JPH1024379A - 鉛複合鋼板 - Google Patents
鉛複合鋼板Info
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- JPH1024379A JPH1024379A JP17802196A JP17802196A JPH1024379A JP H1024379 A JPH1024379 A JP H1024379A JP 17802196 A JP17802196 A JP 17802196A JP 17802196 A JP17802196 A JP 17802196A JP H1024379 A JPH1024379 A JP H1024379A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐食性と耐久性に優れる鉛複合鋼板を提供す
る。 【解決手段】 高クロムフェライト系のステンレス鋼板
1の表面に鉛板を冷延圧接することによって鉛層2を形
成する。鉛層2やオーステナイト系のステンレス鋼板よ
りも熱膨張率の小さい高クロムフェライト系のステンレ
ス鋼板1を用いることによって、温度変化による鉛層2
の膨張・伸縮を十分に抑制することができる。
る。 【解決手段】 高クロムフェライト系のステンレス鋼板
1の表面に鉛板を冷延圧接することによって鉛層2を形
成する。鉛層2やオーステナイト系のステンレス鋼板よ
りも熱膨張率の小さい高クロムフェライト系のステンレ
ス鋼板1を用いることによって、温度変化による鉛層2
の膨張・伸縮を十分に抑制することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋根材などの各種
建築用部材やタンク、配管、容器などに利用され、耐食
性や耐候性に優れると共に長期間に亘って安定して屋外
で使用することができる鉛複合鋼板に関するものであ
る。
建築用部材やタンク、配管、容器などに利用され、耐食
性や耐候性に優れると共に長期間に亘って安定して屋外
で使用することができる鉛複合鋼板に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より防音性向上や放射線遮蔽性向上
等の理由から屋根材などの建築用部材として鉛板を用い
ることがおこなわれているが、鉛は熱膨張係数が29.
1×10-6/℃であって熱膨張係数が高く温度変化によ
る膨張・収縮が大きいので、鉛板単独で屋根材等の建築
用部材を形成すると、温度変化による膨張で応力が生じ
て建築用部材の耐久性が低くなるという問題があり、従
って鉛板単独で形成される屋根材は短尺の屋根にしか施
工することができないものであった。
等の理由から屋根材などの建築用部材として鉛板を用い
ることがおこなわれているが、鉛は熱膨張係数が29.
1×10-6/℃であって熱膨張係数が高く温度変化によ
る膨張・収縮が大きいので、鉛板単独で屋根材等の建築
用部材を形成すると、温度変化による膨張で応力が生じ
て建築用部材の耐久性が低くなるという問題があり、従
って鉛板単独で形成される屋根材は短尺の屋根にしか施
工することができないものであった。
【0003】また鉛板単独で屋根材を形成すると、その
裏面に生じる結露によって腐食が起こりやすいという問
題があった。結露は蒸留水であって鉛は蒸留水に徐々に
溶解するので、鉛板単独で形成される屋根材には結露に
よる腐食が生じるのである。また通常鉛板はその周囲に
炭酸ガス(空気)が十分に存在するならば、塩基性炭酸
鉛の保護皮膜を表面に生成するので、この保護皮膜によ
って結露等の腐食が防止されるが、屋根の構成は機密性
が高いので、鉛板の屋根材が安定な化合物を生成するの
に足りる十分な炭酸ガスが存在しておらず、従って、鉛
板単独で形成される屋根材には結露による腐食が生じる
のである。
裏面に生じる結露によって腐食が起こりやすいという問
題があった。結露は蒸留水であって鉛は蒸留水に徐々に
溶解するので、鉛板単独で形成される屋根材には結露に
よる腐食が生じるのである。また通常鉛板はその周囲に
炭酸ガス(空気)が十分に存在するならば、塩基性炭酸
鉛の保護皮膜を表面に生成するので、この保護皮膜によ
って結露等の腐食が防止されるが、屋根の構成は機密性
が高いので、鉛板の屋根材が安定な化合物を生成するの
に足りる十分な炭酸ガスが存在しておらず、従って、鉛
板単独で形成される屋根材には結露による腐食が生じる
のである。
【0004】そこで普通鋼板の表面に鉛板を冷延圧接す
ることによって、普通鋼板の表面に鉛層を形成した鉛複
合鋼板を屋根材などの建築用部材として用いることがお
こなわれている(J.E.Bowers and C.J.Goodwin,JOURNAL
OF THE INSTITUTE OF METALS,1970,Vol.98,p8)。一般的
に複合材の熱膨張(熱膨張挙動)は個々の材料界面の接
