JP5070089B2 - 不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸製造用触媒並びにその製造方法 - Google Patents

不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸製造用触媒並びにその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、プロピレン、イソブチレン、第三級ブチルアルコール(以下、TBAともいう)又はメチル第三級ブチルエーテル(以下、MTBEともいう)を、分子状酸素を用いて気相接触酸化することにより、それぞれに対応する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を合成する際に使用する触媒及びその製造方法に関する。
アクリル酸やメタクリル酸は工業原料として非常に有用な物質である。そのアクリル酸やメタクリル酸の工業的製法の一つとして、プロピレン、イソブチレン、第三級ブチルアルコール又はメチル第三級ブチルエーテルを用いた直接酸化法が挙げられる。この方法では、二段の酸化反応が用いられる。例えばメタクリル酸合成の場合、前段でイソブチレン、第三級ブチルアルコール又はメチル第三級ブチルエーテルの酸化により主としてメタクロレインと若干量のメタクリル酸が、後段で一段目において生成したメタクロレインを酸化してメタクリル酸が生成される。
一段目でなるべく最終生成物であるメタクリル酸をより選択性良く生成できれば本製造法の効率は上がる。例えば反応条件で転化率を上げることでメタクリル酸の選択率は上がるが、不要なCOやCO2が増大しかえって効率が落ちる。そのためそれを改善するには触媒の改良が必須となる。
プロピレンを気相接触酸化してアクロレイン及びアクリル酸を製造する際に用いる触媒や、イソブチレン、TBA又はMTBE等を気相接触酸化してメタクロレイン及びメタクリル酸を製造する際に用いる触媒については従来から多くの報告がなされている。
触媒成分として多成分系ビスマス、モリブデン、鉄系触媒が最も有名で、この構造はビスマスとモリブデンの酸化物、II価金属とモリブデンの酸化物、鉄とモリブデンの酸化物等から成ると報告されている(非特許文献1、2)。
ビスマス、モリブデン、鉄系以外の触媒成分についても報告されており、例えばアンチモン酸ビスマスとモリブデン酸バリウムの混合物も報告されている(特許文献1)。しかし、アクロレインやメタクロレインの選択率を上げるためにプロピレンやイソブチレンの転化率が低い条件で行っており、決して良好な触媒とはいえない。
特公昭49−28170号公報 M.W.J.Wolfs、Ph.A.Batist、J.Catalysis、32、25(1974) I.Matsuura、Proc.7th Intern. Congr. Catalysis 2、P1099(1981)、Kodansha−Elsevier
本発明の課題は、分子状酸素を用いたイソブチレン、第三級ブチルアルコール又はメチル第三級ブチルエーテルの気相接触酸化において、目的とする不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の合計選択率を維持しつつ、より不飽和カルボン酸選択性に優れた触媒及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、イソブチレン、第三級ブチルアルコール又はメチル第三級ブチルエーテルを、分子状酸素を用いて気相接触酸化することにより、それぞれに対応する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を製造する際に使用される、少なくとも、モリブデン、ビスマス、鉄、アンチモンを含み、かつ、コバルト、ニッケル、マンガン、鉛、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム及び亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素(M)、並びに、リン、ホウ素、硫黄、セレン、テルル、セリウム、タングステン及びチタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素(Y)を含む触媒であって、少なくともMMoO4、Fe2(MoO43及びBiSbO4の結晶を含有する触媒である。
また本発明は、前記ビスマス及びアンチモンの原料として、BiSbO4を用いて製造することを特徴とする前記触媒の製造方法である。
