JPH10251093A - 酸化物圧電体の製造方法 - Google Patents

酸化物圧電体の製造方法

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JPH10251093A
JPH10251093A JP6120497A JP6120497A JPH10251093A JP H10251093 A JPH10251093 A JP H10251093A JP 6120497 A JP6120497 A JP 6120497A JP 6120497 A JP6120497 A JP 6120497A JP H10251093 A JPH10251093 A JP H10251093A
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oxide
substrate
piezoelectric
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JP6120497A
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Inventor
Senji Shimanuki
専治 嶋貫
Yohachi Yamashita
洋八 山下
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大面積にしても単結晶内部に包有物、成長応
力歪、双晶などの欠陥が生じず、しかも圧電特性や誘電
特性に優れ、かつそれらの特性が均一な酸化物圧電体の
製造方法を提供しようとするものである。 【解決手段】 酸化物単結晶からなる基板上に酸化鉛を
主成分とし、酸化ニオブおよび酸化タンタルから選ばれ
る少なくとも1つの酸化物を含む溶液をエピタキシャル
成長させて酸化鉛を主成分とし、酸化ニオブおよび酸化
タンタルから選ばれる少なくとも1つの酸化物を含む複
合ペロブスカイト型酸化物圧電体を製造する方法におい
て、前記基板の格子面間隔を(as )、前記複合ペロブ
スカイト型酸化物圧電体の格子面間隔を(ap )とした
時、前記各格子面間隔の差(ap −as )を0.05n
m以下に設定することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波診断装置や
超音波探傷装置などの超音波送受信素子である超音波プ
ローブに用いられる酸化物圧電体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波診断装置や超音波探傷装置などの
に用いられる超音波プローブは、圧電素子を主体として
構成され、超音波を対象物に向けて照射し、その対象物
における音響インピーダンスの異なる界面からの反射エ
コーを受信することにより前記対象物の内部状態を画像
化することができる。従来、圧電素子としては、電気機
械結合係数(k33´,ktなど)が大きく、かつケーブ
ルや装置浮遊容量による損失が少ない送受信回路とのマ
ッチングが取りやすい誘電率の大きなチタン酸ジルコン
酸鉛(PZT)系セラミックが用いられている。
【0003】現在、超音波プローブは厚さが数10μm
〜数100μmの短冊状の圧電素子を数10〜200個
程度配列したアレイプローブが主流であり、圧電素子数
は高分解能化の要求と共に増加する傾向にある。また、
超音波プローブの高感度化や高帯域化の要求に対しても
圧電素子自体の圧電特性の向上が求められている。これ
らの要求に対しては大きな電気機械結合係数を有するP
b[(Zn1/3 Nb2/31-x Tix ]O3 (ただし、
xは0.05≦x≦0.20を示す)、Pb[(Mg
1/3 Nb2/31-y Tiy ]O3 (ただし、yは0.2
0≦y≦0.40を示す)、Pb[(Ni1/3 Nb
2/31-z Tiz ]O3 (ただし、zは0.30≦z≦
0.50を示す)、Pb[(Co1/3 Nb2/31-u
u ]O3 (ただし、uは0.10≦u≦0.30を示
す)、Pb[(A1/2 Nb1/21-w Tiw ]O3 (た
だし、AはSc、In、Fe、Yおよび希土類元素から
選ばれる1種、wは0.30≦w≦0.50を示す)等
の2価または3価の金属元素を含む複合酸化物、これら
の複合酸化物においてNbの一部をTaで置換したタン
タル酸−チタン酸鉛の複合酸化物、およびこれらを組み
合わせた複合酸化物などのペロブスカイト型酸化物単結
晶を圧電体として用いた超音波プローブが期待されてい
る。
【0004】前記超音波プローブの振動子に圧電材料と
