JPH10251860A - 金/ニッケル/ニッケル3層めっき銅合金電子部品およびその製造方法 - Google Patents

金/ニッケル/ニッケル3層めっき銅合金電子部品およびその製造方法

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JPH10251860A
JPH10251860A JP6069897A JP6069897A JPH10251860A JP H10251860 A JPH10251860 A JP H10251860A JP 6069897 A JP6069897 A JP 6069897A JP 6069897 A JP6069897 A JP 6069897A JP H10251860 A JPH10251860 A JP H10251860A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワイヤボンディング性と耐熱信頼性を向上さ
せるニッケルめっきを厚く行うとともに、はんだ付け性
と接合強度を向上させるべく金めっきを薄く行った、コ
ストパーフォーマンスに優れる金めっき銅合金電子部品
を提供する。 【解決手段】 上層に厚みが0.001 〜0.2 μmの金およ
び金合金層を持ち、中間層に厚みが0.1 〜0.5 μmで硫
黄含有量が0.02質量%以下のニッケル層を持ち、下層に
硫黄含有量が0.02質量%を越える0.5 〜5 μmのニッケ
ル層を持つとともに、その表面の鏡面反射率が30%以上
である金/ニッケル/ニッケル3層めっき銅合金電子部
品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気雰囲気中で、
鉛を含まないはんだを用いて、はんだ付けされる金/ニ
ッケル/ニッケル3層めっき銅合金電子部品に関し、特
には金線やアルミニウム線でのワイヤボンディング部の
信頼性、および加熱後のはんだぬれ性に優れる金/ニッ
ケル/ニッケル3層めっき銅合金電子部品に関するもの
である。なお、対象とする銅合金電子部品はリードフレ
ームや自動車の電装部品、端子、コネクタ、JB(ジョ
イントボックス)などであるが、以下の説明では、発明
を理解し易くするためリードフレームを例に説明する。
【0002】
【従来の技術】従来、リードフレームのはんだダイボン
ディングされる表面には、良好なはんだぬれ性を得るた
めに銀めっき、金めっきなどの貴金属めっきが施されて
いる。また、半導体装置のパッケージ後のアウターリー
ド部へのはんだめっき工程を省略するために、リードフ
レーム製造時に前記ダイボンディング部だけでなく、リ
ードフレーム全面に貴金属めっきを施す技術が考えられ
ている。
【0003】例えば、特開昭54− 34760号公報にはリー
ドフレームの表面にニッケルめっきを下地として部分的
に金めっきを施す技術が示されているが、ここに開示の
技術では、下地となるニッケルめっきについて厚みを 6
〜10μmと限定されているものの、その他の諸条件、例
えば光沢めっきや無光沢めっき、あるいはめっき中の硫
黄含有量などについて検討が行われておらず、このため
金めっき厚みを薄くできないとともに、ワイヤボンディ
ング性が劣ると言った問題が懸念される。
【0004】特開昭61−78150 号公報にはリードフレー
ムの表面に金めっきを薄く施し、アウターリード部への
めっきを省略する技術が示されているが、金めっき前の
下地めっきについては全く検討されていない。このた
め、鉄系を素材とした実施例で金めっきを施した例が示
されているが、銅合金電子部品に適用することはできな
かった。
【0005】特開平 4−152661号公報には特開昭54−34
760 号公報と同様にリードフレームの表面にニッケルめ
っきを下地として金めっきを施す技術が示されている
が、ここに開示の技術では、下地となるニッケルめっき
について厚みが 0.1〜 5μmが好ましいと記載されてい
るものの、その実施例1には銅合金リードフレームを対
象に無光沢ニッケルめっきを0.5 μm施した例が示され
ているのみであり、このような厚み 0.5μmの無光沢ニ
ッケルめっきでは銅の拡散防止層としての機能が十分に
得られず、また 0.5μm以上の厚さにめっきすると、詳
細を段落番号〔0008〕に説明するようにワイヤボン
ディング性が低下すると言った問題が懸念される。
