JPH1024237A - 排ガス浄化用触媒の製造方法 - Google Patents

排ガス浄化用触媒の製造方法

Info

Publication number
JPH1024237A
JPH1024237A JP8180236A JP18023696A JPH1024237A JP H1024237 A JPH1024237 A JP H1024237A JP 8180236 A JP8180236 A JP 8180236A JP 18023696 A JP18023696 A JP 18023696A JP H1024237 A JPH1024237 A JP H1024237A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
exhaust gas
tungsten
molybdenum
catalyst
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8180236A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshimi Kawashima
義実 河島
Tadashi Kesen
忠 氣仙
Masato Kurihara
正人 栗原
Masanori Kamikubo
真紀 上久保
Hiroshi Akama
弘 赤間
Hiroyuki Kanesaka
浩行 金坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd, Nissan Motor Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority to JP8180236A priority Critical patent/JPH1024237A/ja
Publication of JPH1024237A publication Critical patent/JPH1024237A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温のエンジン排ガスに長時間曝されても活
性劣化の少ない、高い耐熱性および耐久性を備えた実用
に供し得るCu−ゼオライト系触媒の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 銅成分と、モリブデン成分及び/又はタ
ングステン成分とを含有する多孔質結晶性アルミノケイ
酸塩(ゼオライト)を主成分とする無機物からなる排ガ
ス浄化用触媒を製造するにあたり、(1)銅成分と、モ
リブデン成分及び/又はタングステン成分とを含有し、
pHが7〜12に調整された水溶液を用いて、該ゼオラ
イトに、銅成分と、モリブデン成分及び/又はタングス
テン成分とを担持せしめるか、又は(2)モリブデン成
分及び/又はタングステン成分を含有し、pHが7〜1
2に調整された水溶液を用いて、該ゼオライトにモリブ
デン成分及び/又はタングステン成分とを担持せしめる
第1工程と、第1工程で得られたモリブデン及び/又は
タングステン担持ゼオライトに銅成分を担持せしめる第
2工程とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガス浄化用触媒
の製造方法に関し、特に、自動車エンジン等の内燃機関
の空燃比が希薄燃焼(リーン・バーン)領域であっても
有効に排ガスを浄化し、かつ高温で長時間使用しても活
性劣化の少ない、耐熱性、耐久性に優れた排ガス浄化用
触媒の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属
や、鉄、コバルト、銅、ニッケル等の各種金属をイオン
交換法や含浸法で多孔質結晶性アルミノケイ酸塩に含有
させて得られる触媒は、各種排ガス浄化用触媒として幅
広く用いられている。例えば、金属として銅を担持した
Cu−ゼオライト系触媒は高いガス空間速度条件下でも
排ガス処理能力が高く、高い触媒活性を有する。特に、
酸素を多く含む希薄燃焼(リーン・バーン)排ガス中の
NOxを除去することは、従来の三元触媒では困難であ
ったが、Cu−ゼオライト系触媒によれば、共存炭化水
