JP2016169329A - ポリオレフィン系樹脂発泡シート - Google Patents
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Abstract
【課題】透明電極付パネルの表面保護に適した樹脂発泡シートを提供すること。
【解決手段】無機物粒子を所定の割合で含むポリオレフィン系樹脂発泡シートを提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】無機物粒子を所定の割合で含むポリオレフィン系樹脂発泡シートを提供する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ポリオレフィン系樹脂発泡シートに関し、より詳しくは、透明電極付パネルの表面保護に用いられるポリオレフィン系樹脂発泡シートに関する。
従来、ガラス板や樹脂板の片面又は両面にITO(酸化インジウムスズ)などによって透明な電極パターンを形成した透明電極付パネルが液晶ディスプレイやプラズマディスプレイといったフラットパネルディスプレイ用の基板として広く用いられている。
この種の透明電極付パネルは、通常、フラットディスプレイの製造過程などにおいて単独で保管されてはおらず平置姿勢のものを複数枚積層して保管されている。
このような場合、透明電極付パネルを直接積層すると電極パターンに損傷を与えるおそれがあるため、「合紙」などと呼ばれるシートをパネル間に介挿させて透明電極付パネルの表面保護を図ることが従来行われている。
この種の透明電極付パネルは、通常、フラットディスプレイの製造過程などにおいて単独で保管されてはおらず平置姿勢のものを複数枚積層して保管されている。
このような場合、透明電極付パネルを直接積層すると電極パターンに損傷を与えるおそれがあるため、「合紙」などと呼ばれるシートをパネル間に介挿させて透明電極付パネルの表面保護を図ることが従来行われている。
そして、このような透明電極付パネルの表面保護に用いるシートとしては、軟質で且つ緩衝性に優れることから樹脂発泡シートが用いられている(下記特許文献1参照)。
しかしながら、上記のように樹脂発泡シートを透明電極付パネルの表面保護に用いた場合でも透明電極に損傷が与えられる場合があり、従来の樹脂発泡シートは、透明電極付パネルの表面保護に十分適したものにはなっていないという問題を有している。
本発明は、このような問題を解決することを課題としており、透明電極付パネルの表面保護に適した樹脂発泡シートを提供することを課題としている。
本発明は、このような問題を解決することを課題としており、透明電極付パネルの表面保護に適した樹脂発泡シートを提供することを課題としている。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、前記のような用途においては一般的な樹脂発泡シートのなかでも比較的軟質性に優れたポリオレフィン系樹脂発泡シートを利用することが有利であること、及び、樹脂発泡シートを作製する際に従来広く用いられている化学発泡剤がその残渣等によって透明電極に悪影響を与える場合があることを見出して本発明を完成させるに至ったものである。
即ち、上記課題を解決すべく本発明は、透明電極付パネルの表面保護に用いられ、前記透明電極付パネルの電極形成面に当接させて用いられるポリオレフィン系樹脂発泡シートであって、ポリオレフィン系樹脂と気泡調整剤とを含み、該気泡調整剤として無機物粒子を含み、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対する前記無機物粒子の含有量が0.1質量部以上4質量部以下であるポリオレフィン系樹脂発泡シートを提供する。
本発明によれば、ポリオレフィン系樹脂発泡シートに気泡調製剤として無機物粒子を含有させているために当該ポリオレフィン系樹脂発泡シートを物理発泡剤を用いて良好なる発泡状態とすることができる。
即ち、本発明によれば、透明電極に悪影響を与えるおそれのある化学発泡剤の使用を抑制しつつもポリオレフィン系樹脂発泡シートを緩衝性に優れた状態とすることができる。
従って、本発明によれば、透明電極付パネルの表面保護に適したポリオレフィン系樹脂発泡シートを提供することができる。
即ち、本発明によれば、透明電極に悪影響を与えるおそれのある化学発泡剤の使用を抑制しつつもポリオレフィン系樹脂発泡シートを緩衝性に優れた状態とすることができる。
従って、本発明によれば、透明電極付パネルの表面保護に適したポリオレフィン系樹脂発泡シートを提供することができる。
以下に本発明のポリオレフィン系樹脂発泡シートの実施の形態について説明する。
本実施形態のポリオレフィン系樹脂発泡シートは、透明電極付パネルの表面保護に用いられるものであり、前記透明電極付パネルの電極形成面に当接させて用いられるものである。
図1に示すように本実施形態のポリオレフィン系樹脂発泡シート1は、例えば、平置姿勢の透明電極付パネル2を複数枚上下方向に積層して積層体10を形成する際に隣接する透明電極付パネル2の間に介装させて用いられるものである。
本実施形態のポリオレフィン系樹脂発泡シートは、透明電極付パネルの表面保護に用いられるものであり、前記透明電極付パネルの電極形成面に当接させて用いられるものである。
図1に示すように本実施形態のポリオレフィン系樹脂発泡シート1は、例えば、平置姿勢の透明電極付パネル2を複数枚上下方向に積層して積層体10を形成する際に隣接する透明電極付パネル2の間に介装させて用いられるものである。
ポリオレフィン系樹脂発泡シート1は、厚みが厚い方が透明電極付パネル2どうしの接触をより確実に防止することができる。
また、ポリオレフィン系樹脂発泡シート1は、単位面積当たりの質量が大きい方が優れた圧縮強度が発揮されて透明電極付パネル2どうしの接触をより確実に防止することができる。
一方でポリオレフィン系樹脂発泡シート1は、厚みが薄い方が積層体1をコンパクトなものにすることができる。
そして、ポリオレフィン系樹脂発泡シート1は、単位面積当たりの質量が小さい方が厚みが薄く且つクッション性に優れるものにさせ易い。
また、ポリオレフィン系樹脂発泡シート1は、透明電極付パネル2の表面から取り除く際に静電気を発生させないことが好ましい。
また、ポリオレフィン系樹脂発泡シート1は、単位面積当たりの質量が大きい方が優れた圧縮強度が発揮されて透明電極付パネル2どうしの接触をより確実に防止することができる。
一方でポリオレフィン系樹脂発泡シート1は、厚みが薄い方が積層体1をコンパクトなものにすることができる。
