JP2019147918A - ポリオレフィン系樹脂発泡体 - Google Patents

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Abstract

【課題】粘着テープとして使用した際に解体性が良好であるポリオレフィン系樹脂発泡体を提供する。【解決手段】少なくとも2面を有するポリオレフィン系樹脂発泡体であって、任意の一面(A面)の層間強度が10N/cm以上であり、かつ、他の一面(B面)の層間強度が10N/cm未満であり、かつ、層間破壊厚みがb層厚みの80%以下であることを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡体とする。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリオレフィン系樹脂発泡体に関する。
ポリオレフィン系樹脂発泡体は自動車内装材を始め、断熱材として建築部材、緩衝材として粘着テープなどの分野で広く使用されている。その中で両面粘着テープは、例えば電子機器を構成する部品の固定等の場面で広く使用されており、多くの場合、発泡体が使用されている。この両面粘着テープは、携帯電子端末、カメラ、パソコンなどの小型電子機器を構成する画像表示部の保護パネルときょう体との固定、小型電子機器への外装部品や電池等の剛体部品の固定等に使用されている。両面粘着テープに使用される発泡体としては、薄型で、被着体への追従性や耐衝撃性に優れるものとして、例えば、柔軟な発泡体基材の両面に粘着剤層を有する両面粘着テープが知られている(例えば特許文献1参照)。
一方、携帯電子端末等には、その薄型化や高機能化がすすむのに伴って、例えば画像表示部を構成する保護パネルや画像表示モジュールやタッチパネル、薄型電池等の剛体からなる薄型で高価な部品が多く使用されるようになっている。そのため、携帯電子端末等の不具合が生じた際に、電子機器の本体(きょう体)を容易に分離することができ、電子機器の本体や取り外した部品などを再利用等できることが好ましい。そこで、特許文献2では固定部分を容易に解体できる様に易解体層を積層して設けることが開示されている。しかし、この場合あらためて発泡体基材の上に易解体層を積層する為に工程が増え経済的に不利となる可能性があった。
特開2010−260880号公報 特開2016−79361号公報
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、携帯端末等の不具合が生じた際に容易に解体が可能となる両面粘着テープ用に好適なポリオレフィン系樹脂発泡体を提供せんとするものである。
本発明の要旨は、かかる課題を解決するために、以下のとおりである。
(1) 少なくとも2面を有するポリオレフィン系樹脂発泡体であって、任意の一面(A面)の層間強度が10N/cm以上であり、かつ、他の一面(B面)の層間強度が10N/cm未満であり、層間破壊厚みがb層厚みの80%以下であることを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡体。
(2) 前記A面の層間強度Da(N/cm)と前記B面の層間強度Db(N/cm)の関係が下式1を充足することを特徴とする(1)記載のポリオレフィン系樹脂発泡体。
Da−Db>5(N/cm) (式1)
(3) 前記A面の側の最外層を構成するa層の見かけ密度が200〜500kg/mであり、前記B面の側の最外層を構成するb層の見かけ密度が25〜150kg/mであることを特徴とする(1)または(2)に記載のポリオレフィン系樹脂発泡体。
(4) 前記B面の側の最外層を構成するb層の厚みが、100〜500μm、または、発泡体全厚みの1/3以下であることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂発泡体。
(5) 前記A面の側の最外層を構成するa層を構成する樹脂の主成分がエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体およびエチレンプロピレンゴム(EPR、EPDMなど)からなる群選ばれる少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする(1)から(4)いずれかに記載のポリオレフィン系樹脂発泡体。
(6) 前記B面の側の最外層を構成するb層を構成する樹脂の主成分がポリエチレン系樹脂およびポリプロピレン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする(1)から(5)いずれかに記載のポリオレフィン系樹脂発泡体。
(7) 組成の異なる2種以上のポリオレフィン系樹脂組成物を調製する工程、該2種以上のポリオレフィン系樹脂組成物を共押出してポリオレフィン系樹脂シートを得る工程、該樹脂シートに架橋処理を施す工程を含む前記(1)〜(6)いずれかに記載のポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
(8) 前記(1)〜(6)いずれかに記載のポリオレフィン系樹脂発泡体を使用した粘着テープ。
本発明によれば、解体性に優れた両面粘着テープ用に好適なポリオレフィン系樹脂発泡体を提供することができる。また好ましく、緩衝性、外観または耐熱性にも優れたポリオレフィン系樹脂発泡体を提供できる。
本発明は、上記課題について鋭意検討し、緩衝性に優れ、且つ解体性に優れた両面粘着テープ用に好適なポリオレフィン系樹脂発泡体を提供せんとするものである。以下、本発明を例をあげつつ詳細に説明する。
