JPH1025361A - 発泡性樹脂粒子及びそれからなる発泡樹脂粒子、発泡成形体 - Google Patents

発泡性樹脂粒子及びそれからなる発泡樹脂粒子、発泡成形体

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JPH1025361A
JPH1025361A JP8182336A JP18233696A JPH1025361A JP H1025361 A JPH1025361 A JP H1025361A JP 8182336 A JP8182336 A JP 8182336A JP 18233696 A JP18233696 A JP 18233696A JP H1025361 A JPH1025361 A JP H1025361A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高発泡可能でかつ発泡剤の保持性に優れる発
泡性樹脂粒子の提供。および該発泡性樹脂粒子より得ら
れた発泡樹脂粒子、外観の綺麗な発泡成形体。 【解決手段】 シアン化ビニル単量体と芳香族ビニル単
量体との共重合体からなるマトリクス成分中に、ゴム質
重合体にシアン化ビニル単量体と芳香族ビニル単量体が
グラフト共重合したグラフト共重合体が分散している複
合樹脂からなり、複合樹脂中のマトリクス成分の重量平
均分子量が80,000〜200,000、シアン化ビ
ニル単量体単位の含有量が15〜35重量%、ゴム質重
合体の平均粒径が0.1〜1μm、ゴム質重合体の含有
量が3〜15重量%であると共に、揮発性発泡剤を複合
樹脂との合計量に対して1〜15重量%含有しているこ
とを特徴とする発泡性樹脂粒子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、揮発性発泡剤の保
持性に優れると共に、耐熱性や耐油性に優れ、外観の綺
麗な発泡成形体の製造に適する発泡樹脂粒子を得るため
の発泡性樹脂粒子、該粒子からなる発泡樹脂粒子及び発
泡成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリスチレン系樹脂からなる発泡体は、
優れた緩衝性、断熱性を有し、成形も容易であるため包
装材、断熱材として多く用いられているが、耐熱性や耐
油性が不十分であり、例えば比較的使用環境の厳しい自
動車や電気機器製品などの構造部材などには適さないと
いう問題があった。このようなポリスチレン系樹脂発泡
体が持つ欠点は、アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン樹脂(以下、ABS樹脂と記す。)発泡体により解
決することができるため、近年ポリスチレン系樹脂に変
わり、ABS樹脂発泡体が注目されている。
【0003】ABS樹脂発泡体の製造方法としては、例
えば、特開平6−287337号公報では、ある特定条
件で測定されたせん断弾性率が1×104 〜5×105
パスカルで、形状がシート状又はブロック状であるAB
S樹脂を密閉容器内で炭酸ガスや揮発性発泡剤を吸収さ
せた後、圧力を急激に解放させて、2〜20倍の発泡体
を得る方法が提案されている。
【0004】ABS発泡粒子の製造法としては、例え
ば、特開昭63−77947号公報では、ABS樹脂粒
子を密閉容器内で水性媒体に懸濁させ、ABS樹脂のガ
ラス転移温度以上で揮発性発泡剤を含浸させた後、密閉
容器の一端から低圧力側へ放出し、発泡粒子を製造する
方法が提案されている。発泡性ABS樹脂粒子を製造す
る方法としては、例えば、特公昭57−48380号公
報には、海島構造が通常のABS樹脂とは逆転した特殊
構造のABS樹脂を用いる方法や、特開昭50−121
56号公報には、ABS樹脂粒子内の揮発分量と水分量
を規定することにより、スキン層を有する発泡倍率が
1.3〜2.5程度の低倍発泡成形体を製造する方法が
提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べた従来技術
における問題点として、適用できる発泡倍率が20倍以
下と低い点(特開平6−287337号、特開昭50−
12156号公報)、一般にいうABS樹脂とは異なる
構造のためABS樹脂の持つ耐油性等の性能発現が期待
できない点(特公昭57−48380号公報)、原料メ
ーカーから成形加工メーカーへ発泡粒子の形態で輸送し
なくてはならないためコストが高くなる点(特開昭63
