JP6971880B2 - シート材 - Google Patents

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Description

本発明は、シート材に関し、より詳しくは、表皮層と、該表皮層に内側から接する樹脂層とを備えたシート材に関する。
従来、樹脂シートとしては、ポリエチレン系樹脂シート、ポリエステル系樹脂シート、ポリアミド系樹脂シートなどの各種の素材のものが知られている。
また、樹脂シートとしては、樹脂フィルムなどと称される非発泡な樹脂層のみで構成されているものや、発泡シートなどと称される発泡状態の樹脂層を備えたものが知られている。
この樹脂シートのようなシート材は、包装用シート、袋、合紙、などといった2次元的な形状で利用されるだけでなく、シート成形用の原材料として用いられ、食品トレーや容器蓋などといった3次元的な形状を有する製品にも広く用いられている。
上記のように今日では材質、形態、用途などを異ならせる形で多数の種類の樹脂シートが市場に提供されている。
このように市場には多数の樹脂シートが提供されているが、少なくとも表層部が樹脂で構成されているシート材に共通している特徴として、表面に存在する親水性の官能基の割合が比較的低いことが挙げられる。
そのため、コロナ処理やプラズマ処理と称される電気的な表面処理を行って樹脂シートの表面官能基の数を増大させることが行われている。
この種の処理では、当該樹脂シートと極性材料との親和性が向上し、例えば、樹脂シートに対する接着剤の濡れ性や接着強度などが向上する。
しかしながら、上記のような電気的な処理で表面の官能基を増大させるのには、限界がある。
そのため、樹脂シートの表面に親水性を付与して帯電防止性を発揮させたりすることが求められるような場合には、樹脂シートの形成材料に界面活性剤を含有させ、当該界面活性剤を樹脂シートの表面にブリードアウトさせることが行われたりしている(下記特許文献1参照)。
特開2010−42556号公報
界面活性剤の多くは、エチレンオキサイドのような親水性骨格やイオン性官能基を有しており、前記のようにして樹脂シートの表面に界面活性剤をブリードアウトさせるとブリードアウトした界面活性剤で樹脂シートの表面に薄い皮膜が形成されることになり、樹脂層の両面に界面活性剤を含む表皮層が備えられたシート材が形成されることになる。
このようなシート材においては、表面に多くの親水性骨格やイオン性官能基を存在させることができる。
また、界面活性剤をブリードアウトさせる方法は、シート材の表面に存在させる官能基の数などを界面活性剤の種類や量によってある程度コントロールでき、電気的な処理を施す方法に比べて格段に多くの数の官能基をシート材の表面に存在させ得る。
その一方で、界面活性剤をブリードアウトさせる方法では、シート材が他の部材に接した時に相手材に界面活性剤を付着させてしまうおそれがある。
そして、界面活性剤は、通常、分子量が高くても数千レベルで、分子量が数百レベルのものが一般的であるためにブリードアウトに際して樹脂シートに内在していたオリゴマーなどの低分子量化合物を同伴するおそれがある。
そして、界面活性剤自体は水洗等によって比較的容易に除去することができるが、ブリードアウトに際して同伴される物質の中には水洗除去が容易ではないものも存在し得る。
そうすると界面活性剤を含む表皮層が形成されたシート材は、接触する相手材に水洗除去することが容易ではない付着物を生じさせてしまうおそれを有する。
そこで、本発明は、親水性や帯電防止性に優れるとともに接触する相手材に水洗除去することが容易ではない付着物を生じさせ難いシート材を提供することを課題としている。
上記のような課題を解決するための本発明は、表皮層と、該表皮層に内側から接する樹脂層を備えたシート材であって、前記表皮層がセルロースナノファイバーを含むシート材を提供する。
セルロースは、1分子中に数多くの水酸基を有する。
本発明のシート材は、セルロースナノファイバーを含む表皮層を有するため、当該表皮層によって優れた親水性や帯電防止性などが発揮され得る。
そして、本発明の表皮層にはセルロースナノファイバー間の空隙部が形成され得る。
したがって、本発明のシート材は、表皮層に内側から接する樹脂層から低分子量化合物のブリードアウトが生じても、この低分子量化合物を前記空隙部で捕捉できるため、相手材に低分子量化合物を付着させるおそれが低い。
即ち、本発明によれば親水性や帯電防止性に優れることと、接触する相手材に水洗除去することが容易ではない付着物を生じさせるおそれを低減することとが高いレベルで両立され得る。
本発明のシート材の一使用態様を示した概略図。 本発明の一実施形態に係るシート材の概略断面図。 本発明の他の実施形態に係るシート材の概略断面図。 本発明の他の実施形態に係るシート材の概略断面図。
以下に本発明のシート材について説明する。