【0006】最近、電気部品の高密度集積化によりリー
ドフレームが受ける熱量は増加しており、耐酸化性、耐
食性と耐熱信頼性に優れる金めっき銅合金リードフレー
ムが望まれている。また、ワイヤボンディング技術の向
上により、より短時間で生産性良く接合し得るワイヤボ
ンディング装置が開発されているが、その性能を十分に
発揮するために、ワイヤボンディング性の良い銅合金リ
ードフレームが望まれている。しかしながら、上述した
ように、従来の技術ではワイヤボンディング性が良く、
耐熱信頼性に優れる金めっき銅合金電子部品の要求に応
え得るものは無かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者は、
上記要求に応えるべく研究を行った。しかしながら、従
来の表面にニッケルめっきを下地として金めっきを施し
たリードフレームでは、下地が光沢ニッケルめっきの場
合にはめっき皮膜に取り込まれた光沢剤成分が加熱によ
り金の表面に拡散し、はんだ付け性を低下させると言っ
た問題があり、金めっきの厚みを薄くできなかった。ま
た金めっきが厚いと、コストが高くなるだけでなく、ア
ルミニウム線で接合した場合に金−アルミニウム合金層
の成長により、ワイヤ接合強度が極端に低下すると言っ
た問題があった。
【0008】一方、下地が無光沢ニッケルめっきの場合
にはニッケルめっきを厚くすると、表面の光沢がなくな
り、表面が荒れると言った問題があった。表面が荒れる
とワイヤボンディング性が低下するため、ニッケルめっ
きを厚くすることができない。また薄い無光沢ニッケル
めっきでは素材の銅の拡散を防止する効果が不十分であ
り、信頼性に問題があった。
【0009】本発明は、上述した経緯を踏まえてなした
ものであって、その目的は、ワイヤボンディング性と耐
熱信頼性を向上させるニッケルめっきを厚く行うととも
に、はんだ付け性と接合強度を向上させるべく金めっき
を薄く行った、コストパーフォーマンスに優れる金めっ
き銅合金電子部品およびその製造方法を提供することで
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明者は更なる研究を行った。その結果、上述
した従来の下地ニッケルめっきを2層に分け、それぞれ
に特性を持たせ、その最上層に金めっきを施すと、従来
の光沢ニッケルめっき下地を持つリードフレーム製品と
同等以上である鏡面反射率30%以上の平滑な表面を持ち
ながら、金の特性を最大に生かした金めっき銅合金電子
部品が得られることを見出し、本発明を完成したもので
ある。
【0011】すなわち、本発明は、上層に厚みが0.001
〜0.2 μmの金および金合金層を持ち、中間層に厚みが
0.1 〜0.5 μmで硫黄含有量が0.02質量%以下のニッケ
ル層を持ち、下層に硫黄含有量が0.02質量%を越える0.
5 〜5 μmのニッケル層を持つとともに、その表面の鏡
面反射率が30%以上であることを特徴とするワイヤボン
ディング信頼性、はんだぬれ性に優れる金/ニッケル/
ニッケル3層めっき銅合金電子部品とするものである。
以下、本発明の構成並びに作用効果を詳細に説明する。
【0012】従来の下地ニッケルめっきは金めっきへの
素材の拡散を防止するものでしかなかった。しかし、ワ
イヤボンディング技術の発達と電子部品の高集積化・小
型化・ハイブリット化により、金めっきに要求される特
性が多くなり、さらに、コストダウンの観点より金めっ
きを薄くする必要性が生じた。しかし、金めっきを薄く
すると、下地ニッケルめっきの表面特性が金の特性を大
きく左右するということが分かった。そこで、本発明者
は下地ニッケルめっきがはんだぬれ性、ワイヤボンディ
ング性、耐熱信頼性などに及ぼす影響を鋭意検討した。
その結果、下記に説明するようにニッケルめっき皮膜中
の硫黄含有量が特性に影響を及ぼしていることを見出し
た。
【0013】すなわち、金線およびアルミニウム線によ
るワイヤボンディング性は被接合表面の平滑さの影響を
受ける。ワイヤボンディング装置の荷重と超音波の関係
でも異なるが、超音波の効果を有効に得るには被接合表
面は平滑な方が望ましい。ニッケルめっきでは光沢剤な
どを添加することにより鏡面反射率50%以上の平滑な表
面を得ることができる。しかし、調査した結果、光沢度
の高い、平滑なニッケルめっき皮膜中には光沢剤や均一