素を還元剤としてリーン・バーン排ガス中のNOx除去
が可能である。このため、自動車のような移動発生源や
定置式エンジンからの排ガスを浄化するため、Cu−ゼ
オライト系触媒の適用が期待されている。
【0003】しかし、上記従来のCu−ゼオライト系触
媒は、水蒸気を含有する600℃以上の高温でかつ雰囲
気が変動する環境下で長時間使用すると浄化性能が経時
的に低下し、長期使用には耐えられない。従ってCu−
ゼオライト系触媒の実用化のためには、上記したような
触媒劣化を抑制することが必須である。Cu−ゼオライ
ト系触媒の高温での劣化原因は、ゼオライト中にイオン
状態で担持されたCuが熱によって担持サイトから抜け
て移動し、シンタリングを起こすためと考えられてい
る。これには、ゼオライトのイオン交換サイトの変質と
Cu自身の安定性が重要な因子となっていることが指摘
されている。
【0004】そこで、特開平3−131345号、特開
平3−202157号、特開平3−135437号、特
開平4−4045号各公報にみられるように、ゼオライ
トおよび活性成分であるCuを安定化させるために各種
有効成分の添加が精力的に研究され、提案されてきた。
この有効成分としては、アルカリ土類金属、希土類金属
をはじめとして、実に数多くの成分が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来法によっては、いずれも実用レベルに充分な耐熱性、
耐久性を有せず、実用的なリーン・バーン排ガス浄化用
触媒が得られていないのが実状である。従って、本発明
の目的は、従来技術の欠点を解消し、高温のエンジン排
ガスに長時間曝されても活性劣化の少ない、高い耐熱性
および耐久性を備えた実用に供し得るCu−ゼオライト
系触媒を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、Cu成分と、
モリブデン成分及び/又はタングステン成分とを含有す
るゼオライトを主成分とする無機物からなる排ガス浄化
用触媒を製造するにあたり、Cu成分と、モリブデン成
分及び/又はタングステン成分とをゼオライトに担持せ
しめるのに用いる水溶液のpHを正確に制御することに
より、上記問題点を解決できることを見いだし、本発明
を達成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、銅成分と、モリブデン成
分及び/又はタングステン成分とを含有する多孔質結晶
性アルミノケイ酸塩(ゼオライト)を主成分とする無機
物からなる排ガス浄化用触媒を製造するにあたり、銅成
分と、モリブデン成分及び/又はタングステン成分とを
含有し、pHが7〜12に調整された水溶液を用いて、
該ゼオライトに、銅成分と、モリブデン成分及び/又は
タングステン成分とを担持せしめることを特徴とする。
【0008】また、本発明は、銅成分と、モリブデン成
分及び/又はタングステン成分とを含有する多孔質結晶
性アルミノケイ酸塩(ゼオライト)を主成分とする無機
物からなる排ガス浄化用触媒を製造するにあたり、モリ
ブデン成分及び/又はタングステン成分を含有し、pH
が7〜12に調整された水溶液を用いて、該ゼオライト
にモリブデン成分及び/又はタングステン成分とを担持
せしめる第1工程と、第1工程で得られたモリブデン及
び/又はタングステン担持ゼオライトに銅成分を担持せ
しめる第2工程とを設けることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の排ガス浄化用触媒を製造
する第1の方法は、銅成分と、モリブデン成分及び/又
はタングステン成分とを含有し、pHが7〜12に調整
された水溶液を用いて、多孔質結晶性アルミノケイ酸塩
(ゼオライト)に、銅成分と、モリブデン成分及び/又
はタングステン成分とを担持せしめる。
【0010】銅と、モリブデン及び/又はタングステン
とを含有する上記水溶液のpHは、特に、塩酸及び/又
は水溶性含窒素化合物を用いてpH7〜12の範囲に調
整することが有効である。pHが7より小さいとモリブ
デン及び/又はタングステン成分とゼオライト表面との
相互作用が強すぎ、一方12より高いとゼオライトのイ
