JPH10258233A - 不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸合成用触媒の製造法 - Google Patents

不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸合成用触媒の製造法

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JPH10258233A
JPH10258233A JP9084688A JP8468897A JPH10258233A JP H10258233 A JPH10258233 A JP H10258233A JP 9084688 A JP9084688 A JP 9084688A JP 8468897 A JP8468897 A JP 8468897A JP H10258233 A JPH10258233 A JP H10258233A
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徹 塩谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プロピレン、イソブチレン、第三級ブチルア
ルコールまたはメチル第三級ブチルエーテルを分子状酸
素を用いて気相接触酸化し、それぞれに対応する不飽和
アルデヒドおよび不飽和カルボン酸を高収率で製造する
ことのできる触媒の製造法を提供する。 【解決手段】 少なくともモリブデン、ビスマスおよび
鉄を含む触媒の製造に当り、触媒成分を含む水性スラリ
ーを熱処理した後、該水性スラリーの粒子を0.5〜1
0μmに微粒化し、スプレー乾燥機を用いて平均粒子径
10〜250μmの球状粒子にした後焼成することを特
徴とする不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸合成
用触媒の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロピレン、イソ
ブチレン、第三級ブチルアルコール(以下、TBAと略
す。)またはメチル第三級ブチルエーテル(以下、MT
BEと略す。)を分子状酸素を用いて気相接触酸化する
ことにより、それぞれに対応する不飽和アルデヒドおよ
び不飽和カルボン酸を合成する際に使用する触媒の製造
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プロピレンを気相接触酸化してア
クロレインおよびアクリル酸を製造する際に用いられる
触媒や、イソブチレン、TBAまたはMTBEを気相接
触酸化してメタクロレインおよびメタクリル酸を製造す
る際に用いられる触媒については数多くの提案がなされ
ている。例えば、特開平7−289902号公報には触
媒成分を含むスラリーを微粒化した後熱処理する方法が
記載されている。しかしながら、今までに知られていた
触媒は、収率の点でまだ十分とは言い難く、不飽和アル
デヒドおよび不飽和カルボン酸を高収率で得ることがで
きる触媒の製造法の開発が望まれているのが現状であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、プロピレ
ン、イソブチレン、TBAまたはMTBEを分子状酸素
を用いて気相接触酸化することにより、それぞれに対応
する不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸を高収率
で製造することのできる触媒の製造法の提供を目的とし
ている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、プロピレン、
イソブチレン、TBAまたはMTBEを分子状酸素を用
いて気相接触酸化し、それぞれに対応する不飽和アルデ
ヒドおよび不飽和カルボン酸を合成する際に用いられる
少なくともモリブデン、ビスマスおよび鉄を含む触媒の
製造に当り、触媒成分を含む水性スラリーを熱処理した
後、該水性スラリーの粒子を平均粒子径0.5〜10μ
mに微粒化し、次いでスプレー乾燥機を用いて平均粒子
径10〜250μmの球状粒子にした後焼成することを
特徴とする不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸合
成用触媒の製造法にある。
【0005】さらに本発明は、上記発明において触媒成
分を含む水性スラリーを熱処理する前に予め該水性スラ
リーの粒子を平均粒子径0.5〜10μmに微粒化して
おくことを特徴とする不飽和アルデヒドおよび不飽和カ
ルボン酸合成用触媒の製造法にある。
【0006】また、本発明は、プロピレン、イソブチレ
ン、TBAまたはMTBEを分子状酸素を用いて気相接
触酸化し、それぞれに対応する不飽和アルデヒドおよび
不飽和カルボン酸を合成する際に用いられる少なくとも
モリブデン、ビスマスおよび鉄を含む触媒の製造に当
り、触媒成分を含む水性スラリーの粒子を平均粒子径
0.5〜10μmに微粒化しながら熱処理し、次いでス
プレー乾燥機を用いて平均粒子径10〜250μmの球
状粒子にした後焼成することを特徴とする不飽和アルデ