以下においては、シート材の基体がポリオレフィン系樹脂発泡シートで、該ポリオレフィン系樹脂発泡シートが押出発泡体である場合を例示する。
より詳しくは、以下においては、ポリオレフィン系樹脂を含むポリオレフィン系樹脂組成物を押出発泡させることによってシート状に形成されたポリオレフィン系樹脂発泡シートが基体として備えられているシート材をガラス板の合紙として利用する場合を例示しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1に示すように本実施形態のシート材1は、例えば、ガラス板2を複数枚上下方向に積層して積層体100を形成する際に隣接するガラス板2の間に介装させて合紙として用いられるものである。
本実施形態における前記ガラス板2は、プラズマディスプレイパネルや液晶ディスプレイパネルなどのフラットディスプレイパネル用のガラス板である。
本実施形態のシート材1は、図2に示すように当該シート材1の基体となるポリオレフィン系樹脂発泡シート10と、ポリオレフィン系樹脂発泡シート上に形成された塗膜とを備えている。
本実施形態のシート材1は、ポリオレフィン系樹脂発泡シート10の第1の表面に積層された第1塗膜11と、前記第1の表面とは反対面となる第2の表面に積層された第2塗膜12とを備えている。
言い換えれば、本実施形態のシート材1は、ポリオレフィン系樹脂発泡シート10で構成された発泡状態の樹脂層の両面に塗膜による表皮層が形成されており、第1塗膜11/ポリオレフィン系樹脂発泡シート10/第2塗膜12の3層構造を備えている。
本実施形態のポリオレフィン系樹脂発泡シート10に含有させる前記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−αオレフィン樹脂などを挙げることができる。
ポリエチレン系樹脂発泡シートを構成するポリオレフィン系樹脂組成物には、ポリオレフィン系樹脂を1種単独で含有させる必要はなく、2種以上を含有させてもよい。
ポリオレフィン系樹脂組成物に含有させるポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン樹脂が好ましい。
前記低密度ポリエチレン樹脂としては、例えば、中低圧法によって重合される直鎖低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)や、高圧法によって分子構造中に長鎖分岐が形成された低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)が挙げられる。
前記低密度ポリエチレン樹脂としては、メルトマスフローレイト(以下「MFR」ともいう)が2〜6g/10minで、樹脂密度が925kg/m以上、935kg/m以下の低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)を用いることが好ましい。
上記のようなMFRの低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)が好ましいのは、MFRが2g/10min未満では、押出機中での混練性に問題を生じて、良好なポリオレフィン系樹脂発泡シートを得ることが難しくなるおそれを有するためである。
また、上記のようなMFRの低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)が好ましいのは、MFRが6g/10minを超えると溶融張力が低くなりすぎて低密度のポリオレフィン系樹脂発泡シートが得られにくくなり、ダイス先端にメヤニ状の堆積物が発生しやすくなるためである。
上記のメルトマスフローレイトは、本明細書中においては、特段の断りがない限りにおいて、JIS K 7210:1999「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)」及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」B法記載の方法(但し、試験温度190℃、荷重21.18N)により測定される値を意図している。
本実施形態のポリオレフィン系樹脂発泡シート10に含まれる前記ポリエチレン系樹脂として、上記のような密度を有していることが好ましいのは、樹脂密度が925kg/m未満では、押出後の発泡シートからの発泡剤の逸散が速く、樹脂自体の剛性が小さく、収縮を抑制できなくなるおそれがある一方で樹脂密度を935kg/mを超えた値とすると樹脂自体の剛性が大きすぎて、シート材が良好なクッション性を示さなくなるおそれを有するためである。
前記ポリオレフィン系樹脂発泡シート10を形成させるためのポリオレフィン系樹脂には、樹脂成分としてポリオレフィン系樹脂以外の樹脂を少量含有させてもよい。
