JPH10249455A - ヘミング装置及びヘミング方法 - Google Patents

ヘミング装置及びヘミング方法

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JPH10249455A
JPH10249455A JP5765997A JP5765997A JPH10249455A JP H10249455 A JPH10249455 A JP H10249455A JP 5765997 A JP5765997 A JP 5765997A JP 5765997 A JP5765997 A JP 5765997A JP H10249455 A JPH10249455 A JP H10249455A
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robot arm
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blade
hemming
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厚司 椋本
Hideyo Takeuchi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロボットアームのローラをワークの被折曲加
工部に押圧転動させてヘミング加工する場合、ローラで
被折曲加工部を高加圧力で加圧するためにロボットアー
ムに高耐荷重の高価なものが必要となる。 【解決手段】 ワーク1の被折曲加工部2を振動と押し
付けでヘミング加工するヘム刃8とその振動源9をロボ
ットアーム3に、直交2方向の弾性部材14、17を介
して弾性変位可能に装着し、ヘム刃8が振動してヘミン
グ加工する際の振動でロボットアーム3が振動、共振す
るのを弾性部材14、17で抑制し、かつ、弾性部材1
4、17でヘム刃8をヘミング加工最適な方向に弾性変
位させて、ヘム刃8の有効利用を図り、ヘミング加工の
作業性と精度を高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属板の連続した
周縁部を順に折り曲げるヘミング装置と、このヘミング
装置を使ったヘミング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のドアを構成するアウタパネルと
インナパネルの周縁部同士の結合などに適用されるヘミ
ング装置として、ロボットアームを使用したローラ式の
ものが特公平5−34101号公報等に開示されてい
る。このローラ式ヘミング装置は、例えば図5に示すよ
うなロボットアーム3の先端部に装着されたローラヘム
ユニット4でローラ5を回転可能に支持する構成で、図
6(A)〜(D)に示すようにワーク1の連続した被折
曲加工部2を順に折り曲げる。
【0003】尚、図5のワーク1は、例えば自動車ドア
のアウタパネル1aとインナパネル1bが示される。下
型6の上に位置決めされたアウタパネル1aの周縁部が
予め上方に略直角に折曲され、この周縁部に沿ってイン
ナパネル1bの周縁部が載置される。アウタパネル1a
の折曲された周縁部がローラ5でヘミング加工される被
折曲加工部2である。
【0004】まず、図6(A)に示すようにロボットア
ーム3でローラ5を被折曲加工部2の一部の上端に押し
当てて、図6(B)に示すようにローラ5で被折曲加工
部2を略45゜の角度までプリヘム加工(予備曲げ加
工)しておいてローラ5を被折曲加工部2に沿って横方
向に回転移動させ、被折曲加工部2を順に略45゜の角
度に折り曲げて、被折曲加工部2の全長をプリヘム加工
する。次に、図6(C)に示すようにローラ5をプリヘ
ム加工された被折曲加工部2の一部に真上から押圧し
て、図6(D)に示すように被折曲加工部2をインナパ
ネルの周縁部上面まで折り曲げる本ヘム加工(最終曲げ
加工)を行う。そのままローラ5を被折曲加工部2に沿
って横方向に回転移動させて、被折曲加工部2の全長を
本ヘム加工する。
【0005】また、図示は省略するが、上下に配した金