そして、ポリオレフィン系樹脂発泡シート1は、単位面積当たりの質量が小さい方が厚みが薄く且つクッション性に優れるものにさせ易い。
また、ポリオレフィン系樹脂発泡シート1は、透明電極付パネル2の表面から取り除く際に静電気を発生させないことが好ましい。
これらの観点から、本実施形態のポリオレフィン系樹脂発泡シート1は、0.2mm以上2mm以下の厚みを有することが好ましい。
また、ポリオレフィン系樹脂発泡シート1は、単位面積当たりの質量が15g/m2以上110g/m2以下であることが好ましい。
さらに、ポリオレフィン系樹脂発泡シート1は、透明電極付パネル2の電極形成面に当接される表面の表面抵抗率が1×108Ω以上1×1014Ω以下であることが好ましい。
また、ポリオレフィン系樹脂発泡シート1は、単位面積当たりの質量が15g/m2以上110g/m2以下であることが好ましい。
さらに、ポリオレフィン系樹脂発泡シート1は、透明電極付パネル2の電極形成面に当接される表面の表面抵抗率が1×108Ω以上1×1014Ω以下であることが好ましい。
なお、本実施形態のポリオレフィン系樹脂発泡シート1についての厚みや表面抵抗率は、実施例において記載する方法によって測定される値を意味する。
本実施形態のポリオレフィン系樹脂発泡シート1は、ポリオレフィン系樹脂と気泡調整剤とを含み、該気泡調整剤として無機物粒子を含み、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対する前記無機物粒子の含有量が0.1質量部以上4質量部以下となっている。
本実施形態のポリオレフィン系樹脂発泡シート1は、前記のような表面抵抗率を発揮すべく高分子型帯電防止剤をさらに含んでいる。
本実施形態のポリオレフィン系樹脂発泡シート1は、前記のような表面抵抗率を発揮すべく高分子型帯電防止剤をさらに含んでいる。
本実施形態のポリオレフィン系樹脂発泡シートの主成分となるポリオレフィン系樹脂としては、例えば、超低密度ポリエチレン樹脂(VLDPE)、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)などのポリエチレン系樹脂;ホモポリプロピレン樹脂(ホモPP)、ランダムポリプロピレン樹脂(ランダムPP)、ブロックポリプロピレン樹脂(ブロックPP)などのポリプロピレン系樹脂;ポリエチレン系熱可塑性エラストマー、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーなどのポリオレフィン系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
なお、本実施形態においては、ポリオレフィン系樹脂発泡シートに良好なるコシ(曲げ)強度を与えることができる点においてポリプロピレン系樹脂を主成分とすることが好ましい。
特に、ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、その主成分が、高溶融張力ポリプロピレン樹脂(HMS−PP)などと呼ばれるポリプロピレン系樹脂であることが好ましい。
このHMS−PPとしては、オレフィンブロックを導入させたポリプロピレン系ブロックコポリマーや、このようなポリマーに放射線や電子線などの活性エネルギー線による部分架橋、又は化学架橋による部分架橋が施されたものが好ましい。
また、HMS−PPとしては、例えば、230℃における溶融張力が5cN以上もの高い値を示すようなポリプロピレン系樹脂を採用することができる。
特に、ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、その主成分が、高溶融張力ポリプロピレン樹脂(HMS−PP)などと呼ばれるポリプロピレン系樹脂であることが好ましい。
このHMS−PPとしては、オレフィンブロックを導入させたポリプロピレン系ブロックコポリマーや、このようなポリマーに放射線や電子線などの活性エネルギー線による部分架橋、又は化学架橋による部分架橋が施されたものが好ましい。
また、HMS−PPとしては、例えば、230℃における溶融張力が5cN以上もの高い値を示すようなポリプロピレン系樹脂を採用することができる。
なお、ポリプロピレン系樹脂の溶融張力は、下記要領で測定することができる。
即ち、ポリプロピレン系樹脂からなる試料を垂直に起立状態に配設された内径が15mmのシリンダー内に収容した上で230℃にて5分間に亘って加熱して溶融する。
しかる後、シリンダー内にその上部からピストンを挿入し、シリンダー内の溶融状態の試料をピストンでシリンダーの下端に設けたキャピラリー(ダイ径:2.095mm、ダイ長さ:8mm、流入角度:90°(コニカル))から押出速度0.0676mm/sの一定速度で押出して紐状体を得る。
そして、この押出された紐状体をキャピラリーの下方に配設した張力検出プーリーに通過させた後に巻取りロールを用いて巻取り、巻取りはじめの初速を3.447mm/sとし、その後に加速度を13.1mm/s2とし、徐々に巻取り速度を大きくし、張力検出プーリーによって観察される張力が急激に低下した時の巻取り速度を「破断点速度」とし、この破断点速度が観察されるまでの間に観測された張力のうちの破断点速度直前の張力の極大値と極小値の相加平均値を溶融張力とする。
なお、溶融張力は、例えば、チアスト社から商品名「ツインボアキャピラリーレオメーターRheologic 5000T」にて市販されている試験機を用いて測定することができる。
即ち、ポリプロピレン系樹脂からなる試料を垂直に起立状態に配設された内径が15mmのシリンダー内に収容した上で230℃にて5分間に亘って加熱して溶融する。
しかる後、シリンダー内にその上部からピストンを挿入し、シリンダー内の溶融状態の試料をピストンでシリンダーの下端に設けたキャピラリー(ダイ径:2.095mm、ダイ長さ:8mm、流入角度:90°(コニカル))から押出速度0.0676mm/sの一定速度で押出して紐状体を得る。
そして、この押出された紐状体をキャピラリーの下方に配設した張力検出プーリーに通過させた後に巻取りロールを用いて巻取り、巻取りはじめの初速を3.447mm/sとし、その後に加速度を13.1mm/s2とし、徐々に巻取り速度を大きくし、張力検出プーリーによって観察される張力が急激に低下した時の巻取り速度を「破断点速度」とし、この破断点速度が観察されるまでの間に観測された張力のうちの破断点速度直前の張力の極大値と極小値の相加平均値を溶融張力とする。
