JPH10249887A - 射出成形同時絵付装置及び方法 - Google Patents

射出成形同時絵付装置及び方法

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JPH10249887A
JPH10249887A JP6337097A JP6337097A JPH10249887A JP H10249887 A JPH10249887 A JP H10249887A JP 6337097 A JP6337097 A JP 6337097A JP 6337097 A JP6337097 A JP 6337097A JP H10249887 A JPH10249887 A JP H10249887A
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JP
Japan
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sheet
painting
mold
heating wire
female
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JP6337097A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Atake
浩之 阿竹
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/14Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles
    • B29C45/1418Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles the inserts being deformed or preformed, e.g. by the injection pressure

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 切断刃に代えて加熱線条により帯状の絵付シ
ートの先端側1ショット分を必要最小限の長さに適正に
切断することができるとともに、絵付シートの上流側部
分(未成形の次ショット部分)に熱や応力が遡及し難く
でき、また、装置の複雑化を招くことなく、クランプ及
び切断時に絵付シートの位置ずれ、タルミ、シワ等が発
生しないようになす。 【解決手段】 射出成形同時絵付に用いられる雌型12
におけるキャビティ13とシート供給側端部18との間
に、帯状の絵付シートSを幅方向に熔融切断してその先
端側1ショット分を供給側から切り離すための加熱線条
30が配設されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形と同時に
型内で絵付シートを射出樹脂成形物の表面に一体的に接
着して図柄や文字等が施された成形品を得るようにした
射出成形同時絵付装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形と同時に型内で絵付シートを射
出樹脂成形物の表面に一体的に接着する射出成形同時絵
付方法としては、従来より幾つもの態様が提案されてい
るが、それらの大半は、次の(a)〜(j)の工程の全
部又は幾つかを記述順に又はその順番を入れ換えて、順
次、又は複数の工程を同時に重複してもしくは並列的に
行うようにされている。
【0003】(a)絵付シートを射出成形に用いられる
雌型のパーティング面上に供給するシート供給工程。 (b)絵付シートを雌型のパーティング面に固定保持す
るクランプ工程。 (c)絵付シートがロール状に巻き取られた帯状の長尺
シートである場合において、雌型のパーティング面上ま
で供給された絵付シートの先端側1ショット分を供給側
(上流側)から切り離すシート切断工程。
【0004】(d)絵付シートを熱盤等により加熱軟化
させる加熱軟化工程。 (e)絵付シートを真空吸引及び/又は圧空供給等によ
り雌型のキャビティ面に沿わせるように延伸させる延伸
工程(予備成形工程)。 (f)雌型と雄型の一方(通常は雌型)を他方(通常は
雄型)側へ移動させて型閉めを行う型閉め工程。
【0005】(g)キャビティ内に雄型側から流動状態
の樹脂(熔融樹脂)を注入充填して射出成形を行う射出
成形工程。 (h)雌型と雄型とを離間させる型開き工程。 (i)絵付シートのうちの射出成形品に接着付随させる
べき部分を他の部分(不要部分)から切り離すトリミン
グ工程。 (j)絵付シートが接着された射出成形品を前記雌型か
ら取り出す取出工程。
【0006】なお、複数の工程を同時に重複して行うと
は、複数の工程が一工程に含まれることをいい、例え
ば、前記(f)の型閉め工程において絵付シートを雌型
と雄型との間に挟んで固定保持するようになせば、該型
閉め工程と同時に重複して前記(b)のクランプ工程が
行われたことになり、また、前記(g)の射出成形工程
において絵付シートを射出された熔融樹脂の熱と圧力に
より延伸させるようになせば、該射出成形工程と同時に
重複して前記(e)の延伸工程が行われたことになる場
合をいう。
【0007】また、絵付シートとしては、製品種別に応
じて貼合わせ積層シート(ラミネートシート)と転写シ
ートのいずれかが用いられ、ラミネートシートである場
合には、射出成形によりそのままで絵付けが行われたこ
とになり、射出樹脂成形物の表面にシート全層が接着一
体化して化粧層となる。それに対し、絵付シートが転写
シートである場合には、射出樹脂成形物の表面に一体化
した化粧シートのうちの支持体シートを剥離し、装飾層
等の転写層のみを射出樹脂成形物側に残留させて化粧層
となすことにより絵付けが完了する。
【0008】ところで、上に述べた如くの射出成形同時
絵付方法においては、前記(c)に記述した如くに、使
用される絵付シートがロール状に巻き取られた帯状の長
尺シートの場合は、該シートの先端を搬送チャックで挟
持してその先端側1ショット分を雌型のパーティング面
上に供給して展張せしめ、次いで、それを枠状クランパ
ーで雌型のパーティング面に押圧固定した後、その先端
側1ショット分を供給側から切り離すことが多い。例え