型により、被折曲部をプレスにて折り曲げるものもあ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記プレス方式では、
設備が大型化する他、ワークの種類ごとに多種類の型を
準備する必要があるため、その製造コストが増大すると
共に、型交換に多くの時間を要して生産性が悪化する等
の問題がある。従って、多品種少量生産には不向きであ
る。
【0007】一方、上記ローラ式ヘミング装置の場合、
金属板であるワークの被折曲加工部にローラを直接に押
し当てて折り曲げるため、プリヘム加工時や本ヘム加工
時に要する加圧力が大きくなり、この加圧力に耐える高
耐荷重のロボットが必要となって、結果的にヘミング装
置全体の設備コストが過大となる。
【0008】また、ヘミング加工時にローラに加えられ
る高加圧力でロボットアームが撓むことがあるため、ヘ
ミング加工の前に行うティーチングではロボットアーム
の撓み分を見込んだ高精度なティーチングが必要であ
り、この高精度ティーチングを高信頼度で行うことが難
しい。実際のティーチングでは初回ティーチングの後、
実ワークを用いて10数回ものティーチング修正を行っ
ているが、これには多大な調整工数と時間が必要で、作
業能率の改善が難しい。
【0009】また、ワークの連続する被折曲加工部の長
さ方向の形状は略直線や曲線と様々であり、かつ、被折
曲加工部の略直線部分と曲線部分ではローラの当り方や
ローラにより加えられる加圧力が相違するため、1種類
のローラで被折曲加工部の全長をヘミング加工すると特
に曲線部分の良好な加工が難しくなる。そこで、被折曲
加工部の曲線部分は、ローラで大まかにヘミング加工し
ておいて、後でハンマーで叩いて手修正することが行わ
れているが、これでは作業性が悪くなり、ヘミング工程
の自動化が難しくなる。
【0010】また、上記曲線部分の存在により、ワーク
の連続する被折曲加工部を全長に亘りローラで均一な加
圧力で折り曲げ加工することが難しくなるため、最終的
に本ヘム加工された被折曲加工部の厚さ[図6(D)の
厚さdに相当]が不均一になるおそれもある。
【0011】また、径の異なる複数種類のローラを交換
可能なようにロボットアームに取付け、ワークの被折曲
加工部の略直線部分は径の大きなローラで、曲線部分は
径の小さなローラでヘミング加工することも行われてい
るが、複数種類のローラによる設備コストの増大化、ロ
ーラ交換による作業性低下の問題がある。
【0012】本発明の目的は、設備コストを上げること
なく高精度で作業能率良くワークのヘミング加工ができ
るヘミング装置及びヘミング方法を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明装置は、ロボット
アームに振動源を介してヘム刃を装着し、ワークの連続
する被折曲加工部を振動源により駆動されるヘム刃で押
圧して折り曲げ、そのままヘム刃を被折曲加工部に沿っ
て横移動させて被折曲加工部を連続的に折り曲げること
を特徴とするものである。かかる構成であれば専用の金
型を必要としないので、プレス方式に比べてワークの種
類変更を簡単に行える。
【0014】この場合、ロボットアームに対してヘム刃
を弾性部材を介してワークの被折曲加工部に沿った横移
動方向に弾性変位可能に支持するのがよい。また、ロボ
ットアームに対してヘム刃を弾性部材を介してヘム刃の
振動方向に弾性変位可能に支持してもよい。
【0015】ここで、ロボットアームに対してヘム刃を
振動させる弾性源には、エアーシリンダ等が適用され
る。また、ヘム刃はその軸方向に振動しながらワークの
被折曲加工部を押圧して折り曲げるが、このときのヘム
刃の振動の周波数、振幅を規定することでヘミング加工
の高品質加工化が可能となる。かかるヘム刃を弾性変位
可能に保持する弾性部材はスプリング等であって、ヘム
刃の振動方向にヘム刃を弾性変位可能に保持する弾性部
材はヘム刃の振動がロボットアームに伝達するのを抑制
し、また、ヘム刃の横移動方向にヘム刃を弾性変位加工
に保持する弾性部材はロボットアームに対してヘム刃を
横変位可能なものにする。
【0016】上記ヘム刃とその振動源の少なくとも一方