しては、10mm角以上の面積を持つ板状の圧電体で、
大きい電気機械結合係数(例えばk33´>75%)と高
い誘電率を示し、かつ個々の圧電素子において前記圧電
・誘電体の特性が均一であることが望まれている。ま
た、複合ペロブスカイト型酸化物圧電体は必ずしも単結
晶出なくとも、特定包囲で圧電特性や誘電特性が優れた
結晶粒が配向したものでもよい。
【0005】ところで、前記酸化物単結晶は従来より酸
化鉛、酸化ホウ素等をフラックスとし、かつ酸化物単結
晶の各成分を原料に用いて育成する、いわゆるフラック
ス法により製造されている。このフラックス法は、前記
フラックスト前記酸化物単結晶の原料を1100℃以上
の高温で溶解した後、850℃以下の共晶温度付近まで
単に徐冷して単結晶を析出する簡便な育成方法である。
【0006】しかしながら、前記フラックス法で溶液か
ら前記酸化鉛を含む複合ペロブスカイト型酸化物単結晶
を育成すると、有用でない低誘電率の酸化鉛と酸化ニオ
ブからなるパイクロア型の酸化物単結晶が発生し易く、
目的とする前記複合ペロブスカイト型酸化物単結晶の特
性を阻害する。さらに、前記ペロブスカイト型酸化物単
結晶は<111>方位が最も優勢な成長方位であるた
め、<111>方位に早く成長し易い。特に、<111
>方位の成長が顕著である場合にはパイクロア型の酸化
物単結晶が育成され易くなる。また、このような場合に
は<111>方位に伸びた矢じり形の単結晶になり易
く、成長中に単結晶内部にフラックス成分からなるイン
クルージョンと呼ばれる包有物、成長応力歪、双晶など
の欠陥が生じやすい。このような欠陥が生じると、超音
波プローブの製作に必要な10mm以上の大きい単結晶
を育成した時に圧電特性や誘電特性にばらつきが起こ
る。
【0007】さらに、従来のフラックス法では単結晶を
取り出すのにフラックスを除くことが必要になるため、
量産性が劣るという問題を生じる。しかも、前記酸化物
単結晶は全て固溶系の酸化物であるため、徐冷して結晶
成長させると、それと共に組成が徐々に変化して、超音
波プローブの振動子に用いた場合には特性の不均一化が
起こる。その結果、超音波プローブの感度か実質的に低
下したり、帯域が狭くなとるいう問題が生じる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、大面積にし
ても単結晶内部に包有物、成長応力歪、双晶などの欠陥
が生じず、しかも圧電特性や誘電特性に優れ、かつそれ
らの特性が均一な酸化物圧電単結晶の製造方法を提供し
ようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる酸化物圧
電体の製造方法は、酸化物単結晶からなる基板上に酸化
鉛を主成分とし、酸化ニオブおよび酸化タンタルから選
ばれる少なくとも1つの酸化物を含む溶液をエピタキシ
ャル成長させて酸化鉛を主成分とし、酸化ニオブおよび
酸化タンタルから選ばれる少なくとも1つの酸化物を含
む複合ペロブスカイト型酸化物圧電体を製造する方法に
おいて、前記基板の格子面間隔を(as )、前記複合ペ
ロブスカイト型酸化物圧電体の格子面間隔を(ap )と
した時、前記各格子面間隔の差(ap −as )を0.0
5nm以下に設定することを特徴とするものである。
【0010】本発明に係わる酸化物圧電体の製造方法に
おいて、前記基板上に前記複合ペロブスカイト型酸化物
圧電体をエピタキハャル成長させ、前記基板側および前
記酸化物圧電体側にそれぞれ電極を配置し、0.01〜
1kV/mmの電圧を印加して分極した後、前記基板及
び電極を除去することを許容する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる酸化物圧電
体の製造方法を詳細に説明する。この酸化物圧電体の製
造方法は、酸化物単結晶からなる基板上に酸化鉛を主成
分とし、酸化ニオブおよび酸化タンタルから選ばれる少
なくとも1つの酸化物を含む溶液をエピタキシャル成長
させて酸化鉛を主成分とし、酸化ニオブおよび酸化タン
タルから選ばれる少なくとも1つの酸化物を含む複合ペ
ロブスカイト型酸化物圧電体を製造するに際し、前記基
板の格子面間隔を(as )、前記複合ペロブスカイト型
酸化物圧電体の格子面間隔を(ap )とした時、前記各
格子面間隔の差(ap −as )を0.05nm以下に設
定する。
【0012】前記基板材料は、酸化物であればいかなる
ものでもよいが、特にペロブスカイト型酸化物単結晶や
これに類似した構造の酸化物単結晶であることが好まし
い。前記ペロブスカイト型酸化物としては、例えばAB
