JPH10259059A - 金属部材内蔵セラミックス部材の製造方法 - Google Patents

金属部材内蔵セラミックス部材の製造方法

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JPH10259059A
JPH10259059A JP9063148A JP6314897A JPH10259059A JP H10259059 A JPH10259059 A JP H10259059A JP 9063148 A JP9063148 A JP 9063148A JP 6314897 A JP6314897 A JP 6314897A JP H10259059 A JPH10259059 A JP H10259059A
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光司 池田
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小田  敏夫
Hiromichi Kobayashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属部材が内蔵されているセラミックス部材を
ホットプレス法によって製造するのに際して、セラミッ
クス部材中にある金属部材の平坦度を向上させ、セラミ
ックス部材中の空孔やクラックの発生を防止する。 【解決手段】セラミックス部材の原料とバインダーとの
混合物を噴霧造粒装置によって造粒して造粒顆粒を得、
この造粒顆粒を成形することによって、金属部材4が埋
設されている成形密度1.4〜2.5g/cm3 (好ま
しくは1.7〜2.0g/cm3 )の予備成形体17を
得、予備成形体17をホットプレスする。好ましくは、
金属部材を予備成形体の内部に所定平面に沿って埋設さ
せるために、所定平面に垂直な方向へと向かって一軸加
圧成形し、予備成形体17がバインダーを0.4〜5.
0重量%(好ましくは1.0〜3.0重量%)含有して
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電チャック等
の、金属電極等の金属部材を内蔵するセラミックス部材
を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、半導体ウエハーの搬送、露光、化
学的気相成長法、物理的気相成長法、スパッタリング等
の成膜プロセス、微細加工、洗浄、プラズマエッチン
グ、ダイシング等の工程において、半導体ウエハーを吸
着し、保持するために、静電チャックが使用されてい
る。こうした静電チャックの基材として、緻密質セラミ
ックスが注目されており、特に急激な温度変化によって
破壊しないような耐熱衝撃性を備えている材料として、
緻密質の窒化アルミニウム、窒化珪素、アルミナ等が注
目されている。
【0003】また、ホットプレス法によるセラミックス
の加圧焼成法は、窒化珪素、炭化珪素、窒化アルミニウ
ム等の各種のセラミックスの焼結のために使用されてき
ている。本出願人は、特開平5−318427号公報に
おいて、スリーブの内側面と、パンチの成形体と接触す
る表面とを、グラファイトホイル等の耐熱性箔片によっ
て被覆することを提案した。これは、高温、高圧下で、
スリーブやパンチとセラミックスとの化学反応による生
成物や、セラミックスが、スリーブやパンチに強固に付
着するのを防止する上で、極めて有効な方法であった。
【0004】また、本出願人は、特願平7−21815
8号明細書において、セラミックスヒーター、セラミッ
クス静電チャック、セラミックス高周波電極装置、セラ
ミックスサセプター等の半導体製造用装置の基材を製造
するために、窒化アルミニウムセラミックスをホットプ
レスすることを開示している。この公報に記載の方法に
おいては、型内に窒化アルミニウム粉末の成形体を収容
するのに際して、成形体とスリーブとの間、成形体とス
ペーサーとの間に、グラファイトホイルを被覆し、この
被覆によって成形体の周囲の雰囲気を制御し、かつ成形