但し、樹脂成分全体を100質量%としたときにポリオレフィン系樹脂以外の樹脂の含有量は10質量%以下であることが好ましい。
本実施形態のポリオレフィン系樹脂発泡シート10は、押出発泡法によって製造されるため、これまでに述べた成分に加えて発泡に必要な成分がさらに含有され得る。
この発泡のための成分としては、発泡剤や気泡調整剤を挙げることができる。
前記発泡剤としては、イソブタン、ノルマルブタン、プロパン、ペンタン、ヘキサン、シクロブタン、シクロペンタンなどの炭化水素、二酸化炭素、窒素などの無機ガスを挙げることができる。
なかでも、前記発泡剤としては、イソブタンとノルマルブタンとの混合ブタンが好ましい。
このようにしてイソブタン/ノルマルブタンの混合ブタンを用いると、イソブタンによって、押出工程における発泡剤の急激な逸散が抑制される一方、ポリオレフィン系樹脂との相溶性に優れるノルマルブタンが、連続気泡率の増大を抑制するので、収縮が少なく、かつ連続気泡率の少ないクッション性に優れたポリオレフィン系樹脂発泡シート10を得ることができる。
なお、押出発泡に際して用いる発泡剤の量は、求める発泡度合いにもよるが、ポリオレフィン系樹脂などの樹脂成分100質量部に対して、通常、5質量部以上、25質量部以下とされる。
通常、発泡剤の添加割合がこのような範囲とされるのは、発泡剤が5質量部未満であると十分な発泡を得にくく、25質量部を超えると気泡膜が破れて良好なポリオレフィン系樹脂発泡シートが得られなくなるおそれを有するためである。
また、発泡剤によって形成される気泡を調整するための前記気泡調整剤としては、タルク、シリカなどの無機粉末や分解型発泡剤としても用いられる多価カルボン酸と炭酸ナトリウムあるいは重曹(重炭酸ナトリウム)との混合物、アゾジカルボン酸アミドなどが挙げられる。
これらは単独で用いても、複数のものを併用してもよい。この気泡調整剤の添加量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部あたり0.5質量部以下とすることが好ましい。
本実施形態のポリオレフィン系樹脂発泡シート10には、上記のような成分以外にも、必要に応じて、熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤等の添加剤を含有させてもよい。
なお、ポリオレフィン系樹脂の他にポリオレフィン系樹脂発泡シート10に含有される成分の割合は、10質量%以下であることが好ましく5質量%以下であることがより好ましい。
即ち、ポリオレフィン系樹脂発泡シート10を構成しているポリオレフィン系樹脂組成物におけるポリオレフィン系樹脂の割合は90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましい。
上記のようなポリオレフィン系樹脂組成物によって構成されるポリオレフィン系樹脂発泡シート10の密度(見掛け密度)については、特に限定されるものではなく、ガラス板の合紙などとして一般に求められているクッション性を発揮させる程度であれば良く、通常、70kg/m未満とされ、好ましくは10kg/m以上、60kg/m以下とされる。
このような密度を選択し得るのは、密度が70kg/m以上では、ポリオレフィン系樹脂発泡シート10の柔軟性が不足して緩衝性が低いものとなるおそれを有するためであり、密度が小さすぎるとポリオレフィン系樹脂発泡シート10の強度が十分なものにならない結果、緩衝性が低いものとなるおそれを有するためである。
さらに、気泡膜の厚みが薄くなりすぎると、収縮が大きくなる結果、長尺なポリオレフィン系樹脂発泡シート10を作製した際に、これを一つのロールとして巻き取ることが困難になる。
したがって、ポリオレフィン系樹脂発泡シート10の密度は、10kg/m以上とすることが好ましく、15kg/m以上とすることが好ましい。
本実施形態のシート材は、前記のようにポリオレフィン系樹脂発泡シート10で構成された樹脂層と、該樹脂層の両面に積層された表皮層とを備えており、該表皮層が前記塗膜11,12で構成されている。
ポリオレフィン系樹脂発泡シート10の前記第1塗膜11と前記第2塗膜12とは、セルロースナノファイバーで構成されている。
前記第1塗膜11と前記第2塗膜12とは、セルロースナノファイバーの種類や量が共通していても共通していなくてもよい。
前記シート材をガラス板用の合紙として表裏を気にせず用いることができる点において第1塗膜11のセルロースナノファイバーの種類や第1塗膜11の形成に用いられているセルロースナノファイバーの量は、第2塗膜12と共通していることが好ましい。
第1塗膜11及び第2塗膜12は、セルロースナノファイバー以外の成分を含んでいてもよいが、それぞれセルロースナノファイバーを80質量%以上の割合で含有することが好ましい。