なお、溶融張力は、例えば、チアスト社から商品名「ツインボアキャピラリーレオメーターRheologic 5000T」にて市販されている試験機を用いて測定することができる。
前記ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、優れたクッション性とともに優れた機械的強度を発揮させ得る点において、前記のようなポリプロピレン系樹脂を主成分としつつポリプロピレン系熱可塑性エラストマーをさらに含有していることが好ましい。
該ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーとしては、ランダムPPとエチレン−プロピレン共重合体ゴムとをブレンドした混合ポリマーであることが好ましく、該混合ポリマーとしては、密度が0.86g/cm3以上、0.90g/cm3以下、メルトフローレイト(230℃、2.16kg)が0.4g/10min以上0.8g/10min以下であるものを採用することが好ましい。
該ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーとしては、ランダムPPとエチレン−プロピレン共重合体ゴムとをブレンドした混合ポリマーであることが好ましく、該混合ポリマーとしては、密度が0.86g/cm3以上、0.90g/cm3以下、メルトフローレイト(230℃、2.16kg)が0.4g/10min以上0.8g/10min以下であるものを採用することが好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーの割合が多い方が優れたクッション性や靱性を発揮させ易い。
その一方でポリオレフィン系樹脂発泡シートは、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーの割合が少ない方が主成分たるポリプロピレン系樹脂の特性をシート物性に反映させ易くなる。
このようなことから本実施形態のポリオレフィン系樹脂発泡シートは、前記ポリプロピレン系樹脂と前記ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーとを80:20〜98:2の質量比率で含有することが好ましい。
即ち、本実施形態のポリオレフィン系樹脂発泡シートは、前記ポリプロピレン系樹脂と前記ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーとの合計含有量を100質量部とした際に前記ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーの含有量が2質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
その一方でポリオレフィン系樹脂発泡シートは、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーの割合が少ない方が主成分たるポリプロピレン系樹脂の特性をシート物性に反映させ易くなる。
このようなことから本実施形態のポリオレフィン系樹脂発泡シートは、前記ポリプロピレン系樹脂と前記ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーとを80:20〜98:2の質量比率で含有することが好ましい。
即ち、本実施形態のポリオレフィン系樹脂発泡シートは、前記ポリプロピレン系樹脂と前記ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーとの合計含有量を100質量部とした際に前記ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーの含有量が2質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
また、このような点については、前記の高分子型帯電防止剤についても同じであり、前記ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、高分子型帯電防止剤の含有量が多い方が優れた帯電防止性能を発揮させる上において有利である。
その一方でポリオレフィン系樹脂発泡シートは、高分子型帯電防止剤が少ない方がポリプロピレン系樹脂やポリプロピレン系熱可塑性エラストマーによって優れた機械的性質をシート物性として発揮させ易い。
従って、本実施形態のポリオレフィン系樹脂発泡シートは、前記ポリプロピレン系樹脂と前記ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーとの合計含有量を100質量部とした際に前記高分子型帯電防止剤の含有量が3質量部以上15質量部以下であることが好ましい。
その一方でポリオレフィン系樹脂発泡シートは、高分子型帯電防止剤が少ない方がポリプロピレン系樹脂やポリプロピレン系熱可塑性エラストマーによって優れた機械的性質をシート物性として発揮させ易い。
従って、本実施形態のポリオレフィン系樹脂発泡シートは、前記ポリプロピレン系樹脂と前記ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーとの合計含有量を100質量部とした際に前記高分子型帯電防止剤の含有量が3質量部以上15質量部以下であることが好ましい。
前記高分子型帯電防止剤としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステルアミド、エチレン−メタクリル酸共重合体などのアイオノマー、ポリエチレングリコールメタクリレート系共重合体等の第四級アンモニウム塩、特開2001−278985号公報に記載のオレフィン系ブロックと親水性ブロックとの共重合体等が挙げられる。
これらの中では、オレフィン系ブロックと親水性ブロックとの共重合体が好ましく、ポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体(ポリエーテル系ブロックとポリオレフィン系ブロックとのブロック共重合体)を前記高分子型帯電防止剤としてポリオレフィン系樹脂組成物に含有させることが好ましい。
なお、高分子型帯電防止剤としては、2以上の物質の混合品であっても良く、帯電防止性能の更なる向上を目的とし、前記ブロック共重合体にポリアミドを混合したもの、またはポリアミド系ブロックをさらに共重合させたものであってもよい。