3 またはA(B1,B2)O3 [ただし、AはSr、
Ca、Mg、Pb、Bi、La、Ce、NdおよびBa
から選ばれるすくなとも1つの元素、B、B1、B2は
Ti、Sn、Hf、Zr、Mo、Fe、Mn、Co、C
r、V、Ga、Al、Nbから選ばれる少なくとも1の
元素を示す)の化学式で表されるものが用いられる。
【0013】前記基板材料である酸化物単結晶として
は、例えばSrTiO3 、BaTiO3 、PbTiO
3 、CaTiO3 、SrMoO3 、CeGaO3 、La
AlO3、LaCoO3 、NdAlO3 、CeVO3
BaSnO3 等を用いることができる。
【0014】前記基板材料である類似構造の酸化物単結
晶としては、例えばLaGaO3 、YAlO3 等の希土
類元素を含むGa、Alの酸化物であるGaFeO3
複合酸化物、またはNaCl型複合酸化物を用いること
ができる。前記GaFeO3型複合酸化物は、格子定数
が大きいため、面方位を選ぶ必要がある。例えば、この
単結晶の{110}面を基板として用いると、この面の
格子面間隔は前記ペロブストカイト型酸化物圧電体の
{100}面の格子面間隔(この場合、格子定数に等し
い)と前記格子面間隔の差(ap −as )を0.05n
m以下の条件を満たす。
【0015】前記基板のエピタキシャル成長面は、{1
00}面、{111}面、{110}面等がある。特
に、前記基板のエピタキシャル成長面を{100}面に
した場合には大面積のを短時間で作製でき、組成のばら
つきも抑制できる。このため、圧電特性や誘電特性が優
れ、かつこれらの特性のばらつきが少ない振動子を作製
することが可能になる。
【0016】前記複合ペロブスカイト型酸化物圧電体を
前記基板にエピタキシャル成長するには、通常、前記原
料を貴金属、例えばPt、Rh、Auからなるルツボ内
で溶融する。
【0017】前記基板へのエピタキシャル成長速度は、
0.05〜5mm/hの条件で行うことが好ましい。こ
のような条件でエピタキシャル成長した複合ペロブスカ
イト型酸化物圧電体は、インクルージョンやクラックな
どの欠陥発生をより効果的に防止することが可能にな
る。なお、前記基板に酸化物圧電体をエピタキシャル成
長するに際し、前記基板表面に10nm〜10μmの薄
い貴金属、例えばPt、Rh、Ir、Ru等からなる電
極を形成してもよい。
【0018】前記エピタキシャル成長時において、前記
基板を5〜200rpmの速度で回転することが欠陥発
生を防止する観点から好ましい。前記基板上に酸化鉛を
主成分とし、酸化ニオブおよび酸化タンタルから選ばれ
る少なくとも1つの酸化物を含む溶液をエピタキシャル
成長させる際の溶液温度は800〜1100℃にするこ
とが好ましい。
【0019】前記溶液の組成は、例えば亜鉛ニオブ酸鉛
−チタン酸鉛のペロブスカイト型酸化物圧電体を製造す
る場合、亜鉛ニオブ酸鉛(PZT)−チタン酸鉛(P
T)と酸化鉛(PbO)を主成分とするフラックス組成
(Flux)との組成がモル比でPZT−PT/Flu
x=20/80〜50/50の範囲にすることが好まし
い。前記フラックス成分は、主に酸化鉛(PbO)、酸
化硼素(B23 )および単結晶成分の少なくとも1つ
の元素A(Zn、Mg、Ni、Fe、Co、Sc、I
n、Ybから選ばれる少なくとも1つの元素)の酸化物
(A酸化物)からなり、そのフラックス組成はPbO=
60〜100モル%、B23 =0〜40モル%、A酸
化物=0〜40モル%にすることが好ましい。また、P
bOの一部をPbF2 、PbO2 、Pb34 などの鉛
化合物で置換してもよい。また、Li2 O、K2 O、C
aO、SrO、BaO、MnO、CuO、Al23
Ga23 、Bi23 、La23 、Nd23 、S
iO2 、GeO2 、SnO2 、ZrO2 、HfO2 、V
25 、Sb25 、Ta25 を5モル%以下配合し
てもよい。
【0020】前記基板上にエピタキシャル成長される複
合ペロブスカイト型酸化物単結晶は、例えばPb[(Z
1/3 Nb2/31-x Tix ]O3 (ただし、xは0.
05≦x≦0.20を示す)、Pb[(Mg1/3 Nb
2/31-y Tiy ]O3 (ただし、yは0.20≦y≦
0.40を示す)、Pb[(Ni1/3 Nb2/31-z
z ]O3 (ただし、zは0.30≦z≦0.50を示
す)、Pb[(Co1/3 Nb2/31-u Tiu ]O3
(ただし、uは0.10≦u≦0.30を示す)、Pb
[(A1/2 Nb1/21-w Tiw ]O3 (ただし、Aは
Sc、In、Fe、Yおよび希土類元素から選ばれる1