本発明で用いるポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンなどに代表されるポリエチレン系樹脂(ここでいう密度の定義は以下の通り。超低密度:0.910g/cm未満、低密度:0.910g/cm以上0.940g/cm以下、高密度:0.940g/cmより大きく0.965g/cm以下)、またエチレンを主成分とする共重合体、またホモポリプロピレン、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体などに代表されるポリプロピレン系樹脂、またEPR(エチレン・プロピレンゴム)やEPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)などのエチレンプロピレンゴム(EPMとも呼ばれる)などが挙げられ、またこれらの混合物であってもよい。なお、ポリスチレンやスチレン単位を含む重合体等の芳香環を含んだビニル系重合体は本発明にいうポリオレフィン系樹脂には該当しない。前記エチレンを主成分とする共重合体としては、例えばエチレンと炭素数4つ以上のα−オレフィン(例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられる)を重合して得られるエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等を挙げることができる。ポリオレフィン系樹脂としては、より好ましくは低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体である。更に好ましくは低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンである。これらのポリオレフィン系樹脂は、1種もしくは2種以上の混合物のいずれでも良い。最も好ましくは低密度ポリエチレンと線状低密度ポリエチレンの混合物である。
ポリオレフィン系樹脂発泡体に好適に用いられるポリエチレン系樹脂において、そのメルトフローレート(MFR)は、JIS K7210(1999)に基づき、温度190℃、荷重2.16kgfの通常の条件で測定されるもので、1.0〜30g/10分の範囲にあるものが好ましい。このMFRが1.0g/10分未満であると、ポリオレフィン系樹脂発泡体を製造する工程にてシート化する際に、該シートの表面が粗面化し、得られる発泡体が外観上問題を生じる場合がある。またMFRが30g/10分を超えると、ポリオレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が不十分となる場合がある。ポリエチレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、より好ましくは2.0〜15g/10分である。
ポリオレフィン系樹脂発泡体に好適に用いられるポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、JIS K7210(1999)に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgfの通常の条件で測定されるもので、0.5〜15g/10分の範囲にあるものが好ましい。このMFRが0.5g/10分未満であると、ポリオレフィン系樹脂発泡体を製造する工程にてシート化する際に、該シートの表面が粗面化し、得られる発泡体が外観上問題を生じる場合がある。またMFRが15g/10分を超えると、ポリオレフィン系樹脂発泡体の耐熱性が不十分となる場合がある。ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、より好ましくは1.0〜10g/10分である。
また、本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体の特性を著しく損なわない範囲であれば、ポリオレフィン系樹脂以外の他の熱可塑性樹脂を含むものであっても良い。ここでいうポリオレフィン系樹脂以外の他の熱可塑性樹脂とは、ハロゲンを含まない樹脂にあっては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートやスチレン−アクリル酸共重合体などのアクリル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、石油樹脂、セルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体、飽和アルキルポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリテートといった芳香族ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ビニル重合性モノマー及び含窒素ビニルモノマーを有する共重合体などが挙げられる。さらにイソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ジメチルシリコーンゴムなどのエラストマーなども含まれる。また、ハロゲンを含む樹脂にあっては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化三フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン樹脂、フルオロカーボン樹脂、パーフルオロカーボン樹脂、溶剤可溶性パーフルオロカーボン樹脂などが挙げられる。これらのポリオレフィン系樹脂以外の他の熱可塑性樹脂は、一種類でも良く、複数種を用いても良い。所望の物性に合わせて種類、量は選択できる。
