JP3571173B2 - プラスチックの成形方法および成形装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高精度なプラスチック成形品を成形するのに好適なプラスチック成形方法および成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レンズ、ミラー等の高精度なプラスチック成形品の製造方法としては、予め射出成形によりプラスチック母材を加工し、少なくとも一つの鏡面を有するキャビティを少なくとも一つ備えた一対の金型に前記プラスチック母材を挿入し、次いで前記母材をそのガラス転移温度以上に加熱溶融して樹脂内圧を発生させた後、徐冷して金型キャビティの鏡面を前記母材の表面に転写させる成形方法が知られている(特開平4−163119号公報、発明の名称:プラスチック成形品の製造方法)。
【0003】
この成形方法においては、プラスチック母材を前記金型に挿入した後、金型を加熱・冷却するときのキャビティ内(樹脂)の圧力分布を均一化することが、成形品の品質を確保するうえで重要となる。
【0004】
ところが、上記公報記載の成形方法では、射出成形によってプラスチック母材を成形する場合には、成形品に密度分布(密度むら)が生じるのは避けられない。成形品が長尺品や場合にはゲート部と反ゲート部とで、偏肉品の場合には厚肉部と薄肉部とで、それぞれ成形品に密度分布が特に生じやすい。このような密度分布のあるプラスチック母材を用いて前記公報記載の方法で成形すると、キャビティ内に圧力分布(圧力むら)が発生し、結果として最終成形品の精度が悪化してしまう。
【0005】
また、前記密度分布が改善されても、前記一対の金型を加熱・冷却するときに温度分布(温度むら)が生じると、やはり、成形時にキャビティ内で圧力分布が発生し、結果として最終成形品の精度が悪化してしまう。
【0006】
キャビティの鏡面をプラスチック母材の表面に転写させる、上記特開平4−163119号公報記載の成形方法を実施するための装置が、特開平5−162139号公報(発明の名称:エージング用金型)に提案されている。この成形装置では、金型を熱伝導性の良い材質からなる部材で構成することによって、その加熱・冷却時の温度分布が小さくなるようにしている。
【0007】
また、特開平5−337997号公報(発明の名称:プラスチック成形用金型の冷却装置)や、特開平6−170967号公報(発明の名称:エージング装置)には、加熱板にヒートパイプを挿入することによって、金型加熱・冷却時の温度分布が均一になるようにしたプラスチック成形装置が提案されている。
【0008】
しかし、上記公報記載の成形装置のいずれも、金型温度分布を均一にすることはできても、金型温度むらを完全に無くすことはできないため、結果として成形時の圧力むらを完全になくすことはできない。また、金型を熱伝導性の良い部材で構成すると、金型の弾性率が低下するなどの問題が生じるため、金型材質が制約されてしまう。ヒートパイプ等を挿入する場合には、装置の複雑化や金型コストの増大といった欠点が生じる。なお、成形時に圧力むらが生じると、成形品取出し時に離型が困難となり、成形品精度が悪化する場合もある。
【0009】
プラスチック母材は、成形後の熱収縮により寸法が小さくなるため、金型に挿入するのが容易であるという利点がある。一方、通常の成形品には位置決め等のための凸部や凹部が設けられる場合が多い。