JP3683021B2 - プラスチック成形装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック成形装置に関し、より詳細には、高精度なプラスチック成形部品を成形するのに好適なプラスチック成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レンズ,ミラー等の高精度な光学部品を射出成形により製造する方法として、金型温度を熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上に加熱してから射出成形後、所定時間に亘ってこの金型の温度を前記ガラス転位温度に保ち、更に、その後、該金型内において成形された光学部品の内部歪を取り除くために徐冷するエージング期間を経てから、成形品を金型から取り出す方法が知られている。
しかし、この成形方法は、エージング工程に長時間を要し、消費熱量も多く、更に金型費用も嵩むという欠点がある。このような欠点を解決するために、本出願人は、特開平4−163119号公報によるプラスチック成形品の製造方法を提案し、更に、この製造方法を用いたプラスチック成形品の製造装置として、特開平5−220860号公報をの方法を提案した。
【0003】
特開平4−163119号公報に記載されたプラスチック成形品の製造方法は、レンズ,ミラー等の高精度なプラスチック成形品の製造方法に関するもので、予め射出成形により略最終形状のプラスチック母材を加工した後、このプラスチック母材の内部歪や残留応力、更には、分子配向による内部密度差を取り除き、高面精度とするため、略最終形状のプラスチック母材を、少なくとも1つ以上の鏡面を有するキャビティを少なくとも1つ備えた一対の成形金型に挿入し、次いで、挿入した前記プラスチック母材を該ガラス転移温度以上に加熱溶融して樹脂内圧を発生させた後、徐冷してキャビティ内の鏡面をプラスチック母材に転写させるという製造方法である。
【0004】
特開平5−220860号公報に記載のプラスチック成形装置は、前記プラスチック成形品の製造方法を適用するプラスチック成形装置であり、一対の上・下金型を互いに当接させる型締め方向と直角な方向に、複数の金型部材に分離して配列した分離金型とし、該分離金型を当接させる型締め方向と直角な方向の両側から締め付ける金型締め付け機構を備えたプラスチック成形装置である。
【0005】
前記特開平5−220860号公報に記載の装置においては、分離された分離金型部材間に圧縮バネ等の弾性部材を挿入させ、成形品取り出し時には、前記バネの反発力により前記分離金型間に隙間を形成させることにより、成形品の離型が容易となるようにしている。なお、成形時には、油圧,空気圧または電動機等の金型締め付け手段を用いて、前記一対の分離金型を当接させる型締め方向と直角な方向に両側から締め付け、キャビティ内に内圧が生じ、バリが発生することを防いでいる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記成形装置では、前記一対の金型を当接面(パーティング)で当接させる型締め方向とは別に、型締め方向と直角な方向にも型締めする金型締め付け機構を設けなくてはならず、その分、成形装置のコストがかかる。また、成形装置全体が大型化し、大きな設置スペースが必要となる。また、成形装置の周りが煩雑となり、作業スペースがとれない等の不具合が生じる。
【0007】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、複雑でコスト高となる金型締め付け機構を必要とせず、キャビティ内に挿入したプラスチック母材に樹脂内圧が生じても成形品にバリ等を発生することなく、良品を成形することができるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、予め射出成形により略最終形状のプラスチック母材に加工した後、該プラスチック母材を、少なくとも1つ以上の鏡面を有するキャビティが少なくとも1つ以上備えられた一対の金型に挿入し、前記プラスチック母材を、該プラスチック母材のガラス転移温度以上に加熱溶融して樹脂内圧を発生させた後、徐冷して前記キャビティ内の鏡面を該プラスチック母材に転写させるプラスチック成形装置において、前記一対の各々の金型を当接させ、該金型を型締めする型締め方向に対し直角な方向に複数の金型部材に分離して配列した分離金型とし、該分離金型と該分離金型を装着するプレス機もしくは成形機のダイプレートとの間に、前記分離金型の構成部材の熱膨張率よりも大きな熱膨張率の部材で構成されたプレートを設け、該プレートは前記分離金型が樹脂内圧により外側に移動する方向の数に分割し、分割した各々の分割プレートの中心位置を前記分離金型のキャビティより外側にしたものである。