JP6655155B2 - ポリエチレン系樹脂発泡シート - Google Patents

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Description

本発明は、ポリエチレン系樹脂発泡シートに関する。
従来、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイといったフラットパネルディスプレイは、透明電極を形成させたガラス基板などが用いられて作製されている。
該ガラス基板は、通常、フラットパネルディスプレイの製造過程などにおいて単独で保管されてはおらず平置姿勢のものを複数枚積層した積層体の状態で保管されている。
このような場合、ガラス基板を直接積層すると電極パターンに損傷を与えるおそれがあるため、「合紙」などと呼ばれるシートをガラス基板の間に介装させて緩衝材として用いることが従来行われている。
そして、このような緩衝材シートとしては、軟質で且つ緩衝性に優れることから樹脂発泡シートが用いられている(下記特許文献1参照)。
特開2005−329999号公報
上記のような用途に用いられる樹脂発泡シートとしては、比較的軟質性に優れたポリエチレン系樹脂発泡シートを利用することが考えられる。
また、この種の樹脂発泡シートにおいては、ガラス基板から取り除いた際に静電気を発生させるとガラス基板に異物を付着させてしまうおそれがあることから帯電防止性が求められており、当該帯電防止性を長期持続的に発揮させることができる高分子型帯電防止剤を含有させることが検討されている。
しかしながらポリエチレン系樹脂発泡シートは、従来、高分子型帯電防止剤を比較的多量に含有させなければ十分な帯電防止性を発揮させることが難しいという問題を有している。
また、一般に高分子型帯電防止剤は、ポリエチレン系樹脂との親和性が低い高極性な部位を分子構造中に有するポリマーが主成分となっており全体的にはポリエチレン系樹脂に対して十分高い親和性を示すものではないためにポリエチレン系樹脂発泡シート中において良好な分散性を示し難いという問題を有している。
ポリエチレン系樹脂発泡シートは、高分子型帯電防止剤が十分に分散せずに凝集塊のような形で高分子型帯電防止剤を局所的に存在させると帯電防止効果が十分に発揮されにくくなるとともに機械的強度を低下させるおそれがある。
ところで、ガラス基板を積層体の形で保管する際には、嵩高さの観点からその厚みが薄いことが求められている。
しかしながら、凝集塊がシート強度に与える影響は、ポリエチレン系樹脂発泡シートの厚みを薄くするほど顕著になるため、帯電防止性に優れ且つ厚みの薄いポリエチレン系樹脂発泡シートを得ようとするとシート製造段階においてシート破れなどの問題を発させ易くなる。
そのため、従来、帯電防止性に優れ厚みの薄いポリエチレン系樹脂発泡シートを得ることが困難になっている。
なお、帯電防止性に優れ厚みの薄いポリエチレン系樹脂発泡シートを得ることが求められているのは、ガラス基板の間に介装させて用いられる場合に限られたものではなく、ポリエチレン系樹脂発泡シート全般に共通して要望されている事柄である。
本発明は、このような要望を満足させることを課題としており、帯電防止性に優れ厚みの薄いポリエチレン系樹脂発泡シートを提供することを課題としている。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、ポリエチレン系樹脂発泡シートに含有させるポリエチレン系樹脂と高分子型帯電防止剤との融点を所定の関係とすることでその製造時においてポリエチレン系樹脂発泡シートにおける高分子型帯電防止剤の分散性を向上させることができ、帯電防止性に優れ厚みの薄いポリエチレン系樹脂発泡シートを製造容易なものとし得ることを見出して本発明を完成させるに至ったものである。
即ち、上記課題を解決すべく本発明は、1又は2以上のポリエチレン系樹脂からなるポリエチレン成分と、1又は2以上の高分子型帯電防止剤からなる帯電防止剤成分とを含み、前記ポリエチレン成分及び前記帯電防止剤成分は、DSC曲線において1又は2以上の吸熱ピークを示し、ポリエチレン成分の最も高い温度に現れる吸熱ピークのピーク温度をTm1、帯電防止剤成分の最も高い温度に現れる吸熱ピークのピーク温度をTm2とした場合に下記関係式(1)を満足するポリエチレン系樹脂発泡シートを提供する。

(Tm1−10)≦Tm2≦(Tm1+17) ・・・(1)
本発明によれば、帯電防止性に優れ厚みの薄いポリエチレン系樹脂発泡シートを提供することができる。
ポリエチレン系樹脂発泡シートの一使用態様を示した概略図。 ポリエチレン系樹脂発泡シートの「垂れ下がり量」の測定方法を示した概略図。
