JP4803721B2 - ポリエチレン系樹脂積層発泡体 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリエチレン系樹脂積層発泡体に関する。
ポリエチレン系樹脂発泡体は、緩衝材、包装材などの各種用途に広く用いられている。
このようなポリエチレン系樹脂発泡体を構成する基材樹脂としては、高圧法低密度ポリエチレンが発泡性に優れることから好ましく用いられる。しかし、このポリエチレンは密度が低いため、得られるポリエチレン系樹脂発泡体の剛性に劣るという欠点があり、ほとんど軟包装の用途にしか用いられなかった。
そこで、特許文献1には、見掛け密度70g/L〜350g/L、連続気泡率40%以下のポリエチレン系樹脂押出発泡シートであって、該発泡シートを構成するポリエチレン系樹脂の曲げ弾性率が300MPa以上であり、該樹脂の190℃での溶融張力(A)が15mN〜400mN、且つ溶融張力(A)と該樹脂のMFR(B:g/10分)の積(A×B)の値が100以上であるポリエチレン系樹脂押出発泡シートが提案されている。特許文献1に記載の発明によれば、ある程度の剛性と緩衝性を兼ね備えたポリエチレン系樹脂押出発泡樹脂シートが提供される。
特開2004−43813号公報
特許文献1では、確かにポリエチレン系樹脂押出発泡樹脂シートの剛性と緩衝性は十分向上するものの、これに折り曲げ等の加工を施して例えば組立箱などといった加工品が製造される際におけるポリエチレン系樹脂押出発泡樹脂シートの割れや裂けに対する耐性については、更に改良する余地を残すものであった。すなわち、特許文献1では、ポリエチレン系樹脂押出発泡樹脂シートについて、その割れや裂けに対する耐性を向上させることが要請されている。
本発明は、剛性や緩衝性などの機械的物性を十分維持しつつ、割れや裂けに対する耐性に優れたポリエチレン系樹脂積層発泡体の提供を目的とする。
本発明は、(1)見かけ密度が150g/L〜350g/L、連続気泡率40%以下のポリエチレン系樹脂発泡層の両面にポリエチレン系樹脂層を有する厚み2〜8mm、曲げ弾性率が150〜350MPaのポリエチレン系樹脂積層発泡体であって、ポリエチレン系樹脂層の引張伸び(a(mm))とポリエチレン系樹脂積層発泡体の25%圧縮強さ(b(MPa))との比(a/b)が2.4 mm/MPa以上であり、ポリエチレン系樹脂積層発泡体の25%圧縮強さ(b(MPa))が0.5〜1.5MPaであることを特徴とするポリエチレン系樹脂積層発泡体、(2)ポリエチレン系樹脂発泡層を構成するポリエチレン系樹脂は、密度が930g/L以下のポリエチレン(Xa)40〜80重量%と、密度が930g/L超970g/L以下のポリエチレン(Ya)20〜60重量%(但し、XaとYaとの合計は100重量%)とからなることを特徴とする上記(1)記載のポリエチレン系樹脂積層発泡体、(3)ポリエチレン系樹脂層を構成するポリエチレン系樹脂は、密度が930g/L以下の直鎖状ポリエチレン(Xb)10〜40重量%と、密度が930g/L超970g/L以下のポリエチレン(Yb)50〜90重量%と、密度が930g/L以下の高圧法ポリエチレン(Xc)0〜30重量%(但し、XbとYbとXcの合計は100重量%)とからなることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のポリエチレン系樹脂積層発泡体、を要旨とする。
本発明によれば、剛性などの機械的物性に優れるとともに、折り曲げられても割れや破断を生じ難いポリエチレン系樹脂積層発泡体が得られる。
本発明のポリエチレン系樹脂積層発泡体(以下、単に積層発泡体ということがある。)は、見かけ密度が150g/L〜350g/L、連続気泡率40%以下のポリエチレン系樹脂発泡層の両面にポリエチレン系樹脂層を有する厚み2〜8mm、曲げ弾性率が150〜350MPaの軽量性、曲げ剛性などの機械的物性に優れる板状の積層発泡体において、該積層発泡体の芯層を構成するポリエチレン系樹脂発泡層(以下、単に発泡層ということがある。)の両面にポリエチレン系樹脂層(以下、単に樹脂層ということがある。)を形成しており、該ポリエチレン系樹脂層の引張伸び(a(mm))とポリエチレン系樹脂積層発泡体の25%圧縮強さ(b(MPa))との比a/b(mm/MPa)を2.4以上(但し、ポリエチレン系樹脂積層発泡体の25%圧縮強さ(b(MPa))が0.5〜1.5MPaである。)とすることにより、耐折性を向上させたものである。圧縮強さbと引張伸びaの関係を示すグラフを用いて本発明の積層発泡体を説明すると、この積層発泡体は図1において領域Dで示される領域にあてはまるものである。なお図1は、圧縮強さbを横軸にとり引張伸びaを縦軸にとったグラフであり、領域A、B、C、Dは、それぞれ(b<0.5)、(b>1.5)、(0.5≦b≦0.5且つa/b<2.4)、(0.5≦b≦0.5且つa/b≧2.4)で指定される領域を示す。