種、wは0.30≦w≦0.50を示す)にて表される
組成物、もしくは前記式中のPbの一部を10モル%以
内の量でNa、Sr、Ca、およびLaの少なくとも1
種で置換した組成物、または前記式中のNbの一部をT
aで置換した組成物であることが好ましい。
【0021】前記酸化物圧電体は、50〜500μmの
厚さにすることが好ましい。前記酸化物圧電体の厚さを
50μm未満にすると、圧電特性がばらつく恐れがあ
る。一方、前記酸化物圧電体の厚さが500μmを越え
ると、エピタキシャル成長中にパイロクロア型単結晶が
生じ易く、またインクルージョン、ピット、双晶などの
欠陥が発生する恐れがある。
【0022】前記基板の格子面間隔(as )と前記複合
ペロブスカイト型酸化物圧電体の格子面間隔(ap )の
差(ap −as )が0.05nmを越えると、前記基板
表面に酸化物圧電体をエピタキシャル成長することが困
難になったり、成長された前記酸化物圧電体にクラック
が発生する恐れがある。より好ましい前記各格子面間隔
の差は、0.005〜0.05nmである。
【0023】前記基板上に前記複合ペロブスカイト型酸
化物圧電体をエピタキハャル成長させた後、前記基板側
および前記酸化物圧電体側にそれぞれ電極を配置し、
0.01〜1kV/mmの電圧を印加して分極すること
を許容する。この様な文局所五に前記基板及び電極は除
去される。
【0024】以上説明した本発明によれば、酸化物単結
晶からなる基板上に酸化鉛を主成分とし、酸化ニオブお
よび酸化タンタルから選ばれる少なくとも1つの酸化物
を含む溶液をエピタキシャル成長させて複合ペロブスカ
イト型酸化物圧電体する際、前記基板の格子面間隔(a
s )と前記複合ペロブスカイト型酸化物圧電体の格子面
間隔(ap )の差(ap −as )が0.05nm以下に
することによって、前記基板のある特定の格子面上に単
結晶核が発生し、特定方位面のペロブストカイト型酸化
物圧電体を育成できる。このため、成長中に不要なパイ
ロクロア型結晶が発生したり、またフラックス法での育
成のようにインクルージョン、ピットや双晶などの欠陥
発生を防止することができる。
【0025】また、前記基板の格子面間隔が前記複合ペ
ロブスカイト型酸化物圧電体の格子面間隔より小さいた
めに、前記酸化物圧電体の面内に適度の圧縮応力が加え
られるため、亀裂や割れ発生を防止できる。
【0026】さらに、前記酸化物圧電体の面内に適度の
圧縮応力が加えられることによって、前記圧電体の双極
子が面に垂直に向き易くなるため、容易に分極処理でき
ると共に、超音波プローブを作製する場合の短冊状に加
工する際に振動子に脱分極が生じるのを防止できる。
【0027】例えば、酸化物圧電体(または振動子)の
特性にばらつきを生じないように完全に分極するには、
通常、1kV/mmを越える電圧を印加する必要があ
る。本発明では、1kV/mm以下の小さい電圧の印加
により基板上の圧電体を完全に分極することができる。
この分極操作は、前記基板上に前記酸化物圧電体をエピ
タキシャル成長した状態で前記基板および前記圧電体側
に電極をそれぞれ形成し、0.01〜1kV/mmの電
圧を前記電極間に印加することによりなされる。すなわ
ち、前記基板にエピタキシャル成長した前記酸化物圧電
体は分極され易い応力が加わるため、この状態で分極す
ることにより、低い電圧で分極でき、前記酸化物圧電体
の脱分極を防止できる。なお、前記基板に酸化物圧電体
をエピタキシャル成長し、前記基板を除去した後、前記
酸化物圧電体の両面に電極を形成して分極すると、完全
分極に必要な電圧が高くなる。
【0028】したがって、本発明の方法により製造され
た酸化物圧電体を加工することにより得られた振動子
は、前記圧電体本来の優れた圧電特性、つまり電気機械
結合係数;k33´が80%以上と大きな値を有し、かつ
そのばらつきも0.5%以下に抑えることができる。
【0029】なお、本発明の方法により製造された酸化
物圧電体を有する圧電素子を備える超音波プローブ(ア
レー型超音波プローブ)について図1を参照して詳細に
説明する。
【0030】ペロブスカイト型鉛複合酸化物単結晶から
なる複数の圧電体1は、バッキング材2上に互いに分離
して接着されている。前記各々の圧電体1は図の矢印A
方向に振動する。第1電極3は、前記各々の圧電体1の
超音波送受信面からその側面およびおよび前記送受信面
と反対側の面の一部に亘ってそれぞれ形成されている。
第2電極4は、前記各々の圧電体1の前記送受信面と反
対側の面に前記第1電極3と所望の距離隔ててそれぞれ