−77947号公報)等が挙げられる。本発明は、上記
課題の克服された、20倍以上の高発泡が可能で、発泡
性ABS樹脂粒子の形態で輸送が可能すなわち揮発性発
泡剤の保持性が良好で、ABS樹脂本来の性質(耐熱
性、耐油性など)を損なうことのないABS樹脂発泡体
を得ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ABS樹脂
において、特定のマトリクス分子量及び組成とし、更に
ゴム質重合体の粒径と含有量を制限することにより、耐
熱性や耐油性に優れ、外観の綺麗な発泡成形体の製造に
適する発泡樹脂粒子を与える発泡性ABS樹脂粒子が得
られることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0007】すなわち、本発明は、シアン化ビニル単量
体と芳香族ビニル単量体との共重合体からなるマトリク
ス成分中に、ゴム質重合体にシアン化ビニル単量体と芳
香族ビニル単量体がグラフト共重合したグラフト共重合
体が分散している複合樹脂からなり、複合樹脂中のマト
リクス成分の重量平均分子量が80,000〜200,
000、マトリクス成分のシアン化ビニル単量体単位の
含有量が15〜35重量%、ゴム質重合体の平均粒径が
0.1〜1μm、ゴム質重合体の含有量が3〜15重量
%であると共に、揮発性発泡剤を複合樹脂との合計量に
対して1〜15重量%含有していることを特徴とする発
泡性樹脂粒子である。本発明はまた、この発泡性樹脂粒
子を加熱発泡して得られた発泡性樹脂粒子であり、更に
また、この発泡樹脂粒子を型内成形してなる、密度が1
0〜300kg/m3 である発泡成形体である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における複合樹脂を構成す
る共重合体及びグラフト共重合体に用いられる芳香族ビ
ニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン等
のα−アルキルスチレン、p−メチルスチレン等の核置
換アルキルスチレン、ビニルナフタレン等が挙げられ
る。これらは単独で用いても良いし、2種以上の混合物
を用いても良い。また、シアン化ビニル単量体として
は、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等が挙げ
られ、これらは単独で用いても良いし、2種以上の混合
物としても良い。
【0009】グラフト共重合体に用いられるゴム質重合
体としては、1,3−ブタジエン単独重合体あるいは
1,3−ブタジエンを50%以上含む共重合体が好まし
く、共重合体はランダム共重合体、ブロック共重合体の
いずれであっても良い。共重合させるために用いられる
単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニ
ルトルエン等の芳香族ビニル単量体が挙げられ、そのう
ちスチレンが好ましい。ゴム粒径の調整法としては、ゴ
ムラテックスにシード重合を行い調整する方法、ゴムラ
テックスに鉱酸や有機酸等を添加する等の操作でゴム粒
径を肥大化する方法、塊状重合における転相時にせん断
力を調整する方法等が挙げられる。
【0010】本発明に使用される複合樹脂は、前記成分
の乳化重合、懸濁重合、塊状重合、塊状−懸濁重合等の
方法にて得られる。また得られた複合樹脂に更に塊状重
合、塊状−懸濁重合、懸濁重合、乳化重合等の方法にて
得られるシアン化ビニル単量体と芳香族ビニル単量体と
の共重合体(例えば、AS樹脂)を加えて混練すること
により、ゴム質重合体の含有量、マトリクス成分の分子
量、マトリクス成分のシアン化ビニル単量体単位の含有
量等を調整した複合樹脂を得ることもできる。この調整
に用いる混練方法としては、単軸押出機や二軸押出機の
ような押出機、バンバリーミキサーや加圧ニーダーのよ
うなインテンシィブミキサー及び二本ロールのようなロ
ール等を用いた方法が挙げられる。
【0011】本発明の発泡性樹脂粒子の複合樹脂中のマ
トリクス成分の重量平均分子量は、80,000〜20
0,000、好ましくは100,000〜180,00
0、より好ましくは120,000〜180,000で
ある。重量平均分子量がこの範囲より低いマトリクス成
分の樹脂を用いた場合は、発泡性樹脂粒子中の揮発性発
泡剤が逸散し易く長期にわたり発泡性を維持することが
困難になり、また重量平均分子量がこの範囲より高い場
合は、発泡性が不十分になる。