ば、特開平5−301250号公報記載の発明がこれに
該当する。
【0009】この場合、絵付シートの先端側1ショット
分を供給側から切り離すための切断手段が必要となる
が、従来、この切断手段としては、通常、シートを機械
的に切り取るカッター等の切断刃が使用されていた。す
なわち、従来においては、例えば、WO95/1800
3号公報等にも所載のように(以下の括弧付き符号は該
公報の図面の対応する部分に付されているもの)、雌型
(1)におけるキャビティ(10)より上流側部分に絵
付シートを幅方向に切断する切断刃(50)を配設する
とともに、絵付シートの先端側1ショット分を前記雌型
のパーティング面に押圧して固定すべく前記パーティン
グ面に対して直交する方向に移動可能とされた枠状クラ
ンパー(40)の上流側端部に前記切断刃(50)を収
容する収容凹部(41)を設け、この枠状クランパー
(40)を前記切断刃(50)側に移動させることによ
り、雌型パーティング面上に供給されている絵付シート
(7)を前記切断刃(50)と枠状クランパー(40)
との間に挟んで押し切るようにしたものが提案されてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにカッター等の切断刃で絵付シートを押し切るよう
にしたものでは、切断刃の劣化(摩耗して切れ味が悪く
なること等)が早く、切断刃を頻繁に交換ないし研磨し
なければならず、しかも、交換にも手間がかかるという
問題があった。
【0011】また、前記公報に示されている装置構成で
は、絵付シートの切断時及び切断後も、絵付シートの切
断部の前後、つまり、絵付シートにおける切断刃(5
0)より下流側(キャビティ側)と上流側(絵付シート
供給側)の両方を枠状クランパーと雌型パーティング面
との間に挟んで押圧固定している。これは、切断時には
絵付シートの切断部の前後を押圧固定していなければ、
絵付シートが動いてしまい、切断刃(50)で絵付シー
トを適正に押し切ることができないからであり、また、
切断後、絵付シートの押圧固定を解除すべく枠状クラン
パー(40)を絵付シートから離すことは枠状クランパ
ー本来の役目を放棄することになるからである。
【0012】このため、絵付シート切断後においても、
絵付シートの切断部より上流側の端末(先端側1ショッ
ト分に続く次ショット部分の先端部)を、絵付シート供
給側(上流側)へ退避させることができず、枠状クラン
パーと雌型パーティング面との間に挟まれたままである
ので、その後に行われる、絵付シートを熱盤等により加
熱軟化させる加熱軟化工程時やキャビティ内に雄型側か
ら流動状態の樹脂(熔融樹脂)を注入充填して射出成形
を行う射出成形工程時等において、熱や応力が絵付シー
トの上流側(未成形の次ショット部分)に遡及して、そ
れらに皺、歪、変形等が発生してしまうという問題もあ
った。
【0013】一方、絵付シートを切断するのに、カッタ
ー等の切断刃ではなく、他の切断手段を使用すること
を、本願の出願人は先に提案している(例えば、特開平
6−315950号公報参照)。すなわち、前記した
(d)の加熱軟化工程において使用される熱盤のシート
供給側端部に、ニクロム線等の電熱線からなる加熱線条
を該熱盤の加熱面より前記絵付シート側(雌型側)に突
出した状態で張架し、該加熱線条を備えた熱盤を前記絵
付シートで覆われた雌型のキャビティに対向する位置ま
で移動させた後、さらに、絵付シート側(雌型側)に移
動させて、前記加熱線条を絵付シートに押し付けること
によって、該絵付シートを前記雌型のシート供給側端部
近傍の部位で幅方向に熔融切断するようにした射出成形
同時絵付装置を提案している(前記公報の図23、図2
4参照)。
【0014】かかる装置では、射出成形同時絵付装置に
通常は備えられている熱盤に切断手段としての加熱線条
を配置したので、前記カッターを用いたものに比して切
断手段を安価にできるとともに切断手段を頻繁に交換す
ることを要さず、また、交換も容易に行えるといった利
点が得られる。
【0015】しかしながら、上記提案の射出成形同時絵
付装置においては、絵付シートを切断するため、加熱線
条を備えた熱盤を絵付シート側(雌型側)に移動させる
駆動手段が必須となり、また、雌型に対して移動する構
造物に加熱線条を配設することになるので、配線の引き
廻しが面倒であり、配線が他の機器類に引っ掛かたりす
るおそれもある。
【0016】また、熱盤に加熱線条を配設したもので
は、装置の構成上、加熱線条が雌型等の他の部材と干渉
するのを避けるため、絵付シートの切断位置を前記雌型
のシート供給側端部より上流側にせざるを得ない。その
ため、絵付シートの1ショット分の長さ、特に雌型のキ
ャビティのシート供給側端部から切断部(1ショット分
の絵付シートの後端部)までの長さが長くなり、この部
分は後でトリミングされる不要部分(余剰部分)である
から、絵付シートが無駄に消費されることになり、不経
済である。
【0017】また、それに加え、この様な方式では、熱
盤と加熱線条とが一体型のため、シートを切断し終わる
までの間に、すでに次ショッシ分以降のシートの切断端
末付近が熱盤で加熱され、タルミ、熔融、カール等の熱
的ダメージを受けるという問題もあった。
【0018】本発明は、上述の如くの問題を解消すべく
なされたもので、その目的とするところは、切断刃に代
えて加熱線条により帯状の絵付シートの先端側1ショッ
ト分を必要最小限の長さに適正に切断することができる
とともに、絵付シートの上流側部分(未成形の次ショッ
ト部分)に熱や応力が遡及し難くでき、また、装置の複
雑化を招くことなく、クランプ及び切断時に絵付シート
の位置ずれ、タルミ、シワ等が発生しないようにでき、
なお且つ、切断後の次ショット分のシートを供給側に引
き上げて退避せさることが可能で、装置コスト、ランニ
ングコスト、占有スペース等を可及的に低減できるよう
にされた射出成形同時絵付装置及び方法を提供すること
にある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成すべ
く、本発明に係る射出成形同時絵付装置は、基本的に
は、相互に対向配置されて一方が他方側へ移動せしめら
れるようにされた雌型及び雄型と、ロール状に巻き取ら
れた帯状の絵付シートの先端側1ショット分を前記雌型