ヒドおよび不飽和カルボン酸合成用触媒の製造法にあ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で製造される触媒は、プロ
ピレン、イソブチレン、TBAまたはMTBEを分子状
酸素を用いて気相接触酸化し、それぞれに対応する不飽
和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸、すなわち、プロ
ピレンからはアクロレインとアクリル酸、それ以外から
はメタクロレインとメタクリル酸を合成する際に用いら
れるもので、触媒を構成する成分に少なくともモリブデ
ン、ビスマスおよび鉄を含むものである。
【0008】本発明において、触媒成分を含む水性スラ
リーを製造する方法としては、特殊な方法に限定する必
要はなく、成分の著しい偏在を伴わない限り、従来から
良く知られている沈殿法、酸化物混合法等の種々の方法
を用いることができる。
【0009】本発明において、触媒成分を含む水性スラ
リーの熱処理条件としては、常圧下では100〜110
℃で0.1〜10時間、加圧下では100〜200℃で
0.1〜10時間である。熱処理温度が100℃未満の
場合、触媒の収率向上効果が少なく、200℃を超える
場合には工業用触媒製造装置の設計や構造が複雑となり
実用的でない。
【0010】本発明において、触媒成分を含む水性スラ
リーの粒子を平均粒子径0.5〜10μmに微粒化する
方法としては、ホモジナイザー、ビーズミル或いは超音
波の照射等の微粒化効率の優れた手段を用いることが実
用的である。
【0011】本発明によれば、熱処理の後および/また
は前、または熱処理と同時に微粒化処理された触媒成分
を含む水性スラリーの平均粒子径は0.5〜10μm、
好ましくは0.7〜8μmである。水性スラリーの平均
粒子径を0.5μmより小さく微粒化すると触媒成分を
形成する基本粒子が破壊されることがあり、目的とする
触媒性能が得られない場合があり好ましくない。また、
平均粒子径が10μmを超えると、触媒成分を含む水性
スラリーの均一性が保たれないため、スプレー乾燥段階
で触媒成分の分離を生じることがあり、その結果触媒性
能が低下する場合があり好ましくない。ここでいう平均
粒子径とは体積基準粒度分布における中位径を指す。
【0012】本発明において、触媒成分を含む水性スラ
リーの熱処理条件および微粒化条件は上述の通りである
が、後述するスプレー乾燥に先立ち、下記のいずれかの
方法で該水性スラリーを処理する。 (1)熱処理した後に微粒化する。 (2)予め微粒化したものを熱処理した後に微粒化す
る。 (3)微粒化しながら熱処理する。 このように本発明の特徴は、スプレー乾燥の直前に必ず
微粒化を行うことにある。
【0013】上記0.5〜10μmの大きさに微粒化し
た触媒成分を含む水性スラリーを、次いでスプレー乾燥
機で乾燥する。この場合、スプレー乾燥機で乾燥した球
状粒子の平均粒子径は10〜250μm、好ましくは2
0〜150μmとする。
【0014】スプレー乾燥した球状粒子の平均粒子径
は、日本セラミック協会編「セラミックの製造プロセス
−粉末の調製と成型−」p37、および化学工業社編別
冊化学工業34−2新増補二版「乾燥」工業操作シリー
ズNo.2、p.99等に記載の方法により調節するこ
とが可能である。
【0015】スプレー乾燥により得られた球状粒子は次
いで焼成される。焼成条件に特に限定はなく、公知の焼
成条件を適用することができる。焼成は通常200〜6
00℃の温度範囲で行われ、焼成時間は目的とする触媒
によって適宜選択される。
【0016】触媒焼成物は次いで成型される。成型の方
法および形状に特に限定はなく、打錠成型機、押出し成
型機、転動造粒機等の一般粉体用成型機を用いて、球
状、リング状、円柱状、星型状等の任意の形状に成型す
る。また、触媒焼成物は担体に担持して使用することも
できる。
【0017】触媒成分の原料としては、各元素の酸化
物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、水酸化物、アンモニウム
塩、ハロゲン化物等を組み合わせて使用することができ
る。例えば、モリブデン原料としてはパラモリブデン酸
アンモニウム、三酸化モリブデン等が使用できる。
【0018】触媒を製造する際、公知の添加剤、例え
ば、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロー
ス等の有機化合物を添加しても良い。更に、グラファイ
トやケイソウ土等の無機化合物、ガラス繊維、セラミッ
クファイバーや炭素繊維等の無機ファイバーを添加して
も良い。また、担持を行う際に使用する担体の成分とし
ては、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、マグネシ
ア、チタニア等が挙げられる。
【0019】上記のようにして得られた触媒は再度焼成
してもかまわない。焼成は通常200〜600℃の温度
範囲で行われる。
【0020】本発明の製造法は、特に一般式 Moa Bib Fecdefg Sihi(式中
Mo、Bi、Fe、SiおよびOはそれぞれモリブデ
ン、ビスマス、鉄、ケイ素および酸素を示し、Aはコバ
