JPH10249874A - プラスチック成形装置 - Google Patents

プラスチック成形装置

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JPH10249874A
JPH10249874A JP5742897A JP5742897A JPH10249874A JP H10249874 A JPH10249874 A JP H10249874A JP 5742897 A JP5742897 A JP 5742897A JP 5742897 A JP5742897 A JP 5742897A JP H10249874 A JPH10249874 A JP H10249874A
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plastic molding
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、高精度なプラスチック成形部品を
成形するために好適なプラスチック成形装置に関し、成
形品の鏡面加工精度を安定かつ良好に製作することがで
きるプラスチック成形装置を提供することを課題とす
る。 【解決手段】 キャビティ側板部11の成形品13と接
する面14の面粗さをあらくすることにより、型開きを
行う際に、成形品13が上型1にトラレてしまったり、
成形品13が上型1に引っ張られて、成形品13が変形
して、最終的な成形品度が悪化してしまうことを防止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高精度なプラスチ
ック成形部品を成形するために好適なプラスチック成形
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、レンズ、ミラー等の高精度なプラ
スチック成形部品の製造方法としては、例えば、特許出
願公開平4−163119号公報に記載されたものが知
られている。この方法においては、予め射出成形により
プラスチック母材を略最終形状に加工した後、鏡面を有
するキャビティを少なくとも片側に備えた一対の金型に
前記プラスチック母材を挿入し、次いで前記プラスチッ
ク母材のガラス転移温度以上に加熱溶融して、樹脂内圧
を発生させた後、徐冷してキャビティ内の鏡面をプラス
チック母材に転写させるようにしている。
【0003】また、上記方法におけるプラスチック成形
装置としては、例えば、特許出願公開平5−22086
0号公報に記載されているようなものがある。この装置
においては、図5に示されるように、一対の金型を互い
に当接させる型締め方向と直行する方向に、複数の金型
部材に分離して配列した分離金型とし、前記分離金型を
当接させる上下の型締め方向と直行する方向の両側から
締め付ける金型締め付け機構9とを備えたプラスチック
成形装置が提案されている。
【0004】このプラスチック成形装置においては、キ
ャビティユニット部10、11は、キャビティ形成部1
0とキャビティ側板部11で構成され、前記キャビティ
側板部11には、圧縮バネ等の弾性部材12を挿入させ
横開閉機構とし、成形品13取り出し時には、弾性部材
12の反発力により、キャビティ形成部10とキャビテ
ィ側板部11を移動させ、両者の間に隙間を形成させて
いる。これにより、成形品側面とキャビティ側板面の密
着力を解除させ、成形品13を取り出している。
【0005】なお、成形時には油圧、空気圧または電動
機等の締め付け機構9を用いて、前記一対の分離金型を
当接させる上下の型締め方向と直行する方向に両側から
締め付け、成形中にバリが発生することを防いでいる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のプラスチック成形装置においては、成形品13の形
状により上下方向の型開きを行う際に、上側1に成形品
13がトラレて上型1に残ってしまうといった問題が生
じた。また、トラレが生じなかったとしても、上下方向
の型開きを行う際に、成形品13が上側1に引っ張られ
てしまうため、最終的な成形品精度を悪化させてしまう
といった問題が発生していた。
【0007】そこで本発明は、上下方向の型開きを行う
際に、成形品13を下側2でしっかりと押さえ、成形品
13の上側1へのトラレを抑制し、成形品13の面精度
の悪化を防ぐことができるプラスチック成形装置を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
