JPH108218A - 排ガス伝熱部材用フェライト系ステンレス鋼及び製造方法 - Google Patents

排ガス伝熱部材用フェライト系ステンレス鋼及び製造方法

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JPH108218A
JPH108218A JP8185432A JP18543296A JPH108218A JP H108218 A JPH108218 A JP H108218A JP 8185432 A JP8185432 A JP 8185432A JP 18543296 A JP18543296 A JP 18543296A JP H108218 A JPH108218 A JP H108218A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 排ガス伝熱部材として好適なフェライト系ス
テンレス鋼を得る。 【構成】 このフェライト系ステンレス鋼は、Cr:1
0〜18%,Nb:0.2〜1.0%,Si:1%以
下,Mn:0.1〜1%,Cu:0.1〜0.4%,
P:0.04〜0.15%を含み、X=Nb−7×(C
+N)−P−0.15で定義されるX値が0以上であ
り、残部が実質的にFeからなる組成をもち、素地鋼に
比較して2倍以上の割合でMnが濃縮された表層酸化物
層をもつ。このフェライト系ステンレス鋼は、V含有量
を0.1%以下に規制することが好ましい。この組成を
もつ鋼板又は鋼管に酸素濃度10体積%以下の雰囲気中
で900〜1100℃に加熱する焼鈍を施すとき、加工
性及び耐酸化性が改善される。焼鈍された鋼板又は鋼管
は、酸洗,研磨等の後処理を施すことなく製品とされ
る。 【効果】 耐粒界腐食性,高周波造管性及び高温強度特
性に加え、耐硫酸性及び高温酸化特性も優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高周波造管性,耐粒界
腐食性,耐酸化性,耐硫酸性に優れ、排ガス伝熱部材と
して好適な低コストのフェライト系ステンレス鋼及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ボイラー空気予熱器等の排ガス用途に使
用される鋼材には、酸化が問題とされる高温用鋼及び硫
酸露点腐食が問題とされる低温用鋼がある。高温用には
シクロマル等の耐熱鋼が使用されており、低温用には低
C,NのSUS410L等の13Cr系ステンレス鋼製
シームレスパイプ等が使用されている。シームレスパイ
プは、溶接部を含んでおらず、構造信頼性に優れている
ものの、製造コストが高い。そのため、コスト面からの
制約を受ける場合、普通鋼のボイラー用鋼管が消耗品的
に使用されている。溶接鋼管を排ガス用途に使用する
と、使用条件によっては硫酸露点腐食の環境に曝される
ため、溶接部の耐粒界腐食性が問題となる。C,Nを固
定するNb,Ti等の安定化元素を所定量以上添加する
ことで溶接部の耐粒界腐食性が改善され、Nb添加によ
って高温強度が上昇することはすでに知られており、特
開平5−1535号公報では、このようにして材料特性
を改善した自動車排気系材料が紹介されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ボイラーの空気予熱器
等として使用される排ガス伝熱部材にあっては、排ガス
に含まれているSOx が結露した硫酸露点腐食環境に曝
されることから耐硫酸性が要求される。また、低温部に
使用される部材であっても、ボイラー運転中の排ガス温
度や圧力が高いため、耐酸化性に優れていることも必要
である。更に、重油に含まれている微量のVやNaによ
って生じるV25 含有燃焼灰に対する耐高温腐食性も
要求される。本発明は、このような問題を解消すべく案
出されたものであり、パイプに加工するための造管性や
溶接部の耐粒界腐食性に加えて、P及びCuの複合添加
によって耐硫酸性を改善すると共に、パイプ造管後の焼
鈍によって耐酸化性や加工性を向上させ、排ガス伝熱部
材として好適な低コストのフェライト系ステンレス鋼を
提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の排ガス伝熱部材
用フェライト系ステンレス鋼は、その目的を達成するた