以下に本発明のポリエチレン系樹脂発泡シートの実施の形態について説明する。
本実施形態のポリエチレン系樹脂発泡シートは、フラットパネルディスプレイ用のガラス基板の緩衝材に用いられるものであり、前記ガラス基板の表面に当接させて用いられるものである。
図1に示すように本実施形態のポリエチレン系樹脂発泡シート1は、例えば、平置姿勢のガラス基板2を複数枚上下方向に積層して積層体10を形成する際に隣接するガラス基板2の間に介装させて用いられるものである。
ポリエチレン系樹脂発泡シート1は、厚みが厚い方がガラス基板2どうしの接触をより確実に防止することができる。
また、ポリエチレン系樹脂発泡シート1は、単位面積当たりの質量が大きい方が優れた圧縮強度が発揮されてガラス基板2どうしの接触をより確実に防止することができる。
一方でポリエチレン系樹脂発泡シート1は、厚みが薄い方が積層体1をコンパクトなものにすることができる。
そして、ポリエチレン系樹脂発泡シート1は、単位面積当たりの質量が小さい方が厚みが薄く且つクッション性に優れるものにさせ易い。
これらの観点から、本実施形態のポリエチレン系樹脂発泡シート1は、0.15mm以上0.4mm以下の厚みを有することが好ましい。
そして、本実施形態のポリエチレン系樹脂発泡シート1は、単位面積当たりの質量が15g/m以上30g/m以下であることが好ましい。
また、ポリエチレン系樹脂発泡シート1は、積層体中においてガラス基板2の重みによる圧力を受けた際に適度に圧縮されて緩衝性を示すとともに一定以上の厚みが確保されることが好ましい。
このような点において、ポリエチレン系樹脂発泡シート1は、厚み方向に2N/cmの圧力で圧縮した際に圧縮前の45%以上70%以下の厚みを有することが好ましい。
さらに、ポリエチレン系樹脂発泡シート1は、厚み方向に2N/cmの圧力で圧縮した際に0.1mm以上の厚みを有することが好ましい。
ポリエチレン系樹脂発泡シート1は、ガラス基板2の表面から取り除く際に静電気を発生させないことが好ましい。
より具体的には、ポリエチレン系樹脂発泡シート1は、表面抵抗率が1×10Ω以上1×1012Ω以下であることが好ましい。
なお、本実施形態のポリエチレン系樹脂発泡シート1に係る厚みや表面抵抗率については、実施例において記載の方法によって求めた値を意味する。
本実施形態のポリエチレン系樹脂発泡シート1は、上記のような特性を発揮すべく、1又は2以上のポリエチレン系樹脂からなるポリエチレン成分と、1又は2以上の高分子型帯電防止剤からなる帯電防止剤成分とを含み、前記ポリエチレン成分及び前記帯電防止剤成分が示差走査熱量分析(DSC)を行った際に特定のDSC曲線となるものである。
具体的には、本実施形態のポリエチレン系樹脂発泡シート1は、前記ポリエチレン成分及び前記帯電防止剤成分がDSC曲線において1又は2以上の吸熱ピークを示し、ポリエチレン成分の最も高い温度に現れる吸熱ピークのピーク温度をTm1、帯電防止剤成分の最も高い温度に現れる吸熱ピークのピーク温度をTm2とした場合に下記関係式(1)を満足するものとなっている。

(Tm1−10)≦Tm2≦(Tm1+17) ・・・(1)
ポリエチレン系樹脂発泡シート1は、後段において説明するように、ポリエチレン成分と帯電防止剤成分とを適当な発泡剤とともに押出発泡させる方法により形成させることが好ましく、その際に、ポリエチレン成分と帯電防止剤成分とが上記のように融点が近いことでポリエチレン成分に対して帯電防止剤成分が良好な分散性を示し帯電防止剤成分の凝集塊が形成され難い。
そのため本実施形態のポリエチレン系樹脂発泡シート1は、帯電防止剤成分の含有量に対して発揮される帯電防止効果が高く、しかも、薄いシートであっても製造容易なものとなっている。
このような効果をより顕著に発揮させるべく、本実施形態のポリエチレン系樹脂発泡シート1は、前記帯電防止剤成分がDSC曲線において2以上の吸熱ピークを示し、該DSC曲線において最も高い温度に現れる吸熱ピークの融解熱量が30J/g以下であることが好ましい。
即ち、本実施形態のポリエチレン系樹脂発泡シート1は、帯電防止剤成分がポリエチレン成分と溶融温度域を近似させ、且つ、帯電防止剤成分が素早く溶融して凝集塊の形成抑制効果がより確実に発揮されるものになっていることが好ましい。
このような効果をさらに顕著に発揮させるべく、本実施形態のポリエチレン系樹脂発泡シート1は、前記帯電防止剤成分がDSC曲線において2以上の吸熱ピークを示し、且つ最も高い温度に現れる吸熱ピークのピーク温度と最も低い温度に現れる吸熱ピークのピーク温度との差が95℃以下となっている。
前記のように本実施形態においては、帯電防止剤成分の最も高い温度に現れる吸熱ピークのピーク温度が、ポリエチレン成分の最も高い温度に現れる吸熱ピークのピーク温度に近い値を示している。