体とスリーブおよびスペーサーとの反応を防止してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ホットプレス
法で、静電チャック電極等の金属電極が埋設されたセラ
ミックス部材を製造していく過程で、次の問題点が新た
に発生してくることが判明した。即ち、セラミックス部
材を製造し、その基材の内部に金属電極を埋設するため
には、通常は、セラミックス粉末の予備成形体を一軸加
圧成形法によって製造し、この際予備成形体の内部に予
め金属電極を埋設しておく。そして、この予備成形体
を、金属電極に対して実質的に垂直な方向に圧力が加わ
るようにホットプレスすることによって焼結体を得、こ
の焼結体を研磨加工等している。
【0006】しかし、例えば静電チャックにおいては、
セラミックス部材中の静電チャック電極の平坦度を向上
させることが必要である。なぜなら、静電チャック電極
と絶縁性誘電層の吸着面との間隔にバラツキがあると、
吸着面上の半導体ウエハーの吸着力にバラツキが生ずる
からである。また、例えばセラミックス部材の内部のヒ
ーター用電極が基材の表面に対して傾斜していると、ヒ
ーターの表面温度にバラツキが発生する。このように、
金属電極が埋設されている各種のセラミックス製品にお
いて、セラミックス部材内の金属電極の平坦度を確保す
ることが極めて重要である。
【0007】本発明者は、セラミックス部材の内部の金
属電極と、セラミックス部材の表面との間隔を一定にす
るために、次の方法を実施した。即ち、図1に示す焼結
体20の内部には、平板状の金属電極4が埋設されてい
る。焼結体20は、金属電極4によって、相対的に厚さ
の小さい第一の部分22と、相対的に厚さの大きい第二
の部分21とに区分されている。
【0008】ここで、金属電極4と、加工後のセラミッ
クス部材の表面との間隔を、金属電極4の全面にわたっ
て一定にすることが要求されている。ここで、金属電極
4と表面20aとの間隔に誤差を生じさせる要因は二つ
考えられる。一つは、金属電極4の全体が表面20aに
対して傾斜していることである。例えば、金属電極4の
中心線Cを引いてみたとき、通常は中心線Cが、焼結体
の表面20aに対して傾斜している。
【0009】本出願人は、まず、金属電極4の焼結体表
面20aに対する傾斜をなくするために、焼結体20の
表面20aからの金属電極4の距離mを、超音波の照射
によって測定してみた。この方法では、焼結体表面20
aの各部分に超音波を照射し、焼結体の内部の金属電極
4による超音波の反射を利用し、金属電極4と表面20
aとの距離を測定する。
【0010】この方法によって金属電極4の中心線Cの
座標を算出できる。そして、平面研削加工ないし平面研
磨加工によって、第一の部分22内に、中心線Cの平行
線Aに沿って研磨面を形成し、かつ、第二の部分21内
に、中心線Cの平行線Bに沿って研磨面を形成できる。
これによって、セラミックス部材の表面(研磨面)と金
属電極4の中心線Cとを平行にすることは可能になっ
た。
【0011】しかし、この方法によって加工できるの
は、焼結体20の表面だけであり、焼結体20の内部に
埋設された金属電極4の形状を変化させることはできな
い。しかし、現実には、金属電極4は中心線Cに沿って
おらず、中心線Cに対して凹凸があるのが通常である。
このため、セラミックス部材中に埋設されている金属電
極4の中心線Cに対する平坦度を、向上させることが必
要である。
【0012】また、ホットプレス焼結後にセラミックス
部材の中に空孔が生ずることがあり、この空孔は、セラ
ミックス部材の研磨加工後にその表面に小穴として現れ
る。こうした小穴は、パーティクル発生の原因となるこ
とがわかってきた。更に、ホットプレス焼結後にセラミ
ックス部材中に微細なクラックが発生することがあり、
これが温度の均一性を乱したり、あるいは劣化の開始点
となるおそれがある。
【0013】本発明の課題は、金属電極等の金属部材が
内蔵されているセラミックス部材をホットプレス法によ
