JP5810003B2 - ポリスチレン系樹脂積層発泡シート - Google Patents

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Description

本発明は、ポリスチレン系樹脂積層発泡シートに関し、より詳しくは、高分子型帯電防止剤を含有するポリスチレン系樹脂組成物からなるフィルム層が少なくとも一方の表面に設けられているポリスチレン系樹脂積層発泡シートに関する。
プラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイや、該フラットパネルディスプレイを形成させるためのガラス基板は、衝撃によって破損が生じやすいために、従来、クッション性に優れた保護シートによって保護された状態で保管されたりしている。
この種のフラットパネルディスプレイ用保護シートとしては、樹脂発泡シートのクッション性を利用したものが知られており、例えば、ポリエチレン系樹脂発泡シートやポリスチレン系樹脂発泡シートがガラス基板用の合紙として用いられたりしている(下記特許文献1参照)。
なお、この種の用途においては、樹脂発泡シートからなる発泡層のみを有する保護シートの他に、表面にフィルム層をさらに設けて表面硬度等のクッション性以外に求められる機能をシート表面に付与させたものが知られている。
この発泡層とフィルム層とを有するポリスチレン系樹脂積層発泡シートとしては、例えば、単にポリスチレン系樹脂発泡シートにポリスチレン系樹脂フィルムを熱ラミネートなどの手法で貼り合わせただけのものや、発泡剤を含有するポリスチレン系樹脂組成物と発泡剤を含有していないポリスチレン系樹脂組成物とがそれぞれ別の押出機で溶融混練された後に一つのダイから共押出されて形成されたものなどが知られている。
このようにして形成されるポリスチレン系樹脂積層発泡シートは、フィルム層と発泡層とが直接熱融着によって接着されることから、接着剤の使用が制限されるような場合において広く用いられている。
ところで、樹脂シートは、表面に静電気を発生させ易く、前記ポリスチレン系樹脂積層発泡シートにおいても例外ではない。
このことから、ディスプレイ用ガラス基板などのように異物の付着を防止することが求められるような用途においては、フィルム層に帯電防止剤を含有させたポリスチレン系樹脂積層発泡シートが用いられている。
この帯電防止剤としては、界面活性剤のような低分子型のものや、ポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体のような高分子型のものが知られており、この内、高分子型帯電防止剤は、樹脂シートに含有させた際に低分子型帯電防止剤に比べて移行性が低く、接する相手材への付着が抑制される点においてディスプレイ用ガラス基板用の保護シートなどにおいて広く用いられている。
しかし、通常、ポリスチレン系樹脂積層発泡シートにおいて高分子型帯電防止剤を含有させる際には、ガラス基板などと直接触れ合うフィルム層にしか含有されず、発泡層にまで含有させる事例は少ない。
そのため、フィルム層が剥れて発泡層を露出させるとこの発泡層を露出させた領域においては帯電防止性が発揮されないことになる。
また、仮に発泡層にまで帯電防止剤を含有させていたとしても、フィルム層が剥離すると、この剥離したフィルム層自体が異物となってガラス基板などの表面に付着するおそれがある。
このようなことから、この種の用途においてはフィルム層の剥離強度を向上させることが要望されているが、従来、このような要望を十分に満足させることができてはいない。
なお、フィルム層の剥離強度の向上が求められているのは、必ずしもガラス基板の合紙に用いられる場合のみに限られたものではなく、ポリスチレン系樹脂積層発泡シート全般に広く求められている事柄である。
特開2008−296938号公報
本発明は、上記のような要望を満足させることを課題としており、フィルム層の剥離強度を従来のポリスチレン系樹脂積層発泡シートに比べて向上させ、フラットパネルディスプレイやガラス基板の合紙として好適なポリスチレン系樹脂積層発泡シートを提供することを課題としている。
上記課題を解決すべく、本発明者が鋭意検討を行ったところ、高分子型帯電防止剤として、一般に用いられているポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体に代えて、アイオノマー系樹脂を採用することでフィルム層の剥離強度を向上させうることを見出して本発明を完成させるに至った。