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載のプラスチック成形装置において、各々の前記分割プレート間の隙間を、前記一対の分離金型を互いに当接させて型締めする型締め方向と直角な方向のキャビティと重複しない位置に定め、前記プレートを分離して形成するようにしたものである。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2何れかに記載のプラスチック成形装置において、各々の前記分割プレート間の隙間は、成形温度における該分割プレートの熱膨張により互いに当接しない間隔であるようにしたものである。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1乃至3何れかに記載のプラスチック成形装置において、前記分割プレートと、該分割プレートが装着されるプレス機もしくは成形機のダイプレートとの間に、該分割プレートよりヤング率の低い部材を設けたものである。
【0012】
請求項5の発明は、請求項に記載のプラスチック成形装置において、前記ヤング率の低い部材を、断熱板としたものである。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1乃至5何れかに記載のプラスチック成形装置において、前記分割プレートは、前記分離金型を装着するプレス機もしくは成形機の前記ダイプレートに、前記分離金型の複数のキャビティの最外郭に位置するキャビティより外側の位置で、プレート固定手段によって固定したものである。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1乃至6何れかに記載のプラスチック成形装置において、前記分離金型構成部材の熱膨張率と同等もしくは小さい熱膨張率の部材で構成した、前記分離金型側に開口するコの字型の固定プレートを有し、該固定プレートを前記分割プレートの下面に設け、該分割プレートを該コの字型の固定プレートの前記開口内の側壁部に前記一対の分離金型を互いに当接させる型締め方向と直角な方向に固定したものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明によるプラスチック成形装置の実施の形態を説明するための構造断面図であり、図中、1は上型、2は下型、3はプレート、31,32は分割プレート、4はキャビティ、5はプラスチック母材、6は断熱板、7はダイプレート、8は加熱手段である。なお、図2以降の図面において、図1と同様の作用をする部分には、図1の場合と同じ参照番号を付すこととする。
【0016】
図1に示されたプラスチック成形装置において、一対の金型は、上型1と下型2とで形成されている。そして、その上型1と下型2で形成される金型のキャビティ4の内部には、そのキャビティ4と形状及び容積が略等しいプラスチック母材5が挿入されている。
一対の金型は、上型1と下型2の少なくとも一方が複数の金型部材に分離され、分離された複数の金型部材は、矢印(F)で示した前記一対の金型をパーティングPで当接させる型締め方向に対し、直角な方向に配列されて分離金型を構成している。該分離金型と、該金型が装着されるプレス機もしくは成形機のダイプレート7との間には、前記分離金型より熱膨張率の大きい部材で構成されているプレート3が備えられている。
【0017】
前記プレート3は、2つに分割されて分割プレート31,32となり、2分割された各々の分割プレート31,32は、各々の隙間が金型のキャビティ4と重ならないように、且つ、成形温度による熱膨張によって、互いに当接することがない間隔に配列され、かつ前記分割プレート31,32の各々の中心(A)が金型のキャビティ4より外側になるように配置されている。
なお、本実施の形態においては、前記分割プレート31,32に金型加熱手段8を備えており、前記分割プレート31,32に金型を加熱する加熱板の機能も持たせている。なお、前記加熱手段8は、金型内に備えられていてもかまわない。
【0018】
次に、図1に示す上述した構成をもつプラスチック成形装置により成形された成形品のバリ発生防止機能を説明する。まず、前記プラスチック母材5を前記分離金型のキャビティ4に挿入後、前記分割プレート31,32に備えた加熱手段8により前記プラスチック母材5を該プラスチック材5のガラス転移温度以上に加熱する。その際、キャビティ4内で樹脂内圧が発生して、キャビティ4は矢印(a)で示す左右の2方向に広がろうとし、前記一対の分離金型を当接させる矢印(F)で示した型締め方向と直角な方向にバリが生じる。
【0019】
本発明においては、前記一対の分離金型の型締め方向の分離金型上下部に金型の熱膨張率より大きな熱膨張率をもつ分割プレート31,32が、キャビティ4が広がろうとする方向の数(ここでは2)だけ分割されており、その中心(A)がキャビティ4より外側に位置しているために、前記分割プレート31,32はその(A)位置を中心として、矢印(b)の方向に膨張しようとする力が働く。矢印(b)の方向は、樹脂内圧によって金型が開こうとする矢印(a)の方向と反対の方向であり、成形中に樹脂内圧によって金型が型締め方向とは直角な方向に広がろうとするのを抑制し、バリの発生を防ぐこととなる。