本発明における、上記比a/bの構成、及び積層発泡体の圧縮強さbの構成を満足することによる効果は、図1を用いて説明することができる。即ち、図1において、積層発泡体の圧縮強さbが0.5 MPa未満の領域Aの積層発泡体は、板状発泡体として必要とされる曲げ剛性に劣り、積層発泡体の圧縮強さbが1.5 MPa超の領域Bの積層発泡体は、曲げ剛性が高すぎ加工性、緩衝性などにおいて問題がある。また、該圧縮強さbが0.5〜1.5MPaであってもポリエチレン系樹脂層の引張伸びaと該圧縮強さbとの比a/bが2.4未満の領域Cの積層発泡体は、ポリエチレン系樹脂層の引張破断強度と芯層を構成するポリエチレン系樹脂発泡層の圧縮強度とのバランスが悪く、該圧縮強さbが高過ぎるか、該引張伸びaが小さすぎるため、積層発泡体を折り曲げた場合に、樹脂層の破断や発泡層の割れや裂けが発生することがある。
従って、本発明の積層発泡体では、樹脂層の引張伸び(a(mm))と積層発泡体の25%圧縮強さ(b(MPa))との比a/bは2.4mm/MPa以上であり、好ましくは、3.5〜5.0 mm/MPaである。また、比a/bの上限は、おおむね7.0mm/MPaである。
また、本発明の積層発泡体では、上記の観点から25%圧縮強さ(b)は0.5〜1.5MPaであり、好ましくは0.6〜1.2 MPa、更に0.6〜1.0 MPaである。
なお、本発明の積層発泡体は前提条件として、見かけ密度が150g/L〜350g/L、連続気泡率が40%以下、厚みが2〜8mm、曲げ弾性率が150MPa〜350MPaのものである。
積層発泡体の曲げ弾性率が150MPa未満であると、その剛性や強度が不十分となる虞があり、例えば積層発泡体に加工を施して組立箱等の加工品を得ようとする場合、加工品は剛性や強度が不十分で胴膨れを生じやく壊れやすいものとなる虞がある。一方、積層発泡体の曲げ弾性率が350MPaを超えると、積層発泡体は剛性に過ぎるものとなって加工性に劣る虞がある。すなわち、例えば、積層発泡体を用いて組立箱などの加工品を製造しようとするにあたり、その積層発泡体を折り曲げたり、折り目を付与したりする等の加工を施そうとしても、積層発泡体の剛性により、そうした加工を施すことが困難になり、作業性が低下する虞がある。また、加工品が、組立箱等、その使用の際に繰り返し折り曲げが行われるようなものである場合、積層発泡体の剛性が過剰であると、使用者は折り曲げを容易に実施できず、結局、加工品は使用者にとって使い勝手の悪いものとなってしまう。上記観点から本発明の積層発泡体の曲げ弾性率は170〜300MPaであることが好ましい。
また、積層発泡体の厚みが2mm未満であると、その剛性や緩衝性が不十分になる虞があり、また、積層発泡体の厚みが8mmを超えると、これを用いて仕切板や組立箱などといった加工品を製造するような場合に、作業性が低下する虞がある。上記観点から本発明の積層発泡体の厚みは2.5〜6mmであることが好ましい。
また、積層発泡体の発泡層の見掛け密度が150g/Lよりも小さいと、その剛性が不十分になり、そのような積層発泡体を用いて組立箱などの加工品を製造した場合に加工品の強度も不十分になる虞がある。また、積層発泡体の発泡層の見掛け密度が350g/Lよりも大きいと、その緩衝性等が不十分になる虞があるばかりか、そのような積層発泡体を用いて加工品を製造する場合に、加工品は、過重なものになりやすく、また必要以上に原料を消費するものとなって、製造コストの嵩むものとなってしまう虞がある。上記観点から本発明の積層発泡体の発泡層の見掛け密度は170〜300g/Lであることが好ましい。
また、積層発泡体の発泡層の連続気泡率が40%より大きいと、得られる積層発泡体の剛性や緩衝性が不十分になってしまう虞がある。上記観点から本発明の積層発泡体の発泡層の連続気泡率は25%以下であることが好ましい。
本発明の積層発泡体の発泡層を構成する基材樹脂(以下、発泡層基材樹脂という)としては、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのエチレン単独重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体などのエチレン系共重合体、さらにはこれらの2種以上の混合物などのポリエチレン系樹脂が挙げられ、密度が930g/L以下のポリエチレン(L-ポリエチレンという)40〜80重量%と、密度が930g/Lより大きく970g/L以下のポリエチレン(H-ポリエチレンという)20〜60重量%とを含んでいるポリエチレン系樹脂(L-ポリエチレンとH-ポリエチレンの合計は100重量%)を使用することにより、優れた剛性と割れや裂けを防ぐ優れた弾性とのバランスを取り易く、両物性を兼備させたものを安価に得ることができる等の理由から好ましく、L-ポリエチレン40〜65重量%とH-ポリエチレン35〜60重量%(L-ポリエチレンとH-ポリエチレンの合計は100重量%)とを含んでいるものであることがより好ましい。
上記L-ポリエチレンとしては、所謂、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン(直鎖状低密度ポリエチレンと直鎖状超低密度ポリエチレンと併せて本発明では密度が930g/L以下の直鎖状ポリエチレンともいう。)、高圧法低密度ポリエチレン(本発明では高圧法ポリエチレンともいう。)が挙げられる。また、H-ポリエチレンとしては、所謂、高密度ポリエチレンが挙げられる。
