JP2562740B2 - 耐粒界腐食性,造管性および高温強度に優れたフエライト系ステンレス鋼 - Google Patents

耐粒界腐食性,造管性および高温強度に優れたフエライト系ステンレス鋼

Info

Publication number
JP2562740B2
JP2562740B2 JP3133321A JP13332191A JP2562740B2 JP 2562740 B2 JP2562740 B2 JP 2562740B2 JP 3133321 A JP3133321 A JP 3133321A JP 13332191 A JP13332191 A JP 13332191A JP 2562740 B2 JP2562740 B2 JP 2562740B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
intergranular corrosion
corrosion resistance
steel
high temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3133321A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04228547A (ja
Inventor
武志 宇都宮
寿之 古木
俊郎 足立
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Steel Co Ltd filed Critical Nisshin Steel Co Ltd
Priority to JP3133321A priority Critical patent/JP2562740B2/ja
Publication of JPH04228547A publication Critical patent/JPH04228547A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2562740B2 publication Critical patent/JP2562740B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は, 耐粒界腐食性および造
管性と共に高温強度に優れたフエライト系ステンレス鋼
に関し,特に燃焼ガス流路であって凝縮水による腐食を
受ける部材に好適なステンレス鋼に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より燃焼ガス流路部材に使用されて
いるステンレス鋼には,低C低NのSUS410LやTi添加の
SUH409に代表される13Cr系のステンレス鋼, 或いはSUS
430Lに代表される18Cr系ステンレス鋼がある。これら
の材料は,使用中の材料到達温度や燃焼ガス中の凝縮水
等による腐食の程度によって使い分けがされており,成
分的にはいずれもCやNを低く抑え,またTi,Nb等の
固定元素を添加しているので粒界腐食に対する或る程度
の抵抗性を有している。
【0003】しかし,より過酷な条件, 例えば更に高温
の燃焼ガスを対象とする場合には特に13Cr系鋼におい
て粒界腐食の問題が生じるようになった。すなわち, こ
れらの材料はパイプに溶接造管されたり,溶接による組
み立てがなされた場合に,溶接による入熱によって, T
iCやM236の形で粒内に析出していた炭化物が固溶
し,さらにその後の高温の燃焼ガスによる加熱を受けて
Cr炭化物として粒界へ優先的に析出し,これによって
粒界近傍でCr欠乏層が生成するといった現象が生じ,
粒界腐食が起きる。Cr炭化物の粒界への優先的な析出
は鋭敏化現象と呼ばれているが,燃焼ガス温度が300℃
付近であればこの鋭敏化はそれほど進行しない。しか
し,13Cr系のフエライト鋼の鋭敏化温度域である500℃
付近にまで材料温度が上昇する場合には,この粒界腐食
の問題が顕在化する。このような粒界腐食は燃焼ガス流
路の下流側における結露環境に曝される部位, 例えば消
音装置などで特に問題となる。
【0004】一方, ボイラー等の燃焼帯域に近い上流側
部位の材料, 例えばダンパーやブロア等では高温強度特
性がより重要視される。そして,これら上流側部位と下
流側部位の中間の管路では耐粒界腐食性と高温強度の両
特性が要求される。
【0005】加えて, 燃焼ガス流路部材を製造するには
パイプに加工するための造管性に優れることが必要であ
る。造管の方法としては高周波造管が通常であるが,T
IG造管が行われる部材もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述の耐粒界腐食性を
向上させるべく,本発明者らはCrレベルを種々変化さ
せたうえTi添加量を増加させた材料を溶製し,その特
性を種々調べた結果, 13Cr系の材料を溶接後において
鋭敏化温度域で使用する場合には, 18Cr系ステンレス
鋼溶接部の粒界腐食防止に対して従来より行われてきた
手法とは異なった成分設計を必要とすることがわかっ
た。また耐粒界腐食性に関してはTiを十分に添加すれ
ば改善されるが,Tiを過剰に添加すると圧延材にスト
リーク状の表面疵が発生する上, 溶接造管するさいにピ
