JPH10259098A - 硼酸リチウム単結晶育成用容器及び硼酸リチウム単結晶の育成方法 - Google Patents

硼酸リチウム単結晶育成用容器及び硼酸リチウム単結晶の育成方法

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JPH10259098A
JPH10259098A JP6422397A JP6422397A JPH10259098A JP H10259098 A JPH10259098 A JP H10259098A JP 6422397 A JP6422397 A JP 6422397A JP 6422397 A JP6422397 A JP 6422397A JP H10259098 A JPH10259098 A JP H10259098A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来よりも速い育成速度でもって、クラック
及び気泡のない良質の硼酸リチウム単結晶を育成するこ
とを可能とする結晶育成用容器及び該容器を用いた硼酸
リチウム単結晶の育成方法を提供する。 【解決手段】 結晶育成用容器1は、厚さ2mm以下のグ
ラファイトもしくは白金等でできたるつぼ10とグラフ
ァイト製のサセプター11との間に、グラファイト製の
フェルト12が介装されているものである。それによっ
て、結晶育成時に、るつぼ10が塑性変形してるつぼ内
面に育成結晶4とるつぼとの熱膨張係数差による応力で
のクラックを防ぐとともに、グラファイト製フェルト1
2が緩衝材となって、るつぼ10の変形がサセプター1
1により妨げられないようになっている。 【効果】 0.3mm/hr〜1.0mm/hrと従来よりも速
い育成速度でもって、直径3インチ以上で長さ80〜1
50mmの良質の硼酸リチウム単結晶が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性表面波装置等
の基板材料として用いられ得る硼酸リチウム単結晶の育
成用容器及び硼酸リチウム単結晶の育成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】硼酸リチウム単結晶は、零温度係数を有
し且つ電気機械結合係数の高い結晶方位を有するなどの
優れた特性により、近年、弾性表面波装置用の基板材料
として注目されている。このような硼酸リチウム単結晶
を育成する一手法として、育成用容器内で硼酸リチウム
の原料融液を徐々に固化させるブリッジマン法が公知で
ある。このブリッジマン法で硼酸リチウム単結晶を育成
する際には、結晶育成用容器として、グラファイト製の
るつぼ(特開平4−6193号公報に開示されている)
または白金製のるつぼが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、グラフ
ァイト製るつぼを用いた場合、るつぼ中で育成された硼
酸リチウム結晶がるつぼ内面に一部融着してしまい、育
成結晶を取り出すためにはるつぼを壊さなければなら
ず、非経済的であるとともに省資源的な観点からも好ま
しくないという問題点がある。
【0004】また、グラファイト製るつぼの場合、るつ
ぼ内面に育成結晶が融着してしまうと、るつぼと育成結
晶との熱膨張差により結晶にクラックが発生し易くなる
という問題点もある。
【0005】特に、厚さが3mmを超えるグラファイト製
るつぼでは、その熱膨張特性が等方的であるとともに、
結晶育成温度から室温に至る温度領域で、るつぼ自体が
変形し難い。それに対して、硼酸リチウム単結晶の熱膨
張特性は等方的でないので、この場合には、特に育成結
晶にクラックが発生し易いという問題点がある。
【0006】一方、白金製のるつぼを用いる場合には、
結晶育成速度が速くなると育成結晶中に気泡が入ってし
まうため、気泡のない良質の単結晶を得るには、育成速
度を0.1mm/hr〜0.2mm/hr程度にしかできないと
いう問題点がある。
【0007】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、その目的は、従来よりも速い育成速度で