即ち、上記課題を解決するためのポリスチレン系樹脂積層発泡シートに係る本発明は、高分子型帯電防止剤を含有するポリスチレン系樹脂組成物からなるフィルム層が少なくとも一方の表面に設けられており、該フィルム層の内側にポリスチレン系樹脂組成物からなる発泡層が備えられているポリスチレン系樹脂積層発泡シートであって、フラットパネルディスプレイのガラス基板の合紙として用いられ、前記発泡層と前記フィルム層とが熱融着されて積層されており、前記発泡層は、0.5mm以上30mm以下の厚みを有し、見掛け密度が0.04g/cm 3 以上0.20g/cm 3 以下であり、前記フィルム層は、含有されている前記高分子型帯電防止剤がアイオノマー系高分子型帯電防止剤であることを特徴としている。
本発明によれば、従来のポリスチレン系樹脂積層発泡シートに比べてフィルム層の剥離強度が向上されたポリスチレン系樹脂積層発泡シートを得ることができ、ひいては、フラットパネルディスプレイやガラス基板への異物付着を十分に抑制させることが可能なポリスチレン系樹脂積層発泡シートが提供され得る。
一実施形態のポリスチレン系樹脂積層発泡シートの断面構造を模式的に示した概略断面図。
本発明に係る実施形態について以下に説明する。
本実施形態に係るポリスチレン系樹脂積層発泡シートは、図1にも示すように、両表面にフィルム層10、10’が備えられ、該フィルム層10、10’に挟まれる形で内部に発泡層20が備えられている。
即ち、本実施形態に係るポリスチレン系樹脂積層発泡シート1は、3層の積層構造を有している。
また、本実施形態のポリスチレン系樹脂積層発泡シート1は、これらの3層が共押出によって積層一体化されたものである。
前記フィルム層10、10’は、ポリスチレン系樹脂を主成分としたポリスチレン系樹脂組成物によって実質的に非発泡状態となって形成されている。
なお、一方のフィルム層10と他方のフィルム層10’とは、その形成に用いられるポリスチレン系樹脂組成物が同じであっても異なっていても良い。
また、一方のフィルム層10と他方のフィルム層10’とは、厚み等を異ならせていてもよい。
ただし、少なくとも一方には、前記ポリスチレン系樹脂とともにアイオノマー系高分子型帯電防止剤を含有させることが重要である。
仮に、優れた剥離強度と帯電防止性とが両方のフィルム層10、10’に求められるような場合であれば、それぞれにアイオノマー系高分子型帯電防止剤を含有させれば良い。
なお、アイオノマー系高分子型帯電防止剤を含有させて、優れた剥離強度を発揮させる必要のある側のフィルム層は、その厚みが0.1〜50g/m2の坪量となるように形成させることが好ましい。
これらを形成させるための前記ポリスチレン系樹脂としては、スチレン系単量体から選ばれる1種以上の重合体や、スチレン系単量体と該スチレン系単量体と共重合可能なビニル系単量体との共重合体が挙げられる。
前記スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、t−ブチルスチレン、ジメチルスチレンが挙げられる。
また、前記ビニル系単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレートが挙げられる。
なお、本実施形態において用いられるポリスチレン系樹脂としては、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(以下「HIPS」ともいう)か、又は、汎用ポリスチレン樹脂(以下、「GPPS」ともいう)のいずれかが好適である。
なお、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)とは、前記スチレン系単量体など以外にブタジエンなどのゴム成分を含有するものであり、例えば、該ゴム成分がスチレン系単量体と共重合しているコポリマーや、該コポリマーと他のホモポリマーあるいはコポリマーとのブレンド樹脂などが挙げられる。
また、汎用ポリスチレン樹脂(GPPS)とは、添加剤等を除いた樹脂成分が実質上スチレンモノマーのみで構成されたものである。
これらのポリスチレン系樹脂は、いずれも、多くの種類が市販されており、求める特性のものが入手容易であるばかりでなく比較的安価である点においても好適である。
一方で、前記アイオノマー系高分子型帯電防止剤としては、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体などのエチレンと酸性基含有モノマーとの共重合体の酸性基にナトリウムイオン、カリウムイオン、亜鉛イオンなどの金属のイオンを結合させたものを用いることができる。
なお、当該アイオノマー系高分子型帯電防止剤は、前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対して前記が4〜50質量部の割合で前記ポリスチレン系樹脂組成物に含有させることが好ましい。