着力が十分であれば、ヤング率の大きな材料に支配され
ることになる。普通鋼板と鉛板のヤング率はそれぞれ2
1000kg/mm2 、140kg/mm2 であり、ま
た普通鋼板の熱膨張係数は12.0×10-6/℃である
ので、鉛複合鋼板の熱膨張は普通鋼板の特性に支配され
ることになる。つまり界面の接合強度が十分な鉛複合鋼
板は、鉛板よりも熱膨張係数の小さい普通鋼板と鉛板と
を複合して形成されるので、温度変化による鉛層の膨張
・収縮を普通鋼板で抑制することができ、鉛板単独より
も耐久性を高く、普通鋼板なみにすることができるのも
のである。
ることによって、普通鋼板の表面に鉛層を形成した鉛複
合鋼板を屋根材などの建築用部材として用いることがお
こなわれている(J.E.Bowers and C.J.Goodwin,JOURNAL
OF THE INSTITUTE OF METALS,1970,Vol.98,p8)。一般的
に複合材の熱膨張(熱膨張挙動)は個々の材料界面の接
着力が十分であれば、ヤング率の大きな材料に支配され
ることになる。普通鋼板と鉛板のヤング率はそれぞれ2
1000kg/mm2 、140kg/mm2 であり、ま
た普通鋼板の熱膨張係数は12.0×10-6/℃である
ので、鉛複合鋼板の熱膨張は普通鋼板の特性に支配され
ることになる。つまり界面の接合強度が十分な鉛複合鋼
板は、鉛板よりも熱膨張係数の小さい普通鋼板と鉛板と
を複合して形成されるので、温度変化による鉛層の膨張
・収縮を普通鋼板で抑制することができ、鉛板単独より
も耐久性を高く、普通鋼板なみにすることができるのも
のである。
【0005】しかし普通鋼板の耐食性はそれほど高くな
いので、この鉛複合鋼板を屋根材として用いても、その
裏面に生じる結露によって腐食が起こりやすいという問
題は解決されないままであった。そこで普通鋼板の代わ
りに耐食性の高いステンレス鋼板を用いて鉛複合鋼板を
形成し、これを屋根材などの建築用部材として使用する
ことがおこなわれている。
いので、この鉛複合鋼板を屋根材として用いても、その
裏面に生じる結露によって腐食が起こりやすいという問
題は解決されないままであった。そこで普通鋼板の代わ
りに耐食性の高いステンレス鋼板を用いて鉛複合鋼板を
形成し、これを屋根材などの建築用部材として使用する
ことがおこなわれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし耐食性の高いス
テンレス鋼板の中には、ニッケルを含有するオーステナ
イト系のステンレス鋼板(例えばSUS304)のよう
な熱膨張係数が鉛板の熱膨張係数の60%程度(17.
3×10-6/℃)と普通鋼板よりも高いものがあって、
このような熱膨張係数の高いステンレス鋼板を用いて形
成される鉛複合鋼板は、温度変化による鉛層の膨張・伸
縮を十分に抑制することができないので、膨張により生
じる応力によって耐久性が低下するという問題があっ
た。
テンレス鋼板の中には、ニッケルを含有するオーステナ
イト系のステンレス鋼板(例えばSUS304)のよう
な熱膨張係数が鉛板の熱膨張係数の60%程度(17.
3×10-6/℃)と普通鋼板よりも高いものがあって、
このような熱膨張係数の高いステンレス鋼板を用いて形
成される鉛複合鋼板は、温度変化による鉛層の膨張・伸
縮を十分に抑制することができないので、膨張により生
じる応力によって耐久性が低下するという問題があっ
た。
【0007】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、耐食性と耐久性に優れる鉛複合鋼板を提供するこ
とを目的とするものである。
あり、耐食性と耐久性に優れる鉛複合鋼板を提供するこ
とを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の鉛複合鋼板は、高クロムフェライト系のステンレス鋼
板1の表面に鉛板を冷延圧接することによって鉛層2を
形成して成ることを特徴とするものである。本発明にお
いて高クロムフェライト系のステンレス鋼板1とは、ク
ロムの含有量が16〜30%(重量比)のフェライト系
のステンレス鋼板のことをいう。
の鉛複合鋼板は、高クロムフェライト系のステンレス鋼
板1の表面に鉛板を冷延圧接することによって鉛層2を
形成して成ることを特徴とするものである。本発明にお
いて高クロムフェライト系のステンレス鋼板1とは、ク
ロムの含有量が16〜30%(重量比)のフェライト系
のステンレス鋼板のことをいう。
【0009】また本発明の請求項2に記載の鉛複合鋼板
は、モリブデンの含有量が0.5〜2.0%(重量比)
の高クロムフェライト系のステンレス鋼板1を用いるこ
とを特徴とするものであり、鉛複合鋼板の裏面側の耐食
性をさらに向上させることができるものである。
は、モリブデンの含有量が0.5〜2.0%(重量比)