め、Cr:10〜18重量%,Nb:0.2〜1.0重
量%,Si:1重量%以下,Mn:0.1〜1重量%,
Cu:0.1〜0.4重量%,P:0.04〜0.15
重量%を含み、X=Nb−7×(C+N)−P−0.1
5で定義されるX値が0以上であり、残部が実質的にF
eからなる組成をもち、素地鋼に比較して2倍以上の割
合でMnが濃縮された表層酸化物層をもつことを特徴と
する。このフェライト系ステンレス鋼は、V含有量を
0.1重量%以下に規制することが好ましい。この組成
をもつ鋼板又は鋼管に酸素濃度10体積%以下の雰囲気
中で900〜1100℃に加熱する焼鈍を施すとき、加
工性や耐酸化性が改善される。焼鈍された鋼板又は鋼管
は、酸洗,研磨等の後処理を施すことなく製品とされ
る。
【0005】
【作用】本発明者等は、排ガス伝熱部材に要求される種
々の特性を調査検討した結果、耐硫酸性を向上させるた
めにはP及びCuの複合添加が有効であること、耐高温
腐食に対してはV含有量を規制する必要があること、ま
た耐酸化性及び耐食性の改善にはパイプ造管後の焼鈍条
件が効いていることを見い出した。本発明は、このよう
な知見に基づき完成されたものであり、排ガス伝熱部材
としての耐硫酸性,耐高温酸化性及び耐粒界腐食性を同
時に満足する。Cuは、本発明ステンレス鋼において最
も重要な特性である耐硫酸性を向上させる上で重要な役
割を果す合金元素である。一般に、ステンレス鋼では酸
等の過酷な腐食環境下で活性溶解による全面腐食が生じ
る。すなわち、−0.4V(vs. SCE)付近のFeが
溶け出す領域で腐食が進行する。しかし、ステンレス鋼
にCuを添加すると、Fe,Cr等の主要合金元素と共
に溶出したCuが活性な箇所で再析出し、腐食が抑制さ
れるものと推察される。
【0006】Pは、鋼中から溶出した後、溶液中に存在
するOと結合してリン酸を生成し、リン酸の腐食抑制作
用によって耐硫酸性を改善するものと推察される。耐硫
酸性に及ぼすPの効果は、安定化元素としてNbの代わ
りにTiを含む鋼では、酸素との結合力がPよりもTi
の方が大きいため、Pの耐硫酸性改善効果が奏せられな
いことからも推察される。JIS G4304等で規定
されている通常のステンレス鋼においては、加工性,靭
性等の面からP含有量が0.04重量%以下に制限され
ている。しかし、本発明に従ったステンレス鋼のよう
に、安定化元素を添加した成分系の材料を6.0mmよ
り薄い板厚で使用する場合には、Pを0.04重量%以
上含有させても靭性劣化の問題はなく、耐食性や機械的
性質を犠牲にすることなく安価に材料を供給することが
可能である。
【0007】V25 腐食は、現象が複雑であり、腐食
原因が明らかになっていない。しかし、V以外の合金成
分をほぼ同様な含有量で含む鋼について、Vの有無によ
る腐食性の相違を検討すると、V含有鋼の方が腐食減量
が大きくなる。これは、鋼中に含まれるVが排ガス中の
Vと共同し、耐Vアタック性を低下するものと考えられ
る。したがって、V25 腐食を低減する上では、V含
有量を低く、具体的には0.1重量%以下に規制するこ
とが好ましい。排ガス伝熱部材用にステンレス鋼製パイ
プを使用する場合、一般には造管ままで、意匠が要求さ
れる用途では更に研磨を施して使用される。また、造管
後に加工が厳しい用途で使用される場合、パイプを焼鈍
した後、表面スケールを酸洗除去している。しかし、排
ガス伝熱部材のように使用環境中においても排ガスによ
る加熱を受ける用途では、必ずしも酸洗の必要はない。
このようなことから、本発明は、焼鈍条件を規制するこ
とにより、酸洗や研磨を省略している。
【0008】焼鈍条件の規制は、酸洗や研磨を省略でき
るコスト的なメリットに止まらず、耐酸化性を向上させ
る積極的な効果も発揮する。すなわち、通常の大気中で
焼鈍した場合に比較し、酸素濃度が10体積%以下に低
下した都市ガス,ブタン等の燃焼ガス中で焼鈍すると、
酸素濃度が低下し、大気雰囲気に比較して酸化性の弱い
焼鈍雰囲気となる。この雰囲気下では、Si,Mn等の
易酸化性元素が優先的に酸化され、表層に拡散して酸化
物層となって濃縮する。そのため、その後に酸化雰囲気
に曝されても、更なる酸化の進行が抑制される。Mn
は、素地に対する密着性が良好なスピネル型の酸化物層
を形成し、スケール剥離が問題となる場合に有効であ
る。特に、本発明が対象とする排ガス伝熱部材では、ス
