JPH10240336A - 遠方監視制御システム試験装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】現地試験に行くことなく入出力データの確認と
試運転調整の自動化が図られる遠方監視制御システムの
試験装置を提供すること。 【解決手段】マスタシステムから遠方のリモート装置を
介して実データと実設備のコントロールを行う遠方監視
制御システムにおいて、リモート装置のデータ入出力装
置に接続されるディジタル入力回路及び出力回路と、現
場とデータ入出力装置を試験用伝送路で通信を行う伝送
装置と、試験器マンマシン装置からの操作情報を翻訳
し、伝送データとして伝送装置に受け渡し，さらにデー
タ入出力装置から伝送されるレスポンスデータを試験器
マンマシン装置に受け渡す翻訳手段と、ディジタル入力
回路からのデータを伝送データとして伝送装置に受け渡
し、さらに現場からの伝送データを出力データとする入
出力制御手段を備えているので、マスタシステム側で試
験対象システムの良否の判定ができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は遠方監視制御システ
ムに係り、特に表示装置，操作卓等のマンマシンインタ
ーフェイスを有するコンピュータ応用システムからメタ
ル・光等の通信回線を経由して遠方に設置されたデータ
入出力装置を介してフィールドデータの採集とフィール
ド実設備のコントロールを行う遠方監視制御システムの
試験装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】表示装置、例えばＣＲＴ，液晶表示器等
（以下単にＣＲＴという），操作卓等のマンマシンイン
ターフェイスを有するコンピュータ応用システム（以
下、マスタシステムと略記する）からメタル・光等の通
信回線を経由して遠方に設置されたデータ入出力処理装
置（以下リモート装置と略記する）を介してフィールド
データの採集とフィールド実設備のコントロールを行う
遠方監視制御システムが実用されている。

【０００３】このような遠方監視制御システムは、シス
テム引渡し前に試運転調整を行っているが、その際、リ
モート装置での入出力データの確認は、試運転調整担当
者自信がその都度試験用の機器を接続して行っていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】近年、システムが大規
模（大容量）化していくに従い、このような試運転調整
試験に要する時間が増大する傾向にある。このような試
験時間の増大化はバグ改修や機能変更後の回帰性試験で
も同様に増大するようになるので、その改善策が求めら
れていた。

【０００５】本発明（請求項１乃至請求項４対応）は上
記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は試運転
調整担当者がリモート装置の設置場所に赴くことなく、
リモート装置での入出力データの確認を行うと共に試運
転調整の自動化を行う遠方監視制御システムの試験装置
を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項１の遠方監視制御システム試験装置
は、ＣＲＴ，操作卓等のマンマシンインターフェイスを
有するコンピュータ応用システムからメタル，光等の通
信回線を経由して遠方に設置されたデータ入出力装置を
介してフィールドデータの採集とフィールド実設備のコ
ントロールを行う遠方監視制御システムにおいて、前記
データ入出力装置に接続するディジタル入力回路及びデ
ィジタル出力回路と、前記コンピュータ応用システムの
設置場所と前記データ入出力装置の設置場所間を試験用
の伝送路を介してデータの通信を行う伝送装置と、前記
コンピュータ応用システムの設置場所に置かれ、人間に
対する情報の表示及び人間の操作を受け取る試験器マン
マシン装置と、前記マンマシン装置からの操作情報を翻
訳し、伝送データとして前記伝送装置に受け渡すと共に
前記伝送装置を経由して前記データ入出力装置の設置場
所から伝送されるレスポンスデータを前記マンマシン装
置に受け渡す翻訳手段と、前記ディジタル入力回路から
の入力データを変換し、伝送データとして前記伝送装置
に受け渡すと共に前記伝送装置を介して前記コンピュー
タ応用システムの設置場所より伝送される伝送データを
出力データとして変換し、前記ディジタル出力回路に受
け渡す入出力制御手段を備えたことを特徴とする。

【０００７】本発明の請求項２に係る試験装置は、請求
項１記載の遠方監視制御システム試験装置において、操
作者の操作手順を記憶又は記録し、その結果を編集し再
現させる翻訳手段を備えたことを特徴とする。

【０００８】本発明の請求項３に係る試験装置は、請求
項１記載の遠方監視制御システム試験装置において、あ
らかじめ記憶又は記録されたタイムチャートにより自動
的にディジタル出力回路に出力データを受け渡す入出力
制御手段を備えたことを特徴とする。