発泡層を構成する基材樹脂には、上記L-ポリエチレンとH-ポリエチレン以外のポリエチレン系樹脂が含まれてもよい。発泡層基材樹脂中に、L-ポリエチレン及びH-ポリエチレンとともに配合することのできるとしては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体等のエチレン成分単位50モル%を超えるエチレン系共重合体等が挙げられる。
発泡層基材樹脂には、L-ポリエチレンとH-ポリエチレン以外にも上記したポリエチレン系樹脂が含まれていても良いが、L-ポリエチレンとH-ポリエチレンとを用いたことの利点が十分に発揮されるように、両者が合計で70重量%以上含まれていることが好ましい。発泡層基材樹脂中の全重量における、L−ポリエチレンとH−ポリエチレンの合計重量は、より好ましくは80重量%以上であり、両者の合計が90重量%以上である。発泡層基材樹脂中のL-ポリエチレンとH-ポリエチレンの合計重量が90重量%以上である場合、発泡層が殆どポリエチレンのみであるような混合物で構成されるため、積層発泡体のリサイクル性に優れる利点がある。
本発明の積層発泡体の樹脂層を構成する基材樹脂(樹脂層基材樹脂)としては、上記発泡層基材樹脂と同様のポリエチレン系樹脂が挙げられる。それらの内、特に密度が930g/L以下の直鎖状ポリエチレン10〜40重量%と、密度が930g/L超970g/L以下のポリエチレン50〜90重量%と、密度が930g/L以下の高圧法ポリエチレン0〜30重量%(但し、これら密度が930g/L以下の直鎖状ポリエチレンと、密度が930g/L超970g/L以下のポリエチレンと、密度が930g/L以下の高圧法ポリエチレンの合計は100重量%)とからなる構成を採用すると、樹脂層の優れた剛性を維持しつつ引張伸びを向上させることができる樹脂層を効率良く形成することができ、得られる積層発泡体は前記発泡層の構成と相俟って剛性に優れ、割れや裂けを確実に防ぐことができる等の理由から好ましい。
また、樹脂層基材樹脂は、積層発泡体の折り曲げ加工時の破断防止の観点から引張伸びが100%以上であることが好ましい。
また、樹脂層基材樹脂は、剛性等の強度低下防止、折り曲げ加工時の破断防止の観点から引張弾性率が150〜300MPaであることが好ましい。
なお、樹脂層は、単層、複数層のいずれで構成されてもよい。樹脂層が複数層で構成されている場合には、上記の好ましい樹脂層基材樹脂の組成、樹脂層基材樹脂の引張伸び、樹脂層基材樹脂の引張弾性率の構成は、各々の構成を満足する樹脂層の各層の坪量の合計が樹脂層全体の坪量の80%以上であることが好ましく、特に樹脂層を構成する各層全てにおいて満足していることが好ましい。
なお、発泡層或いは樹脂層の基材樹脂中には、各種の添加剤が含まれてもよい。添加剤としては、例えば造核剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、導電性付与剤、耐候剤、紫外線吸収剤、難燃剤等の機能性添加剤、無機充填剤等が挙げられる。特に樹脂層において、該樹脂層が複数層で構成されている場合は発泡層表面に接して積層されている内層にポリエチレンワックス等の滑剤作用が発現されるものを添加することが好ましい。このことにより、後述する共押出発泡法において本発明における樹脂層の引張伸びや引張弾性率等の物性を満足する範囲内で、該内層の溶融粘度を下げることが可能となり、その結果、発泡層の連続気泡率が低く、外観に優れる良好な積層発泡体を容易に得ることができる。
また、発泡層或いは樹脂層の基材樹脂は、本発明の積層発泡体の目的及び効果を阻害しない範囲で、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、アイオノマーやエチレンプロピレンゴム等のエラストマー、ポリブテン等のブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル等の塩化ビニル系樹脂を添加することができる。その場合の添加量はポリエチレン系樹脂100重量%に対して40重量%以下が好ましく、20重量%以下がより好ましく、10重量%以下が特に好ましい。
また、樹脂層が複数層からなる場合、発泡層を挟み込むように樹脂層を積層している本発明の積層発泡体において最外側に積層されている樹脂層(最外層ということがある。)の少なくとも一方には、表面固有抵抗率が1×1013Ω以下となるように高分子型帯電防止剤が含有されていることが特に好ましい。なお、以下、樹脂層が複数層からなり、樹脂層の最外層と発泡層の間に積層された樹脂層を内層ということがある。
積層発泡体においては、ポリエチレン系樹脂層の最外層に高分子型帯電防止剤が含有されていることで、高価な該帯電防止剤の使用量を抑え十分な帯電防止効果が期待できる。即ち、該帯電防止剤を添加して帯電防止効果を得るためには最低限必要な濃度以上の添加を要し、厚みの薄い最外層を対象に帯電防止剤を必要濃度となるように添加することが、結果として高価な高分子型帯電防止剤の使用量を節約することに繋がる。このことは、当然のことながら帯電防止剤に限らず、例えば、抗菌剤、防黴剤などの添加においても同様に添加量低減効果を発揮する。