なお、本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体は、ポリオレフィン系樹脂が主成分であることが重要である。ここで主成分とは、ポリオレフィン系樹脂発泡体において、質量的に最も大きい成分を意味する。より好ましくは、ポリオレフィン系樹脂発泡体の全成分100質量%において、ポリオレフィン系樹脂は50質量%以上100質量%以下である。前述のポリオレフィン系樹脂以外の他の熱可塑性樹脂や、その他の添加剤などは、ポリオレフィン系樹脂発泡体の全成分100質量%に対して、0質量%以上50質量%以下であることが好ましい。
また、本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体は2層以上の積層構造を採ることができる。3層以上であっても構わない。また、本発明は粘着テープ用に好適に用いうることからシート形状であることが好ましい。
シート形状の場合を例に挙げて、本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体について説明する。シート形状においては2面の主面を有するが、一方の表面をA面、他方の表面をB面としたとき、A面側の最外層を構成する層をa層、B面側の最外層を構成する層をb層とした積層構造を採ることができる。ここで、a層とb層との間に他の層が存在しても構わない。但し、本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体は面の違いによって層間強度の差異があることを特徴としているところ、層間強度が高い方がA面、層間強度が低い方がB面と定義される。
一方の最外層であるa層を構成する樹脂の主成分としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレンプロピレンゴム(EPR、EPDMなど)から選ばれる少なくとも1種の樹脂が好適に用いられる。一方、別の最外層であるb層を構成する樹脂の主成分としては低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンなどに代表されるポリエチレン系樹脂及びホモポリプロピレン、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体などに代表されるポリプロピレン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂が好適に用いられる。
樹脂の選定においては発泡体にしたときの高温での強度の差がa層、b層で発生し難い範囲とすることが肝要である。その為、比較的低発泡倍率とするa層にはエラストマー系のポリオレフィン系樹脂を選択し、高発泡倍率側であるb層には一般的なポリオレフィン系樹脂を選択する。この様に樹脂を選択することで発泡体を製造する過程において、シワなどの外観上の問題が起こりにくくなるという点で有利である。なおここで、主成分とは当該層を構成する樹脂を100質量%としたときの50質量%以上を占めることをいう。
a層、b層の樹脂選定において、樹脂の曲げ弾性率が一つの指標となる。a層の樹脂の曲げ弾性率は150MPa以下が好ましく、さらに好ましくは100MPa以下である。一方、b層の樹脂の曲げ弾性率は200MPa以上が好ましく、更に好ましくは250MPaである。a層の樹脂の曲げ弾性率が150MPaより大きいと、b層の発泡に追従し難くシワなどの外観上の問題がでる可能性があり、b層の樹脂の曲げ弾性率が200MPa未満だと両面テープにしたときのコシが無く、施工性に影響する可能性がある。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体がシート状である場合においてその厚みに特に制限は無い。厚みが厚い場合、典型的には直方体形状が想定されるが、この場合におけるA面およびB面は最も長い辺および二番目に長い辺を含む面である。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体のA面の側の最外層を構成するa層の厚みが100〜500μmの範囲、または、発泡体全厚みの1/3以下であることが好ましい。この範囲にないと粘着テープとして使用した場合、硬すぎるために形状に追従し難くなるためである。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体は、A面の層間強度が10N/cm以上で、B面の層間強度が10N/cm未満である必要がある。A面の層間強度が10N/cm未満であると粘着剤との密着性が高まり、B面を構成するb層での選択的破壊が進行しにくくなる。A面の層間強度は好ましくは25N/cm以上であり、更に好ましくは50N/cm以上である。上限は特に制限は無いが好ましくは100N/cm以下である。
一方、B面の層間強度が10N/cm以上であると発泡体の強度が高くなり、解体が容易ではなくなる。B面の層間強度は好ましくは7N/cm未満であり、更に好ましくは5N/cm未満である。下限は特に制限は無いが好ましくは0.1N/cm以上である。
