JP3401538B2 - スーパーステンレス/ステンレスクラッド鋼板 - Google Patents
スーパーステンレス/ステンレスクラッド鋼板Info
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Description
スーパーステンレス/ステンレスクラッド鋼板に関し、
特に耐食性および加工性に優れた建材、主として屋根お
よび外壁材に関するものである。
るようになり、意匠性に富んだビルやホール等が多数建
設されている。海浜建築物の屋根および外壁材は、塩害
により侵されるため、耐食性が良好な金属、例えばチタ
ン、スーパーステンレス鋼等を使用している。これら耐
食性が良好な金属が使用されている理由は、塗装などの
表面処理を行わなくてもよく、また永年使用しても錆び
などによる材質劣化の少ない保守不用な材料だからであ
る。しかしながら、チタンおよびチタン合金の耐食性は
良好であるが、非常に高価であるため、広範に使用され
ていないのが現状である。スーパーステンレス鋼につい
ても、耐食性は良好ではあるが、一般に製造性が悪いた
め建材用の薄板としては高価であり、さらに屋根および
外壁材等に加工する場合、耐力が高いため加工性が悪
く、使用が制限されている。
ためには、安価にすることが重要であり、この方法の一
つとして鋼あるいはステンレス鋼とクラッドすることが
考えられる。この方法としては、熱間圧延により金属学
的に接合する方法がよく知られている。この場合、熱間
圧延あるいは連続焼鈍などを行うと接合界面に脆弱な金
属間化合物が形成され界面剥離や形状不良が生じ易く、
製造が難しい。これら問題を解決する方法として、クラ
ッド界面に薄厚の低炭素鋼を接合中間材として挾み込み
熱間圧延する方法(特開昭63−56370)、銅また
は銅合金を中間媒接材として熱間圧延し、溶融したチタ
ンと銅の金属間化合物層を絞り出して接合する方法(特
公平5−69638)などが提案されているが、これら
の方法で製造可能な製品は、厚板が中心であり、屋根お
よび外装材に使用できるような薄板は製造できていな
い。
鋼と鋼をクラッドすることで、安価で耐食性の良い材料
が提供できることも提案されている(特開平1−301
842)。一般に屋根は図1に示すような方法で板を溶
接でつなぎ合わせて施工している。鋼の片面のみにスー
パーステンレス鋼をクラッドしたものを屋根あるいは外
壁材に使用する場合、塩害に侵される側つまり表側にス
ーパーステンレス鋼が、裏側に鋼がくるように施工す
る。この場合、裏側は密閉された屋根あるいは壁内の湿
気により鋼に錆が発生するため使用できない。また、鋼
の両面にスーパーステンレス鋼をクラッドしたものであ
ってもこのようなところにスーパーステンレス/鋼のク
ラッド材を使用すると、切断面が大気中に曝されること
になり、鋼より錆が発生してしまう。
よびチタン合金は耐食性は良好であるが、非常に高価で
あるため、広範に使用されていない。安価にするため、
鋼およびステンレス鋼とクラッドすると接合界面に脆弱
な金属間化合物が形成され界面剥離や形状不良が生じて
しまうため、製造が難しく、建材用の薄板は製造できな
いでいる。スーパーステンレス鋼についても耐食性は良
好ではあるが、一般に製造性が悪いため建材用の薄板と
しては高価であり、さらに屋根および外壁材等に加工す
る場合、耐力が高いため加工性が悪く、使用が制限され
ている。
ド材では、切断面の鋼が大気中に曝されると錆が発生す
ることがあり、使用し難く、さらに片面のみにスーパー
ステンレス鋼をクラッドしたものは、内部の湿気により
裏側の鋼に錆が発生するため使用できない。製造原価を
考えると片面クラッドの方が有利であり、片面クラッド
で使用できなくては、広範な使用は望めない。本発明は
上記問題点を解決するためになされたものであり、その
目的とするところは、耐食性および加工性に優れた建材
用スーパーステンレス/ステンレスクラッド鋼板を提供
することにある。
好な金属と安価で加工性の良い金属の組み合わせについ
て、接合界面の強度、切断面の耐食性、屋根および外壁
材の内側での腐食状況について種々の研究を行った結
果、ステンレス鋼の両面もしくは片面に、スーパーステ
ンレス鋼をクラッドすることで上記問題を解決できるこ
とを見出した。すなはち、本発明の要旨とするところ
は、次の通りである。 (1) ステンレス鋼の両面もしくは片面に、Ni,C
r,Mo,Nを含有し、下記条件を満足する組成を有す
るスーパーステンレス鋼をクラッドし、そのスーパース
テンレス鋼とステンレス鋼との界面が金属学的に接合し
てなる、耐食性および加工性に優れたスーパーステンレ