【0012】本発明の発泡性樹脂粒子の樹脂中のマトリ
クス成分のシアン化ビニル単量体単位の含有量は15〜
35重量%、好ましくは20〜30重量%であり、マト
リクス成分のシアン化ビニル単量体単位の含有量がこの
範囲より少ない樹脂を用いた場合は、耐油性が不十分に
なり、この範囲より多い樹脂を用いた場合は、型内成形
の時に発泡粒子同士の融着が不十分になる。
【0013】本発明の発泡性樹脂粒子の複合樹脂中のゴ
ム質重合体の平均粒径は、0.1〜1μm、好ましくは
0.1〜0.6μmであり、ゴム質重合体の平均粒径が
この範囲より小さい樹脂を用いた場合は、発泡成形体の
強度が不十分になり、この範囲より大きい樹脂を用いた
場合は、発泡性樹脂粒子中の揮発性発泡剤が逸散し易く
長期にわたり発泡性を維持することが困難になる。
【0014】本発明の発泡性樹脂粒子の複合樹脂中のゴ
ム質重合体の含有量は、3〜15重量%、好ましくは5
〜15重量%、より好ましくは8〜13重量%であり、
ゴム質重合体の含有量がこの範囲より少ない樹脂を用い
た場合は、揮発性発泡剤が含浸されにくく、この範囲よ
り多い樹脂を用いた場合は、発泡性樹脂粒子中の揮発性
発泡剤が逸散し易く長期にわたり発泡性を維持すること
が困難になる。
【0015】本発明の発泡性樹脂粒子の複合樹脂は、高
級脂肪酸の2価又は3価の金属塩から選ばれる少なくと
も1種類の金属石鹸を樹脂100重量部に対して0.8
重量部以下含有していることが好ましい。後記する実施
例で明らかなように、発泡粒子のセルサイズを調整する
ことにより成形品外観が良好になるために、複合樹脂自
体が上記金属石鹸を0.5重量部以下含有していること
が好ましく、また、発泡性樹脂粒子表面には、発泡時の
粒子同士の融着を防止するために、同様の金属石鹸が
0.3重量部以下で付着、被覆していることが好まし
い。高級脂肪酸の2価又は3価の金属石鹸としては、ス
テアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ス
テアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、パルミチ
ン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛等が挙げられる。
【0016】本発明の発泡性樹脂粒子の複合樹脂は、ま
た、脂肪酸アミド、ビス脂肪酸アミドから選ばれる少な
くとも1種類の滑剤を樹脂100重量部に対して0.5
重量部以下含有していることが好ましい。これにより、
発泡粒子のセルサイズが調整され成形品外観が良好にな
る。脂肪酸アミド、ビス脂肪酸アミドとしては、ステア
リルアミド、パルミチルアミド、エチレンビスステアリ
ルアミドなどが挙げられる。
【0017】上記した本発明の発泡性樹脂粒子を得る方
法としては、押出機により溶融混練し、ストランドカッ
ト、水中カット、ホットカット等の方法により0.5〜
5mmの大きさに造粒された樹脂粒子を、密閉容器中、
懸濁剤の存在下で水性媒体に分散させ、発泡剤を含浸さ
せて発泡性樹脂粒子を製造する方法や、押出機内で揮発
性発泡剤とともに溶融混練し、ダイスより押し出し、直
ちに水中に導入し未発泡の状態で切断し、発泡性樹脂粒
子を製造する方法等が挙げられる。
【0018】揮発性発泡剤としては、プロパン、n−ブ
タン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオ
ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、トリクロロフル
オロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロテト
ラフルオロエタン、クロロメタン、クロロエタン、ジク
ロロメタン、メタノール、ジエチルエーテル等の沸点が
80℃以下の有機化合物の中から1種類以上を用いるこ
とができる。
【0019】揮発性発泡剤は、通常、生成発泡性樹脂粒
子中の発泡剤含有量が1〜15重量%になる程度の量が
供給される。また、不揮発性の可塑剤や揮発性のシクロ
ヘキサン、キシレン、トルエン等の溶剤を添加すること
により発泡性を高めることができる。本発明の発泡性樹
脂粒子は、加熱して発泡樹脂粒子とする。発泡方法とし
ては、例えば、樹脂のガラス転移温度付近までスチーム
等により加熱する方法がある。また、得られた発泡樹脂
粒子は、例えば、ポリスチレン発泡成形体の製造に用い
られる成形機を使用して型内成形させることができる。