形成されている。このような前記圧電体1、前記第1、
第2の電極3、4により圧電素子(超音波送受信素子)
が構成される。音響マッチング層5は、前記各々の第1
電極3を含む前記各圧電体1の超音波送受信面にそれぞ
れ形成されている。音響レンズ6は、前記各音響マッチ
ング層5の全体に亘って形成されている。フレキシブル
印刷配線板7は、前記各々の第1電極3に接続されてい
る。アース電極板8は、前記各々の第2電極4に例えば
はんだ付けにより接続されている。図示しない複数の導
体(ケーブル)は前記フレキシブル印刷配線板7および
アース電極板8にそれぞれ接続される。
【0031】このような図1に示す構造の超音波プロー
ブは、例えば次のような方法により作製される。まず、
ペロブスカイト型酸化物単結晶板に導電膜をスパッタ法
により蒸着し、選択エッチング技術によりの超音波送受
信面および前記送受信面と反対側の面に導電膜を残す。
つづいて、前記単結晶片の超音波送受信面となる面に音
響マッチング層を形成し、これらをバッキング材上に接
着する。ひきつづき、ブレードを用いて前記音響マッチ
ング層から前記単結晶片に亘って複数回切断することに
より前記バッキング材上に第1、第2電極を有する互い
に分離された複数の圧電体と前記各圧電体上にそれぞれ
配置された複数の音響マッチング層が形成される。次い
で、前記音響マッチング層に音響レンズを形成した後、
フレキシブル印刷配線板を前記第1電極にそれぞれ接続
し、前記第2電極にアース電極板を例えばはんだ付けに
より接続し、さらに図示しない複数の導体(ケーブル)
を前記フレキシブル印刷配線板およびアース電極板にそ
れぞれ接続することにより超音波プローブを作製する。
【0032】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を詳細に説明
する。 (実施例1)まず、純度が99.9%以上のPbO、Z
nO、Nb25 およびTiO2 を、亜鉛酸ニオブ酸鉛
(Pb[Zn1/3 Nb2/3 ]O3 ;PZNと略す)とチ
タン酸鉛(PbTiO3 ;PTと略す)のモル比が9
1:9(つまりPb[(Zn1/3 Nb2/31-x Ti
x ]O3 ,x=0.09、91PZN−9PTと略す)
になるように秤量し、この秤量物にフラックスとして酸
化鉛(PbO)を91PZN−9PT/PbO=30/
70になるように加えた。これらの粉末水を混合した
後、この混合粉末約1.0kgを図2に示す内径70m
m、容量500ccの筒状の白金容器11に入れた。こ
の白金容器11を内径120mm、長さ200mmの縦
型るつぼ状電気炉(図示せず)に設置し、1100℃の
温度まで5.5時間かけて昇温した。この温度で5時間
保持した後、白金棒で前記白金容器11内の溶液12を
十分に撹拌して均一化し、さらに温度を1000℃まで
下げた。つづいて、直径30mm、厚さ0.5mmの
{100}面のSrTiO3 単結晶からなる透明基板1
3(格子面間隔;0.391nm)を固定治具14の下
端に取り付け、この固定治具14により前記透明基板1
3を30rpmの速度で回転しながら、前記白金容器1
1内の溶液12に静かに浸漬し、この状態を4時間保持
した。前記基板13の浸漬後、前記固定治具14により
前記基板13を前記白金容器11から静かに引上げて取
り出した。前記白金容器11から取り出した基板13
は、前記電気炉内で室温まで冷却した後、炉外に取り出
した。
【0033】取り出した基板13には色調が淡黄色でク
ラックやインクルージョン等の欠陥がなく、直径30m
m、厚さ350μmの大きさの結晶15が成長してい
た。この結晶をX線回折で調べた。その結果、室温で菱
面体のペロブスカイト型構造であり、格子面間隔が0.
402nmであることがわかった。つまり、前記SrT
iO3 単結晶からなる透明基板13の格子面間隔(a
s )が0.391nmで、前記酸化物結晶(圧電体)の
格子面間隔(ap )が0.402nmであることから、
前記各格子面間隔の差(ap −as )は0.011nm
である。また、前記結晶をX線ラウエ写真で調べたとこ
ろ、明瞭なラウエ斑点を示し、板面が{100}面でエ
ピタキシャル成長した単結晶であることが確認された。
この単結晶をICPによる化学分析を行ったところ、ほ
ぼX=0.09で、分析精度内で板面内での組成変動は
全く認められなかった。
【0034】次いで、エピタキシャル成長された{10
0}面の単結晶を前記基板上に配置したまま、{10
0}面に平行に研磨して250μmの厚さに仕上げた。
前記基板も同様にして250μmの厚さまで研磨した。