オン交換サイトに含窒素化合物が過剰に吸着されて銅成
分及び/又はモリブデン及び/又はタングステン成分の
担持が妨げられる。このように銅、モリブデン及び/又
はタングステンのpHを7〜12に制御した混合水溶液
を用いることにより、銅と、モリブデン及び/又はタン
グステンとの相互作用が強くなり、活性成分である銅が
安定になると考えられる。
【0011】また、本発明の排ガス浄化用触媒を製造す
る第2の方法は、モリブデン成分及び/又はタングステ
ン成分を含有し、pHが7〜12に調整された水溶液を
用いて、多孔質結晶性アルミノケイ酸塩(ゼオライト)
にモリブデン成分及び/又はタングステン成分とを担持
せしめる第1工程と、第1工程で得られたモリブデン及
び/又はタングステン担持ゼオライトに銅成分を担持せ
しめる第2工程とを設ける。
【0012】上記第1工程中、モリブデン及び/又はタ
ングステンを含有する水溶液のpHを7〜12に制御す
る方法としては、塩酸及び/又は水溶性含窒素化合物を
用いると有効である。
【0013】このように銅を担持する第2工程の前にイ
オン交換サイトを安定化させる作用のあるモリブデン及
び/又はタングステンを担持する第1工程を設けること
により、第2工程で担持される銅成分を、イオン交換サ
イトに、より安定化することができると考えられる。
【0014】また、上記第2工程において、銅を含有す
る水溶液のpHは7〜12に調整されることが好まし
い。pHが7より小さいとMo及び/又はW成分とゼオ
ライト表面との相互作用が強すぎ、一方12より高いと
ゼオライトのイオン交換サイトに含窒素化合物が過剰に
吸着されて、Cu成分及びMo及び/又はW成分の担持
が妨げられる。
【0015】本発明において用いられる水溶性含窒素化
合物には、アンモニア、尿素等が含まれる。
【0016】また、本発明において用いられる出発ゼオ
ライトは、H(プロトン)型、Na型、NH4 型等のい
ずれの型のものでもよく、特に、SiO2 /Al2 3
モル比が20以上80以下のモルデナイト又はZSM5
であることが望ましい。SiO2 /Al2 3 モル比が
20未満ではイオン交換サイトの数が多くなり成分担持
量、すなわち活性サイトの数を増加できるがゼオライト
構造の安定性が低下する。一方、該モル比が80を越え
る場合には、成分の担持量が不十分で低活性となる。
【0017】また、本発明においては、上記水溶液中に
おける銅と、モリブデン及び/又はタングステンの量が
重要なパラメーターであり、吸着水を除去した該ゼオラ
イトに対する銅量が2.0〜8.0重量%、モリブデン
及び/又はタングステンの量が0.1〜3.0重量%と
することにより、銅と、モリブデン及び/又はタングス
テンとの相互作用が強くなり、活性成分である銅が安定
になるという顕著な効果が得られる。銅量が2.0重量
%より少ないと活性が不十分であり、8.0重量%より
多いとゼオライトの細孔閉塞を起こし性能が低下する。
モリブデン及び/又はタングステンの量が0.1重量%
より少ないとモリブデン及び/又はタングステンによる
銅の安定化効果が得られず、多すぎる場合はモリブデン
及び/又はタングステンによるHC酸化性能が強くなり
すぎNOx還元性能が低下する。
【0018】ゼオライトへのCu成分と、Mo及び/又
はW成分の担持法としては、イオン交換法、含浸法、浸
漬法、混練法等のいずれの方法も可能であり、特に制限
されるものではない。しかし、最も一般的に用いられる
のはイオン交換法及び含浸法であり、安定した性能の触
媒が得られやすい。
【0019】また、本発明で用いられる各担持成分の原
料としては、水に対する溶解度の比較的大きい各種化合
物を使用することが望ましい。モリブデン成分として
は、例えばモリブデン酸のアンモニウム塩、カリウム
塩、カルシウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩等があげ
られる。また、モリブデンヘキサカルボニル等の有機モ
リブデンや、モリブドリン酸等のヘテロポリ酸が挙げら
れるがこれに限定されるわけではない。タングステン成
分としては、例えばタングステン酸のアンモニウム塩、