ルトおよびニッケルからなる群より選ばれた少なくとも
1種の元素を示し、Xはクロム、鉛、マンガン、カルシ
ウム、マグネシウム、ニオブ、銀、バリウム、スズ、タ
ンタルおよび亜鉛からなる群より選ばれた少なくとも1
種の元素を示し、Yはリン、硼素、硫黄、セレン、テル
ル、セリウム、タングステン、アンチモンおよびチタン
からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示し、
Zはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セ
シウムおよびタリウムからなる群より選ばれた少なくと
も1種の元素を示す。a、b、c、d、e、f、g、h
およびiは各元素の原子比率を表し、a=12のときb
=0.01〜3、c=0.01〜5、d=1〜12、e
=0〜8、f=0〜5、g=0.001〜2、h=0〜
20であり、iは前記各成分の原子価を満足するのに必
要な酸素原子数である。)で表される組成を有する触媒
に用いた場合に好ましい結果が得られる。
【0021】本発明の方法により製造された触媒の存在
下、原料のプロピレン、イソブチレン、TBAまたはM
TBEに分子状酸素を用いて気相接触酸化反応を行うこ
とにより、不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸を
得る。原料ガス中のプロピレン、イソブチレン、TBA
またはMTBE対分子状酸素のモル比は1:0.5〜3
の範囲が好ましい。原料ガスは不活性ガスで希釈して用
いることが好ましい。分子状酸素源としては空気を用い
ることが経済的であるが、必要ならば純酸素で富化した
空気も用いうる。反応圧力は常圧から数気圧までが良
い。反応温度は200〜450℃の範囲で選ぶことがで
きるが、特に250〜400℃の範囲が好ましい。反応
器中の触媒をシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、シ
リコンカーバイト、セラミックボールやステンレス鋼等
の不活性物質で希釈してもよい。
【0022】
【実施例】以下、本発明の方法による触媒の製造例およ
びその触媒を用いた反応例を具体的に説明する。説明
中、部は重量部であり、原料ガスおよび生成物の分析は
ガスクロマトグラフィーによった。また、実施例および
比較例中の原料オレフィン、TBAまたはMTBEの反
応率、生成する不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン
酸の選択率、生成する不飽和アルデヒドおよび不飽和カ
ルボン酸の合計収率(以下、合計収率と略す。)は以下
の定義により算出した。なお、スプレー乾燥に使用した
乾燥機としては「NIRO JAPAN」製スプレー乾
燥機(乾燥室SD−12.5型噴霧機回転円板ホイール
形式SL−24−120)を用いた。また、スラリーと
乾燥球状粒子の平均粒子径の測定は「株式会社セイシン
企業」製のPRO−7000Sで行った。
【0023】
【数1】
【0024】
【数2】
【0025】
【数3】
【0026】
【数4】
【0027】[実施例1]純水1000部にパラモリブ
デン酸アンモニウム500部、パラタングステン酸アン
モニウム6.2部、硝酸カリウム1.4部、三酸化アン
チモン27.5部および三酸化ビスマス55.0部を加
え加熱撹拌した(A−1液)。別に純水1000部に硝
酸第二鉄114.4部、硝酸コバルト274.7部およ
び硝酸亜鉛35.1部を順次加え溶解した(B−1
液)。A−1液にB−1液を加え水性スラリーとした
後、103℃に昇温し、撹拌保持下103℃で1.5時
間熱処理した後、エム・テクニック(株)製「クレアミ
ックス」(以下、単にクレアミックスと称す。)を用い
て該水性スラリーの粒子を平均粒子径3.5μmに微粒
化した。次いで微粒化した水性スラリーをスプレー乾燥
機を用いて平均粒子径76.6μmの乾燥球状粒子を得
た。
【0028】このようにして得られた乾燥球状粒子をロ
ータリーキルンを用いて空気雰囲気下300℃で1時間
焼成を行い触媒焼成粉とし、次いで加圧成型した。その
後再び空気雰囲気下500℃で6時間焼成した。得られ
た触媒の酸素以外の元素の組成(以下同じ)は、次式の
通りであった。 Mo120.1 Bi1 Fe1.2 Sb0.8 Co4 Zn0.5
0.06
【0029】この触媒をステンレス製反応管に充填し、
プロピレン5%、酸素12%、水蒸気10%および窒素
73%(容量%)の原料ガスを接触時間3.6秒で触媒
層を通過させ、310℃で反応させた。その結果、プロ
ピレンの反応率99.5%、アクロレインの選択率9
1.4%、アクリル酸の選択率6.7%、合計収率9
7.6%であった。
【0030】[実施例2]実施例1において、A−1液
にB−1液を加えた後の水性スラリーを「クレアミック
ス」を用いて平均粒子径3.2μmに微粒化処理を行い
ながら103℃に昇温し、撹拌保持下103℃で1.5
時間熱処理した後スプレー乾燥機を用いて74.6μm
の乾燥球状粒子を得た。このようにして得た乾燥球状粒
子から実施例1と同様にして触媒を製造し、同様の条件
で反応を行った。その結果、プロピレンの反応率99.