従って、帯電防止剤成分の最も低い温度に現れる吸熱ピークのピーク温度と最も高い温度に現れる吸熱ピークのピーク温度との差が一定以下であるということは、ポリエチレン系樹脂発泡シートを形成する樹脂組成物を加熱した際に、帯電防止剤成分全体が融解するタイミングとポリエチレン成分が融解するタイミングとが近いことを意味する。
即ち、帯電防止剤成分の最も高い温度に現れる吸熱ピークのピーク温度と最も低い温度に現れる吸熱ピークのピーク温度との差が所定以下となっていることでポリエチレン系樹脂発泡シートにおける帯電防止剤成分の分散性がより一層良好なものとなり得る。
なお、帯電防止剤成分は、第1の高分子型帯電防止剤及び第2の高分子型帯電防止剤を含む複数の高分子型帯電防止剤で構成させることが好ましい。
融点が異なる2種類以上の高分子型帯電防止剤を用いることで示差走査熱量分析(DSC)で測定される帯電防止剤成分のDSC曲線において最も高い温度に現れる吸熱ピークをブロードなものとすることができる。
即ち、帯電防止剤成分は、融点が異なる2種類以上の高分子型帯電防止剤を含むことで融解挙動が急峻なものではなく緩やかな融解挙動を示すものとなってポリエチレン成分への分散により一層有利なものとなる。
また、第1の高分子型帯電防止剤及び第2の高分子型帯電防止剤の内の一方(例えば、第1の高分子型帯電防止剤)は、ポリエチレン成分と融点を近似させていることが好ましく、他方(例えば、第2の高分子型帯電防止剤)は、一方よりも高融点であることが好ましい。
以下においては、第2の高分子型帯電防止剤が第1の高分子型帯電防止剤よりも高融点である場合を例にして本実施形態のポリエチレン系樹脂発泡シートについて説明する。
なお、本実施形態におけるポリエチレン成分、帯電防止剤成分、第1の高分子型帯電防止剤、第2の高分子型帯電防止剤などの融点や融解熱量は、実施例に記載の方法によって測定される値を意味する。
本実施形態のポリエチレン系樹脂発泡シートの主成分となるポリエチレン系樹脂としては、例えば、超低密度ポリエチレン樹脂(VLDPE)、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)などのポリエチレン系樹脂が挙げられる。
これらのポリエチレン系樹脂の1種以上からなる本実施形態のポリエチレン成分としては、メルトフローレイト(MFR)が1.0g/10min以上7.0g/10min以下であることが好ましい。
また、ポリエチレン成分は、溶融張力が6cN以下であることが好ましい。
なお、ポリエチレン成分の溶融張力の下限値は、通常、0.5cNである。
本実施形態におけるポリエチレン系樹脂発泡シートのMFR及び溶融張力の値については、実施例記載の方法によって測定される値を意味する。
一方で前記高分子型帯電防止剤としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステルアミド、エチレン−メタクリル酸共重合体などのアイオノマー、ポリエチレングリコールメタクリレート系共重合体等の第四級アンモニウム塩、特開2001−278985号公報に記載のオレフィン系ブロックと親水性ブロックとの共重合体等が挙げられる。
これらの中では、オレフィン系ブロックと親水性ブロックとの共重合体が好ましく、ポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体(ポリエーテル系ブロックとポリオレフィン系ブロックとのブロック共重合体)を前記高分子型帯電防止剤としてポリオレフィン系樹脂組成物に含有させることが好ましい。
なお、高分子型帯電防止剤としては、帯電防止性能の更なる向上を目的とし、前記ブロック共重合体にポリアミドを混合したもの、またはポリアミド系ブロックをさらに共重合させたものであってもよい。
前記高分子型帯電防止剤としては、プロピレンを70モル%以上含むオレフィン系ブロックとポリエーテル系ブロックとの共重合体を主成分とするものがより好ましい。
なお、前記ポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体が高分子型帯電防止剤に占める割合を70質量%以上とすることが好ましく、80質量%以上とすることがさらに好ましい。
前記ポリエチレン系樹脂発泡シートは、帯電防止剤成分の含有量が多い方が優れた帯電防止性能を発揮させる上において有利である。
その一方でポリエチレン系樹脂発泡シートは、帯電防止剤成分が少ない方が当該帯電防止剤成分による凝集塊の形成を防止するのに有利である。
このような観点から、本実施形態のポリエチレン系樹脂発泡シートは、前記ポリエチレン成分の含有量を100質量部とした際に前記帯電防止剤成分の含有量が3質量部以上15質量部以下であることが好ましい。