に、ヘム刃の振動でロボットアームが共振するのを抑制
する重りを脱着可能に取付けるとよい。この重りの重
量、取付位置の選択でもって、ヘム刃の振動でロボット
アームが共振するのが効果的に抑制され、ヘミング加工
精度が向上する。
【0017】上記ヘム刃のワークの被折曲加工部を押圧
する加工面を、同加工面の中央部から両端部に至る程に
曲率半径が小さくなる曲面にするとよい。このようなヘ
ム刃の曲率半径の相違する加工面の選択的切り替えは、
ワークの被折曲加工部の略直線部分や曲線部分の形状に
対応して生じるワークからの反力により自動的に行われ
る。この選択的切り替えで被折曲加工部の略直線部分と
曲線部分の均一なヘミング加工化が容易になり、ワーク
に対して1種類のヘム刃の使用が可能となる。
【0018】また、本発明方法は、ワークの連続する被
折曲加工部に沿って横移動するロボットアームに振動源
を介してヘム刃を装着すると共に、このヘム刃を弾性部
材でワークの被折曲加工部に沿う横方向に弾性変位可能
に支持し、ヘム刃でワークの連続する被折曲加工部を振
動を加えながら振動方向に押圧して折り曲げ、そのまま
ヘム刃を被折曲加工部に沿って横移動させて被折曲加工
部を連続的に折り曲げ、ヘム刃をロボットアームで横移
動させる際に、ヘム刃の被折曲加工部との接触抵抗によ
る負荷でヘム刃の横移動速度をロボットアームより遅ら
し、この遅れ量が所定値になると先行するロボットアー
ムの横移動速度を係止して前記弾性部材の弾性力で後行
するヘム刃の追い付きを待ち、ヘム刃がロボットアーム
に所定量まで追い付くとロボットアームを再度元の横移
動速度で前進させることを特徴とする。
【0019】即ち、ヘム刃をワークの被折曲加工部に振
動させながら押し付けてロボットアームで横移動させる
と、被折曲加工部が正規な位置まで十分に折り曲げられ
ている場合は、この被折曲加工部からヘム刃が受ける負
荷が小さくてヘム刃はロボットアームに遅れ量少なくし
て横移動し、被折曲加工部の折り曲げ量が不十分である
場合はヘム刃が受ける負荷が大きくなり、ロボットアー
ムからのヘム刃の遅れ量が大きくなる。そこで、ヘム刃
のロボットアームからの遅れ量が所定値に達するとロボ
ットアームの横移動速度を下げて(停止も含む)、ヘム
刃が追い付くのを待つようにすると、ヘム刃は常にワー
クの被折曲加工部を正規の折り曲げ加工量まで加工しな
がら横移動することになり、被折曲加工部を均一な厚さ
で高品質加工することが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、一実施例について図1乃至
図4を参照して説明する。尚、図5及び図6を含む全図
を通じて同一、又は、相当部分には同一符号を付して説
明の重複を避ける。
【0021】図1(A)と(B)はヘミング装置の部分
側面図と正面図で、ロボットアーム3の先端部にヘム刃
ユニット7とこれを振動させる振動源9が取付けられ
る。定位置に設置されたワーク1の被折曲加工部2の長
さ方向をX軸方向、このX軸方向と直交する方向である
ヘム刃ユニット7の振動方向をZ軸方向とすると、ロボ
ットアーム3の先端にヘム刃ユニット7と振動源9はZ
軸フリー機構11とX軸フリー機構12を介して設置さ
れる。
【0022】Z軸フリー機構11は、Z軸方向に変位可
能なZ軸スライド13と、Z軸スライド13をロボット
アーム3の先端にZ軸方向に変位可能に弾圧保持するZ
軸弾性部材14を有する。Z軸弾性部材14は、例えば
Z軸スライド13の上下に設置された一対のウレタンス
プリングで、Z軸スライド13を上下から例えば約10
0Kgの弾性荷重で図1(A)の中点位置に保持する。
【0023】Z軸スライド13の前面側にX軸フリー機
構12を介してヘム刃ユニット7と振動源9が設置され
る。X軸フリー機構12は、Z軸スライド13の前面に
X軸方向に設置されたレール15と、レール15にX軸
方向に変位可能に支持されたX軸スライド16と、X軸
スライド16をX軸方向に弾圧保持するX軸弾性部材1
7を有する。X軸弾性部材17はX軸スライド16の両
側端を弾圧する例えば一対の圧縮スプリングで、X軸ス