ンホールが発生し,造管できないこともわかった。ピン
ホール発生の原因を種々検討したところ,Ti添加量が
0.3%を超えた材料で特にピンホールの発生率が高くな
ることからTiの酸化物が主な原因と推定された。
【0007】このようなことから,Tiを用いた耐粒界
腐食性の向上では造管性が損なわれるので,耐粒界腐食
性と高周波造管性とを同時に満足する材料開発を新たに
必要とすることが明らかとなった。
【0008】本発明は,燃焼ガスの流路の構成材料とし
て,より過酷な条件に耐えるステンレス鋼への要求背景
のもとに,高温燃焼ガスでも優れた耐粒界腐食性を示し
且つ優れた造管性と高温強度を同時に兼備する新たなス
テンレス鋼の開発を目的としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば,厳密に
成分設計された次の4種の態様の耐粒界腐食性,造管性
および高温強度が同時に優れたフエライト系ステンレス
鋼を提供する。
【0010】(1)重量%で,C:0.02%以下,S
i:1.0%以下,Mn:2.0%以下,P:0.08
%以下,S:0.01%以下,Ni:0.6%以下,C
r:11.0〜15.0%,Nb:0.1〜1.0%,
V:1.0%以下,Al:0.05%以下,N:0.0
3%以下,O:0.01%以下を含有し,かつこれらの
成分の間に, 0.005≦C+N≦0.04%の関係と,次の式 I=Nb−7(C+N)+0.01(Cr−12) で定められるI値が0.15以上となる範囲に維持され
る関係が成立しており,残部がFeおよび不可避的不純
物からなる耐粒界腐食性,造管性および高温強度に優れ
たフエライト系ステンレス鋼,
【0011】(2) 重量%で,C:0.02%以下, Si:1.0
%以下, Mn:2.0%以下, P:0.08%以下, S:0.01%
以下, Ni:0.6%以下, Cr:11.0〜15.0%, Nb:0.3
〜1.0%, V:1.0%以下, Al:0.05%以下, N:0.03
%以下, O:0.01%以下を含有し,かつこれらの成分の
間に, 0.005≦C+N≦0.04%の関係と,次の式 I=Nb−7(C+N)+0.01(Cr−12) で定められるI値が0.30以上となる範囲に維持される関
係が成立しており,残部がFeおよび不可避的不純物か
らなる耐粒界腐食性,造管性および高温強度に優れたフ
エライト系ステンレス鋼,
【0012】(3)重量%で,C:0.02%以下,S
i:1.0%以下,Mn:2.0%以下,P:0.08
%以下,S:0.01%以下,Ni:0.6%以下,C
r:11.0〜15.0%,Nb:0.1〜1.0%,
V:1.0%以下,Al:0.05%以下,N:0.0
3%以下,O:0.01%以下を含有し,さらに0.5
%未満のCu,1.5%以下のMo,0.3%以下のT
i若しくはZr,1.0%以下のWの1種以上を含有
し,かつこれらの成分の間に, 0.005≦C+N≦0.04%の関係と,次の式 I=Nb+Ti−7(C+N)+0.01(Cr−1
2) で定められるI値が0.15以上となる範囲に維持され
る関係が成立し,残部がFeおよび不可避的不純物から
なる耐粒界腐食性,造管性および高温強度に優れたフエ
ライト系ステンレス鋼,および
【0013】(4)重量%で,C:0.02%以下,S
i:1.0%以下,Mn:2.0%以下,P:0.08
%以下,S:0.01%以下,Ni:0.6%以下,C
r:11.0〜15.0%,Nb:0.3〜1.0%,
V:1.0%以下,Al:0.05%以下,N:0.0
3%以下,O:0.01%以下を含有し,さらに,0.
5%未満のCu,1.5%以下のMo,0.3%以下の
Ti若しくはZr,1.0%以下のWの1種以上を含有
し,かつこれらの成分の間に, 0.005≦C+N≦0.04%の関係と,次の式 I=Nb+Ti−7(C+N)+0.01(Cr−1
2) で定められるI値が0.30以上となる範囲に維持され
る関係が成立し,残部がFeおよび不可避的不純物から
なる耐粒界腐食性,造管性および高温強度に優れたフエ
ライト系ステンレス鋼である。
【0014】
【作用】前記の目的を達成すべく,本発明者らはCとN
の固定元素として,Ti以外にZr,Nb,Vを添加した材
料の耐粒界腐食性および高周波造管性について調べたと
ころ,Zr添加鋼はTi添加鋼と同様にピンホールが発生
し充分な高周波造管性が得られなかったが,Nb,Vの同
時添加鋼では高周波造管性が良好となること,さらにC
量, N量及びCr量に応じてNbを適正量で添加すればよ
り耐粒界腐食性と高周波造管性を兼ね備えた材料が得ら
れることを見出した。またNb,Vの同時添加鋼に0.3%
を超えない範囲でTiを添加しても特に著しい造管性の
低下はないことがわかった。
【0015】Nb,Ti,V等の固定元素の種類および添加
量と耐粒界腐食性の関係を調査した結果, NbとTiはほ
ぼ同等の粒界腐食防止効果が認められた。Vについては
Nbあるいは (Nb+Ti)と複合で添加した場合に粒界腐
食防止に有効であった。
【0016】またNbとTiの添加量は溶接後に鋭敏化温
度域に曝されることを考慮すると, CとNを固定するの
に必要な量よりも増量して添加しておく必要があること