カリウム塩、カルシウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩
等や、タングステンヘキサカルボニル等の有機タングス
テンや、タングストリン酸等のヘテロポリ酸が挙げられ
るが、これに限定されるわけではない。
【0020】本発明においてはゼオライトに各成分を担
持させた後は、通常の工程、すなわち、乾燥により大部
分の水分を除去した後、500℃以上の温度で焼成する
工程を経て、触媒粉が得られる。この焼成工程でゼオラ
イトに吸着された大部分の塩酸成分および含窒素化合物
は除去される。塩酸成分および含窒素化合物は、上記各
担持成分をゼオライト細孔内に拡散、高分散させるため
に有効な成分であり、必ずしも触媒中に残存する必要性
はないが、残存しても触媒性能に悪影響は与えない。
【0021】本発明の製造方法で得られた触媒は、任意
の形状に成形して用いられるが、通常はハニカム形状で
使用するのが好ましく、通常、ハニカム状に成形された
各種担体基材に触媒粉末を塗布して用いられる。この場
合、上記のようにして得られた触媒粉をアルミナゾル等
のバインダーと混合し、さらに水を加えてスラリー状と
してハニカム材に塗布する。ハニカム材料としては、一
般にコージェライト質のものが多く用いられるが、これ
に限定されるものではなく、金属材料からなるハニカム
担体を用いることもできるし、さらには触媒粉末そのも
のをハニカム形状に成形してもよい。触媒の形状をハニ
カム状とすることにより、触媒と排ガスとの接触面積を
大きくでき、圧力損失も抑えられる。さらには、一体型
であるこめ振動による磨耗がほとんどなく、自動車排ガ
ス浄化用触媒として極めて有利となる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を次の実施例、比較例及び試験
例により説明する。実施例1 酢酸銅0.1M及びモリブデン酸アンモニウム0.01
Mを含有する水溶液に、36%塩酸(HCl)及び5%
アンモニアを添加して、液のpHを8.5とした。この
液に、SiO2 /Al2 3 モル比が33のNa型ZS
M5粉末1kg(乾燥重量)を加え、混合・攪拌し、液
pHを終始8.5に保持した。次いで、該液をろ過する
ことにより、固液分離し、得られたゼオライトケーキを
120℃で12時間以上乾燥し、余分な水分を除去し
た。この乾燥粉を大気雰囲気下電気炉により、600℃
で4時間焼成することにより、Cu及びMoを含有する
ZSM5触媒粉を得た。このときの触媒粉末中のCu担
持量は2.5重量%、Mo担持量は0.2重量%であっ
た。
【0023】この触媒粉末と、吸着水を除いた該触媒粉
に対して12重量%のアルミナゾルと水とをボールミル
ポットに入れ、2時間粉砕・混合してスラリーを得た。
このスラリーを、1平方インチ断面当り、約400個の
流路を持つコージェライト製ハニカム担体に塗布し、熱
風乾燥した後、500℃で1時間焼成し、排気ガス浄化
用触媒を得た。ハニカムへの触媒担持量はゾル部を除い
て、170g/Lであった。
【0024】実施例2 硝酸銅0.2M及びタングステン酸アンモニウム0.0
15Mを含有する水溶液に、5%アンモニアを添加して
液のpHを11.0とした。この液に、SiO 2 /Al
2 3 モル比が43のH型ZSM5粉末1kg(乾燥重
量)を加え、混合・攪拌し、液pHを終始11.0に保
持した。次いで、該液をろ過することにより、固液分離
し、得られたゼオライトケーキを120℃で12時間以
上乾燥し、余分な水分を除去した。この乾燥粉を大気雰
囲気下電気炉により、600℃で4時間焼成することに
より、Cu及びWを含有するZSM5触媒粉を得た。こ
のときの触媒粉末中のCu担持量は4.3重量%、W担
持量は0.4重量%であった。この触媒粉を、実施例1
と同様にハニカム担体に担持し、排気ガス浄化用触媒を
得た。
【0025】実施例3 硝酸銅0.2M及びモリブデン酸アンモニウム0.01
M及びタングステン酸アンモニウム0.02Mを含有す
る水溶液に、36%塩酸(HCl)及び5%アンモニア
を添加して液のpHを9.8とした。この液に、SiO
2 /Al2 3モル比が22のモルデナイト粉末1kg
(乾燥重量)を加え、混合・攪拌し、液pHを終始9.