ポリエチレン系樹脂層に含まれる前述した高分子型帯電防止剤としては、数平均分子量が2000以上、好ましくは2000〜100000、更に好ましくは5000〜60000、特に好ましくは8000〜40000の帯電防止剤であり、界面活性剤からなる帯電防止剤とは区別される。尚、該高分子型帯電防止剤の数平均分子量の上限は概ね10000000である。また、高分子型帯電防止剤は表面固有抵抗率が1×1010(Ω)未満である樹脂が好ましい。高分子型帯電防止剤の数平均分子量を上記の範囲とすることにより、帯電防止性能が環境に左右されずより安定的に発現され、被包装体へ帯電防止剤が移行して被包装体表面を汚染することも殆どないようにすることができる。
なお、上記数平均分子量は、高温ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて求められる。例えば、高分子型帯電防止剤がポリエーテルエステルアミドやポリエーテルを主成分とする親水性樹脂の場合にはオルトジクロロベンゼンを溶媒として試料濃度3mg/mlとし、ポリスチレンを基準物質としてカラム温度135℃の条件にて測定される値である。なお、上記溶媒の種類、カラム温度は、高分子型帯電防止剤の種類に応じて適宜変更する。
また、該高分子型帯電防止剤の融点は、好ましくは70〜270℃、より好ましくは80〜230℃、特に好ましくは80〜200℃であることが、本発明積層発泡体のような坪量の小さなポリオレフィン系樹脂層の形成性および良好な帯電防止機能発現性の観点から望ましい。
高分子型帯電防止剤の融点は、以下のJIS K 7121(1987)に準拠する方法により測定することができる。即ちJIS K 7121(1987)における試験片の状態調節(2)の条件(但し、冷却速度は10℃/分)により前処理を行い、10℃/分にて昇温することにより融解ピークを得る。そして得られた融解ピークの頂点の温度を融点とする。尚、融解ピークが2つ以上現れる場合は、最も面積の大きな融解ピークの頂点の温度を融点とする。但し、最も面積の大きな融解ピークが複数存在する場合は、それらの融解ピークの内、最も高温側の融解ピークの頂点の温度を融点とする。
本発明で使用される高分子型帯電防止剤としては、金属イオンとしてカリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群より選ばれたアルカリ金属を含むアイオノマー樹脂、ポリエーテルエステルアミドやポリエーテルを主成分とする親水性樹脂が好ましい。また高分子型帯電防止剤にはポリエチレン系樹脂層の基材樹脂との相溶性を向上させ、優れた帯電防止効果を与えると共に、帯電防止剤を添加することによる物性低下を抑制する効果を得るために、ポリエチレン系樹脂層の基材樹脂と同種或いは相溶性の高い樹脂をブロック共重合させたものを用いることが更に好ましい。
特に好ましい高分子型帯電防止剤は、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体の一部又は全部がカリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群より選ばれたアルカリ金属で中和されているアイオノマーや特開2001-278985号公報に記載されている組成物が挙げられる。
特開2001-278985号公報記載の組成物は、ポリオレフィン(a)のブロックと、体積固有抵抗率が105〜1011Ω・cmの親水性ポリマー(b)のブロックとが、繰り返し交互に結合した構造を有する数平均分子量(Mn)が2000〜60000のブロックポリマーである。上記(a)のブロックと(b)のブロックとは、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合、イミド結合から選ばれる少なくとも1種の結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有するものである。上記高分子型帯電防止剤はそれぞれ単独で使用することができるが、組み合わせて使用してもよい。
上記のような高分子型帯電防止剤としては、例えば三洋化成工業株式会社製「ペレスタット300」、「ペレスタットNC7530」というものがある。
本発明の積層発泡体は、次のようにして製造することができる。
まず、発泡層基材樹脂と、気泡調節剤等の添加剤とを押出機に供給して加熱、溶融して混練し、次いで発泡剤を押出機に供給して溶融樹脂と混練して溶融発泡性樹脂組成物を得る。そして、押出機から押出して発泡させる公知の押出発泡法によって、溶融発泡性樹脂組成物を発泡させ、見掛け密度150g/L〜350g/Lで連続気泡率40%以下であるような発泡層を構成する部分となる発泡体(以下、単に、発泡体ということがある)を得る。
その一方で、樹脂層基材樹脂を用いて公知の押出成形法によりポリエチレン系樹脂フィルム(以下、単にフィルムということがある)を得る。
上記のようにして得られた発泡体とフィルムとを、発泡体の両面をフィルムで挟み込むように加熱ロールに通じ、こうした発泡体とフィルムとを相互に熱溶着させて積層構造を形成し、積層発泡体を得る。
本発明の積層発泡体は上記方法にて製造する場合に限定されず、次に示すようにして製造されてもよい。
すなわち、積層発泡体は、上記のようにして発泡体を製造し、その後発泡体の製造工程ライン上またはこれとは別の製造ラインで、樹脂層基材樹脂を溶融した樹脂溶融物を別の押出機から発泡体の一方の面上に供給して樹脂層を積層し、さらに発泡体の他方の面についても同様にして樹脂層を積層することで製造されてもよい。