って製造するのに際して、セラミックス部材中にある金
属部材の平坦度を向上させ、セラミックス部材中の空孔
やクラックの発生を防止できるようにすることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属部材が内
蔵されているセラミックス部材を製造するのに際して、
セラミックス部材の原料とバインダーとの混合物を噴霧
造粒装置によって造粒して造粒顆粒を得、この造粒顆粒
を成形することによって、金属部材が埋設されている成
形密度1.4g/cm3 以上、2.5g/cm3 以下の
予備成形体を得、この予備成形体をホットプレスするこ
とを特徴とする。
【0015】本発明者は、ホットプレス用の予備成形体
を作製する段階で、セラミックス部材の原料とバインダ
ーとの混合物を噴霧造粒装置によって造粒して造粒顆粒
を成形することを想到した。こうした造粒顆粒は、流動
性が高く、成形密度の高い均一な成形体を作製し易い。
従って、予備成形体中に金属部材を埋設したときに、金
属部材に加わる圧力が均一になり、金属部材が変形しに
くくなる。しかも、ホットプレス段階において、液相生
成が均一に起こるので、ここでも金属部材に加わる応力
が均一となり、金属部材が変形しにくい。また、予備成
形体の成形段階で空気の巻き込みが起こりにくいので、
ホットプレス後の焼結体中に空孔が残りにくく、かつ予
備成形体中にクラックが発生しにくい。
【0016】ただし、このような造粒顆粒を使用し、金
属部材が埋設されたホットプレス用の予備成形体を作製
する場合には、予備成形体の成形密度を1.4g/cm
3 以上、2.5g/cm3 以下とすることが必要であっ
た。これが1.4g/cm3 未満である場合には、金属
部材を埋設した後の成形段階やホットプレス段階におい
て、成形体の変形量が大きくなり、この変形に伴って金
属部材が変形してしまった。更に、予備成形体中への空
気の巻き込みが多く見られ、この空気によって、ホット
プレス後の焼結体中に空孔が残留した。
【0017】一方、予備成形体の成形密度が2.5g/
cm3 を越える場合には、予備成形体中にクラック、ラ
ミネーションが発生し、埋設した金属部材が局部的に変
形し、ホットプレス後の焼結体中にもクラックが残留す
ることが判った。
【0018】本発明においては、予備成形体の成形密度
を1.7g/cm3 以上、2.0g/cm3 以下とする
ことによって、より緻密で欠陥の少ない成形体を得るこ
とができ、ホットプレス後のセラミックス部材中の金属
部材の平坦度が、より一層向上し、焼成体の強度も向上
する。
【0019】本発明においては、金属部材を予備成形体
の内部に所定平面に沿って埋設させるために、所定平面
に垂直な方向へと向かって一軸加圧成形することが好ま
しい。
【0020】また、予備成形体中に含有させるバインダ
ーとしては、熱可塑性樹脂が特に好ましく、更にはアク
リル系バインダー、ブチラール系バインダーが特に好ま
しい。アクリル系バインダー、ブチラール系バインダー
は、熱を加えても架橋が進行しないために、比較的に低
温で焼失し、ホットプレス前の脱脂時またはホットプレ
ス時に液相が生成され始める前に飛散するため、焼結体
の内部に空孔が生成しにくい。また、造粒顆粒の外周に
形成されるバインダーの被膜が特に柔らかく、成形時に
造粒顆粒がつぶれやすいために、予備成形体の厚さが一
定かつ均一になり易く、予備成形体中に埋設される金属
部材も平坦になり易い。
【0021】これに対して、フェノール等の熱硬化製樹
脂は、熱を加えると架橋が進むため、低温では焼失しき
れずに、高温まで未分解成分が残留し、ホットプレスの
際に液相が生成されてから後で飛散するので、小穴の発
生をもたらす。また、各造粒顆粒の外周に形成される樹
脂被膜が硬く、成形時に造粒顆粒がつぶれにくいため
に、凹凸のある不均一な予備成形体ができ、予備成形体
中に埋設される金属部材も平坦になりにくい。
【0022】また、予備成形体がバインダーを0.4重
量%以上、更には、1.0重量%以上含有していること
が好ましい。これが0.4重量%未満である場合には、