その場合、前記凸部や凹部の成形後の収縮量は、プラスチック母材全体の収縮量より小さいため、該母材を金型に挿入し型締めするときに前記凸部や凹部が、固定型と可動型との間に挟み込まれて、金型の損傷が発生したり、成形品にバリが生じたりする問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、その目的は、プラスチック母材を金型に挿入し、金型を加熱・冷却して最終成形品を得る成形技術において、成形時の金型内圧力(樹脂圧力)を均一化することにより、成形品の面精度を高めるとともに、成形時の金型の損傷や、成形品のバリを防止することができるプラスチック成形方法および成形装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のプラスチック成形方法は、少なくとも一つの鏡面を有するキャビティを少なくとも一つ備えた一対の金型に、射出成形により加工したプラスチック母材を挿入し、該母材をそのガラス転移温度以上の温度に加熱溶融して樹脂内圧を発生させた後、徐冷して前記キャビティの鏡面をプラスチック母材の表面に転写させて最終成形品を得る方法において、前記加熱及び冷却したときの金型内樹脂の圧力分布が均一になるように、最終成形品の形状と相異なるプラスチック母材を射出成形によって作製することを特徴とする。
【0012】
請求項に記載のプラスチック成形方法は、請求項において、前記プラスチック母材の密度が高い部分と、最終成形品における前記高密度部分に対応する部分との形状(寸法)の差が、前記プラスチック母材の密度が低い部分と、最終成形品における前記低密度部分に対応する部分との形状(寸法)の差より大きくなるように成形することを特徴とする。
【0013】
請求項に記載のプラスチック成形方法は、請求項1または2において、前記プラスチック母材挿入後の金型加熱・冷却工程の金型冷却時における冷却速度が低い(冷却時の温度が相対的に高い)プラスチック母材部分と、最終成形品における前記低速冷却部分に対応する部分との形状(寸法)の差が、前記プラスチック母材挿入後の金型加熱・冷却工程の金型冷却時における冷却速度が高い(冷却時の温度が相対的に低い)プラスチック母材部分と、最終成形品における前記高速冷却部分に対応する部分との形状(寸法)の差より大きくなるように成形することを特徴とする。
【0014】
請求項に記載のプラスチック成形方法は、請求項1,2または3において、予めシミュレーションによって成形時の前記金型温度分布を求め、その結果を前記プラスチック母材の形状(寸法)にフィードバックさせることを特徴とする。
【0015】
請求項に記載のプラスチック成形装置は、請求項1〜4のいずれか一つの項記載の成形方法を実施するための装置であって、前記金型に、成形時の金型キャビティ内の樹脂圧力が検出可能な圧力検出手段を設けたことを特徴とする。
【0016】
請求項に記載のプラスチック成形装置は、請求項において前記圧力検出手段が、金型キャビティの前記鏡面転写面と垂直の方向に設けられていることを特徴とする。
【0017】
請求項に記載のプラスチック成形装置は、請求項5または6において、前記金型が鏡面を有する部材と同形状のダミー部材(該ダミー部材が鏡面を有する否かは問わない)を備え、該ダミー部材には前記圧力検出手段が設けられていることを特徴とする。
【0018】
請求項に記載のプラスチック成形装置は、請求項5,6または7において、前記金型が鏡面を有しないダミー部材を備え、該ダミー部材に前記圧力検出手段が設けられていることを特徴とする。
【0019】
請求項に記載のプラスチック成形装置は、請求項5,6,7または8において前記金型キャビティが、圧力調整部を備えていることを特徴とする。
【0020】
請求項10に記載のプラスチック成形装置は、請求項において前記圧力調整部が、前記プラスチック母材を金型に挿入し、該金型を加熱及び冷却したときに(すなわち金型の加熱・冷却工程において)金型キャビティ内の樹脂圧力が高くなるキャビティ部分に設けられていることを特徴とする。
【0021】
請求項11に記載のプラスチック成形装置は、請求項において前記圧力調整部が、前記キャビティ表面のうち、鏡面を転写する面以外の部分に設けられていることを特徴とする。
【0022】
【実施例】
以下、本発明に係る成形方法および成形装置の実施例を、図面を参照しながら説明する。
実施例1
