JPH10240056A - 定着装置及び定着ローラの製造方法 - Google Patents
定着装置及び定着ローラの製造方法Info
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- JPH10240056A JPH10240056A JP5977497A JP5977497A JPH10240056A JP H10240056 A JPH10240056 A JP H10240056A JP 5977497 A JP5977497 A JP 5977497A JP 5977497 A JP5977497 A JP 5977497A JP H10240056 A JPH10240056 A JP H10240056A
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Abstract
装置及び定着ローラの製造方法を提供する。 【解決手段】定着装置1は、定着ローラ2と加圧ローラ
3が圧接されており、定着ローラ2の基体5の表面と裏
面にそれぞれ発熱層6、7が配設されている。表面の発
熱層6は定着ローラ2の軸方向に定着装置1に供給され
る記録紙の幅方向全幅にわたって配設され、裏面の発熱
層7は定着ローラ2の軸方向に対して発熱層6よりも狭
い幅にわたって配設されている。この発熱層6、7の表
面にディスパージョン加工により離型層8と離型層9が
1工程で形成されている。定着装置1は、搬送されてく
る記録紙の紙幅に応じて通電する発熱層6、7を選択し
て、記録紙の幅に応じて発熱領域を変化させ、定着ロー
ラ2及び加圧ローラ3の端部の温度上昇を適切に抑制し
て、記録紙サイズに関わらず定着ローラ2の通紙部の温
度を均一にする。
Description
ローラの製造方法に関し、詳細には、安価で、かつ、小
型で、定着性能の良好な定着装置及び定着ローラの製造
方法に関する。
されたトナー画像を定着する方法としては、一般に、加
熱・加圧してトナーを溶融して記録紙に定着させる加熱
定着方式が用いられているが、この加熱定着方式のなか
でも、熱ローラ方式が熱効率が高く、安全性も高いこと
から最も広く使用されている。
ーラのうちの少なくとも一方のローラを加熱し、2つの
ローラの圧接部(ニップ部)に未定着トナーの付着され
た記録紙を加熱・圧接して、トナーを記録紙に定着させ
る方式である。これらの2つのローラのうち一方を加熱
する場合、加熱する方のローラが定着ローラ、他方のロ
ーラが加圧ローラと一般に呼ばれる。従来、この定着ロ
ーラの外側表面に、温度センサーが取り付けられてお
り、ニップ部の温度が定着に適した温度に維持されるよ
うに、熱源への電力供給量が制御されている。
ては、軸方向の温度分布をいかに均一にするかが重要な
問題である。すなわち、定着装置には、複数のサイズの
記録紙が供給されるが、小サイズの記録紙が通過する領
域(通紙部領域)では、記録紙(詳細には、記録紙及び
記録紙上の未定着トナー)の加熱のために定着ローラの
熱が消費され、小サイズの記録紙の通過しない非通紙部
領域では、記録紙により定着ローラの熱が奪われない。
したがって、定着ローラの熱が蓄熱して、非通紙部領域
のニップ部の温度が、所定温度に維持管理される通紙部
領域のニップ部の温度よりも高くなるという、いわゆ
る、端部温度上昇が発生する。その結果、定着装置に、
小サイズの記録紙が連続通紙された後、大サイズの記録
紙が通紙されると、例えば、A4サイズの記録紙が連続
通紙された後、A3サイズの記録紙が通紙されると、大
サイズの記録紙に定着ムラやシワが発生したり、未定着
トナー像の非通紙部領域に対応した部分のトナーが溶け
過ぎて定着ローラに付着し、記録紙の表面を汚すとい
う、いわゆる、ホットオフセット等の問題が生じるとい
う問題があった。
高くなりすぎると、非通紙部領域と通紙部領域で定着ロ
ーラに大きな温度差が生じ、高温部と低温部での熱膨張
の違いから、定着ローラにゆがみが生じ、定着ローラが
劣化するという問題があった。特に、ガラスやセラミッ
クスのパイプ表面に発熱抵抗体を形成した定着ローラ
(表面発熱ローラ)は、定着ローラ表面を直接加熱する
ため、加熱効率がよい点と、定着ローラの小熱容量化が
できるため、昇温時間が短縮でき、さらに、未使用時に
定着ローラへの通電をオフでき、省エネルギーであると
いう点で優れた定着方式であるが、この表面発熱ローラ
(定着ローラ)の場合には、端部温度上昇による熱膨張
の違いから、小サイズの記録紙の通紙部領域と非通紙部
領域でローラ径が異なってしまい、記録紙のシワの発生