本実施形態のポリエチレン系樹脂発泡シートは、ポリエチレン成分及び帯電防止剤成分以外に、気泡調整剤や各種の添加剤を含有させることができる。
前記気泡調整剤としては、例えば、無機物粒子や有機物粒子が挙げられ、無機物粒子としては、タルク、マイカ、シリカ、珪藻土、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、及び、ガラスのいずれかの粒子が挙げられる。
前記有機物粒子としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレンなどの粒子が挙げられる。
また、本実施形態においては、アゾジカルボンアミド、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウムとクエン酸との混合物のような化学発泡剤として利用可能なものも前記気泡調整剤として利用可能である。
本実施形態のポリエチレン系樹脂発泡シートは、ポリプロピレン系樹脂などのポリエチレン系樹脂以外のポリオレフィン系樹脂、或いは、ポリオレフィン系樹脂以外の樹脂などをその他の成分として少量含有させても良い。
また、本実施形態のポリエチレン系樹脂発泡シートは、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、難燃剤、抗菌剤、着色剤などを他の成分として含有させることができる。
但し、これらの他の成分については、ポリエチレン系樹脂発泡シートにおける含有量を5質量%以下に留めておくことが好ましく、3質量%以下とすることがより好ましく、実質的に含有させない状態(例えば、1質量%未満)にすることが特に好ましい。
本実施形態のポリエチレン系樹脂発泡シートは、上記のようなポリエチレン系樹脂、高分子型帯電防止剤、気泡調整剤、及び、発泡剤を含む樹脂組成物をサーキュラーダイなどを通じて押出発泡させる方法によって作製することができる。
前記発泡剤としては、前記の化学発泡剤や物理発泡剤を挙げることができ、該物理発泡剤としてはイソブタン、ノルマルブタン、プロパン、ペンタン、ヘキサン、シクロブタン、シクロペンタンなどの炭化水素、二酸化炭素、窒素などの無機ガスを挙げることができる。
このような押出発泡において厚みが薄いポリエチレン系樹脂発泡シートを得ようとした場合、高分子型帯電防止剤が押出機の中で十分に拡散せずに凝集塊を形成すると押出されたシートに当該凝集塊を起点とした破れを発生させるおそれを有する。
これに対し、本実施形態のポリエチレン系樹脂発泡シートは、融点の近いポリエチレン成分と帯電防止剤成分とが主原料となっているために帯電防止剤成分が押出機内で優れた分散性を発揮しシート破れの発生を抑制し得る。
また、そのことにより本実施形態のポリエチレン系樹脂発泡シートは、製造時におけるラインスピードを高速化することができ、例えば、押出後のシートに対して30m/min〜100m/minといった高速での巻き取りを実施させることができる。
即ち、本実施形態のポリエチレン系樹脂発泡シートは、生産効率の観点からも利点を有する。
また、本実施形態のポリエチレン系樹脂発泡シートは、サーキュラーダイから押出された円筒状発泡シートを拡径する際においてもシート破れなどの問題を生じ難く、サーキュラーダイの口径(スリット幅の中央を結んだ円の直径)に対して2.5倍以上5.0倍以下程度の拡径を施すことができる。
即ち、本実施形態のポリエチレン系樹脂発泡シートは、押出機を高吐出運転としながらも厚みの薄い製品として得られ易いという利点を有する。
しかも、本実施形態のポリエチレン系樹脂発泡シートは、帯電防止剤成分の分散性が良好であるため帯電防止剤成分を過度に配合しなくても優れた帯電防止性能が発揮され得る。
このようにして本実施形態のポリエチレン系樹脂発泡シートは、帯電防止性に優れ、且つ、厚みの薄い状態で製造することが容易であり、優れた品質のものを歩留まり良く生産することが容易であるという利点を有する。
なお、本実施形態のポリエチレン系樹脂発泡シートは、図1に示すように2枚のガラス基板の間に挟み込まれるような態様以外にも用いられ得るものである。
そして、上記例示はあくまで本発明の限定的な例示であり、本発明は上記例示に何等限定解釈されるべきものではない。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
