JPH10255337A - 光ディスク原盤の製造方法 - Google Patents

光ディスク原盤の製造方法

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JPH10255337A
JPH10255337A JP5803597A JP5803597A JPH10255337A JP H10255337 A JPH10255337 A JP H10255337A JP 5803597 A JP5803597 A JP 5803597A JP 5803597 A JP5803597 A JP 5803597A JP H10255337 A JPH10255337 A JP H10255337A
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JP
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photosensitive resin
substrate
exposure
acid
pattern
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JP5803597A
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Minoru Takeda
実 武田
Motohiro Furuki
基裕 古木
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細化されたピット及びグルーブといったパ
ターンの形成を可能とし、高記録密度化及び高記録容量
化に対応可能な光ディスクの製造を可能とする光ディス
ク原盤の製造を可能とする。 【解決手段】 基板上に、露光により酸が生成されてこ
の酸が触媒として作用する感光性樹脂を塗布し、これを
波長が300nm以下のレーザ光により露光して情報を
示すパターンの潜像を形成し、これを加熱処理し、現像
して情報を示すパターンを形成する。なお、基板として
無アルカリタイプのガラス或いは合成石英ガラスよりな
る基板を使用する、感光性樹脂を塗布した後、この上に
塩基性不純物を透過しない膜を積層形成し、この後に感
光性樹脂の露光を行うようにする、感光性樹脂の露光か
ら現像までの工程をアンモニア濃度が1ppb以下の雰
囲気中において行うようにすることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光ディスク原盤の製
造方法に関する。詳しくは、使用する感光性樹脂の種類
及び露光する光を規定することにより、情報を示すパタ
ーンの微細化を可能とし、高記録密度化及び高記録容量
化された光ディスクの製造を可能とする光ディスク原盤
の製造方法に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報記録の分野においては光学情
報記録方式に関する研究が各所で進められている。この
光学情報記録方式は、非接触で記録・再生が行えるこ
と、磁気記録方式に比べて一桁以上も高い記録密度が達
成できること、再生専用型,追記型,書換可能型のそれ
ぞれのメモリー形態に対応できる等の数々の利点を有
し、安価な大容量ファイルの実現を可能とする方式とし
て産業用から民生用まで幅広い用途の考えられているも
のである。
【0003】その中でも特に、再生専用型のメモリー形
態に対応した光ディスクであるデジタルオーディオディ
スクや光学式ビデオディスク等は広く普及している。
【0004】上記デジタルオーディオディスク等の光デ
ィスクは、情報信号を示すピットやグルーブ等の凹凸パ
ターンが形成された透明基板である光ディスク基板上に
アルミニウム膜等の金属薄膜よりなる反射膜が形成さ
れ、さらにこの反射膜を大気中の水分,O2 から保護す
るための保護膜が上記反射膜上に形成された構成とされ
る。なお、このような光ディスクの情報を再生する際に
は光ディスク基板側より上記凹凸パターンにレーザ光等
の再生光を照射し、その入射光と戻り光の反射率の差に
よって情報を検出する。
【0005】このような光ディスクにおいては、高記録
密度化及び高記録容量化が要求されており、これに対応
するべく、光学ピックアップの再生光を照射するための
対物レンズの開口数(以下、NAと称する。)を大きく
して再生光のスポット径を小さくすることが提案されて
いる。そして、例えば、これまで使用されてきたデジタ
ルオーディオディスクの対物レンズのNAが0.45で
あるのに対し、対物レンズのNAを0.60程度とし、
デジタルオーディオディスクの6〜8倍の記録容量を有
する光学式ビデオディスク(例えば、デジタル・ビデオ
