JP5459781B2 - 積層ポリエチレン樹脂発泡シート - Google Patents

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Description

本発明は積層ポリエチレン樹脂発泡シートに関する。
近年、薄型テレビに用いられるディスプレイ用ガラス基板の損傷、傷つきを防止するために、柔軟性及び緩衝性に富むポリエチレン樹脂押出発泡シートが其の包装材料として使用されるようになった。このディスプレイ用ガラス基板には、非常に高いレベルの表面清浄性が要求されることから、包装材料として高分子型帯電防止剤を含有するポリエチレン樹脂押出発泡シートが用いられている。このような発泡シートとしては、例えば、特許文献1に記載されたガラス基板用間紙がある。
しかし、特許文献1に記載のガラス基板用間紙を始め、従来用いられてきた電子精密機器の緩衝材、包装材としての発泡シートは、高価な高分子型帯電防止剤を発泡シート全体に含有しているものであった。該発泡シートは少量の添加量で帯電防止が発現されるように、ある程度工夫はされているもののコスト高であるなど改良の余地を残すものであった。
本発明者等は、この問題を解決するために、発泡シートの表面に未発泡のポリエチレン樹脂層を積層し、該樹脂層のみに高分子型帯電防止剤を添加した積層ポリエチレン樹脂発泡シートを開発した。しかし、この積層発泡シートは良好な帯電防止性を発揮するが、滑り性が悪いという課題を有していた。具体的には、該発泡シートを積層して保管する場合に発泡シートが相互に付着して剥がれ難い状態となったり、ガラス基板等の被包装物に付着しやすく剥がしにくい状態となったり、また、被包装物を該発泡シートにて覆う作業時に発泡シートの滑り難さから、発泡シートにシワがよったり作業性を低下させる場合もあった。更に、被包装物がガラス基板のように静電気を嫌うものの場合には、該発泡シートをガラス基板から剥がす際に剥離帯電が発生してしまう課題もあった。また、該発泡シートを包装材として使用する場合には、緩衝性には優れているものの被包装物の視認性にも課題がある。
特開2005−194433
本発明は、前記従来の問題点に鑑み、発泡シート相互の付着やガラス基板等の被包装物への付着を防ぐことができ、被包装物の梱包作業性に優れ、剥離帯電を防止し、被包装物への塵や埃の付着を防止できる積層ポリエチレン樹脂発泡シートを提供することを、その課題とするものである。
本発明によれば、以下に示す積層ポリエチレン樹脂発泡シートが提供される。
[1] ポリエチレン樹脂発泡シートの少なくとも片面に高分子型帯電防止剤を含有するポリエチレン樹脂層を積層接着してなる、厚み0.2〜2.0mm、見かけ密度0.02〜0.1g/cmの積層シートにおいて、
該積層シートが下記の条件(i)、(ii)および(iii)の少なくともいずれか一を満足することを特徴とする積層ポリエチレン樹脂発泡シート。
(i)ポリエチレン樹脂層の坪量が8g/m以下であり、発泡シートの気泡膜厚みが10〜100μm、かつ厚み方向の平均気泡数が1.5個/mm以下である。
(ii)ポリエチレン樹脂層が、30〜90重量%の融点115℃超128℃以下且つ密度0.910〜0.970g/cmのポリエチレン樹脂(a)と、0〜60重量%の融点115℃以下且つ密度0.890〜0.930g/cmのポリエチレン樹脂(b)と、10〜50重量%の高分子型帯電防止剤(c)(但し、(a)+(b)+(c)=100重量%)とにより構成されている。
(iii)ポリエチレン樹脂発泡シートが、10〜50重量%の融点115℃超125℃以下且つ密度0.910〜0.940g/cmのポリエチレン樹脂(d)と、50〜90重量%の融点115℃以下且つ密度0.890〜0.930g/cmのポリエチレン樹脂(b)(但し、(d)+(b)=100重量%)とにより構成されている。
[2] 前記条件(i)と、前記条件(ii)および前記条件(iii)から選択される少なくとも1つの条件とを、同時に満足することを特徴とする前記1に記載の積層ポリエチレン樹脂発泡シート。
[3] 前記積層発泡シートの水洗後の印加電圧半減期が10秒以下であることを特徴とする前記1または2に記載の積層ポリエチレン樹脂発泡シート。
本発明の積層ポリエチレン樹脂発泡シート(以下、積層発泡シートまたは積層シートとも言う。)は、被包装物の表面保護性に優れると共に、ポリエチレン樹脂層が高分子型帯電防止剤を含有することから塵や埃の付着防止性に優れ、ディスプレイ用ガラス基板などの電子精密機器の包装材として好適なものである。
更に、ポリエチレン樹脂層は高分子型帯電防止剤を含有するが、ポリエチレン樹脂発泡シートには、実質的に高分子型帯電防止剤を含有させる必要がないことから、積層発泡シート全体としての高分子型帯電防止剤の含有量が少なくてすむので、安価に製造可能である。
しかも、本発明の積層発泡シートは、前記条件(i)、(ii)、(iii)の少なくともいずれかを満たすことにより、積層発泡シート同士、或は被包装体に対して付着しにくく、滑り性に優れることから、剥離帯電が発生し難く、梱包作業効率に優れるものである。
また、本発明の積層発泡シートは、前記条件(i)を満たすことにより、被包装物を包装した際の被包装物の視認性向上効果を兼ね備えることができる。
図1は、主融解ピークの頂点の温度より高温側且つ110℃以上の領域に、張り出し部(ショルダー)が現れるDSC曲線の一例を示す図面である。 図2は、主融解ピークの頂点の温度より高温側且つ110℃以上の領域に他の融解ピークが現れるDSC曲線の一例を示す図面である。 図3(a)は、実施例1で得られた積層発泡シートの押出方向(MD)の断面図である。図3(b)は、同積層発泡シートの幅方向(TD)の断面図である。 図4(a)は、実施例8で得られた積層発泡シートのMDの断面図である。図4(b)は、同積層発泡シートのTDの断面図である。 図5(a)は、比較例1で得られた積層発泡シートのMDの断面図である。図5(b)は、同積層発泡シートのTDの断面図である。 積層発泡シートの製造方法の1例を示す説明図である。
以下、本発明の積層ポリエチレン樹脂発泡シートについて詳細に説明する。
本発明の積層発泡シートは、ポリエチレン樹脂発泡シート(以下、単に発泡シートともいう。)の少なくとも片面に高分子型帯電防止剤を含有するポリエチレン樹脂層(以下、単に樹脂層ともいう。)が積層接着されてなる積層シートである。