日本ポリエチレン社製の低密度ポリエチレン樹脂(商品名:「LF580」、密度:931kg/m、融点115℃、MFR=3.8g/10min、溶融張力=1.7cN)100質量部に対して、三洋化成工業社製の高分子型帯電防止剤(ポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体、商品名「ペレクトロンLMP」、結晶化温度:56℃、融点:115℃、融解熱量:26mJ/mg、MFR=30g/10min)を3質量部及び、三洋化成工業社製の高分子型帯電防止剤(ポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体、商品名:「ペレスタット300」、結晶化温度:99℃、融点:135℃、MFR=30g/10min)を3質量部及び、三協化成社製の気泡調整剤マスターバッチ(アゾジカルボンアミド含有マスターバッチ:商品名「セルマイクMB1023」)を0.15質量部の比率で配合された配合物をタンデム押出機の第一押出機(シリンダー径:φ90mm)に供給し、該押出機内での最高到達温度が210℃となるように溶融混練した。
なお、第1の高分子型帯電防止剤(商品名「ペレクトロンLMP」、融点:106℃)と、第2の高分子型帯電防止剤(商品名「ペレスタット300」、融点:135℃)とを上記のように1:1の割合で含む帯電防止剤成分の融点は130℃であり、ポリエチレン成分の融点(115℃)との差は15℃であった。
このような配合物を第一押出機で溶融混練しつつ該第一押出機の途中から発泡剤として混合ブタン(イソブタン/ノルマルブタン=50/50(モル比))を前記低密度ポリエチレン樹脂100質量部に対する割合が18質量部となるように圧入してさらに溶融混練を実施した。
この第一押出機での溶融混練後は、該第一押出機に連結された第二押出機(シリンダー径:φ150mm)で発泡に適する温度域(111℃)まで溶融混練物を冷却し、出口直径が222mm(スリット幅0.04mm)のサーキュラーダイより大気中に押出発泡した。
その時の樹脂温度は116℃であった。
押出発泡された円筒状発泡シートをエアーを吹き付けて冷却した後、直径770mm、長さ650mmの冷却マンドレル上を沿わせて冷却すると共に拡径し、拡径後の円筒状発泡シートを50m/minの巻き取り速度で巻き取りつつ周方向の1点で押出方向に沿って切断し、これを開いて長尺帯状のポリエチレン系樹脂発泡シートを得、実施例1のポリエチレン系樹脂発泡シートとした。
なお、実施例1のポリエチレン系樹脂発泡シートの物性等は、以下の方法に基づいて測定した。
<厚み1(自然厚み)>
ポリエチレン系樹脂発泡シートの厚みについては、定圧厚み測定機(Teclock社製、型式「SCM−627」)を用いて測定することができる。
具体的には、ポリエチレン系樹脂発泡シートの厚みは、円筒状の重りを用いて半径4.4cmの円形状の面(面積:60.8cm)に、95gの荷重(自重を含む。)を当該ポリエチレン系樹脂発泡シートにかけたときの厚みを定圧厚み測定機にて測定して求めることができる。
なお、ポリエチレン系樹脂発泡シートの厚みは、通常、幅方向に5cmごとに50点測定し、その測定値の算術平均値とする。
また、ポリエチレン系樹脂発泡シートの幅が狭く50点分の測定箇所を確保出来ない場合には、可能な限りの測定点数を確保した上で全ての測定値の算術平均値を厚みとする。
<厚み2(圧縮厚み)>
ポリエチレン系樹脂発泡シートから10cm×10cm×厚み(ポリエチレン系樹脂発泡シートの全厚み)の測定試料を切り出し、テクロック社製 定圧厚みゲージ(製品名「PG−14J」端子直径:16mm)を用い、0.41kgの錘を乗せた際の測定試料の厚みをTpとする。
なお、測定は、ポリエチレン系樹脂発泡シートのシート幅方向に5点の前記測定試料を切り出し、各測定試料について得られた測定数値の平均値を圧縮時厚み(Tp)とする。
また、前記の自然厚みをT0とし、潰れ率(Pr)を下記の式に基づき算出する。

Pr=(T0−Tp)/T0×100
<単位面積当たりの質量(坪量)>
ポリエチレン系樹脂発泡シートの単位面積当たりの質量は、押出方向と直交する方向に沿った第1の線と、該第1の線に平行し且つ第1の線と押出方向に20cmの距離を隔てた第2の線との2本の線に沿ってポリエチレン系樹脂発泡シートを切断して測定用試料を得、該測定用試料の質量:W(g)と面積:S(cm)とに基づき下記の式にて算出することができる。
なお、ポリエチレン系樹脂発泡シートが20cmの幅で測定用試料を切取れる程の大きさにない場合には、可能な大きさに矩形状に切取って切片を得、その切片の質量W(g)と面積S(cm)から下記式にてポリエチレン系樹脂発泡シートの単位面積当たりの質量を求めることができる。

単位面積当たりの質量(g/m)=W/S×10000
<表面抵抗率>
ポリエチレン系樹脂発泡シートの表面抵抗率は、JIS K6911−2006「熱硬化性プラスチック一般試験方法」記載の方法により測定することができる。