【0020】
また、本発明においては、前記分割プレート31,32の隙間が前記一対の分離金型の上型1,下型2のキャビティ4と重複しない位置で分割されているので、ダイプレート7の圧力が前記分割プレート31,32を通して前記一対の分離金型のキャビティ4に効率良く伝達され、キャビティ4の内圧によって分離金型の上型1,下型2が変形することがなく、製品を良好な精度で成形することができる。更に、前記分割プレート31,32が成形温度による熱膨張により、互いに当接しない間隔に配列されているので、成形中に分割プレート31,32が熱膨張によって互いに当接して、上型1,下型2に応力を生じさせることがない。このため、温度変化により上型1,下型2のキャビティ4が変形することなく、良好な精度で製品を成形することができる。
【0021】
前記分割プレート31,32と該分割プレート31,32を装着するプレス機もしくは成形機のダイプレート7との間に、前記分割プレート31,32よりヤング率の低い部材を設けることによって、前記低ヤング率部材がダイプレート7と前記分割プレート31,32との間で緩衝の役割を果たす。このため、プレス機もしくは成形機のダイプレート7が熱膨張率の小さい部材で構成されたとしても、ダイプレート7の膨張力により分割プレート31,32の熱膨張が抑制されることなく、前記分割プレート31,32の熱膨張による引っ張り力を、より強固に上型1,下型2側に働かせ、有効にバリの発生を防ぐことができる。
【0022】
更に、前記低ヤング率部材として有機化合物,セラミック等の断熱板6を用いることによって、上型1,下型2の加熱時に熱がプレス機もしくは成形機のダイプレート7側に伝熱されにくくなる。この結果、加熱手段8によってより効率的に上型1,下型2を加熱することができ、加熱時間が短縮されるので、結果として成形サイクルを短くすることができる。
【0023】
図2は、本発明によるプラスチック成形装置の、他の実施の形態を説明するための構造断面図で、図中、9は分割プレートの固定手段である。
図2に示した上型1,下型2は、多数個取り分離金型(ここでは6個取り)としての上型1,下型2を示してあり、複数のキャビティ4は、前記一対の分離金型を当接させる型締め方向と直角な方向に配列されている。図2においては、41,42,…46からなる6個のキャビティが配列されている。
前記分割プレート31,32は、前記一対の分離金型の上型1,下型2の最外郭に位置するキャビティ41,46よりも外側の位置で、ボルト等の分割プレート固定手段9によってダイプレート7に連結されている。これによって、前記分割プレート31,32は、分割プレート固定手段9によって連結された位置(B)を中心に、矢印(d)で示す内側方向に膨張する。熱膨張の方向は、樹脂内圧によって上型1,下型2が開こうとする矢印(c)の外側方向と相反する方向であるから、成形中に樹脂内圧によって前記一対の分離金型の上型1,下型2が型締め方向と直角な方向に広がろうとするのを抑制し、バリの発生を防ぐこととなる。
なお、前記分割プレート31,32の中心を、前記金型の最外郭に配列されたキャビティ4の外側に位置させても、バリの発生に対しては、同様の効果を得ることができる。
【0024】
図3は、図2に示した分割プレートの中心位置を、金型の最外郭キャビティの外側に定めたプラスチック成形装置の構造断面図であり、分割プレート31,32の各々の中心(B1)の位置は、分離金型の上型1,下型2に配列されたキャビティ41,42,…46の最外郭のキャビティ41,46の外側に定めてある。
【0025】
図3に示した構造のバリ防止効果は、図2に示したプラスチック成形装置と同様である。しかし、前記分割プレート31,32が必要以上に大きくなり、それに伴って前記分割プレート31,32を装着するプレス機もしくは成形装置のダイプレート7を大きくしなければならなくなる。また、分離金型の上型1,下型2が必要以上に大型化し、加熱の際の熱容量が大きくなり、結果として成形サイクルを長くする原因となる。
【0026】
図4は、本発明によるプラスチック成形装置の、更に他の実施の形態を説明するための構造断面図であり、図中、10はコの字型固定プレートである。
図4に示したコの字型固定プレート10は、上型1,下型2側にコの字型の開口を有するもので、開口内には、分割プレート31,32がキャビティ41,42,…46の配列方向に熱膨張により接触することがないように、間隔を開けてコの字型固定プレート10の側壁10aに分割プレート固定手段9により固定されている。従って、コの字型の固定プレート10は前記分割プレート31,32の下に配置され、該コの字型固定プレート10の折れ曲がり部10bに、型締め方向と直角な方向に前記分割プレート31,32を固定している。
【0027】