上記目的達成のため、予め射出成形によりプラスチック
母材を略最終形状に加工した後、鏡面を有するキャビテ
ィを少なくとも片側に備えた一対の金型に前記プラスチ
ック母材を挿入し、前記プラスチック母材のガラス転移
温度以上に加熱溶融して、樹脂内圧を発生させた後、徐
冷してキャビティ内の鏡面をプラスチック母材に転写さ
せるプラスチック成形装置において、上型、下型の少な
くとも一方が複数の金型部材から構成される上下一対の
分離金型と、該分離金型を上下の型閉め方向と直行する
方向の両側から締め付ける金型締め付け機構と、前記分
離金型のキャビティ形成部およびキャビティ側板部間に
介装され、前記金型締め付け機構による締め付け時に
は、圧縮されて正規のキャビティ形状を保持し、締め付
け解除時には、反発力によりキャビティ形成部およびキ
ャビティ側板部を離反させる弾性部材と、を備え、前記
下型のキャビティ側板部材の前記キャビティ形成部と接
する面の面粗さをあらくすることを特徴とするものであ
る。
【0009】請求項2記載の発明は、上記目的達成のた
め、請求項1記載のプラスチック成形装置において、前
記金型の下型のキャビティ側板部のキャビティ面粗さを
上型のキャビティ側板部のキャビティ面粗さよりあらく
したことを特徴とするものである。請求項3記載の発明
は、上記目的達成のため、請求項1または2記載のプラ
スチック成形装置において、前記キャビティ面粗さの凹
凸が、前記金型締め付け機構を解除したときに生じる前
記キャビティ形成部と前記キャビティ側板部の離反量よ
り小さいことを特徴とするものである。
【0010】請求項4記載の発明は、上記目的達成のた
め、請求項1記載のプラスチック成形装置において、前
記キャビティ側板部にアンダーカット部を設けたことを
特徴とするものである。請求項5記載の発明は、上記目
的達成のため、請求項4記載のプラスチック成形装置に
おいて、前記アンダーカット部量が、前記金型締め付け
機構を解除したとき生じる前記キャビティ形成部と前記
キャビティ側板部の離反量より小さいことを特徴とする
ものである。
【0011】請求項6記載の発明は、上記目的達成のた
め、請求項4または5記載のプラスチック成形装置にお
いて、前記アンダーカット部の形状をテーパ部とするこ
とを特徴とするものである。請求項7記載の発明は、上
記目的達成のため、請求項4〜6のいづれか1項に記載
のプラスチック成形装置において、前記アンダーカット
部の面粗さをRa=1μm以下であることを特徴とする
ものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて説
明する。図1〜図4は、本発明の一実施例を示す図であ
る。まず、構成を説明する。図1は、本発明の一実施例
を示すプラスチック成形装置の構成断面概略図である。
【0013】キャビティの内部には、そのキャビティと
形状および容積が略同等のプラスチック母材13が挿入
されている。図1に示されるように、金型の上型1と下
型2の外側には、金型の温度を調節する金型温度調節部
3が直接接合されるように設けられている。この金型温
度調節部3には、ヒーター等の金型加熱用部材4とヒー
トパイプ等の金型冷却部材5が備えられており、加熱部
と冷却部を適宜選択することによって、金型を所望の温
度に調節することができる。そして、この金型温度調節
部3の外側には、断熱板6を介して上下のダイプレート
7にそれぞれ支持されている。この上下ダイプレート7
は、さらにプレス機8に接続されており、成形時に、上
記一対の金型を上下の型閉め方向から所定の圧力で型締
めする構造となっている。
【0014】また、前記一対の金型は、上型1と下型2
の少なくとも一方が複数の金型部材に分離され、前記一
対の金型を当接させる型締め方向と直行する方向に配列
されている。この分離金型を型締め方向と直行する方向
の両側から締め付ける金型締め付け機構9を備えてい
る。成形時には、前記上下の型締め方向と、さらにその
型締め方向と直行する方向からも所定の圧力で加圧し、
成形中にバリが発生してしまうことを防いでいる。
【0015】また、キャビティユニット部は、鏡面を有
するキャビティ形成部10と左右のキャビティ側板部1
1から構成される。キャビティ側板部11には、バネ等
の弾性部材12が挿入されている。成形終了後、まず、
上型1と下型2を開く。次いで、金型締め付け機構9を
解除すると、弾性部材12の反発力によって、キャビテ