なお、層間強度の測定方法は次のとおりである。すなわち、まずはポリオレフィン系樹脂発泡体をスライス機にて測定しようとする面の表面から厚さ方向に100μm分を漉き取る(但し、a層またはb層の厚みが100μmを下廻る場合の当該a層またはb層の漉き取り厚みはその層の厚みとする)。そうして得られた試料のうち、A面側から採取した試料を試料Aとして、B面側から採取した試料を試料Bとする。続いて、これらの試料の両面に、厚さ50μmの強粘着性の粘着剤層を1枚ずつ貼り合わせた後、40℃で48時間熟成することによって、層間強度測定用の両面粘着テープを作製する。なお、前記強粘着性とは、後述する高速剥離試験によっても粘着剤層が試料表面から剥離しないレベルの粘着力を指す。また、粘着剤層の選択にあっては高速剥離試験において粘着剤層の破壊およびクリープが起きない粘着剤層が選択されるべきことはいうまでもない。
次に、前記層間強度測定用の両面粘着テープを構成する粘着剤層の一方を、厚さ25μmのポリエステルフィルムで裏打ちし、その試料基材の幅方向1cm及びその流れ方向15cmの大きさに裁断して得た粘着テープと、23℃及び50%RH下で、厚さ50μm、幅3cm、長さ20cmのポリエステルフィルムとを、2kgのローラーを1往復させることによって圧着し、60℃で48時間静置した後、23℃で24時間静置する。
23℃50%RH下で、前記厚さ50μmのポリエステルフィルムと貼り合わせた側を高速剥離試験機の取り付け治具に固定し、厚さ25μmのポリエステルフィルムを引張速度15m/分で90度方向に引っ張り、試料基材を引き裂いた際の最大強度を測定する。試料Aから得られた最大強度をA面の層間強度と定義しDa(N/cm)、試料Bから得られた最大強度をB面の層間強度Db(N/cm)とする。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体は、前記発泡体A面の層間強度Da(N/cm)と前記発泡体B面の層間強度Db(N/cm)の関係が、DaからDbを引いた差が5より大きいことが好ましい(式1参照)。
Da−Db>5(N/cm) (式1)
もし、この差が5(N/cm)より小さい場合、粘着層がA面からの離形がスムーズに行えず、粘着層の切断や分離などが起こる場合がある。この差は好ましくは10(N/cm)で、さらにこのましくは20(N/cm)である。
また、本発明において層間破壊厚みとは、上記層間強度測定をスライス機により漉き取ることなく、発泡体をそのまま用いて実施したとき、破壊が生じた場所のB面側からの厚みをいい、本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体は層間破壊厚みがb層の厚みの80%以下である必要がある。層間破壊厚みが80%を超えると粘着テープとして使用し、その後解体を行ったときのb層の残存量が多く、解体性が悪くなる。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体のゲル分率は特に限定されないが、10〜60%が好適に用いられる。ここで言うゲル分率とは架橋度を表す方法の一種であり、加熱した溶剤に一定時間浸漬し、残った不溶解分の質量を溶解する前の質量で除して算出される。更に好ましくはゲル分率が15〜40%である。ゲル分率が10%より下回る場合は、発泡するときに表面が荒れる傾向があり、60%を上回る場合は、発泡するときに加工しにくく歩留まりが悪くなることがあり、好ましくない。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体は好ましく発泡剤を用いて得ることができ、使用できる熱分解型発泡剤としては、該発泡体の原料であるポリオレフィン系樹脂を含む樹脂組成物の溶融温度よりも高い分解温度を有するものであれば特に限定されない。好ましくは、アゾジカルボンアミドが挙げられ、更に、アゾジカルボンアミドと同等もしくはそれより高い分解温度を有するヒドラゾシカルボンアミド、アゾジカルボン酸バリウム塩、ジニトロソペンタエチレンテトラミン、ニトロソグアニジン、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラジンシンメトリックトリアジン、ビスベンゼンスルホニルヒドラジド、バリウムアゾジカルバキシレート、アゾビスイソブチロニトリル、トルエンスルホニルヒドラジド等を用いることができる。これらの熱分解型発泡剤は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。熱分解型発泡剤の配合量は、樹脂成分の合計量100質量部(以下、樹脂成分の合計量100質量部とは、ポリオレフィン系樹脂、他の熱可塑性樹脂等の全ての樹脂の合計量100質量部を意味する。この場合、添加剤等をマスターバッチ化(樹脂によりペレット化)したペレット中の樹脂も、樹脂成分に含まれる。)に対して、一般に2〜40重量部程度であり、所望の発泡倍率に応じて設定される。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体の見掛け密度は、特に限定されないが15〜500kg/mが好適である。更に好ましくは20〜200kg/mである。最も好ましくは20〜50kg/mである。15kg/mを下回れば、粘着テープとしたときに基材そのものが破壊しやすく、500kg/mを上回れば、本発明が目的とするクッション性が保たれ難い。