もって、クラック及び気泡のない良質の硼酸リチウム単
結晶を育成することを可能とする結晶育成用容器を提供
することにある。
【0008】また、本発明の他の目的は、従来よりも速
い育成速度でもってクラック及び気泡のない良質の硼酸
リチウム単結晶を育成し得るように構成された硼酸リチ
ウム単結晶育成用容器を用いた結晶育成方法を提供する
ことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは、育成結晶に発生し得る応力を低減も
しくはゼロにして育成結晶のるつぼとの融着及びクラッ
クの発生をともに防止するために、硼酸リチウム単結晶
の結晶育成温度から室温に至る全温度範囲で塑性変形可
能なるつぼを用いるとともに、そのるつぼとサセプター
との間に、それらの間に発生し得る応力を緩和し得るグ
ラファイト製フェルトを設けることが有効であると考
え、鋭意研究を重ね、本発明の完成に至った。
【0010】即ち、本発明に係る硼酸リチウム単結晶育
成用容器は、グラファイト製サセプターと、硼酸リチウ
ムの結晶育成温度から室温に至るまでの全温度範囲で塑
性変形可能な特性を有するるつぼとの間に、熱伝導性が
良くかつるつぼとサセプターとの間の応力を緩和可能な
所定厚さのグラファイト製フェルトが設けられているこ
とを特徴とするものである。
【0011】この発明によれば、結晶育成温度から室温
に至る全温度範囲でるつぼが塑性変形可能になっている
ため、この結晶育成用容器を用いることにより、るつぼ
と育成結晶の熱膨張差によって引き起こされる応力が低
減もしくはゼロになって結晶にクラックが発生するのが
防止される。
【0012】また、この発明によれば、るつぼの変形が
グラファイト製フェルトで吸収されるようになっている
ため、この結晶育成用容器を用いることにより、サセプ
ターにより妨げられることなくるつぼの変形が起こるの
で、るつぼとサセプターとの間に発生し得る応力が緩和
される。
【0013】ここで、サセプターがグラファイトででき
ている理由は、本発明者らが行った実験によれば、良質
の硼酸リチウム単結晶が得られたからである。良質の結
晶が得られた理由として、グラファイトの熱伝導性が良
好であるため、結晶育成条件の設定を行ない易いという
ことが挙げられる。また、本発明者らによる推定である
が、グラファイトにより雰囲気のH2 O等が除去される
ことによって結晶育成雰囲気を制御することができると
いうことも良質の結晶が得られる理由の一つである。
【0014】また、上記発明において、前記グラファイ
ト製フェルトの厚さは、1mm以上5mm以下であるとよ
い。その理由は、本発明者らが行った実験によれば、フ
ェルトの厚さが1mm未満では、るつぼとサセプターとの
間の応力を緩和する効果が十分に得られず、一方、5mm
を超すと熱伝導度が小さくなって結晶育成条件の制御が
困難になるという結果が得られたからである。
【0015】また、上記発明において、前記るつぼは、
厚さ2mm以下のグラファイトでできていてもよい。そう
すれば、るつぼ自体の熱伝導性が良いとともに、硼酸リ
チウムの結晶育成温度から室温に至る温度範囲でるつぼ
の変形が起こり得る。
【0016】あるいは、上記発明において、前記るつぼ
は、白金、白金−ロジウム合金またはイリジウムででき
ていてもよい。そうすれば、硼酸リチウムの結晶育成温
度から室温に至る温度範囲でるつぼの変形が起こり得
る。特に、白金は、その入手が容易であるとともに、再
利用するための技術が確立されているため、好ましい。
さらに、本発明者らが行った実験によれば、るつぼが白
金でできた結晶育成用容器を使用して硼酸リチウム単結
晶を育成した場合には、結晶育成速度を従来よりも速い
0.3mm/hr〜1.0mm/hr にしても、気泡のない良好
な単 結晶が得られている。
【0017】また、本発明に係る硼酸リチウム単結晶の
育成方法は、上述した結晶育成用容器内に硼酸リチウム
原料を入れて加熱炉内で加熱し、前記硼酸リチウム原料
を融解して得られた原料融液に種結晶を接触させた状態
で、前記原料融液を種結晶側から徐々に冷却して固化さ