ィ形成部10とキャビティ側板部11の間に隙間が形成
され、最終的な成形品13が下型2から剥離されて容易
に取り出すことができる。
【0016】図2に示すように、本発明では、下型2の
キャビティ側板部11のキャビティ面14の面粗さをあ
らくしている。これによって、上下の型開きを行う際
に、あらし面によって成形品13が、下型2に引っ張ら
れるため、成形品13がトラレて上側1に残ってしまう
トラレが生じなかったとしても、上下方向の型開きを行
う際に、成形品13が上型1に引っ張られ、成形品13
が変形して最終的な成形品精度が悪化するという問題を
抑制することができる。
【0017】なお、本成形法では、成形品取り出し時
に、弾性部材12の反発力で、キャビティ形成部10と
キャビティ側板部11の間に隙間が形成されるため、成
形品を下型2から取り出すときに、前述の粗し面が、離
型抵抗となることなく、容易に取り出すことができる。
また、下型2のキャビティ面の面粗さよりあらくするこ
とによって、より確実に、成形品13を下型2に引っ張
ることができ、成形品13の上型1へのトラレを抑制す
ることができる。
【0018】さらに、図2に示すように、キャビティ面
14の粗さの凹凸を、金型締め付け機構9を解除したと
きに形成されるキャビティ形成部10とキャビティ側板
部11の離反量Xより小さくすることによって、成形品
13を変形させずに容易に取り出すことができる。ま
た、図3に示すように、キャビティ側板部11のキャビ
ティ面にアンダーカット部15を設けることによって
も、同様の効果を得ることができる。この場合には、ア
ンダーカット部15の大きさを、金型締め付け機構9を
解除したときに、弾性部材12によって形成されるキャ
ビティ形成部10とキャビティ側板部11の離反量Xよ
り小さくすることによって、成形品13を下型2より取
り出す際に、アンダーカット部15がひっかかり、離型
抵抗となることなく、成形品13を変形させずに容易に
取り出すことができる。
【0019】さらに、図4に示すように、上述のアンダ
ーカット部15の形状をテーパとすることによって、金
型締め付け機構9を解除し、弾性部材12によってキャ
ビティ形成部10とキャビティ側板部11を離反させる
際に、アンダーカット部15が抵抗となって、離反不良
を生じされることを防ぎ、確実にキャビティ形成部10
とキャビティ側板部11を離反させることができ、成形
品13を変形させずに容易に取り出すことができる。
【0020】また、アンダーカット部15の表面粗さに
ついて、キャビティ側板部の離反した場合と、離反しな
かった場合との表面粗さの数値データを比較したとこ
ろ、Ra≦1μmのとき離反し、Ra>1μmのとき離
反しないという結果を得た。したがって、表面粗さを1
μm以下にすることによって、より確実にキャビティ形
成部10とキャビティ側板部11を離反させることがで
きる。
【0021】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、下型のキ
ャビティ側板部のキャビティ形成部と接する面の面粗さ
をあらくすることによって、上下方向の型開きを行う際
に、成形品が上型に残ってしまうトラレが生じなかった
としても、上下方向の型開きを行う際に、成形品が上型
に引っ張られ、成形品が変形して最終的な成形品精度が
悪化してしまうことを抑制できる。
【0022】請求項2記載の発明によれば、下型のキャ
ビティ側板部キャビティ面粗さを上型のキャビティ側板
部キャビティ面粗さよりあらくすることによって、成形
品が上型に引っ張られる力よりも下型に引っ張られる力
の方が大きくなり、より確実に、成形品の上型へのトラ
レを抑制することができる。請求項3記載の発明によれ
ば、下型のキャビティ側板部キャビティ面粗さの凹凸
を、金型締め付け機構を解除したときに弾性部材によっ
て形成されるキャビティ形成部とキャビティ側板部の離
反量より小さくすることによって、成形品取り出し時に
面粗さが離型抵抗となることなく、成形品を容易に取り
出すことができる。
【0023】請求項4記載の発明によれば、下型のキャ
ビティ側板部のキャビティ面にアンダーカット部を設け
ることによって、成形品が上型に残ってしまうトラレが
生じなかったとしても、上下方向の型開きを行う際に、
成形品が上型に引っ張られ、成形品が変形して最終的な
成形品精度が悪化してしまうことを抑制できる。請求項
5記載の発明によれば、アンダーカット部の大きさを、
金型締め付け機構を解除したときに弾性部材によって形