ライド16の両側端面とZ軸スライド13の前面両端か
ら突設したブラケット18の間に設置される。X軸弾性
部材17は、X軸スライド16を左右から例えば約30
Kgの弾性荷重で図1(B)の中点位置に保持する。
【0024】X軸スライド16の前面下部にヘム刃ユニ
ット7が設置され、前面上部に振動源9が設置される。
ヘム刃ユニット7は、Z軸方向に延在するツール8’、
ツール8’の先端に固定されたヘム刃8、ツール8’を
X軸スライド16の前面下部にZ軸方向に振動可能に支
持するガイド21を有する。ツール8’の基端と振動源
9がストローク調整ブラケット22を介して連結され
る。振動源9はツール8’に特定の周波数、振幅の振動
をZ軸方向に付与するもので、図1ではエアーシリンダ
が示されるが、電動モータ、油圧モータ等であってもよ
い。また、必要に応じてヘム刃ユニット7に重り23
が、振動源9にも重り24が後述する理由で脱着可能に
取付けられる。
【0025】図1のヘミング装置によるワーク1のヘミ
ング加工は、振動源9でヘム刃8をZ軸方向に振動させ
た状態を維持して、図2(A)〜(H)に示す要領で行
われる。ワーク1が自動車ドアのアウタパネルとインナ
パネルの場合、ヘム刃8を約10Hzの周波数、数mm
の振幅で振動させてワーク1の被折曲加工部2に押し付
け、ヘム刃8の振動エネルギーによるハンマリング効果
と押圧力で被折曲加工部2を順に折り曲げる。
【0026】例えば振動源9がエアーシリンダの場合、
このエアーシリンダを電磁弁で約10Hzの周波数でオ
ンオフ制御し、振幅をストローク調整ブラケット22で
2mm程度に設定しておいて、図2(A)に示すように
ヘム刃8をワーク1のZ軸方向に折曲された被折曲加工
部2の上端の一部に斜め方向から押し当て、そのまま図
2(B)に示すように前進させる。すると、被折曲加工
部2は振動するヘム刃8で振動を加えられながら押し曲
げられ、図2(C)に示すようにヘム刃8が一定量前進
してプリヘム加工が行われると、ヘム刃8は振動しなが
ら被折曲加工部2の長さ方向であるX軸方向に横移動し
て、被折曲加工部2の全長に亘るプリヘム加工が行われ
る。
【0027】被折曲加工部2をヘム刃8が一周して被折
曲加工部2の全長のプリヘム加工が完了すると、図2
(D)に示すようにヘム刃8がプリヘム加工された被折
曲加工部2から離れ、次に図2(E)のように被折曲加
工部2の真上に移動し、そのまま振動しながら下降して
プリヘム加工された被折曲加工部2を押圧して本ヘム加
工が開始される。この本ヘム加工は、図2(F)、
(G)の過程で行われ、被折曲加工部2の一部の本ヘム
加工が完了すると、ヘム刃8は振動しながらX軸方向に
横移動して被折曲加工部2の全長の本ヘム加工が行われ
る。本ヘム加工が終了すると、図2(H)に示すように
ヘム刃8が被折曲加工部2から離脱する。以上のヘム刃
8のX軸方向移動によるヘミング加工の要領を、図3及
び図4を参照して後述する。
【0028】振動するヘム刃8による被折曲加工部2の
ヘミング加工は、振動するヘム刃8が被折曲加工部2を
叩きながら折り曲げるハンマリング効果で確実に、か
つ、小エネルギーで行われる。そのため、ロボットアー
ム3でヘム刃8を被折曲加工部2に高加圧力で加圧する
必要が無くて、ロボットアーム3に小耐荷重ロボットを
適用して設備コストを低減することが可能となる。ま
た、ロボットアーム3でヘム刃8を被折曲加工部2に小
加圧力で押し付ければよいので、ヘミング加工時でのロ
ボットアーム3の撓みがほとんどなくて、ヘミング加工
前に行うティーチングがロボットアーム3の撓みを考慮
すること無く簡単、迅速に行うことができる。実際、テ
ィーチングを被折曲加工部の飛び飛びの要所だけで行う
ようにしても高精度の加工が可能となる。
【0029】また、振動するヘム刃8をワーク1の被折
曲加工部2に押し当てたとき、その振動エネルギーがX
軸フリー機構12、Z軸フリー機構11を介してロボッ
トアーム3に伝達されるが、この振動エネルギーの多く
がZ軸フリー機構11の弾性部材14で吸収されて、ロ
ボットアーム3の振動が抑制される。更に、ヘム刃8の