前記a層、b層の厚みは特に限定されないが、100μm以上であることが望ましい。特にb層については100〜500μmであることが好ましい。100μmを下回ると所望の特徴が得られない可能性があり、500μmを上回ると発泡体の破壊がきれいな面とならず、携帯端末等の再利用がしにくくなる。一方、ポリオレフィン系樹脂発泡体の全厚みが500μm未満の場合はこの限りではなく、この場合のb層の厚みは発泡体全厚みの1/3以下であることが好ましい。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体のA面の側の最外層を構成するa層とB面の側の最外層を構成するb層の見かけ密度が異なる範囲であることが更に好ましい。a層の見かけ密度の範囲は200〜500kg/mが好ましく、さらに好ましくは250〜400kg/mである。一方、b層の見かけ密度は25〜150kg/mが好ましく、さらに好ましくは50〜125kg/mである。a層の見かけ密度が200kg/mより下回ると、所望とする層間強度が得られない可能性があり、500kg/mを上回ると粘着剤との親和性が低下する可能性がある。また、b層の見かけ密度が25kg/mより下回ると独立気泡率が低下する恐れがあり、150kg/mを上回ると十分なクッション感が得られない可能性がある。a層とb層の見かけ密度の差も樹脂の選定のときと同様に発泡体にしたときの高温での引張強度の差がa層、b層で発生し難い範囲とすることが求められる。a層、b層で選定した樹脂に合わせて調整されるものである。そうすることで発泡体を製造するにあたって、シワなどの外観上の問題が起こりにくくなるという点で有利である。
上記見掛け密度は、前述の熱分解型発泡剤の添加量によってコントロールする事ができる。熱分解型発泡剤の種類、ガス量、使用するポリオレフィン系樹脂、その他の熱可塑性樹脂などによって、任意にその添加量を選択することが重要である。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体を製造する際には、発泡体の特性を損なわない範囲で、該発泡体の原料であるポリオレフィン系樹脂を含む樹脂組成物中に、架橋助剤として多官能モノマーを含有することができる。多官能モノマーとしては、例えばジビニルベンゼン、ジアリルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルビフェニル、ジビニルカルバゾール、ジビニルピリジンおよびこれらの核置換化合物や近縁同族体、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸系化合物、ジビニルフタレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ビスアクリロイルオキシエチルテレフタレート等の脂肪族および芳香族2価カルボン酸のビニルエステル、アリルエステル、アクリロイルオキシアルキルエステル、メタクリロイルオキシアルキルエステル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、ヒドロキノンジビニルエーテル、ビスフェノールAジアリルエーテル等の脂肪族および芳香族2価アルコールのビニルエーテルやアリルエーテル、N−フェニルマレイミド、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド等のマレイミド系化合物、フタル酸ジプロパギル、マレイン酸ジプロパギル等の2個の三重結合を有する化合物などのモノマーを使用することができる。さらに、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートと1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートと1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートと1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートとジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートとトリアリルシアヌレートと1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレートと1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレートと1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等も使用することができる。例えばジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、トリメリット酸トリアリルエステル、トリアリルイソシアヌレート、エチルビニルベンゼンなどを使用することができる。上記架橋助剤は、単独で使用しても良いし、2種類以上混合して用いても良い。架橋助剤の配合量は、樹脂成分の合計量100質量部に対して、0.1〜30質量部、より好ましくは0.5〜15質量部であり、所望のゲル分率に応じて設定される。
また、架橋助剤と有機過酸化物を組み合わせて用いることもできる。この有機過酸化物としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等が用いられる。有機過酸化物の配合量は、樹脂成分の合計量100質量部に対して、0.01〜10質量部、より好ましくは0.05〜5質量部であり、所望のゲル分率に応じて設定される。
また、本発明の特徴を損なわない範囲で、発泡剤の分解促進剤、気泡核調整剤、酸化防止剤、熱安定剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、無機充填剤等の各種添加剤を本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体の原料であるポリオレフィン系樹脂組成物に含むことができる。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体は独立気泡構造を持つことが好ましい。ここでいう独立気泡構造とは気泡と気泡の間にある樹脂膜に孔などが無く、隣り合った気泡の間で気層の交換がなされないものをいう。これに対して連続気泡構造ではこの樹脂膜に孔が開いており、気層が行き来する構造になっている。独立気泡構造を持つことにより底つき感が無くしっかりと緩衝性を有する。また、独立気泡率は気泡全体の体積の少なくとも90体積%以上であることが好ましい。