6%、アクロレインの選択率91.5%、アクリル酸の
選択率6.7%、合計収率97.8%であった。
【0031】[実施例3]実施例1において、A−1液
にB−1液を加えた後の水性スラリーを「クレアミック
ス」を用いて平均粒子径3.5μmに微粒化処理を行っ
た後、103℃に昇温し、撹拌保持下103℃で1.5
時間熱処理した。しかる後、再び「クレアミックス」を
用いて該水性スラリーの粒子を平均粒子径3.0μmに
微粒化した。次いで微粒化した水性スラリーをスプレー
乾燥機を用いて75.9μmの乾燥球状粒子を得た。こ
のようにして得た乾燥球状粒子から実施例1と同様にし
て触媒を製造し、同様の条件で反応を行った。その結
果、プロピレンの反応率99.5%、アクロレインの選
択率91.7%、アクリル酸の選択率6.5%、合計収
率97.7%であった。
【0032】[実施例4]実施例1において、水性スラ
リーをオートクレーブを用いて4kgf/cm2の加圧
下135℃で1.5時間熱処理した点以外は、実施例1
と同様にして触媒を製造し、同様の条件で反応を行っ
た。その結果、プロピレンの反応率99.5%、アクロ
レインの選択率91.6%、アクリル酸の選択率6.5
%、合計収率97.6%であった。本例におけるスプレ
ー乾燥後の球状粒子の平均粒子径は78.1μmであっ
た。
【0033】[比較例1]実施例1において、A−1液
にB−1液を加えた後の水性スラリーの微粒化処理を行
わなかった点以外は、実施例1と同様にして触媒を製造
し、同様の条件で反応を行った。その結果、プロピレン
の反応率98.5%、アクロレインの選択率89.6
%、アクリル酸の選択率6.3%、合計収率94.5%
であった。本例におけるスプレー乾燥後の球状粒子の平
均粒子径は76.3μmであった。
【0034】[比較例2]実施例1において、一般的な
ホモジナイザーを用いてA−1液にB−1液を加えた後
の水性スラリーの粒子を平均粒子径12.5μmに微粒
化処理を行った点以外は、実施例1と同様にして触媒を
製造し、同様の条件で反応を行った。その結果、プロピ
レンの反応率99.3%、アクロレインの選択率90.
9%、アクリル酸の選択率6.8%、合計収率97.0
%であった。本例におけるスプレー乾燥後の球状粒子の
平均粒子径は78.5μmであった。
【0035】[比較例3]実施例1において、一般的な
高圧ホモジナイザーを用いてA−1液にB−1液を加え
た後の水性スラリーの粒子を平均粒子径0.2μmに微
粒化処理を行った点以外は、実施例1と同様にして触媒
を製造し、同様の条件で反応を行った。その結果、プロ
ピレンの反応率99.5%、アクロレインの選択率9
0.8%、アクリル酸の選択率6.5%、合計収率9
6.8%であった。本例におけるスプレー乾燥後の球状
粒子の平均粒子径は72.1μmであった。
【0036】[実施例5]純水1000部にパラモリブ
デン酸アンモニウム500部、パラタングステン酸アン
モニウム6.2部、硝酸セシウム23.0部、三酸化ア
ンチモン27.5部および三酸化ビスマス33.0部を
加え加熱撹拌した(A−2液)。別に純水1000部に
硝酸第二鉄190.7部、硝酸ニッケル68.6部、硝
酸コバルト446.4部および硝酸マグネシウム30.