・ディスク)が提案され、近年注目を浴びている。な
お、このような光学式ビデオディスク(例えば、デジタ
ル・ビデオ・ディスク)においては、最短ピット長が
0.4μm、トラックピッチが0.74μmとされてピ
ット列がスパイラル状に形成されており、直径12cm
の光ディスクの片面に4.7GBの情報容量を持たせて
いる。
【0006】これら光ディスクは、原盤工程(マスタリ
ングプロセス)とディスク化工程(レプリケーションプ
ロセス)により大きく2つに分けられる製造工程を経て
製造される。上記原盤工程は基板上に情報を示すパター
ンの複製を行うのに必要な金型(金型原盤、スタンパ
ー)を完成させるまでのプロセスであり、ディスク化工
程はその後光ディスクを完成させるまでのプロセスであ
る。
【0007】このうち、原盤工程は、例えばガラス基板
に感光性樹脂であるフォトレジストを塗布し、このフォ
トレジストにレーザ光による露光を行って情報を示すパ
ターンの潜像を形成し、これを現像して情報を示すパタ
ーンを形成し、電鋳等の手法によって金属表面上に上記
パターンの転写を行い、これを原盤としてスタンパーを
形成するものである。
【0008】具体的には、先ず、例えば厚さ数mmのガ
ラス基板の一主面上に紫外線感光性フォトレジストをス
ピンコートにより塗布し、膜厚が0.1〜0.2μmの
紫外線感光性フォトレジストよりなる膜を形成する。次
にこのガラス基板を回転させながら、紫外線感光性フォ
トレジストよりなる膜に対し、波長が350〜460n
m程度であり青色または近紫外域で発振するAr,Kr
レーザ光等のガスレーザ光を情報を示す信号に合わせて
オン/オフさせて照射し、スポット的に露光を行い、情
報を示すパターンであるピットまたはグルーブ状の微細
パターンの潜像を形成する。続いて、上記紫外線感光性
フォトレジストを現像して上記微細パターンを完成す
る。そして、この微細パターンにニッケル等をめっきし
て金属表面に上記パターンの転写を行い、これを原盤と
してスタンパーを形成する。
【0009】なお、上記紫外線感光性フォトレジストと
しては、フェノールノボラック樹脂をベースレジンと
し、ナフトキンジアジドを感光剤とするいわゆるノボラ
ック系レジストが一般的に使用される。
【0010】また、前述のデジタルオーディオディスク
の6〜8倍の記録容量を有する光学式ビデオディスク
(例えば、デジタル・ビデオ・ディスク)を製造するた
めの原盤工程においては、紫外線感光性フォトレジスト
の露光に例えば波長413nmのKr(イオン)レーザ
光を使用している。この場合の形成可能な最短ピット長
Pは以下に示す式(1)により求められる。
【0011】P=K(NA/λ)・・・式(1) なお、式1中λはレーザ光の波長を示し、NAは対物レ
ンズの開口数、Kはプロセスファクター値(レジスト特
性等に依存し、0.8〜0.9の値を採る。)を示す。
ここで式(1)中にλ=413nm、NA=0.9、K
=0.8を代入すると、P=0.37μmとなる。すな
わち、このようにすれば、上記のような光ディスクに対
応する原盤を製造することは十分に可能である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、情報通信及
び画像処理技術の急激な発展に伴い、上述したような光
ディスクにおいては、今後、更なる高記録密度化及び高
記録容量化が要求されるものと思われ、例えば、前述し
た光学式ビデオディスク等と同様の信号処理方式により
直径12cmの光ディスクの片面に20GBの情報容量
を持たせるといったことが要求されるものと考えられ
る。そして、この要求に応えるためには最短ピット長を
0.2μm、トラックピッチを0.35μmにまで微細
化する必要がある。
【0013】そしてこのためには、対物レンズの高NA
化及び露光に使用するレーザ光の短波長化が必要である
ことは上記式(1)からも明らかである。しかしなが
ら、対物レンズのNAはレンズの設計作製精度の面から
現状の0.9が上限であると考えられる。従って、レー
ザ光の短波長化が求められることとなる。そこで、例え
ば波長250nm前後の短波長紫外線レーザ光を使用し
て短波長化を図った場合、式(1)から最短ピット長は
0.23μmとなる。すなわち、これでは、上記のよう
な要求にかなり近づくものの、若干解像力が不足してお
り、上記要求に対応することが不可能である。
【0014】また、従来より一般的に使用されてきた紫
外線感光性フォトレジストであるノボラック系レジスト
を上記のような300nm以下の波長の光により露光し
て、上記のように微細化されたピット等のパターンを形
成するのは極めて困難である。すなわち、上記ノボラッ
ク系レジストにおいては、ベースレジンであるフェノー
ルノボラック樹脂及び感光剤であるナフトキンジアジド