せることにより単結晶を育成することを特徴とするもの
である。
【0018】この発明によれば、硼酸リチウム単結晶の
育成時に、るつぼの塑性変形がサセプターにより妨げら
れることなく起こり、さらにそのるつぼの変形がグラフ
ァイト製フェルトにより吸収されるため、育成結晶に、
るつぼと育成結晶の熱膨張係数差による応力が低減し、
育成結晶にクラックが発生するのが防止される。
【0019】本発明者らが行った実験によれば、結晶育
成用容器のるつぼが白金でできたものを使用した場合で
あっても、結晶育成速度が0.3mm/hr〜1.0mm/hr
の範囲において、気泡のない良好な単結晶が得られてい
る。
【0020】
【発明の実施の形態】図1には、本発明に係る結晶育成
用容器の一例が示されている。この育成用容器1は、例
えばブリッジマン法や温度勾配法において使用される容
器であり、るつぼ10と、該るつぼ10を囲むグラファ
イト製のサセプター11との間に、グラファイト製のフ
ェルト12が介装されているものである。それによっ
て、るつぼ10内で原料融液2が固化して種結晶3から
結晶4が成長する際に、るつぼ10が変形することによ
り、るつぼと結晶の熱膨張係数差による応力が低減でき
る。また、るつぼ10が変形する際にグラファイト製フ
ェルト12が緩衝材となって、るつぼ10の変形がサセ
プター11により妨げられないようになっている。
【0021】るつぼ10は、硼酸リチウムの結晶育成温
度から室温に至る温度範囲で塑性変形し得るような特性
を有しており、例えば厚さ2mm以下のグラファイト、白
金、白金−ロジウム合金またはイリジウムでできてい
る。これらの材料及び厚さでできたるつぼ10において
は、硼酸リチウム単結晶を育成する場合に、硼酸リチウ
ムの結晶育成温度から室温に至る温度範囲でるつぼ10
の塑性変形が起こり得る。従って、グラファイトのるつ
ぼの厚さは薄いほうが好ましい。なお、現在、単結晶の
育成に耐えうる強度が得られるグラファイトのるつぼの
厚さの下限は約1mmである。
【0022】グラファイト製フェルト12の厚さは、1
mm以上5mm以下であるとよい。フェルト12の厚さが1
mm未満では、るつぼ10とサセプター11との間の応力
を緩和する効果が十分に得られない。一方、フェルト1
2の厚さが5mmを超すと、フェルト12自体の熱伝導度
が小さくなって結晶育成条件の制御が困難になるからで
ある。
【0023】また、結晶育成時には、図1に示すよう
に、サセプター11は例えばグラファイト製の載置台1
5上に設置され、サセプター11には蓋体16が被せら
れる。
【0024】四硼酸リチウム等の硼酸リチウムの単結晶
を育成する場合には、図1に示す構成の結晶育成用容器
1を用いて、ブリッジマン法や温度勾配法により結晶育
成を行う。その際、結晶育成速度は、0.3mm/hr〜
1.0mm/hr であるのが適当である。
【0025】上記実施形態によれば、結晶育成用容器1
が、グラファイト製サセプター11と、硼酸リチウムの
結晶育成温度から室温に至るまでの全温度範囲で変形可
能な特性を有するるつぼ10との間に、熱伝導性が良く
かつるつぼ10とサセプター11との間の応力を緩和可
能な所定厚さのグラファイト製フェルト12が設けられ
た構成となっているため、結晶育成時にこの容器1を用
いれば、育成結晶4がるつぼ10に融着するのが防止さ
れるとともに、育成結晶4とるつぼ10との間の応力が
低減もしくはゼロになって結晶4にクラックが発生する
のが防止される。加えて、結晶育成時のるつぼ10の変
形がサセプター11により妨げられることなく起こるの
で、るつぼ10とサセプター11との間に発生し得る応
力が緩和される。従って、この結晶育成用容器1を用い
て硼酸リチウム単結晶の育成を行うことにより、0.3
mm/hr〜1.0mm/hrと従来よりも速い育成速度でもっ
て、直径3インチ以上で長さが80mm以上の良質の硼酸
リチウム単結晶を得ることができる。
【0026】なお、るつぼ10の形状は、図1に示すよ
うにるつぼ底部がすり鉢状に形成されている以外にも、
種々変更可能である。
【0027】また、グラファイト製フェルト12の厚さ
は全体で均一になっていなくてもよく、結晶育成用容器