本発明では、前記各成分を配合して得られたポリオレフィン系樹脂組成物を所定形状に成形した後、架橋・発泡してポリオレフィン系樹脂発泡体を製造する。
具体的には、例えば、下記の製造方法が挙げられる。前記ポリオレフィン系樹脂組成物の所定量を、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、ミキシングロール等の混練装置を用いて、熱分解型発泡剤の分解温度未満で均一に溶融混練し、これをシート状に成形する。
このシート状に成形する際に共押出を行う事が肝要である。この場合、組成の異なるポリオレフィン系樹脂組成物を複数の混練装置を用いてシート状に積層させる。その方法は特に指定はしないが、単軸押出機および二軸押出機でフィードブロック法、マルチマニホールド法など好ましく選択される。
その他の方法としては、押出機やバンバリーミキサー、ニーダーミキサー、ミキシングロールに限らずa層を含むシートとb層を含むシートを別々にシート成形した後にフレームや熱風で加熱・溶着するラミネート法やどちらか一方の層を含むシートをライン上に流しながら単軸もしくは二軸の押出機で押出をしながら溶着する押出ラミネート法などがあるが工程が複数必要であることや溶融状態が表面だけになり親和性が共押出よりも低下するなどの理由と経済的にも有利なため、共押出を選択することが好ましい。
次いで、得られたシートに電離性放射線を所定線量照射して、オレフィン系樹脂を架橋させ、この架橋シートを熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させる。電離性放射線照射による架橋にかえて、過酸化物による架橋や、シラン架橋を行っても良い。電離性放射線としては、電子線、X線、β線、γ線等が使用される。照射線量は、一般に1〜300kGy程度であり、所望のゲル分率に応じて線量が設定される。
シート積層後に電離性放射線を照射することによって、層を跨いだ架橋構造を形成する事ができるために親和性に優れ、架橋性が均一なポリオレフィン系樹脂発泡体が得られる。その為、層間での乖離が起こりにくくなるという利点がある。
樹脂が架橋された発泡性シートは、例えば、熱風、赤外線、メタルバス、オイルバス、ソルトバス等により、熱分解型発泡剤の分解温度以上で且つ樹脂の融点以上の温度、例えば190〜290℃に加熱し、発泡剤の分解ガスによって樹脂を発泡させ、こうして、ポリオレフィン系樹脂発泡体を得る。
また、これまで述べてきた方法に従って得られたポリオレフィン系樹脂発泡体を用いて、粘着テープを得ることができる。本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体を用いて粘着テープとする際に積層させる粘着剤としては、例えば天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系、ビニルエーテル系等のバインダー樹脂を含有するものを使用することができる。前記粘着剤の形態としては、溶剤系粘着剤、エマルジョン型粘着剤、水溶性粘着剤等の水系粘着剤、ホットメルト型粘着剤、UV硬化型粘着剤、EB硬化型粘着剤等の無溶剤系粘着剤等が挙げられる。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体を粘着テープに加工する方法は、特に規定しないが、例えば、コーターなどを用いて直接発泡体に塗布する方法や、離形紙側に粘着剤を塗布し転写させる方法、基材レスの粘着テープを貼り付ける方法などの公知公用の方法があり、いずれでも良い。
本発明で得られたポリオレフィン系樹脂発泡体は携帯端末等に使用される両面粘着テープとして好適に用いられる。本発明で得られたポリオレフィン系樹脂発泡体を用いた両面粘着テープを携帯端末等に用いた場合、不具合が生じた際に容易に解体ができ、故障した部分などを取り除き、そのほかの部分を再利用できる為に経済的に有利になる。
また、両面粘着テープ以外にも緩衝材、包装・梱包材などに好適にもちいることができる。
以下の方法によって、物性を評価した。
(厚み測定方法)
ISO 1923(1981)「発泡プラスチック及びゴム−線寸法の測定」に準ずる。具体的には測定面積が約10cmとなるダイヤルゲージを用いて、発泡体の厚みを測定した。
(樹脂の密度測定方法)
JIS K6922(2010)「プラスチック―ポリエチレン(PE)成形用及び押出用材料」に準拠して測定を行った。
(樹脂の曲げ弾性率測定方法)
JIS K6922(2010)「プラスチック―ポリエチレン(PE)成形用及び押出用材料」に準拠して測定を行った。
(メルトフローレートの測定方法)
JIS K7210(1999)「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR) 及びメルトボリュームフローレイト(MVR) の試験方法」に準ずる。上記規格の附属書B(参考)「熱可塑性プラスチック材料の規格と指定とその試験条件」に基づきポリプロピレン系樹脂は230℃、荷重2.16kgf(21.7N)、ポリエチレン系樹脂は温度190℃、荷重2.16kgf(21.7N)の条件で行った。株式会社東洋精機製作所製メルトインデックサ型式F−B01を使用し、手動切り取り法を採用し、ダイから10分間にでてきた樹脂の質量によって規定されるものをいう。