のパーティング面上に供給するシート供給手段と、前記
雌型のパーティング面に対して直交する方向に移動可能
とされ、前記絵付シートの先端側1ショット分を前記雌
型のパーティング面に押圧して固定する枠状クランパー
と、前記雌型のキャビティ内に前記雄型側から流動状態
の樹脂を注入充填する樹脂射出手段と、を備えている。
【0020】そして、前記雌型におけるキャビティと前
記シート供給手段との間に、前記帯状の絵付シートを幅
方向に熔融切断して前記先端側1ショット分を供給側か
ら切り離すための加熱線条が配設されてなる。本発明装
置の好ましい態様では、前記加熱線条が前記雌型のパー
ティング面上でかつ前記枠状クランパーより上流側部分
に配設される。
【0021】また、より好ましい態様では、前記加熱線
条は、前記パーティング面より前記雄型側に突出した位
置に張架されていて、前記加熱線条による前記絵付シー
トの熔融切断を前記枠状クランパーによる前記絵付シー
トの押圧固定動作に連携して行うようにされる。また、
前記雌型と雄型との型閉め時における前記雄型と前記加
熱線条との干渉を避けるべく、前記雄型に前記加熱線条
を収容する逃げ用凹部が設けられる。
【0022】さらに好ましい態様では、前記加熱線条が
電熱線からなっており、前記枠状クランパーによる絵付
シートの押圧固定動作開始後に所定時間だけ前記加熱線
条に対する通電を行って、絵付シートに接する加熱線条
を該絵付シートの熔融温度以上に加熱せしめることによ
って前記絵付シートを熔融切断するようにされる。
【0023】一方、本発明に係る射出成形同時絵付方法
は、基本的には、ロール状に巻き取られた帯状の絵付シ
ートの先端側1ショット分を前記雌型のパーティング面
上に供給してその先端部を把持固定するシート供給工程
と、前記絵付シートを前記雌型のパーティング面上に枠
状クランパーで押圧固定するクランプ工程と、前記雌型
に配設された加熱線条により、前記帯状の絵付シートを
幅方向に熔融切断して前記先端側1ショット分を供給側
から切り離すシート切断工程と、前記絵付シートを前記
雌型のキャビティ面に沿わせるように延伸させる延伸工
程と、前記雌型と雄型の一方を他方側へ移動させて型閉
めを行い両金型間にキャビティを形成せしめる型閉め工
程と、前記キャビティ内に前記雄型側から流動状態の樹
脂を注入充填して射出成形を行う射出成形工程と、前記
雌型と雄型とを離間させる型開き工程と、絵付シートが
接着された射出成形品を前記雌型から取り出す取出工程
と、を含み、前記各工程を記述順に又はその順番を入れ
換えて、順次、又は複数の工程を同時に重複してもしく
は並列的に行うようにされる。
【0024】そして、前記シート供給工程後、前記クラ
ンプ工程前に、前記絵付シートの先端部より上流側部分
をシート供給側に引っ張って所定の張力を付与し、次い
で、前記クランパーによる絵付シートの押圧固定動作に
連携して、前記雌型に配設された加熱線条により、前記
帯状の絵付シートを幅方向に熔融切断して前記先端側1
ショット分を供給側から切り離し、その後、絵付シート
のうちの切り離された先端側1ショット分に続く次ショ
ット部分の先端部を前記雌型のパーティング面より上流
側に引き戻すことを特徴としている。
【0025】本発明装置に使用される加熱線条として
は、ニクロム(ニッケル−クロム合金)線等の普通に市
販されている、通電することによって発熱する電熱線を
使用することが、価格、構造、制御(発熱温度及び発熱
時間等の制御)上の観点から望ましいが、白金線、鉄−
クロム合金線等の他の加熱可能な線材を使用してもよい
こと勿論である。
【0026】前記加熱線条として電熱線を用いる場合
は、該加熱線条を適宜の絶縁部材を介して例えば雌型の
パーティング面に穿設した配設凹部に装着固定し、前記
枠状クランパーによる絵付シートの押圧固定動作開始後
に所定時間だけ前記加熱線条に対する通電を行うことに
よって前記絵付シートを熔融切断するようにされる。ま
た、加熱線条と雌型間の絶縁体としては、電気絶縁性と
耐熱性とを兼ね備えたものを選ぶ。例えば、雲母、石
英、磁器等が用いられる。
【0027】上述の如くの構成とされた本発明に係る射
出成形同時絵付装置及び方法の好ましい態様において
は、絵付シートが、ロール状に巻き取られた長尺の連続
帯状シートの状態から、例えば搬送チャック等を備えた
シート供給手段により必要量づつ(1ショット分づつ)
繰り出され、雌型のキャビティ及びパーティング面を覆
うように、その先端部がクランパーと雌型との間(クラ
ンパーのシート押圧面の下側)を通って雌型のシート排
出側端部(下流側端部)近傍の位置まで搬送されて受取
チャックに把持固定される(シート供給工程)。
【0028】次に、前記絵付シートにおける前記受取チ
ャックに把持固定されている先端部より上流側部分をシ
ート供給側に引っ張って所定の張力を付与する。これに
より、絵付シートは、皺や弛みが取り除かれて雌型のパ
ーティング面上にピーンと張った展張状態で配置され
る。
【0029】この場合、先端部が受取チャックにより把
持固定されている絵付シートのうちの雌型より上流側部
分を搬送チャックで把持固定しておけば、次のクランプ
工程及び切断工程において絵付シートの先端側1ショッ
ト分が揺動したり弛んだりすることを防止できる。
【0030】続いて、枠状クランパーが雌型側(絵付シ
ート側)に前進移動せしめられ、それによって、絵付シ
ートの先端側1ショット分が前記クランパーにより雌型
のパーティング面上に押圧固定され(クランプ工程)、
このクランパーによる絵付シートの押圧固定動作に連携
して、前記雌型に配設された加熱線条により、前記帯状
の絵付シートが幅方向に熔融切断されて前記先端側1シ
ョット分が供給側から切り離される(シート切断工
程)。
【0031】ここで、前記クランプ工程以後をさらに詳
細に説明すると、前記枠状クランパーが雌型側へ前進移
動せしめられると、雌型のパーティング面より雄型側に
突出した位置に張架されている加熱線条が絵付シートに
接触してそれを若干押圧する。この場合、絵付シートの
うちの加熱線条が接触している部分(一定の幅を持った
直線状部分)は、前記クランパーより上流側に位置して
いる。
【0032】そして、好ましい態様では、前記クランパ