ケール剥離は後工程の電気集塵機等の排ガス処理装置に
目詰り等の問題を発生させる原因となる。スケール剥離
防止効果を発現させるためには、素地とスケール層との
界面に均一なスピネル型の酸化物層を形成させる必要が
ある。このようなことから、Mnは、熱処理によって表
面に濃縮する元素ではあるが、少なくとも0.1重量%
以上の含有量が好ましい。しかし、耐食性も問題となる
排ガス伝熱部材としての用途では、可溶性の介在物であ
るMnSの生成に起因して耐食性が低下するため、過剰
のMn添加は望ましくない。この点、本発明において
は、特定の熱処理を行うことにより少量のMn添加で表
層酸化物層のみMn濃度を高めていることから、耐食性
を損なわずに耐酸化性が改善される。
【0009】このときの焼鈍温度は、耐酸化性に有効な
表層酸化物層を形成するために900〜1100℃の温
度範囲に設定することが必要である。焼鈍温度が900
℃に達しないと、材料の回復,再結晶が不十分なことか
ら加工性が低下するばかりでなく、Crの酸化に起因し
て素地にCr欠乏が生じ、耐食性及び耐酸化性を低下さ
せる。逆に1100℃を超える焼鈍温度では、結晶粒の
粗大化が生じ、材料の靭性が低下するだけでなく、雰囲
気によってはMn等の元素も還元される条件となり、本
来の特性が得られない。本発明は、以上のような新たな
知見に基づいて完成されたものであり、これにより排ガ
ス伝熱部材用に要求される耐硫酸性,耐高温酸化性及び
耐粒界腐食性を満足する材料が得られる。以下に、各合
金成分の含有量等を規制した理由を説明する。
【0010】Cr:10〜18重量%,好ましくは10
〜15重量% ステンレス鋼の耐食性を確保する上で必須の合金元素で
あり、10重量%以上の含有量でCrの効果が顕著にな
る。本発明が対象とする用途に要求される特性は、12
Cr鋼レベルで十分に発現されるが、更に高いCrレベ
ルの材料においても同様な効果が期待できる。ただし、
Cr含有量が15重量%を超えると、コスト高になるば
かりでなく、Nb添加による高温強度向上作用が低下す
る傾向を示す。したがって、Crの含有量は、10〜1
8重量%,好ましくは10〜15重量%の範囲に設定す
る。
【0011】Nb:0.2〜1.0重量% 高温強度の改善に有効な合金元素であり、0.2重量%
以上の含有量でNbの添加効果が現れ、0.3重量%以
上で顕著になる。Nbは、Tiと同様にCやNを固定す
ることから、耐粒界腐食性を改善する作用も呈する。ま
た、0.3重量%以上のNbを添加しても、Tiと異な
り高周波造管性が劣化しない。しかし、0.8重量%を
超えるNbを添加するとスポット溶接部又はTIG溶接
部において高温割れが生じ易くなり、この傾向は1.0
重量%を超えるNb含有量で顕著になる。したがって、
Nbの含有量は、0.2〜1.0重量%,好ましくは
0.3〜0.8重量%の範囲に設定する。 Si:1重量%以下 製鋼時に脱酸剤として添加される元素であり、Si含有
量が高いと耐酸化性が向上する。しかし、1.0重量%
を超える多量のSiが含まれると、固溶強化によって材
質が硬化し、加工性が低下する。
【0012】Mn:0.1〜1重量% Siと同様に製鋼時の脱酸剤として有効な元素であり、
また熱処理時にスケール剥離防止作用のある酸化物層を
形成することから、Mnを合金成分として積極的に添加
しており、0.1重量%以上の含有量で耐酸化性の改善
がみられる。しかし、1.0重量%を超える過剰のMn
を添加すると、可溶性化合物MnSを生成し、耐食性が
低下する。 Cu:0.1〜0.4重量%,好ましくは0.15〜
0.3重量% 耐硫酸性を向上させ、材料の靭性改善に伴う高周波造管
性を向上させる上で有効な合金元素である。Cu含有量
が0.1〜0.15重量%でも無添加の場合に比較して
耐硫酸性及び高周波造管性の向上がみられるが、本来の
効果を発現させるためには0.15重量%以上のCuを
含有させることが好ましい。しかし、Cuを過剰添加す
ると、コスト高となるばかりでなく、材料を硬質にし、
加工性を低下させる。また、熱間加工性も、Cuの過剰
添加に伴って劣化する。したがって、Cuの含有量は、
0.1〜0.4重量%,好ましくは0.15〜0.3重
量%の範囲に設定する。
【0013】P:0.04〜0.15重量%,好ましく
