップ状に
成形され、固相重合される。
【0030】固相重合は、ポリエステルチップを乾燥状
態で、通常、 100〜180 ℃の温度で0.5〜8時間加熱し
て予備結晶化させた後、 190〜235 ℃、好ましくは 200
〜230 ℃の温度で、不活性ガス流通下あるいは減圧下
で、1〜50時間、好ましくは5〜20時間加熱することに
より行われる。
【0031】この際、三酸化アンチモン及びリン化合物
の添加量、リン化合物の添加時期、固相重合前のポリエ
ステルの極限粘度等を勘案して、固相重合の条件を適切
に選択し、ポリエステル中の環状3量体含有量が 0.5重
量%以下で、ポリエステルを280℃で30分間再溶融した
時の環状3量体の増加量が0.25重量%以下となるように
することが望ましい。
【0032】固相重合は、ポリエステル中の環状3量体
を主体とするオリゴマーの含有量を減少させるために行
うものであり、固相重合前のポリエステルが十分重合度
の高いものであれば、固相重合により重合度を高める必
要はないが、通常、極限粘度が 0.1〜0.5 程度上昇する
ような条件で行われる。
【0033】本発明の方法で得られるポリエステルは、
各種の成形物として使用されるが、特に、中空容器用と
して好適である。
【0034】中空容器を製造する場合、射出成形又は押
出成形によりプレフォームを成形し、必要に応じて、口
栓部及び底部の加工をした後、このプレフォームを再加
熱して二軸延伸するホットパリソン法あるいはコールド
パリソン法等を適用することができる。
【0035】この際、射出成形あるいは押出成形時の成
形温度、具体的には、成形機のシリンダー各部及びノズ
ルの温度は、通常、 270〜300 ℃の範囲とする。また、
延伸温度は、70〜120 ℃、好ましくは80〜110 ℃で、延
伸倍率は、縦方向に 1.5〜3.5 倍、円周方向に2〜5倍
の範囲とするのが適当である。
【0036】得られた中空容器はそのままで使用するこ
ともできるが、特に熱充填を必要とする果汁飲料を充填
する中空容器の場合には、一般に、成形に用いたものと
同じブロー金型内又は別途設けた金型内でヒートセット
し、耐熱性を向上させて使用される。このヒートセット
は、圧縮空気、機械的伸張等による緊張下、 100〜200
℃、好ましくは 120〜180 ℃で、2秒〜2時間、好まし
くは10秒〜30分間行われる。
【0037】
【実施例】次に、実施例をあげて本発明を具体的に説明
する。なお、ポリエステルの特性値は次のようにして測
定した。 (a) 極限粘度〔η〕 フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒とし
て、温度20.0℃で測定した。 (b) リン化合物含有量(P含量) ポリエステルを直径4cm、厚さ8mmの円形板に溶融成形
して、リガク社製X線スペクトロメータ3270を用いて定
量して求めた。 (c) プレートヘーズ 乾燥したポリエステルを成形温度 285℃で、厚さ5mm×
長さ10cm×巾6cmのプレートに射出成形し、透明度を日
本電色工業社製の濁度計MODEL1001DP で評価した (空
気:ヘーズ0%)。この値が小さい程透明性が良好であ
り、10未満であれば合格である。 (d) 環状3量体の含有量(CT含量) ポリエステルをヘキサフルオロイソプロパノールとクロ
ロホルムとの等容量混合物に溶解し、この溶液をアセト
ニトリル中に加えてポリエステル成分を沈澱させ、メン
ブランフィルターで濾過した濾液を高速液体クロマトグ
ラフ(ウォーターズ社製 600E)で分析することにより求
めた。「溶融後」は、ポリエステルを窒素ガス雰囲気
下、280 ℃で30分間溶融状態で保持した後、急冷した試
料についての値を示す。
【0038】実施例1 ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート及びその
低重合体の存在するエステル化反応器に、テレフタル酸
とエチレングリコールとのモル比1/1.6 のスラリーを
連続的に供給し、温度 250℃、圧力50hPaGの条件で反応
させ、滞留時間を8時間として平均重合度7の低重合体
を連続的に得た。この低重合体60kgを重合反応器に仕込
み、酸成分1モルに対して、重合触媒として 1.7×10-4
モルの三酸化アンチモン、熱安定剤として 1.5×10-4
ルのリン酸トリエチルを加え、重合反応器中を減圧にし
て、最終的に圧力 0.67hPa、温度280℃で、2時間溶融
重合を行い、〔η〕0.62のポリエステルを得た。次に、
重合反応器の減圧を窒素ガスで常圧に戻し、酸成分1モ
ルに対して 8.5×10-4モルのトリポリリン酸を添加し、
20分間撹拌後、チップ化した。次いで、このチップを回
転式固相重合装置に仕込み、1.33 hPaの減圧下、温度70
℃で、2時間予備乾燥を行い、引続き、温度 130℃で、
6時間結晶化及び乾燥を行った後、 230℃に昇温し、10
時間固相重合して、〔η〕0.88、CT含量0.32重量%、