本発明の積層発泡シートは、帯電防止性、滑り性、剥離性等に優れることから、薄型テレビに用いられるディスプレイ用ガラス基板の包装材として好適なものであり、その外にも電子製品、精密機器、回路基盤、シリコンウェハ等の電子精密機器の包装材として好適に使用できるものである。
本発明の積層発泡シートを構成する、発泡シートと該発泡シートに積層接着される樹脂層とは、共にポリエチレン樹脂を基材樹脂の主成分とするものである。該ポリエチレン樹脂は、表面硬度が低く柔軟性に優れ、被包装体の表面保護に好適な熱可塑性樹脂である。なお、本明細書におけるポリエチレン樹脂を基材樹脂の主成分とするとは、基材樹脂中にポリエチレン樹脂を50重量%以上、好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上含有していることをいう。
本明細書におけるポリエチレン樹脂は、分岐状低密度ポリエチレン,直鎖状低密度ポリエチレン,直鎖状超低密度ポリエチレン,直鎖状高密度ポリエチレン、長鎖分岐高密度ポリエチレン等のエチレン単独重合体やエチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとのエチレン系共重合体、さらにこれらの2種以上の混合物等を包含するものである。
なお、発泡シートと樹脂層に用いられるポリエチレン樹脂の構成は同一である必要はなく、後述するように、両者のそれぞれの特徴を発揮するために異なる構成を採用することができる。
本明細書におけるポリエチレン樹脂の融点は、JIS K7121−1987に基づく方法により測定することができる。即ちJIS K7121−1987における試験片の状態調節(2)の条件(但し、冷却速度は10℃/分)により前処理を行い、10℃/分にて昇温することにより融解ピークを得る。そして得られた融解ピークの頂点の温度を融点とする。尚、融解ピークが2つ以上現れる場合には、主融解ピーク(最も面積の大きいピーク)の頂点の温度とする。但し、最も大きな面積を有するピークのピーク面積に対して80%以上のピーク面積を有するピークが他に存在する場合には、該ピークの頂点温度と最も面積の大きいピークの頂点の温度との相加平均値を融点として採用する。
本発明における発泡シートと樹脂層を構成する基材樹脂中には、主成分であるポリエチレン樹脂の他に、本発明の目的及び効果を阻害しない範囲で、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン,プロピレン−エチレン共重合体等のプロピレン系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、エチレンプロピレンゴム等のエラストマー等が配合されていてもよい。なお、前記樹脂の含有量は、基材樹脂中に50重量%以下、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下である。
また、上記基材樹脂中には、本発明の目的効果を阻害しない範囲において、例えば、気泡調整剤、造核剤、酸化防止剤、熱安定剤、耐候剤、紫外線吸収剤、難燃剤、抗菌剤、収縮防止剤等の機能性添加剤、無機充填剤等の添加剤を含有させることができる。
本発明の積層発泡シートを構成する樹脂層は、ポリエチレン樹脂と共に高分子型帯電防止剤を含有しており、帯電防止性能、被包装体へ帯電防止剤移行防止性能に優れるものである。
該帯電防止剤の数平均分子量は、2000以上、好ましくは2000〜100000、更に好ましくは5000〜60000、特に好ましくは8000〜40000である。従って、該帯電防止剤は、界面活性剤を主成分とする帯電防止剤とは区別される高分子型の帯電防止剤である。
なお、前記数平均分子量は、高温ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて求められる。例えば、高分子型帯電防止剤がポリエーテルエステルアミドやポリエーテルを主成分とする親水性樹脂の場合にはオルトジクロロベンゼンを溶媒として試料濃度3mg/mlとし、ポリスチレンを基準物質としてカラム温度135℃の条件にて測定される値である。なお、前記溶媒の種類、カラム温度は、高分子型帯電防止剤の種類に応じて適宜変更される。
本発明で使用される高分子型帯電防止剤としては、体積抵抗率が10〜1011Ω・cmの親水性樹脂と、ポリオレフィンとの共重合体等が挙げられる。
該親水性樹脂としては、ポリエーテルジオール,ポリエーテルジアミン,及びこれらの変性物等のポリエーテル、ポリエーテルセグメント形成成分としてポリエーテルジオールのセグメントを有するポリエーテルエステルアミド,ポリエーテルセグメント形成成分としてポリエーテルジオールのセグメントを有するポリエーテルアミドイミド,ポリエーテルセグメント形成成分としてポリエーテルジオールのセグメントを有するポリエーテルエステル、ポリエーテルセグメント形成成分としてポリエーテルジアミンのセグメントを有するポリエーテルアミド,ポリエーテルセグメント形成成分としてポリエーテルジオールまたはポリエーテルジアミンのセグメントを有するポリエーテルウレタン等のポリエーテル含有親水性樹脂、非イオン性分子鎖で隔てられた2〜80個、好ましくは3〜60個のカチオン性基を分子内に有するカチオン性ポリマー、及びスルホニル基を有するジカルボン酸とジオール又はポリエーテルとを必須構成単位とし、かつ分子内に2〜80個、好ましくは3〜60個のスルホニル基を有するアニオン性ポリマーが使用できる。
また高分子型帯電防止剤にはポリエチレン樹脂との相溶性を向上させ、優れた帯電防止効果を与えると共に、帯電防止剤を添加することによる物性低下を抑制する効果を得るために、ポリエチレン樹脂と同種或いは相溶性の高い樹脂をブロック共重合させたものが好ましく、例えば、ポリオレフィンのブロックと、体積抵抗率が10〜1011Ω・cmの前記親水性樹脂のブロックとが、繰り返し交互に結合した構造を有する数平均分子量(Mn)が2000〜60000のブロック共重合体が挙げられる。これらの中でも、ポリエーテルとポリオレフィンとのブロック共重合体が前記相溶性にも優れているので好ましい。
尚、前記ブロック共重合体は、ポリオレフィンのブロックと親水性樹脂のブロックとは、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合、イミド結合から選ばれる少なくとも1種の結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有する。