なお、高分子型帯電防止剤としては、2以上の物質の混合品であっても良く、帯電防止性能の更なる向上を目的とし、前記ブロック共重合体にポリアミドを混合したもの、またはポリアミド系ブロックをさらに共重合させたものであってもよい。
前記高分子型帯電防止剤としては、プロピレンを70モル%以上含むオレフィン系ブロックとポリエーテル系ブロックとの共重合体を主成分とするものがより好ましい。
なお、前記ポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体が高分子型帯電防止剤に占める割合を70質量%以上とすることが好ましく、80質量%以上とすることがさらに好ましい。
なお、前記ポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体が高分子型帯電防止剤に占める割合を70質量%以上とすることが好ましく、80質量%以上とすることがさらに好ましい。
本実施形態において気泡調整剤として含有させる前記無機物粒子は、一定以上の割合でポリオレフィン系樹脂発泡シートに含有させる方が、当該ポリオレフィン系樹脂発泡シートの発泡状態をコントロールし易くなる。
その一方で、無機物粒子は、少ない方が当該無機物粒子によって透明電極を傷付けてしまうおそれを低減させることができる。
このようなことから本実施形態のポリオレフィン系樹脂発泡シートは、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対する前記無機物粒子の含有量が0.1質量部以上4質量部以下となっている。
また、無機物粒子は、ある程度以上の大きさを有することが好ましい反面で透明電極を傷付けてしまうおそれを低減させることができる点においては平均粒子径が小さい方が好ましい。
このような点において無機物粒子は、平均粒子径が0.1μm以上15μm以下であることが好ましい。
なお、無機物粒子は、ある程度扁平状である方が透明電極を傷付けてしまうおそれが低い。
このことから無機物粒子は、比表面積が1m2/g以上であることが好ましい。
なお、無機物粒子の比表面積は、25m2/g以下であることが好ましく、15m2/g以下であることがより好ましく、10m2/g以下であることが特に好ましい。
その一方で、無機物粒子は、少ない方が当該無機物粒子によって透明電極を傷付けてしまうおそれを低減させることができる。
このようなことから本実施形態のポリオレフィン系樹脂発泡シートは、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対する前記無機物粒子の含有量が0.1質量部以上4質量部以下となっている。
また、無機物粒子は、ある程度以上の大きさを有することが好ましい反面で透明電極を傷付けてしまうおそれを低減させることができる点においては平均粒子径が小さい方が好ましい。
このような点において無機物粒子は、平均粒子径が0.1μm以上15μm以下であることが好ましい。
なお、無機物粒子は、ある程度扁平状である方が透明電極を傷付けてしまうおそれが低い。
このことから無機物粒子は、比表面積が1m2/g以上であることが好ましい。
なお、無機物粒子の比表面積は、25m2/g以下であることが好ましく、15m2/g以下であることがより好ましく、10m2/g以下であることが特に好ましい。
なお、本実施形態において無機物粒子の平均粒子径とは、レーザー回折法によって求められるメジアン径(D50)を意味する。
具体的には、平均粒子径は、株式会社島津製作所製SALD−2100粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
また、比表面積とはBET法によって求められる値を意味する。
具体的には、BET比表面積は、日本ベル社製BELSORP−miniII自動比表面積測定装置を用いて測定することができる。
なお、測定は、前処理として1Pa以下で130℃−3時間の加温脱気を試料に対して実施し、吸着ガスとして窒素ガスを使用する。
具体的には、平均粒子径は、株式会社島津製作所製SALD−2100粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
また、比表面積とはBET法によって求められる値を意味する。
具体的には、BET比表面積は、日本ベル社製BELSORP−miniII自動比表面積測定装置を用いて測定することができる。
なお、測定は、前処理として1Pa以下で130℃−3時間の加温脱気を試料に対して実施し、吸着ガスとして窒素ガスを使用する。
本実施形態において気泡調整剤として用いられる該無機物粒子としては、タルク、マイカ、シリカ、珪藻土、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、及び、ガラスのいずれかで出来た粒子であることが好ましく、タルク粒子か又は炭酸カルシウム粒子であることが好ましい。
即ち、本実施形態のポリオレフィン系樹脂発泡シートは、タルク粒子及び炭酸カルシウム粒子の内の少なくとも一方を含有することが好ましい。
即ち、本実施形態のポリオレフィン系樹脂発泡シートは、タルク粒子及び炭酸カルシウム粒子の内の少なくとも一方を含有することが好ましい。
本実施形態のポリオレフィン系樹脂発泡シートは、前記に例示した以外のポリオレフィン系樹脂やポリオレフィン系以外の樹脂、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、難燃剤、抗菌剤、着色剤などのその他の成分を含有させることができる。
但し、これらの他の成分については、ポリオレフィン系樹脂発泡シートにおける含有量を5質量%以下に留めておくことが好ましく、3質量%以下とすることがより好ましく、実質的に含有させない状態(例えば、1質量%未満)にすることが特に好ましい。
但し、これらの他の成分については、ポリオレフィン系樹脂発泡シートにおける含有量を5質量%以下に留めておくことが好ましく、3質量%以下とすることがより好ましく、実質的に含有させない状態(例えば、1質量%未満)にすることが特に好ましい。
特にカルボニル基を有するようなものをその他の成分として含有させると、透明電極付パネルの透明電極を腐食してしまうおそれを有することから、このような成分を含有させないことが好ましい。
このようなカルボニル基を有する成分が含まれているか否かについては、ポリオレフィン系樹脂発泡シートの表面に対し、FT−IR ATRによる分析を行った際にカルボニル基に由来するピークが明瞭な形で見られないことで確認することができる。