ーの押圧固定動作に同期して加熱線条に対する通電が開
始され、前記クランパーによる絵付シートの押圧固定動
作が完了した後においても所定時間(例えば5秒間)
は、加熱線条に対する通電が継続される。
【0033】この場合、加熱線条の発熱温度は、通電時
間に応じて上昇し、通電開始後ある時間(例えば1秒)
が経過すると、その発熱温度が絵付シートを熔融可能な
温度に達し、絵付シートは加熱線条が接触している部分
で熔融切断される。このとき、加熱線条は前記クランパ
ーに干渉することなく、前記絵付シートを厚み方向に突
き抜けるようにして切断することになる。
【0034】また、好ましい態様では、前記したように
クランプ工程及びシート切断工程時には、前記絵付シー
トに予め張力が付与されていて、該絵付シートの先端部
は受取チャックで把持固定されるとともに、絵付シート
の切断部より上流側部分は搬送チャックで把持固定され
ているので、シートの切断面(切断線)が蛇行したり、
切断面(切断線)近傍部分が切断時の熱や応力によって
歪みを生じて使用不能部分が拡がることを防止できて、
絵付シートは一直線上の綺麗な切口をもって容易にかつ
確実に切断される。
【0035】また、雌型におけるシート供給側端部より
キャビティ側の部位で絵付シートを切断できるので、帯
状の絵付シートの先端側1ショット分を必要最小限の長
さにすることができ、1ショット分の絵付シートの長さ
(特に、余剰部分の長さ)が従来のものより短くて済む
結果、一つの成形品当たりのシートコスト、ランニング
コストが低減される。
【0036】なお、絵付シートの押圧固定と切断とのタ
イミングは、固定と同時に切断でも、あるいは、固定後
の切断でも可能であるが、より好ましくは、シートの押
圧固定が完了し、シートの位置がずれることがなくな
り、また、固定時のシートに生じる過度現象的な応力が
十分緩和した後、切断が生じるように時間差を設定す
る。
【0037】また、絵付シートが加熱線条により切断さ
れた後においては、絵付シートのうちの切り離された先
端側1ショット分に続く次ショット部分の先端部(切断
端末部分)を前記雌型より上流側に引き戻すようにされ
る。なお、シート切断時には、絵付シートの切断端末部
分は、クランパーより上流側に位置しているので、なん
の束縛もなく上流側に引き戻すことができる。
【0038】この絵付シート引き戻しは、例えば、シー
ト供給手段に備えられる送りローラ(ニップローラ)や
巻出機等を逆回転させることによりなされる。これによ
り、その後に行われる加熱軟化工程時や射出成形工程時
等において、熱や応力が絵付シートの上流側(未成形の
次ショット部分)に遡及して、それらに皺、歪、変形等
が発生する事態を効果的に回避できる。
【0039】以上に加えて、本発明の射出成形同時絵付
装置及び方法では、切断手段として加熱線条が用いら
れ、その加熱線条によるシート切断をクランパーの押圧
固定動作を利用して行うので、切断手段を移動させる駆
動手段を別途に必要とせず、構成が比較的簡素となり、
装置コスト、占有スペース等を可及的に低減できる。
【0040】本発明の射出成形同時絵付装置は、前記し
たように、絵付シートを雌型のパーティング面に押圧固
定すべく、雌型のパーティング面に対して直交する方向
に移動可能な枠状クランパーが備えられるが、この枠状
クランパーは、従来から通常の射出成形同時絵付装置に
備えられているものをそのまま使用することができる。
該クランパーを雌型のパーティング面(絵付シート)に
対して直交する方向に進退動させる駆動手段としては、
既設のクランパー駆動用エアーシリンダ等の駆動手段と
その制御手段をそのまま使用することができ、また、通
常の射出成形装置に備えられているエジョクターピン駆
動手段をクランパー駆動手段として兼用することも可能
である。
【0041】雄雌両金型は、鉄等の金属あるいはセラミ
ックス等で作製され、成形品形状に応じて分割構成(中
間型等を設ける)等としてもよい。なお、本発明装置に
おいては、雄雌両金型の型閉め時における前記雄型と前
記加熱線条との干渉を避ける必要がある場合には、つま
り、加熱線条が雌雌量金型が対接せしめられるパーティ
ング面上ないしは更にそれより突出して位置せしめられ
ている場合には、前記雄型に前記加熱線条を収容する逃
げ用凹部を設ける。
【0042】また、絵付シートの予備成形を行う場合に
は、加熱軟化用の熱盤等を付設したり、雌型及び雄型に
真空吸引や圧空供給用(予備成形用)に小孔(真空吸引
孔等)や溝を設ける。
【0043】絵付シートの絵柄模様等の装飾パターンと
雌型キャビティ面(成形品)との位置決めを高い精度で
行うには、絵付シートに例えば「+」字形、「−」字
形、「I」字形等の位置決めマークを設け、これを雌型
側周辺又は雌型自体に設けた光電管、イメージセンサ等
で検知してサーボモータ等のシート供給手段の動作を制
御すればよい。また、高精度な位置決めを必要としない
場合(絵付シートが無地や同一パターン模様の繰り返し
になっているような場合)には、単にシート供給手段の
ステッピングモータ等を制御してシートを一定量送り出
すようにしてもよい。なお、絵付シートは、たるみや皺
が生じないように、シート供給手段によって雌型パーテ
ィング面上においてピーンと張るように若干の張力が付
与される。
【0044】絵付シートは、基材シートとその上に積層
された装飾層からなり、基材シートを成形品と密着一体
化させたまま最終製品として使用する貼り合わせ積層シ
ート(ラミネートシート)、あるいは一旦絵付シートと
成形品とを一体化させた後、装飾層(転写層)のみを成
形品側に残して基材シート(支持体シート)を剥離する
転写シートのいずれも使用することができる。
【0045】前記基材シートとしては、ポリ塩化ビニ
ル、アクリル、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリカーボ
ネート、ポリエステル、ポリプロピレン等の熱可塑性樹
脂を用いることができる。基材シートの厚さは、通常2
0〜500μm程度である。装飾層は、印刷絵柄、着色
又は透明塗膜、金属薄膜等の視覚的意匠を与える層の
他、硬質塗膜、防曇塗膜、導電性層等の機能性を有する
層であってもよい。
【0046】樹脂射出手段から射出される流動状態の樹
