JP2007222855A - 不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法 - Google Patents

不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プロピレン、イソブチレン、TBAまたはMTBEを分子状酸素を用いて気相接触酸化することにより、それぞれに対応する不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸を高収率で製造可能な触媒の製造方法を提供する。
【解決手段】触媒成分の原料のうち、少なくとも水に溶解しない原料を水に分散させた原料スラリーを調製する工程と、他の原料を水に溶解させた原料溶液を調製する工程と、前記原料スラリーを微粒化処理しつつ前記原料溶液と混合して、平均メディアン径が0.5〜10μmとなる触媒前駆体を含む触媒前駆体スラリーを調製する工程と、を有する方法により不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸合成用触媒を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、プロピレン、イソブチレン、第三級ブチルアルコール(以下、TBAという)またはメチル第三級ブチルエーテル(以下、MTBEという)を分子状酸素を用いて気相接触酸化することにより、それぞれに対応する不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸を合成する際に使用する触媒の製造方法に関する。
従来、プロピレンを気相接触酸化してアクロレインおよびアクリル酸を製造する際に用いられる触媒や、イソブチレン、TBAまたはMTBEを気相接触酸化してメタクロレインおよびメタクリル酸を製造する際に用いられる触媒については数多くの提案がなされている。例えば、特許文献1には触媒成分を含むスラリーを微粒化した後熱処理する方法が記載されている。また、特許文献2には三酸化ビスマスとモリブデン含有水溶液とを混合し、超音波処理を行い、鉄含有水溶液と混合する触媒製造方法が記載されている。さらに、特許文献3には触媒成分を含むスラリーを熱処理しながら微粒化する方法が記載されている。
特開平7−289902号公報 特開平8−24652号公報 特開平10−258233号公報
しかしながら、今までに知られていた触媒は、収率の点でまだ十分とは言い難く、不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸を高収率で得ることができる触媒の製造方法の開発が望まれている。
本発明は、プロピレン、イソブチレン、TBAまたはMTBEを分子状酸素を用いて気相接触酸化することにより、それぞれに対応する不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸を高収率で製造可能な触媒の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、プロピレン、イソブチレン、第三級ブチルアルコールまたはメチル第三級ブチルエーテルを分子状酸素を用いて気相接触酸化することにより、それぞれに対応する不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸を合成する際に使用される、少なくとも、モリブデン、ビスマスおよび鉄を触媒成分として含む不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法であって、
触媒成分の原料のうち、少なくとも水に溶解しない原料を水に分散させた原料スラリーを調製する工程と、
他の原料を水に溶解させた原料溶液を調製する工程と、
前記原料スラリーを微粒化処理しつつ前記原料溶液と混合して、平均メディアン径が0.5〜10μmとなる触媒前駆体を含む触媒前駆体スラリーを調製する工程と、
を有することを特徴とする不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法である。
また本発明は、上記発明において前記原料スラリーを調製する工程を、微粒化処理しつつ行うことを特徴とする不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法にある。
本発明によれば、プロピレン、イソブチレン、TBAまたはMTBEを分子状酸素を用いて気相接触酸化することにより、それぞれに対応する不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸を高収率で製造可能な触媒の製造方法を提供できる。
本発明で製造される触媒は、プロピレン、イソブチレン、TBAまたはMTBEを分子状酸素を用いて気相接触酸化し、それぞれに対応する不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸を合成する際に用いられるもので、触媒を構成する成分(触媒成分)に少なくともモリブデン、ビスマスおよび鉄を含むものである。原料としてプロピレンを用いた場合はアクロレインおよびアクリル酸が製造され、それ以外の原料を用いた場合はメタクロレインおよびメタクリル酸が製造される。
本発明の製造方法は、特に一般式(1)で表される組成を有する複合酸化物を含む触媒を製造する際に好適である。