即ち、ポリエチレン系樹脂発泡シートの表面抵抗率は、試験装置(アドバンテスト製デジタル超高抵抗/微小電流計R8340及びレジスティビティ・チェンバR12702A)を使用し、試験片に約30Nの荷重にて電極を圧着させ、500Vで1分間充電後の抵抗値を測定し、次式により算出することができる。
なお、試験片は、通常、ポリエチレン系樹脂発泡シートから「幅100mm×長さ100mm×厚み(ポリエチレン系樹脂発泡シートの全厚み)」のものを切り出して作製することができる。
また、測定は、通常、温度20±2℃、湿度65±5%の雰囲気下に試験片を24時間以上置いた後に行うものとし、試験環境として温度20±2℃、湿度65±5%の雰囲気下で行うものとする。
さらに、測定は、通常、試験片の数を5個とし、試験片それぞれの表裏両面に対して実施し、合計10個の測定値が得られるようにする。
ポリエチレン系樹脂発泡シートの表面抵抗率は、原則的にこの10個全ての測定値の算術平均値とする。

ρs=π(D+d)/(D−d)×Rs
ρs:表面固有抵抗率(Ω/□)
D:表面の環状電極の内径(cm)(レジスティビティ・チェンバR12702Aでは、7cm。)
d:表面電極の内円の外径(cm)(レジスティビティ・チェンバR12702Aでは、5cm。)
Rs:表面抵抗(Ω)
<連続気泡率(連気率)>
ポリエチレン系樹脂発泡シートから25mm角の正方形の切片を複数切り出し、この切片を厚みが約5cmとなるように重ね合わせて試料を作製し、該試料の実体積Vをマイクトメリティックス乾式自動密度計(株式会社島津製作所製、型式:アキュピックII 1340(V1.0))を用いて測定する。
なお、試料は切片相互の間にできるだけ隙間があかないように積み重ねて約5cmの厚みとする。
そして、試料の外形からその見掛け体積V0を算出する。
得られた値から次式により連続気泡率(%)を算出する。

連続気泡率(%)=(V0−V)/V0×100
<融点及び融解熱量>
ポリエチレン系樹脂や高分子型帯電防止剤の融点は、通常、JIS K7121−2012「プラスチックの転移温度測定方法」記載の方法に従って示差走査熱量(DSC)分析を実施し、得られたDSC曲線のピークトップの温度とする。
また、ポリエチレン系樹脂や高分子型帯電防止剤の融解熱量は、JIS K 7122−2012「プラスチックの転移温度測定方法」の記載の方法に従ってDSC曲線のピーク面積により求めることができる。
具体的には、示差走査熱量計(例えば、エス・アイ・アイナノテクノロジー社製「DSC6220」)を用い、測定容器に試料を約6.5mg充てんして、窒素ガス流量30ml/minのもと10℃/minの昇温冷却速度で30℃〜200℃の間で昇温・冷却し、第2回目の昇温時における吸熱ピーク温度を融点として測定する。
融解による吸熱ピークが重なり合わずに2か所にある場合には、高温側の吸熱ピークをその樹脂の融点とし、その吸熱ピークの面積をその樹脂の融解熱量とする。
なお、第2回目の昇温時に最も高温に現れる吸熱ピークとその低温側に現れる1以上の吸熱ピークとが近い温度に存在する結果、これらが重なり合って1つの吸熱ピークを形成し、且つ、この吸熱ピークに複数のピーク温度が存在する形になる場合、融点は最も高いピーク温度とし、融解熱量については、重なり合っているすべてピークの面積に基づいて求めることとする。
なお、ポリエチレン系樹脂を複数含むポリエチレン成分や高分子型帯電防止剤を複数含む帯電防止剤成分の融点や融解熱量については、複数のポリエチレン系樹脂を所定の割合で含む試料や複数の高分子型帯電防止剤を所定の割合で含む試料を調製した上で当該試料について上記と同様にしてDSC曲線を得ることで求めることができる。
<ピーク温度の差>
前記の「融点」の測定方法に則り、帯電防止剤成分の示差走査熱量分析を実施する。
そして、DSC曲線に現れる最も高温側のピーク温度(P)と最も低温側に現れるピーク温度(P)とを求め、これらの差(P−P)を求める。
<溶融張力>
ポリエチレン系樹脂の溶融張力は、下記要領で測定することができる。
即ち、ポリエチレン系樹脂からなる試料を垂直に起立状態に配設された内径が15mmのシリンダー内に収容した上で190℃にて5分間に亘って加熱して溶融する。
しかる後、シリンダー内にその上部からピストンを挿入し、シリンダー内の溶融状態の試料をピストンでシリンダーの下端に設けたキャピラリー(ダイ径:2.095mm、ダイ長さ:8mm、流入角度:90°(コニカル))から押出速度0.0676mm/sの一定速度で押出して紐状体を得る。