脂としては、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・
スチレン共重合体)、ポリスチレン、ポリカーボネー
ト、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を加熱熔融したも
の、あるいは、二液硬化型、触媒硬化型の樹脂、例え
ば、ポリウレタン、不飽和ポリエステル等の未硬化液等
の射出成形同時絵付用として従来より知られている材料
を使用できる。
【0047】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1及び図2は、本発明に
係る射出成形同時絵付装置の一実施形態に備えられる雌
型とその周辺部を示している。
【0048】本実施形態の射出成形同時絵付装置10
は、得るべき成形品に対応した凹凸形状の雌型12と後
述する雄型40(図8に型閉め状態で示す)とを備え、
雌型12はその底部が可動盤11に固定されていて、流
体圧シリンダのラム15により図1において左右方向
(水平方向)、言い換えれば、図1において雌型12の
右側に配置されている図外の雄型40に対して接近−離
隔する方向に進退動するようされている。
【0049】なお、本実施形態では、上記のように雌型
12が可動型とされていて水平方向に移動するようにさ
れているが、これに限定される訳ではなく、例えば、雄
型、雌型を上下に対向配置してそれらの一方を鉛直方向
に移動させる等の形態を採用することもできる。
【0050】前記雌型12の底部に設けられた作動室1
6には、通常は、得られた射出成形品を型外に排出する
ためのエジェクターピン(図示省略)が配置されるが、
本実施形態においては、雌型12のパーティング面12
aとの間で絵付シートSを挟んで固定保持するための雌
型キャビティ13(成形窩)を囲繞する形状(例えば、
矩形)の枠状クランパー25を駆動するための流体圧シ
リンダ等の駆動機構21及び駆動支持板22が配設され
ている。
【0051】前記枠状クランパー25は、雌型12の四
隅近くに設けられた貫通穴29、29、29、29に摺
動自在に嵌挿された4本の連結ロッド24、24、2
4、24によって前記駆動支持板22に連結されてお
り、前記駆動機構21により雌型パーティング面12a
に対して垂直方向に進退動できるようになっている。
【0052】また、前記雌型12には、得るべき成形品
形状に応じた凹状のキャビティ(キャビティ面)13が
形成されるとともに、前記キャビティ13に開口するよ
うに真空吸引通路17(図では簡略化されている)が形
成され、前記真空吸引通路17は、導管19を介して外
部の真空ポンプに接続されている。さらに、雌型12の
パーティング面12aには、前記キャビティ面13の外
周縁を周回するように、Oリング15が装着された環状
溝14が穿設されている。前記Oリング15は、前記枠
状クランパー25が、間に絵付シートSを挟んで雌型1
2のパーティング面12aに押し付けられた際、前記キ
ャビティ13と外部とを気密的に遮断する役目を果た
す。
【0053】一方、前記雄型40は、型閉め状態を示す
図8を参照すればよくわかるように、射出成形機のノズ
ル70が装着される装着部43が設けられた固定盤44
に固定されており、この雄型40には、その中央に凸部
(コア部)41が突設されるとともに、前記射出成形機
のノズル70からの熔融樹脂を前記雌型12のキャビテ
ィ13内に注入充填するための湯道(ランナー)42が
形成されている。
【0054】また、前記雌型12の可動盤11の上端部
には、連続帯状の絵付シートSが巻き取られたロールR
Sが装填されたリール50Aを有する巻出機50と、こ
の巻出機50から絵付シートSを必要量(1ショット
分)づつ繰り出すための一対の送りロール(ニップロー
ル対)51と、この送りロール51により繰り出される
絵付シートSの先端部を把持して下降せしめられる搬送
チャック53と、が配置され、また、前記雌型12の下
流端近傍には、前記搬送チャック53に保持されて引き
降ろされてきた絵付シートSの先端部を把持固定する受
取チャック55が配設されている。
【0055】さらに、雌型12の上方には、図1及び図
2には図示されていないが、絵付シートSを加熱軟化さ
せるための熱盤60(図7に作動状態が示されている)
が待機せしめられている。
【0056】熱盤60は、第1の流体圧シリンダ62の
ピストンロッド62a先端に取付部材64を介して前記
雌型12のパーティング面12と平行となるように取り
付けられている。この熱盤60の雌型12側内部にはヒ
ーター61が収納されている。この熱盤60はシートに
接触して伝導熱でシートを加熱する構造でもよいし、ま
た、シートから所定の間隙をおいて対峙し、輻射熱によ
って非接触的に加熱する構造のものであってもよい(図
7の例では非接触加熱となっている)。
【0057】上記のような構成に加え、本実施形態にお
いては、前記雌型12のパーティング面12aにおける
キャビティ13より上流側(上側)で、かつ、かつ前記
枠状クランパーより上流側部分に、前記帯状の絵付シー
トSを幅方向(シート搬送方向と直交する方向)に熔融
切断して前記先端側1ショット分を供給側から切り離す
ための加熱線条30が配設されている。
【0058】すなわち、図1及び図2に加えて図3を参
照すればよくわかるように、前記雌型12のシート供給
側端部18よりも下流側で枠状クランパー25(の上
端)より上流側に断面矩形の収納凹部36が穿設され、
この収納凹部36の底部に耐熱製合成樹脂あるいは磁器
等の絶縁体からなる板状基台部31が装着固定され、こ
の板状基台部31の両端部に前記絵付シートSの幅より
も長い離隔距離をもって垂直に左右で一対の磁器等から
なる絶縁支持部材32、32が突設され、これらの絶縁
支持部材32、32の先端部間にニクロム線等の通常の
電熱線からなる加熱線条30が張架されている。
【0059】この場合、前記絶縁支持部材32、32の
先端位置、つまり、加熱線条30の位置は、前記雌型1
2のパーティング面12aより雄型40側(クランパー
25側)にα(例えば1〜5mm程度)突出せしめられ
ている。また、加熱線条30の位置は前記クランパー2
5の上流側端部からβ(例えば10mm程度)上流側に
位置せしめられている。ここで、βが少ない程、絵付シ