第1塗膜11や第2塗膜12のセルロースナノファイバーの含有量は、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることが特に好ましい。
第1塗膜11及び第2塗膜12は、実質的にセルロースナノファイバーのみで構成されていることがとりわけ好ましい。
前記第1塗膜11及び前記第2塗膜12に含まれるセルロースナノファイバーは、最大繊維径が1000nm以下であることが好ましく、最大繊維径が500nm以下であることがより好ましい。
前記セルロースナノファイバーは、数平均繊維径が1〜500nmであることが好ましい。
前記セルロースナノファイバーの数平均繊維径は、2〜150nmであることがより好ましく、2〜100nmであることがさらに好ましく、3〜80nmであることが特に好ましい。
前記セルロースナノファイバーは、アスペクト比が50以上であることが好ましい。
セルロースナノファイバーのアスペクト比は、100以上であることがより好ましく、200以上であることがさらに好ましい。
セルロースナノファイバーの前記最大繊維径、前記数平均繊維径、及び、アスペクト比は、例えば、つぎのようにして測定することができる。
即ち、固形分率で0.05〜0.1質量%のセルロースナノファイバーを含有する水分散体を調製し、その分散体を、親水化処理済みのカーボン膜被覆グリッド上にキャストして、透過型電子顕微鏡(TEM)の観察用試料とする。
なお、大きな繊維径の繊維を含む場合には、ガラス上へキャストした表面の走査型電子顕微鏡(SEM)像を観察してもよい。そして、構成する繊維の大きさに応じて5000倍、10000倍あるいは50000倍のいずれかの倍率で電子顕微鏡画像による観察を行う。
その際に、得られた画像内に縦横任意の画像幅の軸を想定し、その軸に対し、20本以上の繊維が交差するよう、試料および観察条件(倍率等)を調節する。
そして、この条件を満たす観察画像を得た後、この画像に対し、1枚の画像当たり縦横2本ずつの無作為な軸を引き、軸に交錯する繊維の繊維径及び繊維長を目視で読み取っていく。
このようにして、最低3枚の重複しない表面部分の画像を、電子顕微鏡で撮影し、各々2つの軸に交錯する繊維の繊維径及び繊維長の値を読み取る(したがって、最低20本×2×3=120本の繊維径及び繊維長の情報が得られる)。
このようにして得られた繊維径及び繊維長のデータにより、最大繊維径、数平均繊維径及び、アスペクト比(数平均繊維長(nm)/数平均繊維径(nm))を算出する。
前記セルロースナノファイバーは、変性品であっても非変性品であってもよい。
本実施形態において前記第1塗膜11及び前記第2塗膜12に含有させるセルロースナノファイバーは、アニオン変性がされたアニオン変性セルロースナノファイバーであることが好ましい。
アニオン変性セルロースナノファイバーは、親水性に優れ、水などの親水性溶媒に対する分散性に優れるため、水分散体の状態で塗膜の形成に利用できる。
即ち、アニオン変性セルロースナノファイバーは、前記第1塗膜11及び前記第2塗膜12の形成を容易にさせ得るとともにこれらを均質性に優れたものとすることができる点において有利である。
また、含有するセルロースナノファイバーが親水性に優れることで前記第1塗膜11及び前記第2塗膜12にも優れた親水性や帯電防止性が発揮され得る。
さらに、仮にシート材1の塗膜11,12から相手材にセルロースナノファイバーが移行したとしても、当該セルロースナノファイバーが親水性に優れることで水洗等によって容易に除去できることになる。
前記アニオン変性セルロースナノファイバーは、当該アニオン変性セルロースナノファイバーを構成するセルロースがI型結晶構造を有することが好ましい。
I型結晶構造を有することにより、分散性がより優れたものとなる。
ここで、前記セルロースがI型結晶構造を有することは、例えば、広角X線回折像測定により得られる回折プロファイルにおいて、2θ=14〜17°付近と、2θ=22〜23°付近の2つの位置に典型的なピークが現れることから特定することができる。
前記アニオン変性セルロースナノファイバーは、セルロース上の水酸基がアニオン基に置換されていることが好ましい。
このようなアニオン基としては、例えば、カルボキシル基、カルボキシメチル基などのカルボキシル基を含む置換基またはその塩が挙げられる。
セルロース上の水酸基がアニオン基に置換されていることにより、水などへの分散性がより優れたものとなる。
また、水などの親水性溶媒に対して優れた分散性を発揮させる上において前記アニオン基は、無機アルカリ金属または有機アミンと塩を形成していることが好ましい。
無機アルカリ金属としては、例えば、ナトリウムやカリウムなどが挙げられる。
有機アミンとしては、ポリエーテルアミンであることが好ましく、下記一般式(1)で示される化合物であることがより好ましい。
Figure 0006971880