この結果、SrTiO3 単結晶からなる基板とこの基板
に成長されたペロブスカイト型圧電単結晶の全厚さは、
500μmになった。つづいて、基板と単結晶の面にT
i/Au電極をスパッタ法により形成し、150〜25
0℃の絶縁オイル中で0.5kV/mmの電界を10分
間印加した後、電界冷却して分極を行なった。分極後、
前記基板を削り取り、直径30mm、厚さ230μmの
圧電単結晶板を得た。
【0035】得られた圧電単結晶板から10mm角の板
を切り出し、LCRメータにより静電容量を測定した。
その結果、比誘電率が2700であった。また、前記圧
電単結晶板を幅150μm、厚さ230μm、長さ10
mmの短冊状振動子を切り出し、共振、反共振周波数を
測定し、電気機械結合係数を算出した。その結果、電気
機械結合係数k33´は87.2〜87.5%で、ばらつ
きが0.5%以下と極めて優れた圧電特性を有すること
がわかった。
【0036】さらに、前記単結晶板を用いて前述した図
1に示すアレイ形超音波プローブを作製した。すなわ
ち、前記91PZT−9PTの圧電単結晶板を加工して
厚さ200μmの角板を作製した。得られた角板の上下
面および側面にTi/Au導体膜をスパッタ法により蒸
着し、選択エッチング技術により前記角板の一方の側面
に位置する前記導電膜部分および超音波送受信面となる
面と反対側の面に位置する前記導電膜の一部を除去し
た。つづいて、前記角板の超音波送受信面となる面に音
響マッチング層を形成し後、これらをバッキング材2上
に接着した。ひきつづき、厚さ30μmのダイヤモンド
ブレードを用いて前記音響マッチング層から前記角板に
亘って切り込み、120μmのピッチで短冊状に切断し
た。この切断により、前記バッキング材2上に第1、第
2電極3、4を有する互いに分離された複数の圧電体1
と前記各圧電体1上にそれぞれ配置された複数の音響マ
ッチング層5が形成された。次いで、前記音響マッチン
グ層5に音響レンズ6を形成した後、フレキシブル印刷
配線板7を前記各々の第1電極3にそれぞれ半田付け接
続し、アース電極板8を前記各第2電極4に半田付けに
より接続し、さらに図示しない110pF/m、長さ2
mの複数の導体(ケーブル)をフレキシブル印刷配線板
7およびアース電極板8にそれぞれ接続することにより
前述した図1に示す構造のアレイ形超音波プローブを製
造した。
【0037】得られたアレイ形超音波プローブについ
て、パルスエコー法により反射エコーを測定した。その
結果、中心周波数が3.5MHzのエコーが全素子に亘
って得られた。感度は、従来のセラミックスより5dB
高く、周波数帯域は−5dBで比帯域92%と広帯域と
なることがわかった。
【0038】(比較例1)まず、純度が99.9%以上
のPbO、ZnO、Nb25 およびTiO2 を、亜鉛
酸ニオブ酸鉛(Pb[Zn1/3 Nb2/3 ]O3 ;PZN
と略す)とチタン酸鉛(PbTiO3 ;PTと略す)の
モル比が91:9(つまりPb[(Zn1/ 3 Nb2/3
1-x Tix ]O3 ,x=0.09、91PZN−9PT
と略す)になるように実施例1と同様に秤量し、この秤
量物にフラックスとして酸化鉛(PbO)を91PZN
−9PT/PbO=50/50になるように加えた。こ
れらの粉末水を混合した後、この混合粉末約1.0kg
を前述した図2に示す内径70mm、容量500ccの
筒状の白金容器11に入れた。この白金容器11を内径
120mm、長さ200mmの縦型るつぼ状電気炉(図
示せず)に設置し、1100℃の温度まで5.5時間か
けて昇温した。この温度で5時間保持した後、白金棒で
前記白金容器11内の溶液12を十分に撹拌して均一化
し、さらに温度を1000℃まで下げた。つづいて、直
径30mm、厚さ0.5mmの{100}面のMgO単
結晶からなる基板13(格子面間隔;0.421nm)
を固定治具14の下端に取り付け、この固定治具14に
より前記透明基板13を30rpmの速度で回転しなが
ら、前記白金容器11内の溶液12に静かに浸漬し、こ
の状態を4時間保持した。前記基板13の浸漬後、前記
固定治具14により前記基板13を前記白金容器11か
ら静かに引上げて取り出した。前記白金容器11から取
り出した基板13は、前記電気炉内で室温まで冷却した
後、炉外に取り出した。
【0039】取り出した基板には、色調が淡黄色で直径
30mm、厚さ350μmの大きさの結晶が成長してい
た。この結晶内部を調べたところ、多数のクラックが<
100>方位に発生していることが確認された。この結
晶をX線回折で調べた。その結果、室温で菱面体のペロ
