JP2020183235A - 積層板、及び仕切り部材 - Google Patents

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直也 奥村
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Abstract

【課題】積層板と接触した物が傷つき難くなる積層板及び仕切り部材を提供すること。【解決手段】積層板10は、芯材11の少なくとも片面に発泡体である表皮材21が積層されたものである。積層板10では、表皮材21のうち芯材11と反対側の面における十点平均粗さRzが、5μm以上、50μm以下となっている。また、積層板10では、表皮材21の25%圧縮硬さが、0.01MPa以上、0.05MPa以下となっている。【選択図】図1

Description

本開示は、積層板、及び積層板を含む仕切り部材に関する。
従来より、発泡層を含む積層板は、例えば、複数の物を分けて箱詰めするための仕切り部材等、種々の用途に用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−24540号公報(段落[0029]、図4)
従来の積層板に対して、積層板と接触した物が傷つき難くなることが望まれている。
上記課題を解決するためになされた請求項1の発明は、芯材の少なくとも片面に発泡体である表皮材が積層された積層板であって、前記表皮材のうち前記芯材と反対側の面における十点平均粗さRzが、5μm以上、50μm以下であり、前記表皮材の25%圧縮硬さが、0.01MPa以上、0.05MPa以下である、積層板である。
請求項2の発明は、前記表皮材は、超臨界発泡体である、請求項1に記載の積層板である。
請求項3の発明は、前記表皮材の密度が、50kg/m以上、230kg/m以下である、請求項1又は2に記載の積層板である。
請求項4の発明は、前記芯材は、発泡体であり、前記芯材の発泡倍率は、前記表皮材の発泡倍率よりも低くなっている、請求項1から3のうち何れか1の請求項に記載の積層板である。
請求項5の発明は、前記表皮材は、前記芯材と反対側に、スキン層を有する、請求項1から4のうち何れか1の請求項に記載の積層板である。
請求項6の発明は、前記表皮材は、前記表皮材の表裏の両側に、スキン層を有する、請求項5に記載の積層板である。
請求項7の発明は、前記芯材と前記表皮材が、熱融着されている、請求項1から6のうち何れか1の請求項に記載の積層板である。
請求項8の発明は、前記表皮材は、前記芯材の両面に積層されている、請求項1から7のうち何れか1の請求項に記載の積層板である。
請求項9の発明は、請求項1から8のうち何れか1の請求項に記載の積層板が複数連結してなり、入れ物内を複数の収容空間に仕切る、仕切り部材である。
請求項1,9の発明では、表皮材のうち芯材と反対側の面が、十点平均粗さRzが5〜50μmとなった平滑性の高い面となっている。これにより、表皮材側から積層板に接触した物が傷つくことを抑制可能となる。さらに、表皮材の25%圧縮硬さが、0.05MPa以下であるので、表皮材側から積層板に接触した物が傷つくことをより抑制可能となる。また、表皮材の25%圧縮硬さが、0.01MPa以上であるので、表皮材を摩耗し難くすることが可能となる。
芯材を発泡体とすれば、積層板の軽量化が図られる。ここで、積層板に接触した物が傷つき難くなるように、積層板の発泡倍率を高くする(即ち、積層板を柔らかくする)ことが考えられるが、この場合、積層板の剛性が低下する。これに対し、請求項4の発明では、芯材の発泡倍率が表皮材の発泡倍率よりも低くなっているので、芯材によって積層板の剛性を確保することが可能となる。
請求項2の発明では、表皮材が超臨界発泡体であるので、表皮材の気泡を細かくすることができ、積層板の外面の平滑性を高くすることが容易となる。
請求項3の発明では、表皮材の密度が、230kg/m以下であるので、表皮材側から積層板に接触した物が傷つくことをさらに抑制可能となる。また、表皮材の密度が、50kg/m以上であるので、表皮材の強度が低くなって表皮材が摩耗し易くなることを抑制可能となる。