ここで、式中、「R」は炭素数1〜20の直鎖あるいは分岐のアルキル基またはアリール基を示し、「R2」は炭素数2〜4の直鎖あるいは分岐のアルキレン基を示し、「n」は30以上の整数を示し、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を示す。
前記アニオン変性セルロースナノファイバーは、酸化セルロース、カルボキシメチル化セルロース、多価カルボキシメチルセルロース、長鎖カルボキシセルロースおよびこれらの有機アミン塩などが挙げられる。
これらのうち、前記アニオン変性セルロースナノファイバーに優れた分散性を発揮させ得ることから、前記アニオン変性セルロースナノファイバーを構成するセルロースは、酸化セルロース、カルボキシメチル化セルロースおよびこれらの有機アミン塩から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、塗膜11,12にタック性が発現することを抑制することができることから、前記セルロースは、酸化セルロースおよびその有機アミン塩から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
塗膜のタック性を抑制できる理由は定かではないが、乾燥した酸化セルロースが水に溶解しにくいことによるものと想定される。
前記酸化セルロースは、アニオン基を0.1〜3.0mmol/g含有することが好ましい。
アニオン基の含有量が上記範囲内であることにより、アニオン変性セルロースナノファイバーの水などへの分散性がより優れたものとなる。
前記アニオン基の含有量は、0.6〜2.5mmol/gであることがより好ましく、1.0〜2.2mmol/gであることがさらに好ましい。
前記酸化セルロースは、セミカルバジド法による測定でのアルデヒド基とケトン基の合計含有量が0.3mmol/g以下であることが好ましい。
アルデヒド基とケトン基の合計含有量がこのような範囲内であることにより、アニオン変性セルロースナノファイバーの水などへの分散性がより優れたものとなる。
前記含有量は、0.1mmol以下であることが好ましい。
セミカルバジド法によるアルデヒド基とケトン基との合計含量の測定は、例えば、次のようにして行われる。
すなわち、まず、乾燥させた試料に、リン酸緩衝液によりpH=5に調整したセミカルバジド塩酸塩3g/l水溶液を正確に50ml加え、密栓し、二日間振とうする。
次いで、この溶液10mlを正確に100mlビーカーに採取し、5N硫酸を25ml、0.05Nヨウ素酸カリウム水溶液5mlを加え、10分間撹拌する。
その後、5%ヨウ化カリウム水溶液10mlを加えて、直ちに自動滴定装置を用いて、0.1Nチオ硫酸ナトリウム溶液にて滴定し、その滴定量等から、下記の式に従い、試料中のカルボニル基量(アルデヒド基とケトン基との合計含量)を求めることができる。

カルボニル基量(mmol/g)=(D−B)×f×〔0.125/w〕
D:サンプルの滴定量(ml)
B:空試験の滴定量(ml)
f:0.1Nチオ硫酸ナトリウム溶液のファクター
w:試料量(g)
前記酸化セルロースは、フェーリング試薬によってアルデヒド基が検出されないことが好ましい。
アルデヒド基の含有量がフェーリング試薬によって検出されないほど少ないことにより、アニオン変性セルロースナノファイバーの水などへの分散性がより優れたものとなる。
なお、フェーリング試薬によるアルデヒド基の検出方法は、例えば、乾燥させた試料に、フェーリング試薬(酒石酸ナトリウムカリウムと水酸化ナトリウムとの混合溶液と、硫酸銅五水和物水溶液)を加えた後、80℃で1時間加熱したとき、上澄みが青色、セルロース部分が紺色を呈するものは、アルデヒド基は検出されなかったと判断することができ、上澄みが黄色、セルロース部分が赤色を呈するものは、アルデヒド基は検出されたと判断することができる。
前記酸化セルロースは、例えば、構成するグルコースユニット上の水酸基を酸化したものが挙げられ、特に、グルコースユニット上の6位の水酸基が選択的に酸化されたものであることが好ましい。
なお、酸化セルロースがグルコースユニット上の6位の水酸基が選択的に酸化されたものであることは、例えば、13C−NMRチャートにより確認することができる。
すなわち、酸化前のセルロースの13C−NMRチャートで確認できるグルコース単位の1級水酸基のC6位に相当する62ppmのピークが、酸化反応後は消失し、代わりにカルボキシル基等に由来するピーク(178ppmのピークはカルボキシル基に由来するピーク)が現れる。
このようにして、グルコース単位のC6位水酸基が選択的にカルボキシル基等に酸化されていることを確認することができる。
前記第1塗膜11及び前記第2塗膜12には、上記のようなセルロースナノファイバーが1種単独で含まれていても2種以上含まれていてもよい。