更に詳しくは、本発明において好ましく使用される前記のような高分子型帯電防止剤としては、特開平3−103466号公報、特開2001−278985号公報に記載の組成物が挙げられる。特開平3−103466号公報記載の組成物は、(I)熱可塑性樹脂、(II)ポリエチレンオキサイドまたは50重量%以上のポリエチレンオキサイドブロック成分を含有するブロック共重合体、及び(III)前記(II)中のポリエチレンオキサイドブロック成分と固溶する金属塩、これら(I)〜(III)を主成分とするものである。特開2001−278985号公報記載の組成物は、ポリオレフィン(a)のブロックと、体積抵抗率が1×10〜1×1011Ω・cmの親水性樹脂(b)のブロックとが、繰り返し交互に結合した構造を有する数平均分子量(Mn)が2000〜60000のブロック共重合体である。前記(a)のブロックと(b)のブロックとは、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合、イミド結合から選ばれる少なくとも1種の結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有するものである。このような高分子型帯電防止剤の具体例としては、例えば三井・デュポンポリケミカル株式会社製「SD100」、三洋化成工業株式会社製「ペレスタット300」などの商品名で市販されているものが挙げられる。
前記高分子型帯電防止剤はそれぞれ単独で使用することができるが、複数組み合わせて使用してもよい。
また、高分子型帯電防止剤の融点は、好ましくは70〜270℃、より好ましくは80〜230℃、特に好ましくは80〜200℃であることが、帯電防止機能発現性の観点から望ましい。
前記の高分子型帯電防止剤の融点は、前述のポリエチレン樹脂の融点の測定方法と同様にJIS K7121−1987に基づいて測定される値である。
本発明の樹脂層における高分子型帯電防止剤の含有量は、好ましくは樹脂層全体の10〜50重量%であり、更に好ましくは15〜40重量%であり、特に好ましくは20〜35重量%である。該含有量が少なすぎると、電子精密機器の包装材に要求される帯電防止特性を発揮できない虞がある。一方、該含有量が多すぎても帯電防止性能には何ら問題ないが、帯電防止性能が頭打ちになり、コストパフォーマンスが悪くなる。
本発明における発泡シートには前記高分子型帯電防止剤が添加されている必要はないが、積層発泡シートの回収原料を発泡シート用原料として用いることによって高分子型帯電防止剤が添加される場合には、発泡シートが高分子型帯電防止剤を含有することとなる。その場合であっても、発泡シートの発泡性を阻害しないために、高分子型帯電防止剤の含有量は発泡シートを構成する基材樹脂100重量部に対して15重量部以下の割合とすることが好ましい。さらに、積層発泡シートの機械的強度を維持するためには、該含有量は発泡シートを構成する基材樹脂100重量部に対して8重量部以下が好ましく、より好ましくは5重量部以下である。なお、発泡シートに帯電防止剤が添加されることにより帯電防止効果の更なる向上も期待できる。
本発明の積層発泡シートの厚みは0.2〜2.0mmである。該厚みが薄すぎると、電子精密機器などの被包装物に対する緩衝性、表面保護性が不十分になり、厚みが厚すぎると被包装物の包装時や積層発泡シート廃棄時に積層発泡シートが嵩張る問題や包装物の輸送コスト上の不利益に繋がる。このような観点から、積層発泡シートの厚みは、更に0.3〜1.5mm、特に0.4〜1.3mmが好ましく、最も好ましくは0.5〜1.2mmである。
本発明の積層発泡シートの見かけ密度は0.02〜0.1g/cmである。該見かけ密度が大きすぎると表面保護性が低下する虞がある。一方、該見かけ密度が小さすぎると積層発泡シートに所望される保形性や圧縮強さなどの機械的強度が低下し、コシが弱く積層発泡シートの垂れ下がりが大きくなる虞がある。かかる観点などから、該見かけ密度は0.025〜0.095g/cmが好ましく、より好ましくは0.03〜0.09g/cmである。
本発明における樹脂層は、坪量が小さく厚みが薄いことが好ましい。例えば、該坪量が小さく厚みが薄ければ、後述する構成(i)において、気泡の粗い発泡シートの表面の凹凸が樹脂層にも現れることにより、被包装体に付着しにくくなるという効果を有するものとなる。
かかる観点から、該坪量は好ましくは8g/m以下であり、更に好ましくは1〜6g/mであり、特に好ましくは1.5〜5g/mである。該坪量が前記範囲内であることが、必要以上に表面が滑らかになりすぎることや帯電防止性を発現する樹脂層が薄くなりすぎることを防ぐこととなり、積層発泡シートの被包装物に対する付着防止性や安定した帯電防止性の観点から好ましい。なお、本発明の目的、効果が達成される範囲内であれば、樹脂層は多少の厚みむらがあってもかまわない。
本発明における積層発泡シート全体の厚みは、積層発泡シートの全幅に亘って幅方向に1cm間隔で測定される厚み(mm)の算術平均値である。
本発明における積層発泡シートの見かけ密度(g/cm)は、積層発泡シートから切り出した試験片の重量(g)を該試験片の体積(cm)で除した値である。
また、積層発泡シートを構成している発泡シートの見かけ密度(g/cm)は、試験片の重量(g)から後述する試験片の樹脂層の重量(g)を引き算して試験片の発泡シートの重量を求め、積層発泡シートの厚みから後述する試験片の樹脂層の平均厚みを引き算して試験片の発泡シートの厚みを求め、該発泡シートの重量を該発泡シートの外形寸法から求められる体積(cm)で除した値である。
本発明において、前記の樹脂層の坪量は、以下の方法にて求めることができる。
積層発泡シートの幅方向の垂直断面を顕微鏡などで適宜拡大して、樹脂層の厚みを等間隔に幅方向に10点測定し、得られた値の算術平均値を樹脂層の平均厚みとし、該平均厚みに樹脂層を構成している基材樹脂の密度を乗じ、単位換算して樹脂層の坪量[g/m]を求めることができる。ただし、この方法は樹脂層と発泡シートの界面が明確な場合に限られる。
なお、樹脂層の基材樹脂の密度(g/cm)は、基材樹脂を構成する各樹脂の密度に各樹脂の含有重量比率を乗じて算出される値の総和として求めることができる。
なお、前記方法にて坪量測定が困難な場合には、共押出によって製造される積層発泡シートおいては、押出発泡条件の内、樹脂層の吐出量X[kg/時]と、得られる積層発泡シートの幅W[m]、積層発泡シートの単位時間あたりの押出されるシート長さL[m/時]から、以下の(1)式にて樹脂層の坪量[g/m]を求めることができる。また、発泡シートの両面に樹脂層を押出ラミネート法により積層する場合には、それぞれの樹脂層の吐出量に基づきそれぞれの樹脂層の坪量を求めることができる。