MoaBibFecdefgSihi (1)
式中、Mo、Bi、Fe、SiおよびOはそれぞれモリブデン、ビスマス、鉄、ケイ素および酸素を示し、Mはコバルトおよびニッケルからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示し、Xはクロム、鉛、マンガン、カルシウム、マグネシウム、ニオブ、銀、バリウム、スズ、タンタルおよび亜鉛からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示し、Yはリン、ホウ素、硫黄、セレン、テルル、セリウム、タングステン、アンチモンおよびチタンからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示し、Zはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムおよびタリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示す。a、b、c、d、e、f、g、hおよびiは各元素の原子比率を表し、a=12のときb=0.01〜3、c=0.01〜5、d=1〜12、e=0〜8、f=0〜5、g=0.001〜2、h=0〜20であり、iは前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素原子比率である。この複合酸化物の酸素以外の組成は、触媒をアンモニア水に溶解してICP発光分析法と原子吸光分析法で分析することで見積もることができる。
以下、上記不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法について説明する。
まず、触媒成分の原料のうち、少なくとも水に溶解しない原料を水に分散させた原料スラリーを調製する。また、他の原料を水に溶解させた原料溶液を調製する。すなわち、触媒成分の原料のうち水に溶解しない原料と、水に溶解する原料とに分類し、少なくとも水に溶解しない原料を水に分散させて原料スラリーとする。水に溶解する原料の一部を原料スラリーに混合してもよい。そして、原料スラリーに混合しなかった残りの原料である水に溶解する原料の一部または全部を水に溶解させて原料溶液とする。
原料スラリーを調製する方法としては、特殊な方法に限定する必要は無く、成分の著しい偏在を伴わない限り、従来から良く知られている沈殿法、酸化物混合法等の種々の方法を用いることができる。原料スラリーを調製する際に、後述する微粒化処理しつつ行うことが好ましい。こうすることで、得られる触媒の性能がより高くなる。
触媒成分の原料としては、各元素の酸化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、水酸化物、アンモニウム塩、ハロゲン化物等を使用することができる。モリブデン原料としては、例えばパラモリブデン酸アンモニウム、三酸化モリブデン等が挙げられる。ビスマス原料としては、例えば、三酸化ビスマス、硝酸ビスマス、炭酸ビスマス、水酸化ビスマス等が使用できる。鉄原料としては、例えば、硝酸第二鉄、塩化第二鉄等が使用できる。触媒成分の原料は、各元素について1種でもよく、2種以上を併用してもよい。また、硝酸ビスマス等の水に不溶な原料は、予め硝酸等の酸に溶かして用いてもよい。
なお、触媒成分の原料として、水に溶解しない原料を少なくとも1つと、水に溶解する原料を少なくとも1つと、を選択することになるが、触媒成分の各元素において、水に溶解しない原料を選択しても、水に溶解する原料を選択してもよい。モリブデン原料としては、水に溶解するものを選択することが好ましい。鉄原料としては、水に溶解するものを選択することが好ましい。
次に、原料スラリーを微粒化処理しつつ原料溶液と混合して、触媒前駆体スラリーを調製する。このようにすることで、生成する触媒前駆体の粒径が微細かつ均一になり、高性能な触媒を再現性よく得られるからである。
本発明において、原料スラリーを微粒化する方法としては、ホモジナイザー、ビーズミル、ジェットミル或いは超音波照射等の微粒化効率の優れた手段を用いることが実用的である。微粒化に用いる装置としては、回転翼撹拌機、ホモジナイザー等の回転式撹拌装置、振り子式の直線運動型撹拌機、容器ごと振とうする振とう機、超音波などを用いた振動式撹拌機等の常用される撹拌装置を用いることができる。中でも、回転翼撹拌機、ホモジナイザー等の回転式撹拌装置を用いると撹拌の強度を容易に調節することが可能で工業上簡便であるので好ましい。特に、より高活性な触媒が得られる点でホモジナイザーの使用が好ましい。
原料スラリーと原料溶液とを混合する際の温度は、後述する熱処理時の温度より低く設定される。通常40℃より高く、好ましくは50℃以上である。また、通常80℃より低く、70℃以下が好ましい。
このとき、触媒前駆体スラリーに含まれる触媒前駆体の平均メディアン径が0.5〜10μmとなるまで微粒化処理をする。触媒前駆体の平均メディアン径は0.8μm以上が好ましく、1.0μm以上が特に好ましい。平均メディアン径が小さすぎると触媒活性を制御し難くなる。また、触媒前駆体の平均メディアン径は、8μm以下が好ましく、6μm以下が特に好ましい。平均メディアン径を小さくすると、得られる触媒中の触媒成分が均質化し、安定した触媒活性が得られるようになる。なお、触媒前駆体の平均メディアン径は、例えば、島津製作所製流動分布測定装置SALD−7000(商品名)を用いて測定することができる。
