JPH1024540A - ポリプロピレン系樹脂発泡積層板及び該積層板よりなる仕切り材 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂発泡積層板及び該積層板よりなる仕切り材

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JPH1024540A
JPH1024540A JP19960496A JP19960496A JPH1024540A JP H1024540 A JPH1024540 A JP H1024540A JP 19960496 A JP19960496 A JP 19960496A JP 19960496 A JP19960496 A JP 19960496A JP H1024540 A JPH1024540 A JP H1024540A
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polypropylene resin
resin foam
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sheet
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JP19960496A
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Koichi Wakabayashi
功一 若林
Koichi Ishikawa
光一 石川
Kazuhiko Morita
和彦 森田
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Original Assignee
JSP Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通い箱内の仕切り材用として従来から用いら
れている、ポリプロピレン発泡板や、プラスチック段ボ
ール板等は、加工性が悪かったり洗浄しての再利用が困
難という問題があり、また表面が硬いために電子部品や
光学部品等を収納する際に、これらを傷付ける虞れがあ
った。 【解決手段】 本発明のポリプロピレン系樹脂発泡積層
板は、密度0.06〜0.3g/cm3 、厚み1〜7m
mの板状無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体と、該無架
橋ポリプロピレン系樹脂発泡体の少なくとも片面に積層
された、厚みが0.3〜3.0mmの柔軟なポリオレフ
ィン系樹脂発泡シートとからなるもので、本発明の積層
板は30〜2000g/25mmの曲げ弾性率、60以
下の表面硬度を有し、剛性、表面柔軟性に優れ、仕切り
材として好適に利用し得るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリプロピレン系樹
脂発泡積層板及び該積層板よりなる仕切り材に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】会社や
工場等において、製品や中間製品を一つの部署から他の
部署へ移送したり、一時的に保管しておくために、従来
より通い箱と呼ばれる簡易的な包装箱が使用されてい
る。通常、通い箱内には、収納する製品間を仕切りるた
めの仕切り材が設けられている。この種の仕切り材とし
て、これまで段ボール板を組み合わせてなるものが使用
されていたが、段ボール板製の仕切り材は、素材から紙
粉が出て製品を汚染するという問題があった。また段ボ
ール板製の仕切り材は耐水性、耐油性に乏しいため、長
期間に亘る繰り返し使用に耐えないという問題があっ
た。
【0003】一方、仕切り材の素材として合成樹脂製の
ものを用いれば、段ボール板製の仕切り材の上記問題を
解決できる。段ボール板製の仕切り材に代わるものとし
て、例えばTダイから押出発泡して得た密度0.5〜
0.3g/cm3 程度(発泡倍率2〜3倍程度)の低発
泡のポリプロピレン系樹脂発泡板よりなるものが用いら
れていた。しかしながら低発泡のポリプロピレン系樹脂
発泡板は段ボール板に比べて重く、また剛性が高過ぎる
ために加工性が悪いという問題があった。
【0004】このような低発泡のポリプロピレン系樹脂