8に保持した。次いで、該液をろ過することにより、固
液分離し、得られたゼオライトケーキを120℃で12
時間以上乾燥し、余分な水分を除去した。この乾燥粉を
大気雰囲気下電気炉により、600℃で4時間焼成する
ことにより、Cu,Mo及びWを含有するZSM5触媒
粉を得た。このときの触媒粉末中のCu担持量は6.8
重量%、Mo担持量は0.2重量%、W担持量は0.7
重量%であった。この触媒粉を、実施例1と同様にハニ
カム担体に担持し、排気ガス浄化用触媒を得た。
【0026】実施例4 モリブデン酸アンモニウム0.015Mを含有する水溶
液に、5%アンモニアを添加して液pHを9.5とし
た。この液に、SiO2 /Al2 3 モル比が33のN
a型ZSM5粉末1kg(乾燥重量)を含浸することに
より、予めMo成分を含有したZSM5粉末、Mo−Z
SM5粉末を得た。一方、硝酸銅の水溶液(0.2M)
を調整し、この水溶液に上記Mo−ZSM5粉末を加
え、混合・攪拌した。次いで、該液をろ過することによ
り、固液分離し、得られたゼオライトケーキを120℃
で12時間以上乾燥し、余分な水分を除去した。この乾
燥粉を大気雰囲気下電気炉により、600℃で4時間焼
成することにより、Cu及びMoを含有するZSM5触
媒粉を得た。このときの触媒粉末中のCu担持量は4.
6重量%、Mo担持量は0.3重量%であった。この触
媒粉を、実施例1と同様にハニカム担体に担持し、排気
ガス浄化用触媒を得た。
【0027】実施例5 タングステン酸アンモニウム0.03Mを含有する水溶
液に、36%塩酸(HCl)及び尿素を添加し、液を約
70℃に温め、液のpHを7.2とした。この液に、S
iO2 /Al2 3 モル比が22のモルデナイト粉末1
kg(乾燥重量)を含浸することにより、予めMo成分
を含有したモルデナイト粉末、Mo−モルデナイト粉末
を得た。一方、硝酸銅の水溶液(0.3M)を調整し、
この水溶液に上記Mo−モルデナイト粉末を加え、混合
・攪拌した。次いで、該液をろ過することにより、固液
分離し、得られたゼオライトケーキを120℃で12時
間以上乾燥し、余分な水分を除去した。この乾燥粉を大
気雰囲気下電気炉により、600℃で4時間焼成するこ
とにより、Cu及びMoを含有するモルデナイト触媒粉
を得た。このときの触媒粉末中のCu担持量は5.3重
量%、W担持量は1.0重量%であった。この触媒粉
を、実施例1と同様にハニカム担体に担持し、排気ガス
浄化用触媒を得た。
【0028】実施例6 モリブデン酸アンモニウム0.01Mを含有する水溶液
に、36%塩酸(HCl)及び5%アンモニアを添加し
て液のpHを9.8とした。この液に、SiO 2 /Al
2 3 モル比が33のNa型ZSM5粉末1kg(乾燥
重量)を含浸することにより、予めMo成分を含有した
ZSM5粉末、Mo−ZSM5粉末を得た。一方、アン
モニアを添加して液pHを8.9とした硝酸銅の水溶液
(0.2M)を調整し、この水溶液に上記Mo−ZSM
5粉末を加え、混合・攪拌し、液pHを終始8.9に保
持した。次いで、該液をろ過することにより、固液分離
し、得られたゼオライトケーキを120℃で12時間以
上乾燥し、余分な水分を除去した。この乾燥粉を大気雰
囲気下電気炉により、600℃で4時間焼成することに
より、Cu及びMoを含有するZSM5触媒を得た。こ
のときの触媒粉末中のCu担持量は5.9重量%、Mo
担持量は0.2重量%であった。この触媒粉を、実施例
1と同様にハニカム担体に担持し、排気ガス浄化用触媒
を得た。
【0029】実施例7 タングステン酸アンモニウム0.01Mを含有する水溶
液に、36%塩酸(HCl)及び5%アンモニアを添加
して液のpHを11.0とした。この液に、SiO2
Al2 3 モル比が60のNH4 型ZSM5粉末1kg
(乾燥重量)を含浸することにより、予めW成分を含有
したZSM5粉末、W−ZSM5粉末を得た。一方、ア
ンモニアを添加して液pHを10.0とした硝酸銅の水
溶液(1.0M)を調整し、この水溶液に上記W−ZS
M5粉末を加え、混合・攪拌し、液pHを終始10.0
に保持した。次いで、該液をろ過することにより、固液
分離し、得られたゼオライトケーキを120℃で12時
間以上乾燥し、余分な水分を除去した。この乾燥粉を大
気雰囲気下電気炉により、600℃で4時間焼成するこ
とにより、Cu及びWを含有するZSM5触媒粉を得
た。このときの触媒粉末中のCu担持量は7.5重量
%、W担持量は0.1重量%であった。この触媒粉を、
実施例1と同様にハニカム担体に担持し、排気ガス浄化
用触媒を得た。
【0030】実施例8 モリブデン酸アンモニウム0.02M及びタングステン
酸アンモニウム0.01Mを含有する水溶液に、36%
塩酸(HCl)及び尿素を添加し、液温度を約70℃に
温め、液のpHを7.2とした。この液に、SiO2
Al2 3 モル比が33のH型ZSM5粉末1kg(乾