振動はヘム刃ユニット7、振動源9の振動を伴い、これ
ら各構成部所の振動でロボットアーム3が共振して機械
的ダメージを受けることが考えられるが、この共振はヘ
ム刃ユニット7の重り23、振動源9の重り24の重量
を夫々に調整することで問題無く抑制される。例えば、
ヘム刃8を周波数10Hz、振幅2mmで振動させた場
合、ヘム刃ユニット7の重り23を15Kg、振動源9
の重り24を45Kgに調整すると、ロボットアーム3
との重量バランスが適正となってヘム刃8の振動でロボ
ットアーム3がほとんど共振しない。このような重量バ
ランス調整による共振抑制策を実行することで、ヘム刃
8の適正な振動周波数を、より広帯域で設定できるよう
になる。
【0030】次に、ヘム刃8による被折曲加工部2のX
軸方向でのヘミング加工の動作要領を図3に基づき説明
する。ロボットアーム3で振動するヘム刃8を被折曲加
工部2の一部に押し付けながら正規の角度まで折り曲げ
た後、ヘム刃8を被折曲加工部2に沿ってX軸方向に横
移動させて被折曲加工部2を順に正規の角度まで折り曲
げる際に、被折曲加工部2との接触抵抗でヘム刃8に反
X軸方向に負荷が加わる。ここで、ヘム刃8はロボット
アーム3にX軸フリー機構12を介してX軸方向と反X
軸方向に変位可能に取付けられているので、ヘム刃8に
反X軸方向に加わる負荷でヘム刃8を反X軸方向に変位
させることが可能であり、このことを利用してヘム刃8
をロボットアーム3に対して図3(A)〜(D)のよう
に横移動させる。
【0031】まず、図3(A)に示すようにヘム刃8と
ロボットアーム3のセンターS1 、S2 が一致した状態
でロボットアーム3でヘム刃8をX軸方向に横移動させ
て被折曲加工部2を順にヘミング加工する。この加工時
においては、ヘム刃8に反X軸方向に加わる負荷によっ
てヘム刃8のX軸方向の横移動がロボットアーム3より
徐々に遅れる。図3(B)に示すようにロボットアーム
3のセンターS1 からヘム刃8のセンターS2 が所定の
距離Lだけ遅れると、これを光学センサー(図示せず)
等で検知してロボットアーム3の横移動速度を遅らせ、
例えば停止させる。するとヘム刃8だけがX軸フリー機
構12の弾性部材17によるX軸方向の弾圧力 (約3
0Kg)でX軸方向の横移動を続行し、図3(C)に示
すようにヘム刃8のセンターS2 が停止したロボットア
ーム3のセンターS1 へと近付き、そして、図3(D)
に示すように両センターS1 、S2 が一致すると、ロボ
ットアーム3を再度元の速度で横移動をさせる。ロボッ
トアーム3が停止してヘム刃8が追い付く間、ヘム刃8
は振動しながら被折曲加工部2を順にX軸方向に折り曲
げ加工する。以上のロボットアーム3の間欠的な横移動
と停止が繰り返し行われて、ヘム刃8による被折曲加工
部2の全長に亘るヘミング加工が行われる。
【0032】図3のように横移動するロボットアーム3
に対してヘム刃8を遅らせ、追い付かせる動作の繰り返
しで行われるヘミング加工の場合、被折曲加工部2のヘ
ム刃8で直接に加工される部所の加工精度を逐一確認し
ながら連続的に行え、加工精度の均一化、高精度化が容
易となる。実際、図3の要領で被折曲加工部2を加工す
ると、被折曲加工部2の各部所に加工のため加えられる
振動エネルギーの均一制御が容易となり、被折曲加工部
2の全長を最終的に本ヘム加工したときの全長での厚さ
[図3(D)の厚さdに相当]の均一化が容易となる。
【0033】尚、図3(B)のようにロボットアーム3
からヘム刃8が所定距離Lだけ遅れると、ロボットアー
ム3を停止させたが、横移動速度を遅らせてヘム刃8の
追い付きを待つようにしてもよい。また、ヘム刃8の遅
れ距離Lが大きくなり過ぎた場合は、異常発生としての
対処策を図るようにしてもよい。
【0034】次に、図4を参照してヘム刃8の形状とそ
の使い方を説明すると、ヘム刃8はワーク1の被折曲加
工部2を押圧して折り曲げる加工面Nが、その中央部か
ら両端部に至る程に曲率半径が小さくなる曲面に仕上げ
られる。加工面Nの曲率半径最大の中央部曲面n1 は、
ローラ式ヘミング装置に使用される最大径のローラの外
周面に相当して、図4(A)に示す被折曲加工部2の略