の光吸収率が光の波長が300nm以下となると急激に
増大する。このため、このノボラック系レジストを30
0nm以下の波長の光により露光すると、内部吸収によ
り解像力を決定するコントラスト値が著しく劣化し、エ
ッジの切り立ちが悪いピットが形成されてしまう。さら
に、上記ノボラック系レジストを使用した場合、300
nm以下の波長の光に対しては感度が低下し、生産性も
著しく低下してしまい、好ましくない。
【0015】そこで本発明は、従来の実情に鑑みて提案
されたものであり、微細化されたピット及びグルーブと
いったパターンの形成を可能とし、高記録密度化及び高
記録容量化に対応可能な光ディスクの製造を可能とする
光ディスク原盤の製造方法を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明の光ディスク原盤の製造方法は、基板上に、
露光により酸が生成されてこの酸が触媒として作用する
感光性樹脂を塗布する工程と、上記感光性樹脂を波長が
300nm以下のレーザ光により露光し、情報を示すパ
ターンの潜像を形成する工程と、上記感光性樹脂を加熱
処理する工程と、上記感光性樹脂を現像して情報を示す
パターンを形成する工程を有することを特徴とするもの
である。なお、上記300nm以下のレーザ光のうちで
も、短波長紫外線レーザ光を使用することが好ましい。
【0017】また、本発明の光ディスク原盤の製造方法
においては、感光性樹脂がアルカリ性現像液により現像
されることが好ましい。
【0018】上記のように露光により酸が生成されてこ
の酸が触媒として作用する感光性樹脂においては、露光
により酸が発生して後工程の加熱処理時に触媒として機
能し、現像液に対して可溶な部分と不溶な部分を形成し
てパターンの潜像を形成する。従って、酸の発生時から
加熱処理工程の間における周辺環境は感光性樹脂の解像
度に大きく影響を及ぼす。具体的には雰囲気中、基板中
にアンモニア,ナトリウムといった塩基性成分が含まれ
ていると、これが微量であっても、感光性樹脂中に取り
込まれ、酸と反応して酸を失活させてしまい、その機能
を損なわせてしまう。
【0019】このことは、感光性樹脂中の空気や基板と
接触している部分において起こり易く、例えばアルカリ
性現像液により現像した場合に、感光性樹脂表面に難溶
層が庇状に残ってしまったり、基板との接触部に難溶層
が裾引き状に残ってしまい、パターンを正確に形成する
ことが不可能となる場合もある。さらには、庇状に形成
された難溶層によりそれよりも基板側となる感光性樹脂
の現像が阻止されてしまうこともある。従って、雰囲気
中及び基板中に塩基成分が含有されないことが好まし
い。
【0020】そこで、本発明の光ディスク原盤の製造方
法においては、基板として無アルカリタイプのガラス或
いは合成石英ガラスよりなる基板を使用することが好ま
しい。
【0021】また、本発明の光ディスク原盤の製造方法
においては、感光性樹脂を塗布した後、この上に塩基性
不純物を透過しない膜を積層形成し、この後に感光性樹
脂の露光を行うようにしても良い。
【0022】さらに、本発明の光ディスク原盤の製造方
法においては、感光性樹脂の露光から現像までの工程を
アンモニア濃度が1ppb以下の雰囲気中において行う
ことが好ましい。
【0023】本発明の光ディスク原盤の製造方法におい
ては、基板上に、露光により酸が生成されてこの酸が触
媒として作用する感光性樹脂を塗布し、上記感光性樹脂
を波長が300nm以下のレーザ光により露光し、情報
を示すパターンの潜像を形成し、上記感光性樹脂を加熱
処理し、上記感光性樹脂を現像して情報を示すパターン
を形成する。上記感光性樹脂は、短波長紫外域における
内部吸収が従来より一般的に使用されているノボラック
系レジストと比較して格段に小さい。このため、ノボラ
ック系レジストでは対応が困難であった波長300nm
以下の短波長光での露光による微細化されたパターンの
形成に十分対応する。また、この感光性樹脂において
は、露光時に発生する酸を加熱処理時に触媒として機能
させる光化学反応メカニズムを利用していることから、
感度も良好である。
【0024】さらに、本発明の光ディスク原盤の製造方
法において、基板として無アルカリタイプのガラス或い
は合成石英ガラスよりなる基板を使用する、感光性樹脂
を塗布した後、この上に塩基性不純物を透過しない膜を
積層形成し、この後に感光性樹脂の露光を行うようにす
る、感光性樹脂の露光から現像までの工程をアンモニア
濃度が1ppb以下の雰囲気中において行うようにすれ
ば、塩基性成分が感光性樹脂中の酸と反応して酸を失活
させ、その機能を損なわせてしまうことがなく、パター
ンの形成が正確に行われる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0026】先ず、例えば外径が220mmで厚さが6