請求項5の発明では、表皮材のスキン層により、積層板において表皮材が構成する外面をより平滑にすることが可能となる。本発明によれば、スキン層により表皮材を摩耗し難くすることが可能となる。
請求項6の発明では、表皮材の表裏の両側にスキン層が形成されるので、芯材と表皮材を圧着する場合に、表皮材の気泡内の空気が抜け難くなり、表皮材が潰れて硬くなることを抑えることが可能となる。これにより、表皮材側から積層板に接触した物が傷つくことをより一層抑制可能となる。
請求項7の発明では、芯材と表皮材を接着剤によって一体化させる場合に比べて、VOC(揮発性有機化合物)等の発生が抑制でき、積層板を地球環境に優れたものとすることが可能となる。
請求項8の発明では、表皮材が芯材の両面に積層されるので、積層板に接触した物が、表側と裏側の何れから積層板に接触した場合でも、その物が傷つくことを抑制できる。
本開示の一実施形態に係る積層板の断面図 (A)積層板の表皮材周辺の拡大断面図、(B)別の例に係る積層板の表皮材周辺の拡大断面図 積層ラインの側面図 仕切り部材の斜視図 実施例及び比較例を示すテーブル
図1(A)に示されるように、本実施形態の積層板10は、芯材11の表裏の両面に表皮材21が積層されてなる。本実施形態では、芯材11と表皮材21は共に、発泡体であり、芯材11と各表皮材21は熱融着されている。
芯材11の発泡倍率は、表皮材21の発泡倍率よりも低くなっている。芯材11を構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。なお、芯材11は、連続気泡構造でも独立気泡構造でもよい。
表皮材21には、スキン層22が形成されている。本実施形態では、図2(A)に示されるように、スキン層22は、表皮材21の表裏の両側の表層部に設けられている。スキン層22は、表皮材21のうちスキン層22よりも厚み方向内側の内層部に比べて、密度が高くなっている。本実施形態では、表皮材21が、スキン層21を芯材11と反対側の面である最外面21Aに有することで、積層板10において表皮材21が構成する外面をより平滑にすることが可能となる。
なお、スキン層22を表裏の両側に有する表皮材21の代わりに、スキン層22を片面側のみに有する表皮材21が設けられていてもよい。この場合、図2(B)に示されるように、スキン層21は、表皮材21の最外面21A(即ち、積層体10の外面)に設けられていることが好ましい。なお、表皮材21は、例えば、スキン層22を表裏の両側に有する表皮材21を、半分にスライスすることで得ることができる。
表皮材21の最外面21A(即ち、積層板10の外面)における十点平均粗さRz(JIS B 0601に準拠)は、5μm以上、50μm以下となっていて、5μm以上、30μm以下がより好ましい。また、表皮材21の25%圧縮硬さ(JIS K 6767に準拠)は、0.01MPa以上、0.05MPa以下となっている。また、表皮材21の密度(見掛け密度。JIS K 7112に準拠)は、50kg/m以上、230kg/m以下であることが好ましい。
表皮材21は、超臨界発泡体であることが好ましい。表皮材21が超臨界発泡体であると、表皮材21の気泡を細かくすることができ、積層板10の外面の平滑性を高くすることが容易となる。超臨界発泡体とは、樹脂組成物に、超臨界状態の不活性ガスを発泡剤として分散させて、減圧しながら押出成形することによって(所謂、超臨界発泡成形法によって)得られる発泡体である。上記樹脂組成物としては、例えば、ポリオレフィンマトリックス中に、結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマー及び非結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマーを混合したオレフィン系樹脂組成物等が挙げられる。