具体的には、ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、透明電極付パネルの電極形成面に接する表面に対してFT−IR ATRを行った際にカルボニル基に特有の1700〜1725cm−1(C=O伸縮)に見られるピークの強度がアルキル由来の1450〜1460cm−1(C−H変角)に見られるピーク強度に対して1/2以下になっていることが好ましく1/3以下になっていることがより好ましく、1/5以下になっていることが特に好ましい。
このようなカルボニル基を有する成分が含まれているか否かについては、ポリオレフィン系樹脂発泡シートの表面に対し、FT−IR ATRによる分析を行った際にカルボニル基に由来するピークが明瞭な形で見られないことで確認することができる。
具体的には、ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、透明電極付パネルの電極形成面に接する表面に対してFT−IR ATRを行った際にカルボニル基に特有の1700〜1725cm−1(C=O伸縮)に見られるピークの強度がアルキル由来の1450〜1460cm−1(C−H変角)に見られるピーク強度に対して1/2以下になっていることが好ましく1/3以下になっていることがより好ましく、1/5以下になっていることが特に好ましい。
本実施形態のポリオレフィン系樹脂発泡シートは、上記のようなポリオレフィン系樹脂、無機物粒子、及び、高分子型帯電防止剤とともに物理発泡剤を含む樹脂組成物をサーキュラーダイなどを通じて押出発泡させる方法によって作製することができる。
前記物理発泡剤としては、イソブタン、ノルマルブタン、プロパン、ペンタン、ヘキサン、シクロブタン、シクロペンタンなどの炭化水素、二酸化炭素、窒素などの無機ガスを挙げることができる。
なかでも、前記物理発泡剤としては、イソブタンとノルマルブタンとの混合ブタンが好ましい。
前記物理発泡剤としては、イソブタン、ノルマルブタン、プロパン、ペンタン、ヘキサン、シクロブタン、シクロペンタンなどの炭化水素、二酸化炭素、窒素などの無機ガスを挙げることができる。
なかでも、前記物理発泡剤としては、イソブタンとノルマルブタンとの混合ブタンが好ましい。
このような押出発泡において前記のような比表面積が大きく扁平な気泡調整剤は、その長手方向が押出方向となってポリオレフィン系樹脂発泡シートの表面に露出し難くなる。
従って、ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、押出発泡によって作製されることで無機物粒子によって透明電極付パネルに悪影響を及ぼすことをより一層抑制させることができる。
また、扁平な無機物粒子をその長さ方向がポリオレフィン系樹脂発泡シートの平面方向に並んだ状態にさせるためには、押出時において押出方向にせん断を加えるだけでなく周方向へも一定以上の延伸を加えることが好ましい。
即ち、サーキュラーダイから押出された円筒状発泡シートを切り開いてポリオレフィン系樹脂発泡シートを作製する際には、円筒状発泡シートを切り開く前に拡径する操作を行うことが好ましい。
但し、前記円筒状発泡シートの過度な拡径は、気泡膜の破れなどポリオレフィン系樹脂発泡シートの物性に悪影響を及ぼすおそれがある。
従って、円筒状発泡シートの拡径度合いは、サーキュラーダイの口径(スリット幅の中央を結んだ円の直径)に対して2.5倍以上5.0倍以下とすることが好ましい。
従って、ポリオレフィン系樹脂発泡シートは、押出発泡によって作製されることで無機物粒子によって透明電極付パネルに悪影響を及ぼすことをより一層抑制させることができる。
また、扁平な無機物粒子をその長さ方向がポリオレフィン系樹脂発泡シートの平面方向に並んだ状態にさせるためには、押出時において押出方向にせん断を加えるだけでなく周方向へも一定以上の延伸を加えることが好ましい。
即ち、サーキュラーダイから押出された円筒状発泡シートを切り開いてポリオレフィン系樹脂発泡シートを作製する際には、円筒状発泡シートを切り開く前に拡径する操作を行うことが好ましい。
但し、前記円筒状発泡シートの過度な拡径は、気泡膜の破れなどポリオレフィン系樹脂発泡シートの物性に悪影響を及ぼすおそれがある。
従って、円筒状発泡シートの拡径度合いは、サーキュラーダイの口径(スリット幅の中央を結んだ円の直径)に対して2.5倍以上5.0倍以下とすることが好ましい。
このようにして得られる本実施形態のポリオレフィン系樹脂発泡シートは、透明電極付パネルに擦り傷を形成させてしまったり、透明電極に化学変化を生じさせてしまったりするおそれが低く、フラットパネルディスプレイの生産における歩留まり向上の観点からも有効なものとなる。
なお、本実施形態のポリオレフィン系樹脂発泡シートは、図1に示すように2枚の透明電極付パネルの間に挟み込まれるような態様以外にも、例えば、透明電極付パネルを包み込む袋などとしても用いられ得るものである。
そして、上記例示はあくまで本発明の限定的な例示であり、本発明は上記例示に何等限定解釈されるべきものではない。
そして、上記例示はあくまで本発明の限定的な例示であり、本発明は上記例示に何等限定解釈されるべきものではない。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
ポリプロピレン系樹脂(HMS−PP、ボレアリス社製、商品名「WB140」、MFR=2.1g/10min、融点165℃)90質量部、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー(サンアロマー社製、商品名「Q100F」、ランダムPPとエチレン−プロピレン共重合体ゴムとのブレンドポリマー、MFR=0.6g/10min)10質量部、高分子型帯電防止剤(三洋化成社製、商品名「ペレスタット230」、ポリエーテル−ポリプロピレンブロック共重合体、MFR=10g/10min、融点160℃)12質量部、気泡調整剤として日東粉化社製タルクマスターバッチ(商品名「タルペット70P」、平均粒子径(D50)12μm、比表面積8.5m2/g)のタルク粒子含有品、タルク純分70質量%)1.0質量部(タルク純分で0.7質量部)、及び、着色剤として顔料マスターバッチ(ポリコール興業製、商品名「G58683」)1.0質量部をφ90mm−φ150mmのタンデム押出機の第一押出機(φ90mm)に供給し、押出機内で溶融した後、押出機途中から発泡剤としてブタン(イソブタン/ノルマルブタン=95/5(モル比))を5質量部圧入し、混練した後、第二押出機(φ150mm)で発泡に適する温度域(161℃)まで冷却し、出口直径が96mm(スリットクリアランス0.45mm)のサーキュラーダイより大気中に押出発泡した。