本実施形態において前記アイオノマー系高分子型帯電防止剤として好ましく用いられるものとしては、例えば、三井デュポンポリケミカル社から、商品名「エンティラMK400」、商品名「エンティラSD100」などとして市販のカリウムアイオノマー系高分子型帯電防止剤が挙げられる。
なお、本実施形態においては、このようなアイオノマー系高分子型帯電防止剤のみならず、必要であれば、ポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体などのその他の高分子型帯電防止剤や、低分子型帯電防止剤を本発明の効果が著しく損なわれない範囲においてフィルム層10,10’の形成材料に採用しても良い。
なお、本実施形態のポリスチレン系樹脂積層発泡シート1は、前記アイオノマー系高分子型帯電防止剤を含有させて帯電防止性を発揮させるとともに優れた剥離強度を発揮させるフィルム層の表面抵抗率が1×1013Ω以下であることが好ましく、表面をエタノール水で洗浄した後の表面抵抗率が1×1013Ω以下であることが好ましい。
したがって、前記アイオノマー系高分子型帯電防止剤のみで、このような表面抵抗率にすることが難しいようであれば、その他の高分子型帯電防止剤や低分子型帯電防止剤をフィルム層に含有させるようにしてもよい。
さらに、前記フィルム層10,10’の形成に用いるポリスチレン系樹脂組成物には、ポリフェニレンエーテルなどの樹脂を含有させることも可能であり、一般的なポリマーフィルムの材料などとして用いられる添加剤を含有させることができる。
例えば、耐候剤や老化防止剤といった各種安定剤、滑剤などの加工助剤、帯電防止剤、スリップ剤、顔料、充填剤などを添加剤としてさらに含有させることができる。
なお、このようなフィルム層10,10’の間に形成させる前記発泡層20は、例えば、フィルム層10,10’の形成に用いられた非発泡性のポリスチレン系樹脂組成物に、さらに、発泡のための成分を含有させた発泡性のポリスチレン系樹脂組成物を用いて形成させることができる。
発泡のための前記成分としては、例えば、少なくとも当該発泡層のベースポリマーとなる前記ポリスチレン系樹脂の軟化点において気体状態となるガス成分や、該ガス成分によって気泡を形成させる際の核となる気泡核剤や、少なくとも前記軟化点において熱分解を生じて気体が発生される熱分解型発泡剤などが挙げられる。
前記ガス成分としては、プロパン、ブタン、ペンタンなどの脂肪族炭化水素、窒素、二酸化炭素、アルゴン、水などが挙げられる。
なかでも、脂肪族炭化水素が好ましい。
なお、これらのガス成分は単独で使用されても複数併用されてもよい。
前記気泡核剤としては、例えば、タルク、マイカ、シリカ、珪藻土、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、ガラスビーズなどの無機化合物粒子、ポリテトラフルオロエチレンなどの有機化合物粒子などが挙げられる。
さらに、加熱分解型の発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物などが挙げられる。
なお、要すれば、この発泡層20にも帯電防止剤を初めとした各種添加剤を含有させることができる。
前記発泡層20は、厚みや、発泡倍率、連続気泡率等といった特性値に特に限定されるものではないが、通常、前記厚みについては、0.5〜30mmとされる。
また、発泡層20の見掛け密度は、通常、0.03〜0.4g/cm3の範囲の内のいずれかとされ得る。
なお、同じフィルム層を設けた場合でも、発泡層の見掛け密度が低いものほどフィルム層の剥離強度が低くなる。
従って、発泡層20の見掛け密度が高い方が本発明の効果をより顕著に発揮させることができることから0.04〜0.20g/cm3の見掛け密度を有することが好ましい。
前記連続気泡率については、クッション性との関係から40%以下であることが好ましい。
次いで、このようなポリスチレン系樹脂積層発泡シートを製造する製造方法について説明する。
本実施形態においては、前記フィルム層10,10’と発泡層20とを共押出によって形成させる。
該共押出の方法としては一般的な積層発泡シート製造方法に用いられる方法を採用することができる。
例えば、ポリスチレン系樹脂、前記アイオノマー系高分子型帯電防止剤、及び、気泡核剤などを含有する発泡層形成用のポリスチレン系樹脂組成物を作製するとともにフィルム層形成用のポリスチレン系樹脂組成物を作製する樹脂混練工程を実施した後に、得られたそれぞれのポリスチレン系樹脂組成物を共押出してシート状に形成させる方法などを採用しうる。
以下に、それぞれの工程に関して、より具体的に説明する。
(樹脂混練工程)