このオレフィン系樹脂組成物としては、結晶性オレフィン系熱可塑性エラストマーの配合量が、オレフィン系樹脂組成物の全体に対して、3質量%以上、32質量%以下となったものが好ましい。また、上記ポリオレフィンは、ポリプロピレン系樹脂であることが好ましく、さらに、ホモポリプロピレンであることが好ましい。上記不活性ガスとしては、二酸化炭素や窒素が挙げられるが、二酸化炭素が好ましい。また、表皮材21は、表皮材21をスライスしてスキン層を取り除いた断面(即ち、表皮材21の内層部の断面)において、その断面上に引いた長さ1mmの仮想直線に接触する気泡の数が、10個以上となっていることが好ましい。
積層板10は、以下のようにして製造される。まず、発泡体の芯材11を用意すると共に、超臨界発泡体の1対の表皮材21を、上述の超臨界発泡成形法により形成しておく。
次に、芯材11の両面に、1対の表皮材21がそれぞれ積層される。この積層工程は、例えば、図3に示される積層ライン50により行われる。積層ライン50では、芯材11を送給しながら、芯材11と、芯材11の表側と裏側とに送給される1対の表皮材21とを、貼り合わせる。具体的には、積層ライン50では、1対のヒータ51により、1対の表皮材21のうち芯材11側を向く面を熱風で加熱する。その後、ヒータ51よりも下流側に配置された1対の送りローラ52で、芯材11と芯材11の表裏に配置される1対の表皮材21とを、挟んで下流側へ送ることで、芯材11と1対の表皮材21とを熱融着させる。このとき、芯材11と各表皮材21が圧着されることで、表皮材21が圧縮される。本実施形態では、表皮材21の表裏の両側にスキン層22が設けられるので、この圧着の際に、表皮材21の気泡内の空気が抜け難くなり、表皮材21が潰れ難くなる。その結果、上記圧着によって硬くなることを抑えることが可能となる。なお、芯材11と表皮材21を熱融着させる際には、送りローラ52よりも上流側で、ヒータ51等によって芯材11の表面を加熱してもよい。
その後、1対の送りローラ52より下流側に配置されたカッター53により、芯材11と1対の表皮材21との積層体が、所定長にカットされて、積層板10が得られる。
積層板10の使用例としては、以下のものが挙げられる。図4には、積層板10を有する仕切り部材100が示されている。仕切り部材100は、両面に表皮材21が積層された積層板10が、複数連結してなり、部品などの入れ物110(通い箱、収納ケース等)の内部を複数の収容空間100Rに仕切る。図4に示す例では、仕切り部材100は、格子状をなしている。仕切り部材100としては、例えば、十字状、T字状、L字状、コの字状、井桁状、H字状等であってもよい。
なお、積層板10は、仕切り部材100に限らず、通箱等の入れ物本体(例えば、底部、側壁部、蓋部等)や、複数重ねられる薄形部材に挟まれる合紙や、物を載置する下敷き部材、等に用いることができる。
以上の例のように、積層板10が、例えば、他の物と接触し得る用途に用いられる場合等には、積層板10と接触した物に傷を付けないことが望まれる。
これに対し、本実施形態の積層板10では、表皮材21の最外面21Aが、十点平均粗さRzが5〜50μmとなった平滑性の高い面となっている。これにより、表皮材21側から積層板10に接触した物が傷つくことを抑制可能となる。さらに、表皮材21の25%圧縮硬さが、0.05MPa以下であるので、表皮材21側から積層板10に接触した物が傷つくことをより抑制可能となる。また、表皮材21の25%圧縮硬さが、0.01MPa以上であるので、表皮材21を摩耗し難くすることができる。
本実施形態の積層板10では、表皮材21の密度を、230kg/m以下とすることで、表皮材21側から積層板10に接触した物が傷つくことをさらに抑制可能となる。また、表皮材21の密度を、50kg/m以上とすることで、表皮材21の強度が低くなって表皮材21が摩耗し易くなることを抑制可能となる。
また、本実施形態では、表皮材21が芯材11の両面に積層されるので、積層板10に接触した物が、表側と裏側の何れから積層板10に接触した場合でも、その物が傷つくことを抑制できる。
