JP3164131U - ポリエチレン系樹脂多層発泡シート - Google Patents
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Abstract
Description
本考案は、このような状況に鑑み、エチレン−酢酸ビニル共重合体に替わる原料樹脂としてポリエチレン樹脂を使用した発泡シートについて、検討を重ねた結果、曲げ剛性率が特定の範囲にあるエチレン系重合体を共押出により特定のポリエチレン樹脂発泡シートに積層した多層発泡シートが優れた滑り防止機能を有することが見出された。
本考案は、摩擦力が大きく滑り防止性に優れた高発泡ポリエチレン系樹脂多層発泡シートを提供するものである。
(1)密度880〜930g/Lのポリエチレン樹脂からなり、厚み0.2〜5mm、見かけ密度15〜90g/L、独立気泡率50%以上の発泡シートの少なくとも片面に、曲げ剛性率80MPa以下のエチレン系重合体からなり、坪量が0.2〜20g/m2の樹脂層が積層、接着されてなることを特徴とするポリエチレン系樹脂多層発泡シート。
(2)前記多層発泡シートの樹脂層面の摩擦力が15N以上であることを特徴とする上記(1)に記載のポリエチレン系樹脂多層発泡シート。
(3)前記樹脂層を形成する曲げ剛性率80MPa以下のエチレン系重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、密度880〜930g/Lの直鎖状低密度ポリエチレン樹脂から選ばれる1種、或いは2種以上の混合物であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のポリエチレン系樹脂多層発泡シート。
(4)発泡シートの押出方向及び幅方向の各々の平均気泡径が0.2〜1.5mmであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂多層発泡シート。
本考案のポリエチレン系樹脂多層発泡シートは、従来のエチレン−酢酸ビニル共重合体の単層発泡シートと比して、樹脂層が積層接着されていることにより、シートの引き裂き強度の向上をはかることができ、また、比較的高価なエチレン−酢酸ビニル共重合体などの該エチレン重合体の使用量を抑えることが可能なことから安価な原材料費にて従来品と同等以上の優れた物性を有するものとなる。
また、本考案の摩擦力が15N以上の多層発泡シートは、滑り防止シートとして優れた機能を有するものである。
また、発泡シートの押出方向及び幅方向の各々の平均気泡径が0.2〜1.5mmであるものは、機械的強度、滑り防止性において特に優れるものである。
先ず、多層発泡シートの厚みおよび樹脂層の厚みを前記の方法により予め求める。次に多層発泡シートおよび樹脂層の坪量を求める。多層発泡シートの坪量は、縦25mm×横25mm×厚み(シート厚み)の試料を切り出し、試料の重量を測定したのち、その重量を1600倍し、単位換算(g/m2)することにより得られる。樹脂層の坪量は、樹脂層の基材樹脂密度と樹脂層の厚みとの積を単位換算(g/m2)することにより得られる。発泡シートの見かけ密度は前記のとおり得られた多層発泡シートの坪量(g/m2)から樹脂層の坪量(g/m2)を引き算して得られる発泡シートの坪量(g/m2)を発泡シートの厚みにて除した値を単位換算(g/L)することにより求められる。
上記摩擦力は、JIS P8147−1987に準じて測定される。試験方法は、水平方法により、平坦な表面を有するステンレス板上に測定用試験片(60mm×100mm)を置き、試験片上に1000gの荷重をかけ、引張速度10mm/分で平坦な表面を有するステンレス板上を30mm移動させたときに、測定チャートに示される静摩擦力および動摩擦力のピークのうち最大値の値を摩擦力とする。
上記独立気泡率(S%)は、ASTM D2856−70に記載されている手順Cに準拠し、東芝ベックマン株式会社製の空気比較式比重計930型を使用して測定される。なお、試験片としては、多層発泡シートから発泡シートのみを切り出す必要はなく、多層発泡シートを試験片として、多層発泡シートの実容積(独立気泡の容積と樹脂部分の容積との和)Vx(L)から、下記式(1)より算出できる。
S(%)=(Va−Vx)×100/(Va−W/ρ) (1)
但し、上記式(1)中、Va、W、ρは下記の通りである。
Va:測定に使用した多層発泡シートの見かけ容積(L)
W:試験片における多層発泡シートの重量(g)
ρ:多層発泡シートを構成する樹脂の密度(g/L)
上記平均気泡径の測定方法は、発泡シートの厚み方向の平均気泡径(DT:mm)及び発泡シートの幅方向の平均気泡径(DW:mm)は発泡シートの幅方向垂直断面(発泡シートの押出方向と直交する垂直断面)を、発泡シートの押出方向の平均気泡径(DL:mm)は発泡シートの押出方向垂直断面(発泡シートの押出方向に平行に、幅方向の中央部で二等分する垂直断面)の顕微鏡拡大写真を得る。次いで、該拡大写真上において測定しようとする方向に直線を引き、その直線と交わる気泡の数を計数し、直線の長さ(当然のことながら、この長さは拡大写真上の直線の長さではなく、写真の拡大率を考慮した直線の真の長さを指す。)を計数された気泡の数で割ることによって、各々の方向における平均気泡径を求める。
上記気泡調整剤の添加量は、例えば、ポリエチレン樹脂100重量部に対して概ね0.5〜10重量部、好ましくは1〜8重量部である。また、気泡調整剤はマスターバッチとして用いることが好ましい。
(1)ポリエチレン樹脂
(i)低密度ポリエチレン樹脂(LDEP):住友化学(株)製、商品名:スミカセンF−102、密度922g/L、MFR0.4g/10分(温度190℃、荷重21.17N)、曲げ剛性率:205MPa)
(ii)直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(VLDEP):住友化学(株)製、商品名:エクセレンEUL731、密度895g/L、MFR10g/10分(温度190℃、荷重21.17N)、曲げ剛性率:54MPa)