坪量[g/m]=〔1000X/(L×W)〕・・・(1)
本発明の積層発泡シートは前記の通り樹脂層が高分子型帯電防止剤を含有することから帯電防止性に優れるものである。具体的には、水洗後の印加電圧半減期が10秒以下であることが好ましく、より好ましくは7秒以下、更に好ましくは5秒以下である。該印加電圧半減期が10秒以下であれば、積層発泡シートをディスプレイ用ガラス基板等の電子精密機器の緩衝材、包装材として使用することにより、電子精密機器への埃の付着を防止することができる。また、該積層発泡シートは、水洗後であっても印加電圧半減期が殆ど低下せず、十分な帯電防止性を発現することができ、従来の界面活性剤により帯電防止性を発揮している包装材とは異なり、長期間にわたって安定した帯電防止性を発現することができる。なお、該印加電圧半減期の下限については、小さな値ほど好ましい。該印加電圧半減期の下限は概ね0.5秒である。
本明細書における印加電圧半減期の測定は、水洗後の積層発泡シートを測定試料として、JIS L1094(1988)A法に基づき測定される値である。具体的には、積層発泡シートから切り出した試験片(縦40mm×横40mm×厚み:測定対象物厚み)を、40℃の水、300mlと共にビーカーに入れて10分間攪拌水洗し、その後、試験片を温水から取り出し、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下に36時間放置することにより試験片の状態調節を行ってから、JIS L1094(1988)A法にて、ターンテーブル回転速度1300rpm、印加電圧(+)10kV、30秒間の印加条件にて印加電圧半減期を求める。
本発明の積層シートは、下記の条件(i)、(ii)および(iii)の少なくともいずれか一を満足するものである。
(i)ポリエチレン樹脂層の坪量が8g/m以下であり、発泡シートの気泡膜厚みが10〜100μm、かつ厚み方向の平均気泡数が1.5個/mm以下である。
(ii)ポリエチレン樹脂層が、30〜90重量%の融点115℃超128℃以下且つ密度0.910〜0.970g/cmのポリエチレン樹脂(a)と、0〜60重量%の融点115℃以下且つ密度0.890〜0.930g/cmのポリエチレン樹脂(b)と、10〜50重量%の高分子型帯電防止剤(c)(但し、(a)+(b)+(c)=100重量%)とにより構成されている。
(iii)ポリエチレン樹脂発泡シートが、10〜50重量%の融点115℃超125℃以下且つ密度0.910〜0.940g/cmのポリエチレン樹脂(d)と、50〜90重量%の融点115℃以下且つ密度0.890〜0.930g/cmのポリエチレン樹脂(b)(但し、(d)+(b)=100重量%)とにより構成されている。
前記(i)を満たす積層発泡シートは、気泡膜厚みが通常のものよりも厚く、厚み方向の気泡数が少ない発泡シート、即ち主に粗い気泡により構成されている発泡シートである。該(i)を満たす発泡シートに前記したように薄く坪量が8g/m以下の樹脂層が積層された積層発泡シートは、粗い気泡の凹凸が樹脂層表面に現れているものであり、被包装体に対する接触面積が小さく、気泡の圧縮などに対する剛性も高いものである。従って、本発明の積層発泡シートは、表面に比較的多くの高分子型帯電防止剤を含有する樹脂層が積層されているにもかかわらず、積層発泡シート自体は被包装体に付着し難いものである。前記観点から該気泡膜厚みの上限は70μmが好ましく、更50μmが好ましく、特35μmが好ましく、該気泡数1.5個/mm以下である。また、前記(i)を満たす積層発泡シートは、気泡径も従来のものと比較して大きなものであり厚み方向の気泡数も少ないことから、光の透過性が高く、包装材として使用した場合に被包装物が何であるかが確認できる程度の視認性を向上させることができる。
本発明において、気泡膜厚みth(μm)は下記式により求めることができる。
th(μm)=(0.46/ρp)ρf・D
但し、Dは発泡シートの平均気泡径(μm)であり、ρpは発泡シートの基材樹脂の密度(g/cm)、ρfは発泡シートの見かけ密度(g/cm)である。
なお、発泡シートの平均気泡径Dは、ASTM D3576‐77に基づいて次式にて算出される値である。
D=3方向(厚み方向、幅方向および押出方向)の平均気泡弦長の算術平均値(μm)/0.616
また、発泡シートの基材樹脂の密度ρp(g/cm)は、積層発泡シートから樹脂層を含まないように発泡シートを切り出して、切り出した発泡シートをヒートプレス装置により脱泡してソリッド化したサンプルの密度を測定することにより求めることができる。また、発泡シートの基材樹脂を構成する各樹脂の密度(g/cm)を、基材樹脂を構成する各樹脂の密度に各樹脂の含有重量比率を乗じて算出される値の総和として求めることもできる。
また、発泡シートの基材樹脂の密度ρp(g/cm)は、積層発泡シートの見かけ密度と発泡シートの厚みと、積層発泡シートの樹脂層の密度と厚みに基づき算出することができる。
また、発泡シートの見かけ密度ρf(g/cm)は、積層発泡シートをヒートプレス装置により脱泡してソリッド化したサンプルの密度に積層発泡シートの厚みを乗じて単位換算することで求められる積層発泡シートの坪量から、樹脂層の密度に樹脂層の厚みを乗じて単位換算することで求められる樹脂層の坪量を引き算して、発泡シートの坪量を算出し、次いで積層発泡シートの厚みから前記樹脂層の厚みを引き算して得られる発泡シートの厚みにて発泡シートの坪量を除し、単位換算することにより求めることができる。
該平均気泡膜厚みは、発泡シートの見かけ密度及び発泡シートの平均気泡径にて調整を行う事が可能である。発泡シートの見かけ密度の変更は発泡剤の添加量により調整可能である。
一方、発泡シートの平均気泡径は、発泡剤や気泡調整剤の種類や添加量、押出発泡時のダイ内圧力条件などにより調整可能である。例えば、発泡剤の種類と添加量を一定とした場合、押出発泡時のダイ内の圧力と気泡調整剤の添加量により、平均気泡径を調整できる。具体的には、発泡剤の種類と添加量が一定の条件下において、ダイ内の圧力を大きくする程及び/又は気泡調整剤量を多くする程、発泡シートの平均気泡径を小さくすることができる。