の高クロムフェライト系のステンレス鋼板1を用いるこ
とを特徴とするものであり、鉛複合鋼板の裏面側の耐食
性をさらに向上させることができるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。高クロムフェライト系のステンレス鋼板1として
は、クロムの含有量が16〜30%(重量比)であっ
て、普通鋼板や鉛板よりも耐食性が高く熱膨張係数が鉛
板の45%以下のものであれば使用することができる。
ステンレス鋼板1のクロムの含有量が16%未満であれ
ば、本発明の鉛複合鋼板の耐食性を高くすることができ
ず、またステンレス鋼板1のクロムの含有量が30%を
超えても、本発明の鉛複合鋼板の耐食性や耐久性に大き
な変化はなく、経済的に不利となる恐れがある。
する。高クロムフェライト系のステンレス鋼板1として
は、クロムの含有量が16〜30%(重量比)であっ
て、普通鋼板や鉛板よりも耐食性が高く熱膨張係数が鉛
板の45%以下のものであれば使用することができる。
ステンレス鋼板1のクロムの含有量が16%未満であれ
ば、本発明の鉛複合鋼板の耐食性を高くすることができ
ず、またステンレス鋼板1のクロムの含有量が30%を
超えても、本発明の鉛複合鋼板の耐食性や耐久性に大き
な変化はなく、経済的に不利となる恐れがある。
【0011】高クロムフェライト系のステンレス鋼板の
代表としてYUS436S(新日本製鐡株式会社の規格
のステンレス鋼板)を例に挙げると、その熱膨張係数は
11.9×10-6/℃であり、またその化学成分は、C
が0.025%以下、Siが0.75%以下、Mnが
0.040%以下、Pが0.040%以下、Sが0.0
30%以下、Crが16.00〜19.00%、Moが
1.00〜1.50%、残部がFeである。ちなみに、
汎用のオーステナイト系のステンレス鋼板の代表として
SUS304を例に挙げると、その熱膨張係数は17.
3×10-6/℃であり、またその化学成分は、Cが0.
08%以下、Siが1.00%以下、Mnが2.00%
以下、Pが0.040%以下、Sが0.030%以下、
Crが18.00〜20.00%、Niが8.00〜1
0.50%、残部がFeである。
代表としてYUS436S(新日本製鐡株式会社の規格
のステンレス鋼板)を例に挙げると、その熱膨張係数は
11.9×10-6/℃であり、またその化学成分は、C
が0.025%以下、Siが0.75%以下、Mnが
0.040%以下、Pが0.040%以下、Sが0.0
30%以下、Crが16.00〜19.00%、Moが
1.00〜1.50%、残部がFeである。ちなみに、
汎用のオーステナイト系のステンレス鋼板の代表として
SUS304を例に挙げると、その熱膨張係数は17.
3×10-6/℃であり、またその化学成分は、Cが0.
08%以下、Siが1.00%以下、Mnが2.00%
以下、Pが0.040%以下、Sが0.030%以下、
Crが18.00〜20.00%、Niが8.00〜1
0.50%、残部がFeである。
【0012】上記ステンレス鋼板の厚みは0.3〜1.
5mmに設定するのが好ましい。ステンレス鋼板の厚み
が0.3mm未満であれば、本発明の鉛複合鋼板の剛性
が不足して屋根材等の建築用部材としての機能を発揮す
ることができない恐れがあり、またステンレス鋼板の厚
みが1.5mmを超えてもメリットはなく、経済的に不
利となる恐れがある。
5mmに設定するのが好ましい。ステンレス鋼板の厚み
が0.3mm未満であれば、本発明の鉛複合鋼板の剛性
が不足して屋根材等の建築用部材としての機能を発揮す
ることができない恐れがあり、またステンレス鋼板の厚
みが1.5mmを超えてもメリットはなく、経済的に不
利となる恐れがある。
【0013】また本発明の鉛複合鋼板の耐食性をさらに
向上させるために、0.5〜2.0%(重量比)、好ま
しくは1.0〜1.5%のモリブデン(Mo)を含有す
る耐食性の高い高クロムフェライト系のステンレス鋼板
を使用することができる。モリブデンの含有量が0.5
%未満の高クロムフェライト系のステンレス鋼板を用い
ても、モリブデンを含有しない高クロムフェライト系の
ステンレス鋼板を用いた場合に比べて、鉛複合鋼板の耐
食性をさらに向上させることができず、またモリブデン
の含有量が2.0%を超える高クロムフェライト系のス
テンレス鋼板を用いても、鉛複合鋼板の耐食性に大きな
変化はなく経済的に不利となる恐れがある。
向上させるために、0.5〜2.0%(重量比)、好ま
しくは1.0〜1.5%のモリブデン(Mo)を含有す
る耐食性の高い高クロムフェライト系のステンレス鋼板
を使用することができる。モリブデンの含有量が0.5
%未満の高クロムフェライト系のステンレス鋼板を用い
ても、モリブデンを含有しない高クロムフェライト系の
ステンレス鋼板を用いた場合に比べて、鉛複合鋼板の耐
食性をさらに向上させることができず、またモリブデン