プレートヘーズ 3.0%、P含量 8.5×10-4モルのポリエ
ステルを得た。このポリエステルを用い、シリンダー各
部及びノズルの温度を 280℃、スクリュー回転数100rp
m、射出時間8秒、冷却時間10秒、金型温度20℃に設定
した射出成形機(日精エーエスビー製ASB-50HT型)でプ
レフォームを成形した。次いで、このプレフォームを 1
10℃の雰囲気下、ブロー圧力2 MPaで延伸ブロー成形
し、胴部平均肉圧 300μm 、内容積1Lのボトルとし、
引き続いて 160℃に設定した金型内で圧縮緊張下、10秒
間ヒートセットすることで透明性の良好なボトルを得
た。なお、2000本のボトルを連続成形したが、射出成
形、延伸ブロー成形及びヒートセットのいずれも工程に
おいても金型の汚れは認められなかった。
【0039】実施例2〜6、比較例1〜4 リン化合物の種類と添加量及び添加時期を変えた以外
は、実施例1と同様にしてポリエステルを製造し、これ
を用いてボトルを連続的に製造した。
【0040】比較例5 三酸化アンチモンの代わりに重合触媒として二酸化ゲル
マニウムをポリエステルを構成する酸成分1モルに対し
て 2.5×10-4モル加え、また、リン化合物としてトリポ
リリン酸の代わりにオルトリン酸を加え、実施例1と同
様にしてポリエステルを製造し、これを用いてボトルを
連続的に製造した。
【0041】上記の実施例及び比較例で得られたポリエ
ステルの特性値を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】実施例1〜6では、CT含量及び溶融によ
るCT含量の増加量が少なく、透明性に優れ、ボトル成
形時の金型汚れのないポリエステルが得られた。これに
対して、比較例1、2では、リン化合物を添加しない
か、添加量が少なかったため、三酸化アンチモンの触媒
能を失活させる効果がなく、溶融によるCT含量の増加
量が多く、ボトル成形時に金型汚れが発生した。また、
比較例3では、リン化合物の添加量が多すぎたため、ポ
リエステルが著しく着色し、比較例4では、リン化合物
としてリン酸トリエチルを使用したため、三酸化アンチ
モンの触媒能が失活せず、CT含量及び溶融によるCT
含量の増加量が多く、ボトル成形時に金型汚れが発生
し、また、ポリエステルの〔η〕が小さかったため、強
度不足となり、ボトルの成形が困難であった。さらに、
比較例5では、重合触媒として用いた二酸化ゲルマニウ
ムがオルトリン酸と錯体を形成せず、二酸化ゲルマニウ
ムの触媒能を失活できず、溶融によるCT含量の増加量
が多く、ボトル成形時に著しい金型汚れが発生した。
【0044】比較例6 トリポリリン酸の添加時期を、三酸化アンチモンと同時
にした以外は、実施例1と同様にして溶融重合を行っ
た。この結果、トリポリリン酸により三酸化アンチモン
の触媒能が失活し、溶融重合反応が円滑に進行せず、
〔η〕0.30のポリエステルしか得られなかった。
【0045】
【発明の効果】本発明のよれば、三酸化アンチモン触媒
を使用し、透明性に優れ、かつ、溶融成形時にエチレン
テレフタレート環状3量体を主体とするオリゴマーの析
出が少なく、金型汚れによる操業不良を発生し難い、特
に中空容器用として適したポリエチレンテレフタレート
又はこれを主体とするポリエステルを製造することがで
きる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極限粘度が 0.5以上のポリエチレンテレ
    フタレート又はこれを主体とするポリエステルを製造す
    るに際し、ポリエステル低重合体を三酸化アンチモン触
    媒の存在下に溶融重合し、極限粘度が0.35以上となった
    時点でリン酸類あるいはリン酸モノエステルをポリエス
    テルを構成する酸成分1モルに対して1×10-4〜30×10
    -4モル添加して極限粘度が 0.5以上のポリエステルと
    し、次いで、固相重合することを特徴とするポリエステ
    ルの製造方法。
JP8612197A 1997-03-18 1997-03-18 ポリエステルの製造方法 Pending JPH10259245A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6392005B1 (en) 2001-03-19 2002-05-21 Nan Ya Plastics Corporation Manufacturing method for decreasing the cyclic oligomer content in polyester
WO2008044690A1 (fr) * 2006-10-12 2008-04-17 Toray Industries, Inc. Procédé de fabrication de polyester

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