電着剤、応力緩和剤などの成分が取り込まれており、そ
こには0.02質量%を越える硫黄やカーボン、リンなどの
不純物を含むことが分かった。これらの不純物は電子部
品組み立て工程において受ける熱によって表面層に拡散
し、ワイヤボンディング性やはんだぬれ性、接触抵抗、
接合信頼性を低下させることを見出した。また、ワイヤ
ボンディングとは金やアルミニウム、銅などの合金線を
用い、超音波を使ってチップとリードを接合するもので
あるが、接合信頼性はリードフレーム表面が平滑なほど
良好であること、また表面が平滑な方が、はんだ接合時
のはんだが拡がり易いことを見い出した。また、最表面
に金めっき層を施し、ワイヤボンディング性やはんだぬ
れ性を向上させる場合にも、金めっき層を 0.2μmを越
えて厚くしなければ、上記下地ニッケルめっき層の不純
物の悪影響を受けることが分かった。
【0014】上述の検討、研究により、本発明者は下地
ニッケルめっき層の不純物を制御することにより、ワイ
ヤボンディング性やはんだぬれ性などの問題を解決でき
ることを突き止めたが、添加剤を含まない無光沢ニッケ
ルめっきを厚く施すと、鏡面反射率は30%より低くな
り、表面が荒れるとともにワイヤボンディング性が低下
すると言った新たな問題が発生し、また無光沢ニッケル
めっきは光沢ニッケルめっきに比べピンホールができ易
く、銅素材の拡散防止効果や加工後の信頼性が劣ってい
た。なお、ピンホールは、本発明で下地ニッケルめっき
層を2層にしたことにより低減した。ピンホールが低減
する理由は次のような理由による。すなわち、無光沢ニ
ッケルめっきのニッケルの組織は素材から表面に向け縦
方向に成長しており、最初に未めっき部が発生した場
合、表面まで穴が貫通してピンホールとなる。光沢ニッ
ケルめっきでは光沢剤が縦方向の結晶成長を抑制するた
め無光沢ニッケルめっきより素材に沿って層状のめっき
が成長する。光沢ニッケルめっきであっても無光沢ニッ
ケルめっきと同様にめっき初期のめっき核生成時にピン
ホールの起点ができる。ニッケルめっきを2層にした場
合、めっき初期の核生成が2度行われることになり、下
層めっき時にあったピンホールが中間層めっき時のめっ
き核生成により消されるためピンホールが低減できる。
【0015】そこで、本発明者は、ニッケルめっき厚み
と光沢度の関係を鋭意検討した結果、添加剤を含まない
無光沢ニッケルめっきでもめっき厚みが 0.5μm以下で
あれば、鏡面反射率を低下させない範囲があることを見
い出した。さらに、無光沢ニッケルめっき厚みと硫黄や
カーボン、リンなどの不純物の拡散抑制効果の関係を検
討した結果、通常の電子部品組み立て工程では、無光沢
ニッケルめっきが 0.1μm以上であれば光沢ニッケルめ
っき皮膜中の不純物の影響を低減できることを見い出し
たのである。
【0016】また、ニッケルめっきの上にパラジウムめ
っきを施し、その上に金めっきを施すという3層めっき
も考えたが、コストが高くなり実用化には問題点があっ
た。これらの知見により、それぞれの特徴を最大限に生
かすべく検討を重ねた結果、本発明に係る金/ニッケル
/ニッケルの3層めっき銅合金電子部品を得たものであ
る。
【0017】上層の金層厚みを 0.001〜 0.2μmとした
のは、金層厚みが 0.001μmより小さいとニッケルの酸
化を防止する効果が弱く、電子部品に組み立てた後のは
んだぬれが低下するとともに、金線によるワイヤボンデ
ィング性が低下するためであり、金層厚みが 0.2μm以
下としたのは 0.2μmを越えてめっきするとコストが高
くなるだけでなく、アルミニウム線で接合した部分に金
−アルミニウム合金層が厚く成長し、耐熱試験において
接合部の剥離が起こるためである。
【0018】金層は純金層が望ましいが、金層が薄けれ
ば接合後はワイヤまたははんだ中に金が拡散し、接合信
頼性には影響を及ぼさないので、Au−Co、Au−P 、Au−
Niなど合金層でも良い。薄い金層を作る方法としては電
気めっき法や蒸着めっきなどが行われるが、最近多くの
無電解金めっき浴が実用化され、使用されている。非シ
アンの置換金めっきやパルスめっきを用いて金層を施し
ても良い。金−アルミニウム合金層の成長抑制のために
は金層は0.01μmより薄い方が望ましい。
【0019】中間層の不純物(特に硫黄)の少ないニッ
ケルめっきの厚みを 0.1〜 0.5μmとしたのは、 0.1μ