押出発泡された円筒状発泡シートを直径が300mmの冷却マンドレル上を沿わせて冷却すると共に拡径し、拡径後の円筒状発泡シートを20m/minの巻き取り速度で巻き取りつつ周方向の1点で押出方向に沿って切断し、これを開いて長尺帯状のポリプロピレン系樹脂発泡シート(ポリオレフィン系樹脂発泡シート)を得た。
なお、この帯状のポリプロピレン系樹脂発泡シートは、巻取り機にて巻き取り、400m分をロール状に巻き取った。
ポリプロピレン系樹脂発泡シートの単位面積当たりの質量は、90g/m2であった。
次いで、ポリプロピレン系樹脂発泡シートをロール状のまま35℃に温調された部屋に約24時間放置し熟成させた。
その後、ロール状のポリプロピレン系樹脂発泡シートを巻き直し機にて3インチの紙管にロール状に巻き直し、約20℃の部屋に24時間放置し、実施例1のポリプロピレン系樹脂発泡シートとした。
このとき得られた実施例1のポリプロピレン系樹脂発泡シートは、厚み1.0mmであった。
なお、実施例1のポリプロピレン系樹脂発泡シートの物性等は、以下の方法に基づいて測定した。
(実施例1)
ポリプロピレン系樹脂(HMS−PP、ボレアリス社製、商品名「WB140」、MFR=2.1g/10min、融点165℃)90質量部、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー(サンアロマー社製、商品名「Q100F」、ランダムPPとエチレン−プロピレン共重合体ゴムとのブレンドポリマー、MFR=0.6g/10min)10質量部、高分子型帯電防止剤(三洋化成社製、商品名「ペレスタット230」、ポリエーテル−ポリプロピレンブロック共重合体、MFR=10g/10min、融点160℃)12質量部、気泡調整剤として日東粉化社製タルクマスターバッチ(商品名「タルペット70P」、平均粒子径(D50)12μm、比表面積8.5m2/g)のタルク粒子含有品、タルク純分70質量%)1.0質量部(タルク純分で0.7質量部)、及び、着色剤として顔料マスターバッチ(ポリコール興業製、商品名「G58683」)1.0質量部をφ90mm−φ150mmのタンデム押出機の第一押出機(φ90mm)に供給し、押出機内で溶融した後、押出機途中から発泡剤としてブタン(イソブタン/ノルマルブタン=95/5(モル比))を5質量部圧入し、混練した後、第二押出機(φ150mm)で発泡に適する温度域(161℃)まで冷却し、出口直径が96mm(スリットクリアランス0.45mm)のサーキュラーダイより大気中に押出発泡した。
押出発泡された円筒状発泡シートを直径が300mmの冷却マンドレル上を沿わせて冷却すると共に拡径し、拡径後の円筒状発泡シートを20m/minの巻き取り速度で巻き取りつつ周方向の1点で押出方向に沿って切断し、これを開いて長尺帯状のポリプロピレン系樹脂発泡シート(ポリオレフィン系樹脂発泡シート)を得た。
なお、この帯状のポリプロピレン系樹脂発泡シートは、巻取り機にて巻き取り、400m分をロール状に巻き取った。
ポリプロピレン系樹脂発泡シートの単位面積当たりの質量は、90g/m2であった。
次いで、ポリプロピレン系樹脂発泡シートをロール状のまま35℃に温調された部屋に約24時間放置し熟成させた。
その後、ロール状のポリプロピレン系樹脂発泡シートを巻き直し機にて3インチの紙管にロール状に巻き直し、約20℃の部屋に24時間放置し、実施例1のポリプロピレン系樹脂発泡シートとした。
このとき得られた実施例1のポリプロピレン系樹脂発泡シートは、厚み1.0mmであった。
なお、実施例1のポリプロピレン系樹脂発泡シートの物性等は、以下の方法に基づいて測定した。
<厚み>
ポリプロピレン系樹脂発泡シートの厚みについては、定圧厚み測定機(Teclock社製、型式「SCM−627」)を用いて測定することができる。
具体的には、ポリプロピレン系樹脂発泡シートの厚みは、円筒状の重りを用いて半径4.4cmの円形状の面(面積:60.8cm2)に、95gの荷重(自重を含む。)を当該ポリプロピレン系樹脂発泡シートにかけたときの厚みを定圧厚み測定機にて測定して求めることができる。
なお、ポリプロピレン系樹脂発泡シートの厚みは、通常、幅方向に5cmごとに50点測定し、その測定値の算術平均値とする。
また、ポリプロピレン系樹脂発泡シートの幅が狭く、50点分の測定箇所を確保出来ない場合には、可能な限りの測定点数を確保した上で全ての測定値の算術平均値を厚みとする。
ポリプロピレン系樹脂発泡シートの厚みについては、定圧厚み測定機(Teclock社製、型式「SCM−627」)を用いて測定することができる。
具体的には、ポリプロピレン系樹脂発泡シートの厚みは、円筒状の重りを用いて半径4.4cmの円形状の面(面積:60.8cm2)に、95gの荷重(自重を含む。)を当該ポリプロピレン系樹脂発泡シートにかけたときの厚みを定圧厚み測定機にて測定して求めることができる。
なお、ポリプロピレン系樹脂発泡シートの厚みは、通常、幅方向に5cmごとに50点測定し、その測定値の算術平均値とする。
また、ポリプロピレン系樹脂発泡シートの幅が狭く、50点分の測定箇所を確保出来ない場合には、可能な限りの測定点数を確保した上で全ての測定値の算術平均値を厚みとする。
<単位面積当たりの質量(坪量)>
ポリプロピレン系樹脂発泡シートの単位面積当たりの質量は、押出方向と直交する方向に沿った第1の線と、該第1の線に平行し且つ第1の線と押出方向に20cmの距離を隔てた第2の線との2本の線に沿ってポリプロピレン系樹脂発泡シートを切断して測定用試料を得、該測定用試料の質量:W(g)と面積:S(cm2)とに基づき下記の式にて算出することができる。
なお、ポリプロピレン系樹脂発泡シートが20cmの幅で測定用試料を切取れる程の大きさにない場合には、可能な大きさに矩形状に切取って切片を得、その切片の質量W(g)と面積S(cm2)から下記式にてポリプロピレン系樹脂発泡シートの単位面積当たりの質量を求めることができる。
単位面積当たりの質量(g/m2)=W/S×10000
ポリプロピレン系樹脂発泡シートの単位面積当たりの質量は、押出方向と直交する方向に沿った第1の線と、該第1の線に平行し且つ第1の線と押出方向に20cmの距離を隔てた第2の線との2本の線に沿ってポリプロピレン系樹脂発泡シートを切断して測定用試料を得、該測定用試料の質量:W(g)と面積:S(cm2)とに基づき下記の式にて算出することができる。