そして、この押出された紐状体をキャピラリーの下方に配設した張力検出プーリーに通過させた後に巻取りロールを用いて巻取り、巻取りはじめの初速を3.447mm/sとし、その後に加速度を13.1mm/sとし、徐々に巻取り速度を大きくし、張力検出プーリーによって観察される張力が急激に低下した時の巻取り速度を「破断点速度」とし、この破断点速度が観察されるまでの間に観測された張力のうちの破断点速度直前の張力の極大値と極小値の相加平均値を溶融張力とする。
なお、溶融張力は、例えば、チアスト社から商品名「ツインボアキャピラリーレオメーターRheologic 5000T」にて市販されている試験機を用いて測定することができる。
<MFR>
ポリエチレン系樹脂のMFRは、JIS K7210−1999 熱可塑性プラスチックの流れ試験方法に準拠して測定することができる。
具体的には、MFR(g/10min)は、測定装置にセミオートメルトインデクサー(株式会社東洋精機製作所製)を用い、温度190℃、荷重21.18N、予熱時間5分間の試験条件で測定することができる。
<垂れ下がり量>
垂れ下り量については、ポリエチレン系樹脂発泡シートから押出方向が長さ方向となるように幅100mm×長さ200mmの試験片を3枚切り出して以下の要領(図2参照)にて測定することができる。
まず、試験片SPの上に直定規Rを重ね合わせる。
なお、試験片SPと直定規Rとは、これらの長さ方向における一端縁どうしが揃った状態となるように重ね合わせる。
これを幅120mmの2枚のアクリル板A1,A2の間に挟み込む。
このとき試験片SPと直定規Rとの揃えた一端縁がアクリル板A1,A2の幅方向の一端縁とも揃うようにし、アクリル板A1,A2の他端縁から前記試験片が80mm飛び出した状態となるようにする。
これをさらに土台Fの上に載せて前記直定規Rが試験片SPの上で水平を保った状態となるようにし試験片SPの先端と直定規Rまでの垂直方向における距離Hを測定する。
残り2つの試験片についても同様の測定を行い、前記距離Hの算術平均値を垂れ下がり量とした。
なお、この垂れ下がり量は、数値が低いほどポリエチレン系樹脂発泡シートに優れたコシ強度が備わっていることを意味する。
<ブリードアウト量測定>
ポリエチレン系樹脂発泡シートからブリードアウト成分の定量分析は、下記要領で測定することができる。
即ち、ポリエチレン系樹脂発泡シートの任意の位置から、10cm×10cm角のサンプルを10枚切り取る。
切り取ったサンプル2枚で市販の10cm×10cm角のガラス板を挟んだ試料を5組作製し、ISUZU社製高温高湿槽に65℃−90%RHの条件下で、100時間保持する。
次いで、23℃−30%RHの条件下で1時間放置し、サンプルを取り除いた後のガラス板の質量を精密天秤(AND社製分析用電子天秤 GR−202)を用いて測定する。
そして、初期のガラス板の質量に対する質量増加を求め、この増加した質量をサンプル面積(200cm)で除してブリードアウト量を求める。なお、ブリードアウト量は、5組の試料の算術平均値とする。
(実施例2、3、比較例1〜4)
下記のようにして実施例2、3、比較例1〜4のポリエチレン系樹脂発泡シートを作製し実施例1のポリエチレン系樹脂発泡シートと同様に評価した。
結果を表1に示す。
(実施例2)
帯電防止剤成分に含有させる高分子型帯電防止剤の種類と量とを変更したこと以外は実施例1と同様にポリエチレン系樹脂発泡シートを作製し、これを実施例2のポリエチレン系樹脂発泡シートとした。
具体的には、第1の高分子型帯電防止剤を三洋化成工業社製の商品名「ペレクトロンLMP」に代えて同社製の商品名「ペレクトロンLMP−FS」(ポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体、結晶化温度:56℃、融点:114℃ 融解熱量:24J/g)に変更し、ポリエチレン成分100質量部に対する配合割合を3質量部に代えて3.5質量部としたこと、第2の高分子型帯電防止剤(商品名「ペレスタット300」)のポリエチレン成分100質量部に対する配合割合を3質量部に代えて1質量部としたこと以外は実施例1と同様にポリエチレン系樹脂発泡シートを作製した。
(実施例3)
帯電防止剤成分に含有させる高分子型帯電防止剤の量を変更したこと以外は実施例1と同様にポリエチレン系樹脂発泡シートを作製し、これを実施例3のポリエチレン系樹脂発泡シートとした。
具体的には、第1の高分子型帯電防止剤(商品名「ペレクトロンLMP」)のポリエチレン成分100質量部に対する配合割合を3質量部に代えて2質量部としたこと以外は実施例1と同様にポリエチレン系樹脂発泡シートを作製した。(第2の高分子型帯電防止剤(商品名「ペレスタット300」)のポリエチレン成分100質量部に対する配合割合は実施例1と同じく3質量部とした。)
(比較例1)
帯電防止剤成分に含有させる高分子型帯電防止剤の種類と量とを変更したこと以外は実施例1と同様にポリエチレン系樹脂発泡シートを作製し、これを比較例1のポリエチレン系樹脂発泡シートとした。