ス鋼/ステンレス鋼クラッド鋼板。 記 (Cr+2×Mo+9×N)≧27%16≦Ni≦30% 18≦Cr≦30% 7<Mo≦8% 0.10≦N≦0.40% (2) ステンレス鋼の両面もしくは片面に、Cr,M
o,Nを含有し、下記条件を満足する組成を有するスー
パーステンレス鋼をクラッドし、そのスーパーステンレ
ス鋼とステンレス鋼との界面が金属学的に接合してな
る、耐食性および加工性に優れたスーパーステンレス鋼
/ステンレス鋼クラッド鋼板。 記 (Cr+2×Mo+9×N)≧27% 18≦Cr≦30.2% 2≦Mo<5% N≦0.030% (3) 上記(1)または(2)記載のスーパーステンレ
ス鋼/ステンレス鋼クラッド鋼板からなる建材用クラッ
ド鋼板。(4) 上記(1)または(2)記載のスーパーステンレ
ス鋼/ステンレス鋼クラッド鋼板からなる屋根および外
壁材。
板においては内層にステンレス鋼を用いるが、その成分
はこの発明の出願時のJIS G 4305に規定され
る成分範囲であればいずれでもよく、具体的に例示する
と、オーステナイト系のSUS304,316、フェラ
イト系のSUS410,430,444等である。いず
れを使用しても、スーパーステンレス鋼単体よりも加工
性に優れ、安価となる。また、内層にステンレス鋼を使
用することで切断面の耐食性は十分であり、スーパース
テンレス/ステンレス鋼の2層とした場合の屋根および
壁内側での耐食性は鋼を内層としたスーパーステンレス
/鋼のクラッド材より良好となる。
るが、ここで言うスーパーステンレス鋼とは、例えば
(Cr+2×Mo+9×N)≧27%を満足し、重量%
でCr18〜30%、Ni16〜30%、Mo7〜8
%、N0.10〜0.40%、C≦0.030%、Si
≦1.0%、Mn≦3.0%、P≦0.04%、S≦
0.005%他は不可避的な不純物からなるオーステナ
イト系スーパーステンレス鋼や同じく(Cr+2×Mo
+9×N)≧27%を満足し、Cr18〜30.2%、
Mo2〜5%、N≦0.030%、C≦0.010%、
Si≦2.0%、Mn≦3.0%、S≦0.005%で
さらにNb≦0.8%、Ti≦0.6%のうち1種また
は2種を添加し、他は不可避的な不純物からなるフェラ
イト系スーパーステンレス鋼のことである。又、上記ス
ーパーステンレス鋼においても、Cr,Ni等の元素の
添加量によりオーステナイト+フェライトの2相組織と
なることが一般的に知られているが、この場合も(Cr
+2×Mo+9×N)≧27%を満足すれば何ら問題は
ない。
いるCr,Mo,Nは、塩素イオンによる孔食や錆の発
生を防止するのに効果があり、それぞれの含有量が多い
ほど耐食性は良好となる。この場合、(Cr+2×Mo
+9×N)≧27%となると海浜地区や工業地帯におい
て孔食や錆が発生することはなく、建材として充分な耐
食性を有するようになる。また本発明でいう金属学的接
合とは2つの金属を原子間引力が作用する領域まで近づ
けて接合せしめたものであって、通常摩擦圧接、爆発圧
着、ロール圧着、真空拡散等の圧接手段による接合をい
う。
鋼のクラッド材は、チタン/鋼あるいはチタン/ステン
レス鋼のクラッド材とは違い、熱間圧延あるいは連続焼
鈍などを行っても、接合界面に脆弱な金属間化合物が析
出するとなく、曲げ加工などを行っても剥離するような
ことない。加えて加工性の良いステンレス鋼を内層にし
ているため、スーパーステンレス鋼単体より耐力が低
く、加工が容易である。
2Mo+9N)≧27を満足するスーパーステンレス鋼
をクラッドしているため、一般に耐食鋼とされているS
US430,SUS304などよりもさらに耐食性がよ
く、永年使用しても錆びなどによる材質劣化の少ない保
守不用な材料である。又、内層にステンレス鋼を使用し
ているため切断面の耐食性も良好であり、スーパーステ
ンレス/ステンレスの2層とした場合、屋根および壁内
側での耐食性は裏側はステンレス鋼であるため鋼を内層
としたスーパーステンレス/鋼のクラッド材より良好で
ある。
する。表1に本発明および比較のスーパーステンレス鋼
(比較鋼A)、SUS304(比較鋼B)、スーパース
テンレス/鋼クラッド板(比較鋼C)の成分、厚み比を
示す。
較鋼Cは、爆着法により製造した250mm厚のスラブ
を熱間圧延により板厚4.5mmとし、ついで焼鈍した
後、1.0mmまで冷間圧延し、1100℃で焼鈍した
ものである。比較鋼A,Bは普通造塊により作製した2
50mm厚のスラブを熱間圧延により板厚4.5mmと
し、ついで焼鈍した後、1.0mmまで冷間圧延し、1
100℃で焼鈍したものである。表2はこれら鋼材の機
械的性質と密着曲げ試験を行った結果である。鋼材の耐
食性は図1に示すような継ぎ目をもつ屋根(3m×4