はプラスチック成形装置の要部構造を示す正面図である。においてキャビティ凹部には、通常の射出成形によって作製されたプラスチック母材11が挿入されている。上下一対の金型を構成する上型1の外側、下型2の外側には、それぞれ金型温度調節部3が直接接合して設けられている。この金型温度調節部3には、ヒーター等の金型加熱用部材4と、ヒートパイプ等の金型冷却用部材5とが設けられている。
【0023】
前記上下の金型温度調節部3は、その外側に設けた断熱板6を介してダイプレート7に支持されている。これら上下のダイプレート7は、さらにプレス機8に接続されており、成形時に上下一対の金型を上下の型締め方向(中、上向き矢印および下向き矢印で示す)に所定の圧力で型締めし、金型加熱用部材4、金型冷却用部材5を適宜に作動させることで、金型を所望の温度に調節することができる。
【0024】
下型2は、前記型締め方向と直交する方向に配列された複数の金型部材(キャビティ部材)と、該金型部材・金型部材間に挿入した弾性部材10とから構成されている。なお、これに代えて上型1のみ、または上型1および下型2を上記構成とすることもできる。また、これらの金型部材は互いに分離可能であり、かつ、左右に設けた金型締付け機構9,9により締め付ける(中、右向き矢印および左向き矢印で示す)ことで一体化できるようになっている。
【0025】
そして、成形に際しては、プラスチック母材11を前記キャビティ凹部に挿入し、前記上下の型締め方向と、左右の締付け方向とに所定の圧力で上型1および下型2を加圧した後、金型を加熱・冷却する。金型をこのように加圧することで、成形中のバリ発生が防止される。成形終了後には、まず金型を上下に型開きし、次いで金型締付け機構9,9による締付けを解除し、前記弾性部材10の反発力によって成形品12の両側面と金型部材との密着を解いて成形品12を取り出す。
【0026】
上記成形装置では、プラスチック母材11(以下、プラスチック母材を母材と略記することがある)を金型に挿入し、加熱・冷却したときのキャビティ内の圧力分布を調べた後、この圧力分布に応じて母材11の形状を最終成形品12の形状と異なる(母材と最終成形品とで、部分的に寸法が相違する)ものとすることで、キャビティ内圧力を均一化する。これにより、キャビティの鏡面が確実に成形品に転写され、精度の良い成形品を作製することができ、圧力むらに起因する離型難を防ぐこともできる。
【0027】
比較例1
ところで、母材11の作製は射出成形で行うため、成形品に生じる密度分布(密度むら)を回避することは難しい。特に、長尺成形品ではゲート部と反ゲート部との間で、偏肉成形品の場合には薄肉部と厚肉部との間で、それぞれ密度差が大きくなりやすい。一例として、(a)に示すような、両端部A,Cの密度が中央部Bのそれより大きい母材11をの金型に挿入し、成形した場合について説明する。ここで母材11と、(b)に示す最終成形品12とは、ほぼ同形状・同寸法である。
【0028】
金型の加熱・冷却時の経過時間と、金型内の成形品各部の圧力との関係はに示すとおりになった。すなわち、密度の大きい部分(A,C)の圧力が、密度の小さい部分Bより常に高くなり、発生圧力の不均一が生じた。その結果、最終製品の面精度を測定すると、に示すようにPV値(表面粗さの尺度であって、表面の凸部:Peakと凹部:Valleyとの高さの差を示すもの)が大きく(成形品面精度が悪い)、成形品精度が悪化することがわかった。
【0029】
実施例2
これに対して、(a)に示すような母材11における密度の大きい部分(A部、C部)の寸法を、(b)に示すような最終成形品12における前記高密度部分に対応する部分(A1 部、C1 部)の寸法より小さくした場合、言い換えると、母材11では高密度のA部、C部の寸法を低密度のB部より小さくし、最終成形品12では、A1 部〜C1 部の寸法を同一にした(母材と最終成形品とでは部分的に寸法が異なり、それぞれの全体形状が相違する)場合の、成形品各部の圧力の経時変化をに示す。
【0030】
で明らかなように、成形品両端のA部、C部の圧力増大が緩和され、に比べて成形品の圧力むらが小さくなった。その結果、に示すように、最終成形品では圧力の高い両端部の精度悪化が改善され、成形品の面精度が向上した(PV値が低下した)。