は0.04〜0.08重量% 耐硫酸性の改善に有効な合金元素であり、腐食の形態を
孔食等の局部腐食から全面腐食的な形態に変化させるこ
とにより穴開き等の機能性が問題となる排ガス伝熱部材
としての用途に好適な元素である。このような作用・効
果を発現させるためには、0.04重量%以上のPを含
有させることが必要である。しかし、過剰添加は、結晶
粒界におけるPの偏析を促進させ、鋼の耐粒界腐食性を
低下させる。そのため、P含有量の上限を0.15重量
%,好ましくは0.08重量%に規制する。 X=Nb−7×(C+N)−P−0.15≧0 X値は、本発明者等の実験結果として求められ、材料の
溶接部における耐粒界腐食感受性を評価する指標であ
る。C,Nの安定に必要なNb量を算出する類似の式は
従来から知られているが、本発明のように多量のPを含
む鋼においては、Pの影響も無視できない。すなわち、
粒界腐食の発生原因には、従来から指摘されているCr
系炭化物の粒界析出及びPの粒界偏析があるが、本発明
では、適量のNbを添加することによって粒界に優先析
出させ、P偏析に起因する粒界腐食の発生を防止するも
のである。このような観点から、粒界腐食に及ぼすPの
影響を取り込んだX値によってNb量を算出し、耐粒界
腐食性を改善する。
【0014】本発明のステンレス鋼においては、以上に
掲げた合金元素の外に、Ti,V,C,S,Ni,M
o,Al,N,O等を次のように規制することが好まし
い。 Ti:0.2重量%以下 一般には、Nbと同様に、Cの固定元素として耐食性や
加工性に有効であるといわれている。しかし、本発明に
従ったステンレス鋼では、Pの添加効果を消失させるこ
とから、Ti添加は好ましくない。ただし、微量のTi
は、Nを固定する上で有効であることから許容される。
この点、Ti含有量は、多くとも0.2重量%以下,好
ましくは0.1重量%以下に規制される。 V:0.1重量%以下 一般には、NbやTiと同様に、Cの固定元素として耐
食性や加工性に対して有効な合金元素として扱われてい
る。しかし、本発明が対象とする重油等の排ガス環境に
曝されるステンレス鋼では、Vアタックを促進する作用
があることからV添加は好ましくない。しかし、Cr原
料等の不純物として混入する場合もあり、V含有を厳し
く制限するとき使用可能な原料に加わる制約が大きくな
る。この点、本発明においては、V含有の許容量を、
0.1重量%,好ましくは0.05重量%に規制する。
【0015】C:0.03重量%以下 鋼中に不可避的に含まれる合金元素であり、含有量の低
減に伴って材料が軟質化し加工性が向上すると共に、炭
化物の生成が少なくなり溶接性,耐粒界腐食性が向上す
る。また、Nb,Ti添加鋼においては、C含有量の低
減によりNb,Tiの消費が抑えられ、高温強度の向上
及びコストの低減が図られる。このようなことから、C
含有量を0.03重量%以下にすることが好ましい。 N:0.03重量%以下 Cと同様に不可避的不純物として鋼中に含まれる元素で
あり、N含有量が高いと、材料が硬質になり加工性が低
下すると共に、窒化物としてNb等の固定元素を多量に
消費する。この点から、N含有量の上限を0.03重量
%に設定することが好ましい。
【0016】耐粒界腐食性は、Cr系炭化物の粒界析出
に起因する。したがって、耐粒界腐食を防止するために
は、V含有量の低減が最も重要であるが、本発明鋼のよ
うに固定元素を添加する場合には、Cと同様にNも結合
して固定元素が消費される。そのため、C+Nの総和で
C及びNをコントロールすることが必要である。また、
高温強度の向上には、固溶Nb量の増加、換言すれば
C,N量の低下が有効である。現在の精錬技術では、工
業レベルでC+Nを0.005重量%未満にすることは
不可能に近い。しかし、C+Nが0.04重量%を超え
ると、粒界腐食感受性が増加し、高温強度が低下する。
したがって、0.005〜0.04重量%の範囲にC+
N量を設定することが好ましい。 S:0.03重量%以下 不可避的不純物として鋼中に含まれる元素であるが、S
含有量が高いと熱間加工性や耐食性が劣化する。そのた
め、S含有量の上限を0.03重量%に規定する。 Ni:0.6重量%以下 フェライト系ステンレス鋼の靭性改善に有効な合金元素
であるが、過剰のNi含有は鋼材コストを上昇させる原
因となる。本発明においては、通常のフェライト系ステ
ンレス鋼で規定されている0.6重量%以下にNi含有
