JP3213806B2 - 硼酸リチウム単結晶の育成方法 - Google Patents

硼酸リチウム単結晶の育成方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硼酸リチウム単結
晶の育成方法に関し、例えば弾性表面波装置の基板材料
として用いる四硼酸リチウム単結晶の育成に適用して有
用な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】硼酸リチウム単結晶は、零温度係数を有
し且つ電気機械結合係数の高い結晶方位を有するなどの
優れた特性により、弾性表面波装置用の基板材料として
近年注目されている。このような硼酸リチウム単結晶を
育成する一手法としてるつぼ内で硼酸リチウムの原料融
液を徐々に固化させるブリッジマン法が公知である。
【0003】ブリッジマン法において、一般的な白金製
のるつぼを用いると固化した結晶がるつぼに固着してし
まうので、高価なるつぼを壊して結晶を取り出さなけれ
ばならず、るつぼの費用がかさんで結晶育成のコストが
高くなるという欠点がある。その対策として、るつぼを
二重構造とし、内側層にのみ白金を使用したるつぼにつ
いての提案がされている(実開昭58−160273
号)。この提案によれば、るつぼ1個当たりの白金の使
用量が減るので、るつぼの費用を低く抑えることができ
るとされている。しかし、依然として、白金層に固着し
た結晶を取り出すにはるつぼを壊さなければならないの
で、十分なコスト低減効果が得られるとは言い難く、改
善の余地は大いに残されている。そこで、硼酸リチウム
融液との濡れ性が悪いグラファイト製のるつぼを用いる
提案がされている(特公平8−749号)。この提案に
よれば、固化した結晶とるつぼとの固着が防止されるの
で、るつぼを壊さなくてもるつぼから容易に結晶を取り
出すことができるとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らがグラファイト製のるつぼを用いて硼酸リチウム結
晶の育成を行ったところ、ヒーターの温度が1000℃
を超えると、るつぼの上端と結晶とが焼き付き、その焼
付箇所にクラックが発生してしまうことがわかった。こ
のクラックは、結晶をるつぼから取り出す時に発生した
ものか、結晶成長時に発生したものかは不明であるが、
そのようなクラック発生によって単結晶の歩留まりが低
下してしまう。また、るつぼから結晶を取り出すにはる
つぼを壊さなければならないので、育成結晶の品質に悪
影響を及ぼす虞がある。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、るつぼと育成結晶との固着を防止してるつぼを壊す
ことなく良質の硼酸リチウム単結晶を得ることができる
育成方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、グラファイト製るつぼ内に入れた硼酸リ
チウム原料を加熱溶融し、その溶融した硼酸リチウム原
料融液を徐々に冷却して硼酸リチウム単結晶を育成する
にあたって、少なくとも前記原料融液の上面から1cm以
上の深さに至るまでのるつぼ内面が、白金、白金ロジウ
ムよりなる群から選ばれた金属箔により被覆されてなる
るつぼを用い、それによってるつぼと育成結晶との固着
を防止するようにしたものである。金属箔によるるつぼ
内面の被覆深さが原料融液の上面から1cm以上であるの
は、1cm未満では育成結晶の十分な固着防止効果が得ら
れないからである。
【0007】ここで、前記金属箔によるるつぼ内面の被
覆深さは、るつぼ底に至るまで金属箔で被覆されるより
、経済性を考慮すれば、前記原料融液の上面から5cm
以下であるとよい。
【0008】また、四硼酸リチウム単結晶を育成しても
よい。
【0009】
【発明の実施の形態】図1には、本発明の実施に使用さ
れる縦型加熱炉の一例が示されている。この縦型加熱炉
は、縦型の円筒状のヒーター6により囲まれた炉心管7
の中を、硼酸リチウムの原料融液3が入れられたるつぼ
4を支持台5とともに駆動系装置8により低温側へ移動
させることにより、硼酸リチウム単結晶よりなる種結晶
2と原料融液3との固液界面から徐々に原料融液3を固
化させて、硼酸リチウム単結晶1を育成させるようにな
っている。
【0010】るつぼ4は、グラファイト製のものであ
り、図1及び図2に示すように、少なくとも原料融液の
上面A(図2では二点鎖線で示した)から深さDcmまで
のるつぼ内面が白金等の金属箔40により被覆されてい
る。図1及び図2ではるつぼ4はその上端から金属箔4
0により被覆されている。ここで、白金等とは、白金、
白金ロジウムなどである。金属箔40の原料融液上面A
からの被覆深さDは、1cm以上であるのが適当である。
その理由は、被覆深さDが1cmに満たないと、育成結晶
1がるつぼ40の側部に固着してしまうからである。ま
た、前記被覆深さDの上限は、特に制限はなく、例えば
5cmを超えても5cm以下の場合と同様に固着防止効果が
得られるが、経済性を考慮すると、5cm以下であるのが
妥当である。
【0011】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明の
特徴とするところを明らかとする。なお、本発明は以下
の実施例により何ら制限されるものではない。
【0012】(実施例)図1の縦型加熱炉を用い、垂直
ブリッジマン法により四硼酸リチウム単結晶(融点:9
17℃)の育成を行った。るつぼ4はグラファイト製の
ものを用いた。また、るつぼ4の上端から、原料融液上
面Aからの被覆深さD(図2参照)が2cmとなる所ま
で、るつぼ内面を白金箔で被覆しておいた。
【0013】まず、白金箔で被覆されたるつぼ4内に十
分に乾燥させた硼酸リチウム原料を入れ、それを支持台