燥重量)を含浸することにより、予めMo及びW成分を
含有したZSM5粉末、Mo−W−ZSM5粉末を得
た。一方、36%塩酸及び5%アンモニアを添加して液
pHを8.0とした硝酸銅の水溶液(0.5M)を調整
し、この水溶液に上記Mo−W−ZSM5粉末を加え、
混合・攪拌し、液pHを終始8.0に保持した。次い
で、該液をろ過することにより、固液分離し、得られた
ゼオライトケーキを120℃で12時間以上乾燥し、余
分な水分を除去した。この乾燥粉を大気雰囲気下電気炉
により、600℃で4時間焼成することにより、Cu及
びMo及びWを含有するZSM5触媒粉を得た。このと
きの触媒粉末中のCu担持量は6.1重量%、Mo担持
量は0.5重量%、W担持量は0.2重量%であった。
この触媒粉を、実施例1と同様にハニカム担体に担持
し、排気ガス浄化用触媒を得た。
【0031】比較例1 実施例1の酢酸銅及びモリブデン酸アンモニウムを含有
する水溶液のpHを5.0にした以外は実施例1と同様
にして、排気ガス浄化用触媒を得た。このときの触媒粉
末中のCu担持量は1.5重量%、Mo担持量は0.0
5重量%であった。
【0032】比較例2 実施例1の酢酸銅及びモリブデン酸アンモニウムを含有
する水溶液のpHを13にした以外は実施例1と同様に
して排気ガス浄化用触媒を得た。このときの触媒粉末中
のCu担持量は5.3重量%、Mo担持量は0.4重量
%であった。
【0033】比較例3 硝酸銅の水溶液(0.3M)を調整し、この水溶液に、
SiO2 /Al2 3モル比が33のNa型ZSM5粉
末1kg(乾燥重量)を加え、混合・攪拌した。次い
で、該液をろ過することにより、予めCu成分を含有し
たZSM5粉末、Cu−ZSM5粉末を得た。一方、モ
リブデン酸アンモニウム0.1Mを含有する水溶液に5
%アンモニアを添加して液pHを11.0とした。この
水溶液に上記Cu−ZSM5粉末を含浸し、120℃以
上で12時間以上乾燥し、余分な水分を除去した。この
乾燥粉を大気雰囲気下電気炉により、600℃で4時間
焼成することにより、Cu及びMoを含有するZSM5
触媒粉を得た。このときの触媒粉末中のCu担持量は
8.2重量%、Mo担持量は3.2重量%であった。こ
の触媒粉を、実施例1と同様にハニカム担体に担持し、
排気ガス浄化用触媒を得た。
【0034】比較例4 実施例4のモリブデン酸アンモニウムを含有する水溶液
のpHを6にした以外は実施例4と同様にして排気ガス
浄化用触媒を得た。このときの触媒粉末中のCu担持量
は4.2重量%、Mo担持量は0.2重量%であった。
【0035】比較例5 実施例4のモリブデン酸アンモニウムを含有する水溶液
のpHを13にした以外は実施例4と同様にして、排気
ガス浄化用触媒を得た。このときの触媒粉末中のCu担
持量は7.6重量%、Mo担持量は0.5重量%であっ
た。
【0036】試験例 前記実施例1〜8及び比較例1〜5の排気ガス浄化用触
媒について、以下に記載する排気モデルガスによる常圧
固定床流通式反応装置を用いて、初期及び、以下の条件
の、自動車エンジンの実排気ガスを用いた急速耐久処理
後の触媒活性評価を行った。
【0037】活性評価条件 評価装置:常圧固定床流通式反応装置 触媒容量:0.1L ガス空間速度:約24,000 排気モデルガス組成:全炭化水素=3000ppm NO=約500ppm CO=2000ppm O2 =8.0% CO2 =12% H2 O=10% N2 =残部
【0038】急速耐久処理条件 触媒入口排気ガス温度:630℃ エンジン:日産自動車(株)製V型8気筒3000cc
エンジン使用 平均空燃比(A/F):約20(燃料カットあり) 燃料:無鉛レギュラーガソリン 処理時間:30h
【0039】各排気ガス浄化用触媒の初期及び耐久後の
触媒活性評価値は、以下の式により決定した。
【数1】 得られた触媒活性評価結果を、その排気ガス浄化用触媒
組成とともに表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の排ガ
ス浄化用触媒の製造方法は、銅成分と、モリブデン成分
及び/又はタングステン成分とをゼオライトに担持せし
めるのに用いる担持成分含有水溶液のpHを正確に制御
することにより、リーン・バーン排ガス中のNOxを効
率よく浄化することができ、かつ高温で長時間使用して
も劣化が少なく、耐熱性、耐久性に優れた触媒が得られ
る。従って本触媒により、環境汚染が少なく、経済性
(燃費)に優れたエンジン、燃焼器を提供することが可
能である。また、本発明の方法では、従来法と比較し
て、Cu担持が効率よく行えるため、製造に費やす労