発泡板の問題点を解決し得るものとして、本出願人は密
度が0.3〜0.06g/cm3 (発泡倍率3〜15倍
程度)で発泡板の厚み方向の平均気泡径と押出方向の平
均気泡径の比、及び発泡板の厚み方向の平均気泡径と厚
み方向の平均気泡径の比を特定の範囲に規定したポリプ
ロピレン系樹脂発泡板を先に提案した(特願平7−62
023号)。
【0005】ところで、近年、コンピューター等の電子
部品、光学部品や自動車用部品の中には、表面に傷が付
くと製品の性能を著しく低下させる虞れのあるものがあ
り、このような部品を収納する通い箱内の仕切り材とし
て、表面の柔軟性(表面柔軟性)に優れたものが求めら
れている。しかしながら、前記した段ボール板や発泡倍
率2〜3倍程度の低発泡のポリプロピレン系樹脂発泡板
よりなる仕切り材は表面柔軟性を有するものではなく、
また特願平7−62023号に記載のポリプロピレン系
樹脂発泡板は発泡倍率2〜3倍程度の低発泡のポリプロ
ピレン系樹脂発泡板よりは柔軟であるが、表面柔軟性は
充分とは言い難かった。またポリプロピレン系樹脂発泡
板を更に高発泡倍率にすると、表面柔軟性は向上するも
のの剛性が著しく低下し、通い箱内で製品を確実に区画
して収納することができなくなる等の問題があった。
【0006】一方、段ボール板に代えてプラスチック製
の段ボール板表面に柔軟なポリオレフィン系樹脂発泡シ
ートを積層した複合板からなる仕切り材も提案されてい
る。この複合板はプラスチック製の段ボール板を基材と
しているために高い剛性を有し、しかも表面に柔軟な発
泡シートが積層されているため表面柔軟性も有するもの
である。また耐水性があるため洗浄が可能である。しか
しながらプラスチック製の段ボールも紙製の段ボールと
同様に、表面材と裏面材との間に波板材を介在させた中
空状構造を有するものであるため、洗浄すると段ボール
板の中空部内に水が浸入して残留するため、精密部品等
を収納する通い箱の仕切り材として利用する場合、洗浄
して再使用することができないという問題がある。また
プラスチック製段ボール板は、非発泡の表面材と裏面材
との間に非発泡の波板材を介在させたものであるため、
加工性が悪く、また紙製段ボール板に比べて重く、しか
も縁部が紙製の段ボール板よりも更に固く鋭利であるた
めに作業者が手を切りやすいという問題もあった。
【0007】このように、従来から仕切り材として用い
られている素材はいずれも、耐水性、耐油性、軽量性、
剛性、加工性及び表面柔軟性等の特性を充分に満足し得
るものではなく、剛性を高めようとすると加工性や表面
柔軟性が低下し、軽量性や表面柔軟性を高めようとする
と剛性が低下するといった問題を有していた。
【0008】本発明は上記の点に鑑みなされたもので、
耐水性、耐油性を有し、剛性を有していながら軽量性、
加工性及び表面柔軟性に優れたポリプロピレン系樹脂発
泡積層板を提供することを目的とする。また本発明はこ
のポリプロピレン系樹脂発泡積層板からなる仕切り材を
提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち本発明のポリプロピ
レン系樹脂発泡積層板は、密度0.06〜0.3g/c
3 、厚み1〜7mmの板状無架橋ポリプロピレン系樹
脂発泡体と、該無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体の少
なくとも片面に積層された、厚みが0.3〜3.0mm
の柔軟なポリオレフィン系樹脂発泡シートとからなるこ
とを特徴とする。
【0010】本発明の積層板は、板状無架橋ポリプロピ
レン系樹脂発泡体の基材樹脂が、230℃における樹脂
の線形領域内における動的粘弾性測定によって与えられ
る、角周波数:ω(rad/sec.)と、貯蔵弾性
率:G´(dyn/cm2 )との下記近似式(1)に示
す関係において、0<α≦1.00、3.65≦β≦
4.50である動的粘弾性挙動を示すものが好ましい。
【0011】
【数2】 logG´= α・logω + β ・・・・ (1) (但し、α及びβは、logω=−1、logω=0に
対応するlogG´の2点間の傾き及び切片であ
る。)。
【0012】また本発明の積層板において、柔軟なポリ
オレフィン系樹脂発泡シートは、密度0.02〜0.0
6g/cm3 、シート最表面に位置する気泡の密度が7