具体的には、高分子型帯電防止剤として2種類のものを併用するのに替えてイオンフェーズ社製の高分子型帯電防止剤(商品名「IPE−U3」、融点:220℃)を1種単独で使用し、且つ、ポリエチレン成分100質量部に対する配合割合を10質量部としたこと以外は実施例1と同様にポリエチレン系樹脂発泡シートを作製した。
(比較例2)
ポリエチレン樹脂を日本ポリエチレン社製の低密度ポリエチレン樹脂(商品名:「LF580」)に代えてダウケミカル社製の低密度ポリエチレン樹脂、商品名「DFDJ6775」(密度:921kg/m 、MFR=0.3g/10min、溶融張力=19.6cN)としたこと、高分子型帯電防止剤の三洋化成工業社製の商品名「ペレクトロンHS」(融点:135℃,融解熱量:)を単独で使用したこと以外は実施例1と同様にポリエチレン系樹脂発泡シートを作製し、これを比較例2のポリエチレン系樹脂発泡シートとした。(ポリエチレン成分100質量部に対する帯電防止剤成分の割合が6質量部である点は実施例1と同じである。)
(比較例3)
帯電防止剤成分に含有させる高分子型帯電防止剤の種類と量とを変更したこと以外は実施例1と同様にポリエチレン系樹脂発泡シートを作製し、これを比較例3のポリエチレン系樹脂発泡シートとした。
具体的には、高分子型帯電防止剤として2種類のものを併用するのに替えてイオンフェーズ社製の高分子型帯電防止剤(商品名「IPE−fSAT」、融点:89℃ )を1種単独で使用し、且つ、ポリエチレン成分100質量部に対する配合割合を12質量部としたこと以外は実施例1と同様にポリエチレン系樹脂発泡シートを作製した。
(比較例4)
帯電防止剤成分に含有させる高分子型帯電防止剤の種類とを変更したこと以外は実施例1と同様にポリエチレン系樹脂発泡シートを作製し、これを比較例4のポリエチレン系樹脂発泡シートとした。
具体的には、第1の高分子型帯電防止剤を三洋化成工業社製の商品名「ペレクトロンLMP」に替えてイオンフェーズ社製の高分子型帯電防止剤(商品名「IPE−U3」、融点:220℃)としたこと以外は実施例1と同様にポリエチレン系樹脂発泡シートを作製した。
また、第2の高分子型帯電防止剤を三洋化成工業社製の商品名「ペレスタット300」としている点、並びに、ポリエチレン成分100質量部に対する第1、第2の高分子型帯電防止剤の割合が何れも3質量部である点も実施例1と同じである。
なお、商品名「IPE−U3」と商品名「ペレスタット300」とを1:1の質量割合で含む帯電防止剤成分の融点は、178℃であった。
上記の表に示した結果からも、本発明によれば帯電防止性に優れ且つ厚みの薄いポリエチレン系樹脂発泡シートを提供し得ることがわかる。
1:ポリエチレン系樹脂発泡シート
2:ガラス基板

Claims (5)

  1. 又は2以上のポリエチレン系樹脂からなるポリエチレン成分と、1又は2以上の高分子型帯電防止剤からなる帯電防止剤成分とを含み、
    前記ポリエチレン成分は、DSC曲線において1又は2以上の吸熱ピークを示し、
    前記帯電防止剤成分は、DSC曲線において2以上の吸熱ピークを示し、且つ、最も高い温度に現れる吸熱ピークの融解熱量が30J/g以下であり、
    ポリエチレン成分の最も高い温度に現れる吸熱ピークのピーク温度をTm1、帯電防止剤成分の最も高い温度に現れる吸熱ピークのピーク温度をTm2とした場合に下記関係式(1)を満足するポリエチレン系樹脂発泡シート。

    (Tm1−10)≦Tm2≦(Tm1+17) ・・・(1)
  2. 前記帯電防止剤成分最も高い温度に現れる前記吸熱ピークのピーク温度と最も低い温度に現れる前記吸熱ピークのピーク温度との差が95℃以下である請求項1記載のポリエチレン系樹脂発泡シート。
  3. 0.15mm以上0.4mm以下の厚みを有し、単位面積当たりの質量が15g/m 以上30g/m 以下である請求項1又は2に記載のポリエチレン系樹脂発泡シート。
  4. 前記ポリエチレン成分の含有量を100質量部とした際に前記帯電防止剤成分の含有量が3質量部以上15質量部以下であり、表面抵抗率が1×10Ω以上1×1012Ω以下である請求項1乃至3の何れか1項に記載のポリエチレン系樹脂発泡シート。
  5. フラットパネルディスプレイ用のガラス基板の保護に用いられ、且つ2枚の前記ガラス基板の間に介装させて用いられ、
    厚み方向に2N/cmの圧力で圧縮した際に圧縮前の45%以上70%以下の厚みを有し、且つ、0.1mm以上の厚みを有する請求項1乃至4の何れか1項に記載のポリエチレン系樹脂発泡シート。
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