1の各部において必要とされる熱的な条件や応力緩和能
力を満足するように、容器1の各部で厚さが変化してい
てもよい。
【0028】さらに、本発明に係る結晶育成用容器は、
硼酸リチウム以外の他の結晶の育成にも適用可能であ
る。
【0029】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明の
特徴とするところを明らかとする。なお、本発明は、以
下の各実施例により何ら制限されるものではない。
【0030】(実施例1)図1に示す構成の結晶育成用
容器を用い、縦型加熱炉にて垂直ブリッジマン法により
四硼酸リチウム単結晶(融点:917℃)の育成を行っ
た。るつぼは厚さ0.1mmの白金製のものであり、グラ
ファイト製フェルトの厚さは3mmであった。また、サセ
プター、蓋体及び載置台もグラファイト製のものであっ
た。
【0031】まず、結晶育成用容器内に、四硼酸リチウ
ム単結晶よりなる種結晶及び十分に乾燥させた硼酸リチ
ウム原料を入れ、蓋をして載置台上に設置し、加熱炉の
ヒーターに給電して加熱することにより、硼酸リチウム
原料を融解した。得られた原料融液と種結晶とを十分に
接触させた後、加熱炉の駆動系装置を作動させて載置台
及び結晶育成用容器を低温側に移動させ、結晶育成を開
始した。なお、結晶育成用容器の位置を固定してヒータ
ーを移動させてもよい。
【0032】ここで、育成結晶の直径は80mm、結晶育
成速度は0.5mm/hr、原料融液中の温度勾配は9.0
℃/cmであった。
【0033】原料融液が全部固化して結晶育成が終了し
た後、得られた結晶を冷却し、結晶育成用容器から取り
出した。育成結晶はるつぼ内面に融着していなかったの
で、るつぼを壊すことなく結晶をるつぼから容易に抜き
出すことができた。
【0034】得られた結晶を調べたところ、クラック及
び気泡のない良質な四硼酸リチウム単結晶であった。
【0035】同じ条件で、結晶育成を繰り返し行ったと
ころ、全てるつぼを壊すことなく結晶をるつぼから容易
に抜き出すことができた。そして、得られた結晶は、全
てクラック及び気泡のない良質な四硼酸リチウム単結晶
であった。また、得られた結晶の長さは、80〜120
mmであった。
【0036】(実施例2)結晶育成用容器のるつぼとし
て厚さ1mmのグラファイト製るつぼを用いるとともに、
結晶育成速度を0.3mm/hrとした以外は、上記実施例
1と同じ条件で四硼酸リチウム単結晶の育成を繰り返し
行った。得られた結晶は、直径78mmで長さ80〜10
0mmの四硼酸リチウム単結晶であり、クラック及び気泡
は発生していなかった。また、全ての結晶において、結
晶がるつぼ内面に融着していなかったので、るつぼを壊
すことなくるつぼから容易に結晶を抜き出すことができ
た。
【0037】(実施例3)結晶育成用容器のグラファイ
ト製フェルトの厚さを5mmとした以外は、上記実施例1
と同じ条件で四硼酸リチウム単結晶の育成を繰り返し行
った。得られた結晶は、直径78mmで長さ80〜100
mmの四硼酸リチウム単結晶であり、クラック及び気泡は
発生していなかった。
【0038】(比較例1)厚さ3mmの白金製るつぼを単
体で用いるとともに、結晶育成速度を0.3mm/hrとし
た以外は、上記実施例1と同じ条件で四硼酸リチウム単
結晶の育成を行った。得られた結晶には、その中心部に
コア状の気泡が発生していた。
【0039】(比較例2)厚さ5mmのグラファイト製る
つぼを単体で用いるとともに、結晶育成速度を0.3mm
/hrとした以外は、上記実施例1と同じ条件で四硼酸リ
チウム単結晶の育成を行った。得られた結晶は、その上
部でるつぼ内面に固着しており、結晶にはクラックが発
生していた。
【0040】(比較例3)結晶育成用容器のグラファイ
ト製フェルトの厚さを10mmとするとともに、結晶育成
速度を0.3mm/hrとした以外は、上記実施例1と同じ
条件で四硼酸リチウム単結晶の育成を行った。得られた
結晶には、その中心部にわずかにコア状の気泡が発生し
ていた。気泡の発生原因は、フェルトが厚すぎるため、
原料融液中の温度勾配が所望の勾配にならなかったため
と考えられる。