また、積層発泡体は、一旦発泡体を製造し、発泡体の製造工程ライン上またはこれとは別の製造ラインで、フィルムを供給し発泡体の一方の面に熱融着させて積層構造を形成し、更に発泡体の他方の面に対しては、別の押出機から樹脂層基材樹脂を溶融した樹脂溶融物を供給して発泡体にフィルムを積層する方法により製造されてもよい。
更にまた、本発明の積層発泡体は、共押出法により発泡体の両面にフィルムを積層して、発泡層の両面に樹脂層(単層又は多層の樹脂層)を形成することで製造されてもよい。
なお、本発明の積層発泡体を製造するにあたり、上記したような各製造方法のうち、共押出法が、他の方法に比べ発泡層の両面に同時に樹脂層を形成できるなど製造工程がシンプルであるため、製造コストの面からも好ましい。しかも、発泡層と樹脂層との接着強度が高いので層間剥離の発生を抑えて良好な積層発泡体が得られる。
そこで、共押出法によりシート状に積層発泡体を得る方法についてさらに詳しく述べると、(1)フラットダイを用いシート状に共押出して積層する方法、(2)環状ダイを用いて共押出して筒状の積層発泡体を製造し、ついで筒状積層発泡体を切り開いてシート状とする方法がある。環状ダイを用いる方法では、より具体的には、該環状ダイから溶融発泡性樹脂溶融物押出し発泡させるとともに樹脂溶融物を押出すことで一旦筒状に積層発泡体を製造し、次いで該筒状の積層発泡体は、円柱状冷却装置上を通過することで筒状の積層発泡体内面から冷却され、これを切開くことにより厚み2〜8mmの積層発泡体を得ることができる。上記(1)、(2)の方法のうち、幅が1000mm以上であるような幅広の積層発泡体を得るには環状ダイを用いた共押出法が適している。
尚、上記したような共押出法によって積層発泡体を得る場合、ダイの出口や、ダイの出口の外で樹脂層と発泡層との積層構造が形成される共押出法を採用してもよい。また環状ダイを用いて押出発泡する場合の押出機、環状ダイ、円柱状冷却装置、筒状積層発泡体を切開く装置としては、従来から押出発泡の分野で用いられてきた公知のものを用いることができる。
本発明の積層発泡体は、連続気泡率が40%以下であるが、積層発泡体を製造するにあたり連続気泡率をこのような範囲とする方法としては、例えば、気泡調整剤の量や押出温度等の押出条件設定により調整できる。
本発明の積層発泡体の発泡体の形成に用いる発泡剤としては、従来からポリエチレン系樹脂発泡体の製造に用いられていると同様の無機系物理発泡剤や有機系物理発泡剤等が使用できる。無機系物理発泡剤としては例えば、酸素、窒素、二酸化炭素、空気等が挙げられ、有機系物理発泡剤としては例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、塩化メチル、塩化エチル等の塩化炭化水素が挙げられる。上記した発泡剤は、2種以上を混合して使用することも可能である。これらの内、特にポリエチレン系樹脂との相溶性、発泡性の良好なノルマルブタン、イソブタン、またはこれらの混合物を主成分とするものが好適である。一方、環境対応、安全性などの観点から二酸化炭素、またはその混合物を発泡剤として使用することも好ましい。またアゾジカルボンアミド等の分解型発泡剤も併用することができる。
発泡剤の添加量は、発泡剤の種類、目的とする発泡体の見掛け密度に応じて調整する。例えば、本発明の積層発泡体を得るためには発泡剤としてイソブタンを用いた場合、イソブタンの添加量は発泡層基材樹脂100重量部当たり0.3〜5.0重量部、好ましくは0.4〜4.5重量部、より好ましくは0.5〜3.0重量部であり、二酸化炭素を用いた場合、二酸化炭素の添加量は発泡層基材樹脂100重量部当たり0.1〜3重量部、好ましくは0.12〜2.5重量部、より好ましくは0.15〜2重量部である。
また、発泡層を構成する発泡層基材樹脂には気泡調整剤が添加されることが好ましい。このような気泡調整剤としては、有機系のもの、無機系のもののいずれも使用することができる。無機系気泡調整剤としては、ホウ酸亜鉛、ホウ酸マグネシウム、硼砂等のホウ酸金属塩、塩化ナトリウム、水酸化アルミニウム、タルク、ゼオライト、シリカ、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム等が挙げられる。また有機系気泡調整剤としては、リン酸−2,2−メチレンビス(4,6−tert−ブチルフェニル)ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カルシウム、安息香酸アルミニウム、ステアリン酸ナトリウム等が挙げられる。またクエン酸と重炭酸ナトリウム、クエン酸のアルカリ塩と重炭酸ナトリウム等を組み合わせたもの等も気泡調整剤として用いることができる。これらの気泡調整剤は2種以上を混合して用いることができる。
気泡調整剤の添加量は、目的とする気泡径に応じて調節する。気泡調整剤としてタルクを用いた場合、タルクの添加量は発泡層基材樹脂100重量部当たり、0.1〜2重量部、好ましくは0.2〜1.5重量部である。