の含有量が2.0%を超える高クロムフェライト系のス
テンレス鋼板を用いても、鉛複合鋼板の耐食性に大きな
変化はなく経済的に不利となる恐れがある。
【0014】上記高クロムフェライト系のステンレス鋼
板1の表面には、鉛板(コイル状のものも含む)を冷間
で圧延接合して、いわゆる冷延圧接して鉛層2を形成す
る。冷延圧接の際に鉛板にかける圧力は1.0〜2.0
トン/10mm、冷延圧接の際の鉛板とステンレス鋼板
1の温度は常温にそれぞれ設定することができる。ステ
ンレス鋼板1の表面や鉛板の裏面には接合(密着)の阻
害となる汚れや酸化膜が存在しないことが重要であり、
このような接合阻害要因は物理的手段で除去するように
する。また鉛板の冷間での圧延率は特に限定されない
が、圧延時に界面で新生面が絶えず現れ、ステンレス鋼
板1と鉛板(鉛層2)とが強固に結合される必要があ
る。
板1の表面には、鉛板(コイル状のものも含む)を冷間
で圧延接合して、いわゆる冷延圧接して鉛層2を形成す
る。冷延圧接の際に鉛板にかける圧力は1.0〜2.0
トン/10mm、冷延圧接の際の鉛板とステンレス鋼板
1の温度は常温にそれぞれ設定することができる。ステ
ンレス鋼板1の表面や鉛板の裏面には接合(密着)の阻
害となる汚れや酸化膜が存在しないことが重要であり、
このような接合阻害要因は物理的手段で除去するように
する。また鉛板の冷間での圧延率は特に限定されない
が、圧延時に界面で新生面が絶えず現れ、ステンレス鋼
板1と鉛板(鉛層2)とが強固に結合される必要があ
る。
【0015】そこで圧下力、圧延ロール径、圧延速度等
により鉛板の冷間圧延率の適正範囲は異なるが、鉛板は
ステンレス鋼板1に比して柔らかい材料であるために実
際にはステンレス鋼板1は圧延されず、見掛け上、鉛板
のみが延ばされる条件で十分に密着が確保され、実際に
は鉛板自身が30%望ましくは50%を超える圧延率で
あれば十分な接合密着力が確保される。
により鉛板の冷間圧延率の適正範囲は異なるが、鉛板は
ステンレス鋼板1に比して柔らかい材料であるために実
際にはステンレス鋼板1は圧延されず、見掛け上、鉛板
のみが延ばされる条件で十分に密着が確保され、実際に
は鉛板自身が30%望ましくは50%を超える圧延率で
あれば十分な接合密着力が確保される。
【0016】鉛層2の厚みは0.1〜1.2mmに設定
するのが好ましい。鉛層2の厚みが0.1mm未満であ
れば、本発明の鉛複合鋼板の加工工程(製造工程や取付
工程)での摩擦傷によるステンレス鋼板1が露出する恐
れがあり、また鉛層2の厚みが1.2mmを超えると重
くなるばかりであって、メリットはない。このようにし
て図1に示すような本発明の鉛複合鋼板が形成される
が、この鉛複合鋼板は鉛層2の裏面に耐食性の高いステ
ンレス鋼板1を設けて形成してあるので、裏面側の耐食
性が優れたものとなるのである。また高クロムフェライ
ト系のステンレス鋼板1は鉛層2やオーステナイト系の
ステンレス鋼板よりも熱膨張係数が小さいので、温度変
化による鉛層2の膨張・収縮をステンレス鋼板1で十分
に抑制することができ、鉛層2の膨張による応力が生じ
ないようにすることができるものである。
するのが好ましい。鉛層2の厚みが0.1mm未満であ
れば、本発明の鉛複合鋼板の加工工程(製造工程や取付
工程)での摩擦傷によるステンレス鋼板1が露出する恐
れがあり、また鉛層2の厚みが1.2mmを超えると重
くなるばかりであって、メリットはない。このようにし
て図1に示すような本発明の鉛複合鋼板が形成される
が、この鉛複合鋼板は鉛層2の裏面に耐食性の高いステ
ンレス鋼板1を設けて形成してあるので、裏面側の耐食
性が優れたものとなるのである。また高クロムフェライ
ト系のステンレス鋼板1は鉛層2やオーステナイト系の
ステンレス鋼板よりも熱膨張係数が小さいので、温度変
化による鉛層2の膨張・収縮をステンレス鋼板1で十分
に抑制することができ、鉛層2の膨張による応力が生じ
ないようにすることができるものである。
【0017】また高クロムフェライト系のステンレス鋼
板は、オーステナイト系のステンレス鋼板よりも再結晶
温度が低く、連続焼鈍が可能である等の理由により、成
分によってはゼンジマーミルで冷延しないでタンデム圧
延機を使用して製造可能となり、このようなステンレス
鋼板を本発明の鉛複合鋼板に利用することにより、素材
コストを低減することができる。また本発明の鉛複合鋼
板は、オーステナイト系のステンレス鋼板を用いた鉛複
合鋼板よりも加工性が優れているので、加工がたやすく
なるものである。
板は、オーステナイト系のステンレス鋼板よりも再結晶
温度が低く、連続焼鈍が可能である等の理由により、成
分によってはゼンジマーミルで冷延しないでタンデム圧
延機を使用して製造可能となり、このようなステンレス
鋼板を本発明の鉛複合鋼板に利用することにより、素材
コストを低減することができる。また本発明の鉛複合鋼