がわかった。更に, 必要なNbとTiの添加量は溶接方法
や材料のCrレベルによっても異なるが,13Cr系の材料
は18Cr系の材料よりも多く必要とすることも判明し
た。
【0017】本発明ではその指標として次式のI値を用
いる。 I=Nb+Ti−7(C+N)+0.01(Cr−12)
【0018】この式は本発明者らの実験によって設定さ
れたものではあるが,概念的に言えば,7(C+N) の項
はCとNの固定のために消費される量を意味し, 0.01
(C−12) の項は12Cr鋼をベースとしてCrレベルによ
る粒界腐食感受性の違いを示している。その詳細は後記
の実施例によっても示すが,実験の結果, スポット溶接
部の耐粒界腐食性を維持するためにはI値は0.15以上必
要である。また,これよりも入熱の大きいMAG溶接部
の耐粒界腐食性を維持するためにはI値は0.30以上必要
である。
【0019】さらに,この材料のC,N,Cr,Nb,Ti等
を種々変化させて高温強度特性を調べたところ,Nb含
有量に伴って高温強度が上昇するが,特にNb量が0.3な
いし0.4%以上においてその効果が著しいことがわかっ
た。Ti単独添加ではNb単独添加ほどの効果がなく,
C,N量についてもNbが炭窒化物として消費されるの
で,低C,Nの方が高強度となる傾向が認められた。現
段階では, 先の耐粒界腐食性に対するNb量とC,N量の
ような関係は,高温強度に対しては具体的的には得られ
ていないが,固溶Nbが高温での強度上昇に寄与してい
るものと思われる。
【0020】高温強度をNbによって向上させた点が原
明細書記載の発明を一層改善したところであり,Nb量
の絶対値を前記(1)と(3)の鋼では0.1〜1.0%, (2)と(4)
項の項では0.3〜1.0%としている。また,Vについても
原明細書では耐粒界腐食性改善のために添加したが,本
発明では強度向上の面からその上限値を1.0%とし, こ
れらNb,Vの効果を補足する元素としてW,Zrも添加し
ている。加えてTIG造管性の面や耐酸化性(スケール
密着性の改善)の点からMnの添加が好ましいので,原
明細書に比べてMnの含有量を増量している。しかし,
Mn量が2.0 %を越えて添加してもこれらの効果は飽和
し,耐食性の低下が著しくなるのでその上限を2.0%と
している。
【0021】CuやMoの添加は母材の耐食性を向上させ
るとともに, 溶接部の耐粒界腐食性を向上させる傾向が
認められた。その理由については明らかではないが,こ
れらの溶質原子が粒界へ偏析してCr炭化物の粒界析出
を抑制するとも考えられる。Cuは耐粒界腐食性だけで
なく造管性も向上させる傾向が認められたので,より厳
しい造管或いはより厳しい環境で使用される材料では添
加することが有効である。Moは耐食性だけでなく高温
強度も向上させるが,価格が高いので燃焼ガス流路の部
位に応じて使い分ける必要がある。
【0022】Tiと同様に強力な酸化物形成元素である
Alについてその添加量と造管性に及ぼす影響を調べた
が,Al量を0.05%以下にすることによりさらに良好な
造管性が得られた。
【0023】Pの添加量は,JIS G 4304等で規定された
通常のステンレス鋼においては, 加工性, 靭性の面から
0.04%以下に厳しく制限されている。ところが本発明鋼
のように極低C, Nで固定元素を添加した成分系の材料
を4.0mmより薄い板厚で使用する場合にはPを0.04%を
超えて含有しても靭性は問題とならず,耐食性や機械的
性質を犠牲にすることなく, 安価に材料を供給すること
が可能であるこがわかった。但し, P含有量が0.08%を
超えた材料では造管時のピンホールを増加させる傾向が
認められた。
【0024】本発明は,以上のような新たな知見事実に
基づくものであり,これによって高温燃焼ガス用途向け
での耐粒界腐食性,造管性並びに高温強度を同時に達成
したものであるが,各成分の含有量を規制した理由を個
別に概説すると次の通りである。
【0025】C:0.02%以下について。Cは鋼中に不可
避的に含まれる元素である。C含有量を低減すると,軟
質になり加工性が向上するとともに炭化物の生成が少な
くなり, 溶接性, 耐粒界腐食性が向上するし,Nbの消
費を抑えることにより高温強度の向上,コストの低減を
図ることができる。本発明鋼ではC含有量は0.02%まで
は許容され得る。
【0026】Si:1.0%以下について。Siは脱酸剤と
して製鋼上添加される元素である。Si含有量が高いと
耐酸化性の向上に役立つが, 1.0%を超えて添加される
と固溶強化により硬質になり加工性が低下する。そこで
Si含有量はその上限を1.0%とする。
【0027】Mn:2.0%以下について。MnもSiと同様
に製鋼時の脱酸剤として有効な元素であるとともに,溶
接性を向上させる。さらにスケール密着性の面から耐酸
化性にも寄与するが,過剰に添加するとMnSの化合物
を生成し耐食性が低下する。このためにMn含有量は2.0
%以下にする。
【0028】P:0.08%以下について。Pは不可避的不
純物として鋼中に含まれる元素であり, 脱P処理を施す
とコスト高となる。この意味からは低P鋼としない方が
有利である。本発明鋼の場合には0.08%までのP含有量
では靭性, 加工性において問題はない。また造管性にも