本実施形態では、表皮材21のスキン層22により、積層板10において表皮材21が構成する外面をより平滑にすることが可能となる。これにより、表皮材21側から積層板10に接触した物が傷つくことを抑制可能となる。また、スキン層22により表皮材21を摩耗し難くすることが可能となる。
また、本実施形態では、表皮材21の表裏の両側にスキン層22が形成されるので、上述のように、芯材11と表皮材21を圧着する場合に、表皮材21が潰れて硬くなることを抑えることが可能となる。これにより、表皮材21側から積層板10に接触した物が傷つくことをより一層抑制可能となる。
本実施形態のように、芯材11を発泡体とすれば、積層板10の軽量化が図られる。ここで、積層板10に接触した物が傷つき難くなるように、積層板10の発泡倍率を高くする(即ち、積層板10を柔らかくする)ことが考えられるが、この場合、積層板10の剛性が低下する。これに対し、本実施形態の積層板10では、芯材11の発泡倍率が表皮材21の発泡倍率よりも低くなっているので、芯材11によって積層板10の剛性を確保することが可能となる。
本実施形態では、芯材11と表皮材21が熱融着されているので、芯材11と表皮材21を接着剤によって一体化させる場合に比べて、VOC(揮発性有機化合物)等の発生が抑制できる。これにより、積層板10を地球環境に優れたものとすることができると共に、積層板10が変色する虞も低減することが可能となる。
以下、実施例及び比較例によって上記実施形態をさらに具体的に説明するが、本開示の積層板は、以下の実施例に限定されるものではない。
1.積層板の構成
<実施例1〜4>
実施例1〜4では、上述の製造方法のようにして芯材11の両面に表皮材21が積層された積層板10を形成した。実施例1〜4の芯材11と表皮材21の詳細は、図5及び以下の通りである。
芯材; 無架橋ポリプロピレン樹脂の発泡シート(発泡剤:ブタン、見掛け密度(圧着前):200kg/m、発泡倍率(圧着前):5倍、厚み(圧着前):2.5mm)
表皮材; 株式会社イノアックコーポレーション製の商品名「FOLEC LZ−2000」(超臨界発泡体)
実施例1〜3では、スキン層22が、各表皮材21の両面に形成されている(図1及び図2(A)の構成)。実施例1〜3は、表皮材21の密度及び厚みが異なる。
実施例4では、スキン層22が、各表皮材21のうち芯材11側の面のみに、形成されている(即ち、積層板10の外面にスキン層22が露出していない)。実施例4の表皮材21は、実施例1の表皮材21と同様のものを半分にスライスしたものである。
なお、図5における表皮材21の「密度(圧着前)」、「厚み(圧着前)」とは、それぞれ、積層ライン50において芯材11と圧着する前の表皮材21の密度(見掛け密度)と厚みのことである。また、「密度(圧着後)」とは、積層ライン50において芯材11と圧着した後の表皮材21の密度(見掛け密度)である(即ち、積層板10が形成された後の表皮材21の密度である)。
<比較例1,2>
比較例1,2の積層板は、芯材の両面に1対の表皮材を積層したものである。各比較例における芯材と表皮材の詳細は、図5及び以下の通りである。比較例1,2では、芯材は、実施例1〜4の芯材11と同様のものを用いて、芯材と表皮材を熱融着させた。
比較例1では、表皮材として、無架橋ポリエチレン樹脂の発泡シート(超臨界発泡体ではない。発泡剤:ブタン)を用いた。
比較例2では、表皮材として、架橋ポリエチレン樹脂の発泡シート(株式会社イノアックコーポレーション製の「P・E−ライト」。化学発泡剤が使用されている)を用いた。
2.評価方法
<密度>
JIS K 7112に準拠して、表皮材の見掛け密度を測定した。表皮材の圧着後の見掛け密度は、積層板を形成した後に表皮材を芯材から分離して測定した。
<25%圧縮硬さ>
JIS K6767に準拠して、表皮材の25%圧縮硬さを測定した。具体的には、積層板を形成した後に、表皮材を芯材から分離して測定した。
<表面粗さ>