ブスカイト型構造であり、格子面間隔が0.396nm
であることがわかった。つまり、前記MgO単結晶から
なる基板の格子面間隔(as )が0.421nmで、前
記酸化物結晶(圧電体)の格子面間隔(ap )が0.3
96nmであることから、前記基板の格子面間隔が前記
圧電体の格子面間隔より大きく、それら格子面間隔の差
(ap −as )は−0.025nmである。また、前記
結晶をX線ラウエ写真で調べたところ、クラックが多い
ためにラウエ斑点が不明瞭になっているが、板面が{1
00}面でであることが確認された。この単結晶をIC
Pによる化学分析を行ったところ、ほぼX=0.085
〜0.095であった。
【0040】次いで、エピタキシャル成長された{10
0}面の単結晶を前記基板上に配置したまま、{10
0}面に平行に研磨して300μmの厚さに仕上げた。
前記基板も同様にして300μmの厚さまで研磨した。
この結果、MgO単結晶からなる基板とこの基板に成長
されたペロブスカイト型圧電単結晶の全厚さは、600
μmになった。つづいて、基板と単結晶の面にTi/A
u電極をスパッタ法により形成し、150〜250℃の
絶縁オイル中で0.5kV/mmの電界を10分間印加
した後、電界冷却して分極を行なった。分極後、前記基
板を削り取り、直径30mm、厚さ250μmの圧電単
結晶板を得た。
【0041】得られた圧電単結晶板から2mm角の板を
切り出し、LCRメータにより静電容量を測定した。そ
の結果、比誘電率が3500であった。また、前記圧電
単結晶板のクラックが発生されていない箇所から幅15
0μm、厚さ250μm、長さ4mmの短冊状振動子を
切り出し、共振、反共振周波数を測定し、電気機械結合
係数を算出した。その結果、電気機械結合係数k33´は
68〜80%で、ばらつきが大きい圧電特性を有するこ
とがわかった。この単結晶は、クラックが多いため超音
波プローブの圧電素子(振動子)を作製することができ
なかった。
【0042】(実施例2)まず、純度が99.9%以上
のPbO、MgO、Nb25 、TiO2 およびB2
3 を、マグネシウム酸ニオブ酸鉛(Pb[Mg1/3 Nb
2/3 ]O3 ;PMNと略す)とチタン酸鉛(PbTiO
3 ;PTと略す)のモル比が67:33(つまりPb
[(Mg1/3 Nb2/31-x Tix ]O3 ,x=0.3
3、67PMN−33PTと略す)になるように秤量
し、この秤量物にフラックスとして酸化鉛(PbO)と
酸化マグネシウム(MgO)と酸化硼素(B23
[PbO+MgO+B23 =6/3/1]を67PM
N−33PT/(PbO+MgO+B23 )=25/
75になるように加えた。これらの粉末水を混合した
後、この混合粉末約1.3kgを前述した図2に示す内
径70mm、容量500ccの筒状の白金容器11に入
れた。この白金容器11を内径120mm、長さ200
mmの縦型るつぼ状電気炉(図示せず)に設置し、10
50℃の温度まで5.5時間かけて昇温した。この温度
で5時間保持した後、白金棒で前記白金容器11内の溶
液12を十分に撹拌して均一化し、さらに温度を950
℃まで下げた。つづいて、直径40mm、厚さ0.5m
mの{100}面のSrTiO3 単結晶からなる透明基
板13(格子面間隔;0.391nm)を固定治具14
の下端に取り付け、この固定治具14により前記透明基
板13を30rpmの速度で回転しながら、前記白金容
器11内の溶液12に静かに浸漬し、この状態を6時間
保持した。前記基板13の浸漬後、前記固定治具14に
より前記基板13を前記白金容器11から静かに引上げ
て取り出した。前記白金容器11から取り出した基板1
3は、前記電気炉内で室温まで冷却した後、炉外に取り
出した。
【0043】取り出した基板には色調が淡黄色でクラッ
クやインクルージョン等の欠陥がなく、直径40mm、
厚さ450μmの大きさの結晶が成長していた。この結
晶をX線回折で調べた。その結果、室温で菱面体のペロ
ブスカイト型構造であり、格子面間隔が0.403nm
であることがわかった。つまり、前記SrTiO3 単結
晶からなる透明基板の格子面間隔(as )が0.391
nmで、前記酸化物結晶(圧電体)の格子面間隔(a
p )が0.4032nmであることから、前記各格子面
間隔の差(ap −as )は0.012nmである。ま
た、前記結晶をX線ラウエ写真で調べたところ、明瞭な
ラウエ斑点を示し、板面が{100}面でエピタキシャ
ル成長した単結晶であることが確認された。この単結晶
をICPによる化学分析を行ったところ、ほぼX=0.