mmの基板を用意する。この基板としては、Na及びK
等のアルカリ性塩基成分を全く含まない無アルカリガラ
スや合成石英ガラスよりなるものを使用することが好ま
しい。これらのガラスの成分は、従来、一般的に使用さ
れている青板ガラスの成分がSiO2 :72.5%、R
23 :2%、RO:12%、R2 O:13.5%(た
だし、Rは金属を表し、R2 OのRはNaやKのような
1価の金属原子を示す。以下も同様である。)であるの
に対し、無アルカリガラスにおいてはSiO2 :56
%、R23 :17%、RO:27%であり、合成石英
ガラスにおいてはSiO2 :100%である。
【0027】次に、上記基板の一主面上に露光により酸
が生成されてこの酸が触媒として作用する感光性樹脂を
スピンコートにより塗布して厚さ0.1μmで均一な厚
さを有する感光性樹脂膜を形成する。
【0028】このような感光性樹脂としては、ポリビニ
ルフェノールの水酸基をtert−ブトキシカルボニル
基(t−BOC)で保護したポリマー(ポリ(p−te
rt−ブトキシカルボニルオキシスチレン),以下、P
BOCSTと称する。)とスルホニウム塩からなる系が
例示される。化1に示すスルホニウム塩の光分解により
生成したプロトン酸が、露光後の加熱処理において化2
に示すようにPBOCSTからポリ(p−ビニルフェノ
ール)への熱分解の触媒となる。この熱分解反応におい
ては、二酸化炭素,イソブテンが生成し、さらにプロト
ンも再生される。そして、このプロトンが次の反応を引
き起こしていく。なお、このような感光性樹脂は、一般
に化学増幅系と称される。
【0029】
【化1】
【0030】
【化2】
【0031】ポリビニルフェノールはアルカリ可溶で非
極性有機溶媒に不溶であり、PBOCSTはこれとは逆
の溶解性を示す。従って、この系はアルカリ水溶液また
はアルコールで現像するとポジ型レジストとして機能す
る。さらには、シクロヘキサン等の非極性溶媒で現像す
ると、ネガ型レジストとして機能する。
【0032】次に、図1に示すように、光源1より照射
される光を音響光学素子2等によりデジタル信号でパル
ス変調し、NA0.9前後の対物レンズ3を介してスポ
ット径が0.25μm以下となるように図中矢印L1
示すように集光して基板4の一主面4a上の図示しない
感光性樹脂膜に照射し、情報を示すピット或いはグルー
ブといったパターン5のスパイラル状の潜像を感光性樹
脂膜に形成する。上記感光性樹脂においては、前述した
ように露光により感光剤であるスルホニウム塩の光分解
によるプロトン酸が生成されるため、露光部分にのみプ
ロトン酸が生成されることとなる。
【0033】このとき、光源1として波長266nmの
YAG4倍波レーザ等の短波長紫外線レーザ光源を使用
し、基板4を図中矢印Mで示すように面内方向に回転さ
せ、この回転は線速一定の等速度回転モード(CLV;
Constant Liner Velocity)で
行い、対物レンズ3を一定のトラックピッチを形成する
ことが可能なように内周側から外周側に向かって移動さ
せるようにする。
【0034】そして、この光学系においては、光源1か
ら対物レンズ3の間に光源1から照射された光を音響光
学素子2に集光させるレンズ6とこれを再び平行光に戻
すレンズ7、対物レンズ3の入射瞳径と同程度またはそ
れ以上にビーム径を拡大するビームエキスパンダー8も
組み込まれており、光源1からの光は図中矢印L2 で示
すようにレンズ6を介して音響光学素子2に入り、ここ
からレンズ7、ビームエキスパンダー8を介して対物レ
ンズ3に入ることとなる。なお、この光学系において
は、光源1からの光の光路を変更するためのミラー9
a,9bを光源1とレンズ6の間に配し、ビームエキス
パンダー8からの光の光路を変更するミラー10をビー
ムエキスパンダー8と対物レンズ3の間に配している。
【0035】本例においては、紫外線感光樹脂として上
述のような材料を使用しており、このような紫外線感光
樹脂においては、波長300nm以下の短波長紫外域の
光に対する内部吸収が、従来より一般的に使用されてい
るノボラック系レジストと比較して格段に小さい。この
ため、上記のように波長300nm以下の短波長光で露
光に十分対応可能であり、微細化されたパターンの潜像
の形成に十分対応可能である。
【0036】続いて、上記のようにパターンの潜像が形
成された感光性樹脂膜が形成された基板4に加熱処理を
行う。この加熱処理により、感光性樹脂中の露光部に生
成したプロトン酸が活性化され、これがPBOCSTか
らポリ(p−ビニルフェノール)への熱分解の触媒とな
る。この熱分解反応においては、二酸化炭素,イソブテ