前記塗膜11,12に含有されるセルロースナノファイバーは、シート材1によって表面保護される保護対象物である前記ガラス板2とシート材1との接触による静電気の発生を抑制する効果を発揮するとともに仮にガラス板2の表面に移行しても水洗除去が容易であるためガラス板2に清浄な表面状態を与える上で有効となる。
前記シート材1に優れた帯電防止性能を発揮させる上において、前記塗膜11,12の表面抵抗率は、1×1010Ω以上1×1013Ω以下であることが好ましい。
なお、前記シート材1の表面抵抗率はJIS K6911:1995「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に記載の方法に基づいて測定することができる。
即ち、ポリエチレン系樹脂発泡シートの表面抵抗率は、試験装置((株)アドバンテスト製デジタル超高抵抗/微小電流計R8340及びレジスティビティ・チェンバR12702A)を使用し、試験片に約30Nの荷重にて電極を圧着させ、500Vで1分間充電後の抵抗値を測定し、次式により算出することができる。
なお、試験片は、通常、ポリエチレン系樹脂発泡シートから「幅100mm×長さ100mm×厚み(ポリエチレン系樹脂発泡シートの全厚み)」のものを切り出して作製することができる。
また、測定は、通常、温度20±2℃、湿度65±5%の雰囲気下に試験片を24時間以上置いた後に行うものとし、試験環境として温度20±2℃、湿度65±5%の雰囲気下で行うものとする。
さらに、測定は、通常、試験片の数を5個とし、試験片それぞれの表裏両面に対して実施し、合計10個の測定値が得られるようにする。
ポリエチレン系樹脂発泡シートの表面抵抗率は、原則的にこの10個全ての測定値の算術平均値とする。

ρs=π(D+d)/(D−d)×Rs
ρs:表面抵抗率(Ω)
D:表面の環状電極の内径(cm)(レジスティビティ・チェンバR12702Aでは、7cm。)
d:表面電極の内円の外径(cm)(レジスティビティ・チェンバR12702Aでは、5cm。)
Rs:表面抵抗(Ω)
本実施形態におけるシート材1は、セルロースナノファイバーが上記のように機能するため、ポリオレフィン系樹脂発泡シート10に低分子型界面活性剤や高分子型帯電防止剤を含有させる必要性がない。
また、これらはポリオレフィン系樹脂などに比べて高価であるため、シート材1のコスト低減を図る意味からもポリオレフィン系樹脂発泡シート10における低分子型界面活性剤及び高分子型帯電防止剤の含有量はそれぞれ5質量%以下とされることが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂発泡シート10におけるこれらの含有量は、それぞれ3質量%以下であることがより好ましい。
ポリオレフィン系樹脂発泡シート10には、低分子型界面活性剤や高分子型帯電防止剤が実質的に含まれていないことが特に好ましい。
シート材1の表皮層を構成する前記第1塗膜11及び前記第2塗膜12のそれぞれは、0.5μm以上50μm以下の平均厚みを有することが好ましい。
前記第1塗膜11及び前記第2塗膜12の厚みは、シート材1を厚み方向に切断した際に現れる断面を顕微鏡などで拡大して写真撮影し、無作為に選択した数箇所(例えば20箇所)でそれぞれの厚みを測定した際の算術平均値として求められ得る。
前記第1塗膜11及び前記第2塗膜12のそれぞれは、単位面積(1m)当りにおける前記セルロースナノファイバーの含有量が、0.5mg/m以上であることが好ましく、1mg/m以上であることがより好ましく、5mg/m以上であることがさらに好ましい。前記セルロースナノファイバーの含有量は、100mg/m以下であることが好ましく、80mg/m以下であることがより好ましく、60mg/m以下であることがさらに好ましい。
上記のような塗膜11,12の形成は、ポリオレフィン系樹脂発泡シート10の製造に連続して行うことができる。
前記の通り本実施形態に係るポリオレフィン系樹脂発泡シート10は、押出発泡法で製造される。
具体的には、ポリオレフィン系樹脂発泡シート10は、前記ポリオレフィン系樹脂組成物を押出機の先端に装着したサーキュラーダイなどから連続的にシート状に押出発泡して押出発泡シートを作製する押出工程、押出されたシートを巻取り機により巻き取ってシートロールを作製する巻き取り工程を行って製造することができる。
本実施形態における前記押出工程では、サーキュラーダイから連続的に押出される筒状の発泡体を押出直後に内外から冷却エアを吹き付けて空冷する1次冷却、及び、空冷後の発泡体を冷却用マンドレルを用いてさらに冷却する2次冷却が行われる。
前記押出工程では、冷却用マンドレルの下流側に設けたカッターで筒状の発泡体が押出方向に切断しつつ引き取られる。
本実施形態における前記押出工程では、サーキュラーダイの直径よりも径大な外径を有する冷却用マンドレルを使って2次冷却が行われる。