直線部分2aのヘミング加工に適するように曲率が設定
してある。また、加工面Nの曲率半径最小の両端部曲面
2 は、ローラ式ヘミング装置に使用される最小径のロ
ーラの外周面に相当して、図4(A)に示す被折曲加工
部2の曲線部分2bのヘミング加工に適するように曲率
が設定してある。
【0035】被折曲加工部2の略直線部分2aを加工す
る場合は、図4(B)に示すようにヘム刃8を略直線部
分2aに略垂直に当て、加工面Nの主として中央部曲面
1で略直線部分2aをヘミング加工すれば、適正な加
工が行える。また、仮に被折曲加工部2の曲線部分2b
を加工面Nの中央部曲面n1 でヘミング加工するとなる
と、曲率半径の大きな中央部曲面n1 が曲線部分2bか
ら一部食み出したりして適正な加工が難しくなることが
ある。
【0036】そこで、本発明においては、ヘム刃8が曲
線部分2bに移動してくると、図4(C)に示すように
ヘム刃8をX軸方向に傾けて加工面Nの主として曲率半
径の小さい端部曲面n2 で曲線部分2bをヘミング加工
するようにする。このヘム刃8の傾けは、ヘム刃8がワ
ーク1から受ける反X軸方向の反力()を利用して自
動的に行われる。すなわち、ヘム刃8が曲線部分2bに
達すると、ヘム刃8に作用するワーク1からの反力が
それまでよりも増大するが、この時にヘム刃8がX軸フ
リー機構12でX軸方向に弾性変位可能に支持されてい
るため、ヘム刃8はX軸弾性部材17の弾性力に抗して
図示のように傾斜する。この時のヘム刃8が受ける反X
軸方向の反力の大きさは、ワーク1の曲線部分の形状に
応じて決定されるため、ヘム刃8を曲線部分2bの曲率
に応じて適正角に傾斜させることができ、これにより、
加工面Nの端部曲面n2 が曲線部分2bに適正に当接し
て、曲線部分2bの適正なヘミング加工が可能となる。
かかる効果は、ヘム刃8を以上のようにヘム刃8の曲率
半径の相違する加工面Nの選択的使用によって、ワーク
1の被折曲加工部2の略直線部分2aや曲線部分2bの
いずれもが同一のヘム刃8で良好にヘミング加工するこ
とができる。従って、ヘム刃を多品種用意して交換する
手間が省け、ヘミング加工の作業能率の向上化が容易と
なり、また、ヘム刃を含む構成部品点数が少なくできて
設備コストの低減化が図れる。
【0037】
【発明の効果】請求項1のヘミング装置によると、大型
のプレス機を設置する必要もなく、また、ワークの種類
に応じて上側プレス金型を交換する手間も省けるので、
プレス方式に比べて設備の小型化を達成し、さらにワー
クの種類変更に柔軟に対応できる汎用性を持たせること
ができる。また、ヘム刃の振動エネルギーは常に一定で
あるから、ローラを使用する場合に比べて被折曲加工部
の厚さを均一にすることができ、高精度のロボット教示
を行わなくても高品質のヘム加工が行える。
【0038】請求項2および3のヘミング装置による
と、振動するヘム刃によるワークの被折曲加工部のヘミ
ング加工が小さい加圧力で行え、ロボットアームに小耐
荷重の低コストなものが適用できるので、ローラを使用
する場合に比べて設備コストの低減化が図れる。また、
振動するヘム刃でワークの被折曲加工部をヘミング加工
するときの振動エネルギーが弾性部材で吸収されてロボ
ットアームの振動によるダメージが抑制されるので、ロ
ボットアーム振動に伴うヘミング加工誤差が低減され、
加工精度の改善が図れる。
【0039】請求項4のヘミング装置によると、ヘム刃
を振動源で振動させたときに、振動周波数によってはロ
ボットアームが共振することがあるが、この共振がヘム
刃と振動源の重りの重量調整で抑制できて、ヘム刃の振
動周波数が広帯域で設定できるようになり、汎用性の良
いヘミング装置が提供できる。
【0040】請求項5のヘミング装置によると、ワーク
の被折曲加工部の長さ方向の形状が略直線や曲線と相違
していても、この被折曲加工部の形状に対応してヘム刃
を自動的に傾けることができ、加工面の曲率半径の相違
するいずれかの面が選択使用可能となる。したがって、
被折曲加工部の全長を1つのヘム刃で良好にヘミング加
工することが可能となり、ヘム刃交換等の作業手間が省