板は、オーステナイト系のステンレス鋼板を用いた鉛複
合鋼板よりも加工性が優れているので、加工がたやすく
なるものである。
【0018】尚、図1にはステンレス鋼板1の片面のみ
に鉛層2を形成するようにしたが、本発明の使用上に問
題がなければステンレス鋼板1の両面に鉛層2を形成す
るようにしてもよい。
に鉛層2を形成するようにしたが、本発明の使用上に問
題がなければステンレス鋼板1の両面に鉛層2を形成す
るようにしてもよい。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。 (実施例1)高クロムフェライト系のステンレス鋼板1
としては、表1に示すような化学成分のSUS430
(0.7mm厚、板幅200mmのコイル)を用いた。
このステンレス鋼板1の表面に二段冷間圧延機(ロール
径300mm)を用いて鋳造鉛板(コイル状)を冷延圧
接して厚さ0.3mmの鉛層2を形成し、図1に示すよ
うな鉛複合鋼板を作成した。尚、圧延荷重は1.5トン
/10mmとし、冷延圧接の際の鉛板及びステンレス鋼
板1の温度は常温とした。
明する。 (実施例1)高クロムフェライト系のステンレス鋼板1
としては、表1に示すような化学成分のSUS430
(0.7mm厚、板幅200mmのコイル)を用いた。
このステンレス鋼板1の表面に二段冷間圧延機(ロール
径300mm)を用いて鋳造鉛板(コイル状)を冷延圧
接して厚さ0.3mmの鉛層2を形成し、図1に示すよ
うな鉛複合鋼板を作成した。尚、圧延荷重は1.5トン
/10mmとし、冷延圧接の際の鉛板及びステンレス鋼
板1の温度は常温とした。
【0020】(実施例2)高クロムフェライト系のステ
ンレス鋼板1として、表1に示すような化学成分のYU
S436S(新日本製鐡株式会社製)を用いた以外は上
記実施例1と同様にして鉛複合鋼板を作成した。 (実施例3)高クロムフェライト系のステンレス鋼板1
として、表1に示すような化学成分のSUS444(新
日本製鐡株式会社製)を用いた以外は上記実施例1と同
様にして鉛複合鋼板を作成した。
ンレス鋼板1として、表1に示すような化学成分のYU
S436S(新日本製鐡株式会社製)を用いた以外は上
記実施例1と同様にして鉛複合鋼板を作成した。 (実施例3)高クロムフェライト系のステンレス鋼板1
として、表1に示すような化学成分のSUS444(新
日本製鐡株式会社製)を用いた以外は上記実施例1と同
様にして鉛複合鋼板を作成した。
【0021】(実施例4)高クロムフェライト系のステ
ンレス鋼板1として、表1に示すような化学成分のYU
S220(新日本製鐡株式会社製)を用いた以外は上記
実施例1と同様にして鉛複合鋼板を作成した。 (実施例5)高クロムフェライト系のステンレス鋼板1
として、表1に示すような化学成分のSUS447J1
を用いた以外は上記実施例1と同様にして鉛複合鋼板を
作成した。
ンレス鋼板1として、表1に示すような化学成分のYU
S220(新日本製鐡株式会社製)を用いた以外は上記
実施例1と同様にして鉛複合鋼板を作成した。 (実施例5)高クロムフェライト系のステンレス鋼板1
として、表1に示すような化学成分のSUS447J1
を用いた以外は上記実施例1と同様にして鉛複合鋼板を
作成した。
【0022】(比較例1)上記実施例1における高クロ
ムフェライト系のステンレス鋼板1の代わりに、表1に
示すような化学成分のオーステナイト系のステンレス鋼
板(SUS304)を用いた以外は、上記実施例1と同
様にして鉛複合鋼板を作成した。 (比較例2)上記実施例1における高クロムフェライト
系のステンレス鋼板1の代わりに、表1に示すような化
学成分のクロムフェライト系のステンレス鋼板(SUS
409)を用いた以外は上記実施例1と同様にして鉛複
合鋼板を作成した。
ムフェライト系のステンレス鋼板1の代わりに、表1に
示すような化学成分のオーステナイト系のステンレス鋼
板(SUS304)を用いた以外は、上記実施例1と同
様にして鉛複合鋼板を作成した。 (比較例2)上記実施例1における高クロムフェライト
系のステンレス鋼板1の代わりに、表1に示すような化
学成分のクロムフェライト系のステンレス鋼板(SUS
409)を用いた以外は上記実施例1と同様にして鉛複
合鋼板を作成した。
【0023】(比較例3)上記実施例1における高クロ
ムフェライト系のステンレス鋼板1の代わりに、表1に
示すような化学成分のクロムフェライト系のステンレス
鋼板(SUS410L)を用いた以外は上記実施例1と
同様にして鉛複合鋼板を作成した。 (比較例4)上記実施例1における高クロムフェライト
系のステンレス鋼板1の代わりに、表1に示すような化
学成分のクロムフェライト系のステンレス鋼板を用いた
以外は上記実施例1と同様にして鉛複合鋼板を作成し
た。
ムフェライト系のステンレス鋼板1の代わりに、表1に
示すような化学成分のクロムフェライト系のステンレス