【０００９】本発明の請求項４に係る試験装置は、請求
項１記載の遠方監視制御システム試験装置において、前
記ディジタル入力回路からの入力情報の組合せや時間的
推移から、あらかじめ記憶又は記録された手順により自
動的にディジタル出力装置に出力データを受け渡す入出
力制御手段を備えたことを特徴とする。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施
の形態を説明する。図１は本発明の一実施例（請求項１
対応）である遠方監視制御システム試験装置の構成を示
すブロック図である。

【００１１】図において、１はマスタシステム、２はリ
モート装置、３はマスタシステム１とリモート装置２を
接続し、データを伝送する伝送路、４は遮断器，断路
器，保護リレーといったフィールド実設備であり、信号
ケーブル５によりフィールド実設備４とリモート装置２
を電気的に接続する。

【００１２】上記したマスタシステム１、リモート装置
２、伝送路３、フィールド実設備４及び信号ケーブル５
は遠方監視制御を行うためのシステムであり、このうち
本実施例による試験対象となるのは、マスタシステム１
とリモート装置２と伝送路３である。

【００１３】本実施例に係る遠方監視制御システム試験
器６は、試験用ケーブル７とディジタル入力回路８とデ
ィジタル出力回路９と入出力制御手段１０と、伝送装置
１１と、試験用伝送路１２と、試験器マンマシン装置１
３と翻訳手段１４とから構成されており、またこの遠方
監視制御システム試験器６は、リモート装置２から信号
ケーブル５を取り外した後、試験用ケーブル７をリモー
ト装置２に接続することにより試験回路を構成する。し
たがって、試験用ケーブル７は、リモート装置２とディ
ジタル入力回路８及びディジタル出力回路９との間を電
気的に接続する信号線である。

【００１４】例えば、マスタシステム１から指令を行う
と、リモート装置２は該当するフィールド実設備４に対
しディジタル出力を行うが、試験回路を構成することに
よりこのディジタル出力は試験用ケーブル７を介してデ
ィジタル入力回路８に入力される。ディジタル入力回路
８ではこのディジタル出力信号の入力元から入力位置情
報を作成し、入力データとして入出力制御手段１０に受
け渡す。ディジタル出力回路９は、入出力制御手段１０
から通知される出力データから出力位置・出力時間に準
じて試験用ケーブル７を介してリモート装置２に対しデ
ィジタル出力を行う。

【００１５】入出力制御手段１０はディジタル入力回路
８からの入力データを所定のシリアル伝送フォーマット
の伝送データに変換し、伝送装置１１に受け渡すと共に
伝送装置１１より通知される遠方監視制御システム試験
器６の操作者の操作内容を変換した伝送データについて
ディジタル出力回路９に対し、出力位置・出力時間を指
定する出力データに変換して通知する。

【００１６】伝送装置１１は光や電気に変換されたシリ
アル伝送フォーマットの伝送データの変調・復号を行
う。また試験用伝送路１２はマスタシステム１付近に設
置された伝送装置１１とリモート装置２付近に設置され
た伝送装置１１内の間を接続し、伝送データの伝達を行
う。

【００１７】試験器マンマシン装置１３は遠方監視制御
システム試験器６の操作員が操作を行い、また、表示さ
れる試験結果を確認するための装置であり、キーボー
ド，ＣＲＴ等により構成され、操作員の操作内容を操作
データとして翻訳手段１４に通知すると共に翻訳手段１
４から通知される入力位置・入力時間等のレスポンスデ
ータを操作員向けに表示する。

【００１８】翻訳手段１４は試験器マンマシン装置１３
から通知される操作情報をシリアル伝達フォーマットに
変換して伝送装置１１に受け渡すと共に伝送装置１１か
ら通知されるシリアル伝送フォーマットの伝送データを
入力位置・入力時間等のレスポンスデータに変換して試
験器マンマシン装置１３に受け渡す。

【００１９】上記したように、マスタシステム１からの
指令によりリモート装置２がフィールド実設備４に対す
る出力は試験器マンマシン装置１３にその出力位置と出
力時間が表示されるため、操作員はマスタシステム１の
操作卓に居ながらにして遠方監視制御システムのフィー
ルド実設備４に対する制御機能の試験を行うことができ
る。又、試験器マンマシン装置１３からフィールド実設
備４の動作を模擬した指令を行うことにより遠方監視制
御システムの監視機能の試験についても遠方のリモート
装置２に試験員を置くことなく実施することができる。