【0031】
実施例3
一対の金型の加熱・冷却時に、そのキャビティ部の温度を完全に均一にすることは難しい。その理由は、キャビティ部と金型加熱用手段(例えば、の金型加熱用部材4)との距離、キャビティ部と金型外部までの距離等が金型温度分布に影響するためである。成形サイクルの点からいうと、加熱・冷却速度はなるべく速いほうが望ましい。しかし、速くすればするほど金型内の温度むらが大きくなり、結果として圧力むらが大きくなり、成形品精度が悪化してしまう。例えば、キャビティ中央部がキャビティ両端部よりも急激に冷却された場合(冷却時のキャビティ中央部の温度が、両端部の温度より低くなる)には、に示す密度むらのある母材11を使用した場合と全く同様に圧力むらが生じる。その結果、成形品精度はに示すように悪化する
【0032】
そこで、この実施例3では、金型冷却時のキャビティ内母材11の冷却速度のむらを解消するべく、金型冷却時に相対的に温度が高くなる母材部分(成形品両端部)の寸法を、(a)と同様に、最終成形品12における対応部分の寸法より小さくする。こうすることで、金型内成形品の圧力のむらはに示すように小さくなり、成形品の面精度が向上する。
【0033】
また、前述のように、成形サイクル短縮のために加熱・冷却速度を高くするとキャビティ温度むら、したがって金型内成形品の圧力むらが大きくなり、成形品の面精度が悪化するが、本発明のように成形時の圧力分布に対応して、母材の所定部分の寸法を、最終成形品の各部寸法を基に修正する(母材の形状を最終成形品の形状と相違させる)ことで、キャビティ内圧力を均一にすることができ、結果として、成形サイクルを短縮することが可能となる。
【0034】
なお、成形品取出し時の残圧が高いと、成形品の離型難が生じる。本発明の成形方法では、成形品全体の圧力が高い場合には、取出し温度を下げたり、母材11の重量を小さくしたりすることで対処する。但し、成形品に圧力むらがある場合において、離型難が生じないように圧力の高い部分に合わせて前記対処を施すときには、圧力の低い部分でヒケが発生してしまう。この場合にも、圧力の高い母材部分の寸法を調整することによって離型難を防ぐことができる。
【0035】
金型の温度分布は、熱電対等の温度検出手段を金型に設けることによって把握することができるが、最も測定したい金型キャビティ内に前記温度検出手段を設けることは難しい。熱解析シミュレーションを用いることによって、前記温度検出手段を用いることなく金型キャビティの温度分布を把握し、母材寸法にフィードバックすることができる。
【0036】
実施例4
前記密度むら及び温度むらは、ともに成形品の圧力むらの要因となるうえ、両者とも完全にはなくすことができない。前記密度むらと、温度むらとに個別に対応して母材の各部寸法(母材形状)を決定するのでは、多くの時間と手間を要する。
【0037】
そこで、この実施例ではに示すように、金型キャビティ部の複数箇所に圧力検出手段13を設け、成形時のキャビティ内圧力分布を把握することで、前記2つの要因である密度むらと温度むらとを分離することなく、母材各部の寸法を決定することができる。つまり、母材における圧力の高い部分の寸法を、最終成形品における前記高圧部分に対応する部分の寸法より小さくすることで、短時間に前記密度むら、温度むら等を考慮した母材寸法の決定を行うことができる。
【0038】
に示す上型1と下型2とからなる一対の金型は、厚さが均一の平面ミラーを成形するためのもので、下型2に鏡面部15が形成され、前記複数の圧力検出手段13は上型1側に、かつ前記鏡面部15に直交して配備されている。これにより、転写が必要な鏡面部15の圧力分布を正確に把握することができる。
【0039】