なお、ポリプロピレン系樹脂発泡シートが20cmの幅で測定用試料を切取れる程の大きさにない場合には、可能な大きさに矩形状に切取って切片を得、その切片の質量W(g)と面積S(cm2)から下記式にてポリプロピレン系樹脂発泡シートの単位面積当たりの質量を求めることができる。
単位面積当たりの質量(g/m2)=W/S×10000
<表面抵抗率>
ポリプロピレン系樹脂発泡シートの表面抵抗率は、JIS K6911−2006「熱硬化性プラスチック一般試験方法」記載の方法により測定することができる。
即ち、ポリプロピレン系樹脂発泡シートの表面抵抗率は、試験装置((株)アドバンテスト製デジタル超高抵抗/微小電流計R8340及びレジスティビティ・チェンバR12702A)を使用し、試験片に約30Nの荷重にて電極を圧着させ、500Vで1分間充電後の抵抗値を測定し、次式により算出することができる。
なお、試験片は、通常、ポリプロピレン系樹脂発泡シートから「幅100mm×長さ100mm×厚み(ポリプロピレン系樹脂発泡シートの全厚み)」のものを切り出して作製することができる。
また、測定は、通常、温度20±2℃、湿度65±5%の雰囲気下に試験片を24時間以上置いた後に行うものとし、試験環境として温度20±2℃、湿度65±5%の雰囲気下で行うものとする。
さらに、測定は、通常、試験片の数を5個とし、試験片それぞれの表裏両面に対して実施し、合計10個の測定値が得られるようにする。
ポリプロピレン系樹脂発泡シートの表面抵抗率は、原則的にこの10個全ての測定値の算術平均値とする。
ρs=π(D+d)/(D−d)×Rs
ρs:表面固有抵抗率(Ω/□)
D:表面の環状電極の内径(cm)(レジスティビティ・チェンバR12702Aでは、7cm。)
d:表面電極の内円の外径(cm)(レジスティビティ・チェンバR12702Aでは、5cm。)
Rs:表面抵抗(Ω)
ポリプロピレン系樹脂発泡シートの表面抵抗率は、JIS K6911−2006「熱硬化性プラスチック一般試験方法」記載の方法により測定することができる。
即ち、ポリプロピレン系樹脂発泡シートの表面抵抗率は、試験装置((株)アドバンテスト製デジタル超高抵抗/微小電流計R8340及びレジスティビティ・チェンバR12702A)を使用し、試験片に約30Nの荷重にて電極を圧着させ、500Vで1分間充電後の抵抗値を測定し、次式により算出することができる。
なお、試験片は、通常、ポリプロピレン系樹脂発泡シートから「幅100mm×長さ100mm×厚み(ポリプロピレン系樹脂発泡シートの全厚み)」のものを切り出して作製することができる。
また、測定は、通常、温度20±2℃、湿度65±5%の雰囲気下に試験片を24時間以上置いた後に行うものとし、試験環境として温度20±2℃、湿度65±5%の雰囲気下で行うものとする。
さらに、測定は、通常、試験片の数を5個とし、試験片それぞれの表裏両面に対して実施し、合計10個の測定値が得られるようにする。
ポリプロピレン系樹脂発泡シートの表面抵抗率は、原則的にこの10個全ての測定値の算術平均値とする。
ρs=π(D+d)/(D−d)×Rs
ρs:表面固有抵抗率(Ω/□)
D:表面の環状電極の内径(cm)(レジスティビティ・チェンバR12702Aでは、7cm。)
d:表面電極の内円の外径(cm)(レジスティビティ・チェンバR12702Aでは、5cm。)
Rs:表面抵抗(Ω)
<ITO腐食、傷つき>
ITOに対する腐食性、傷付き性については、ポリプロピレン系樹脂発泡シートから10cm×10cmの切片を2枚切り出し、この2枚の切片の間にITO膜付ガラス(ジオマテック社製、製品番号「0002」)を挟みこみ、これに1kgの重りを乗せた状態で、60℃、95%RHの条件の高温高湿槽に投入し、300時間保持して評価することができる。
なお、腐食性の判定については、前記のようにして300時間保持した後のITO膜付ガラスのITO膜の腐食状況をマイクロスコープ(100倍)を使用し、付着物及びITOの傷つき等の状態観察を行い、下記の基準に基づいて行う。
○:ガラス1枚当たりの腐食、付着物、傷つきが合計5箇所以下
△:ガラス1枚当たりの腐食、付着物、傷つきが合計6箇所以上19箇所以下
×:ガラス1枚当たりの腐食、付着物、傷つきが合計20箇所以上
ITOに対する腐食性、傷付き性については、ポリプロピレン系樹脂発泡シートから10cm×10cmの切片を2枚切り出し、この2枚の切片の間にITO膜付ガラス(ジオマテック社製、製品番号「0002」)を挟みこみ、これに1kgの重りを乗せた状態で、60℃、95%RHの条件の高温高湿槽に投入し、300時間保持して評価することができる。
なお、腐食性の判定については、前記のようにして300時間保持した後のITO膜付ガラスのITO膜の腐食状況をマイクロスコープ(100倍)を使用し、付着物及びITOの傷つき等の状態観察を行い、下記の基準に基づいて行う。
○:ガラス1枚当たりの腐食、付着物、傷つきが合計5箇所以下
△:ガラス1枚当たりの腐食、付着物、傷つきが合計6箇所以上19箇所以下
×:ガラス1枚当たりの腐食、付着物、傷つきが合計20箇所以上
(実施例2〜6、比較例1、2)
下記のようにして実施例2〜6、比較例1、2のポリプロピレン系樹脂発泡シートを作製し実施例1のポリプロピレン系樹脂発泡シートと同様に評価した。
結果を表1に示す。
下記のようにして実施例2〜6、比較例1、2のポリプロピレン系樹脂発泡シートを作製し実施例1のポリプロピレン系樹脂発泡シートと同様に評価した。
結果を表1に示す。
(比較例1)
重曹クエン酸系化学発泡剤(大日精化社製 「PO410K」)0.5質量部をタルクに代えて気泡調整剤として用いたこと以外は、実施例1と同様にポリプロピレン系樹脂発泡シートを作製し、これを比較例1のポリプロピレン系樹脂発泡シートとした。
重曹クエン酸系化学発泡剤(大日精化社製 「PO410K」)0.5質量部をタルクに代えて気泡調整剤として用いたこと以外は、実施例1と同様にポリプロピレン系樹脂発泡シートを作製し、これを比較例1のポリプロピレン系樹脂発泡シートとした。
(実施例2)
気泡調整剤として、日本タルク社製、商品名「Micro Ace P−3」(平均粒子径(D50)5μm、比表面積8.5m2/g)を0.3質量部添加したこと以外は、実施例1と同様にポリプロピレン系樹脂発泡シートを作製し、これを実施例2のポリプロピレン系樹脂発泡シートとした。