【００２０】次に、翻訳手段や入出力制御手段等の各手
段の作用をフローチャートについて説明する。図２は図
１の翻訳手段１４の処理内容を示すフローチャートであ
り、以下図１及び図２を用いて説明する。

【００２１】ここでは、マスタシステム１から指令を行
ってリモート装置２より該当する出力が行われ、更に試
験器マンマシン装置１３からもフィールド実設備４の動
作を模擬した操作を行っている場合を以下に説明する。

【００２２】図２において、まず伝送装置１１からリモ
ート装置２からの出力に関する伝送データが通知された
かどうか確認し（ステップＳ１）、通知されていればそ
の伝送データを翻訳し、以前の状態からの変化を算出し
て、該当する出力番号と出力が変化するまでの時間のレ
スポンスデータを作成し（ステップ２）、レスポンスデ
ータを試験器マンマシン装置１３に転送（ステップＳ
３）する。またステップＳ１において伝送データが通知
されていなければ、次に試験器マンマシン装置１３から
操作員の操作に関する制御データが通知されているかを
確認し（ステップＳ４）、通知されていなければステッ
プＳ１の処理に戻る。通知されていれば制御データを伝
送データに変換し（ステップＳ５）、伝送データを伝送
装置１１に転送（ステップ６）後、ステップＳ１の処理
に戻る。

【００２３】図３は図１の入出力制御手段１０の処理内
容を示すフローチャートであり、以下に図１及び図３を
用いて説明する。ここでは、マスタシステム１から指令
を行ってリモート装置２より該当する出力が行われ、更
に試験器マンマシン装置１３からもフィールド装置１４
の動作を模擬した操作を行っている場合を以下に説明す
る。

【００２４】図３において、まず伝送装置１１から試験
器マンマシン装置１３からの指令に関する伝送データが
転送されたかどうかを確認し（ステップＳ１）、転送さ
れていなければステップＳ３からの処理を行い、転送さ
れていれば伝送データを出力先と出力時間の制御手順に
分類して保存し（ステップＳ２）、ステップＳ３からの
処理を行う。

【００２５】次に、ステップＳ３ではディジタル入力回
路８からの入力データに変化があったかどうか確認し、
変化がなければステップＳ５からの処理を行い、変化が
あれば入力データを伝送データに変換して伝送装置１１
に転送し（ステップＳ４）、ステップＳ５からの処理を
行う。

【００２６】次に、ステップＳ５では、処理されていな
い制御手段の有無を確認し、無しであればステップＳ１
からの処理に戻り、有りであればタイマの初期化を行い
（ステップＳ６）、タイマがタイムアップしたか否かを
確認し（ステップＳ７）、タイムアップしていればステ
ップ１からの処理に戻り、タイムアップしていなけれ
ば、制御手順として保存されている内容に基づきディジ
タル出力回路９に対する出力データのセットと制御手順
中の出力時間がゼロになった出力データのリセットを行
い、出力時間の再計算を行った制御手順を保存する（ス
テップＳ８）。最後にタイマの加算を行い（ステップＳ
９）、ステップＳ７に戻る。

【００２７】上記したように、本実施例（請求項１対
応）によれば、マスタシステムに設置した試験器マンマ
シン装置から遠方のリモート装置に対する入力情報を操
作することができ、又その結果についても試験器マンマ
シン装置上で確認ができるため、リモート装置側に操作
員を置くことなく試験を行うことができる。

【００２８】本発明の他の実施例（請求項２対応）につ
いて説明すると、上記実施例では操作員の操作によりフ
ィールド実設備４の動作を模擬しているが、本実施例は
これに限定されるものではなく一旦操作手順を記録して
おけばその記録を再現することにより同じ手順に関して
は自動試験を行うことができるように構成したものであ
る。したがって、本実施例ではあらかじめ記憶又は記録
したパターンを選択するだけで操作手順を作成すること
ができ、簡単な操作で済み、試験方法の標準化を図るこ
とができる。

【００２９】本発明のさらに他の実施例（請求項３対
応）について説明すると、入出力制御手段１０にてタイ
ムチャートに準じた自動試験を行うように処理すること
は容易であるから、例えば夜間に時間のかかる定型試験
を無人で実施すれば試験に要する時間の削減を行うこと
ができ、これは種々の応用に適用できる。したがって、
本実施例ではタイムチャートで表現できる試験であれ
ば、試験器マンマシン装置からの操作を行うことなく、
しかも操作員を介さず自動的に試験を行うことができ
る。