問題がない。従ってP含有量の上限は,一般のステンレ
ス鋼より高い0.08%とする。
【0029】S:0.01%以下について。SはPと同様に
不可避的不純物として鋼中に含まれる元素であるが, S
含有量が高いと熱間加工性や耐食性が低下する。このた
めにS含有量の上限は0.01%とする。
【0030】Ni:0.6%以下について。Niはフエライ
ト系ステンレス鋼の靭性改善に有効な元素であるが多す
ぎるとコスト高になる。本発明鋼も通常のフエライト系
ステンレス鋼で規定されている0.6%以下とする。
【0031】Cr:11.0〜15.0%について。 Crはステンレス鋼の耐食性を保持する上で必須の元素
であり,この意味から11.0%以上は必要である。本
発明鋼の特徴は12Crレベルでも十分に発現できる
が,さらに高いCrレベルの材料においても同様の効果
が期待できる。ただし,15.0%を超えてCrを含有
するとコスト高となるため,Crの含有量は11.0〜
15.0%とする。
【0032】Cu:0.5%未満について。 Cuは耐食性の向上や造管性向上のためには有効な元素
である。しかし,過剰の添加は熱間加工性を低下させる
とともにコスト高となるために添加する場合には0.5
%未満にする。
【0033】Mo:1.5%以下について。MoはCrと同様
に耐食性向上のためには非常に有効な元素であり,高温
強度向上にも大きく寄与する。しかし,多量に添加する
とコスト高となるため添加する場合には1.5%以下とす
る。
【0034】Nb:0.1〜1.0%または0.3〜1.0%につい
て。Nbは本発明において重要な添加元素の1つであ
る。すなわちNb含有量とともに耐粒界腐食性および高
温強度が上昇し, この効果を発現するには0.1%以上,
好ましくは0.3%以上の添加が必要である。NbはTiと
同様にCとNの固定元素として耐粒界腐食性の点からも
必要であり,Tiとの組み合わせで0.1%以上の添加で効
果を発現する。しかし,高温強度向上の面からは0.3%
以上の添加が好ましく使用部位によって使い分ける必要
がある。またNbはTiとは異なり0.3%以上添加しても
造管性が低下しないという特有の性質がある。しかし1.
0%を超えてNbを添加するとスポット溶接部あるいはT
IG溶接部において高温割れを生じ易くなる。したがっ
てNb含有量は0.1%以上1.0%以下, 好ましくは0.3%以
上1.0 %以下とする。
【0035】Ti:0.3%以下について。TiはNbと同様
に, CとNの固定元素として有効であり, Nbを一部置
換することができる。しかし過剰の添加はストリーク状
の表面疵を発生させたり, 高周波造管時のピンホールや
TIG造管時に酸化物生成による溶接欠陥であるスラグ
スポットを多数発生させるとともに,Nb添加による高
温強度上昇の効果を低下させる。このためTi含有量の
上限は0.3%としなければいけない。
【0036】V:1.0%以下について。Vは, Nb,Tiと
同様にCとNの固定元素として有効である。特にNbあ
るいは(Nb+Ti)と複合で添加した場合に,Nb,Tiの
粒界腐食防止効果を補う元素として極めて有効に作用す
る。また,VはNbと同じ第5族の元素であり,高温強
度に対してもNbと同様の効果を示す。しかし1.0%を超
えて添加してもその効果は飽和しコスト高となるだけで
あるから,含有量は1.0%以下とする。
【0037】W:1.0%以下について。WはNbと同様,
高温強度を向上させる元素である。しかし,1.0%を越
えて添加してもその効果は飽和しコスト高となるだけで
あるから,1.0%以下とする。
【0038】Zr:0.3%以下について。Zrは,NbやT
iと同様に強力なC,Nの固定元素であり,耐粒界腐食性
の向上が図れる。また高温強度に対しても寄与する。し
かし多量に添加すると造管性を低下させるとともに材料
を脆化させる。したがって,Zrの含有量は0.3%以下と
する。
【0039】Al:0.05%以下について。AlはSiと同
様に脱酸剤として製鋼上添加される。しかし酸素との反
応性が極めて高いために鋼中に残存したAlは高周波造
管時にTiと同様酸化物を形成しピンホール発生の原因
となる。このためAl含有量の上限は0.05%する。
【0040】N:0.03%以下について。NはCと同様に
不可避的不純物として鋼中に含まれてくる。N含有量が
高いと硬質になり, 加工性が低下するとともに, 窒化物
としてNb等の固定元素を多量に消費することになる。
本発明鋼ではN含有量は0.03%までは許容される。
【0041】O:0.01%以下について。OもCやNと同
様に不可避的不純物として鋼中に含まれてくる。O含有
量が高いと加工性を著しく阻害するとともに, 造管時に
Ti,Al等と結びついて酸化物を形成し,ピンホールや
スラグスポット発生の原因となる。このためO含有量は
0.01%以下としなければならない。
【0042】C+N:0.005〜0.04%について。耐粒界
腐食性はCr炭化物の粒界析出に起因する。したがっ
て,その防止のためにはC量の低減が最も重要である。
しかし本発明鋼のように固定元素を添加する場合には固
定元素はCと同様Nとも結合して消費されるのでC+N
の総和で両元素をコントロールすることが必要となる。