即ち、金型内に該発泡樹脂粒子を充填し、スチーム加熱
により該発泡樹脂粒子同士を融着させ、所定時間冷却
後、金型より取り出して発泡成形体とする。本発明にお
いて得られる発泡成形体は、密度が10〜300kg/
3 のものとなる。
【0020】以下に本発明について、実施例及び比較例
を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこ
れらの実施例のみに限定されるものではない。
【実施例】
[ABS樹脂の製法] (1)グラフト共重合体の製造 表2に示すようなゴム成分の組成、ゴム成分の含有量、
ゴム成分の平均粒径、スチレン/アクリロニトリル比を
有する4種のグラフト共重合体の内、グラフト体A、グ
ラフト体B、グラフト体Cは乳化重合法で、グラフト体
Dは懸濁重合法により製造した。 (2)AS樹脂の製造 表3に示す重量平均分子量、スチレン/アクリロニトリ
ル比を有するAS樹脂(AS樹脂A〜AS樹脂F)を通
常の懸濁重合法にて製造した。
【0021】(3)ABS樹脂の製造 実施例1〜10 グラフト体、AS樹脂、金属石鹸(ステアリン酸マグネ
シウム)、滑剤(エチレンビスステアリルアミド)を表
4、表5に示す割合で配合し、50mm同方向二軸押出
機により混練、ペレット化した。 比較例1〜8 グラフト体、AS樹脂、金属石鹸(ステアリン酸マグネ
シウム)、滑剤(エチレンビスステアリルアミド)を表
6、表7に示す割合で配合し、50mm同方向二軸押出
機により混練、ペレット化した。
【0022】[発泡剤の含浸及び発泡成形]表4〜7に
示す割合で配合されたABS樹脂を30mm単軸押出機
にて溶融後、ダイスより押し出し約1.5mg/ケの樹
脂粒子とし、得られたABS樹脂の粒子600gを脱イ
オン水900g、ピロリン酸ナトリウム4.0g、硫酸
マグネシウム8.0g、ドデシル硫酸ナトリウム0.4
5gとともに攪拌機付き3リットルのオートクレーブに
入れ、120℃まで1時間かけ昇温し、120℃に到達
後、ペンタン78gを添加した。そのまま10時間12
0℃に保持した後、35℃まで冷却した。オートクレー
ブより得られた発泡性ABS樹脂粒子を取り出し、遠心
分離装置にかけた後、10分間窒素気流により乾燥させ
た。
【0023】得られた発泡性ABS樹脂粒子100重量
部あたり、ステアリン酸亜鉛0.06重量部、ステアリ
ン酸グリセリンエステル0.04重量部および帯電防止
剤としてライオン株式会社製「アーモスタット410」
0.005重量部を混合してコーティングした後、攪拌
機付きの30リットルバッチ式発泡機に投入し、圧力が
0.1MPaのスチームを吹き込み加熱発泡させて、嵩
密度が33kg/m3(30倍)の発泡ABS樹脂粒子
を得た。ただし、嵩密度が33kg/m3 に達しなかっ
た場合は、そのサンプルの最高発泡倍率付近まで発泡さ
せて成形に用いた。こうして得られた発泡樹脂粒子を成
形金型内に充填し、スチーム圧力0.07MPaで20
秒間加熱し、5秒間水冷後、所定の時間放冷し発泡倍率
が30倍の発泡成形体とし、評価を行った。
【0024】[測定及び評価方法] (1)マトリクス分子量の測定 サンプルをクロロホルムに溶解させ、ゲルパーミエイシ
ョンクロマトグラフィー(GPC)にて測定した。 (2)ゴム粒子の平均粒径 ゴム粒子の平均粒径は、米国コールター社製「N4S」
にて測定した。
【0025】(3)マトリクスのアクリロニトリル(A
N)含有量の測定 ABS樹脂をメチルエチルケトンに溶解させ、遠心分離
を行う。得られた上澄み液を真空下で蒸発乾固させ完全
に溶媒を取り去った後、元素分析を行うことによりAN
含有量を求めた。 (4)揮発分量の測定 秤量したサンプルを120℃で4時間加熱した後、再び
秤量し、加熱前のサンプル重量に対する加熱前後による
減少重量の割合を揮発分量とした。 (5)内部水分量の測定 カールフィッシャー法により測定した。
【0026】
【表1】 (6)表面外観 発泡成形体の表面外観を目視により下記基準にて評価し
た。 ◎:収縮、メルト、間隙がなく、表面が平滑で綺麗であ
る。 ○:収縮、メルト、間隙がほとんどない。 △:収縮、メルト、間隙が見られる。 ×:著しい収縮、メルト、間隙が見られる。 (メルト:成形時の加熱により、表面が溶融するこ
と。)
【0027】(7)発泡剤保持率 サンプルを23℃で7日間、開放状態にした後の揮発分
量を測定し、開放前の揮発分量に対する開放後の揮発分