(2)エチレン系重合体
(i)エチレン・メチルメタクリレート共重合体(EMMA):住友化学(株)製、商品名:アクリフトWK307、密度940g/L、MFR7g/10分(温度190℃、荷重21.17N)、曲げ剛性率:17MPa)
(ii)エチレン酢酸ビニル共重合体:住友化学(株)製、商品名:エバテートH2011(酢酸ビニル成分含有量:15重量%)密度940g/L、MFR3.0g/10分(温度190℃、荷重21.17N)、曲げ剛性率:48MPa)
(3)発泡剤
ノルマルブタン70重量%、イソブタン30重量%の混合ブタン。
(4)気泡調整剤
低密度ポリエチレン樹脂100重量部に対してタルク(松村産業(株)製、商品名:ハイフィラー#12)を10重量部、クエン酸ナトリウム5重量部を配合したマスターバッチとして添加した。
また、比較例の単層発泡シート製造には、押出機として発泡剤注入孔を備えた内径90mmの押出機に内径120mmの押出機を連結したタンデム押出機を使用し、押出機出口に内径94mmの環状ダイを設けた。
多層発泡シートの発泡シートを形成する低密度ポリエチレン樹脂として、スミカセンF−102 100重量部、気泡調整剤マスターバッチ3重量部を配合して、内径90mmの押出機の原料投入口に供給し、加熱下に混練し、約200℃に調整された溶融樹脂混合物とした。該溶融混合物に発泡剤(ノルマルブタン70重量%、イソブタン30重量%の混合ブタン)を低密度ポリエチレン樹脂100重量部に対して30重量部となるように圧入して混練後、前記押出機の下流に連結された内径120mmの押出機に導入し、発泡シート形成用樹脂溶融物の温度を108℃に調整した。
一方、多層発泡シートの表面の樹脂層を形成する樹脂として、表1に記載の樹脂層形成用樹脂を用い、前記の内径50mmの樹脂層形成用の第2押出機に供給し、加熱下に混練溶融して樹脂層形成用樹脂溶融物を調整した。
上記に調整した発泡シート形成用樹脂溶融物と樹脂層形成用樹脂溶融物を合流ダイに供給して、順に樹脂層形成用樹脂溶融物/発泡シート形成用樹脂溶融物/樹脂層形成用樹脂溶融物となるように積層して環状ダイから共押出し、筒状の多層押出発泡体を冷却用の円筒に沿わせて引き取り、切り開いて発泡シートの両面に樹脂層が積層接着された多層発泡シートを得た。
樹脂層形成用樹脂を使用せず樹脂層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして発泡シートを得た。
溶融混合物に発泡剤(ノルマルブタン70重量%、イソブタン30重量%の混合ブタン)を低密度ポリエチレン樹脂100重量部に対して7重量部となるように圧入して混練後、前記押出機の下流に連結された内径120mmの押出機に導入し、発泡シート形成用樹脂溶融物の温度を115℃に調整したこと、樹脂層の坪量が表2に示す値となるように樹脂層形成用樹脂溶融物を合流ダイに供給したこと以外は、実施例1と同様にして多層発泡シートを得た。
樹脂層形成用樹脂を使用せず、発泡シートを形成する低密度ポリエチレン樹脂として、表1に記載の発泡シート形成用樹脂を使用した以外は、実施例1と同様にして発泡シートを得ようとしたが良好な発泡シートを得ることができなかった。
B 第2押出機
1 多層発泡シート
10 発泡シート
11 樹脂層
101 発泡シート形成用樹脂
102 樹脂層形成用樹脂
103 発泡剤注入孔
Claims (4)
- 密度880〜930g/Lのポリエチレン樹脂からなり、厚み0.2〜5mm、見かけ密度15〜90g/L、独立気泡率50%以上の発泡シートの少なくとも片面に、曲げ剛性率80MPa以下のエチレン系重合体からなり、坪量が0.2〜20g/m2の樹脂層が積層、接着されてなることを特徴とするポリエチレン系樹脂多層発泡シート。
- 前記多層発泡シートの樹脂層面の摩擦力が15N以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリエチレン系樹脂多層発泡シート。
- 前記樹脂層を形成する曲げ剛性率80MPa以下のエチレン系重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、密度880〜930g/Lの直鎖状低密度ポリエチレン樹脂から選ばれる1種、或いは2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリエチレン系樹脂多層発泡シート。
- 発泡シートの押出方向及び幅方向の各々の平均気泡径が0.2〜1.5mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂多層発泡シート。
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JP2016141543A (ja) * | 2015-02-04 | 2016-08-08 | オカ株式会社 | ロール状物の保持・切断具 |
WO2019189452A1 (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-03 | 積水化学工業株式会社 | 発泡複合シート、粘着テープ、電子部品用クッション材及び電子部品用粘着テープ |
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CN112074403A (zh) * | 2018-03-29 | 2020-12-11 | 积水化学工业株式会社 | 发泡复合片、胶带、电子部件用缓冲材料和电子部件用胶带 |
CN112074403B (zh) * | 2018-03-29 | 2022-11-04 | 积水化学工业株式会社 | 发泡复合片、胶带、电子部件用缓冲材料和电子部件用胶带 |
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