0〜200個/cm2 のポリプロピレン系樹脂発泡シー
トであることが好ましい。
【0013】本発明の仕切り材は、上記ポリプロピレン
系樹脂発泡積層板からなるものである。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明のポリプロピレン系
樹脂発泡積層板1の一例を示し、この発泡積層板1は、
板状ポリプロピレン系樹脂発泡体2の両面に柔軟なポリ
オレフィン系樹脂発泡シート3を積層してなる構造を有
する。ポリオレフィン系樹脂発泡シート3は板状ポリプ
ロピレン系樹脂発泡体2の片面側のみに積層されていて
も良いが、積層板1の両面側の表面柔軟性を高める上で
両面側に積層されているものが好ましい。
【0015】板状ポリプロピレン系樹脂発泡体2は、密
度0.06〜0.3g/cm3 、好ましくは0.09〜
0.2g/cm3 を有し、且つ厚み1〜7mm、好まし
くは2〜5mmのものである。発泡体2の密度が0.0
6g/cm3 未満では剛性が不充分となり、0.3g/
cm3 を超えると軽量性、加工性が低下する。また厚み
が1mm未満であると剛性が不充分となり、7mmを超
えると軽量性、加工性が低下し、通い箱、仕切り材等の
包装材として使用する場合は収納部内容積の減少につな
がる。
【0016】上記板状ポリプロピレン系樹脂発泡体2を
構成する無架橋ポリプロピレン系樹脂としては、プロピ
レン単独重合体、プロピレンと他のオレフィンとの共重
合体等が挙げられる。プロピレンと共重合可能な他のオ
レフィンとしては、エチレン、1−ブテン、イソブテ
ン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキ
セン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、
4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン
等が挙げられる。これらは1種又は2種以上用いること
ができる。プロピレン系共重合体はブロック共重合体で
もランダム共重合体でも良く、更に上述の通り二元系の
みならず三元系共重合体であっても良い。プロピレン系
共重合体における上記オレフィン含有率は、0.2〜3
0重量%、特に1〜15重量%が好ましい。上記プロピ
レン系樹脂のうちでも、プロピレンとα−オレフィンと
の共重合体が好ましく、特にプロピレンとエチレン及び
/又は1−ブテンとの共重合体が好ましい。尚、靱性向
上のために上記プロピレン系樹脂に、エチレン−プロピ
レンラバー等のゴム成分を3〜30重量%混合しても良
い。本発明における無架橋とは、溶融特性改善のために
微架橋したものも含む。具体的にはゲル分率で15重量
%未満のものまで本発明で言う無架橋の範囲に含む。
尚、ゲル分率は、沸騰キシレン中で15時間抽出操作を
行い、樹脂の抽出残量の抽出前重量に対する100分率
として求められる。
【0017】上記発泡体2の基材樹脂としては、230
℃における樹脂の線形領域内における動的粘弾性測定に
よって与えられる角周波数:ω(rad/sec.) と、貯蔵弾
性率:G´(dyn/cm2 ) との間に、ω=0.1〜1(l
ogω=−1〜0)の範囲内において、下記近似式
(1)が成り立ち、この式(1)においてαの値が0<
α≦1.00、特に0.70<α≦1.00であり、ま
たβの値が3.65≦β≦4.50、特に3.85≦β
≦4.35であるものが好ましい。
【0018】
【数3】 logG´= α・logω + β ・・・・(1)
【0019】上記近似式(1)において、αはlogG
´を縦軸に、logωを横軸とする座標に、logω=
−1とその時のlogG´の値及び、logω=0とそ
の時のlogG´の値の2点をプロットすることにより
求められる式(1)で示される直線の傾きであり、βは
式(1)で示される直線がlogω=0(ω=1)の時
に縦軸と交差する切片を示す。図2に、上記(1)式に
おいて、αが1.00でβが3.65の直線(符号aを
附して示す。)、αが1.00でβが4.50の直線
(符号bを附して示す。)をそれぞれ示す。
【0020】角周波数:ω(rad/sec.) と、貯蔵弾性
率:G´(dyn/cm2 ) との間に、上記(1)で示す近似
式が成り立ち、この近似式(1)において0<α≦1.