量の割合を発泡剤保持率とした。 (8)最高発泡倍率 箱形のバッチ発泡機にサンプルを入れ、圧力が0.08
MPaのスチームを吹き込み、3分間保持した後、発泡
粒子を取り出し、乾燥後に測定した嵩密度から求めた。
【0028】(9)耐熱性 50×50×25mmの大きさにカットした発泡成形体
を90℃で22時間加熱し、加熱前後の寸法変化率が3
%以下の場合を○、3%を越える場合を×とした。 (10)耐油性 50×50×25mmの大きさにカットした発泡成形体
を23℃で24時間、ガソリンに浸漬させ、体積変化率
が10%以下の場合を○、10%を越える場合を×とし
た。(通常のポリスチレン発泡体の場合、瞬時に収縮、
変形する。)
【0029】
【表2】 Bd:ブタジエン、St:スチレン、AN:アクリロニトリル
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】
【表7】
【0035】
【表8】 [表3〜7の補足説明] 1.表3の分子量は重量平均分子量を表す。またSt/
ANはスチレン/アクリロニトリルの重量比を表す。 2.表4〜7のマトリクス分子量、マトリクスAN量
は、それぞれABS樹脂のマトリクス分子量、マトリク
スAN量を表す。 3.表5で用いた金属石鹸は、ステアリン酸マグネシウ
ムである。また、滑剤は、エチレンビスステアリルアミ
ドである。 4.表6において、比較例2は発泡剤含浸時にオートク
レーブ中で、ABS樹脂粒子同士が凝結した。また比較
例4は発泡粒子の融着不良のため成形できなかった。
【0036】
【発明の効果】本発明の発泡性樹脂粒子は、高発泡可能
でかつ発泡剤の保持率に優れる。また本発明の発泡性樹
脂粒子から得られた発泡樹脂粒子は、外観の綺麗な発泡
成形体を与え、該発泡成形体は90℃での寸法変化率が
3%以下、ガソリン浸漬前後の体積変化率が10%以下
の優れた耐熱性、耐油性を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 55/02 LMC C08L 55/02 LMC // B29K 105:04 (72)発明者 田中 輝隆 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市総合研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シアン化ビニル単量体と芳香族ビニル単
    量体との共重合体からなるマトリクス成分中に、ゴム質
    重合体にシアン化ビニル単量体と芳香族ビニル単量体が
    グラフト共重合したグラフト共重合体が分散している複
    合樹脂からなり、複合樹脂中のマトリクス成分の重量平
    均分子量が80,000〜200,000、マトリクス
    成分のシアン化ビニル単量体単位の含有量が15〜35
    重量%、ゴム質重合体の平均粒径が0.1〜1μm、ゴ
    ム質重合体の含有量が3〜15重量%であると共に、揮
    発性発泡剤を複合樹脂との合計量に対して1〜15重量
    %含有していることを特徴とする発泡性樹脂粒子。
  2. 【請求項2】 複合樹脂が、高級脂肪酸の2価又は3価
    の金属塩から選ばれる少なくとも1種類の金属石鹸を樹
    脂100重量部に対して0.8重量部以下含有している
    請求項1に記載の発泡性樹脂粒子。
  3. 【請求項3】 複合樹脂が、脂肪酸アミド、ビス脂肪酸
    アミドから選ばれる少なくとも1種類の滑剤を樹脂10
    0重量部に対して0.5重量部以下含有している請求項
    1に記載の発泡性樹脂粒子。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の発泡性樹脂粒子を加熱
    発泡させて得られる発泡樹脂粒子。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の発泡樹脂粒子を用いて
    型内成形してなる、密度が10〜300kg/m3 であ
    る発泡成形体。
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JP2002030175A (ja) * 2000-07-18 2002-01-31 Hitachi Chem Co Ltd 再生難燃性発泡性スチレン系樹脂粒子の製造法及び再生難燃性発泡スチレン系樹脂成形品
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