mより薄いと下層ニッケルめっき中の不純物の拡散によ
る特性低下を抑制できないためであり、 0.5μm以下と
したのは 0.5μmを越えると表面が荒れるためである。
また、中間層のニッケルめっき層の硫黄含有量を0.02質
量%以下としたのは、硫黄含有量が0.02質量%を越えて
ると、段落番号〔0013〕に説明したように、電子部
品組み立て工程において受ける熱によって表面層に拡散
し、組み立て後に表面より不純物が確認され、はんだ拡
がりなどが低下するためである。
【0020】下層のニッケルめっきの厚みを 0.5〜 5μ
mとしたのは、 0.5μmより薄いと銅素材からの銅拡散
を抑制することができないためであり、 5μm以下とし
たのはニッケルめっきを厚く施すと生産性が低下するだ
けでなく、曲げ加工性が悪くなるためである。下層のニ
ッケルめっきは光沢剤を含むニッケルめっきやスルファ
ミン酸ニッケルめっきやニッケル合金めっきでも加工性
の低下が顕著でなく、光沢を向上させるものであれば良
い。また、下層のニッケルめっき層の硫黄含有量を0.02
質量%を越える量としたのは、銅合金電子部品の鏡面反
射率を30%以上とし、ワイヤボンディング性の低下を防
ぐためで、銅合金電子部品の鏡面反射率を30%以上とす
るにはニッケルめっき皮膜中の硫黄含有量は0.02質量%
を越える量が必要となるためで、硫黄含有量が0.02質量
%以下ではこのような作用効果が期待できないためであ
る。さらに下層のニッケルめっき皮膜中の硫黄含有量が
0.02質量%を越える量であれば、中間層のニッケルめっ
き層との腐食電流の差により、下層ニッケルめっき層が
中間層ニッケルめっき層の犠牲陽極となり、腐食が生じ
た場合でも中間層ニッケルめっき層は守られる。
【0021】なお、金層の上に、通常のめっき封孔処理
や溶剤洗浄で除去できるか、または加熱により分解する
防錆剤、酸化防止剤を施しても良い。金層は金線接合部
や加熱後のはんだ付け部のみに限定して施してもよい
が、全面に施すことが望ましい。前記封孔処理、酸化防
止剤としてはペトロラクタムやアルケニルコハクサンエ
ステルなどの有機皮膜でも良いが、加熱により分解し、
気化性の高いジシクロヘキシルアンモニウム塩やエチレ
ンジアミン四酢酸ナトリウム塩などが望ましい。ニッケ
ルめっき条件により結晶配向性が変化する。酸化防止の
ためには原子密度が小さく、酸化速度の遅い(111) 面の
結晶配向指数が(200) 面の結晶配向指数より高いことが
望ましい。また、めっき層間の密着性を確保するため、
めっきはめっき槽が多槽に分かれた1ラインで行うこと
が望ましい。これにより下層ニッケルめっきを乾燥させ
ることなく中間層ニッケルめっきを施すことができ、め
っき層間の密着性を高めることができる。
【0022】本発明の金/ニッケル/ニッケル3層めっ
き銅合金電子部品に、1つ以上の半導体チップを鉛レス
はんだまたはペーストで接合し、金線とアルミニウム線
の1種以上でワイヤボンディングを行い、パッケージン
グ後にリードと基盤を融点 240℃以下のはんだで接合
し、金/ニッケル/ニッケル3層めっき銅合金電子部品
を用いたICを製造することができる。
【0023】銅合金素材は、電子部品に強度と熱放散性
を持たせるので強度が高く、導電率が高い程望ましい
が、熱放散性が重要なものでは導電率が80%IACS以上の
FeやPを含む銅合金素材がよく、強度が重要なものでは
引張強さが588MPa以上のSnやNiを含む銅合金素材が望ま
しい。本発明の金/ニッケル/ニッケル3層めっき銅合
金電子部品は、金線とアルミニウム線の両方でワイヤボ
ンディング性が良く、さらにボンディング部の接合信頼
性も高い。またはんだぬれ性が良好であり、外装はんだ
めっきを省略できるなど優れた特性を持ち、金めっきに
代えてパラジウムを用いためっきより安価な銅合金電子
部品を提供できる。なお、本発明の金/ニッケル/ニッ
ケル3層めっき銅合金電子部品においては、上層の金層
および/または中間層のニッケル層にコバルト、ルテニ
ウム、ロジウム、白金、パラジウム、リン、クロム、ボ
ロンのうち少なくとも1種を含有してもよく、これらの
元素を含有させることにより、金層の被膜硬度を高くし
たり、金層中のニッケルの拡散を抑制する効果がある。
また中間層のニッケルの酸化を抑制したり、ニッケルの
上層への拡散および下層ニッケルからの硫黄の拡散を抑