32で、分析精度内で板面内での組成変動は全く認めら
れなかった。
【0044】次いで、エピタキシャル成長された{10
0}面の単結晶を前記基板上に配置したまま、{10
0}面に平行に研磨して300μmの厚さに仕上げた。
前記基板も同様にして300μmの厚さまで研磨した。
この結果、SrTiO3 単結晶からなる基板とこの基板
に成長されたペロブスカイト型圧電単結晶の全厚さは、
600μmになった。つづいて、基板と単結晶の面にT
i/Au電極をスパッタ法により形成し、150〜25
0℃の絶縁オイル中で0.3kV/mmの電界を10分
間印加した後、電界冷却して分極を行なった。分極後、
前記基板を削り取り、直径40mm、厚さ250μmの
圧電単結晶板を得た。
【0045】得られた圧電単結晶板から10mm角の板
を切り出し、LCRメータにより静電容量を測定した。
その結果、比誘電率が2200であった。また、前記圧
電単結晶板を幅150μm、厚さ250μm、長さ10
mmの短冊状振動子を切り出し、共振、反共振周波数を
測定し、電気機械結合係数を算出した。その結果、電気
機械結合係数k33´は84.5〜85.0%で、ばらつ
きが0.5%以下と極めて優れた圧電特性を有すること
がわかった。しかも、再分極してもk33´の値に全く変
化がなく、振動子の裁断時に脱分極が生じないことが確
認された。
【0046】さらに、前記単結晶板を用いて前述した図
1に示すアレイ形超音波プローブを作製した。すなわ
ち、前記91PZT−9PTの圧電単結晶板を加工して
厚さ200μmの角板を作製した。得られた角板の上下
面および側面にTi/Au導体膜をスパッタ法により蒸
着し、選択エッチング技術により前記角板の一方の側面
に位置する前記導電膜部分および超音波送受信面となる
面と反対側の面に位置する前記導電膜の一部を除去し
た。つづいて、前記角板の超音波送受信面となる面に音
響マッチング層を形成し後、これらをバッキング材2上
に接着した。ひきつづき、厚さ30μmのダイヤモンド
ブレードを用いて前記音響マッチング層から前記角板に
亘って切り込み、120μmのピッチで短冊状に切断し
た。この切断により、前記バッキング材2上に第1、第
2電極3、4を有する互いに分離された複数の圧電体1
と前記各圧電体1上にそれぞれ配置された複数の音響マ
ッチング層5が形成された。次いで、前記音響マッチン
グ層5に音響レンズ6を形成した後、フレキシブル印刷
配線板7を前記各々の第1電極3にそれぞれ半田付け接
続し、アース電極板8を前記各第2電極4に半田付けに
より接続し、さらに図示しない110pF/m、長さ2
mの複数の導体(ケーブル)をフレキシブル印刷配線板
7およびアース電極板8にそれぞれ接続することにより
前述した図1に示す構造のアレイ形超音波プローブを製
造した。
【0047】得られたアレイ形超音波プローブについ
て、パルスエコー法により反射エコーを測定した。その
結果、中心周波数が3.8MHzのエコーが全素子に亘
って得られた。感度は、従来のセラミックスより5dB
高く、周波数帯域は−5dBで比帯域90%と広帯域と
なることがわかった。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば大
面積にしても単結晶内部に包有物、成長応力歪、双晶な
どの欠陥が生じず、しかも圧電特性や誘電特性に優れ、
かつそれらの特性が均一な酸化物圧電体を製造できる。
その結果、得られた酸化物圧電体を振動子(圧電素子)
に適用することにより高感度、広帯域の大型の超音波プ
ローブを実現でき、ひいては超音波診断装置や超音波探
傷装置等に有効に利用できる等顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に寄り製造された酸化物圧電体を有する
圧電素子を備えたアレイ形超音波プローブを示す斜視
図。
【図2】本発明の実施例の単結晶を育成するための装置
を示す概略図
【符号の説明】
1…圧電体、 2…バッキング材、 3、4…電極、 5…音響マッチング層、 6…音響レンズ、 7…フレキシブル印刷配線板、 8…アース電極。 11…白金容器、 13…基板、 15…結晶。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物単結晶からなる基板上に酸化鉛を
    主成分とし、酸化ニオブおよび酸化タンタルから選ばれ
    る少なくとも1つの酸化物を含む溶液をエピタキシャル
    成長させて酸化鉛を主成分とし、酸化ニオブおよび酸化
    タンタルから選ばれる少なくとも1つの酸化物を含む複
    合ペロブスカイト型酸化物圧電体を製造する方法におい
    て、 前記基板の格子面間隔を(as )、前記複合ペロブスカ
    イト型酸化物圧電体の格子面間隔を(ap )とした時、
    前記各格子面間隔の差(ap −as )を0.05nm以
    下に設定することを特徴とする酸化物圧電体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記基板上に前記複合ペロブスカイト型
    酸化物圧電体をエピタキハャル成長させ、前記基板側お
    よび前記酸化物圧電体側にそれぞれ電極を配置し、0.
    01〜1kV/mmの電圧を印加して分極した後、前記
    基板及び電極を除去することを特徴とする請求項1記載
    の酸化物圧電体の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004068605A1 (en) * 2003-01-31 2004-08-12 Canon Kabushiki Kaisha Piezoelectric element
CN100374299C (zh) * 2003-12-10 2008-03-12 佳能株式会社 介电体薄膜元件、压电致动器、液体排出头及其制造方法
CN110550942A (zh) * 2019-09-16 2019-12-10 陕西理工大学 纳米孪晶二氧化硅压电材料的制备方法

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CN110550942B (zh) * 2019-09-16 2022-03-08 陕西理工大学 纳米孪晶二氧化硅压电材料的制备方法

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