鋼板(SUS410L)を用いた以外は上記実施例1と
同様にして鉛複合鋼板を作成した。 (比較例4)上記実施例1における高クロムフェライト
系のステンレス鋼板1の代わりに、表1に示すような化
学成分のクロムフェライト系のステンレス鋼板を用いた
以外は上記実施例1と同様にして鉛複合鋼板を作成し
た。
【0024】(比較例5)上記実施例1における高クロ
ムフェライト系のステンレス鋼板1の代わりに、化学成
分が表1に示すようなクロムフェライト系のステンレス
鋼板を用いた以外は上記実施例1と同様にして鉛複合鋼
板を作成した。 (比較例6)上記実施例1における高クロムフェライト
系のステンレス鋼板1の代わりに、普通鋼板を用いた以
外は、上記実施例1と同様にして鉛複合鋼板を作成し
た。
ムフェライト系のステンレス鋼板1の代わりに、化学成
分が表1に示すようなクロムフェライト系のステンレス
鋼板を用いた以外は上記実施例1と同様にして鉛複合鋼
板を作成した。 (比較例6)上記実施例1における高クロムフェライト
系のステンレス鋼板1の代わりに、普通鋼板を用いた以
外は、上記実施例1と同様にして鉛複合鋼板を作成し
た。
【0025】このようにして得られた実施例1乃至5及
び比較例1乃至6を以下の試験で評価した。 (1)冷熱サイクル試験 上記実施例1乃至5及び比較例1乃至6で大きさ50m
m×150mmの試料片を作成し、電気ヒーター上で放
置することによる加熱と扇風機による冷却を繰り返しお
こなった。この冷熱サイクル試験の1サイクル/時間
は、125℃を25分間維持、次に25℃まで5分間で
冷却、次に25℃を25分間維持、次に125℃まで5
分間で昇温であり、このサイクルを9000サイクル実
施した後の鉛層の表面を観察した。上記温度は試料片の
実際の温度である。結果を表2に示す。
び比較例1乃至6を以下の試験で評価した。 (1)冷熱サイクル試験 上記実施例1乃至5及び比較例1乃至6で大きさ50m
m×150mmの試料片を作成し、電気ヒーター上で放
置することによる加熱と扇風機による冷却を繰り返しお
こなった。この冷熱サイクル試験の1サイクル/時間
は、125℃を25分間維持、次に25℃まで5分間で
冷却、次に25℃を25分間維持、次に125℃まで5
分間で昇温であり、このサイクルを9000サイクル実
施した後の鉛層の表面を観察した。上記温度は試料片の
実際の温度である。結果を表2に示す。
【0026】尚、表2中の「○」は試験終了後の鉛層の
表面を顕微鏡で観察しても、何らの異常も認められなか
ったことを示す。また「×」は倍率50倍の顕微鏡で観
察すると、鉛の結晶粒界に沿って各所に長さ100μm
以下、幅20μm程度のクラックの発生が認められたこ
とを示す。 (2)耐食性試験 (a)塩水噴霧試験による耐銹性比較 JIS Z 2371の条件下で、上記実施例1乃至5
及び比較例1乃至6の裏面(ステンレス鋼板1側の面あ
るいは普通鋼板側の面)に、35℃、5%濃度の食塩水
を噴霧し、168時間経過した後の実施例1乃至5及び
比較例1乃至6の裏面の状態を観察した。
表面を顕微鏡で観察しても、何らの異常も認められなか
ったことを示す。また「×」は倍率50倍の顕微鏡で観
察すると、鉛の結晶粒界に沿って各所に長さ100μm
以下、幅20μm程度のクラックの発生が認められたこ
とを示す。 (2)耐食性試験 (a)塩水噴霧試験による耐銹性比較 JIS Z 2371の条件下で、上記実施例1乃至5
及び比較例1乃至6の裏面(ステンレス鋼板1側の面あ
るいは普通鋼板側の面)に、35℃、5%濃度の食塩水
を噴霧し、168時間経過した後の実施例1乃至5及び
比較例1乃至6の裏面の状態を観察した。
【0027】(b)改良型塩水噴霧試験による耐銹性比
較 上記(a)における食塩水の代わりに、5重量%の濃度
の食塩水と、0.2重量%の濃度の過酸化水素水(H2
O2 )の混合水溶液を用いた以外は、上記(a)と同様
にした。 (c)CASS試験による耐銹性比較 JIS D 0201の条件下で、上記実施例1乃至5
及び比較例1乃至6の裏面(ステンレス鋼板1側の面あ
るいは普通鋼板側の面)に、25℃で、5重量%の濃度
の食塩水と、0.26g/リットルの濃度の塩化第二銅
水溶液と、0.2重量%の濃度の酢酸水溶液の混合水溶
液を噴霧し、48時間経過した後の実施例1乃至5及び
比較例1乃至6の裏面の状態を観察した。結果を表2に
示す。
較 上記(a)における食塩水の代わりに、5重量%の濃度
の食塩水と、0.2重量%の濃度の過酸化水素水(H2
O2 )の混合水溶液を用いた以外は、上記(a)と同様
にした。 (c)CASS試験による耐銹性比較 JIS D 0201の条件下で、上記実施例1乃至5
及び比較例1乃至6の裏面(ステンレス鋼板1側の面あ
るいは普通鋼板側の面)に、25℃で、5重量%の濃度
の食塩水と、0.26g/リットルの濃度の塩化第二銅