(ゲル分率の測定方法)
ゲル分率とは以下の手法により算出した値のことである。ポリオレフィン系樹脂発泡体を、まず長手方向に短冊状に片刃で0.5mm間隔に切り、その後鋏を用いて幅方向に0.5mm間隔で切断したものを約50mg精密に秤量し、130℃のテトラリン200mlに3時間浸漬した後、200メッシュのステンレス製金網で自然濾過し、アセトンで洗浄し乾燥エアーを15秒間あてた後、金網上の不溶解分を1時間120℃下で熱風オーブンにて乾燥する。次いで、シリカゲルを入れたデシケータ中で10分間冷却し、この不溶解分の質量を精密に秤量し、以下の式に従ってゲル分率を百分率で算出した。
ゲル分率(%)={不溶解分の質量(mg)/秤量したポリオレフィン樹脂発泡体の質量(mg)}×100
そして5サンプルの測定により得られた値から上下限値を除いた3点の平均値を、ゲル分率とした。
(見掛け密度の測定方法)
JIS K6767(1999)「発泡プラスチック−ポリエチレン−試験方法」に基づいて測定されたものである。
例えば、15cm以上になるようなサンプルサイズ(例えば、10cm角)に打ち抜き、厚み、質量を測定する。サンプルの面積(10cm角の場合は100cm)とその厚みから体積を算出し、以下の式により見掛け密度を算出した。
見掛け密度(kg/m)=サンプル重量(kg)/{サンプル厚み(m)×サンプル面積(m)}
そして5サンプルの測定により得られた値から上下限値を除いた3点の平均値を、見掛け密度とした。
(25%圧縮硬さの測定方法)
25%圧縮硬さの測定方法は、JIS K6767(1999)「発泡プラスチック−ポリエチレン−試験方法」に準拠して測定されたものである。具体的には総厚みが25mm以上となるように発泡体を重ね合わせ、これを総厚みの25%および50%分圧縮させたときの抗力を測定した。測定機器としては、株式会社オリエンテック製テンシロン万能試験機UCT−500を用いた。
(層間強度の測定方法)
層間強度の測定方法は次のとおりである。前段階での準備としてポリオレフィン系樹脂発泡体をスライス機にて測定しようとする面の表面から厚さ方向に100μm分を漉き取る(但し、a層またはb層の厚みが100μmを下廻る場合の当該a層またはb層の漉き取り厚みはその層の厚みとする)。
そうして得られた試料のうち、A面側から採取した試料を試料Aとして、B面側から採取した試料を試料Bとする。続いて、これらの試料の両面に、厚さ50μmの強粘着性の粘着剤層を1枚ずつ貼り合わせた後、40℃で48時間熟成することによって、層間強度測定用の両面粘着テープを作製する。
次に、前記層間強度測定用の両面粘着テープを構成する粘着剤層の一方を、厚さ25μmのポリエステルフィルムで裏打ちし、その試料基材の幅方向1cm及びその流れ方向15cmの大きさに裁断して得た粘着テープと、23℃及び50%RH下で、厚さ50μm、幅3cm、長さ20cmのポリエステルフィルムとを、2kgのローラーを1往復させることによって圧着し、60℃で48時間静置した後、23℃で24時間静置する。
23℃50%RH下で、前記厚さ50μmのポリエステルフィルムと貼り合わせた側を高速剥離試験機の取り付け治具に固定し、厚さ25μmのポリエステルフィルムを引張速度15m/分で90度方向に引っ張り、試料基材を引き裂いた際の最大強度を測定する。試料Aから得られた最大強度をA面の層間強度と定義しDa(N/cm)、試料Bから得られた最大強度をB面の層間強度Db(N/cm)とする。 (層間破壊厚み)
上記層間強度測定をスライス機により漉き取ることなく、発泡体をそのまま用いて実施したとき、破壊が生じた場所のB面側からの厚みを剥離方向5点無作為に測定し、最高と最低の値を省いた3点平均の値を層間破壊厚みとした。
(剥離性)
得られた発泡体のA面側、B面側それぞれ同強度の強粘着層を貼り合わせた後にそれぞれポリエステルフィルム25μmを裏打ちさせてA面側のフィルムを手で引き剥がしたときの発泡体の状態により判定を行った。なお、繰り返し回数は5回とする。
◎:B面側できれいに材質破壊が発生したもの。
〇:B面側で材質破壊が発生するが剥離面が安定しないもの。
×:材質破壊せずに界面剥離が発生するかもしくはa層もしくはb層の界面で剥離が発生するか、剥離面が安定しないもの。
(外観性)
発泡体の表面でのシワなどの外観欠点の程度により判定を行った。
◎:シワなど無く外観美麗であるもの。
○:シワは目立たないが発生しているもの。
△:シワははっきりと分かるが凹凸等になっていないもの。
×:シワが発生し凹凸になっているもの。
(クッション性)
得られた発泡体について手で触った感触で評価した。
◎:クッション性を感じるもの。
○:硬さはあるがクッション性を感じるもの。
×:クッション性を感じないもの。
(耐熱性)
100℃加熱、3時間後に測定したときの寸法変化により評価した。
◎:寸法変化が5%未満のもの
○:寸法変化が10%未満のもの
△:寸法変化が15%未満のもの
×:寸法変化がそれ以上のもの
(総合評価)
上記の結果から総合的に判断した結果を示す。
剥離性で◎を15点、〇を10点、△を5点、×を0点と配点。その他の特性については◎を5点、〇を3点、△を1点、×を0点と配点し、これらの合計を算出。出てきた値により総合評価の指標とした。○以上を合格とした。
◎:20点以上
○:14点以上20点未満
×:14点未満。

(使用原料)
<ポリエチレン系樹脂(PE)>
PE1:東ソー社製 ペトロセン170
MFR1.0g/10分、曲げ弾性率240MPa
PE2:日本ポリエチレン社製 ノバテックLL UJ960