本発明の積層発泡体は、剛性、緩衝性、耐衝撃性に優れることから、適宜形状に加工されたり成形されたりして組立箱、板材などといった各種加工品や成形品を製造するために使用されうる。また、この積層発泡体は、上記したような加工品のほか、段ボール代替品、仕切材、組立箱、コンクリート型枠の養生板等の用途に用いられることも好適である。
本発明の積層発泡体は、ランドセル芯材など簡単な熱成形が要求される場合には、例えば、ポリエチレン系樹脂積層発泡体を加熱軟化させた後、雄型及び/又は雌型からなる金型を使用して熱成形することができる。なお、熱成形法としては、真空成形や圧空成形のほか、フリードローイング成形、プラグ・アンド・リッジ成形、リッジ成形、マッチド・モールド成形、ストレート成形、ドレープ成形、リバースドロー成形、エアスリップ成形、プラグアシスト成形、プラグアシストリバースドロー成形などや、これらを適宜組合せた成形方法などが挙げられる。
本発明において、積層発泡体の諸物性の測定方法は以下の通りである。
積層発泡体の厚みは次のように算出される。
まず積層発泡体の押出方向に直行する方向にて積層発泡体を垂直に切断する。そして、積層発泡体の切断面の厚みを顕微鏡により幅方向に等間隔で10点撮影を行い、撮影された各点における全体厚みを測定し、得られた値の算術平均値を積層発泡体の厚みとした。なお、これと同様にして、樹脂層の厚みについても測定できる。さらに、得られた積層発泡体の厚みを示す数値から樹脂層の厚みを示す数値を減ずることで発泡層の厚みが算出される。
発泡層の見掛け密度は、積層発泡体の坪量から樹脂層の坪量を除いた発泡層の坪量を、発泡層の厚みに対応する値で除して得られた値を換算することで算出される。
なお、積層発泡体および樹脂層それぞれの坪量は次のように測定される。
積層発泡体の坪量は、上記のように算出された縦25mm×横25mm×積層発泡体の厚みの試験片を切り出し、試験片の重量(g)を測定し、その測定値を1600倍にして1m2当たりの重量に換算した値(g/m2)として算出される。
樹脂層の坪量は、上記のように算出された樹脂層の厚みに樹脂層の密度を乗じ、単位換算をして求める。
発泡層の連続気泡率は、積層発泡体を試験片として、ASTM D 2856-70に記載されている手順Cに準拠し、東芝ベックマン株式会社製の空気比較式比重計930型を用いて測定された試験片の実容積(独立気泡の容積と樹脂部分の容積との和)Vx(L)から、下記式(1)により算出された値である。
(数1)
S(%)=(Va-Vx)×100/(Va-W/ρ) ・・・(1)
ただし、上記式(1)中、Va、W、ρは次の通りである。
Va:測定に用いた試験片の外寸法から計測されるその見掛け容積(L)
W:試験片の重量(g)
ρ:試験片を構成する樹脂の密度(g/L)
なお、試験片を構成する樹脂の密度ρ(g/L)および重量W(g)は、試験片を加熱プレスすることにより積層発泡体の発泡層から気泡を脱泡させて冷却する操作が行われることで得られるサンプルの重量と体積から求めることができる。
試験片は、上記した空気比較式比重計に付属のサンプルカップに非圧縮状態にて収納される必要があるため、この試験片としては、積層発泡体から縦、横がそれぞれ25mm、厚みが積層発泡体厚みのものを切り出して使用されるとともに、見掛け体積が15〜16cm3となるような最小限の枚数を積み重ねて使用する。
積層発泡体の曲げ弾性率は、JIS K 7203(1982)に準拠して押出方向(MD)と幅方向(TD)について測定し、得られた値を相加平均した値より算出される。JIS K 7203(1982)に準拠した測定は、長さ100mm×幅25mm×積層発泡体の厚みのものを試験片として用い、支点の先端R=5(mm)、加圧の先端R=5(mm)、支点間距離が50mm、曲げ速度が10mm/分の条件にて実施する。なお、測定には、5個の試験片を用い、それぞれの試験片につき押出方向(MD)と幅方向(TD)についての測定値を得て、試験片ごとに相加平均値を得る。そして、各試験片ごとに得られた相加平均値の平均値を算出し、この算出された平均値を曲げ弾性率として採用した。
樹脂層の引張伸び(a(mm))は、積層発泡体から積層発泡体の押出方向を長手方向とした長さ30mm以上、幅10mm短冊状の試験片(幅10mm)を切り出し、長手方向中央部に全幅に亘る切込みを入れたものを用いて測定される。なお、該切込み形状は積層発泡体の片面の樹脂層が切断されないようにして発泡層と樹脂層の界面を頂点とする内角45度のV字の切込みとする。次に、該試験片の長手方向を上下方向にして、試験片の上端部と下端部を、掴み具を備えた固定具にて、掴み具間距離を10mmに保持し左右方向にぐらつかないように固定する。そして、引張速度500mm/分の条件で試験片を上下方向に引張り、試験片が破断するまでに延伸された掴み具間距離を測定し、この値から延伸される前の掴み具間距離10mmを差し引いて得られた値を引張伸び(a(mm))とする。
積層発泡体の25%圧縮強さ(b(MPa))は、JIS K 7220(1990)に準拠して測定された値に基づいてつぎのように算出される。まず、積層発泡体より、長さ50mm×幅50mm×積層発泡体の厚みのものを切り出して試験片とし、その試験片についてその厚み方向に圧縮速度0.5 mm/分にて25%圧縮した時点での圧縮応力が測定される。なお、この圧縮応力の測定にあたっては、5つの試験片を調整したうえで、それぞれの試験片について圧縮応力が測定される。こうして測定された5つの圧縮応力の値を相加平均して平均値を算出し、その平均値を25%圧縮強さとする。