造粒顆粒の流動性が十分ではなくなり、予備成形体の厚
さが不均一になりやすく、成形密度も不均一になりやす
い。このため、予備成形体中に埋設される金属部材が平
坦になりにくく、予備成形体にクラックやラミネーショ
ンが入りやすい。
【0023】また、予備成形体がバインダーを5.0重
量%以下、更には、3.0重量%以下含有していること
が好ましい。これが5.0重量%を越えると、成形時に
造粒顆粒間に介在するバインダーの層が厚くなり、予備
成形体が柔らかくなり、保形性が悪くなると共に、ホッ
トプレス時にバインダーが飛散しにくくなる傾向があ
る。このために、予備成形体中に埋設された金属部材が
平坦になりにくくなり、空孔ないし小穴も生じ易くな
る。
【0024】以下、適宜図面を参照しつつ、本発明を更
に詳細に説明する。図2は、本発明を適用できるセラミ
ックス部材を例示する断面図であり、図3(a)は、図
2のセラミックス部材のうち一部を切り欠いて示す斜視
図であり、図3(b)は、金属部材の一種である、金網
からなる電極7を示す斜視図である。
【0025】例えば略円盤形状のセラミックス部材1の
基材6の内部に、金網7からなる金属電極4が埋設され
ている。半導体ウエハーの設置面1a側には、所定厚さ
の絶縁性誘電層(第一の部分)2が形成されている。基
材6のうち支持部分(第二の部分)3側には、端子5が
埋設されており、端子5が金属電極4に接続されてい
る。端子5の端面が、基材6の裏面1bに露出してい
る。第一の部分2の厚さt1 と第二の部分3の厚さt2
とが異なっている。
【0026】本実施例における金属電極4は、図3
(a)、(b)に示すような金網7によって形成されて
いる。金網7は、円形の枠線7aと、枠線7aの内部に
縦横に形成されている線7bとからなっており、これら
の間に網目8が形成されている。
【0027】予備成形体中に金属電極を埋設する工程に
おいては、第一の部分の成形体を一軸加圧成形法によっ
て成形し、第一の部分の成形体の表面に金属電極を設
け、次いで第一の部分の上に第二の部分の原料を配置
し、一軸加圧成形法によって第二の部分を成形して予備
成形体を得ることが特に好ましい。
【0028】好適な一軸加圧成形のプロセスについて、
図4(a)〜(c)を参照しつつ説明する。図4(a)
に示すように、型9、上パンチ11、下パンチ10の中
に、本発明による造粒顆粒を充填し、加圧成形すること
によって、第一の部分の成形体12Aを得る。次いで、
図4(b)に示すように、第一の部分の成形体12Aの
上に金属電極4を設ける。成形体12Aおよび金属電極
4上に、本発明による造粒顆粒13を充填する。
【0029】次いで、図4(c)に示すように、再び一
軸加圧成形を行い、成形体12および金属電極4上に第
二の部分の成形体14を成形し、予備成形体17を得
る。ただし、17a、17bは加圧面であり、17cは
非加圧面である。
【0030】このように、二段階に分けて造粒顆粒の成
形を行う場合には、最初に成形される成形体12Aが、
金属電極4を設けるための土台となる。ここで、土台と
なる成形体12Aには、後で成形される成形体14の成
形圧力が金属電極4を介して加わったときに、変形する
ことなく耐えうるだけの強度と密度とが要求される。
【0031】従って、本発明の好適な態様においては、
最初に厚さが相対的に小さい成形体12Aを成形してお
く。これによって、成形体12Aは、後で成形される成
形体14の成形圧力に耐えうるだけの強度と密度を、成
形体12Aの全体にわたって備えやすいため、後の成形
時に成形体12Aが変形しにくく、このために金属電極
4が変形せず、金属電極の平坦度が向上するものと思わ
れる。
【0032】予備成形体中に埋設する金属部材は、平面
状の金属バルク材であることが最も好ましい。しかし、
印刷法によって製造された電極も含む。金属部材は、セ
ラミックスの焼成温度で安定な高融点金属、例えばタン
タル,タングステン,モリブデン,白金,レニウム、ハ
フニウム及びこれらの合金によって形成することが好ま
しい。