さらに本発明は、イソブチレン、第三級ブチルアルコール又はメチル第三級ブチルエーテルを、分子状酸素を用いて気相接触酸化することにより、それぞれに対応する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を製造する方法であって、前記気相接触酸化を前記触媒の存在下に行うことを特徴とする不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の製造方法である。
本発明によれば、目的とする不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の合計選択率を維持しつつ、より不飽和カルボン酸選択性に優れた触媒及びその製造方法を提供することができる。
[触媒]
本発明の触媒は、プロピレン、イソブチレン、第三級ブチルアルコール又は第三級ブチルエーテルを、分子状酸素を用いて気相接触酸化して、それぞれに対応する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を製造できる。プロピレンを原料とした場合はアクロレイン及びアクリル酸、イソブチレン、第三級ブチルアルコール又は第三級ブチルエーテルを原料とした場合はメタクロレイン及びメタクリル酸が得られる。
前記触媒は、少なくとも、モリブデン、ビスマス、鉄、アンチモンを含み、かつ、コバルト、ニッケル、マンガン、鉛、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム及び亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素(M)を含む複合酸化物である。
さらに、前記触媒は、クロム、ニオブ、銀、スズ及びタンタルからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素(以下、Xと表す)、リン、ホウ素、硫黄、セレン、テルル、セリウム、タングステン及びチタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素(以下、Yと表す)、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム及びタリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素(以下、Zと表す)、また、ケイ素を含んでもよい。
前記触媒の組成は特に限定されないが、下記式(1)で表される組成を有することが好ましい。
MoaBibFecSbdefghSiij (1)
(式中、Mo、Bi、Fe、Sb、Si及びOはそれぞれモリブデン、ビスマス、鉄、アンチモン、ケイ素及び酸素を表す。a〜iは原子組成比を示し、aが12のとき、bは0.01〜3、cは0.01〜5、dは0.01〜5、eは1〜12、fは0〜5、gは0〜5、hは0.001〜2、iは0〜20であり、jは原子全体の原子価を満足するのに必要な酸素原子比を示す。)
前記触媒の酸素以外の組成は、該触媒をアンモニア水に溶解してICP発光分析法、原子吸光分析法により分析することで測定することができる。またICP発光分析法、原子吸光分析法などで分析した標準サンプルがある場合は、蛍光X線分析装置を用いて該標準サンプルと比較することで算出することができる。
本発明の触媒は、少なくともMMoO4、Fe2(MoO43及びBiSbO4の結晶を含有する。MMoO4、Fe2(MoO43の結晶が存在しない場合、プロピレン等の原料の反応率が低く、目的とする不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸がほとんど生成しない。また、BiSbO4の結晶が存在しない場合、不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の合計選択率を維持しつつ、より不飽和カルボン酸選択性を向上させることができない。尚、複数のMが存在する場合は、少なくとも1種類のMMoO4が存在すればよい。
前記各結晶の有無は、X線回折装置(XRD)を用いることにより解析できる。各結晶の有無は、ICDD(International Center for Diffraction Data)カードに収録されているリファレンスに記載されている格子面間隔d値に対応する2θにXRDパターンのピークが存在するかどうかで判断する。但し、実際にはd値の中で強度が強く、他の結晶のd値と重ならない数点で確認する。
具体的には、Fe2(MoO43のd値は4.08Å(Cu管球を用いた場合の2θは21.8°、以下括弧内の値は同様)、3.87Å(23.0°)、3.46Å(25.7°)、BiSbO4のd値は3.26Å(27.3°)、2.90Å(30.8°)、1.81Å(50.5°)である。MMoO4のd値はMによって異なるが、例えば、MがCoの場合は、3.81Å(23.3°)、3.36Å(26.5°)、3.14Å(28.4°)である。
[触媒の製造方法]
以下、本発明における触媒の製造方法を説明する。