鏡面部15が片面にのみ形成される成形品の場合には、圧力検出手段13を、キャビティにおける鏡面部15と反対側に設ければよいが、レンズのように両面が鏡面の場合には、のように圧力検出手段13を鏡面転写面に直交させて設けることはできない。この場合には、前記一対の金型に、鏡面を有する部材と同一形状のダミー部材(このダミー部材が鏡面を有するか否かは問わない)を作製し、これに前記圧力検出手段を設けることによって、キャビティ鏡面部の圧力分布を正確に把握することができる。なお、前記ダミー部材に鏡面加工を施さないことによって、ダミー駒作製による金型コストの増大を抑えることができる。
【0040】
実施例5
母材11は射出成形で作製されるが、この場合、溶融樹脂の射出時に高圧が発生するうえに、樹脂が急冷固化されるため、成形品の形状によっては離型難が発生しやすくなる。このため、前述のように母材寸法を最終成形品の寸法と相違させる場合には、前記離型難を回避するための制約があり、圧力を均一にするための所望の母材形状が得られないことがある。
【0041】
この場合には、に示すように、金型のキャビティ凹部に、小空間部である圧力調整部14を設けることで対処することができる。この実施例は、高圧が発生する部分に圧力調整部14を設けることで、成形品面精度の向上を図ったもので、成形時に成形品両端部D,Fの圧力を圧力調整部14により低下(「圧抜き」)させて、中央部Eの圧力と等しくするようにしてある。すなわち、のキャビティ凹部では成形時に相対的に高圧となる成形品両端部の圧力を、前記圧力調整部14に移動させることで、結果としてキャビティ内の圧力むらが緩和され、成形品の面精度が向上する。
【0042】
圧力調整部14を転写が要求される鏡面部に設けるのは、成形品の機能上無理が伴う場合がある。また、これが可能であっても、圧力調整部14内に樹脂が流入するためヒケが発生し、必要な転写結果が得られなくなることがある。そこで、に示すように、転写性が要求される鏡面部以外の部分に圧力調整部14を設けることによって、前述した鏡面部のヒケや構造上の問題を回避することができる。また、圧力調整部14を転写の必要がない部分に設けることで、圧力調整部14に樹脂が充填されたか否かを考慮する必要がなくなり、高精度の成形品を確実に成形することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
(1)請求項1
加熱・冷却時の金型圧力分布を均一化し、成形品の品質を向上させることができる。また、成形時のバリ発生や、型の損傷を防止することができ、さらに成形サイクルを短縮することが可能である。
【0044】
)請求項
プラスチック母材の密度むらに起因する加熱・冷却時の金型圧力むらを低減させ、成形品の品質を向上させることができる。
【0045】
)請求項3,4
金型の温度むらに起因する加熱・冷却時の金型圧力むらを低減させ、成形品の品質を向上させることができる。また、成形サイクルを短縮することが可能である。
【0046】
)請求項5,6
加熱・冷却時の金型圧力分布を均一化し、成形品の品質を向上させることができる。
【0047】
)請求項
ミラー、レンズ等を成形する場合において、より正確に、必要とするキャビティ面の圧力分布を把握することができ、成形品の品質を向上させることが可能となる。
【0048】
)請求項
金型圧力分布の測定を可能とすることに伴う金型コストの増大を最低限に抑えることができる。
【0049】
)請求項9〜11
プラスチック母材の寸法を最終成形品の寸法と相違させることなく、成形時の金型圧力むらを低減させ、成形品の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラスチック成形装置の要部構造を示す正面図である。
【図2】比較例1に係るもので、(a)は使用したプラスチック母材の形状・寸法を示す断面図、(b)は目的とする最終成形品の形状・寸法を示す断面図である。
【図3】比較例1の結果に係るもので、金型の加熱・冷却時の経過時間と金型内の成形品各部の圧力との関係を示すグラフである。
【図4】比較例1の結果に係るもので、最終成形品の面精度を示すグラフである。