力、エネギーを節約することも可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 53/36 102H (72)発明者 栗原 正人 千葉県袖ヶ浦市上泉1280番地 出光興産株 式会社内 (72)発明者 上久保 真紀 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 赤間 弘 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 金坂 浩行 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅成分と、モリブデン成分及び/又はタ
    ングステン成分とを含有する多孔質結晶性アルミノケイ
    酸塩(ゼオライト)を主成分とする無機物からなる排ガ
    ス浄化用触媒を製造するにあたり、銅成分と、モリブデ
    ン成分及び/又はタングステン成分とを含有し、pHが
    7〜12に調整された水溶液を用いて、該ゼオライト
    に、銅成分と、モリブデン成分及び/又はタングステン
    成分とを担持せしめることを特徴とする排気ガス浄化用
    触媒の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の排ガス浄化用触媒の製造
    方法において、銅成分と、モリブデン成分及び/又はタ
    ングステン成分とを含有する水溶液のpHを、塩酸及び
    /又は水溶性含窒素化合物を用いてpH7〜12の範囲
    に調整することを特徴とする排気ガス浄化用触媒の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 銅成分と、モリブデン成分及び/又はタ
    ングステン成分とを含有する多孔質結晶性アルミノケイ
    酸塩(ゼオライト)を主成分とする無機物からなる排ガ
    ス浄化用触媒を製造するにあたり、モリブデン成分及び
    /又はタングステン成分を含有し、pHが7〜12に調
    整された水溶液を用いて、該ゼオライトにモリブデン成
    分及び/又はタングステン成分とを担持せしめる第1工
    程と、第1工程で得られたモリブデン及び/又はタング
    ステン担持ゼオライトに銅成分を担持せしめる第2工程
    とを設けることを特徴とする排ガス浄化用触媒の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の排ガス浄化用触媒の製造
    方法において、上記第2の工程中、銅を含有する水溶液
    のpHを7〜12に制御することを特徴とする排ガス浄
    化用触媒の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4記載の排ガス浄化用触媒
    の製造方法において、上記第1工程中、モリブデン及び
    /又はタングステンを含有する水溶液のpHを、塩酸及
    び/又は水溶性含窒素化合物を用いて7〜12の範囲に
    調整することを特徴とする排ガス浄化用触媒の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項2又は5記載の排ガス浄化用触媒
    の製造方法において、水溶性含窒素化合物は、アンモニ
    ア又は尿素であることを特徴とする排ガス浄化用触媒の
    製造方法。
JP8180236A 1996-07-10 1996-07-10 排ガス浄化用触媒の製造方法 Pending JPH1024237A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8180236A JPH1024237A (ja) 1996-07-10 1996-07-10 排ガス浄化用触媒の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8180236A JPH1024237A (ja) 1996-07-10 1996-07-10 排ガス浄化用触媒の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1024237A true JPH1024237A (ja) 1998-01-27

Family

ID=16079756

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8180236A Pending JPH1024237A (ja) 1996-07-10 1996-07-10 排ガス浄化用触媒の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1024237A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008114550A1 (ja) * 2007-03-20 2008-09-25 Meidensha Corporation 低級炭化水素芳香族化触媒及び芳香族化合物の製造方法