【００３０】本発明の別の実施例（請求項４対応）につ
いて説明すると、タイムチャートに準じた自動試験に加
え、試験対象システムからの出力結果によりタイムチャ
ートを変更するように構成すると、上記各実施例よりも
複雑な試験手順についても対応できる。したがって、本
実施例によると、タイムチャートのみならずリモート装
置からの出力信号を条件とする試験項目に関しても試験
器マンマシン装置からの操作を行うことなく、しかも操
作員を介さず自動的に試験を行うことができる。

【００３１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項１
によればリモート装置とフィールド実設備を切り離して
本試験装置を接続することにより、マスタシステムから
の指令がどのようにフィールド実設備に出力されている
かをマスタシステム側に居ながら確認し、試験対象シス
テムからの出力結果が正しいかどうか判定することがで
きると共に、マスタシステム側よりフィールド実設備の
動作を指令することによりマスタシステム側に居ながら
にしてフィールド実設備からの入力に対し試験対象シス
テムが正しく動作を行うかどうか判定することができる
ため、リモート装置側に操作員を置く必要がなくなり、
試験に関する人件費を大幅に短縮することができる。

【００３２】また、本発明の請求項２によれば操作員の
操作手順を記録し、同じ操作であれば自動的に試験を行
うことができる。さらに、本発明の請求項３によればあ
らかじめ記録しておいたタイムチャートで自動的にリモ
ート装置向にディジタル出力を行うことができ。さらに
また、本発明の請求項４によればあらかじめ記録してお
いたタイムチャートのみならずリモート装置からのディ
ジタル入力を条件として自動的にリモート装置向にディ
ジタル出力を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例である遠方監視制御システム
試験装置の構成を示すブロック図。

【図２】図１の翻訳手段の動作を示すフローチャート。

【図３】図１の入出力制御手段の動作を示すフローチャ
ート。

【符号の説明】

１…マスタシステム、２…リモート装置、３…伝送路、
４…フィールド実設備、５…信号ケーブル、６…遠方監
視制御システム試験器、７…試験用ケーブル、８…ディ
ジタル入力回路、９…ディジタル出力回路、１０…入出
力制御手段、１１…伝送装置、１２…試験用伝送路、１
３…試験器マンマシン装置、１４…翻訳手段。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 表示装置，操作卓等のマンマシンインタ
   ーフェイスを有するコンピュータ応用システムからメタ
   ル，光等の通信回線を経由して遠方に設置されたデータ
   入出力装置を介してフィールドデータの採集とフィール
   ド実設備のコントロールを行う遠方監視制御システムに
   おいて、前記データ入出力装置に接続するディジタル入
   力回路及びディジタル出力回路と、前記コンピュータ応
   用システムの設置場所と前記データ入出力装置の設置場
   所間を試験用の伝送路を介してデータの通信を行う伝送
   装置と、前記コンピュータ応用システムの設置場所に置
   かれ、人間に対する情報の表示及び人間の操作を受け取
   る試験器マンマシン装置と、前記マンマシン装置からの
   操作情報を翻訳し、伝送データとして前記伝送装置に受
   け渡すと共に前記伝送装置を経由して前記データ入出力
   装置の設置場所から伝送されるレスポンスデータを前記
   マンマシン装置に受け渡す翻訳手段と、前記ディジタル
   入力回路からの入力データを変換し、伝送データとして
   前記伝送装置に受け渡すと共に前記伝送装置を介して前
   記コンピュータ応用システムの設置場所より伝送される
   伝送データを出力データとして変換し、前記ディジタル
   出力回路に受け渡す入出力制御手段を備えたことを特徴
   とする遠方監視制御システム試験装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の遠方監視制御システム試
   験装置において、操作者の操作手順を記憶又は記録し、
   その結果を編集し再現させる翻訳手段を備えたことを特
   徴とする遠方監視制御システム試験装置。
3. 【請求項３】 請求項１記載の遠方監視制御システム試
   験装置において、あらかじめ記憶又は記録されたタイム
   チャートにより自動的にディジタル出力回路に出力デー
   タを受け渡す入出力制御手段を備えたことを特徴とする
   遠方監視制御システム試験装置。
4. 【請求項４】 請求項１記載の遠方監視制御システム試
   験装置において、前記ディジタル入力回路からの入力情
   報の組合せや時間的推移から、あらかじめ記憶又は記録
   された手順により自動的にディジタル出力装置に出力デ
   ータを受け渡す入出力制御手段を備えたことを特徴とす
   る遠方監視制御システム試験装置。