前記したような成分を含有するポリスチレン系樹脂組成物を作製するには、例えば、まず、ベース樹脂となるポリスチレン系樹脂、アイオノマー系高分子型帯電防止剤、気泡調整剤、及び、必要に応じてスリップ剤、防曇剤等の添加剤を計量してタンブラーブレンダー、へンシェルミキサーなどで単にドライブレンドによって調整する方法や、該ドライブレンドしたものを単軸押出機、多軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどで各配合材料が略均一に混合された状態となるように溶融混練し、その後、混練物をストランド状に押出してペレタイズするか、ホットカットしてペレット化してフルコンパウンド化させる方法を採用することができる。
(押出し工程)
上記樹脂混練工程でドライブレンドされた材料やフルコンパウンド化されたペレットを熱溶融状態にしてシート状に押出発泡する方法としては、例えば、サーキュラーダイやT−ダイなどから押出してシート化する方法があげられる。
本実施形態においては、先述のように発泡層20が2層のフィルム層10,10’の間に挟まれた3層構造となってポリスチレン系樹脂積層発泡シート1を作製することから、当該押出し工程においては、例えば、2台の押出機からポリスチレン系樹脂組成物を押出させてサーキュラーダイから共押出させる方法を採用することができる。
即ち、一台の押出機でフィルム層を形成させるためのポリスチレン系樹脂組成物(以下「非発泡性樹脂組成物」ともいう)を溶融混練し、もう一台の押出機で発泡剤を含有するポリスチレン系樹脂組成物(以下「発泡性樹脂組成物」ともいう)を溶融混練し、前記サーキュラーダイの円環状の吐出口の内周側と外周側との両側から前記非発泡性樹脂組成物が押出されるようにするとともに厚み方向中間部分において前記発泡性樹脂組成物が押出されるようにして3層構造のポリスチレン系樹脂積層発泡シート1を得ることができる。
また、仮に、一方のフィルム層10と他方のフィルム層10’との形成材料を異ならせる場合には、3台の押出機を使って共押出させることで3層構造のポリスチレン系樹脂積層発泡シートを得ることができる。
なお、一方のフィルム層10と他方のフィルム層10’とのいずれか一方のみにアイオノマー系高分子型帯電防止剤を含有させ、他方にはアイオノマー系高分子型帯電防止剤を含有させない場合には、このアイオノマー系高分子型帯電防止剤を含有していないフィルム層までも共押出によって形成させる必要はない。
本実施形態においては、アイオノマー系高分子型帯電防止剤を含有したフィルム層が、前記発泡層とともに共押出によって形成されることで、このフィルム層と発泡層とを優れた接着力で熱融着させることができ、フィルム層の剥離強度に優れたポリスチレン系樹脂積層発泡シートを得ることができる。
なお、フィルム層と発泡層とを熱融着させたポリスチレン系樹脂積層発泡シートを作製する方法は、上記のような共押出法に限定されるものではなく、例えば、アイオノマー系高分子型帯電防止剤を含有したポリスチレン系樹脂フィルムとポリスチレン系樹脂発泡シートとを別々に作製してこれらを熱ラミネートする方法(熱ラミネート法)や、アイオノマー系高分子型帯電防止剤を含有するポリスチレン系樹脂組成物を押出機などで加熱溶融させてT−ダイを通じてポリスチレン系樹脂発泡シートの上に押出させ、この押出されたポリスチレン系樹脂組成物でフィルム層を形成させる方法(押出ラミネート法)など種々の方法を採用することができる。
また、本実施形態のごとく発泡層の両側にフィルム層を形成させる場合においては、一方のフィルム層を共押出法で形成させて、他方のフィルム層を熱ラミネート法や押出ラミネート法で形成させるなど、それぞれのフィルム層を異なる方法で形成させても良い。
なお、本実施形態においては、3層構成のポリスチレン系樹脂積層発泡シートを例示しているが、フィルム層と発泡層との2層構成のポリスチレン系樹脂積層発泡シートや4層以上の積層構造を有するポリスチレン系樹脂積層発泡シートも本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートとして意図する範囲のものである。
また、ここではこれ以上に詳述はしないが、上記において直接的に記載のない事項であっても、ポリスチレン系樹脂積層発泡シートに係る技術事項として従来公知の事項は、本発明の効果が著しく損なわれない範囲においてこれを採用することが可能なものである。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(比較例1)
ポリスチレン系樹脂(DIC社製GPPS(スチレン単独重合体)、商品名「XC−515」)を95質量%、及び、高分子型帯電防止剤(ポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体)を5質量%の割合で含有するポリスチレン系樹脂組成物を第一の押出機で溶融混練するとともにポリスチレン系樹脂(DIC社製GPPS(スチレン単独重合体)、商品名「XC−515」)100質量部に対して、気泡核剤としてのタルクを1.5質量部となる割合でこれらを第二の押出機に供給して溶融混練させた。