現在の通常の精錬技術ではC+Nを0.005%未満にする
ことは不可能に近く, また0.04%を超えると粒界腐食感
受性が増大しまた高温強度の低下が生ずる。従ってC+
Nの範囲は0.005〜0.04%とする。
【0043】I値:0.15以上または0.30以上について。
I値は,材料を溶接後,使用中において鋭敏化温度域で
ある500℃付近の熱履歴を受けることを想定して実験的
に設定された粒界腐食感受性の指標である。溶接方法と
してスポット溶接を行った場合の結果に基づいて設定す
ると,耐粒界腐食性確保のためにはI値は0.15以上の値
が必要である。またさらに入熱の大きいMAG溶接の実
験結果に基づいて設定すると0.30以上の値が必要であ
る。したがって, I値は0.15以上または0.30以上とす
る。これを代表的な実験結果に基づいて以下に説明す
る。
【0044】図1は, 後記実施例に示した鋼のうち12C
rベース鋼の粒界腐食試験の結果を(C+N)量と,Nb,T
i,(Nb+Ti)量の関係で示したものであり,図中の添字
は表1の供試材No.である。また,Nb添加鋼, Ti添加
鋼およびNb,Ti添加鋼をそれぞれ○, △および□と異
なった記号で示してある。粒界腐食の有無は記号の黒ぬ
り, 白ぬり, および半黒で区別してある。図1から明ら
かなようにNb,Ti等の固定元素の含有量が多い材料は
粒界腐食を生じておらず, 固定元素の種類による明確な
違いは認められない。耐粒界腐食性を確保するために必
要なNb,Ti量またはNb+Tiの量はC+N量によって
異なり, 実験結果からは, スポット溶接材では0.15+7
(C+N) 以上,MAG溶接材では0.30+7(C+N) 以
上必要であることがわかる。
【0045】これを数式化すると,スポット溶接材の粒
界腐食防止の条件としては, Nb+Ti≧0.15+7(C+N) すなわち, Nb+Ti−7(C+N)≧0.15 が成立することである。
【0046】またMAG溶接材の粒界腐食防止の条件と
しては, Nb+Ti≧0.30+7(C+N) すなわち, Nb+Ti−7(C+N) ≧0.30 が成立することである。
【0047】図2は, 図1で得られた関係に基づいて縦
軸をNb+Ti−7(C+N), 横軸をCr量として整理した
ものである。図中の数字と記号は図1と同様である。図
2から明らかなように, Crレベルが高い材料ほど耐粒
界腐食性を確保するために必要な有効固定元素量:Nb
+Ti−7(C+N) は少なくてすむことがわかる。
【0048】図1の場合と同様に, 粒界腐食防止の条件
をCr量を考慮して求めると, スポット溶接材では, Nb+Ti−7(C+N)≧0.15−0.01(Cr−12) すなわち, Nb+Ti−7(C+N)+0.01(Cr−12)≧0.15 ・・・
が成立することである。
【0049】一方, MAG溶接材では, Nb+Ti−7(C+N)≧0.30−0.01(Cr−12) すなわち, Nb+Ti−7(C+N)+0.01(Cr−12)≧0.30 ・・
・ が成立することである。これらと式の左辺がI値に
相当するものである。
【0050】図3は高周波造管性に及ぼすNb,Ti,Al
の影響を見たものであり,後記実施例において高周波造
管時に発生したピンホール数をNb量, Ti量およびAl
量で整理したものである。○はNb量を, △はTi量を,
そして◇はAl量を変化させた場合に対応し,添字は実
施例の供試材No.を示している。図3から明らかなよう
にTi量が0.3%を超えるとピンホール数が急激に多くな
り,高周波造管できない。Alは0.05%を超えた場合に
ピンホールが発生するようになる。これに対しNb添加
鋼ではその含有量が増加してもピンホールの発生は認め
らない。
【0051】図4は12%Cr鋼の600℃における耐力と引
張強さをNb量で整理したものである。0.3〜0.4%Nb付
近を境に強度の上昇が認められ, 1.0%Nb付近において
はその効果は飽和している。また△, ▲印でTi添加鋼
の値も合わせて示すが,Nb添加鋼に比べて強度レベル
は低い。
【0052】
【実施例】以下に, 実施例を挙げて本発明鋼の作用効果
を具体的に示す。表1に示す化学成分を有するステンレ
ス鋼を溶製し,熱間圧延により板厚3.5mmの熱延板を製
造した。その後, 板厚1.0〜1.2mmにまで冷間圧延し,90
0〜1000℃で仕上焼鈍を施したうえ供試材とした。
【0053】表1中,No.1〜No.9(但しNo.
4とNo.5はブランク)は本発明で規定する成分組成
範囲の鋼であり,いずれも固定元素としてNbとVが同
時添加されている。そのうち,No.6とNo.7はC
u含有鋼である。No.7は,CとNの固定元素として
さらにTiを,No.8はZrを添加した鋼である。N
o.9は高温強度向上のためWを添加している。
【0054】No.11〜17は比較鋼であり,これらの製造
履歴は本発明鋼と同じである。そのうちNo.11はSUH409
に, No.12はSUS410Lに相当する鋼である。No.13は本発
明鋼に比べAl含有量が多く, Nb含有量が少ない鋼であ
る。No.14,No.15およびNo.17はSUH409と同様にTi添加
鋼ではあるが,Ti含有量が多くCrレベルもSUH409の規