ートSの余剰分は節約できる。また、加熱線条30はそ
の長さ(有効長)が、絵付シートSの幅より100mm
程度(左右に50mm程度づつ)長くされている。
【0060】一方、図8を参照すればよくわかるよう
に、前記雌型12と雄型40との型閉め時における前記
雄型40と前記加熱線条30との干渉を避けるべく、前
記雄型40には、前記加熱線条30を前記枠状クランパ
ー25と共に収容する逃げ用凹部45が設けられてい
る。
【0061】前記加熱線条30に対する通電は、図4に
示される如くに、外部の交流電源90から起動スイッチ
92及びトライアック等が用いられた温度制御回路94
を介して行われるようになっている。前記起動スイッチ
92は、外部に配備されているコントロールユニット
(制御盤)100からの信号により、前記クランパー2
5による絵付シートSの押圧固定動作開始後、所定時間
遅延した後、所定時間だけON状態とされ、この起動ス
イッチ92がON状態にされることによって、前記加熱
線条30に前記温度制御回路94を通じて所定の電流が
流されてジュール熱を発生し、それによって、前記加熱
線条30が前記絵付シートSを熔融可能な温度に昇温せ
しめられる。
【0062】遅延時間は、予めコントロールユニットの
タイマーにプログラムしておく。遅延時間は代表的には
クランパー25と雌型パーティング面との間でシートを
押圧する圧力が定常状態になって以後、加熱線条30が
シートの熔融温度に達するまでは、時間差Δt(秒)は
0≦Δt≦1程度となるよう設定する。
【0063】したがって、本実施形態においては、前記
枠状クランパー25による絵付シートSの押圧固定動作
開始後に所定時間だけ前記加熱線条30に対する通電を
行って、絵付シートSに接する加熱線条30を該絵付シ
ートSの熔融温度以上に加熱せしめることによって前記
絵付シートSを熔融切断するようにされる。
【0064】なお、参考までに記すと、本実施形態にお
いては、前記雌型12のパーティング面12aの縦・横
外形寸法は概略650・500mm程度、枠状クランパ
ー25の縦・横外形寸法は400・350mm程度、キ
ャビティ13の縦・横外形寸法は概略300・250m
m程度であり、熱盤60の縦・横外形寸法は前記クラン
パー25と略同じとされているが、各部の寸法は、設計
上、様々に設定し得る。
【0065】また、本実施形態において使用される絵付
シートSは、アクリル系樹脂製の基材シート(厚みは2
00μm)とその上にグラビア印刷によって積層された
木目模様の装飾層と塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体か
らなる接着剤層とからなり、基材シートを成形品(射出
樹脂成形物)と密着一体化させたまま最終製品として使
用する貼り合わせ積層シート(ラミネートシート)とさ
れており、その熔融温度は、約160℃程度となってい
る。
【0066】上記のような構成とされた本実施形態の射
出成形同時絵付装置10においては、巻出機50から絵
付シートSが一対の送りロール51により必要量づつ
(1ショット分づつ)繰り出されるとともに、その先端
部が搬送チャック53に把持されて、雌型12のキャビ
ティ13及びパーティング面12aを覆うように、クラ
ンパー25と雌型12との間(クランパー25のシート
押圧面25aの下側)を通って雌型12のシート排出側
端部(下端部)近傍の位置まで搬送されて受取チャック
55にその先端部が把持固定され、この状態から、前記
搬送チャック53がシート把持状態を解かれて元の位置
に戻される(シート供給工程)。
【0067】次に、前記絵付シートSにおける前記受取
チャック55に把持固定されている先端部より上流側部
分をシート供給側(50、51側)に引っ張って所定の
張力を付与すべく、前記送りロール51及び巻出機50
が逆回転せしめられる。これによって、図1に示されて
いるように、絵付シートS(先端側1ショット分)は、
皺や弛みが取り除かれて雌型12のパーティング面12
a上にピーンと張った状態で配置される。
【0068】この場合、先端部が受取チャック55によ
り把持固定されている絵付シートSのうちの雌型12よ
り上流側部分を搬送チャック53で把持固定しておけ
ば、次のクランプ工程及び切断工程において絵付シート
Sの先端側1ショット分が揺動したり弛んだりすること
を防止できる。
【0069】続いて、枠状クランパー25が前記駆動機
構21により雌型12側(絵付シートS側)に前進移動
せしめられ、それによって、図5に示される如くに、絵
付シートSの先端側1ショット分が前記クランパー25
により雌型12のパーティング面12上に押圧固定され
る(クランプ工程)。なお、このクランプ工程開始時又
はその前工程(シート供給工程)において、前記搬送チ
ャック53及び受取チャック55を絵付シートSを挟持
した状態で雌型12側に移動させて、絵付シートSを雌
型12のパーティング面12a上に載せるようにしても
よいし、前記クランパー25の押圧固定動作を利用して
絵付シートSを前記パーティング面12aに押し付ける
ように動かしてもよい。
【0070】そして、前記クランパー25による絵付シ
ートSの押圧固定動作に連携して、前記雌型12に配設
された加熱線条30により、図5に示される如くに、前
記帯状の絵付シートSが幅方向に熔融切断されて前記先
端側1ショット分が供給側から切り離される(シート切
断工程)。
【0071】ここで、前記クランプ工程以後をさらに詳
細に説明すると、前記枠状クランパー25が雌型12側
へ前進移動せしめられると、雌型12のパーティング面
12aより雄型40側に突出した位置に張架されている
加熱線条30が絵付シートSに接触してそれを若干押圧
する。この場合、絵付シートSのうちの加熱線条30が
接触している部分(一定の幅を持った直線状部分)は、
前記クランパー25より上流側に位置している。
【0072】そして、前記クランパー25の押圧固定動
作に同期して、前記起動スイッチ92(図4)がON状
態とされて、加熱線条30に対する通電が開始され、前
記クランパー25による絵付シートSの押圧固定動作が
完了した後においても所定時間(例えば5秒間)は、加
熱線条30に対する通電が継続される。
【0073】この場合、加熱線条30の発熱温度は、通