JP2008260006A (ja) * 2007-03-20 2008-10-30 Meidensha Corp 低級炭化水素芳香族化触媒及び芳香族化合物の製造方法
JP2009119319A (ja) * 2007-11-12 2009-06-04 Meidensha Corp 低級炭化水素芳香族化触媒及び芳香族化合物の製造方法
US8558045B2 (en) 2007-06-29 2013-10-15 Meidensha Corporation Catalyst for aromatization of lower hydrocarbons and process for production of aromatic compounds

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008114550A1 (ja) * 2007-03-20 2008-09-25 Meidensha Corporation 低級炭化水素芳香族化触媒及び芳香族化合物の製造方法
JP2008260006A (ja) * 2007-03-20 2008-10-30 Meidensha Corp 低級炭化水素芳香族化触媒及び芳香族化合物の製造方法
US8278237B2 (en) 2007-03-20 2012-10-02 Meidensha Corporation Catalyst for aromatization of lower hydrocarbons and process for production of aromatic compounds
US8558045B2 (en) 2007-06-29 2013-10-15 Meidensha Corporation Catalyst for aromatization of lower hydrocarbons and process for production of aromatic compounds
JP2009119319A (ja) * 2007-11-12 2009-06-04 Meidensha Corp 低級炭化水素芳香族化触媒及び芳香族化合物の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0538452A (ja) 排気ガス浄化用触媒
JPH08281107A (ja) 排気ガス浄化用触媒
US5141906A (en) Catalyst for purifying exhaust gas
JPH05220403A (ja) 排気ガス浄化用触媒
JP3498410B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒
JPH1024237A (ja) 排ガス浄化用触媒の製造方法
JPH1199335A (ja) 脱硝触媒
JP4342622B2 (ja) 排ガス浄化用触媒
JPH07144134A (ja) 排気ガス浄化用触媒
JP3498753B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒およびその製造方法
JP3287873B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒
JP2562702B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒
JP3197711B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒
JPH0957066A (ja) 排気ガス浄化用触媒
JP3493693B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒
JP3296848B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒及びその製造方法
JP2921130B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒
JP3555148B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒
JP3278510B2 (ja) 排ガス浄化用触媒およびその製造方法
JPH08318161A (ja) 排ガス浄化用触媒の製造方法
JP3362401B2 (ja) 排ガス浄化触媒
JPH09141106A (ja) 排気ガス浄化用触媒
JPH11226402A (ja) 排気ガス浄化用触媒及び排気ガス浄化方法
JPH08318162A (ja) 窒素酸化物浄化用触媒の製造方法
JP3300053B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