3部を順次加え溶解した(B−2液)。A−2液にB−
2液を加え水性スラリーとした後、103℃に昇温し、
撹拌を保持しながら1.5時間熱処理した後、「クレア
ミックス」を用いて該水性スラリーの粒子を平均粒子径
3.5μmに微粒化した。微粒化したスラリーをスプレ
ー乾燥機を用いて平均粒子径76.0μmの乾燥球状粒
子を得た。
【0037】このようにして得た乾燥球状粒子をロータ
リーキルンを用いて空気雰囲気下300℃で1時間焼成
を行い触媒焼成粉とし、加圧成型した。その後再び空気
雰囲気下500℃で6時間焼成した。得られた触媒の元
素の組成は、次の通りであった。 Mo120.1 Bi0.6 Fe2 Sb0.8 Ni1 Co6.5
0.5 Cs0.5
【0038】この触媒をステンレス製反応管に充填し、
イソブチレン5%、酸素12%、水蒸気10%および窒
素73%(容量%)の原料混合ガスを接触時間3.6秒
で触媒層を通過させ、340℃で反応させた。その結
果、イソブチレンの反応率98.8%、メタクロレイン
の選択率90.3%、メタクリル酸の選択率3.6%、
合計収率92.8%であった。
【0039】[実施例6]実施例5において、A−2液
にB−2液を加えた後の水性スラリーを「クレアミック
ス」を用いて平均粒子径3.2μmに微粒化処理を行い
ながら103℃に昇温し、撹拌保持下103℃で1.5
時間熱処理した後、水性スラリーをスプレー乾燥機を用
いて平均粒子径75.0μmの乾燥球状粒子を得た。こ
のようにして得た乾燥球状粒子から実施例5と同様にし
て触媒を製造し、同様の条件で反応を行った。その結
果、イソブチレンの反応率98.8%、メタクロレイン
の選択率90.4%、メタクリル酸の選択率3.6%、
合計収率92.9%であった。
【0040】[実施例7]実施例5において、A−2液
にB−2液を加えた後の水性スラリーを「クレアミック
ス」を用いて平均粒子径3.5μmに微粒化処理を行っ
た後、103℃に昇温し、撹拌保持下103℃で1.5
時間熱処理した。しかる後、再び「クレアミックス」を
用いて該水性スラリーの粒子を平均粒子径3.0μmに
微粒化した。次いで微粒化した水性スラリーをスプレー
乾燥機を用いて平均粒子径77.6μmの乾燥球状粒子
を得た。このようにして得た乾燥球状粒子から実施例5
と同様にして触媒を製造し、同様の条件で反応を行っ
た。その結果、イソブチレンの反応率98.7%、メタ
クロレインの選択率90.7%、メタクリル酸の選択率
3.4%、合計収率92.9%であった。
【0041】[実施例8]実施例5において、水性スラ
リーをオートクレーブを用いて4kgf/cm2の加圧
下135℃で1.5時間熱処理した点以外は、実施例5
と同様にして触媒を製造し、同様の条件で反応を行っ
た。その結果、イソブチレンの反応率98.8%、メタ
クロレインの選択率90.5%、メタクリル酸の選択率
3.4%、合計収率92.8%であった。本例における
スプレー乾燥後の球状粒子の平均粒子径は77.5μm
であった。
【0042】[比較例4]実施例5において、A−2液
にB−2液を加えた後の水性スラリーの微粒化処理を行
わなかった点以外は、実施例5と同様にして触媒を製造
し、同様の条件で反応を行った。その結果、イソブチレ
ンの反応率98.0%、メタクロレインの選択率89.
3%、メタクリル酸の選択率3.3%、合計収率90.