樹脂層基材樹脂の引張伸び及び引張弾性率は、JIS K 7127(1989)に準拠して測定される。なお、測定に用いる試験片は、積層発泡体から切り出された樹脂層を加熱プレスした後冷却することで調整される。また測定には、厚みが0.9mmの2号型試験片を5つ用い、それぞれの試験片について、掴み具間距離80mm、引張速度500mm/分の条件にて測定値を得て、得られた測定データを平均して平均値を算出し、算出された平均値を引張伸びとして採用した。なお、測定には、株式会社オリエンテック製のテンシロン万能試験機などが使用される。
次に、本発明の積層発泡体について、実施例を用いて具体的に説明する。
実施例1〜5、比較例1〜3、5、6
積層発泡体の発泡層形成用押出機として、直径90mmと直径120mmの2台の押出機からなるタンデム押出機を使用し、内層樹脂層形成用の押出機として直径50mmの押出機を使用し、また最外樹脂層形成用の押出機として直径40mmを使用し、上記各押出機により混練された溶融樹脂を合流させ共押出する直径165mmの環状スリットを有する環状ダイを用いた。
まず、発泡層を形成するために表1記載の樹脂100重量部に対して、気泡調整剤クエン酸モノナトリウムと炭酸水素ナトリウムとの混合物(大日精化工業株式会社製「ファインセルマスターSSC-PO208K」)を0.7重量部配合して、直径90mmの押出機の原料投入口に供給し、加熱混練し、約200℃に調製された溶融樹脂混合物とし、該溶融樹脂混合物に発泡剤としてイソブタンを樹脂100重量部に対して1.2重量部となるように圧入し、次いで前記直径90mmの押出機の下流側に連結された直径120mmの押出機に供給し発泡性溶融樹脂混合物を得た。
一方、内層を形成するために表1記載の樹脂を直径50mmの押出機に供給し溶融混練して溶融樹脂を得た。また最外層を形成するために表1記載の樹脂を直径40mmの押出機より溶融混練して溶融樹脂を得た。なお、内層と、最外層の比率は、表1に示すような比率にて形成した。
それぞれの溶融樹脂を前記の環状ダイ中へ供給し、最外層を構成する溶融樹脂、内層を構成する溶融樹脂、発泡性溶融樹脂混合物を積層合流させて環状ダイスから共押出し、押出直後に筒状積層発泡体外側から冷却エアーを吹き付けて外側から最外層/内層/発泡層/内層/最外層の順に積層された筒状積層発泡体を形成した。
形成された該筒状積層発泡体を直径350mmの円柱状の冷却装置(マンドレル)に沿わせて引き取りながら筒状物を切り開いた後、その積層発泡体の両面を加熱炉で加熱し、冷却ロールを通して平板状とし目的の板状積層発泡体を得た。なお、実施例1〜5にて得られた積層発泡体は平滑性などの外観においても優れるものであった。
実施例6、比較例4
最外樹脂層形成用の押出機として直径50mmを使用し、内層が存在しない最外層/発泡層/最外層の3層構成に積層された積層発泡体とした以外は実施例1同様に積層板状発泡体を得た。実施例6にて得られた積層発泡体は平滑性などの外観においても優れるものであった。
実施例7
発泡剤として炭酸ガスを使用し、発泡層を形成するための樹脂100重量部に対して、炭酸ガス0.6重量部圧入した以外は実施例1同様に板状積層発泡体を得た。実施例7にて得られた積層発泡体は平滑性などの外観においても優れるものであった。
比較例7
発泡層を形成するための樹脂100重量部に対して、イソブタンを1.4重量部圧入し、各層の坪量を表2記載のものとなるようにした以外は実施例1同様に板状積層発泡体を得た。
Figure 0004803721
なお、表1中、使用した樹脂は次に示すとおりである。
LD1:分岐状低密度ポリエチレン(密度=922g/L、MFR=2.4g/10min、日本ユニカー株式会社製、商品名「NUC-8321」)
LD2:分岐状低密度ポリエチレン(密度=922g/L、MFR=0.3g/10min、住友化学工業株式会社製、商品名「F-102」)
LL1:直鎖状低密度ポリエチレン(密度=924g/L、MFR=8.0g/10min、日本ポリエチレン株式会社製、商品名「UJ460」)
LL2:直鎖状低密度ポリエチレン(密度=920g/L、MFR=2.1g/10min、日本ポリエチレン株式会社製、商品名「UF240」)
HD1:高密度ポリエチレン(密度=964g/L、MFR=8.0g/10min、日本ポリエチレン株式会社製、商品名「HJ560WUF240」)
HD2:高密度ポリエチレン(密度=961g/L、MFR=0.9g/10min、東ソー株式会社製、商品名「5110」)
P300:ポリエーテル-ポリプロピレンブロック共重合体を主成分とする高分子型帯電防止剤(密度=990g/L、MFR=20g/10min、三洋化成工業株式会社、商品名「ペレスタット300」)
得られた積層発泡体について、発泡層の見掛け密度、発泡層の連続気泡率、積層発泡体の厚み、曲げ弾性率、ポリエチレン系樹脂層の引張伸び(a(mm))、積層発泡体の25%圧縮強さ(b(MPa))を測定し、またa/bの値を算出した。結果は表2に示す通りである。
Figure 0004803721
また、得られた積層発泡体について、次に示すように、耐折性、割れ耐性、剛性、衝撃穴あけ強さ、表面固有抵抗率を評価し結果を表3に示した。