m)を作製し、これを大気中に2年間暴露した後の錆発
生の有無で評価した。
加工性に優れており、鋼材表面の耐食性はスーパーステ
ンレス鋼単体と同等であり、さらに屋根材として使用す
る場合問題となる切断面および裏面の耐食性はスーパー
ステンレス/鋼クラッド鋼よりも良好である。
食性および加工性に優れた建材用スーパーステンレス/
ステンレスクラッド鋼板を安価に提供するものである。
即ち裏側にステンレス鋼を使用しているため、スーパー
ステンレス/鋼のクラッド材では使用が難しい2層クラ
ッド材としても使用できる。本発明のスーパーステンレ
ス/ステンレスクラッド鋼板は海浜地区、工業地帯など
で使用する屋根および外装材に最適である。
Claims (4)
- 【請求項1】 ステンレス鋼の両面もしくは片面に、N
i,Cr,Mo,Nを含有し、下記条件を満足する組成
を有するスーパーステンレス鋼をクラッドし、そのスー
パーステンレス鋼とステンレス鋼との界面が金属学的に
接合してなる、耐食性および加工性に優れたスーパース
テンレス鋼/ステンレス鋼クラッド鋼板。 記 (Cr+2×Mo+9×N)≧27%(wt%)16≦Ni≦30% 18≦Cr≦30% 7<Mo≦8% 0.10≦N≦0.40% - 【請求項2】 ステンレス鋼の両面もしくは片面に、C
r,Mo,Nを含有し、下記条件を満足する組成を有す
るスーパーステンレス鋼をクラッドし、そのスーパース
テンレス鋼とステンレス鋼との界面が金属学的に接合し
てなる、耐食性および加工性に優れたスーパーステンレ
ス鋼/ステンレス鋼クラッド鋼板。 記 (Cr+2×Mo+9×N)≧27%(wt%) 18≦Cr≦30.2% 2≦Mo<5% N≦0.030% - 【請求項3】 請求項1または2記載のスーパーステン
レス鋼/ステンレス鋼クラッド鋼板からなることを特徴
とする建材用鋼板。 - 【請求項4】 請求項1または2記載のスーパーステン
レス鋼/ステンレス鋼クラッド鋼板からなることを特徴
とする屋根および外壁材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00425095A JP3401538B2 (ja) | 1995-01-13 | 1995-01-13 | スーパーステンレス/ステンレスクラッド鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00425095A JP3401538B2 (ja) | 1995-01-13 | 1995-01-13 | スーパーステンレス/ステンレスクラッド鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08192279A JPH08192279A (ja) | 1996-07-30 |
JP3401538B2 true JP3401538B2 (ja) | 2003-04-28 |
Family
ID=11579296
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00425095A Expired - Lifetime JP3401538B2 (ja) | 1995-01-13 | 1995-01-13 | スーパーステンレス/ステンレスクラッド鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3401538B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013132838A1 (ja) | 2012-03-08 | 2013-09-12 | Jfeスチール株式会社 | ステンレスクラッド鋼 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP6478822B2 (ja) * | 2015-06-05 | 2019-03-06 | 新日鐵住金ステンレス株式会社 | 極厚ステンレス鋼板およびその製造方法 |
CN105436699B (zh) * | 2015-12-25 | 2018-10-12 | 江苏烁石焊接科技有限公司 | 一种搅拌摩擦焊用的高氮钢搅拌头及其制造工艺 |
-
1995
- 1995-01-13 JP JP00425095A patent/JP3401538B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH08192279A (ja) | 1996-07-30 |
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