略できて作業能率改善と設備コストの低減化が図れる。
【0041】請求項6のヘミング方法によると、ロボッ
トアームでヘム刃を横移動させてワークの被折曲加工部
を順にヘミング加工するときに、ヘム刃がロボットアー
ムに少し遅れては追い付く動作を繰り返して被折曲加工
部を順にヘミング加工していくので、ロボットアームに
対するヘム刃の遅れ量を検知することで、ヘム刃で加工
されている現時点での被折曲加工部の加工精度を観察し
ながら加工を進めることが可能となり、厳密なティーチ
ングを不要とすると共に、ヘミング加工の均一化、高精
度化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は本発明ヘミング装置の実施例を示
す側面図、図1(B)はその正面図である。
【図2】図2(A)〜(H)は図1のヘミング装置によ
るヘミング加工動作を示す各加工工程での断面図であ
る。
【図3】図3(A)〜(D)は図1のヘミング装置によ
るヘム刃横移動時でのヘミング加工動作の概略を示す各
加工工程での正面図である。
【図4】図4(A)はワークの被折曲加工部の平面図、
図4(B)及び(C)は図4(A)の2箇所におけるヘ
ム刃のヘミング加工時の状態を示す正面図である。
【図5】従来のローラ式ヘミング装置の側面図である。
【図6】図6(A)〜(D)は図5のヘミング装置によ
るヘミング加工動作を示す各加工工程での断面図であ
る。
【符号の説明】
1 ワーク 2 被折曲加工部 3 ロボットアーム 8 ヘム刃 N 加工面 9 振動源 14 弾性部材 17 弾性部材 23 重り 24 重り

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロボットアームに振動源を介してヘム刃
    を装着し、ワークの連続する被折曲加工部を振動源によ
    り駆動されるヘム刃で押圧して折り曲げ、そのままヘム
    刃を被折曲加工部に沿って横移動させて被折曲加工部を
    連続的に折り曲げることを特徴とするヘミング装置。
  2. 【請求項2】 ロボットアームに対してヘム刃を弾性部
    材を介してワークの被折曲加工部に沿った横移動方向に
    弾性変位可能に支持したことを特徴とする請求項1記載
    のヘミング装置。
  3. 【請求項3】 ロボットアームに対してヘム刃を弾性部
    材を介してヘム刃の振動方向に弾性変位可能に支持した
    ことを特徴とする請求項1記載のヘミング装置。
  4. 【請求項4】 上記ヘム刃とその振動源の少なくとも一
    方に、ヘム刃の振動でロボットアームが共振するのを抑
    制する重りを脱着可能に取付けたことを特徴とする請求
    項2又は3何れか記載のヘミング装置。
  5. 【請求項5】 上記ヘム刃のワークの被折曲加工部を押
    圧する加工面が、同加工面の中央部から両端部に至る程
    に曲率半径が小さくなる曲面であることを特徴とする請
    求項2乃至5何れか記載のヘミング装置。
  6. 【請求項6】 ワークの連続する被折曲加工部に沿って
    横移動するロボットアームに振動源を介してヘム刃を装
    着すると共に、このヘム刃を弾性部材でワークの被折曲
    加工部に沿う横方向に弾性変位可能に支持し、 ヘム刃でワークの連続する被折曲加工部を振動を加えな
    がら振動方向に押圧して折り曲げ、そのままヘム刃を被
    折曲加工部に沿って横移動させて被折曲加工部を連続的
    に折り曲げ、 ヘム刃をロボットアームで横移動させる際に、ヘム刃の
    被折曲加工部との接触抵抗による負荷でヘム刃の横移動
    速度をロボットアームより遅らし、この遅れ量が所定値
    になると先行するロボットアームの横移動速度を抑制し
    て前記弾性部材の弾性力で後行するヘム刃の追い付きを
    待ち、ヘム刃がロボットアームに所定量まで追い付くと
    ロボットアームを再度元の横移動速度で前進させること
    を特徴とするヘミング方法。
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