なお、第二の押出機では、前記溶融混練を実施しつつ前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対する割合が4質量部となるように発泡剤(ブタン)をこの第二の押出機内に圧入させてさらに溶融混練を実施した。
そして、これらの押出機で得られた溶融混練物を合流金型に供給し、該合流金型の先に設けた共押出用のサーキュラーダイから連続的に押出して、内側が発泡層で外側がフィルム層となる円筒状の積層発泡体を形成させ、該積層発泡体を円柱状の冷却マンドレルの外周面に摺接させて冷却するとともに該冷却マンドレルによって周方向に延伸を加えた。
その後、冷却された円筒状の積層発泡体を押出し方向(MD方向)に向けて連続的に切断し、平坦なシート状に展開して比較例1のポリスチレン系樹脂積層発泡シートを製造した。
なお、得られたポリスチレン系樹脂積層発泡シートの発泡層の厚みは1mmで、見掛け密度は0.13g/cm3であった。
また、フィルム層の厚みは、0.06mmであった。
〔剥離強度〕
このポリスチレン系樹脂積層発泡シートから、巾15mm×長さ100mmの短冊状試験片を長手方向がMD方向となるように切り出した。
この短冊状試料の長手方向一端側からフィルム層を他端側に向かって少しの区間(20mm未満)剥離して、剥がし始めのフィルム層の端を引張試験機(オリエンテックコーポレーション社製、「テンシロンRTM−500」)にセットし、剥離方向が90度となるように短冊状試料を保持しつつ、200mm/分の引張速度でフィルム層の剥離強度を測定した。
なお、測定に際しては、剥離区間を80mmとし、その内、最初の10mmと最後の10mmとを除いた60mmの区間における積分平均荷重(N)をその試料の剥離強度とした。
同様にして、合計3個の試料について剥離強度を測定した。その平均値を表1に示す。
〔帯電防止性能〕
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡シートに対して、JIS K 6911:1995「熱硬化性プラスチックー般試験方法」記載の方法により表面抵抗率の値を測定した。
具体的には、一辺が10cmの平面正方形状の試験片を温度22℃、湿度60%の雰囲気下に24時間静置した後、22℃、60%RHの環境下、試験装置(アドバンテスト社製、デジタル超高抵抗/微少電流計R8340及びレジスティビティ・チェンバR12702A)を使用し、試験片に、約30Nの荷重にて電極を圧着させ500Vの電圧を印加して1分経過後の抵抗値を測定し、次式により算出した。
ρs=π(D+d)/(D−d)×Rs
ただし、
ρs:表面抵抗率(Ω/□)
D:表面の環状電極の内径(cm)(レジスティビティ・チェンバR12702Aでは、7cm)
d:表面電極の内円の外径(cm)(レジスティビティ・チェンバR12702Aでは、5cm)
Rs:表面抵抗(Ω)

なお、測定は各々に対し、3回ずつ実施し、それぞれの算術平均値を求め、表1には、得られた値を四捨五入して10の累乗で示す。
(実施例1、2、比較例2)
フィルム層におけるポリスチレン系樹脂(XC−515)と高分子型帯電防止剤との比率を表1に示すものに変更した以外は、比較例1と同様にポリスチレン系樹脂積層発泡シートを作製し、比較例1と同様に剥離強度の評価を行った。
なお、実施例1、2においては、高分子型帯電防止剤として、アイオノマー系のもの(三井デュポンポリケミカル社製、商品名「エンティラMK400」)を採用した。
Figure 0005810003
以上のように、本発明によれば、剥離強度に優れたポリスチレン系樹脂積層発泡シートを得ることができ、フラットパネルディスプレイやガラス基板の合紙として有用なポリスチレン系樹脂積層発泡シートが得られることがわかる。

Claims (1)

  1. 高分子型帯電防止剤を含有するポリスチレン系樹脂組成物からなるフィルム層が少なくとも一方の表面に設けられており、該フィルム層の内側にポリスチレン系樹脂組成物からなる発泡層が備えられているポリスチレン系樹脂積層発泡シートであって、
    フラットパネルディスプレイのガラス基板の合紙として用いられ、
    前記発泡層と前記フィルム層とが熱融着されて積層されており、
    前記発泡層は、0.5mm以上30mm以下の厚みを有し、見掛け密度が0.04g/cm 3 以上0.20g/cm 3 以下であり、
    前記フィルム層は、含有されている前記高分子型帯電防止剤がアイオノマー系高分子型帯電防止剤であることを特徴とするポリスチレン系樹脂積層発泡シート。
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