JIS B 0601に準拠して、表皮材の最外面(積層板の外面)における、中心線平均粗さRa、最大高さRmax、十点平均粗さRzを測定した。測定には、株式会社東京精密の表面粗さ計「Surfcom」を使用した。
<耐摩耗性>
JIS L0849の「摩擦に対する染色堅牢度試験」に準拠し、2型試験機(学振型)を用いて、耐摩耗性の評価を行った。具体的には、各実施例及び各比較例の積層板を、試験機の支持台に固定すると共に、試験機の摩擦子に、白綿布の代わりに綿汎布6号を取り付け、その綿汎布にて積層板を擦る試験を行った。摩擦子の押圧荷重を、9.8Nとし、摩擦子を、100mmのストロークにて毎分30回往復する速度で、 100回往復させた。
そして、上記試験後の積層板の外観を、目視にて確認し、耐摩耗性を評価した。積層板の摩耗が、全く認められない場合を◎、わずかに認められるがほとんど目立たない場合を〇、明らかに認められるが目立たない場合を△、やや著しい場合を×、かなり著しい場合を××、とした。また、上記試験による積層板の摩耗量を、試験前後の積層板の重量差として算出した。
<傷付性>
耐摩耗性の試験と同様に、JIS L0849の「摩擦に対する染色堅牢度試験」に準拠し、2型試験機(学振型)を用いて評価を行った。具体的には、ポリプロピレン樹脂製の試験シートを、試験機の支持台に固定すると共に、試験機の摩擦子に、白綿布の代わりに各実施例、各比較例の積層板(詳細には、積層板のカットサンプル)を取り付け、その積層板にて試験シートを擦る試験を行った。摩擦子の押圧荷重を、10Nとし、摩擦子を、500mmのストロークにて毎分30回往復する速度で、2000回往復させた。
そして、上記試験後の試験シートの外観を、目視にて確認し、傷付性を評価した。ここでいう「傷付性」とは、積層板で擦った相手(試験シート)に対しての、傷の付けにくさのことをいい、試験シートに傷が付いていないほど、評価が良いということになる。試験シートの外観において、全く傷が見えない場合を◎、わずかに傷が見える場合を〇、とした。また、試験後の試験シートの外観において、目立つ傷が見える場合を△以下とし、その目立つ傷が少ない場合を△、多い場合を×、とした。
<VOC発生量>
VDA−278に準拠して、VOC(揮発性有機化合物)の発生量を測定した。具体的には、積層板のカットサンプルを、ガラス管に充填して、90℃で30分間加熱した。これにより発生したガスを、GC−MSにより分析し、VOCの発生量を測定した。
<評価結果>
各実施例及び各比較例について、図5に記載された評価項目で、傷付性と耐摩耗性の評価が、共に◎である場合には総合評価を◎とし、前記評価に△、×、××が1つでも含まれる場合には、総合評価を×とし、それら以外の場合には、総合評価を〇とした。
図5に示されるように、実施例1〜4と、比較例1,2との比較から、十点平均粗さRzが50μm以下である実施例1〜4では、傷付性(傷付けにくさ)が〇以上と良好であると共に、耐摩耗性(摩耗しにくさ)についても〇以上と良好であることがわかる(摩耗量は測定されなかった)。なお、実施例1〜3は、比較例1,2に比べて、中心線平均粗さRaと最大高さRmaxも低くなっている。
実施例4の積層板10では、外面にスキン層22が配置されていないので、表面粗さ(十点平均粗さRz等)は、実施例1〜3の積層板10に比べて、大きくなっているが、超臨界発泡体の表皮材21を有する実施例4では、比較例1,2に比べて、表皮材21の外面が平滑となっていて(即ち、Rzが低くなっていて)、傷付性と耐摩耗性において十分な性能を発揮している(評価:〇)。外面にスキン層22が配置された実施例1〜3では、特に耐摩耗性が良好となっている(評価:◎)。
実施例1〜4の結果から、25%圧縮硬さや密度(圧着後)が低いほど(即ち、柔らかいほど)、傷付性が良好となる傾向があると共に、耐摩耗性についても良好となる傾向があることがわかる。また、表皮材21の表裏の両側にスキン層22を有する実施例1は、表皮材21の片面側のみにスキン層22を有する実施例4に対して、圧着前の密度が同じであるが、圧着後の密度が低くなっている(即ち、圧着後では柔らかい)。このように、表皮材21の表裏の両側にスキン層22が設けられている構成では、芯材11と表皮材21を圧着する際に、表皮材21が潰れて硬くなることを抑えることが可能となり、傷付性が良好になっていると考えられる。