電時間に応じて上昇し、通電開始後ある時間(例えば1
秒)が経過すると、その発熱温度が絵付シートを熔融可
能な温度に達し、絵付シートSは加熱線条30が接触し
ている部分で熔融切断される。このとき、加熱線条30
は前記クランパー25に干渉することなく、前記絵付シ
ートSを厚み方向に突き抜けるようにして切断すること
になる。
【0074】絵付シートSの切断が完了後、加熱線条3
0への通電は中止され(起動スイッチ92がOFF状
態)、加熱線条30は速やかに室温まで冷却する。その
ため、切断が必要とされる時期以外は、絵付シートSが
加熱線条Sに触れても切断されることはなく、また、作
業者が謝って手を加熱線条Sに触っても熱傷の心配はな
い。その上、無駄な電力消費が抑えられる。
【0075】また、前記したようにクランプ工程及びシ
ート切断工程時には、前記絵付シートSに予め張力が付
与されていて、該絵付シートSの先端部は受取チャック
55で把持固定されるとともに、絵付シートSの切断部
より上流側部分は搬送チャック53で把持固定されてい
るので、絵付シートSの切断面(切断線)が蛇行した
り、切断面(切断線)近傍部分が切断時の熱や応力によ
って歪みを生じて使用不能部分が拡がることを防止でき
て、絵付シートSは一直線上の綺麗な切口をもって容易
にかつ確実に切断される。
【0076】また、雌型12におけるシート供給側端部
18よりキャビティ13側の部位で絵付シートSを切断
できるので、帯状の絵付シートSの先端側1ショット分
を必要最小限の長さにすることができ、1ショット分の
絵付シートの長さ(特に、余剰部分の長さ)が従来のも
のより短くて済む結果、一つの成形品当たりのシートコ
スト、ランニングコストが低減される。
【0077】なお、絵付シートSの押圧固定と切断との
タイミングは、固定と同時に切断でも、あるいは、押圧
固定後の切断でも可能であるが、より好ましくは、絵付
シートSの押圧固定が完了し、絵付シートSの位置がず
れることがなくなり、また、固定時の絵付シートSに生
じる過度現象的な応力が十分緩和した後、切断が生じる
ように時間差を設定することが望ましい。
【0078】また、絵付シートSが加熱線条30により
切断された後においては、図6に示される如くに、搬送
チャック53による絵付シートSの把持を一時的に解除
して、前記送りローラ51及び巻出機50を逆回転させ
て、絵付シートSのうちの切り離された先端側1ショッ
ト分に続く次ショット部分の先端部(切断端末部分S
e)を前記雌型Sより上流側に引き戻すようにされる。
なお、シート切断時には、絵付シートSの切断端末部分
Seは、クランパー25より上流側に位置しているの
で、なんの束縛もなく上流側に引き戻すことができる。
【0079】これにより、その後に行われる加熱軟化工
程時や射出成形工程時等において、熱や応力が絵付シー
トの上流側(未成形の次ショット部分)に遡及して、そ
れらに皺、歪、変形等が発生する事態を効果的に回避で
きる。
【0080】また、雌型30におけるシート供給側端部
(上端)18よりキャビティ13側の部位で絵付シート
Sを切断できるので、帯状の絵付シートSの先端側1シ
ョット分を必要最小限の長さにすることができ、1ショ
ット分の絵付シートの長さが従来のものより短くて済む
結果、一つの成形品当たりのシートコスト、ランニング
コストが低減される。
【0081】さらに、本実施形態においては、切断手段
として加熱線条30が用いられ、その加熱線条30によ
るシート切断をクランパー25の押圧固定動作を利用し
て行うので、切断手段を移動させる駆動手段を別途に必
要とせず、構成が比較的簡素となり、装置コスト、占有
スペース等を可及的に低減できる。
【0082】上記ようにして、絵付シートSの切断工程
が完了した後は、図7に示される如くに、熱盤60が雌
型キャビティ面13上まで近づけられ、絵付シートSを
加熱軟化させる軟化工程が行われる。次いで、加熱軟化
された絵付シートSを真空吸引通路17及び導管19を
通じて真空吸引し、雌型12のキャビティ面13に沿わ
せるように延伸させる延伸工程(予備成形工程)が行わ
れる(図7の仮想線)。
【0083】続いて、図8に示される如くに、ラム15
により雌型12を雄型40側へ移動させて型閉めを行う
型閉め工程が行われ、次に、射出成形機のノズル70か
ら雄型40の湯道42を通じて雌型12と雌型40との
間のキャビティ13内に熔融樹脂Pを注入充填して射出
成形を行い、その後、雌型12と雄型40とを離間させ
る型開き工程や絵付シートSが接着された射出成形品を
前記雌型12から取り出す取出工程、絵付シートSのう
ちの射出成形品に接着付随させるべき部分を他の部分
(不要部分)から切り離すトリミング工程等が行われ
る。
【0084】前記型閉め工程においては、雄型40に設
けられている逃げ用凹部45に前記枠状クランパー25
と加熱線条30が収容されるので、それらが干渉するこ
とは全く生じない。
【0085】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明に係る射出成形同時絵付方法及び装置によれば、比較
的簡素な構成のもとで、切断刃に代えて加熱線条により
帯状の絵付シートの先端側1ショット分を必要最小限の
長さに適正に切断することができるとともに、絵付シー
トの上流側部分(未成形の次ショット部分)に熱や応力
が遡及し難くでき、また、装置の複雑化を招くことな
く、クランプ及び切断時に絵付シートの位置ずれ、タル
ミ、シワ等が発生しないようにできて、装置コスト、ラ
ンニングコスト、占有スペース等を可及的に低減できる
という優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による射出成形同時絵付装置の一実施形
態の雌型とその周辺部を示す概略構成図。
【図2】図1の射出成形同時絵付装置の雌型キャビティ
周辺を示す拡大斜視図。
【図3】図1の射出成形同時絵付装置の加熱線条周辺を
を示す拡大図。
【図4】図1の射出成形同時絵付装置に備えられる加熱
線条に対する通電を行うための回路図。
【図5】本発明方法装置によるクランプ工程及びシート
切断工程の説明に供される拡大図。
【図6】本発明方法装置によるシート切断工程後のシー
ト引き戻しの説明に供される拡大図。