格を上回る鋼である。No.16は従来から存在している18
Cr系のNb添加鋼であるが, Vを添加していない鋼であ
る。
【0055】前記のようにして製造した各鋼の供試材を
次の粒界腐食試験および高周波造管性評価試験および高
温引張試験に供した。
【0056】粒界腐食試験はスポット溶接材とMAG溶
接材を用いて行った。スポット溶接は板厚1mmの試片を
2枚重ねて,加圧力350kgf,電流6000〜7000A,通電サ
イクル10Hzの条件で行った。MAG溶接は直径0.8mmのY
309ワイヤを用いて板厚1mmの板にビードオンプレート
で行った。溶接条件は電圧18V, 電流80〜90A, 速度10
0cm/minである。溶接後の試片はいずれも500℃×10時間
の加熱保持後にシュトラウス試験に供した。シュトラウ
ス試験はJIS G0575では沸騰で行なうことになっている
が, ここでは母材の腐食をさけるために60℃で行った。
粒界腐食の有無はナゲット部あるいはビード部と熱影響
部の断面組織を顕微鏡観察することによって評価し, 粒
界腐食が認められないものを○印, わずかに粒界腐食し
ているものを△印, 激しい粒界腐食のものを×印とし
て, その結果を表2に示した。
【0057】高周波造管性は板厚1.2mmの供試材鋼帯を
(a)式で定義されるヒート係数Hを2.26に設定して直径4
5mmのパイプに造管し, 得られたパイプを偏平試験に供
し割れの有無およびピンホールの数(個/m) で評価し,
その結果を表2に示した。 H=(I・V)/(v・t) ・・・(a) ただし,Iは電流,Vは電圧,vは速度,tは板厚であ
る。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】表2の結果に見られるように,本発明鋼は
スポット溶接材においてはいずれのサンプルにおいても
粒界腐食は生じていない。だが, MAG溶接材では,I
値が0.15〜0.29の範囲にあるNo.1,3,5,8鋼の熱影響部の
表層において,わずかな粒界腐食が認められた。
【0061】一方,比較鋼では, 固定元素のTiを0.40
%添加し,I値が0.26と,0.15を上回るNo.15鋼では,ス
ポット溶接材で粒界腐食が生じなく, MAG溶接材にお
ける粒界腐食も軽微であり, 0.54%Ti添加のNo.17鋼
(I値:0.37) ではスポットおよびMAG溶接材とも粒
界腐食は生じていなかったが,その他のサンプルではス
ポット溶接材, MAG溶接材いずれにおいても粒界腐食
が生じていた。特に固定元素を添加していないNo.12鋼
(SUS410L相当鋼) のMAG溶接材では500℃×10hの熱処
理を施さない溶接ままの状態でも激しい粒界腐食を生じ
ていた。No.16鋼はI値が0.16であり,本発明で規定す
る0.15以上を満足しているが, Vを添加していないため
スポット溶接材においても粒界腐食が認められた。
【0062】また高周波造管性について見ると,Ti含
有量が多い比較鋼のNo.15とNo.17鋼では割れが生じた。
特に0.54%TiのNo.17鋼では粗大な割れが生じた。Ti
含有量がNo.15やNo.17に比べれば若干少ないが,Tiが
0.3%を超えるNo.14鋼およびAl含有量が0.05%を超え
るNo.13鋼では割れは生じなかったもののピンホールが
発生した。これに対し, Ti,Al量を低く抑えたNb添加
の本発明鋼はいずれも割れおよびピンホールとも生じて
おらず, 良好な高周波造管性を示した。
【0063】前記のようにして製造した各鋼の供試材を
幅12.5mm平行部長さ95mmの試験片に加工し, JIS G 0576
に準じた方法で高温引張試験を行った。すなわち, 所定
の温度に到達し,15分間保持した後, 耐力までは0.3%/
min, 耐力以降は3mm/minの速度で引張った。
【0064】本発明鋼および比較鋼の各温度における引
張試験結果を図5に示す。●印で示したNo.2の本発明
鋼は◇印のSUH409相当鋼(No.11) および△印のSUS410L
相当鋼 (No.12)に比べて極めて高い引張強さを示す。特
に, 燃焼ガス流路部材の主な温度域である400℃から800
℃の範囲においてその差は著しく, 600℃では約2倍の
強度を有する。□印で示した18CrのNo.16鋼と比較して
も,800℃以下の耐力で若干劣るものの,引張強さでは
上回っている。
【0065】
【発明の効果】以上のように,本発明によれば耐粒界腐
食性,造管性に優れたうえに高温強度特性にも優れたフ
エライト系ステンレス鋼が得られた。この鋼は溶接部の
耐粒界腐食性に優れているため溶接施工のままで, 腐食
性の環境に使用することが可能である。さらにTiを多
量に添加した鋼に比べて表面疵も少ないので冷延工程で
の歩留りが高いうえ造管性に優れるので造管工程での歩
留りも高く, 比較的安価に製造することが可能となる。
また高温強度が高いため高温にさらされる部材への適用
に可能である。なお本発明鋼を下地鋼として表面にめっ
き処理を施せば凝縮水での耐食性をさらに向上させるこ
とが可能であり,ブロア,ダンパーなどの高温部位から
ブロアチューブ,消音装置,排気塔などの燃焼ガス凝縮
水による湿食部位まで一貫した材料で製造することが可