量を規定した。
【0017】Mo:1.5重量%以下 必要に応じて添加される合金元素であり、Crと同様に
耐食性及び高温強度を改善する作用を呈する。しかし、
過剰添加は鋼材コストを上昇させることから、Moを添
加する場合には含有量を1.5重量%以下に設定する。 Al:0.5重量%以下 Siと同様に製鋼段階で脱酸剤として添加される元素で
あるが、酸素との反応性が極めて高いため、鋼中に残存
したAlは、高周波造管時にTiと同様な酸化物を形成
し、ピンホールを発生させる原因となる。そのため、A
l含有量は、上限を0.5重量%に設定することが好ま
しい。 O:0.02重量%以下 C,Nと同様に不可避的不純物として鋼中に混入する元
素であり、O含有量が高いと加工性が著しく阻害され
る。また、高周波造管時にTi,Al等と結合して酸化
物を形成し、ピンホールを発生させる原因となる。その
ため、O含有量は、0.02重量%以下に規制する。
【0018】
【実施例】表1に示した組成のフェライト系ステンレス
鋼を実験室で溶製し、熱間圧延によって板厚4.5mm
の熱延板を製造した。熱延板を板厚2mmまで冷間圧延
し、900〜1050℃で仕上げ焼鈍を施し、供試材を
作製した。なお、表1について、Aグループは本発明に
従ったステンレス鋼であり、何れも安定化元素としてN
bがX[=Nb−7×(C+N)−P−0.15]≧0
の条件下で添加されている。Bグループは比較鋼であ
る。B1は、Nb,Cu,Pの含有量が本発明で規定し
た範囲を満足するものの、X値が本発明で規定した範囲
を外れる。B2はCuを含んでいない。B3は、Cuを
含んでいない他に、P含有量が低い。B4は、本発明で
規定している値より高いTiを含むと共に、X値が本発
明で規定した範囲を外れる。B5は、Vが本発明で規定
した範囲を外れる。B6は、SUH409Lに相当する
が、B4と同様、TiとX値が本発明で規定した範囲を
外れると共に、P,Cu,Nbも規定範囲を外れる。B
7は、SUS410Lに相当し、Nb,Cu,Pの含有
量及びX値が本発明で規定した範囲を満足していない。
B8は、P含有量が本発明で規定した範囲を超え、Cu
を含んでおらず、またX値が本発明で規定した範囲を外
れる。なお、A1,B6,B7のステンレス鋼は、実ラ
インを使用してほぼ同一の条件下で製造したものを用意
した。
【0019】
【0020】各供試材の耐食性を、次のように調査し
た。 耐硫酸性試験:70℃に保持した50%硫酸水溶液中に
試験片を2時間浸漬し、浸漬前後の重量変化を測定し
た。 電気化学試験:6000ppmのCl- 及び60000
ppmのSO4 2- を含む溶液を塩酸でpH3に調整した
温度80℃の水溶液を使用し、活性溶解の目安としてア
ノード分極曲線の極大電流密度を測定した。 硫酸−硫酸銅試験:溶接芯線を使用することなくTIG
溶接した試験片を500℃×10時間で熱処理した後、
JIS G0575に準じて調整した硫酸−硫酸銅溶液
中に60℃で16時間浸漬する試験を行い、曲げ及び断
面組織観察により粒界腐食発生の有無を調査した。 V25 腐食試験:試験片表面にV25 灰を塗布し、
900℃に3時間加熱し、加熱前後の腐食減量を測定し
た。
【0021】調査結果を示す表2にみられるように、比
較鋼においてもCuを含有する鋼B1,B4,B5では
耐硫酸性が満足される。電気化学試験においてはPの効
果が認められ、Pの含有量が高い鋼B8は極大電流密度
が低かった。Pが本発明で規定する量以下の鋼B3,B
6,B7或いはTiを含有する鋼B4,B6では極大電
流密度が高かった。これに対し、Cu及びPを複合添加
した本発明ステンレス鋼では、両試験とも他の比較鋼に
比べて良好な耐食性が示された。V25 腐食について
みると、Vを含む比較鋼B5は、A1及び既存のB6,
B7と比較しても腐食減量が大きくなっている。これ
は、鋼中に含まれているVが悪影響を及ぼしたことを示
すものである。また、粒界腐食発生の有無を調査した硫
酸−硫酸銅試験についてみると、X値が0を上回る本発
明鋼では粒界腐食の発生が検出されなかったが、0を下
回る比較鋼B1及びB6〜8では粒界腐食が発生してい
た。
【0022】
【0023】高周波造管機を使用して本発明鋼A1から
製造した鋼管及び造管後に種々の焼鈍温度で焼鈍した鋼
管について、素材部,溶接部の耐硫酸試験及び酸化試験