【0033】セラミックス部材を構成するセラミックス
としては、窒化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素、窒
化ホウ素、アルミナ等を例示できる。
【0034】金属部材を構成する金属バルク材として
は、例えば、次のものを例示できる。 (1)平板状の金属バルク材。 (2)平板状の金属バルク材の中に多数の小空間が形成
されているもの。 これには、多数の小孔を有する板状体からなる金属バル
ク材や、網状の金属バルク材を含む。多数の小孔を有す
る板状体としては、エッチングメタル、パンチングメタ
ルを例示できる。
【0035】次いで、予備成形体をホットプレスする。
この際には、予備成形体を1個ごとにホットプレスする
こともできるが、例えば図5の概略断面図に示すよう
に、ホットプレス装置の型内に複数の予備成形体を収容
し、複数の予備成形体を同時にホットプレスすることが
好ましい。
【0036】図5においては、型27およびスリーブ2
8A、28Bの中に、下パンチ31(一方の加圧用部
材)と上パンチ30(他方の加圧用部材)とが挿入され
ている。上パンチ30と下パンチ31との間に、例えば
七枚のスペーサー24A、24B、24C、24D、2
4E、24F、24Gと、六個の予備成形体17A、1
7B、17C、17D、17E、17Fとが収容されて
いる。上パンチ30の加圧面30a、下パンチ31の加
圧面31aに対して、それぞれスペーサー24A、24
Gが接触している。
【0037】本実施形態においては、上パンチ30と下
パンチ31との中央線Dが、ほぼ収縮の中心となる。上
パンチ30に近い各予備成形体17A、17B、17C
は、矢印Eで示すように中心線Dの方へと向かって収縮
する。下パンチ31に近い各予備成形体17D、17
E、17Fは、矢印Fで示すように中心線Dの方へと向
かって収縮する。
【0038】従って、下パンチ31に近い予備成形体1
7D、17E、17Fを、下パンチ31側に第二の部分
の成形体14が配向するように収容した。また、上パン
チ30に近い予備成形体17A、17B、17Cを、上
パンチ30側に第二の部分の成形体14が配向するよう
に収容した。
【0039】本発明のセラミックス部材は、特に半導体
製造用装置として有用である。例えば、セラミックス基
材中に抵抗発熱体を埋設したセラミックスヒーター、基
材中に静電チャック用電極を埋設したセラミック静電チ
ャック、基材中に抵抗発熱体と静電チャック用電極を埋
設した静電チャック付きヒーター、基材中にプラズマ発
生用電極を埋設した高周波発生用電極装置のような、能
動型装置として有用である。
【0040】
【実施例】以下、更に具体的な実験結果について述べ
る。 (実施例1〜12および比較例1〜4)図4(a)〜
(c)および図5を参照しつつ説明した前記方法に従っ
て、各セラミックス部材を製造した。窒化アルミニウム
粉末にアクリル系樹脂バインダーを0.6〜2.0%添
加し、噴霧造粒装置(スプレードライヤー)によって造
粒し、造粒顆粒を得た。この造粒顆粒を、図4(a)〜
(c)に示すようにして成形し、直径215mm、厚さ
30mmの円盤状予備成形体17を作製した。
【0041】ただし、金属電極4としては、モリブデン
製の網状電極を使用した。実施例3においては、金属電
極4としてモリブデン製のエッチングメタルを使用し、
実施例7においては、金属電極4としてモリブデンペー
ストの印刷層を使用した。第一の部分の厚さt1 と第二
の部分の厚さt2 との比率は、1:4とした。
【0042】予備成形体の成形圧力を、第一の部分、第
二の部分共に100:400kg/cm2 の範囲内で変
更し、かつ、噴霧造粒装置による造粒顆粒の平均粒径を
20〜200μmの範囲内で変更することによって、予
備成形体の成形密度を、表1に示すように変更させた。
【0043】六枚の予備成形体を、図5に示すように型
内に収容した。各スペーサーの直径を214.8mmと
し、厚さを14mmとした。各スペーサーと各予備成形
体との間に、直径214.8mm、厚さを0.25mm