【図7】本発明方法装置によるにシート軟化工程及びシ
ート延伸工程の説明に供される図。
【図8】本発明方法装置による型閉め工程、射出成形工
程の説明に供される図。
【符号の説明】
S 絵付シート 10 射出成形同時絵付装置 12 雌型 13 キャビティ 17 真空吸引通路 25 クランパー 30 加熱線条 31 板状基台部 32 絶縁支持部材 36 配設凹部 40 雄型 50 巻出機 51 送りローラ 60 熱盤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29L 9:00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互に対向配置されて一方が他方側へ移
    動せしめられるようにされた雌型及び雄型と、ロール状
    に巻き取られた帯状の絵付シートの先端側1ショット分
    を前記雌型のパーティング面上に供給するシート供給手
    段と、前記雌型のパーティング面に対して直交する方向
    に移動可能とされ、前記絵付シートの先端側1ショット
    分を前記雌型のパーティング面に押圧して固定する枠状
    クランパーと、前記雌型のキャビティ内に前記雄型側か
    ら流動状態の樹脂を注入充填する樹脂射出手段と、を備
    え、 前記雌型におけるキャビティと前記シート供給手段との
    間に、前記帯状の絵付シートを幅方向に熔融切断して前
    記先端側1ショット分を供給側から切り離すための加熱
    線条が配設されていることを特徴とする射出成形同時絵
    付装置。
  2. 【請求項2】 前記加熱線条が、前記雌型のパーティン
    グ面上でかつ前記枠状クランパーより上流側部分に配設
    されていることを特徴とする請求項1に記載の射出成形
    同時絵付装置。
  3. 【請求項3】 前記加熱線条は、前記パーティング面よ
    り前記雄型側に突出した位置に張架されていて、前記加
    熱線条による前記絵付シートの熔融切断を前記枠状クラ
    ンパーによる前記絵付シートの押圧固定動作に連携して
    行うようにされていることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の射出成形同時絵付装置。
  4. 【請求項4】 前記雌型と雄型との型閉め時における前
    記雄型と前記加熱線条との干渉を避けるべく、前記雄型
    に前記加熱線条を収容する逃げ用凹部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の
    射出成形同時絵付装置。
  5. 【請求項5】 前記加熱線条が電熱線からなっており、
    前記枠状クランパーによる絵付シートの押圧固定動作開
    始後に所定時間だけ前記加熱線条に対する通電を行っ
    て、絵付シートに接する加熱線条を該絵付シートの熔融
    温度以上に加熱せしめることによって前記絵付シートを
    熔融切断するようにされていることを特徴とする請求項
    1ないし4のいずれかに記載の射出成形同時絵付装置。
  6. 【請求項6】 前記雌型の下流側に、絵付シートの先端
    部を把持して固定する受取チャックが配設され、前記枠
    状クランパーによる絵付シートの押圧固定前に、前記受
    取チャックに先端部が把持固定されている前記絵付シー
    トの上流側部分をシート供給側に引っ張って所定の張力
    を付与するようにされていることを特徴とする請求項1
    ないし5のいずれかに記載の射出成形同時絵付装置。
  7. 【請求項7】 ロール状に巻き取られた帯状の絵付シー
    トの先端側1ショット分を前記雌型のパーティング面上
    に供給してその先端部を把持固定するシート供給工程
    と、前記絵付シートを前記雌型のパーティング面上に枠
    状クランパーで押圧固定するクランプ工程と、前記雌型
    に配設された加熱線条により、前記帯状の絵付シートを
    幅方向に熔融切断して前記先端側1ショット分を供給側
    から切り離すシート切断工程と、前記絵付シートを前記
    雌型のキャビティ面に沿わせるように延伸させる延伸工
    程と、前記雌型と雄型の一方を他方側へ移動させて型閉
    めを行い両金型間にキャビティを形成せしめる型閉め工
    程と、前記キャビティ内に前記雄型側から流動状態の樹
    脂を注入充填して射出成形を行う射出成形工程と、前記
    雌型と雄型とを離間させる型開き工程と、絵付シートが
    接着された射出成形品を前記雌型から取り出す取出工程
    と、を含み、前記各工程を記述順に又はその順番を入れ
    換えて、順次、又は複数の工程を同時に重複してもしく
    は並列的に行うようにされた射出成形同時絵付方法にお
    いて、 前記シート供給工程後、前記クランプ工程前に、前記絵
    付シートの先端部より上流側部分をシート供給側に引っ
    張って所定の張力を付与し、次いで、前記クランパーに
    よる絵付シートの押圧固定動作に連携して、前記雌型に
    配設された加熱線条により、前記帯状の絵付シートを幅
    方向に熔融切断して前記先端側1ショット分を供給側か
    ら切り離し、その後、絵付シートのうちの切り離された
    先端側1ショット分に続く次ショット部分の先端部を前
    記雌型のパーティング面より上流側に引き戻すことを特
    徴とする射出成形同時絵付方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102008040230A1 (de) 2008-07-07 2010-01-14 Robert Bosch Gmbh Anordnung und Verfahren zur Herstellung eines IMD-Bauteils und IMD-Bauteil
JP2011000880A (ja) * 2009-05-20 2011-01-06 Panasonic Corp インモールド成形方法およびインモールド成形金型

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