を行った。酸化試験は、酸化性雰囲気中で900℃で1
00時間連続加熱し、異常酸化発生の有無を調査した。
試験結果を、GDSで求めた表面酸化物層におけるMn
の濃縮割合と併せて表3に示す。表3にみられるよう
に、X値を調整した本発明鋼A1では、溶接部において
も母材部と同様の耐硫酸性を示していた。焼鈍後の鋼管
は、造管ままの鋼管に比較すると耐硫酸性に若干劣って
いるが、耐酸化性において著しい改善効果が認められ
た。特にMnの酸化物層の濃縮割合が2以上になる90
0〜1050℃で焼鈍した材料は、異常酸化が全く発生
しなかった。耐硫酸性についても、900〜1050℃
で焼鈍した鋼管は、870℃で焼鈍した鋼管に比較して
腐食減量の増加度合いも少なくなっていた。
【0024】
【0025】本発明で規定した成分・組成をもつステン
レス鋼を本発明に従って焼鈍した鋼A1について、熱処
理後の表面状態をGDSで分析した。分析結果を図1に
示す。また、比較のためSUS430J1Lを熱処理し
た後、表面状態を分析した結果を図2に示す。この分析
では機器の特性から酸素のプロファイルは得られない
が、Feの発光強度がマトリックスの1/2になる厚み
が酸化物層の厚みに相当する。また、GDSでは正確な
皮膜厚みが判らないが、SiO2 の基準サンプルから求
めた相対厚みから推定すると、酸化物層の厚みは数十〜
数百nmであった。図1と図2との対比から明らかなよ
うに、本発明鋼A1ではMnの濃縮した酸化物層が表層
に形成されているのに対し、SUS430J1Lでは酸
化層が薄く且つMnの濃化も表面に限られていることが
判る。この表面状態の相違、すなわちMnが濃化した酸
化物層が厚く形成されていることが、表3に示すように
耐高温酸化性の改善に有効に作用する原因であると考え
られる。実際に、表2に示した950℃焼鈍材から空気
予熱器を製造し、加熱炉中で6か月間使用した後で酸化
及び腐食を調査したところ、侵食がほとんど観察されな
かった。他方、造管ままの鋼管では、侵食が若干発生し
ていた。
【0026】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のステン
レス鋼においては、Nb,C,N,P,Cu,Mnの含
有量を規制することにより、耐粒界腐食性,高周波造管
性及び高温強度特性に加え、耐硫酸性及び高温酸化特性
も改善されている。このフェライト系ステンレス鋼は、
優れた高周波造管特性のため造管工程での歩留りも高
く、焼鈍後に酸洗を施す必要がないことから比較的安価
に製造できる。更に、溶接部の耐粒界腐食性が優れてい
るため、溶接施工のままで排ガス伝熱部材等の過酷な腐
食環境に曝される用途に適した材料となる。また、優れ
た耐硫酸性を活用し、各種煙道,煙突等の構造材料とし
ても使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に従ったステンレス鋼を熱処理した後
の表面層の元素濃度分布
【図2】 SUS430J1Lステンレス鋼を熱処理し
た後の表面層の元素濃度分布

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cr:10〜18重量%,Nb:0.2
    〜1.0重量%,Si:1重量%以下,Mn:0.1〜
    1重量%,Cu:0.1〜0.4重量%,P:0.04
    〜0.15重量%を含み、X=Nb−7×(C+N)−
    P−0.15で定義されるX値が0以上であり、残部が
    実質的にFeからなる組成をもち、素地鋼に比較して2
    倍以上の割合でMnが濃縮された表層酸化物層をもつ排
    ガス伝熱部材用フェライト系ステンレス鋼。
  2. 【請求項2】 V含有量を0.1重量%以下に規制した
    請求項1記載の排ガス伝熱部材用フェライト系ステンレ
    ス鋼。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の組成をもつ鋼板又
    は鋼管に、酸素濃度10体積%以下の雰囲気中で900
    〜1100℃に加熱する焼鈍を施すことを特徴とする排
    ガス伝熱部材用フェライト系ステンレス鋼の製造方法。
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