したがって、該2次冷却は、冷却用マンドレルの外周面を1次冷却された筒状の発泡体の内周面に摺接させることによって実施される。
該2次冷却では、1次冷却された筒状の発泡体を冷却しつつ同時に冷却用マンドレルによる拡径も行われる。
前記のように押出方向にカッターで切断された発泡体は、展開されて帯状とされた後で前記原反ロールを構成すべく巻き取られる。
前記塗膜11,12は、このようにして作製されるポリオレフィン系樹脂発泡シート10に塗工液を塗布することによって形成される。
前記塗膜11,12は、前記セルロースナノファイバーを含む塗工液を用意する塗工液準備工程と、前記ポリオレフィン系樹脂発泡シート10の両面に前記塗工液を塗布する塗布工程と、を実施することで形成させ得る。
該塗工液の塗布は、押出工程と並行して実施されても、押出工程が完了した後に改めて実施されてもよい。
即ち、巻取り工程で作製されるシートロールは、塗膜の形成されたシート材がロール状に巻回されたものでも、ポリオレフィン系樹脂発泡シートだけがロール状に巻回されたものでもよい。
前記塗工液準備工程では、セルロースナノファイバーを水などの分散媒に分散させた水分散液を塗工液として調製してもよい。
前記塗布工程は、ロールコート、キスコート、スプレーコート、刷毛塗り、などといった一般的な方法で実施することができる。
塗工液の塗布を押出工程と並行して実施する場合、塗工液の塗布は、冷却用マンドレルよりも上流側で行っても下流側で行ってもよい。
塗工液の塗布は、必要であれば、押出し直後の円筒状の発泡体の内外に塗工液をスプレーコートするようにして行ってもよく、冷却用マンドレルでの2次冷却前に実施される1次冷却を兼ねるように実施してもよい。
冷却用マンドレルで2次冷却された後のポリオレフィン系樹脂発泡シートであっても、通常、その表面温度は、常温(23℃)よりも温度が高いため、塗工液の塗布を押出工程と並行して実施する場合、塗工液の塗布をどの場所で実施しても塗工液は暖かな状態のポリオレフィン系樹脂発泡シートに塗工されることになる。
そうすると、塗膜の乾燥スピードが速くなり、セルロースナノファイバーの繊維間が詰まった強固な塗膜を形成させる上で有利となる。
前記塗布工程でポリオレフィン系樹脂発泡シートの両面に塗膜を形成させるためには、必ずしもポリオレフィン系樹脂発泡シートの両面に塗工液を塗布しなくてもよい。
例えば、ポリオレフィン系樹脂発泡シートの一面側のみに塗膜を形成させ、シートロールを形成させた際に塗膜が形成されていない他面側に塗工液の一部を転写させる方法を採用してもよい。
前記塗布工程を前記押出工程と並行して実施せず押出工程を終えた後に実施する場合、塗工液の塗布は、シートロールを巻き換える際などに実施することができる。
尚、本実施形態においては押出発泡によって製造したポリオレフィン系樹脂発泡シートをガラス板の合紙として用いる場合を例示しているが、本発明のシート材は、その用途をガラス板の合紙に限定するものではなく、ガラス板以外の部材でも水洗が予定されているものであれば、その包装等に利用することでガラス板の合紙として用いる場合と同様の効果を期待することができる。
また、本発明のシート材は、水洗などがされない部材と接するような用途でもこれまでに説明したような効果を発揮する。
本実施形態においては、セルロースナノファイバーを含む表皮層に内側から接する樹脂層をポリオレフィン系樹脂発泡シートで構成させる場合を例示しているが、シート材の樹脂層は非発泡な樹脂フィルムによって構成させてもよい。
また、樹脂層に含まれる樹脂は、ポリオレフィン系樹脂に限定されることなく各種のものを採用することができる。
さらに、本実施形態においては、樹脂層が1つだけのシート材を例示しているが、本発明のシート材は、図3に示すように2以上の樹脂層を有していてもよい。
例えば、前記第1塗膜11に内側から接する樹脂層(以下「第1樹脂層10a」ともいう)と前記第2塗膜12に内側から接する樹脂層(以下「第2樹脂層10b」ともいう)とを別にして、何れか一方を発泡状態として他方を非発泡状態としたり、一方の樹脂層と他方の樹脂層との樹脂種を異ならせたりしてもよい。
そのような場合、図4に示すように第1樹脂層10aと第2樹脂層10bとの間にさらに金属フィルム10xのような樹脂以外で出来たフィルムを介挿させてもよい。
即ち、本発明は上記例示に何等限定されるものではない。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
日本ポリエチレン株式会社製の低密度ポリエチレン樹脂(商品名:「LF580」、密度:931kg/m、MFR=4.0g/10min)100質量部に対して、三洋化成株式会社製の高分子型帯電防止剤(ポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体、商品名:「ペレクトロンLMP」、結晶化温度:56℃、融点:115℃、MFR=30g/10min)4質量部、及び、三協化成社製の気泡調整剤マスターバッチ(アゾジカルボンアミド含有マスターバッチ:商品名「セルマイクMB1023」)0.15質量部の比率で配合された配合物をタンデム押出機の第一押出機(シリンダー径:φ90mm)に供給し、該押出機内での最高到達温度が210℃となるように溶融混練した。