【図5】実施例2に係るもので、(a)は使用したプラスチック母材の形状・寸法を示す断面図、(b)は目的とする最終成形品の形状・寸法を示す断面図である。
【図6】実施例2の結果に係るもので、金型の加熱・冷却時の経過時間と金型内の成形品各部の圧力との関係を示すグラフである。
【図7】実施例2の結果に係るもので、最終成形品の面精度を示すグラフである。
【図8】実施例4に係る金型の構造を示す断面図である。
【図9】実施例5に係る金型の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 上型
2 下型
3 金型温度調節部
4 金型加熱用部材
5 金型冷却用部材
6 断熱板
7 ダイプレート
8 プレス機
9 金型締付け機構
10 弾性部材
11 プラスチック母材
12 成形品
13 圧力検出手段
14 圧力調整部
15 鏡面部

Claims (11)

  1. 少なくとも一つの鏡面を有するキャビティを少なくとも一つ備えた一対の金型に、射出成形により加工したプラスチック母材を挿入し、該母材をそのガラス転移温度以上の温度に加熱溶融して樹脂内圧を発生させた後、徐冷して前記キャビティの鏡面をプラスチック母材の表面に転写させて最終成形品を得る方法において、前記加熱及び冷却したときの金型内樹脂の圧力分布が均一になるように、最終成形品の形状と相異なるプラスチック母材を射出成形によって作製することを特徴とするプラスチック成形方法。
  2. 前記プラスチック母材の密度が高い部分と、最終成形品における前記高密度部分に対応する部分との形状の差が、前記プラスチック母材の密度が低い部分と、最終成形品における前記低密度部分に対応する部分との形状の差より大きくなるように成形することを特徴とする請求項記載のプラスチック成形方法。
  3. 前記プラスチック母材挿入後の金型加熱・冷却工程の金型冷却時における冷却速度が低いプラスチック母材部分と、最終成形品における前記低速冷却部分に対応する部分との形状の差が、前記プラスチック母材挿入後の金型加熱・冷却工程の金型冷却時における冷却速度が高いプラスチック母材部分と、最終成形品における前記高速冷却部分に対応する部分との形状の差より大きくなるように成形することを特徴とする請求項1または2記載のプラスチック成形方法。
  4. 予めシミュレーションによって成形時の前記金型温度分布を求め、その結果を前記プラスチック母材の形状にフィードバックさせることを特徴とする請求項1,2または3記載のプラスチック成形方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一つの項記載の成形方法を実施するための装置であって、前記金型に、成形時の金型キャビティ内の樹脂圧力が検出可能な圧力検出手段を設けたことを特徴とするプラスチック成形装置。
  6. 前記圧力検出手段が、金型キャビティの前記鏡面転写面と垂直の方向に設けられていることを特徴とする請求項記載のプラスチック成形装置。
  7. 前記金型が鏡面を有する部材と同形状のダミー部材を備え、該ダミー部材には前記圧力検出手段が設けられていることを特徴とする請求項5または6記載のプラスチック成形装置。
  8. 前記金型が鏡面を有しないダミー部材を備え、該ダミー部材に前記圧力検出手段が設けられていることを特徴とする請求項5,6または7記載のプラスチック成形装置。
  9. 前記金型キャビティが、圧力調整部を備えていることを特徴とする請求項5,6,7または8記載のプラスチック成形装置。
  10. 前記圧力調整部は、前記プラスチック母材を金型に挿入し、該金型を加熱及び冷却したときに金型キャビティ内の樹脂圧力が高くなるキャビティ部分に設けられていることを特徴とする請求項記載のプラスチック成形装置。
  11. 前記圧力調整部は、前記キャビティ表面のうち、鏡面を転写する面以外の部分に設けられていることを特徴とする請求項記載のプラスチック成形装置。
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