前記の厚み方向の気泡数(個/mm)の測定は、発泡シートの全幅に亘って幅方向に1cm間隔で測定箇所を定め、定められた測定箇所の厚み(mm)および該測定箇所の厚み方向の気泡数(個)を求め、各測定箇所の厚み方向の気泡数(個)をその測定箇所の厚み(mm)にて除することにより求め、求められた各測定箇所の厚み方向の気泡数の算術平均値を、本発明における厚み方向の気泡数(個/mm)とする。なお、前記各測定箇所の厚み方向の気泡数は、測定箇所の厚み方向に直線を引き、該直線と交わる気泡の数をカウントすることにより求められる値である。
前記(ii)を満たす積層発泡シートは、その樹脂層が、30〜90重量%の融点115℃超128℃以下且つ密度0.910〜0.970g/cmのポリエチレン樹脂(a)と、0〜60重量%の密度0.890〜0.930g/cm且つ融点115℃以下のポリエチレン樹脂(b)と、10〜50重量%の高分子型帯電防止剤(c)(但し、(a)+(b)+(c)=100重量%)とで構成されたものである。
ポリエチレン樹脂(a)は剛性に優れることから、このようなポリエチレン樹脂(a)を含有する樹脂層は、剛性、耐熱性に富むものである。したがって、該(ii)を満たす積層発泡シートは帯電防止性に優れると共に、全体として十分な剛性を有することから、被包装体に被せる作業、引き剥がす作業が容易なものである。また、該(ii)を満たす積層発泡シートは全体として耐熱性も向上したものとなる。
また、該積層発泡シートは特定の見かけ密度と厚みの条件を満足するものであることから、積層シート全体の樹脂組成は、全体のポリエチレン樹脂中に、樹脂層中に含まれるポリエチレン樹脂(a)に因る少量のポリエチレン樹脂(a)を含有するものである。
したがって、前記(ii)を満たす積層発泡シートにおいては、積層シートを試料とするJIS K7122-1987に基づく一定の熱処理を行った後の融解熱の熱流束示差走査熱量測定により得られるDSC曲線において、図1に示すように主融解ピークの頂点の温度より高温側、且つ110℃以上の主融解ピーク領域に、ポリエチレン樹脂(a)に起因する張り出し部が現れる。なお、図1に見られる張り出し部の存在は、該DSC曲線を、DSC測定装置に付属しているソフト等で、二階微分することにより変曲点の存在を確認することによって判定することができる。
なお、発泡シートを構成するポリエチレン樹脂中にもポリエチレン樹脂(a)が含有されている場合には、前記DSC曲線において主融解ピークの頂点の温度より高温側且つ110℃以上の領域に現れる張り出し部を覆い隠して融解ピークが現れることもある。
前記ポリエチレン樹脂(a)としては、更に融点115℃超125℃以下且つ密度0.910〜0.940g/cmのポリエチレン樹脂が好ましい。
前記ポリエチレン樹脂(a)としては、所謂、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンが例示される。
所望される剛性を有するという観点から、ポリエチレン樹脂(a)の含有量は、40〜90重量%が好ましく、45〜85重量%がより好ましい。
前記ポリエチレン樹脂(b)の含有量が多すぎると、ポリエチレン樹脂(a)の含有量が少なくなることから、樹脂層の剛性が不足し、積層発泡シートを被包装体に被せる作業、引き剥がす作業の作業性向上が期待できなくなる。かかる観点から、ポリエチレン樹脂(b)の含有量は、0〜45重量%が好ましく、0〜30重量%がより好ましい。
前記ポリエチレン樹脂(b)としては、所謂、分岐状低密度ポリエチレンが例示される。
前記高分子型帯電防止剤(c)の含有量が少なすぎると、電子精密機器の包装材に要求される帯電防止特性を発揮できない虞がある。一方、該含有量が多すぎても帯電防止性能の面では何ら問題ないが、帯電防止性能が頭打ちになるためコストパフォーマンスが低下する虞がある。かかる観点から、高分子型帯電防止剤(c)の含有量は、15〜40重量%が好ましく、20〜35重量%がより好ましい。
前記(iii)を満たす積層発泡シートは、その発泡シートを10〜50重量%の融点115℃超125℃以下且つ密度0.910〜0.940g/cmのポリエチレン樹脂(d)と、50〜90重量%の密度0.890〜0.930g/cm且つ融点115℃以下のポリエチレン樹脂(b)(但し、(d)+(b)=100重量%)とで構成されたものである。
前記(iii)を満たす積層発泡シートは、発泡シートが、融点115℃超125℃以下且つ密度0.910〜0.940g/cmのポリエチレン樹脂(d)を含有するものである。そして、積層発泡シート全体の樹脂組成は、発泡シート中に含まれるポリエチレン樹脂(d)に因る比較的多量のポリエチレン樹脂(d)を含有することとなる。
ポリエチレン樹脂(d)は剛性に優れることから、ポリエチレン樹脂(d)を含有する発泡シートは、剛性に富むものである。したがって、前記(iii)を満たす積層発泡シートは、全体として十分な剛性を有することから、被包装体に被せる作業、引き剥がす作業が容易なものであり、良好な発泡シートを製造することができるものである。
前記観点から、ポリエチレン樹脂(d)の含有量は、20〜50重量%が好ましく、25〜45重量%がより好ましく、ポリエチレン樹脂(b)の含有量は、50〜80重量%が好ましく、55〜75重量%がより好ましい。
前記ポリエチレン樹脂(d)としては、所謂、直鎖状低密度ポリエチレンが例示される。
前記(iii)を満たす積層発泡シートにおいては、ポリエチレン樹脂発泡シートが融点115℃超125℃以下且つ密度0.910〜0.940g/cmのポリエチレン樹脂(d)を含有することから、積層シートを試料とするJIS K7122−1987に基づく一定の熱処理を行った後の融解熱の熱流束示差走査熱量測定により得られるDSC曲線において、図2に示すように主融解ピークの頂点の温度より高温側、且つ110℃以上の領域に、ポリエチレン樹脂(d)に起因する他の融解ピークが現れる。なお、図2に見られる二つめのピークの存在は、該DSC曲線を目視により確認できる。
本発明の積層発泡シートは、前記条件(i)と前記条件(ii)とを同時に満足することが好ましい。このものは、剛性に富む樹脂層と主に粗い気泡により構成されている発泡シートとからなるものである。従って、被包装体に対する接触面積が小さく、被包装体に付着し難いと共に、十分な剛性を有し、被包装体に被せる作業、引き剥がす作業などが容易で、しかも帯電防止性に優れる積層発泡シートである。