本発明の方法で製造された触媒の性能が高い要因としては、触媒前駆体の粒子径を制御していることだけでなく、触媒前駆体の形成過程で表面活性が変化するためだと推定する。そして、その方法の一つとして、原料スラリーと原料溶液との混合時に微粒化処理して、かつ触媒前駆体スラリーに含まれる触媒前駆体の粒子径を上記のように制御することが効果的だと考えられる。したがって、原料スラリーと原料溶液との混合後に微粒化処理して、結果として触媒前駆体スラリーに含まれる触媒前駆体の粒子径を上記のように制御しても、本発明の効果は得られない。
そして、必要に応じて前記触媒前駆体スラリーを熱処理する。熱処理とは、加熱して行う処理を言い、熟成、乾燥、焼成等を適宜組み合わせて行うことができる。
熟成の温度は80〜105℃が好ましい。熟成の時間は30分以上が好ましく、より好ましくは60分以上である。熟成の時間は長くても構わないが、通常は300分以下で行う。なお、「熟成」とは、上記触媒前駆体スラリーに熱を加えることで、上記触媒前駆体スラリーに含まれる触媒前駆体の分散斑を解消し、均質化させることである。
熟成を終えた触媒前駆体スラリーは、乾燥して粒子状にすることが好ましい。触媒前駆体スラリーを乾燥して粒子状にする方法は特に限定されず、例えば、スプレー乾燥機を用いて乾燥する方法、スラリードライヤーを用いて乾燥する方法、ドラムドライヤーを用いて乾燥する方法、蒸発乾固して塊状の乾燥物を粉砕する方法等が適用できる。中でも、乾燥と同時に粒子が得られる点、得られる粒子の形状が本発明に適し整った球形である点から、スプレー乾燥機を用いて乾燥球状粒子を得ることが好ましい。乾燥条件は乾燥方法により異なるが、スプレー乾燥機を用いる場合、入口温度は通常100〜500℃、出口温度は通常100℃以上、好ましくは105〜200℃である。
得られた乾燥粒子は、触媒原料等に由来する硝酸等の塩を含んでいる場合があり、粒子を成形して触媒成形体とした後にこれらの塩の分解温度以上で焼成すると、触媒成形体の強度が低下する恐れがある。このため、この時点で焼成して焼成粒子としておくことが好ましい。焼成条件は特に限定されず、公知の焼成条件を適用することができる。通常、焼成は200〜600℃の温度範囲で行われる。焼成時間は目的とする触媒によって適宜選択され、例えば1〜5時間とされる。
得られた焼成粒子は、次いで成形され、触媒成形体とされる。成形方法および形状に特に限定はなく、打錠成型機、押出成形機、転動造粒機等の一般粉体用成形機を用いて、球状、リング状、円柱状、星型状等の任意の形状に成形する。また、焼成粒子は担体に担持された担持型触媒にすることもでき、その際は担体を共存下で成型すればよい。
触媒成形体を製造する際には、公知の添加剤、例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等の有機化合物を添加しても良い。さらにグラファイトやケイソウ土等の無機化合物、ガラス繊維、セラミックファイバーや炭素繊維等の無機ファイバーを添加しても良い。また、担時を行う際に使用する担体の成分としては、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、マグネシア、チタニア等が挙げられる。
上記のようにして得られた触媒は再度焼成しても構わない。焼成は通常200〜600℃の温度範囲で、1〜3時間行われる。
本発明の方法により製造された触媒の存在下、プロピレン、イソブチレン、TBAまたはMTBEを原料とする分子状酸素による気相接触酸化反応を行うことで、原料に対応する不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸を高収率で製造可能となる。原料のプロピレン、イソブチレン、TBAまたはMTBE対分子状酸素のモル比は1:0.5〜3の範囲が好ましい。原料と分子状酸素とを含む原料ガスは、不活性ガスで希釈して用いることが経済的である。原料ガス中の原料の濃度は、2〜40容量%が好ましい。分子状酸素源としては空気を用いることが経済的であるが、必要ならば純酸素で富化した空気も用いうる。原料ガスに水蒸気を加えてもよい。反応圧力は常圧から数気圧までが良い。反応温度は200〜450℃の範囲で選ぶことができるが、特に250〜400℃の範囲が好ましい。反応器中の触媒をシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリコンカーバイト、セラミックボールやステンレス鋼等の不活性物質で希釈しても良い。
以下、本発明の方法による触媒の製造例およびその触媒を用いた反応例を具体的に説明する。説明中「部」は質量部を意味する。原料ガスおよび生成物の分析はガスクロマトグラフィーによる。微粒化処理には回転式ホモジナイザーは特殊機化工業社製T.K.ホモミクサーMARKII(商品名)(以下、ホモミクサー微粒化装置と称する)を用い、回転数12000rpmの条件で行った。触媒前駆体スラリーに含まれる粒子の平均メディアン径は、島津製作所製流動分布測定装置SALD−7000(商品名)を用いて測定した。触媒の元素の組成(酸素を除く)は、アンモニア水に溶解した触媒をICP発光分析法と原子吸光分析法により見積もった。