MFR5.0g/10分、曲げ弾性率440MPa
<ポリプロピレン系樹脂(PP)>
PP1:日本ポリプロ社製 ノバテックPP BC6C
MFR2.5g/10分、曲げ弾性率1650MPa
PP2:日本ポリプロ社製 ノバテックPP EG8B
MFR0.8g/10分、曲げ弾性率950MPa
<エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)>
EVA1:日本ポリエチレン社製 ノバテックEVA LV430
MFR1.0g/10分、曲げ弾性率50MPa
EVA2:東ソー社製 ウルトラセン520F
MFR2.0g/10分、曲げ弾性率100MPa
<発泡剤>
・大塚化学社製 ユニフォームAZ
<架橋助剤>
・新日鉄化学社製 DVB810
<熱安定剤>
・BASFジャパン社製 イルガノックス1010。
(実施例1〜10、比較例1〜3)
a層、b層の各々について、表1または表2に記載のとおり各主原料および各副原料、発泡剤、架橋助剤を加えて原料を調製し、またその原料に更に熱安定剤としてイルガノックス1010を3質量部(主原料および副原料の合計質量を100質量部としたときの割合である)を加え、ヘンシェルミキサーにて混合し、60φ押出機に投入、シリンダー内温度が150℃となるように温調した状態で、溶融・混練したのち所定の発泡体厚さになる様に共押出し成形でシート成形を行ったものを一旦巻き上げた。なお、表中質量%は主原料および副原料の合計質量に占める割合を示し、質量部は主原料および副原料の合計質量を100質量部としたときの割合を示す。
次にこのポリオレフィン系樹脂発泡シートに対して電子線照射機を用いて架橋を行った後、ソルト塩浴上(塩浴温度230℃)で発泡させ、表に記載の特性を有する発泡体を得た。それぞれの物性及び評価結果についても表中に記載した。
(比較例4、5)
a層、b層となるものの各々について、表2に記載のとおり各主原料および各副原料、発泡剤、架橋助剤を加えて原料を調製し、またその原料に更に熱安定剤としてイルガノックス1010を3質量部(主原料および副原料の合計質量を100質量部としたときの割合である)を加え、ヘンシェルミキサーにて混合した後、別々に60φ押出機に投入、シリンダー内温度が150℃となるように温調した状態で、溶融・混練したのち所定の発泡体厚さになる様に押出し成形でシート成形を行い、各々を一旦巻き上げた。なお、表中質量%は主原料および副原料の合計質量に占める割合を示し、質量部は主原料および副原料の合計質量を100質量部としたときの割合を示す。
次にa層、b層となるそれぞれのポリオレフィン系樹脂発泡シートに対して電子線照射機を用いて架橋を行った後、ソルト塩浴上(塩浴温度230℃)で発泡させた。その後、a層のA面となる面の反対側とb層のB面となる面の反対側を320℃の熱風により溶かし貼り付け、表に記載の特性を有する発泡体を得た。それぞれの物性及び評価結果についても表中に記載した。
Figure 2019147918
Figure 2019147918

Claims (8)

  1. 少なくとも2面を有するポリオレフィン系樹脂発泡体であって、任意の一面(A面)の層間強度が10N/cm以上であり、かつ、他の一面(B面)の層間強度が10N/cm未満であり、かつ、層間破壊厚みがb層厚みの80%以下であることを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡体。
  2. 前記A面の層間強度Da(N/cm)と前記B面の層間強度Db(N/cm)の関係が下式1を充足することを特徴とする請求項1記載のポリオレフィン系樹脂発泡体。
    Da−Db>5(N/cm) (式1)
  3. 前記A面の側の最外層を構成するa層の見かけ密度が200〜500kg/mであり、前記B面の側の最外層を構成するb層の見かけ密度が25〜150kg/mであることを特徴とする請求項1または2に記載のポリオレフィン系樹脂発泡体。
  4. 前記B面の側の最外層を構成するb層の厚みが100〜500μm、または、発泡体全厚みの1/3以下であることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載のポリオレフィン系樹脂発泡体。
  5. 前記A面の側の最外層を構成するa層を構成する樹脂の主成分がエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体およびエチレンプロピレンゴム(EPR、EPDMなど)からなる群選ばれる少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする請求項1から4いずれかに記載のポリオレフィン系樹脂発泡体。
  6. 前記B面の側の最外層を構成するb層を構成する樹脂の主成分がポリエチレン系樹脂およびポリプロピレン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする請求項1から5いずれかに記載のポリオレフィン系樹脂発泡体。
  7. 組成の異なる2種以上のポリオレフィン系樹脂組成物を調製する工程、該2種以上のポリオレフィン系樹脂組成物を共押出してポリオレフィン系樹脂シートを得る工程、該樹脂シートに架橋処理を施す工程を含む請求項1から6いずれかに記載のポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
  8. 請求項1から6いずれかに記載のポリオレフィン系樹脂発泡体を使用した粘着テープ。
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