能となり,燃焼ガス流路用材として好適な材料が提供さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例に示した鋼のうち12Crベース鋼の粒
界腐食試験結果を横軸にC+N量を, 縦軸にNb,Ti,N
b+Ti量をとって整理した図である。
【図2】 実施例の粒界腐食試験結果について縦軸をN
b+Ti−7(C+N),横軸をCr量として整理した図であ
る。
【図3】 実施例の高周波造管試験結果についてNb量,
Ti量およびAl量で整理した図である。
【図4】 実施例の高温引張試験結果について横軸にN
b(Ti)量,縦軸に引張強さおよび耐力をとって整理した
図である。
【図5】 実施例に示した鋼の高温引張試験結果を横軸
に温度を, 縦軸に引張強さおよび耐力をとって整理した
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−90514(JP,A) 特開 平2−232345(JP,A) 特開 平1−172516(JP,A) 特開 昭62−89811(JP,A) 特開 昭60−46352(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で,C:0.02%以下,Si:
    1.0%以下,Mn:2.0%以下,P:0.08%以
    下,S:0.01%以下,Ni:0.6%以下,Cr:
    11.0〜15.0%,Nb:0.1〜1.0%,V:
    1.0%以下,Al:0.05%以下,N:0.03%
    以下,O:0.01%以下を含有し,かつこれらの成分
    の間に, 0.005≦C+N≦0.04%の関係と,次の式 I=Nb−7(C+N)+0.01(Cr−12) で定められるI値が0.15以上となる範囲に維持され
    る関係が成立しており,残部がFeおよび不可避的不純
    物からなる耐粒界腐食性,造管性および高温強度に優れ
    たフエライト系ステンレス鋼。
  2. 【請求項2】 重量%で,C:0.02%以下,Si:
    1.0%以下,Mn:2.0%以下,P:0.08%以
    下,S:0.01%以下,Ni:0.6%以下,Cr:
    11.0〜15.0%,Nb:0.3〜1.0%,V:
    1.0%以下,Al:0.05%以下,N:0.03%
    以下,O:0.01%以下を含有し,かつこれらの成分
    の間に, 0.005≦C+N≦0.04%の関係と,次の式 I=Nb−7(C+N)+0.01(Cr−12) で定められるI値が0.30以上となる範囲に維持され
    る関係が成立しており,残部がFeおよび不可避的不純
    物からなる耐粒界腐食性,造管性および高温強度に優れ
    たフエライト系ステンレス鋼。
  3. 【請求項3】 重量%で,C:0.02%以下,Si:
    1.0%以下,Mn:2.0%以下,P:0.08%以
    下,S:0.01%以下,Ni:0.6%以下,Cr:
    11.0〜15.0%,Nb:0.1〜1.0%,V:
    1.0%以下,Al:0.05%以下,N:0.03%
    以下,O:0.01%以下を含有し,さらに0.5%未
    のCu,1.5%以下のMo,0.3%以下のTi若
    しくはZr,1.0%以下のWの1種以上を含有し,か
    つこれらの成分の間に 0.005≦C+N≦0.04
    %の関係と,次の式 I=Nb+Ti−7(C+N)+0.01(Cr−1
    2) で定められるI値が0.15以上となる範囲に維持され
    る関係が成立し,残部がFeおよび不可避的不純物から
    なる耐粒界腐食性,造管性および高温強度に優れたフエ
    ライト系ステンレス鋼。
  4. 【請求項4】 重量%で,C:0.02%以下,Si:
    1.0%以下,Mn:2.0%以下,P:0.08%以
    下,S:0.01%以下,Ni:0.6%以下,Cr:
    11.0〜15.0%,Nb:0.3〜1.0%,V:
    1.0%以下,Al:0.05%以下,N:0.03%
    以下,O:0.01%以下を含有し,さらに,0.5%
    未満のCu,1.5%以下のMo,0.3%以下のTi
    若しくはZr,1.0%以下のWの1種以上を含有し,
    かつこれらの成分の間に 0.005≦C+N≦0.04%の関係と,次の式 I=Nb+Ti−7(C+N)+0.01(Cr−1
    2) で定められるI値が0.30以上となる範囲に維持され
    る関係が成立し,残部がFeおよび不可避的不純物から
    なる耐粒界腐食性,造管性および高温強度に優れたフエ
    ライト系ステンレス鋼。
JP3133321A 1990-10-15 1991-05-10 耐粒界腐食性,造管性および高温強度に優れたフエライト系ステンレス鋼 Expired - Lifetime JP2562740B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3133321A JP2562740B2 (ja) 1990-10-15 1991-05-10 耐粒界腐食性,造管性および高温強度に優れたフエライト系ステンレス鋼