まず、少なくとも、モリブデン、ビスマス、鉄、アンチモン及び前記元素(M)の各原料を水に溶解又は分散させて、原料溶液又はスラリーを調製する。用いる原料は特に限定されず、各元素の硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、アンモニウム塩、酸化物、ハロゲン化物等を組み合わせて使用することができる。モリブデン原料としては、例えば、パラモリブデン酸アンモニウム、三酸化モリブデン、モリブデン酸、塩化モリブデン等が使用できる。ビスマス原料としては、例えば、三酸化ビスマス、硝酸ビスマス、次炭酸ビスマス等が使用できる。鉄原料としては、例えば、硝酸第二鉄、水酸化鉄、三酸化鉄等が使用できる。アンチモン原料としては、例えば、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン等が使用できる。各元素の原料は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記各元素を含む複合酸化物も原料に用いることができる。例えばBi2Mo312、Bi2Mo29、Bi2MoO6、Fe2Mo312、MMoO4、BiSbO4、FeSbO4、M3Sb28などが挙げられるが、本発明では、ビスマス及びアンチモンの原料としてBiSbO4を用いるのが好ましい。BiSbO4を原料に用いることにより、不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の合計選択率を維持しつつ、より不飽和カルボン酸選択性を向上させることが可能な触媒を製造することができる。BiSbO4はビスマス原料又はアンチモン原料の全量でも一部でも構わない。
BiSbO4の製造方法は特に限定しないが、例えば以下のように製造する。ビスマス原料として三酸化ビスマス、アンチモン原料として三酸化アンチモンをそれぞれ金属換算で等モル混合し、600℃で48時間焼成後、焼成された塊を粉砕、混合し、さらに850℃で12時間焼成することにより得られる。
次に、前記原料溶液又はスラリーを熱処理して触媒前駆体とする。熱処理する方法は特に限定されないが、例えば、スプレードライヤー、スラリードライヤー、ドラムドライヤーを用いる方法や、蒸発乾固して塊状の乾燥物を粉砕する方法等を適用することができる。中でも、乾燥と同時に粒子が得られる点、得られる粒子の形状が触媒として好適な球形である点から、スプレードライヤーを用いて乾燥球状粒子を得る方法が好ましい。乾燥条件は乾燥方法により異なるが、スプレードライヤーを用いる場合、入口温度は、例えば100〜500℃、出口温度は例えば100℃以上、好ましくは105〜200℃等とすることができる。
このようにして得られた触媒前駆体を焼成して触媒を得る。焼成条件は例えば200〜600℃の温度範囲で行うことができ、焼成時間は目的とする触媒によって適宜選択される。
更に、焼成粒子を触媒成形体に成形してもよい。焼成粒子は担持体に担持させた後成形してもよい。焼成粒子を担持体に担持させるには、焼成粒子と担体成分とを必要に応じて加熱、混合して形成することができる。担体成分としては、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、マグネシア、チタニア等を用いることができる。
更に、触媒成形体を製造する際、その他の添加剤として、例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等の有機化合物、グラファイト、ケイソウ土等の無機化合物、ガラス繊維、セラミックファイバー、炭素繊維等の無機ファイバーを添加してもよい。
触媒成形体を成形する方法としては、前記焼成粒子或いは、これを担持体に担持させた焼成粒子と、必要に応じて添加する添加物とを混合する。その後、打錠成型機、押出成形機、転動造粒機等の粉体用成形機を用いて、球状、リング状、円柱状、星型状等の任意の形状に成形する方法を挙げることができる。上記のようにして得られた触媒成形体を再度焼成してもよい。焼成は、例えば、通常200〜600℃の温度範囲で行うことができる。
[触媒を用いた不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の製造方法]
上記方法により製造された触媒の存在下、原料のプロピレン、イソブチレン、TBA又はMTBEを分子状酸素と気相接触反応させることにより不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を製造することができる。かかる気相接触反応は、触媒を充填した管式反応器を使用することが好ましく、多管式反応器を用いることができる。
原料ガスの分子状酸素としては、空気を用いるのが工業的に有利であるが、必要に応じて純酸素を混合して用いることもできる。