【0041】
【発明の効果】本発明に係る硼酸リチウム単結晶育成用
容器によれば、グラファイト製サセプターと、硼酸リチ
ウムの結晶育成温度から室温に至るまでの全温度範囲で
塑性変形可能な特性を有するるつぼとの間に、熱伝導性
が良くかつるつぼとサセプターとの間の応力を緩和可能
な所定厚さのグラファイト製フェルトが設けられている
ため、この結晶育成用容器を用いれば、育成結晶とるつ
ぼとの熱膨張係数差による応力で発生するクラッキング
を防止することができるとともに、るつぼとサセプター
との間に発生し得る応力を緩和することができるので、
従来よりも速い結晶育成速度でもって、クラック及び気
泡のない良質の硼酸リチウム単結晶を得ることができ
る。
【0042】また、本発明に係る硼酸リチウム単結晶の
育成方法によれば、グラファイト製サセプターと、硼酸
リチウムの結晶育成温度から室温に至るまでの全温度範
囲で変形可能な特性を有するるつぼとの間に、熱伝導性
が良くかつるつぼとサセプターとの間の応力を緩和可能
な所定厚さのグラファイト製フェルトが設けられた結晶
育成用容器を用い、該容器内に硼酸リチウム原料を入れ
て加熱炉内で加熱し、前記硼酸リチウム原料を融解して
得られた原料融液に種結晶を接触させた状態で、前記原
料融液を種結晶側から徐々に冷却して固化させることに
より単結晶を育成するようにしたため、育成結晶とるつ
ぼの熱膨張差による応力で結晶にクラックが発生するの
を防止することができるとともに、るつぼとサセプター
との間に発生し得る応力を緩和することができるので、
従来よりも速い結晶育成速度でもって、クラック及び気
泡のない良質の硼酸リチウム単結晶を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る結晶育成用容器の一例を示す縦断
面図である。
【符号の説明】
1 結晶育成用容器 2 原料融液 3 種結晶 4 育成結晶 10 るつぼ 11 サセプター 12 フェルト 15 載置台 16 蓋体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グラファイト製サセプターと、硼酸リチ
    ウムの結晶育成温度から室温に至るまでの全温度範囲で
    変形可能な特性を有するるつぼとの間に、熱伝導性が良
    くかつるつぼとサセプターとの間の応力を緩和可能な所
    定厚さのグラファイト製フェルトが設けられていること
    を特徴とする硼酸リチウム単結晶育成用容器。
  2. 【請求項2】 前記グラファイト製フェルトの厚さは、
    1mm以上5mm以下であることを特徴とする請求項1記載
    の硼酸リチウム単結晶育成用容器。
  3. 【請求項3】 前記るつぼは、厚さ2mm以下のグラファ
    イトでできていることを特徴とする請求項1または2記
    載の硼酸リチウム単結晶育成用容器。
  4. 【請求項4】 前記るつぼは、白金、白金−ロジウム合
    金またはイリジウムでできていることを特徴とする請求
    項1または2記載の硼酸リチウム単結晶育成用容器。
  5. 【請求項5】 上記請求項1、2、3または4の何れか
    に記載の結晶育成用容器を用い、該容器内に硼酸リチウ
    ム原料を入れて加熱炉内で加熱し、前記硼酸リチウム原
    料を融解して得られた原料融液に種結晶を接触させた状
    態で、前記原料融液を種結晶側から徐々に冷却して固化
    させることにより単結晶を育成することを特徴とする硼
    酸リチウム単結晶の育成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011042560A (ja) * 2009-07-22 2011-03-03 Shinshu Univ サファイア単結晶の製造方法およびサファイア単結晶の製造装置
CN107304481A (zh) * 2016-04-21 2017-10-31 国立大学法人信州大学 氧化镓晶体的制造装置和氧化镓晶体的制造方法

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