[耐折性]
耐折性は、耐折回数を測定することで評価された。耐折回数の測定は、JIS P 8115(1994)に基づいて実施された。耐折回数の測定は、株式会社東洋精機製作所製の耐折試験機を用いて次のように実施された。
積層発泡体を押圧処理することにより、3本罫線を幅方向に設けることで折り曲げ部を形成した幅15mmの試験片を用意し、荷重9.8Nにて該試験片の両端を固定し、Rが0.38mmの治具を支点にして折り曲げ角度が135度の左右往復動作を行い該折り曲げ部にて折り曲げた。1分間に175往復の折り曲げる速度にて、試験片に割れが発生するまで上記折り曲げを繰り返し行い、割れが発生した時点における折り曲げ回数を測定した。この測定は3回行われ、測定値の平均値を耐折回数とした。結果は、表3に示されるとおりである。
[割れ耐性]
押出方向、幅方向に150×20mmの大きさに切り出された試験片を各10個、計20個調整し、それぞれの試験片について手で折り曲げを行い、割れの発生有無を目視にて確認した。20個の試験片のうち割れの発生しなかった試験片の個数を測定し、割れの発生しなかった試験片の割合に応じて次に示すように割れ耐性を評価した。
80%以上の試験片に割れは発生しない。・・・・・・・・◎
50%以上80%未満の試験片に割れが発生しない。・・・○
20%以上50%未満の試験片に割れが発生しない。・・・△
20%未満の試験片に割れが発生しない。・・・・・・・・×
[剛性]
積層発泡体より約420×240×230(高さ)mmの組立箱を作製し、この組立箱に15kgの内容物を入れ、5段積み重ね、23℃の環境下、48hr後の最下段の組立箱のふくれ具合(胴ぶくれ)を測定した。この胴ぶくれにより以下のように評価した。
胴ぶくれが15mm以下・・・○
胴ぶくれが15mm以上または、重みに耐えられず荷崩れを起こす・・・×
[衝撃穴あけ強さ]
衝撃穴あけ強さの測定は、JIS P 8134(1976)に準拠して実施された。測定には、縦150mm×横150mm×積層発泡体の全厚のものが試験片として用いられ、また、試験片を恒温槽に-25℃で15時間以上保温し、試験片を恒温槽から常温下に取り出した後3秒以内に測定する条件で測定が実施された。この試験は、少なくとも5回行われ、それぞれの試験で計測された測定値を平均して得られた平均値を衝撃穴あけ強さ(F(kgf・cm))を示す値とし、その値に応じて、次に示すように衝撃穴あけ強さを評価した。
F>120(kgf・cm)・・・・・・・・・・・・◎
120(kgf・cm)≧F>100(kgf・cm)・・○
100(kgf・cm)≧F>60(kgf・cm)・・・△
F≦60(kgf・cm)・・・・・・・・・・・・・×
[表面固有抵抗率]
積層発泡体表面の表面固有抵抗率は、試験片の状態調整を以下の通り行う以外はJIS K 6911(1995)に準拠して測定した。具体的には、測定対象物である積層発泡体から縦100mm×横100mm(厚みは積層発泡体の厚みのまま)の大きさに切り出した試験片を23℃のエタノール40重量%水溶液(エタノール40重量%とイオン交換水60重量%との混合溶液)中に沈めて超音波洗浄を24時間行った後、該試験片を温度30℃、相対湿度30%の雰囲気下で36時間放置して乾燥することにより試験片の状態調整を完了し、印加電圧500Vの条件にて電圧印加を開始して1分経過後の表面固有抵抗率を求めた。
Figure 0004803721
本発明のポリエチレン系樹脂積層発泡体におけるポリエチレン系樹脂層の引張伸び(a(mm))とポリエチレン系樹脂積層発泡体の25%圧縮強さ(b(MPa))との関係を説明するための説明図である。

Claims (3)

  1. 見かけ密度が150g/L〜350g/L、連続気泡率40%以下のポリエチレン系樹脂発泡層の両面にポリエチレン系樹脂層を有する厚み2〜8mm、曲げ弾性率が150〜350MPaのポリエチレン系樹脂積層発泡体であって、ポリエチレン系樹脂層の引張伸び(a(mm))とポリエチレン系樹脂積層発泡体の25%圧縮強さ(b(MPa))との比(a/b)が2.4 mm/MPa以上であり、ポリエチレン系樹脂積層発泡体の25%圧縮強さ(b(MPa))が0.5〜1.5MPaであることを特徴とするポリエチレン系樹脂積層発泡体。
  2. ポリエチレン系樹脂発泡層を構成するポリエチレン系樹脂は、密度が930g/L以下のポリエチレン(Xa)40〜80重量%と、密度が930g/L超970g/L以下のポリエチレン(Ya)20〜60重量%(但し、XaとYaの合計は100重量%)とからなることを特徴とする請求項1記載のポリエチレン系樹脂積層発泡体。
  3. ポリエチレン系樹脂層を構成するポリエチレン系樹脂は、密度が930g/L以下の直鎖状ポリエチレン(Xb)10〜40重量%と、密度が930g/L超970g/L以下のポリエチレン(Yb)50〜90重量%と、密度が930g/L以下の高圧法ポリエチレン(Xc)0〜30重量%(但し、XbとYbとXcの合計は100重量%)とからなることを特徴とする請求項1又は2記載のポリエチレン系樹脂積層発泡体。
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