成されるキャビティ形成部とキャビティ側板部の離反量
より小さくすることによって、成形品取り出し時にアン
ダーカット部が離型抵抗となることなく、成形品を容易
に取り出すことができる。
【0024】請求項6記載の発明によれば、アンダーカ
ット部の形状をテーパ部とすることによって、金型締め
付け機構を解除し、弾性部材によってキャビティ形成部
とキャビティ側板部を離反させる際に、アンダーカット
部が抵抗となって、離反不良が生じることを防ぎ、確実
にキャビティ形成部とキャビティ側板部を離反させるこ
とができる。
【0025】請求項7記載の発明によれば、アンダーカ
ット部の面粗さをRa=1μm以下にすることによっ
て、金型締め付け機構を解除し、弾性部材によってキャ
ビティ形成部とキャビティ側板部を離反させる際に、ア
ンダーカット部が抵抗となって、離反不良が生じること
を防ぎ、確実にキャビティ形成部とキャビティ側板部を
離反させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラスチック成形装置の構成断面
概略図である。
【図2】キャビティ形成部とキャビティ側板部の接面の
面粗さを示す図である。
【図3】キャビティ側板部のキャビティ面にアンダーカ
ット部を設けた図である。
【図4】キャビティ側板部のキャビティ面のアンダーカ
ット部形状をテーパとした図である。
【図5】従来のプラスチック成形装置の構成断面概略図
である。
【符号の説明】
1 上型 2 下型 3 金型温度調節部 4 金型加熱用部材 5 金型冷却用部材 6 断熱板 7 ダイプレート 8 プレス機 9 金型締め付け機構 10 キャビティ形成部 11 キャビティ側板部 12 弾性部材 13 成形品(プラスチック母材) 14 側板キャビティ面 15 アンダーカット部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予め射出成形によりプラスチック母材を略
    最終形状に加工した後、鏡面を有するキャビティを少な
    くとも片側に備えた一対の金型に前記プラスチック母材
    を挿入し、前記プラスチック母材のガラス転移温度以上
    に加熱溶融して、樹脂内圧を発生させた後、徐冷してキ
    ャビティ内の鏡面をプラスチック母材に転写させるプラ
    スチック成形装置において、 上型、下型の少なくとも一方が複数の金型部材から構成
    される上下一対の分離金型と、 該分離金型を上下の型閉め方向と直行する方向の両側か
    ら締め付ける金型締め付け機構と、 前記分離金型のキャビティ形成部およびキャビティ側板
    部間に介装され、前記金型締め付け機構による締め付け
    時には、圧縮されて正規のキャビティ形状を保持し、締
    め付け解除時には、反発力によりキャビティ形成部およ
    びキャビティ側板部を離反させる弾性部材と、を備え、 前記下型のキャビティ側板部材の前記キャビティ形成部
    と接する面の面粗さをあらくすることを特徴とするプラ
    スチック成形装置。
  2. 【請求項2】前記金型の下型のキャビティ側板部のキャ
    ビティ面粗さを上型のキャビティ側板部のキャビティ面
    粗さよりあらくしたことを特徴とする請求項1記載のプ
    ラスチック成形装置。
  3. 【請求項3】前記キャビティ面粗さの凹凸が、前記金型
    締め付け機構を解除したときに生じる前記キャビティ形
    成部と前記キャビティ側板部の離反量より小さいことを
    特徴とする請求項1または2記載のプラスチック成形装
    置。
  4. 【請求項4】前記キャビティ側板部にアンダーカット部
    を設けたことを特徴とする請求項1記載のプラスチック
    成形装置。
  5. 【請求項5】前記アンダーカット部量が、前記金型締め
    付け機構を解除したとき生じる前記キャビティ形成部と
    前記キャビティ側板部の離反量より小さいことを特徴と
    する請求項4記載のプラスチック成形装置。
  6. 【請求項6】前記アンダーカット部の形状をテーパ部と
    することを特徴とする請求項4または5記載のプラスチ
    ック成形装置。
  7. 【請求項7】前記アンダーカット部の面粗さをRa=1
    μm以下であることを特徴とする請求項4〜6のいづれ
    か1項に記載のプラスチック成形装置。
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