気泡調整剤として、日本タルク社製、商品名「Micro Ace P−3」(平均粒子径(D50)5μm、比表面積8.5m2/g)を0.3質量部添加したこと以外は、実施例1と同様にポリプロピレン系樹脂発泡シートを作製し、これを実施例2のポリプロピレン系樹脂発泡シートとした。
(比較例2)
重曹クエン酸系化学発泡剤(大日精化社製 「PO410K」)0.05質量部をタルクに代えて気泡調整剤として用いたこと以外は、実施例1と同様にポリプロピレン系樹脂発泡シートを作製し、これを比較例2のポリプロピレン系樹脂発泡シートとした。
重曹クエン酸系化学発泡剤(大日精化社製 「PO410K」)0.05質量部をタルクに代えて気泡調整剤として用いたこと以外は、実施例1と同様にポリプロピレン系樹脂発泡シートを作製し、これを比較例2のポリプロピレン系樹脂発泡シートとした。
(実施例3)
発泡剤としてブタン(イソブタン/ノルマルブタン=95/5(モル比))の添加部数を6質量部に変えたこと、ポリプロピレン系樹脂発泡シートを巻き取るスピードを20m/minから40m/minに変えたこと以外は実施例1と同様にポリプロピレン系樹脂発泡シートを作製し、これを実施例3のポリプロピレン系樹脂発泡シートとした。
なお、ここで得られたポリプロピレン系樹脂発泡シートは、厚み1.05mmで単位面積当たりの質量が45g/m2であった。
発泡剤としてブタン(イソブタン/ノルマルブタン=95/5(モル比))の添加部数を6質量部に変えたこと、ポリプロピレン系樹脂発泡シートを巻き取るスピードを20m/minから40m/minに変えたこと以外は実施例1と同様にポリプロピレン系樹脂発泡シートを作製し、これを実施例3のポリプロピレン系樹脂発泡シートとした。
なお、ここで得られたポリプロピレン系樹脂発泡シートは、厚み1.05mmで単位面積当たりの質量が45g/m2であった。
(実施例4)
気泡調整剤として用いるタルクの量を0.7質量部から3.5質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にポリプロピレン系樹脂発泡シートを作製し、これを実施例4のポリプロピレン系樹脂発泡シートとした。
ここで得られたポリプロピレン系樹脂発泡シートは、気泡が細かく、外観良好なものであった。
気泡調整剤として用いるタルクの量を0.7質量部から3.5質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にポリプロピレン系樹脂発泡シートを作製し、これを実施例4のポリプロピレン系樹脂発泡シートとした。
ここで得られたポリプロピレン系樹脂発泡シートは、気泡が細かく、外観良好なものであった。
(実施例5)
気泡調整剤として、日本タルク社製、商品名「MS−GY」(平均粒子径(D50):23μm、比表面積2.5m2/g)を1.0質量部添加したこと以外は、実施例1と同様にポリプロピレン系樹脂発泡シートを作製し、これを実施例5のポリプロピレン系樹脂発泡シートとした。
気泡調整剤として、日本タルク社製、商品名「MS−GY」(平均粒子径(D50):23μm、比表面積2.5m2/g)を1.0質量部添加したこと以外は、実施例1と同様にポリプロピレン系樹脂発泡シートを作製し、これを実施例5のポリプロピレン系樹脂発泡シートとした。
(実施例6)
気泡調整剤として、タルクの代わりに炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、商品名「ソフトン1800」、平均粒子径(D50)1.25μm、比表面積1.8m2/g)1.0質量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にポリプロピレン系樹脂発泡シートを作製し、これを実施例6のポリプロピレン系樹脂発泡シートとした。
気泡調整剤として、タルクの代わりに炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、商品名「ソフトン1800」、平均粒子径(D50)1.25μm、比表面積1.8m2/g)1.0質量部を使用したこと以外は、実施例1と同様にポリプロピレン系樹脂発泡シートを作製し、これを実施例6のポリプロピレン系樹脂発泡シートとした。
上記の表に示した結果からも、本発明によれば透明電極付パネルの表面保護適した樹脂発泡シートを提供し得ることがわかる。
1:ポリオレフィン系樹脂発泡シート
2:透明電極付パネル
2:透明電極付パネル
Claims (4)
- 透明電極付パネルの表面保護に用いられ、前記透明電極付パネルの電極形成面に当接させて用いられるポリオレフィン系樹脂発泡シートであって、
ポリオレフィン系樹脂と気泡調整剤とを含み、該気泡調整剤として無機物粒子を含み、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対する前記無機物粒子の含有量が0.1質量部以上4質量部以下であるポリオレフィン系樹脂発泡シート。 - 0.2mm以上2mm以下の厚みを有し、単位面積当たりの質量が15g/m2以上110g/m2以下で、前記電極形成面に当接される表面の表面抵抗率が1×108Ω以上1×1014Ω以下である請求項1記載のポリオレフィン系樹脂発泡シート。
- 前記無機物粒子は、平均粒子径が0.1μm以上15μm以下で比表面積が1m2/g以上である請求項1又は2記載のポリオレフィン系樹脂発泡シート。
- 高分子型帯電防止剤をさらに含み、
ポリプロピレン系樹脂及びポリプロピレン系熱可塑性エラストマーを前記ポリオレフィン系樹脂として含み、且つ、タルク粒子及び炭酸カルシウム粒子の内の少なくとも一方を前記無機物粒子として含み、
前記ポリプロピレン系樹脂と前記ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーとの合計含有量を100質量部とした際に前記ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーの含有量が2質量部以上20質量部以下で前記高分子型帯電防止剤の含有量が3質量部以上15質量部以下である請求項1乃至3の何れか1項に記載のポリオレフィン系樹脂発泡シート。
Priority Applications (1)
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JP2015050904A JP2016169329A (ja) | 2015-03-13 | 2015-03-13 | ポリオレフィン系樹脂発泡シート |
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