水溶液と、0.2重量%の濃度の酢酸水溶液の混合水溶
液を噴霧し、48時間経過した後の実施例1乃至5及び
比較例1乃至6の裏面の状態を観察した。結果を表2に
示す。
【0028】尚、表2中の「1」は鉛複合鋼板の裏面に
赤銹、瘤状銹が発生したことを示す。また「2」は鉛複
合鋼板の裏面の一部に赤銹が発生したことを示す。
「3」は鉛複合鋼板の裏面にしみ状銹、流れ銹が全面に
薄く認められたことを示す。「4」は鉛複合鋼板の裏面
の一部に点状銹が発生したことを示す。「5」は鉛複合
鋼板の裏面にしみ状銹あるいは点状銹の発生が全く認め
られなかったことを示す。
赤銹、瘤状銹が発生したことを示す。また「2」は鉛複
合鋼板の裏面の一部に赤銹が発生したことを示す。
「3」は鉛複合鋼板の裏面にしみ状銹、流れ銹が全面に
薄く認められたことを示す。「4」は鉛複合鋼板の裏面
の一部に点状銹が発生したことを示す。「5」は鉛複合
鋼板の裏面にしみ状銹あるいは点状銹の発生が全く認め
られなかったことを示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】表2から明らかなように、上記(1)の試
験において実施例1乃至5では、普通鋼板を用いた比較
例4と同様に鉛層2に何らの異常は認められなかった
が、オーステナイト系ステンレス鋼板を用いた比較例1
では鉛層2にクラックの発生が認められた。つまり実施
例1乃至5の鉛複合鋼板では、高クロムフェライト系の
ステンレス鋼板1によって鉛層2の温度変化による膨張
が抑えられるので、鉛層2にクラックなどの異常が発生
しないものと考えられる。尚、純鉛板(厚み1.0m
m)に上記(1)の試験を施すと、倍率10倍のルーペ
で観察した場合、幅100μm程度のクラックが粒界に
連続して網目状に発生していた。
験において実施例1乃至5では、普通鋼板を用いた比較
例4と同様に鉛層2に何らの異常は認められなかった
が、オーステナイト系ステンレス鋼板を用いた比較例1
では鉛層2にクラックの発生が認められた。つまり実施
例1乃至5の鉛複合鋼板では、高クロムフェライト系の
ステンレス鋼板1によって鉛層2の温度変化による膨張
が抑えられるので、鉛層2にクラックなどの異常が発生
しないものと考えられる。尚、純鉛板(厚み1.0m
m)に上記(1)の試験を施すと、倍率10倍のルーペ
で観察した場合、幅100μm程度のクラックが粒界に
連続して網目状に発生していた。
【0032】また上記(2)の(a)(b)(c)の試
験において、普通鋼板を用いた比較例4では耐食性が非
常に低いものであった。またクロムの含有量が11%の
比較例2とクロムの含有量が12%の比較例3及びクロ
ムの含有量が17%の実施例1を対比すると、穏やかな
腐食環境(上記(2)の(a)のような単純な塩水噴霧
試験や、実環境における田園地帯等)では、実施例1と
比較例2、3の耐食性には大きな差は見られなかった
が、さらに強い腐食環境(上記(2)の(b)(c))
では、実施例1の方が比較例2、3よりも耐食性が優れ
ていた。これは実施例1の裏面にクロムの含有量が多い
高クロムフェライト系ステンレス鋼板を用いたためであ
ると考えられる。
験において、普通鋼板を用いた比較例4では耐食性が非
常に低いものであった。またクロムの含有量が11%の
比較例2とクロムの含有量が12%の比較例3及びクロ
ムの含有量が17%の実施例1を対比すると、穏やかな
腐食環境(上記(2)の(a)のような単純な塩水噴霧
試験や、実環境における田園地帯等)では、実施例1と
比較例2、3の耐食性には大きな差は見られなかった
が、さらに強い腐食環境(上記(2)の(b)(c))
では、実施例1の方が比較例2、3よりも耐食性が優れ
ていた。これは実施例1の裏面にクロムの含有量が多い
高クロムフェライト系ステンレス鋼板を用いたためであ
ると考えられる。
【0033】また上記(2)の(b)(c)の強い腐食
環境での耐食性試験において、モリブデンを0.8〜
2.0%含有する高クロムフェライト系ステンレス鋼板
を用いた実施例2乃至5は、同量のモリブデンを含有す
るクロムの含有量が低いフェライト系ステンレス鋼板を
用いた比較例4、5よりも、耐食性を高くすることがで
きる。これは実施例2乃至5の裏面にクロムやモリブデ
ンの含有量が多い高クロムフェライト系ステンレス鋼板
を用いたためであると考えられる。
環境での耐食性試験において、モリブデンを0.8〜
2.0%含有する高クロムフェライト系ステンレス鋼板
を用いた実施例2乃至5は、同量のモリブデンを含有す
るクロムの含有量が低いフェライト系ステンレス鋼板を
用いた比較例4、5よりも、耐食性を高くすることがで
きる。これは実施例2乃至5の裏面にクロムやモリブデ
ンの含有量が多い高クロムフェライト系ステンレス鋼板
を用いたためであると考えられる。