5上に設置し、ヒーター6に給電して炉心管7を加熱す
ることにより、硼酸リチウム原料を融解した。得られた
原料融液3と四硼酸リチウム単結晶よりなる種結晶2と
を接触させた後、駆動系装置8を作動させて支持台5及
びるつぼ4を図1に矢印で示すように、例えば垂直方向
下向きに移動させ、結晶育成を開始した。なお、るつぼ
4の移動方向を垂直方向上向きとしてもよいし、るつぼ
4の位置を固定してヒーター6を移動させてもよい。
【0014】ここで、育成結晶の直径は3インチ、結晶
育成速度は毎時0.3mm、結晶育成方向すなわち種結晶
2から原料融液3の上面Aに向かう方向の温度勾配は約
10℃/cmであった。なお、結晶育成中、原料融液3の
温度は四硼酸リチウム原料の融点以上の温度であるのは
いうまでもない。
【0015】原料融液3が全部固化して結晶育成が終了
した後、得られた結晶を冷却し、白金箔を持ち上げて白
金箔ごと育成結晶をるつぼ4から抜き出した。白金箔と
結晶とは相互に固着していたが、るつぼ4と白金箔とは
固着していなかったので、るつぼ4を壊すことなくるつ
ぼ4から容易に抜き出すことができた。その後、白金箔
を除去して結晶のみを得た。
【0016】得られた結晶を調べたところ、クラックの
ない良質な四硼酸リチウム単結晶であることが確認され
た。同様な条件で、結晶育成を5回繰り返し行ったとこ
ろ、5回ともクラックの発生が無かった。
【0017】(比較例)るつぼ4の内面を白金箔で被覆
しなかったこと以外は、上記実施例と同じ条件で四硼酸
リチウム単結晶の育成を行った。固化した結晶はるつぼ
に固着しており、そのままでは結晶をるつぼから抜き出
すことができなかった。るつぼを壊して結晶を取り出し
観察したところ、クラックが発生していた。同様な条件
で、結晶育成を3回繰り返し行ったところ、2回クラッ
クが発生した。
【0018】以上具体例を挙げて説明したように、本発
明を適用して結晶育成を行うことにより、るつぼ4と固
着せずにクラックのない良質の硼酸リチウム単結晶を歩
留まり良く得ることができる。また、るつぼ4を壊さず
に済むので、るつぼ4の費用が殆どかからず、結晶育成
コストが十分に低くなる。
【0019】なお、上記実施例では四硼酸リチウム(L
2 4 7 )の単結晶を育成した例を挙げたが、本発
明はそれに限らず他の組成の硼酸リチウム、例えばLi
35 やLiB3 2 の育成にも適用できるのはいう
までもない。
【0020】また、白金箔に限らず、白金ロジウムなど
の金属箔でも同様の効果が得られる。
【0021】さらに、白金箔の原料融液上面Aからの被
覆深さDは2cmに限らず、1〜5cmの間で任意に選択さ
れる。
【0022】さらにまた、上記実施例では垂直ブリッジ
マン法を採用したが、本発明はそれに限らず、ヒーター
を横方向に並べた横型加熱炉を用いた水平ブリッジマン
法、ヒーターの出力を調整して種結晶から離れるにした
がって原料融液の温度が高くなるような温度勾配を設け
ながら徐々に冷却して種結晶との接触部位から原料融液
を垂直方向或は水平方向に固化させる垂直グラジェント
フリージング法や水平グラジェントフリージング法にも
適用できる。
【0023】
【発明の効果】本発明に係る硼酸リチウム単結晶の育成
方法によれば、少なくとも原料融液の上面から所定の深
さに至るまでのるつぼ内面が、白金等の金属箔により被
覆されてなるるつぼを用いるようにしたため、育成結晶
がるつぼに固着せず、育成結晶をるつぼから容易に抜き
出すことができる。従って、育成結晶にクラックが発生
しないので、良質の硼酸リチウム単結晶を歩留まり良く
得ることができる。また、るつぼを壊さずに済むので、
るつぼの費用が殆どかからず、結晶育成コストが十分に
低くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において使用した縦型加熱炉の概略縦断
面図である。
【図2】実施例において使用したるつぼの斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 硼酸リチウム単結晶 2 種結晶 3 原料融液 4 るつぼ 5 るつぼ支持台 6 ヒーター 7 炉心管 8 駆動系装置 40 金属箔 A 原料融液の上面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−20596(JP,A) 特開 昭58−148071(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 1/00 - 35/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グラファイト製るつぼ内に入れた硼酸リ
    チウム原料を加熱溶融し、その溶融した硼酸リチウム原
    料融液を徐々に冷却して硼酸リチウム単結晶を育成する
    にあたって、少なくとも前記原料融液の上面から1cm以
    上の深さに至るまでのるつぼ内面が、白金、白金ロジウ
    ムよりなる群から選ばれた金属箔により被覆され、るつ
    ぼ底に至るまで金属箔で被覆されていないるつぼを用
    、るつぼを壊すことなく硼酸リチウム単結晶をるつぼ
    から抜き出すことを特徴とする硼酸リチウム単結晶の育
    成方法。
  2. 【請求項2】 前記金属箔によるるつぼ内面の被覆深さ
    は、前記原料融液の上面から5cm以下であることを特徴
    とする請求項1記載の硼酸リチウム単結晶の育成方法。
  3. 【請求項3】 四硼酸リチウム単結晶を育成することを
    特徴とする請求項1または請求項2記載の硼酸リチウム
    単結晶の育成方法。
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