また、該第一押出機の途中から発泡剤として混合ブタン(イソブタン/ノルマルブタン=50/50(モル比))を前記低密度ポリエチレン樹脂100質量部に対する割合が18質量部となるように圧入した。
この第一押出機での溶融混練後は、該第一押出機に連結された第二押出機(シリンダー径:φ150mm)で発泡に適する温度域(111℃)まで溶融混練物を冷却し、出口直径が222mm(スリット0.04mm)のサーキュラーダイより大気中に押出発泡し、円筒状態のポリオレフィン系樹脂発泡シート(筒状発泡体)を作製した。
なお、押出時の樹脂温度は116℃であった。
押出発泡された筒状発泡体は、エアーを吹き付けて冷却した後、直径が770mm、長さ650mmの冷却用マンドレル上を沿わせて冷却し、該冷却用マンドレルの後ろ側に設けたカッターで押出し方向に沿って筒状発泡体を切断して長尺帯状のポリオレフィン系樹脂発泡シートを得た。
この長尺帯状のポリオレフィン系樹脂発泡シートに塗膜を形成させるための塗工液として、セルロースナノファイバー分散液を用意した。
該ポリオレフィン系樹脂発泡シートの片面(前記筒状発泡体の状態において内周面となる側)に噴霧機によって前記塗工液をスプレーコートし、該スプレーコートによって塗膜を作製して実施例1のシート材を得た。
該塗膜を形成させた後のシート材は、巻取りスピード50m/minでロール状に巻取った。
(比較例1)
セルロースナノファイバーを塗布しなかったこと以外は実施例1と同様にしてシート材を得た。
(実施例2,3)
噴霧機での噴霧量を変更した以外は実施例1と同様にしてシート材を得た。
実施例、比較例のシート材の表面抵抗率を測定した。
また、実施例、比較例のシート材に接触させたガラス板の接触角を以下のようにして測定した。
(接触角の測定)
実施例、比較例で得られたシート材がガラス板の合紙として適性を有しているかどうかを以下のように接触角で判定した。
まず、合紙発泡シートを5cm×10cmの大きさに切り、これを洗浄・乾燥したガラス板(日本電気硝子株式会社製 無アルカリガラス OA−10G)の上に乗せ、前記シート材の全体に荷重が加わるように1kgの重りを乗せて、下記サイクルにて恒温恒湿槽(ISUZU製作所製、商品名「HPAV−120−40」)での加熱を行った。
(サイクル条件)
シート材の加熱は、下記(1)〜(4)を1サイクルとして実施した。

(1)20℃・60%RHから60℃・90%RHまで1時間で昇温
(2)60℃・90%RHで1時間保持
(3)60℃・90%RHから20℃・60%RHまで1時間で降温
(4)20℃・60%RHで1時間保持
上記のサイクル加熱試験後のガラス板の表面からシート材を取り除き、家庭用アルカリ洗剤(花王株式会社製、商品名「アタック」)を0.4%含有する洗浄水で前記ガラス板を洗浄し、蒸留水にてすすぎ洗いを実施した後、温度30℃、相対湿度0%にて24時間乾燥した。
シート材と接していたガラス板表面における精製水の接触角を協和界面化学株式会社製、固液界面解析装置(商品名「DROP MASTER300」)によって測定した。
なお、測定は、サイクル加熱を60サイクル実施した後、120サイクル実施した後、及び、180サイクル実施した後の3通りで行った。
また、接触角は、それぞれ20点の測定を行い、その平均値によって算出した。
結果を表1に併せて示す。
Figure 0006971880
尚、セルロースナノファイバーの噴霧量を大きく減らして上記と同様の評価を実施したところ下記の通りとなった。
Figure 0006971880
上記の結果から、表皮層の厚みが薄すぎると十分顕著な効果が認められず、効果の顕著性からは、0.5μm以上程度の厚みを確保した方が好ましいことがわかる。
上記のことから、本発明のシート材は、親水性や帯電防止性に優れるとともに接触する相手材に水洗除去することが容易ではない付着物を生じさせるおそれが低いことがわかる。

Claims (1)

  1. 表皮層と、該表皮層に内側から接する樹脂層を備えたシート材であって、
    前記樹脂層の両面に前記表皮層が積層されており、
    前記表皮層がセルロースナノファイバーを含み、0.5μm以上50μm以下の平均厚みを有しており、
    前記表皮層の表面抵抗率が1×10 10 Ω以上1×10 13 Ω以下であり、
    フラットディスプレイ用のガラス板の合紙として用いられるシート材。
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