【0034】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に記載の
発明は、高クロムフェライト系のステンレス鋼板の表面
に鉛板を冷延圧接することによって鉛層を形成するの
で、鉛層の裏面に耐食性の高いステンレス鋼板を設ける
ことによって、裏面側の耐食性が優れたものとなるので
ある。また本発明は鉛層よりも熱膨張係数の小さい高ク
ロムフェライト系のステンレス鋼板を用いることによっ
て、温度変化による鉛層の膨張・伸縮を十分に抑制する
ことができ、温度変化による応力の発生を防止して耐久
性が優れたものとすることができるのである。
発明は、高クロムフェライト系のステンレス鋼板の表面
に鉛板を冷延圧接することによって鉛層を形成するの
で、鉛層の裏面に耐食性の高いステンレス鋼板を設ける
ことによって、裏面側の耐食性が優れたものとなるので
ある。また本発明は鉛層よりも熱膨張係数の小さい高ク
ロムフェライト系のステンレス鋼板を用いることによっ
て、温度変化による鉛層の膨張・伸縮を十分に抑制する
ことができ、温度変化による応力の発生を防止して耐久
性が優れたものとすることができるのである。
【0035】このように耐食性及び耐久性の優れる本発
明の鉛複合鋼板は、鉛層の劣化が遅くなるので、屋根材
として好適に用いられ、特に長尺の屋根に施工される屋
根材を形成する際に好適に用いられるものである。また
本発明の請求項2に記載の発明は、モリブデンの含有量
が0.5〜2.0%の高クロムフェライト系のステンレ
ス鋼板を用いるので、モリブデンの含有量が0.5%未
満の高クロムフェライト系のステンレス鋼板を用いるよ
りも耐食性を向上させることができ、屋根材として好適
に用いられるものである。
明の鉛複合鋼板は、鉛層の劣化が遅くなるので、屋根材
として好適に用いられ、特に長尺の屋根に施工される屋
根材を形成する際に好適に用いられるものである。また
本発明の請求項2に記載の発明は、モリブデンの含有量
が0.5〜2.0%の高クロムフェライト系のステンレ
ス鋼板を用いるので、モリブデンの含有量が0.5%未
満の高クロムフェライト系のステンレス鋼板を用いるよ
りも耐食性を向上させることができ、屋根材として好適
に用いられるものである。
【図1】本発明の一実施の形態を示す断面図である。
1 ステンレス鋼板 2 鉛層
Claims (2)
- 【請求項1】 高クロムフェライト系のステンレス鋼板
の表面に鉛板を冷延圧接することによって鉛層を形成し
て成ることを特徴とする鉛複合鋼板。 - 【請求項2】 モリブデンの含有量が0.5〜2.0%
の高クロムフェライト系のステンレス鋼板を用いること
を特徴とする請求項1に記載の鉛複合鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17802196A JPH1024379A (ja) | 1996-07-08 | 1996-07-08 | 鉛複合鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17802196A JPH1024379A (ja) | 1996-07-08 | 1996-07-08 | 鉛複合鋼板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1024379A true JPH1024379A (ja) | 1998-01-27 |
Family
ID=16041199
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17802196A Withdrawn JPH1024379A (ja) | 1996-07-08 | 1996-07-08 | 鉛複合鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1024379A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103157959A (zh) * | 2013-03-18 | 2013-06-19 | 四川顺麒材料有限公司 | 一种不锈钢复合板的制备方法 |
-
1996
- 1996-07-08 JP JP17802196A patent/JPH1024379A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103157959A (zh) * | 2013-03-18 | 2013-06-19 | 四川顺麒材料有限公司 | 一种不锈钢复合板的制备方法 |
CN103157959B (zh) * | 2013-03-18 | 2015-05-20 | 四川友麒双金属复合材料有限公司 | 一种不锈钢复合板的制备方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20031007 |