00、3.65≦β≦4.50なる関係の樹脂を用いる
と、得られる板状ポリプロピレン系樹脂発泡体は独立気
泡率の高い(65%以上)、気泡形状の均一な、剛性及
び靱性の高い発泡体となる。また密度及び厚みの調整が
容易で軽量性、剛性に優れる、ニーズに応じた多品種の
ものが製造可能となる。
【0021】上記樹脂の動的粘弾性は、動的粘弾性試験
機(例えばレオメトリックスファーイースト株式会社製
の動的粘弾性試験機:SR200型等)によって、応力
制御方式により、線形領域内で測定される。例えば、線
形領域内での測定は応力を5000dyn/cm2 とする。
尚、応力制御方式での測定において、ポリプロピレン系
樹脂は最大周波数100rad/sec.まで測定を行う場合、
応力が2000〜50000dyn/cm2 であれば線形領域
内となる。また言うまでもなく、線形領域とは、歪率と
応力とが比例関係にある領域のこと、即ち貯蔵弾性率等
の粘弾性の測定値が応力の影響を受けない範囲のことで
ある。動的粘弾性試験では、厚さ約2mmの測定サンプ
ル樹脂板を直径25mmのパラレルプレートの間に挟
み、230℃に達するまで約10分放置し、その後、樹
脂板を僅かに押さえ付けて樹脂板とパラレルプレートの
なじみを良くし、更に溢れ出た樹脂を削り取ってから角
周波数:ωを変化させ、角周波数に対応した貯蔵弾性
率:G´を測定する。
【0022】尚、動的粘弾性測定は押出発泡に使用する
樹脂を測定サンプル(但し、無機物を高充填するような
場合は、無機物を含有するもの)として使用する。参考
までに押出発泡後の発泡体をヒートプレスにより脱泡さ
せ樹脂板として動的粘弾性測定を行うと、貯蔵弾性率は
押出発泡に使用した樹脂の値と比較して小さな値となる
場合があるため、押出発泡に使用する樹脂を測定サンプ
ルとする必要がある。また、230℃における動的粘弾
性の測定は、発泡温度にて押出発泡される溶融樹脂が押
出機ダイスから押出され気泡形成から発泡体固化までの
温度低下にともなう粘弾性体の弾性率変化を、角周波数
低下にともなう弾性率変化と対応させて求めた場合、ポ
リプロピレン系樹脂の温度低下に伴う弾性率変化の挙動
を顕著に表すことのできる動的粘弾性測定温度条件とし
て採用されるものである。
【0023】角周波数と貯蔵弾性率との間に上記した特
定の関係を有するポリプロピレン系樹脂は、例えばポリ
プロピレン系樹脂を重合する際の重合触媒としてメタロ
セン触媒を用いるとか、低分子量のポリプロピレンを含
む線状ポリプロピレン系樹脂に放射線を照射する等によ
って調製される。
【0024】上記したように、本発明において基材樹脂
として用いるポリプロピレン系樹脂は、角周波数と貯蔵
弾性率との間に特定の関係を有するポリプロピレン系樹
脂が好ましいが、この樹脂に他のポリプロピレン系樹脂
や、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、エ
チレン−ブテン共重合体、エチレン−無水マレイン酸共
重合体等のエチレン系樹脂、ブテン系樹脂、ポリ塩化ビ
ニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル
系樹脂、スチレン系樹脂等を混合して用いることもでき
る。しかしながら、角周波数と貯蔵弾性率との間に特定
の関係を有するポリプロピレン系樹脂に他の樹脂を混合
する場合には、角周波数と貯蔵弾性率との間に上記関係
が成り立つ範囲内で混合することが好ましい。
【0025】一方、上記発泡体2に積層される柔軟なポ
リオレフィン系樹脂発泡シート3は、厚みが0.3〜
3.0mmであることが必要である。発泡シート3の厚
みが0.3mm未満では表面柔軟性が不充分となり、
3.0mmを超えると過剰品質となり、しかも取扱い
性、軽量性に劣るものとなる。発泡シート3は特に厚み
が0.5〜1.5mmのものが好ましい。また、この発
泡シート3は密度が0.018〜0.06g/cm3
ものが好ましい。
【0026】発泡シート3を構成するポリオレフィン系