原料ガスは、窒素、炭酸ガス等の不活性ガス、水蒸気等で希釈して使用することが経済的である。原料ガス中のプロピレン等の濃度は広い範囲で変えることができ、例えば、1〜20容量%とすることができ、好ましくは3〜10容量%である。原料ガス中のプロピレン等と分子状酸素のモル比は1:0.5〜3の範囲が好ましい。
反応器中に充填する上記触媒は、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリコンカーバイト、セラミックボール、ステンレス鋼等の不活性物質で希釈して用いることができる。
反応圧力は常圧から数気圧までがよい。反応温度は200〜450℃の範囲で選択することができるが、250〜400℃の範囲が好ましい。
原料ガスと触媒との接触時間は0.5〜10秒が好ましく、より好ましくは1〜5秒である。
以下、本発明の触媒の製造例及びその触媒を用いた反応例を具体的に説明するが、これらは本発明をなんら制限するものではない。以下、実施例において、「部」は「質量部」を示す。
原料ガス及び生成物の分析はガスクロマトグラフィーにより行った。微粒化処理には回転式ホモジナイザー「T.K.ホモミクサーMARKII」(商品名、特殊機化工業製)(以下、ホモミクサー微粒化装置と称する)を用い、回転数12000rpmの条件で行った。粉体及び触媒スラリーに含まれる粒子の平均メディアン径は、粒度分布測定装置「SALD−7000」(商品名、島津製作所製)を用いて測定した。触媒の結晶は、X線回折装置「X’Pert Pro」(商品名、パナリティカル製)を用いて解析した。触媒の組成(酸素を除く)は、アンモニア水に溶解した触媒をICP発光分析法及び原子吸光法により測定した。
また、実施例及び比較例中の原料(イソブチレン)の反応率、生成する不飽和アルデヒド(メタクロレイン)、不飽和カルボン酸(メタクリル酸)、不飽和アルデヒド(メタクロレイン)と不飽和カルボン酸(メタクリル酸)の合計選択率(以下、合計選択率と称す)は次式により算出した。
原料の反応率(%)=A/B×100
不飽和アルデヒドの選択率(%)=C/A×100
不飽和カルボン酸の選択率(%)=D/A×100
合計選択率(%)=(C+D)/A×100。
ここで、Aは反応した原料(イソブチレン)のモル数、Bは供給した原料(イソブチレン)のモル数、Cは生成した不飽和アルデヒド(メタクロレイン)のモル数、Dは生成した不飽和カルボン酸(メタクリル酸)のモル数である。
〔実施例1〕
[BiSbO4の調製]
三酸化ビスマス10.0部と三酸化アンチモン6.2部を混合し、空気中600℃で24時間焼成した。混合後、さらに空気中850℃で12時間焼成し、出来た塊を粉砕し、平均粒子径が37μmの粉体を得た。
得られた粉体をXRD測定すると、主にBiSbO4特有のパターンが確認された。
[触媒の調製]
60℃の純水1000部にパラモリブデン酸アンモニウム500部、パラタングステン酸アンモニウム12.4部、硝酸セシウム23.0部、三酸化アンチモン13.7部、三酸化ビスマス11.0部及び予め調製したBiSbO437.3部を加え攪拌してA液を得た。これとは別に、室温の純水1000部に、硝酸第二鉄209.8部、硝酸ニッケル75.5部、硝酸コバルト453.3部、硝酸鉛31.3部、及び85質量%リン酸水溶液5.6部を順次加え、溶解してB液(原料溶液)を得た。
A液にB液を加え混合し、前記ホモミクサー微粒化装置により回転数12000rpmで平均メディアン径が3.5μmになるまで微粒化処理を行い、触媒前駆体を得た。その後、この触媒前駆体スラリーを95℃に加熱、攪拌しながら1.5時間熟成し、回転円盤型遠心アトマイザーを備えたスプレードライヤーにて噴霧乾燥した。このとき、スプレードライヤーのアトマイザー回転数は11000rpmであり、入口温度は165℃、出口温度は125℃であった。
このようにして得た乾燥球状粒子を、ロータリーキルンを用いて空気雰囲気化300℃で1時間焼成を行い触媒焼成粉とし、該触媒焼成粉を加圧成型、破砕した。この破砕粒子のうち、目開き2.36mmの篩を通過し、かつ目開き0.71mmの篩を通過しないものを得た。その後、こうして分級された特定の大きさの粒子を再び空気雰囲気下500℃で6時間焼成して、触媒を得た。得られた触媒の酸素以外の元素の組成は、Mo120.2Bi0.6Fe2.2Sb0.8Ni1.1Co6.6Pb0.40.2Cs0.5であった。また、XRD測定により、CoMoO4、Fe2(MoO43、BiSbO4の結晶の存在が確認された。
この触媒10gを内径15mmのステンレス製反応管に充填した。イソブチレン(原料)5%、分子状酸素12%、水蒸気10%及び窒素73%(容量%)の原料ガスを供給し、常圧下、接触時間2.6秒、反応温度340℃の条件でイソブチレンを分子状酸素により気相接触酸化した。その結果、イソブチレンの反応率98.5%、メタクロレインの選択率88.8%、メタクリル酸の選択率4.3%、メタクロレインとメタクリル酸の合計選択率93.1%を得た。