また、本発明の積層発泡シートは、前記条件(i)と前記条件(iii)とを同時に満足することが好ましい。なお、この前記条件(i)と前記条件(iii)とを同時に満足するものには、更に、前記条件(i)と前記条件(ii)と前記条件(iii)とを同時に満足するものも含まれる。この前記条件(i)と前記条件(iii)とを同時に満足するものは、帯電防止性に優れる樹脂層と剛性に富み且つ粗い気泡の発泡シートの構成を備えるものである。従って、被包装体に対する接触面積が小さく、被包装体に付着し難いと共に、十分な剛性を有し、被包装体に被せる作業、引き剥がす作業などが容易で、しかも帯電防止性に優れる積層発泡シートである。
なお、条件(iii)を満足する発泡シートに設けられる樹脂層は、好ましくは前記条件(i)を満足するものである。
次に、本発明の積層ポリエチレン樹脂発泡シートの製造方法について説明する。
本発明の積層発泡シートの製造方法としては、樹脂層を形成する溶融樹脂と発泡シートを形成する溶融樹脂とをダイ内にて積層合流して押出発泡する共押出発泡法が好ましく採用される。該共押出発泡方法は、樹脂層の厚みを薄くできると共に、樹脂層と発泡シートとの間の接着力が高い積層発泡シートを得ることができるので好ましい。但し、本発明においては、発泡シートを押出発泡により製造し、樹脂層を押出ラミネーションにより発泡シートに積層する等、従来公知の方法を適用することもできる。
共押出発泡法によりシート状の積層発泡シートを製造する方法には、共押出用フラットダイを用いてシート状に共押出発泡させてシート状の積層発泡シートとする方法と、共押出用環状ダイを用いて筒状に共押出発泡させて筒状の積層発泡体を得て、次いで該筒状発泡体を切り開いてシート状の積層発泡シートとする方法等がある。これらの中では、共押出用環状ダイを用いる方法が、幅が1000mm以上の幅広の積層発泡シートを容易に製造することができるので、好ましい方法である。
前記環状ダイを用いて共押出しする場合について以下に詳細に説明する。
まず、図6に示すように、ポリエチレン樹脂(a)やポリエチレン樹脂(b)などからなるポリエチレン樹脂と、高分子型帯電防止剤(C)とを樹脂層形成用押出機11に供給し、加熱溶融し混練した後、必要に応じて揮発性可塑剤(E1)を添加し溶融混練してポリエチレン樹脂層形成用樹脂溶融物(F1)とする。同時にポリエチレン樹脂(b)や直鎖状ポリエチレン樹脂(d)などからなるポリエチレン樹脂と、必要に応じて添加される気泡調整剤などの添加剤(G)とを発泡シート形成用押出機12に供給し、加熱溶融し混練してから物理発泡剤(E2)を圧入し、さらに混練してポリエチレン樹脂発泡シート形成用樹脂溶融物(F2)とする。
尚、共押出方法においては、環状ダイ内で樹脂層形成用樹脂溶融物(F1)と発泡シート形成用樹脂溶融物(F2)とを積層することもできれば、押出された前記溶融物同士をダイの出口の外で積層することもできる。
前記樹脂層形成用樹脂溶融物(F1)に添加される揮発性可塑剤(E1)としては、樹脂溶融物(F1)の溶融粘度を低下させる機能を有すると共に、ポリエチレン樹脂層(J)形成後に、該ポリエチレン樹脂層より揮発して樹脂層中に存在しなくなるものが用いられる。揮発性可塑剤(E1)を樹脂溶融物中に添加することにより、積層発泡シートを共押出しする際に、樹脂層形成用樹脂溶融物(F1)の押出温度を発泡シート形成用樹脂溶融物(F2)の押出温度に近づけることができると共に、軟化状態の樹脂層(J)の溶融伸びを著しく向上させることができる。そうすると、発泡時に樹脂層の熱によって発泡シート(I)の気泡が破壊されにくくなり、さらに該樹脂層(J)の伸びが発泡シート(I)の発泡時の伸びに追随するので、樹脂層(J)の伸び不足による亀裂発生が防止される。
揮発性可塑剤(E1)としては、炭素数3〜7の脂肪族炭化水素や脂環式炭化水素、炭素数1〜4の脂肪族アルコール、又は炭素数2〜8の脂肪族エーテルから選択される1種、或いは2種以上のものが好ましく用いられる。揮発性可塑剤(E1)の代わりに所謂、滑剤のように揮発性の低いものを用いた場合、該滑剤は樹脂層(J)に残存し、被包装体の表面を汚染することがある。これに対し揮発性可塑剤(E1)は、樹脂層(J)の樹脂を効率よく可塑化させ、得られる樹脂層(J)に揮発性可塑剤自体が残り難いという点から好ましいものである。
前記炭素数3〜7の脂肪族炭化水素や脂環式炭化水素としては、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、ノルマルヘプタンなどが挙げられる。
前記炭素数1〜4の脂肪族アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、ノルマルブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールが挙げられる。
前記炭素数2〜8の脂肪族エーテルとしては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、メチルイソブチルエーテル、メチルアミルエーテル、メチルイソアミルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルイソプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、エチルイソブチルエーテル、エチルアミルエーテル、エチルイソアミルエーテル、ビニルエーテル、アリルエーテル、メチルビニルエーテル、メチルアリルエーテル、エチルビニルエーテル、エチルアリルエーテルが挙げられる。
揮発性可塑剤(E1)の沸点は、樹脂層(J)から揮発し易いことから、120℃以下が好ましく、より好ましくは80℃以下である。揮発性可塑剤(E1)の沸点が前記範囲であれば、共押出しした後、得られた積層発泡シート(H)を放置しておけば、共押出し直後の熱や、更に後の室温下でのガス透過により、揮発性可塑剤(E1)は積層発泡シートの樹脂層(J)から自然に揮散して除去される。該揮発性可塑剤(E1)の沸点の下限値は、概ね−50℃である。
揮発性可塑剤(E1)の添加量は、主としてポリエチレン樹脂と高分子型帯電防止剤(C)との混練物である基材樹脂100重量部に対して5重量部〜50重量部であることが好ましい。揮発性可塑剤(E1)の添加量が5重量部以上であれば、樹脂層(J)を構成するポリエチレン樹脂等の混練時のせん断による発熱が抑えられるので、樹脂層(J)が積層される発泡シート形成用樹脂溶融物(F2)の樹脂温度の上昇が抑えられる(温度低下効果)。従って、樹脂層形成用樹脂溶融物との共押出発泡時において、発泡シート形成用樹脂溶融物(F2)が発泡する際に、気泡が破泡する等の弊害が防止される。なお、発泡シート形成用樹脂溶融物(F2)はダイから常圧下に押出されて発泡シート(I)となる。