ンが生成し、さらにプロトンも再生される。そして、こ
のプロトンが次の反応を引き起こしていき、反応が継続
して起こる。この結果、露光部分のみアルカリ性溶液に
可溶な化学構造に変化することとなる。このときの加熱
条件は、プロトン酸による反応を十分に促進させるべ
く、温度を90℃以上とし、保持時間を2〜3分間とす
る必要がある。
【0037】また、上記感光性樹脂においては、露光時
に発生する酸を加熱処理時に触媒として機能させる光化
学反応メカニズムを利用していることから、感度も良好
である。
【0038】本例において、基板4として前述のように
Na及びK等のアルカリ性塩基成分を全く含まない無ア
ルカリガラスや合成石英ガラスよりなるものを使用する
ようにすれば、塩基性成分が感光性樹脂中の酸と反応し
て酸を失活させ、その機能を損なわせてしまうことがな
く、パターンの形成が正確に行われる。
【0039】そして、基板4が十分に冷却された後に、
これをアルカリ性現像液に浸積させて露光部の感光性樹
脂を溶解させて、感光性樹脂膜にピット或いはグルーブ
といったパターンを形成して光ディスク原盤を完成す
る。
【0040】さらに、上記感光性樹脂膜上に例えばスパ
ッタ装置で厚さ数十nmのNi薄膜を形成し、続いてめ
っき装置による電鋳を行い、厚さ300μmのNiより
なるスタンパーを形成し、このスタンパーを基板より剥
離し、パターンが転写されていない裏面の研磨や端面の
処理を行ってスタンパーを形成すれば良い。
【0041】本例の光ディスク原盤の製造方法において
は、前述のように微細化されたパターンの潜像の形成に
十分対応可能であり、高記録密度化及び高記録容量化に
対応可能な光ディスクの製造を可能とする光ディスク原
盤の製造が可能である。また、パターン形成時の感度も
良好であることから生産性良好に光ディスク原盤の製造
が行われる。
【0042】このような光ディスク原盤の製造方法にお
いては、感光性樹脂を塗布した後、この上に塩基性不純
物を透過しない膜を積層形成し、この後に感光性樹脂の
露光を行うようにしても良く、このようにすれば、塩基
性成分が感光性樹脂中の酸の機能を損なわせてしまうの
を更に抑えることが可能となり、パターンの形成が更に
正確に行われる。
【0043】具体的には、感光性樹脂を塗布した後、例
えばポリビニルアルコール等の短波長紫外線領域の光に
対する透過性が高く、水溶性の材料よりなる薄膜をスピ
ンコートにより形成し、これを加熱処理する。なお、塩
基性不純物の透過を防ぐためには、上記薄膜の厚さは5
0nm程度とすることが好ましい。上記のように水溶性
の材料よりなる薄膜を形成するようにすれば、現像工程
においてこの薄膜は溶解除去される。
【0044】また、このような光ディスク原盤の製造方
法においては、前述のように感光性樹脂の露光から現像
までの工程をアンモニア濃度が1ppb以下の雰囲気中
において行うことが好ましく、このようにすれば、塩基
性成分が感光性樹脂中の酸の機能を損なわせてしまうの
を更に抑えることが可能となり、パターンの形成が更に
正確に行われる。
【0045】雰囲気中のアンモニア濃度を1ppb以下
に維持するために、光ディスク原盤の製造を図2に示す
ような装置内で行うようにしても良い。すなわち、外部
雰囲気から密閉されたクリーンブース11の一部にフィ
ルター12を設け、クリーンブース11内に取り入れる
空気中のアンモニアの除去を可能とし、クリーンブース
11内の空気中のアンモニア濃度を1ppb以下に維持
できるようにする。なお、このクリーンブース11内の
空気中のアンモニア濃度は常時監視可能となされてお
り、必要に応じて調整可能となされている。ここで、ア
ンモニア濃度を規定するようにしたのは、空気中の塩基
性不純物としては、アンモニアが代表的であるためであ
る。
【0046】そして、このクリーンブース11内に、基
板4上に塗布された図示しない感光性樹脂にパターンを
形成するべく光を照射するいわゆるカッティングマシー
ン13、パターンの潜像が形成される感光性樹脂が形成
されている基板4を加熱処理する加熱板14、感光性樹
脂を現像する現像装置15を配するようにすれば良い。
【0047】上記カッティングマシーン13は本体16
の一主面16a上に、光源16、ミラー17,19,2
1、音響光学素子18、ビームエキスパンダー20、対
物レンズ22により構成される光学系23が配され、前
述と同様にして光の照射が行われるものである。
【0048】また、加熱板14は、一主面14a上に基
板4を載置してこれを均等に加熱するものである。
【0049】さらに、現像装置15は、本体24と現像
液が充填される現像液タンク25この現像液タンク25
内の現像液を導出するパイプ26、このパイプ26の先
端に取り付けられ現像液を噴霧するノズル27により構