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27333990 1990-10-15
JP2-273339 1990-10-15
JP3133321A JP2562740B2 (ja) 1990-10-15 1991-05-10 耐粒界腐食性,造管性および高温強度に優れたフエライト系ステンレス鋼

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04228547A JPH04228547A (ja) 1992-08-18
JP2562740B2 true JP2562740B2 (ja) 1996-12-11

Family

ID=26467702

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3133321A Expired - Lifetime JP2562740B2 (ja) 1990-10-15 1991-05-10 耐粒界腐食性,造管性および高温強度に優れたフエライト系ステンレス鋼

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2562740B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9399809B2 (en) 2011-02-08 2016-07-26 Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corporation Hot rolled ferritic stainless steel sheet, method for producing same, and method for producing ferritic stainless steel sheet

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0727503B1 (en) * 1993-10-20 2001-09-26 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Stainless steel for high-purity gas
EP3572544A4 (en) * 2017-01-19 2020-05-20 Nippon Steel Stainless Steel Corporation NON-OXIDIZABLE FERRITE-BASED STEEL, AND NON-OXIDIZABLE FERRITE-BASED STEEL FOR AUTOMOTIVE EXHAUST GAS ROUTING ELEMENT

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS511312A (ja) * 1974-06-22 1976-01-08 Nippon Steel Corp Kotaishokuseifueraitosutenresuko
JPS5943848A (ja) * 1982-09-03 1984-03-12 Mitsubishi Heavy Ind Ltd フエライト系ステンレス鋼
JPS5943849A (ja) * 1982-09-03 1984-03-12 Mitsubishi Heavy Ind Ltd フエライト系ステンレス鋼
JPS6046352A (ja) * 1983-08-25 1985-03-13 Kawasaki Steel Corp 耐食性に優れたフエライト系ステンレス鋼
JPS6289811A (ja) * 1985-10-14 1987-04-24 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 高強度高Crフエライト鋼の熱処理法
FR2589482B1 (fr) * 1985-11-05 1987-11-27 Ugine Gueugnon Sa Tole ou bande en acier ferritique inoxydable, en particulier pour systemes d'echappement
US4834808A (en) * 1987-09-08 1989-05-30 Allegheny Ludlum Corporation Producing a weldable, ferritic stainless steel strip
JPH07110970B2 (ja) * 1987-12-26 1995-11-29 新日本製鐵株式会社 耐応力腐食割れ性の優れた針状フェライトステンレス鋼の製造方法
JPH0621323B2 (ja) * 1989-03-06 1994-03-23 住友金属工業株式会社 耐食、耐酸化性に優れた高強度高クロム鋼
JP2833042B2 (ja) * 1989-08-31 1998-12-09 大同特殊鋼株式会社 金属拡張アンカーの製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9399809B2 (en) 2011-02-08 2016-07-26 Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corporation Hot rolled ferritic stainless steel sheet, method for producing same, and method for producing ferritic stainless steel sheet
US10072323B2 (en) 2011-02-08 2018-09-11 Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corporation Hot rolled ferritic stainless steel sheet, method for producing same, and method for producing ferritic stainless steel sheet

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04228547A (ja) 1992-08-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4258679B1 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼
TWI399443B (zh) Heat-resistant fat iron-based stainless steel
JP5489759B2 (ja) ブラックスポットの生成の少ないフェライト系ステンレス鋼
WO2011111871A1 (ja) 耐酸化性に優れたフェライト系ステンレス鋼板並びに耐熱性に優れたフェライト系ステンレス鋼板及びその製造方法
JP2012036444A (ja) ブラックスポットの生成の少ないフェライト系ステンレス鋼
JPH0565762B2 (ja)
JP5703075B2 (ja) 耐熱性に優れたフェライト系ステンレス鋼板
JPH0517850A (ja) 耐カツパーチエツキング性に優れた高クロムフエライト系耐熱鋼
JP5937861B2 (ja) 溶接性に優れた耐熱フェライト系ステンレス鋼板
JP5208450B2 (ja) 熱疲労特性に優れたCr含有鋼
JP3745567B2 (ja) 電縫溶接性に優れたボイラ用鋼およびそれを用いた電縫ボイラ鋼管
JP4377869B2 (ja) 電縫溶接性に優れたボイラ用鋼およびそれを用いた電縫ボイラ鋼管
JP5428396B2 (ja) 耐熱性と溶接性に優れるフェライト系ステンレス鋼
JP2562740B2 (ja) 耐粒界腐食性,造管性および高温強度に優れたフエライト系ステンレス鋼
JP2021105204A (ja) オーステナイト系耐熱鋼
JP2908228B2 (ja) 耐溶接高温割れ性に優れたフェライト鋼溶接材料
JP5012194B2 (ja) 溶接継手強度が高い温水器用フェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法
JP4542361B2 (ja) 耐溶接部再熱割れ性に優れたフェライト系電縫ボイラ鋼管および製造法
JP3529946B2 (ja) 排ガス伝熱部材用フェライト系ステンレス鋼及び製造方法
JPH08239737A (ja) 熱間加工性および耐σ脆化性に優れた耐熱用オーステナイト系ステンレス鋼
JP2001140040A (ja) 耐硫化物応力割れ性に優れた低炭素フェライト−マルテンサイト二相ステンレス溶接鋼管
JPS6199661A (ja) ラインパイプ用高強度高靭性溶接クラツド鋼管
JP2020164919A (ja) オーステナイト系耐熱鋼
JP2543448B2 (ja) エンジン排ガスの導出パイプ
JP2575250B2 (ja) 耐食性および溶接性の優れたラインパイプ

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19960709

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080919

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090919

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100919

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100919

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110919

Year of fee payment: 15

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110919

Year of fee payment: 15