の柔軟性黒鉛シートを介在させた。また、各スペーサー
および各予備成形体の非加圧面を覆うように、縦180
mm、横680mmの柔軟性黒鉛シートを設置した。
【0044】ホットプレス段階においては、1850℃
で2時間保持し、200kg/cm2 の圧力を加えた。
【0045】ホットプレス焼成後の各焼結体について、
第一の部分の表面から金属電極までの厚さを、それぞれ
20〜30点で計測し、平均値を求め、平均値からのバ
ラツキの大きさ(標準偏差)を算出した。六枚のセラミ
ックス部材の各標準偏差の平均を、平坦度とした。
【0046】第一の部分の表面から金属電極までの厚さ
は、次のようにして測定した。即ち、超音波発振子を第
一の部分の表面に当て、金属電極で反射して第一の部分
の表面に戻ってくる超音波を受信し、金属電極で反射し
てから表面に戻ってくるまでの時間と音速とから、第一
の部分の厚さを算出した。また、各試料を切断し、光学
顕微鏡によって第一の部分の厚さを直接に測定すること
によって、前記した超音波による計測の確からしさを確
認した。
【0047】また、ホットプレス後の焼結体の表面を研
磨仕上げ加工し、この加工面を倍率20倍の光学顕微鏡
によって観察し、肉眼で認められた長径0.1mm以上
の小穴の数を数えた。また、ホットプレス後の焼結体の
破壊強度を測定し、破壊面を観察することによって、焼
結体の内部のクラックの有無を確認した。これらの結果
を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】表1から判るように、金属電極が内蔵され
ているセラミックス部材を予備成形体のホットプレスに
よって製造するのに際して、本発明に従って造粒顆粒で
予備成形体を成形し、かつ予備成形体の成形密度を1.
4〜2.5g/cm3 に特定することによって、小穴が
消失し、320MPa以上の強度を有し、破壊面にはク
ラックが観察されない上、焼結体中の金属電極の平坦度
が著しく向上し、特に40μm以下の水準にまで急激に
向上することを発見した。更に、予備成形体の成形密度
を1.7〜2.0g/cm3 とすることによって、金属
電極の平坦度が15μm以下の水準にまで向上し、焼結
体の緻密化が進行し、強度が380MPa以上と急激に
向上した。
【0050】(実施例13〜15)実施例1〜12と同
様にして、本発明に従ってセラミックス部材を製造し
た。ただし、予備成形体に添加するバインダーを、表2
に示すように変更した。また、予備成形体の成形密度を
1.8g/cm2 とし、金属電極としてモリブデン製の
メッシュを使用した。この結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】この結果から判るように、フェノール系の
バインダーが添加されている造粒顆粒を使用した場合
も、クラックがなく、小穴は僅かであり、かつ金属電極
の平坦度も40μm以下の水準にできる。しかし、アク
リル系バインダーまたはブチラール系バインダーが添加
されている造粒顆粒を使用して、予備成形体を成形する
ことによって、小穴がまったく見られなくなり、かつ金
属電極の平坦度が15μm以下、特にアクリル系バイン
ダーの場合には10μm以下の水準にまで著しく減少す
ることがわかった。
【0053】(実施例16〜26)実施例1〜12と同
様にして、本発明に従ってセラミックス部材を製造し
た。ただし、予備成形体にアクリル系バインダーを添加
し、予備成形体の成形密度を1.6〜2.1g/cm2
とし、金属電極としてモリブデン製のメッシュを使用し
た。予備成形体中のバインダーの濃度を、表3に示すよ
うに変更した。この結果を表3に示す。
【0054】
【表3】
【0055】実施例16においては、バインダーの濃度
が0.3重量%であるが、小穴は確認されず、クラック
はごく僅かであり、焼結体中の金属電極の平坦度は38
μmであった。実施例26では、小穴は僅かに認められ
るが、クラックはなく、金属電極の平坦度は35μmと
良好であった。
【0056】しかし、バインダーの濃度を0.4〜5.