樹脂としては、上記発泡体の基材として用いられると同
様のポリプロピレン系樹脂の他に、高密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、
直鎖状超低密度ポリエチレン、エチレン−無水マレイン
酸共重合体等のポリエチレン系樹脂、ポリブテン等が挙
げられる。発泡シート3は、ポリプロピレン系樹脂より
なるものが好ましく、特に発泡体2と同一の樹脂を用い
ると、樹脂のリサイクルが可能となるため好ましい。ま
た上記発泡シートは、上記ポリオレフィン系樹脂を基材
とする架橋発泡シートであってもかまわない。
【0027】発泡シート3が無架橋ポリプロピレン系樹
脂よりなる場合、図3に示すようにシート3の表面には
所謂スキン層がなく、発泡シート3の表面層は気泡壁に
よって構成されているため、発泡シート3として該無架
橋ポリプロピレン系樹脂発泡シートを用いる場合、密度
が0.02〜0.06g/cm3 、特に0.025〜
0.05g/cm3 のものが好ましく、また最表面に位
置する気泡4、4・・・の密度が70〜200個/cm
2 、特に90〜150個/cm2 のものが表面柔軟性に
優れるため好ましい。上記したような密度及び最表面の
気泡密度を有する無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シー
トを積層すると、積層板1の剛性は維持したまま表面柔
軟性が向上し、リサイクル性に優れたものとなるため好
ましい。
【0028】上記板状ポリプロピレン系樹脂発泡体2
や、ポリオレフィン系樹脂発泡シート3は、押出機内で
樹脂と発泡剤とを溶融混練した後、押出機内から押出し
て発泡させる押出発泡法によって製造することができ
る。発泡剤は、この種の発泡体や発泡シートの製造に用
いられている公知の揮発性発泡剤や無機ガス系発泡剤、
或いは分解型発泡剤から適宜選択して用いることができ
る。
【0029】本発明の発泡積層板1は、打ち抜き加工や
裁断加工等を施した後、組み合わせて、例えば図4に示
すような仕切り材5として使用することができる。本発
明の積層板1は曲げ強度が30〜2000g/25mm
を有する。曲げ強度が2000g/25mmを超えるも
のは、仕切り材5として使用する際の打ち抜き加工や裁
断加工が困難となるとともに、弾性変化量が少ないため
仕切り材5の収納部6内への製品の収納が困難となる。
また曲げ強度が30g/25mm未満であると腰が弱す
ぎて仕切り材5とした時に収納物を確実に区画して収納
することが難しくなる。本発明の積層板1は、特に曲げ
強度が350〜1400g/25mmのものが適度な腰
の強さを有するとともに加工性に優れ、仕切り材5の素
材として好適である。曲げ強度は基本的に、板状無架橋
ポリプロピレン系樹脂発泡体の物性に因るものであり、
該発泡体の密度、厚み、気泡形状、気泡膜厚み等により
調整できる。上記曲げ強度は、JIS K7203に準
拠し、サンプルサイズを25mm(幅)×150(長
さ)mm×サンプル厚みとし、加圧楔及び支持台の半径
5mm、支持台のスパン50mm、ヘッド速度10mm
/分の条件で測定し、加圧楔がサンプルを5mm押し下
げた時にロードセルで検知される荷重をその値とした。
尚、サンプルの切出し方向(押出方向又は幅方向)や表
裏で測定値が相違する場合、最小の値をもって曲げ強度
とする。
【0030】また本発明の積層板1は、好ましくはゴム
協会標準規格SRIS 0101スプリングかたさ試験
法による、試験温度23℃における表面硬度が60未満
であるが、特に55未満のものが好ましい。この表面硬
度は、表面硬度が100の目盛を示す際の荷重が855
gである(タイプC)、例えばアスカーゴム硬度計によ
って測定することができる。
【0031】板状ポリプロピレン系樹脂発泡体2とポリ
オレフィン系樹脂発泡シート3とは、熱ラミネート法や
接着剤による接着法によって積層することができる。ま
た発泡体2との熱ラミネート性を有さない発泡シート3