〔比較例1〕
三酸化アンチモンを27.4部、三酸化ビスマスを33.0部加え、BiSbO4を加えなかったこと以外は、実施例1と同様に触媒の調製を行った。
XRD測定により、前記触媒は、CoMoO4とFe2(MoO43の結晶の存在は確認されたが、BiSbO4の結晶の存在は確認されなかった。また、触媒の酸素以外の元素の組成は、実施例1と同じであった。
この触媒を用いたこと、接触時間を3.6秒にしたこと以外は、実施例1と同じ条件にて反応評価を行った。その結果、イソブチレンの反応率98.1%、メタクロレインの選択率90.5%、メタクリル酸の選択率2.5%、メタクロレインとメタクリル酸の合計選択率93.0%を得た。実施例1と、メタクロレインとメタクリル酸の合計選択率はほぼ同じであるが、メタクリル酸の選択率は実施例1と比較して約6割と低かった。
〔比較例2〕
接触時間を7.2秒にした以外は、比較例1と同じ条件にて反応評価を行った。その結果、イソブチレンの反応率100%、メタクロレインの選択率77.6%、メタクリル酸の選択率5.1%、メタクロレインとメタクリル酸の合計選択率82.7%を得た。実施例よりメタクリル酸の選択率は高いが、メタクロレインとメタクリル酸の合計選択率が著しく低かった。
〔比較例3〕
60℃の純水2000部にパラモリブデン酸アンモニウム500部を加え攪拌して溶解しA液を得た。これとは別に、室温の純水8000部に硝酸バリウム247部を加え攪拌して溶解しB液を得た。
A液にB液を加え混合し、その後水の大部分を蒸発させた。得られたケーキ状物質を120℃で16時間乾燥し、粉砕後、540℃で16時間焼成した。得られた粉体と実施例1で得られたBiSbO4を等量混合し、その触媒焼成粉を加圧成型し破砕し、この破砕粒子のうち、目開き2.36mmの篩を通過し、かつ目開き0.71mmの篩を通過しないものを得た。
XRD測定により、BaMoO4とBiSbO4の存在は確認されたがFe2(MoO43は確認されなかった。また、触媒の酸素以外の元素の組成は、Mo12Bi16Ba12Sb16であった。
こうして得られた触媒を、接触時間を10.0秒にした以外は、実施例1と同じ条件にて反応評価を行った。その結果、イソブチレンの反応率5.4%、メタクロレインの選択率78.5%、メタクリル酸の選択率0.0%、メタクロレインとメタクリル酸の合計選択率78.5%を得た。実施例1と比較して、反応率、メタクロレイン選択率及びメタクリル酸選択率はいずれも著しく低かった。特にメタクリル酸は全く生成しなかった。
Figure 0005070089
以上のように、本発明の触媒は、目的とする不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の合計選択率を維持しつつ、不飽和カルボン酸を高選択的に製造することができる。

Claims (3)

  1. ソブチレン、第三級ブチルアルコール又はメチル第三級ブチルエーテルを、分子状酸素を用いて気相接触酸化することにより、それぞれに対応する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を製造する際に使用される、少なくとも、モリブデン、ビスマス、鉄、アンチモンを含み、かつ、コバルト、ニッケル、マンガン、鉛、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム及び亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素(M)、並びに、リン、ホウ素、硫黄、セレン、テルル、セリウム、タングステン及びチタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素(Y)を含む触媒であって、少なくともMMoO4、Fe2(MoO43及びBiSbO4の結晶を含有する触媒。
  2. 前記ビスマス及びアンチモンの原料として、BiSbO4を用いて製造することを特徴とする請求項1記載の触媒の製造方法。
  3. ソブチレン、第三級ブチルアルコール又はメチル第三級ブチルエーテルを、分子状酸素を用いて気相接触酸化することにより、それぞれに対応する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を製造する方法であって、
    前記気相接触酸化を、請求項1又は2に記載の触媒の存在下に行うことを特徴とする不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の製造方法。
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