0重量%の範囲内にすることによって、小穴、クラック
共に消失し、ホットプレス焼結体中の金属電極の平坦度
も約20μm以下の水準にまで急激に減少することがわ
かった。更に、バインダーの濃度を1.0〜3.0重量
%の範囲内とすることによって、焼結体中の金属電極の
平坦度が一層顕著に減少することがわかった。
【0057】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、金
属部材が内蔵されているセラミックス部材をホットプレ
ス法によって製造するのに際して、セラミックス部材中
にある金属部材の平坦度を向上させ、セラミックス部材
中の空孔やクラックの発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】焼結体20中の金属電極4の状態を説明するた
めの模式図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るセラミックス部材1
を概略的に示す断面図である。
【図3】(a)は、図2のセラミックス部材のうち一部
を切り欠いて示す斜視図であり、(b)は、金網7から
なる電極を示す斜視図である。
【図4】(a)〜(c)は、本発明において予備成形体
の成形に適用可能な一軸加圧成形法の各工程を説明する
ための断面図である。
【図5】ホットプレス工程を実施するために、ホットプ
レス装置内に複数の予備成形体を収容した状態を概略的
に示す断面図である。
【符号の説明】
1 セラミックス部材 2 第一の部分 3 第二
の部分 4 金属電極 12 第一の部分の成形体 12A
第一の部分の成形体(第二の部分の成形前) 14
第二の部分の成形体 17、17A、17B、17
C、17D、17E、17F 予備成形体 24A、
24B、24C、24D、24E、24F、24G ス
ペーサー 30 上パンチ(他方の加圧用部材)
31 下パンチ(一方の加圧用部材) A、B Cの
平行線 C 金属電極4の中心線 D 予備成形体の収縮の中
心 E、F 予備成形体の収縮の方向 t1 第一
の部分の厚さ t2 第二の部分の厚さ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属部材が内蔵されているセラミックス部
    材を製造するのに際して、前記セラミックス部材の原料
    とバインダーとの混合物を噴霧造粒装置によって造粒し
    て造粒顆粒を得、この造粒顆粒を成形することによっ
    て、前記金属部材が埋設されている成形密度1.4g/
    cm3 以上、2.5g/cm3 以下の予備成形体を得、
    この予備成形体をホットプレスすることを特徴とする、
    金属部材内蔵セラミックス部材の製造方法。
  2. 【請求項2】前記金属部材を前記予備成形体の内部に所
    定平面に沿って埋設させるために、前記所定平面に垂直
    な方向へと向かって一軸加圧成形することを特徴とす
    る、請求項1記載の金属部材内蔵セラミックス部材の製
    造方法。
  3. 【請求項3】前記予備成形体の成形密度が1.7g/c
    3 以上、2.0g/cm3 以下であることを特徴とす
    る、請求項1または2記載の金属部材内蔵セラミックス
    部材の製造方法。
  4. 【請求項4】前記バインダーがアクリル系バインダーと
    ブチラール系バインダーとの少なくとも一方からなるこ
    とを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項
    に記載の金属部材内蔵セラミックス部材の製造方法。
  5. 【請求項5】前記バインダーを、前記予備成形体をホッ
    トプレスする前またはホットプレスにおいてセラミック
    スの液相生成の開始前に飛散させることを特徴とする、
    請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載の金属部材
    内蔵セラミックス部材の製造方法。
  6. 【請求項6】前記予備成形体が前記バインダーを0.4
    重量%以上、5.0重量%以下含有していることを特徴
    とする、請求項1〜5のいずれか一つの請求項に記載の
    金属部材内蔵セラミックス部材の製造方法。
  7. 【請求項7】前記予備成形体が前記バインダーを1.0
    重量%以上、3.0重量%以下含有していることを特徴
    とする、請求項6記載の金属部材内蔵セラミックス部材
    の製造方法。
  8. 【請求項8】前記金属部材が平面状の金属バルク材から
    なることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一つの
    請求項に記載の金属部材内蔵セラミックス部材の製造方
    法。
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