を発泡体2に積層する場合、感熱型接着剤を発泡シート
3の接着面に予め塗布しておくことにより、熱ラミネー
ト法による積層が可能となる。感熱型接着剤としては、
オレフィンと酢酸ビニル、アクリル酸、無水マレイン酸
等との共重合体からなるオレフィン系感熱接着剤の使用
が好ましい。
【0032】本発明の積層板1は通い箱内の仕切り材と
しての利用に限らず、通い箱本体、アルミサッシの積層
保管時に使用される合紙等としても使用できる。また、
更に用途によってはポリオレフィン系樹脂発泡シート及
び/又は板状無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体に、ポ
リプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエ
ステルフィルム、アルミ蒸着合成樹脂フィルム等の合成
樹脂フィルムや合成樹脂複合フィルムを積層接着したも
のも使用できる。
【0033】
【実施例】以下、実施例、比較例を挙げて本発明を更に
詳細に説明する。尚、実施例、比較例において使用した
板状ポリプロピレン系樹脂発泡体の種類を表1に、ポリ
オレフィン系樹脂発泡シートの種類を表2に示す。
【0034】
【表1】
【0035】※1:基材樹脂のα、βの値は、前記
(1)の近似式におけるα、βの値である。 ※2:独立気泡率はエアピクノメーター法(ASTM
D 2856)により求めたもので、一辺25mmの正
方形サンプルを、厚みが約3.5cmとなる枚数を積み
重ねたものを測定用サンプルとして用いた。エアピクノ
メーター法で求めた測定用サンプルの実容積:Vx(cm
3 )、測定用サンプルの外寸から求められる見掛け容
積:Va(cm3 )より下記式により連続気泡率:Fo
(%)を求め、この連続気泡率の値、発泡体密度:ρf
(g/cm3 ) 、及び樹脂密度:ρs(g/cm3 ) より、
下記式により独立気泡率:Fc(%)を求めた。 連続気泡率:Fo(%)=〔(Va−Vx)/Va〕×
100 独立気泡率:Fc(%)=100−Fo−〔(ρf/ρ
s)×100〕 ※3:気泡の均一性は、気泡断面を顕微鏡にて観察し、
気泡形状の同一性について判断した。
【0036】
【表2】
【0037】実施例1〜5、比較例1〜4 上記表1に示した板状無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡
体と、表2に示したポリオレフィン系樹脂発泡シートと
を、表3に示すように組み合わせて同表に示す積層法に
より積層し、表3に示す積層板を得た。得られた積層板
の性状(比較例1、2はポリオレフィン系樹脂発泡シー
トを積層していないものの性状)を測定した結果を表3
に合わせて示す。尚、表3に示す加工性及び表面保護性
の評価基準は、以下の通りである。
【0038】※4加工性 JIS K7203に準拠した曲げ強度試験において、
サンプルを5mm押し下げた時にロードセルに検知され
る荷重を曲げ強度とし、 2000g/25mm以下・・・・・・○ 2000g/25mm超 ・・・・・・× として判定した。 ※5表面保護性 SRIS 0101により測定される表面硬度(タイプ
Cで測定)が、 55未満 ・・・・・・・・○ 55以上、60未満 ・・・・・・△ 60以上 ・・・・・・・・× として判定した。
【0039】
【表3】
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明のポリプロピ
レン系樹脂発泡積層板は、密度0.06〜0.3g/c
3 、厚み1〜7mmの板状無架橋ポリプロピレン系樹
脂発泡体の少なくとも片面に、厚みが0.3〜3.0m
mの柔軟なポリオレフィン系樹脂発泡シートを積層した
構成としたことにより、適度な剛性を有していながら、
軽量性、加工性に優れ、また表面柔軟性にも優れてい
る。また板状ポリプロピレン系樹脂発泡体の基材樹脂と
して、230℃における樹脂の線形領域内においける動