実施例1〜4の積層板10では、架橋剤が含まれず、芯材11と表皮材21を熱融着させているので、架橋剤を含む比較例2の積層板に比べて、VOCの発生量を200ppm未満と低く抑えられることがわかる。
以上の結果から、十点平均粗さRzを5〜50μmとし、25%圧縮硬さを0.01〜0.05MPaとした実施例1〜4では、傷付性(傷付けにくさ)が良好になると共に、表皮材21が摩耗し難くなり、さらに、VOCの発生量も抑えられることがわかった(総合評価:〇以上)。
[他の実施形態]
(1)上記実施形態では、表皮材21が、芯材11の表裏の両面に積層されていたが、芯材11の片面のみに積層されていてもよい。この構成では、積層板10を、例えば入れ物110の底部や側壁部や蓋部に用いる場合、表皮材21が入れ物110の内側を向くように積層板10を配置すれば、入れ物110内に収容する物が積層板10に接触して傷つくことを抑制可能となる。
(2)上記実施形態では、芯材11が、発泡体であったが、これに限定されるものではなく、非発泡体又は木製であってもよい。芯材11は、紙製又はプラスチック製のダンボールであってもよい。また、芯材11は、複数のシート状の部材が積層されたものであってもよい。
(3)上記実施形態では、芯材11と表皮材21が熱融着されていたが、芯材11と表皮材21が接着剤や粘着剤により一体化していてもよい。このような場合、例えば、積層ライン50(図3参照)において、芯材11と表皮材21の少なくとも一方に接着剤又は粘着剤を塗布してから、1対の送りローラ52により、芯材11と表皮材21を挟むことで、芯材11と表皮材21を一体化させてもよい。
(4)上記実施形態では、芯材11と表皮材21の貼り合わせを、1対の送りローラ52で挟むことで行っていたが、プレス機等でプレスすることで行ってもよい。この場合でも、表皮材21を表裏の両側にスキン層を有する構成とすれば、芯材11と表皮材21の圧着の際に、表皮材21が潰れて硬くなることを抑制可能となる。
(5)上記実施形態では、表皮材21が、スキン層22を有していたが、スキン層22を有していなくてもよい。
10 積層板
11 芯材
21 表皮材
22 スキン層
100 仕切り部材

Claims (9)

  1. 芯材の少なくとも片面に発泡体である表皮材が積層された積層板であって、
    前記表皮材のうち前記芯材と反対側の面における十点平均粗さRzが、5μm以上、50μm以下であり、
    前記表皮材の25%圧縮硬さが、0.01MPa以上、0.05MPa以下である、積層板。
  2. 前記表皮材は、超臨界発泡体である、請求項1に記載の積層板。
  3. 前記表皮材の密度が、50kg/m以上、230kg/m以下である、請求項1又は2に記載の積層板。
  4. 前記芯材は、発泡体であり、
    前記芯材の発泡倍率は、前記表皮材の発泡倍率よりも低くなっている、請求項1から3のうち何れか1の請求項に記載の積層板。
  5. 前記表皮材は、少なくとも前記芯材と反対側に、スキン層を有する、請求項1から4のうち何れか1の請求項に記載の積層板。
  6. 前記表皮材は、前記表皮材の表裏の両側に、スキン層を有する、請求項5に記載の積層板。
  7. 前記芯材と前記表皮材が、熱融着されている、請求項1から6のうち何れか1の請求項に記載の積層板。
  8. 前記表皮材は、前記芯材の両面に積層されている、請求項1から7のうち何れか1の請求項に記載の積層板。
  9. 請求項1から8のうち何れか1の請求項に記載の積層板が複数連結してなり、
    入れ物内を複数の収容空間に仕切る、仕切り部材。
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