図4に示したプラスチック成形装置では、成形温度での熱膨張による力が固定位置(C)を中心に矢印(f)で示す内側の方向に働くため、熱膨張による力の方向は、樹脂内圧によって金型が開こうとする矢印(e)で示す外側の方向と相反する方向である。従って、熱膨張による力は成形中に樹脂内圧によって金型が型締め方向とは直角な方向に広がろうとするのを抑制し、バリの発生を防ぐこととなる。
【0028】
図5は、本発明によるプラスチック成形装置の、更に他の実施の形態を説明するための構造断面図であり、プレート3が分割プレート31,32,…34に4分割され、下型2にはキャビティ4が4個あり、4個のプラスチック母材5を取り出すことができる4個取りの例であり、なお、図5は、上・下一対の金型のパーティングより下方の下型2のみを示している。
図5に示したプラスチック成形装置においては、キャビティ41,42,…44内に生じる樹脂内圧によって、前記キャビティ41,42,…44は、各々矢印g1,g2,…g4で示す4方向の外側方向に広がろうとする力が作用し、前記一対の分離金型を当接させる型締め方向と直角な方向にバリが生じる。ここでは、各々の前記分離プレート31,32,…34は、その(D)位置を中心として矢印h1,h2,…h4の方向に膨張しようとする4方向の力が働く。矢印h1,h2,…h4の各々の方向は、分離プレートの中心O側に向き、樹脂内圧によって金型が広こうとする外側に向く各々のg1,g2,…g4の方向と相反する方向であり、成形中に樹脂内圧によって金型が型締め方向とは直角な方向に広がろうとするのを抑制し、バリの発生を防ぐことになる。
【0029】
【発明の効果】
請求項1に対応する効果:予め射出成形により略最終形状のプラスチック母材に加工した後、該プラスチック母材を、少なくとも1つ以上の鏡面を有するキャビティが少なくとも1つ以上備えられた一対の金型に挿入し、前記プラスチック母材を、該プラスチック母材のガラス転移温度以上に加熱溶融して樹脂内圧を発生させた後、徐冷して前記キャビティ内の鏡面を該プラスチック母材に転写させるプラスチック成形装置において、前記一対の各々の金型を当接させ、該金型を型締めする型締め方向に対し直角な方向に複数の金型部材に分離して配列した分離金型とし、該分離金型と該分離金型を装着するプレス機もしくは成形機のダイプレートとの間に、前記分離金型の構成部材の熱膨張率よりも大きな熱膨張率の部材で構成されたプレートを設け、該プレートは前記分離金型が樹脂内圧により外側に移動する方向の数に分割し、分割した各々の分割プレートの中心位置を前記分離金型のキャビティより外側にしたので、分割プレートの中心位置から内側に向う熱膨張力は成形中に樹脂内圧によってキャビティが一対の金型を互いに当接する型締め方向とは直角な方向に広がろうとするのを抑制し、従来のように、一対の分離金型を互いに当接させる型締め方向と直角方向に金型締め付け機構を設けることにより、大型な装置とすることなく、バリの発生を防ぐことができる。
【0030】
請求項2に対応する効果:請求項1に記載のプラスチック成形装置において、各々の前記分割プレート間の隙間を、前記一対の分離金型を互いに当接させて型締めする型締め方向と直角な方向のキャビティと重複しない位置に定め、前記プレートを分離して形成するので、ダイプレートの圧力が前記分割プレートを通して金型のキャビティに良好に伝達され、キャビティ内圧によって金型が変形することがなく、製品を良好な精度で成形することができる。
【0031】
請求項3に対応する効果:請求項1又は2に記載のプラスチック成形装置において、各々の前記分割プレート間の隙間は、成形温度における該分割プレートの熱膨張により互いに当接しない間隔で配列したので、成形中に前記分割プレートが互いに当接して、金型に応力を発生させることがない。このため、温度変化により金型のキャビティが変形しないので、製品を良好な精度で成形することができる。
【0032】
請求項4に対応する効果:請求項1乃至3に記載のプラスチック成形装置において、前記分割プレートと、該分割プレートが装着されるプレス機もしくは成形機のダイプレートとの間に、該分割プレートよりヤング率の低い部材を設けたので、前記部材がダイプレートとプレートとの緩衝の役割を果たし、前記分割プレートの熱膨張による引っ張り力を、より強固に金型側に働かせ、バリの発生を防ぐことができる。
【0033】
請求項5に対応する効果:請求項に記載のプラスチック成形装置において、前記ヤング率の低い部材を、断熱板としたので、金型の加熱時に熱がプレス機もしくは成形機のダイプレート側に伝熱されにくくなり、より効率的に加熱手段によって金型を加熱することができ、結果として、成形サイクルを短くすることができる。
【0034】