成されるものであり、本体24の一主面24aに現像液
を噴霧することが可能なようにノズル27が配置されて
いる。従って、上記一主面24a上にパターンの潜像が
形成された感光性樹脂が形成される基板4を載置し、こ
れに図中破線で示すように現像液を噴霧することで現像
を行うものである。
【0050】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の光ディスク原盤の製造方法においては、基板上に、
露光により酸が生成されてこの酸が触媒として作用する
感光性樹脂を塗布し、上記感光性樹脂を波長が300n
m以下のレーザ光により露光し、情報を示すパターンの
潜像を形成し、上記感光性樹脂を加熱処理し、上記感光
性樹脂を現像して情報を示すパターンを形成する。上記
感光性樹脂は、短波長紫外域における内部吸収が従来よ
り一般的に使用されているノボラック系レジストと比較
して格段に小さい。このため、ノボラック系レジストで
は対応が困難であった波長300nm以下の短波長光で
の露光による微細化されたパターンの形成に十分対応す
る。従って、本発明の光ディスク原盤の製造方法によれ
ば、高記録密度化及び高記録容量化に対応可能な光ディ
スクの製造を可能とする光ディスク原盤の製造が可能と
なる。
【0051】また、この感光性樹脂においては、露光時
に発生する酸を加熱処理時に触媒として機能させる光化
学反応メカニズムを利用していることから、感度も良好
であり、本発明の光ディスク原盤の製造方法によれば、
生産性良好に光ディスク原盤の製造が行われる。
【0052】さらに、本発明の光ディスク原盤の製造方
法において、基板として無アルカリタイプのガラス或い
は合成石英ガラスよりなる基板を使用する、感光性樹脂
を塗布した後、この上に塩基性不純物を透過しない膜を
積層形成し、この後に感光性樹脂の露光を行うようにす
る、感光性樹脂の露光から現像までの工程をアンモニア
濃度が1ppb以下の雰囲気中において行うようにすれ
ば、塩基性成分が感光性樹脂中の酸と反応して酸を失活
させ、その機能を損なわせてしまうことがなく、パター
ンの形成が正確に行われ、微細化されたパターンの形成
に更に好適となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】露光を行う光学系の一例を示す模式図である。
【図2】光ディスク原盤製造装置の一例を模式的に示す
要部概略斜視図である。
【符号の説明】
1 光源、3 対物レンズ、4 基板、5 パターン

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、露光により酸が生成されてこ
    の酸が触媒として作用する感光性樹脂を塗布する工程
    と、 上記感光性樹脂を波長が300nm以下のレーザ光によ
    り露光し、情報を示すパターンの潜像を形成する工程
    と、 上記感光性樹脂を加熱処理する工程と、 上記感光性樹脂を現像して情報を示すパターンを形成す
    る工程を有することを特徴とする光ディスク原盤の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 感光性樹脂がアルカリ性現像液により現
    像されることを特徴とする請求項1記載の光ディスク原
    盤の製造方法。
  3. 【請求項3】 基板として無アルカリタイプのガラス或
    いは合成石英ガラスよりなる基板を使用することを特徴
    とする請求項1記載の光ディスク原盤の製造方法。
  4. 【請求項4】 感光性樹脂を塗布した後、この上に塩基
    性不純物を透過しない膜を積層形成し、この後に感光性
    樹脂の露光を行うことを特徴とする請求項1記載の光デ
    ィスク原盤の製造方法。
  5. 【請求項5】 感光性樹脂の露光から現像までの工程を
    アンモニア濃度が1ppb以下の雰囲気中において行う
    ことを特徴とする請求項1記載の光ディスク原盤の製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000065584A1 (fr) * 1999-04-26 2000-11-02 Sony Corporation Disque optique et procede de fabrication
WO2001028779A1 (fr) * 1999-10-19 2001-04-26 Ebara Corporation Support d'enregistrement optique et appareil permettant de fabriquer ce dernier

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