的粘弾性測定によって与えられる、角周波数と、貯蔵弾
性率との間に特定の近似式が成り立ち、該近似式の直線
の傾きと切片とが特定の範囲にある樹脂を用いると、独
立気泡率が高く、気泡形状が均一な、剛性、靱性に優れ
た良好なものが得られる効果がある。更に板状ポリプロ
ピレン系樹脂発泡体に積層するポリオレフィン系樹脂発
泡シートとして、ポリプロピレン系樹脂からなる密度
0.02〜0.06g/cm3 、シート最表面の気泡の
密度が70〜200個/cm2 である発泡シートを用い
ると、表面柔軟性を向上し、リサイクル性に優れたもの
となる。
【0041】本発明の積層板は打ち抜き加工、裁断加工
等の加工性に優れ、また曲げ強度が30〜2000g/
25mm、表面硬度が60未満という特性を有し、剛性
及び表面柔軟性に優れているため、本発明の積層板から
得た仕切り材は、収納した製品を確実に保持することが
できるとともに、製品の保護性にも優れている等の効果
を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡積層板の縦
断面図である。
【図2】ポリプロピレン系樹脂の動的粘弾性の一例を示
し、ポリプロピレン系樹脂の230℃における動的粘弾
性測定によって得られる角周波数:ωに対応した貯蔵弾
性率:G´を、logωを横軸とし、logG´を縦軸
とする座標にプロットした直線を示す。
【図3】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡積層板にお
ける、ポリプロピレン系樹脂発泡シートの拡大断面図で
ある。
【図4】本発明積層板から形成した仕切り材の一例を示
す斜視図である。
【符号の説明】
1 ポリプロピレン系樹脂発泡積層板 2 板状ポリプロピレン系樹脂発泡体 3 ポリオレフィン系樹脂発泡シート 5 仕切り材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密度0.06〜0.3g/cm3 、厚み
    1〜7mmの板状無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体
    と、該無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体の少なくとも
    片面に積層された、厚みが0.3〜3.0mmの柔軟な
    ポリオレフィン系樹脂発泡シートとからなることを特徴
    とするポリプロピレン系樹脂発泡積層板。
  2. 【請求項2】 板状無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体
    の基材樹脂が、230℃における樹脂の線形領域内にお
    ける動的粘弾性測定によって与えられる、角周波数:ω
    (rad/sec.)と、貯蔵弾性率:G´(dyn/
    cm2 )との下記近似式(1)に示す関係において、0
    <α≦1.00、3.65≦β≦4.50である動的粘
    弾性挙動を示すことを特徴とする請求項1記載のポリプ
    ロピレン系樹脂発泡積層板。 【数1】 logG´= α・logω + β ・・・・ (1) (但し、α及びβは、logω=−1、logω=0に
    対応するlogG´の2点間の傾き及び切片である。)
  3. 【請求項3】 柔軟なポリオレフィン系樹脂発泡シート
    が、密度0.02〜0.06g/cm3 、シート最表面
    に位置する気泡の密度が70〜200個/cm2 のポリ
    プロピレン系樹脂発泡シートであることを特徴とする請
    求項1又は2に記載のポリプロピレン系樹脂発泡積層
    板。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のポリプ
    ロピレン系樹脂発泡積層板よりなる仕切り材。
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