請求項6に対応する効果:請求項1乃至5に記載のプラスチック成形装置において、前記分割プレートを、前記分離金型を装着するプレス機もしくは成形機の前記ダイプレートに、前記分離金型の複数のキャビティの最外郭に位置するキャビティより外側の位置でプレート固定手段によって固定したので、金型が多数個取りとなっても、前記分割プレートを必要以上に大きくすることなく、成形中に樹脂内圧によって前記一対の分離金型が型締め方向とは直行方向に広がろうとするのを抑制し、バリの発生を防ぐことができる。
【0035】
請求項7に対応する効果:請求項1乃至6に記載のプラスチック成形装置において、前記分離金型構成部材の熱膨張率と同等もしくは小さい熱膨張率の部材で構成した、前記分離金型側に開口するコの字型の固定プレートを有し、該固定プレートを前記分割プレートの下面に設け、該分割プレートを該コの字型の固定プレートの前記開口内の側壁部に前記一対の分離金型を互いに当接させる型締め方向と直角な方向に固定したので、金型が多数個取りとなっても、前記分割プレートを必要以上に大きくすることなく、成形中に樹脂内圧によって前記分離金型が型締め方向とは直行方向に広がろうとするのを抑制し、バリの発生を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるプラスチック成形装置の実施の形態を説明するための構造断面図である。
【図2】 本発明によるプラスチック成形装置の、他の実施の形態を説明するための構造断面図である。
【図3】 図2に示した分割プレートの中心位置を、金型の最外郭キャビティの外側に定めたプラスチック成形装置の構造断面図である。
【図4】 本発明によるプラスチック成形装置の、更に他の実施の形態を説明するための構造断面図である。
【図5】 本発明によるプラスチック成形装置の、更に他の実施の形態を説明するための構造断面図である。
【符号の説明】
1…上型、2…下型、3…プレート、31,32…分割プレート、4…キャビティ、5…プラスチック母材、6…断熱板、7…ダイプレート、8…加熱手段、9…分割プレートの固定手段、10…コの字型固定プレート。

Claims (7)

  1. 予め射出成形により略最終形状のプラスチック母材に加工した後、該プラスチック母材を、少なくとも1つ以上の鏡面を有するキャビティが少なくとも1つ以上備えられた一対の金型に挿入し、前記プラスチック母材を、該プラスチック母材のガラス転移温度以上に加熱溶融して樹脂内圧を発生させた後、徐冷して前記キャビティ内の鏡面を該プラスチック母材に転写させるプラスチック成形装置において、前記一対の各々の金型を当接させ、該金型を型締めする型締め方向に対し直角な方向に複数の金型部材に分離して配列した分離金型とし、該分離金型と該分離金型を装着するプレス機もしくは成形機のダイプレートとの間に、前記分離金型の構成部材の熱膨張率よりも大きな熱膨張率の部材で構成されたプレートを設け、該プレートは前記分離金型が樹脂内圧により外側に移動する方向の数に分割され、分割された各々の分割プレートの中心位置が前記分離金型のキャビティより外側であることを特徴とするプラスチック成形装置。
  2. 各々の前記分割プレート間の隙間を、前記一対の分離金型を互いに当接させて型締めする型締め方向と直角な方向のキャビティと重複しない位置に定め、前記プレートを分離して形成することを特徴とする請求項1に記載のプラスチック成形装置。
  3. 各々の前記分割プレート間の隙間は、成形温度における該分割プレートの熱膨張により互いに当接しない間隔であることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラスチック成形装置。
  4. 前記分割プレートと、該分割プレートが装着されるプレス機もしくは成形機のダイプレートとの間に、該分割プレートよりヤング率の低い部材を設けることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のプラスチック成形装置。
  5. 前記ヤング率の低い部材として、断熱板を用いることを特徴とする請求項に記載のプラスチック成形装置。
  6. 前記分割プレートは、前記分離金型を装着するプレス機もしくは成形機の前記ダイプレートに、前記分離金型の複数のキャビティの最外郭に位置するキャビティより外側の位置で、プレート固定手段によって固定されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のプラスチック成形装置。
  7. 前記分離金型構成部材の熱膨張率と同等もしくは小さい熱膨張率の部材で構成され、前記分離金型側に開口するコの字型の固定プレートを有し、該固定プレートを前記分割プレートの下面に設け、該分割プレートを該コの字型の固定プレートの前記開口内の側壁部に、前記一対の分離金型を互いに当接させる型締め方向と直角な方向に固定することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のプラスチック成形装置。
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