7%であった。本例におけるスプレー乾燥後の球状粒子
の平均粒子径は75.4μmであった。
【0043】[比較例5]実施例5において、一般的な
ホモジナイザーを用いてA−2液にB−2液を加えた後
の水性スラリーの粒子を平均粒子径12.5μmに微粒
化処理を行った点以外は、実施例5と同様にして触媒を
製造し、同様の条件で反応を行った。その結果、イソブ
チレンの反応率98.2%、メタクロレインの選択率9
0.4%、メタクリル酸の選択率3.5%、合計収率9
2.2%であった。本例におけるスプレー乾燥後の球状
粒子の平均粒子径は76.8μmであった。
【0044】[比較例6]実施例5において、一般的な
高圧ホモジナイザーを用いてA−2液にB−2液を加え
た後の水性スラリーの粒子を平均粒子径0.2μmに微
粒化処理を行った点以外は、実施例5と同様にして触媒
を製造し、同様の条件で反応を行った。その結果、イソ
ブチレンの反応率98.1%、メタクロレインの選択率
90.3%、メタクリル酸の選択率3.6%、合計収率
92.1%であった。本例におけるスプレー乾燥後の球
状粒子の平均粒子径は72.1μmであった。
【0045】[比較例7]実施例5において、A−2液
にB−2液を加えた水性スラリーを「クリアミックス」
を用いて該水性スラリーの粒子を平均粒子径3.5μm
に微粒化した後、103℃に昇温し、撹拌を保持しなが
ら1.5時間熱処理し、熱処理したスラリーをスプレー
乾燥機を用いて平均粒子径78.1μmの乾燥粒子を得
た以外は、実施例5と同様にして触媒を製造し、同様の
条件で反応を行った。その結果、イソブチレンの反応率
98.4%、メタクロレインの選択率90.3%、メタ
クリル酸の選択率3.3%、合計収率92.1%であっ
た。
【0046】[実施例9]実施例5の触媒を用い、原料
をTBAに変え、その他は実施例5と同様の条件で反応
を行った。その結果、TBAの反応率100%、メタク
ロレインの選択率88.4%、メタクリル酸の選択率
3.2%、合計収率91.6%であった。
【0047】[比較例8]実施例5において、A−2液
にB−2液を加えた後の水性スラリーの微粒化処理を行
わなかった点以外は、実施例5と同様にして触媒を製造
した。実施例9と同様の条件で反応を行った結果、TB
Aの反応率100%、メタクロレインの選択率86.5
%、メタクリル酸の選択率3.1%、合計収率89.6
%であった。
【0048】
【発明の効果】本発明の方法により製造された触媒を用
いて、プロピレン、イソブチレン、TBAまたはMTB
Eを分子状酸素を用いて気相接触酸化すると、それぞれ
に対応する不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸を
高収率で製造することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレン、イソブチレン、第三級ブチ
    ルアルコールまたはメチル第三級ブチルエーテルを分子
    状酸素を用いて気相接触酸化し、それぞれに対応する不
    飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸を合成する際に
    用いられる少なくともモリブデン、ビスマスおよび鉄を
    含む触媒の製造に当り、触媒成分を含む水性スラリーを
    熱処理した後、該水性スラリーの粒子を平均粒子径0.
    5〜10μmに微粒化し、次いでスプレー乾燥機を用い
    て平均粒子径10〜250μmの球状粒子にした後焼成
    することを特徴とする不飽和アルデヒドおよび不飽和カ
    ルボン酸合成用触媒の製造法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、触媒成分を含む水性
    スラリーを熱処理する前に予め該水性スラリーの粒子を
    平均粒子径0.5〜10μmに微粒化しておくことを特
    徴とする請求項1記載の不飽和アルデヒドおよび不飽和
    カルボン酸合成用触媒の製造法。
  3. 【請求項3】 プロピレン、イソブチレン、第三級ブチ
    ルアルコールまたはメチル第三級ブチルエーテルを分子
    状酸素を用いて気相接触酸化し、それぞれに対応する不
    飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸を合成する際に
    用いられる少なくともモリブデン、ビスマスおよび鉄を
    含む触媒の製造に当り、触媒成分を含む水性スラリーの
    粒子を平均粒子径0.5〜10μmに微粒化しながら熱
    処理し、次いでスプレー乾燥機を用いて平均粒子径10
    〜250μmの球状粒子にした後焼成することを特徴と
    する不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸合成用触
    媒の製造法。
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