また、実施例および比較例中の原料(イソブチレン)の反応率、生成する不飽和アルデヒド(メタクロレイン)および不飽和カルボン酸(メタクリル酸)の選択率、生成する不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸の合計収率(以下、単に合計収率と称す)は次式により算出した。
原料の反応率(%)=A/B×100
不飽和アルデヒドの選択率(%)=C/A×100
不飽和カルボン酸の選択率(%)=D/A×100
合計収率(%)=(C+D)/B×100
ここで、Aは反応した原料のモル数、Bは供給した原料のモル数、Cは生成した不飽和アルデヒドのモル数、Dは生成した不飽和カルボン酸のモル数である。
〔実施例1〕
60℃の純水1000部に、パラモリブデン酸アンモニウム500部、パラタングステン酸アンモニウム12.4部、硝酸セシウム23.0部、三酸化アンチモン27.4部および三酸化ビスマス33.0部を加え、攪拌してA−1液(原料スラリー)を得た。これとは別に、室温の純水1000部に、硝酸第二鉄209.8部、硝酸ニッケル75.5部、硝酸コバルト453.3部、硝酸鉛31.3部および85質量%リン酸水溶液5.6部を順次加え、溶解してB液(原料溶液)を得た。
A−1液をホモミクサー微粒化装置により回転数12000rpmで微粒化処理しつつB液を混合し、触媒前駆体スラリーを得た。このとき触媒前駆体スラリーに含まれる粒子が平均メディアン径が1.7μmになるまで微粒化処理した。その後、この触媒前駆体スラリーを95℃に加熱、攪拌しながら1.5時間熟成し、回転円板型遠心アトマイザーを備えたスプレー乾燥機にて噴霧乾燥した。このとき、スプレー乾燥機のアトマイザーの回転数は11000rpmであり、入口温度は165℃であり、出口温度は125℃であった。
このようにして得た乾燥球状粒子をロータリーキルンを用いて空気雰囲気下300℃で1時間焼成を行い触媒焼成粉とし、その触媒焼成粉を加圧成型した。その後再び空気雰囲気下500℃で6時間焼成して触媒を得た。得られた触媒の酸素以外の元素の組成は、Mo120.2Bi0.6Fe2.2Sb0.8Ni1.1Co6.6Pb0.40.2Cs0.5であった。
この触媒10gを内径15mmのステンレス製反応管に充填し、イソブチレン(原料)5%、分子状酸素12%、水蒸気10%および窒素73%(容量%)の原料ガスを供給し、常圧下、接触時間3.6秒、反応温度340℃の条件で反応させ、イソブチレンを分子状酸素により気相接触酸化した。その結果、イソブチレンの反応率98.5%、メタクロレインの選択率91.5%、メタクリル酸の選択率2.8%、合計収率92.9%であった。
〔実施例2〕
ホモミクサー微粒化装置により回転数12000rpmで微粒化処理しつつ行ったこと以外は、実施例1におけるA−1液の調製と同様の方法で、A−2液(原料スラリー)を得た。
A−2液に対し引き続きホモミクサー微粒化装置により微粒化処理しつつB液を混合し、平均メディアン径が1.5μmになるまで微粒化処理したこと以外は、実施例1と同様にして触媒を製造し、実施例1と同様にして気相接触酸化を行った。その結果、イソブチレンの反応率98.5%、メタクロレインの選択率91.9%、メタクリル酸の選択率2.5%、合計収率93.0%であった。
〔比較例1〕
A−1液とB液との混合時には微粒化処理を行わず、混合後の触媒前駆体スラリーに対してホモミクサー微粒化装置により回転数12000rpmで平均メディアン径が3.5μmになるまで微粒化処理をした以外は、実施例1と同様にして触媒を製造し、実施例1と同様にして気相接触酸化を行った。その結果、イソブチレンの反応率98.1%、メタクロレインの選択率90.5%、メタクリル酸の選択率2.5%、合計収率91.2%であった。
Figure 2007222855
以上のように、本発明の製造方法によれば、不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸を高収率で製造可能な触媒の製造方法を提供できる。

Claims (2)

  1. プロピレン、イソブチレン、第三級ブチルアルコールまたはメチル第三級ブチルエーテルを分子状酸素を用いて気相接触酸化することにより、それぞれに対応する不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸を合成する際に使用される、少なくとも、モリブデン、ビスマスおよび鉄を触媒成分として含む不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法であって、
    触媒成分の原料のうち、少なくとも水に溶解しない原料を水に分散させた原料スラリーを調製する工程と、
    他の原料を水に溶解させた原料溶液を調製する工程と、
    前記原料スラリーを微粒化処理しつつ前記原料溶液と混合して、平均メディアン径が0.5〜10μmとなる触媒前駆体を含む触媒前駆体スラリーを調製する工程と、
    を有することを特徴とする不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法。
  2. 前記原料スラリーを調製する工程を、微粒化処理しつつ行うことを特徴とする請求項1に記載の不飽和アルデヒドおよび不飽和カルボン酸合成用触媒の製造方法。
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