さらに、揮発性可塑剤(E1)は、樹脂層形成用樹脂溶融物(F1)の積層発泡シートの樹脂層形成時における、発泡シートに追随する伸張性を向上させ(伸張性改善効果)、樹脂層(J)の厚みを均一に薄く形成する効果も有する。かかる観点から、揮発性可塑剤(E1)の添加量は、7重量部以上が好ましく、10重量部以上がより好ましい。
一方、揮発性可塑剤(E1)の添加量が、多すぎる場合には、樹脂層(J)自体の物性低下を引き起こす虞や、揮発性可塑剤(E1)が樹脂層形成用樹脂溶融物(F1)中に十分に溶解せずにダイリップから揮発性可塑剤が噴き出す虞や、樹脂層(J)に穴が開いたり、樹脂層の厚み厚薄が大きくなりすぎる虞がある。かかる観点から、揮発性可塑剤(E1)の添加量は、40重量部以下が好ましく、30重量部以下がより好ましく、25重量部以下が更に好ましい。揮発性可塑剤(E1)の添加量を前記範囲とすることで、共押出時の樹脂層形成用樹脂溶融物の十分な温度低下効果と伸張性改善効果が確保される。
また、樹脂層形成用樹脂溶融物(F1)には、本発明の目的を阻害しない範囲において該溶融物(F1)を形成する樹脂に各種の添加剤を添加してもよい。各種の添加剤としては、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、耐候剤、紫外線吸収剤、難燃剤、充填剤、抗菌剤等が挙げられる。その場合の添加量は添加剤の目的、効果に応じて適宜定められるが、基材樹脂100重量部に対して各々10重量部以下が好ましく、5重量部以下がより好ましく、3重量部以下が特に好ましい。
前記発泡シート形成用樹脂溶融物(F2)に添加される物理発泡剤(E2)としては、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、塩化メチル、塩化エチル等の塩化炭化水素、1,1,1,2−テトラフロロエタン、1,1−ジフロロエタン等のフッ化炭化水素等の有機系物理発泡剤、窒素、二酸化炭素、空気、水等の無機系物理発泡剤が挙げられる。場合によっては、アゾジカルボンアミド等の分解型発泡剤を使用することもできる。前記した物理発泡剤は、2種以上を混合して併用することが可能である。これらのうち、特にポリエチレン樹脂との相溶性、発泡性の観点から有機系物理発泡剤が好ましく、中でもノルマルブタン、イソブタン、又はこれらの混合物を主成分とするものが好適である。
物理発泡剤(E2)の添加量は、発泡剤の種類、目的とする見かけ密度に応じて調整する。また気泡調整剤の添加量は、目的とする気泡径に応じて調節する。例えば、発泡剤としてイソブタン30重量%とノルマルブタン70重量%とのブタン混合物を用いて前記密度範囲の積層発泡シートを得るためには、ブタン混合物の添加量は、基材樹脂100重量部当たり3〜30重量部、好ましくは4〜20重量部、より好ましくは6〜18重量部である。
前記発泡シート形成用樹脂溶融物(F2)に添加される添加剤(G)の主要なものとして、通常、気泡調整剤が添加される。気泡調整剤としては有機系のもの、無機系のもののいずれも使用することができる。無機系気泡調整剤としては、ホウ酸亜鉛、ホウ酸マグネシウム、硼砂等のホウ酸金属塩、塩化ナトリウム、水酸化アルミニウム、タルク、ゼオライト、シリカ、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム等が挙げられる。また有機系気泡調整剤としては、リン酸−2,2−メチレンビス(4,6−tert−ブチルフェニル)ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カルシウム、安息香酸アルミニウム、ステアリン酸ナトリウム等が挙げられる。またクエン酸と重炭酸ナトリウム、クエン酸のアルカリ塩と重炭酸ナトリウム等を組み合わせたもの等も気泡調整剤として用いることができる。これらの気泡調整剤は2種以上を混合して用いることもできる。
なお、気泡調整剤の添加量は、基材樹脂100重量部当たり0.01〜3重量部、好ましくは0.03〜1重量部である。前記(i)を満たす積層発泡シートを得るには、例えば、樹脂層の坪量の調整と共に、発泡シートの厚み、見掛け密度等を考慮しつつ、平均気泡径、厚み方向の平均気泡数が、前記(i)を満たすように気泡調整剤の添加量を調整すればよい。
ポリエチレン樹脂発泡シート形成用樹脂溶融物(F2)には、前記の通り、本発明の目的及び効果を阻害しない範囲で、スチレン系樹脂やエラストマー等の他の樹脂や、熱安定剤などの添加剤を配合することができる。
前記したように、積層発泡シートを共押出によって製造する場合には、押出機11を用いて樹脂層形成用樹脂溶融物(F1)を形成し、押出機12を用いて発泡シート形成用樹脂溶融物(F2)を形成し、押出機12内において樹脂溶融物(F2)を発泡可能な温度に調整し、押出機11内において樹脂溶融物(F1)を共押出可能な温度に調整してから、樹脂層形成用樹脂溶融物(F1)と発泡シート形成用樹脂溶融物(F2)とを共押出用環状ダイ13に導入して両者を積層し、更に大気中に共押出して、発泡シート形成用樹脂溶融物(F2)を発泡させて、発泡体に樹脂層が積層された筒状積層発泡体を形成し、該筒状積層発泡体の内面を、円柱状冷却装置に沿わせて冷却しつつ引取りながら切開くことにより、積層発泡シートを得ることができる。但し、樹脂層形成用樹脂溶融物(F1)と発泡シート形成用樹脂溶融物(F2)との積層は、前述したとおり環状ダイの内部で積層することもできれば、出口付近や、ダイの出口の外で積層することもできる。また、前記環状ダイ、押出機、円柱状冷却装置、筒状積層発泡体を切開く装置等は、従来から押出発泡の分野で用いられてきた公知のものを用いることができる。
また、本発明の前記条件(i)における厚み方向の平均気泡数の値を小さくするには、気泡調整剤の添加量を少なく調整し、環状ダイ先端に平行ランドをもつリップを設け、発泡シート形成用樹脂溶融物の厚み方向への膨張(スエル)を押えながら押出すことによりコルゲートの発生を防ぎながら、平行ランドにおいて発泡シート形成用樹脂溶融物を若干せん断発熱させて、気泡同士の結合を図ることで調整することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は実施例により限定されるものではない。