制する効果がある。金層の硬さは金の磨耗性や挿抜性や
ワイヤボンディング性に影響を与える。酸化を防止する
方法としては酸化しにくい金属(ルテニウム、ロジウ
ム、白金、パラジウム)や優先的に酸化して昇華する成
分(リン、ボロン)を添加する方法が行える。加熱時間
が長い製造条件では硫黄の拡散防止やニッケルの拡散を
抑制するために、ニッケルまたは金に対して拡散係数の
低い金属(コバルト、クロム)を添加することが有効で
ある。またコバルトやリンはめっき製造条件により不可
避的にめっき被膜中に取り込まれる場合がある。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
実施例をもとに説明する。
【0025】
【実施例】Fe:0.1 質量%、 P:0.03質量%、Sn: 2質
量%とZn: 2質量%を含む銅合金素材に、表1に示す硫
黄含有量と厚さの下層ニッケルめっきおよび中間層ニッ
ケルめっきを施し、さらにその中間層ニッケルめっきの
上に表1に示す厚さの金メッキを施し、金/ニッケル/
ニッケル3層めっき銅合金リードフレームを製造した。
そして、得られた金/ニッケル/ニッケル3層めっき銅
合金リードフレームの鏡面反射率を測定した。その測定
結果を表1に併せて示す。またさらに、得られた金/ニ
ッケル/ニッケル3層めっき銅合金リードフレームを対
象に、はんだぬれ性、金線ワイヤボンディング性、アル
ミニウム(Al)線ワイヤボンディング性および繰り返し曲
げ回数の調査評価を行った。その結果を表2に示す。な
お表2の評価の欄の○は合格、×は不合格を意味する。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】鏡面反射率の測定方法について:JIS Z 87
41に準じ、45度で光束を入射し、鏡面反射において反射
光束の入射光束に対する比を測定した。
【0029】繰り返し曲げ回数評価について:3層めっ
きを施した幅 0.9mmのリードに荷重600gを掛け、 0.25R
で90°曲げを繰り返し、破断するまでの繰り返し曲げ回
数を測定した。 3回以上を合格とした。
【0030】はんだぬれ性評価について:3層めっき銅
合金リードフレームを大気中 350℃のプレート上で 3分
加熱後、メニスコグラフ法で60Sn−40Pbはんだを用いて
230℃ではんだぬれ時間を測定した。 3秒以下を合格と
した。
【0031】金線ワイヤボンディング性評価について:
1mil(25μm)の金線(99.99 %)を用いて、大気中、
240℃で超音波印加法によるワイヤボンディング(ボン
ディング時間:10ms、荷重:50g 、UV出力:0.1w)を
行った。 150℃で50時間加熱後に接合された金線を真ん
中で切断し、金線が3層めっきと接合されているセカン
ドボンド部の接合状態を調査した(ツィザー強度)。
【0032】アルミニウム線ワイヤボンディング性評
価:5mil(125 μm)のアルミニウム線(99.99 %, an
nealed)を用いて、大気中、25℃で超音波(パルス60kH
z)印加法によるワイヤボンディング(ボンディング時
間:100ms 、荷重:250g、UV出力:5.5w)を行った。
150℃で50時間加熱後に接合されたアルミニウム線を真
ん中で切断し、アルミニウム線が3層めっきと接合され
ているセカンドボンド部の接合状態を調査した。 ワイヤ破断率(%)=(ワイヤ破断本数)/(全試験本
数)×100 なお、はんだぬれ性評価と繰り返し曲げ回数評価はそれ
ぞれ 5本づつ、また金線ワイヤボンディング性評価とAl
線ワイヤボンディング性評価はそれぞれ20本づつを行っ
た。
【0033】上述した測定結果および試験結果は表1お
よび表2に示す通りのもので、これら表1および表2よ
り明らかなように、本発明例1〜5のものは、表面の鏡
面反射率が30%以上であって、下地ニッケルめっき層の
硫黄含有量が0.02質量%を越えて高いにもかかわらず、
その上の中間層のニッケルめっきにより下地ニッケルめ
っき層下地からの硫黄等の不純物の拡散が制御され、は
んだぬれ性が優れており、組み立て時の加熱を受けても
良好なはんだ拡がりを示した。またワイヤボンディング
性が良好であり、 150℃で50時間加熱を受けても良好な
接合強度を示した。
【0034】上記の本発明例に対し、比較例1は金層が
無い例で、金層が無いため、加熱により表面のニッケル