気泡調整剤として、低密度ポリエチレン樹脂80重量%に対してタルク(松村産業株式会社製商品名「ハイフィラー#12」)を20重量%配合してなる気泡調整剤マスターバッチを用いた。
樹脂層形成用及び発泡シート形成用に用いたポリエチレン樹脂の種類、メーカー、密度、融点、MFI(190℃、荷重21.18N)を表1に示す。
高分子型帯電防止剤として、三洋化成工業株式会社製のポリエーテル−ポリプロピレンブロック共重合体を主成分とする「ぺレスタット300」(融点136℃、数平均分子量14000、密度990g/L)を用いた。
物理発泡剤として、ノルマルブタン70重量%とイソブタン30重量%とからなる混合ブタンを用いた。
実施例1〜11、比較例1〜3
ポリエチレン樹脂発泡シート形成用の押出機(12)として、直径90mmの第一押出機と直径120mm第二押出機からなるタンデム押出機を用い、ポリエチレン樹脂層形成用の押出機(11)として直径50mm、L/D=50の第三押出機を用いた。更に、共押出用環状ダイに、第二押出機と第三押出機の夫々の出口を連結し、夫々の溶融樹脂を環状ダイ内で積層可能にした。
表2に示す配合のポリエチレン樹脂と高分子型帯電防止剤を第三押出機に供給して加熱混練し、揮発性可塑剤として表2に示す量の前記混合ブタンを圧入し、更に混練し、表2に示す押出樹脂温度に調節して樹脂層形成用樹脂溶融物とし、該樹脂層形成用樹脂溶融物を表2に示す「樹脂層/発泡シート/樹脂層」の坪量構成となるような吐出量で共押出用環状ダイに導入した。
同時に、表2に示す配合のポリエチレン樹脂と気泡調整剤マスターバッチとをタンデム押出機の第一押出機の原料投入口に供給し、加熱混練し、約200℃に調整された溶融樹脂混合物とした。次に、該溶融樹脂混合物に、表2に示す量の物理発泡剤を圧入し、次いで前記第一押出機の下流側に連結された第二押出機に供給して、表2に示す押出樹脂温度に温調して発泡シート形成用樹脂溶融物とし、該発泡シート形成用樹脂溶融物を表2に示す「樹脂層/発泡シート/樹脂層」の坪量構成となるような吐出量で前記の共押出用環状ダイに導入した。
共押出用環状ダイに導入されてダイ内の樹脂流路を流動する発泡シート形成用樹脂溶融物の外側と内側に、共押出用環状ダイに導入された樹脂層形成用樹脂溶融物を積層合流し、溶融物の積層体をダイから大気中に押出して、樹脂層/発泡体/樹脂層からなる3層構成の筒状積層発泡体を形成した。押出された筒状積層発泡体を冷却された円柱状冷却装置(マンドレル)に沿わせて引き取りながら切開いて、積層発泡シートを得た。
実施例及び比較例にて得られた積層発泡シートの諸物性を表3に示す。
表3における平均気泡径、厚み方向の平均気泡数、気泡膜厚、印加電圧の測定は、前記の方法により各積層発泡シートに対して各5点で行い、測定値の算術平均値を各々の測定結果とした。
表3における剥離強度の測定は、次のように行なった。
発泡シートを横40mm×縦76mmのサイズに切り出した。その後、切り出した発泡シートと板ガラスとを温度60℃、湿度50%RHの雰囲気下で130g/cm2荷重にて18時間圧着させた。前記条件にて板ガラスに圧着した発泡シートを100mm/min速度にて90°剥離試験にて剥離した時の荷重を測定した。測定は各積層発泡シートに対して6点で行い、測定値の算術平均値を剥離強度(gf/40mm)とした。
剥離強度の測定結果を、次に示す基準で評価した。
◎:0.7gf/40mm未満
○:0.7gf/40mm以上、1.3gf/40mm未満
△:1.3gf/40mm以上、1.9gf/40mm未満
×:1.9gf/40mm以上
表3における静摩擦係数は、JIS K7125−1999に準拠して測定した値である。まず、積層発泡シートから横100mm×縦100mmのサイズに滑り片を切り出した。また滑り片と同じ発泡シートより横130mm×縦200mmサイズに試験片を切り出した。摩擦は接触面積100cm(1辺の長さ100mm)の正方形の滑り片が試験片上を水平移動することによって生じさせた。滑り片の荷重を125g±1.2gに調整し、摩擦を引き起こす試験片の移動速度は500mm/minにて測定を行った。試験は、試験片、滑り片、滑らせる方向全てを、シートの長手(縦)方向に一致させて行った。前記測定手順により摩擦係数の測定を行い、摩擦運動を開始する時の最大荷重を滑り片の荷重で割った値を静摩擦係数の値とした。なお、前記測定は積層発泡シートの表面同士と裏面同士にて各5点で行い、求められた10点の静摩擦係数の平均値を測定値とした。
静摩擦係数の測定結果を、次に示す基準で評価した。
◎:0.7未満
○:0.7以上、1.2未満
×:1.2以上

Claims (3)

  1. ポリエチレン樹脂発泡シートの少なくとも片面に高分子型帯電防止剤を含有するポリエチレン樹脂層を積層接着してなる、厚み0.2〜2.0mm、見かけ密度0.02〜0.1g/cmの積層シートにおいて、
    該積層シートが下記の条件(i)、(ii)および(iii)の少なくともいずれか一を満足することを特徴とする積層ポリエチレン樹脂発泡シート。
    (i)ポリエチレン樹脂層の坪量が8g/m以下であり、発泡シートの気泡膜厚みが10〜100μm、かつ厚み方向の平均気泡数が1.5個/mm以下である。
    (ii)ポリエチレン樹脂層が、30〜90重量%の融点115℃超128℃以下且つ密度0.910〜0.970g/cmのポリエチレン樹脂(a)と、0〜60重量%の融点115℃以下且つ密度0.890〜0.930g/cmのポリエチレン樹脂(b)と、10〜50重量%の高分子型帯電防止剤(c)(但し、(a)+(b)+(c)=100重量%)とにより構成されている。
    (iii)ポリエチレン樹脂発泡シートが、10〜50重量%の融点115℃超125℃以下且つ密度0.910〜0.940g/cmのポリエチレン樹脂(d)と、50〜90重量%の融点115℃以下且つ密度0.890〜0.930g/cmのポリエチレン樹脂(b)(但し、(d)+(b)=100重量%)とにより構成されている。
  2. 前記条件(i)と、前記条件(ii)および前記条件(iii)から選択される少なくとも1つの条件とを、同時に満足することを特徴とする請求項1に記載の積層ポリエチレン樹脂発泡シート。
  3. 前記積層発泡シートの水洗後の印加電圧半減期が10秒以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層ポリエチレン樹脂発泡シート。
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