が酸化し、はんだぬれ性、ワイヤボンディング性が低下
していた。比較例2は中間の無光沢ニッケルめっき層が
無い例で、中間の無光沢ニッケルめっき層が無いため、
加熱により下地ニッケルめっき皮膜中の硫黄が表面まで
拡散し、はんだぬれ性、ワイヤボンディング性が低下し
ていた。比較例3は下層の光沢ニッケルめっきが無い例
で、下層の光沢ニッケルめっきが無いため、加熱により
銅素材が表面へ拡散し、はんだぬれ性、ワイヤボンディ
ング性が低下していた。比較例4は中間の無光沢ニッケ
ルめっき層を厚くした例で、中間の無光沢ニッケルめっ
き層が厚いため、鏡面反射率が低く、表面が荒れてお
り、ワイヤボンディング性が低下した。比較例5は中間
の無光沢ニッケルめっき層中の硫黄含有量が多い例で、
中間の無光沢ニッケルめっき層中の硫黄含有量が多いた
め、加熱により硫黄が表面まで拡散し、はんだ拡がり、
ワイヤボンディング性が低下していた。比較例6は下層
の光沢ニッケルめっきを厚くした例で、下層の光沢ニッ
ケルめっきが厚いため、繰り返し曲げ回数が低下してい
た。比較例7は下層の光沢ニッケルめっき中の硫黄含有
量が少ない例で、下層の光沢ニッケルめっき中の硫黄含
有量が少ないため、鏡面反射率が低く、表面が荒れてお
り、ワイヤボンディング性が低下し、樹脂バリも除去し
にくかった。比較例8は金層が厚い例で、金層が厚いた
め、コストが高くなるだけでなく、硫黄などとの合金層
の成長により加熱後にアルミニウム線接合部で剥離が発
生した。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る金/
ニッケル/ニッケル3層めっき銅合金電子部品であれ
ば、金線とアルミニウム線の両方でワイヤボンディング
性が良好であり、また加熱後のボンディング部の接合信
頼性も高く、さらにはんだぬれ性が良好であることか
ら、この銅合金電子部品を用いて信頼性の高い高品質の
製品ができる。またさらに、金めっきが薄く特性が優れ
ており、他の貴金属(パラジウムなど)めっき銅合金電
子部品に比較してコストパーフォーマンスに優れる。
【0036】また、本発明に係る金/ニッケル/ニッケ
ル3層めっき銅合金電子部品によれば、めっき層間の接
合強度を高めることができるとともに、上記効果を有す
る金/ニッケル/ニッケル3層めっき銅合金電子部品を
経済的に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 23/50 H01L 23/50 D

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上層に厚みが0.001 〜0.2 μmの金およ
    び金合金層を持ち、中間層に厚みが0.1 〜0.5 μmで硫
    黄含有量が0.02質量%以下のニッケル層を持ち、下層に
    硫黄含有量が0.02質量%を越える0.5 〜5 μmのニッケ
    ル層を持つとともに、その表面の鏡面反射率が30%以上
    であることを特徴とするワイヤボンディング信頼性、は
    んだぬれ性に優れる金/ニッケル/ニッケル3層めっき
    銅合金電子部品。
  2. 【請求項2】 電子部品の形状に加工された銅合金素材
    を、脱脂、洗浄後に、めっき槽が多槽に分かれためっき
    ラインにて、はじめに有機添加物を含むニッケルめっき
    液により厚さ0.5 〜5 μmの下層めっきを施し、次に下
    層めっきを乾燥させることなく有機添加物を含まないニ
    ッケルめっき液により厚さ0.1 〜0.5μmの中間層めっ
    きを施した後、無電解金めっき液に接触させ厚さ0.001
    〜0.2μmの金層を施し、後処理後に乾燥することを特
    徴とする請求項1に記載の金/ニッケル/ニッケル3層
    めっき銅合金電子部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 上層の金層および/または中間層のニッ
    ケル層がコバルト、ルテニウム、ロジウム、白金、パラ
    ジウム、リン、クロム、ボロンのうち少なくとも1種を
    含有する請求項1に記載の金/ニッケル/ニッケル3層
    めっき銅合金電子部品。
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