や、さらには、定着ローラが破損してしまうという不具
合が発生する。また、この発熱ローラ方式の定着ローラ
は、フィルムを介した定着装置(一般には、低速機用)
に比べ、フィルムのシワや寄りがないことから、中速〜
高速機(20CPM以上)の定着装置用にも対応可能で
あるが、通紙間隔が高速になるほど、非通紙部領域の温
度上昇が大きくなることから、端部温度上昇に対する対
策がより一層必要であるそこで、従来、例えば、特開平
4−5179号公報に記載された定着装置が提案されて
いる。この定着装置は、定着装置の非通紙部を選択的に
冷却する冷却手段を設け、定着装置の温度分布を冷却手
段により均一にするものである。具体的には、ファンと
ダクトにより、通紙中にのみ非通紙領域に選択的に風を
送り、非通紙部の温度上昇を防止している。
された定着装置がある。この定着装置は、紙サイズに応
じて放熱部材を定着ローラ端部に当接させて、放熱部材
による放熱により端部温度上昇を防止するものである。
具体的には、ローラ状の放熱部材を、小サイズ通紙時の
非通紙部領域に配置し、非通紙部領域の温度が上昇した
ときに、放熱部材を定着ローラに当接して、上昇した熱
を放熱することにより、定着ローラの軸方向の温度分布
を均一にするものである。
記載された定着装置がある。この定着装置は、定着ロー
ラ内部に2つ以上の発熱体を設け、紙幅に応じてこれら
発熱体を制御するものである。具体的には、定着ローラ
の軸方向に発熱分布の異なる2つの発熱体を、定着ロー
ラ内部に設け、定着手段の表面温度や記録紙の幅に応じ
て、発熱体を適宜選択して駆動することによって、端部
温度の上昇を防止するものである。
4−5179号公報に記載された定着装置にあっては、
送風手段(ファン)を用いて非通紙部を冷却しているた
め、送風時の音が大きく、騒音の要因となるだけでな
く、ファンとダクトを用いることから定着装置の構成が
複雑で、大型化し、コストが高くなるだけでなく、定着
装置の適用される複写機、ファクシミリ装置あるいは電
子写真式プリンタ等の画像形成装置が大型するという問
題があった。
された定着装置にあっては、放熱部材を定着ローラの端
部に当接させたり、離したりすることにより、非通紙部
領域の温度上昇を防止するようになっていたため、放熱
部材を定着ローラに圧接させたり、離したりするための
駆動機構が必要となり、コストが高くなるとともに、可
動部を有しているため、長時間の使用による径時劣化に
より故障や破損が生じやすいという問題があった。
記載された定着装置にあっては、定着ローラ内部に2つ
以上の発熱体を設けているため、定着ローラを小径化す
ることが困難であるという問題が生じる。また、熱源を
一体化した定着ローラ(ローラ表面あるいは内面に発熱
抵抗体を形成した定着ローラ)の場合には、対処できな
い。さらに、定着ローラ内部にハロゲンヒーターなどの
発熱体を設けて定着させる場合、ヒーターの発熱分布を
変えても、定着ローラの温度分布はそれと全く同じにな
るわけではなく、制御が難しいという問題があった。
ラの基体の表面と裏面にそれぞれ発熱層を形成し、表面
の発熱層と裏面の発熱層のいずれか一方を他方よりも基
体の軸方向において長く形成するとともに、いずれか一
方あるいは両方の発熱層により基体の軸方向において最
大記録紙サイズの記録紙の全幅に対応する幅にわたって
基体を加熱し、搬送されてくる記録紙の幅に応じて表面
の発熱層と裏面の発熱層を適宜加熱して、当該搬送され
てくる記録紙の幅全域にわたって基体を加熱することに
より、小サイズの記録紙を連続通紙したときの端部温度
の上昇を抑制して、記録紙サイズに関わらず定着ローラ
の通紙部の温度を均一にし、端部温度の上昇によって発
生する定着ローラの破損や紙送り時の紙シワの発生、さ
らには、小サイズ記録紙の連続通紙直後に大サイズの記
録紙を通紙したときに発生する端部での高温オフセット
を改善して、信頼性を向上させつつ高画質を実現するこ
とのできる定着装置を提供することを目的としている。
面の発熱層のうちの一方の発熱層を、最大記録紙サイズ
の記録紙の幅に対応する幅にわたって基体を加熱するの
に適した幅に形成し、他方の発熱層を一方の発熱層より
も狭い幅に形成するとともに、定着ローラを回転駆動す
る駆動部の配設された側に片寄せされた状態で形成する
ことにより、簡単な構成で、駆動部への放熱による定着
ローラの端部の温度低下を抑制して、定着ローラの通紙
部の温度を均一にし、端部温度の上昇によって発生する
定着ローラの破損や紙送り時の紙シワの発生、さらに
は、小サイズ記録紙の連続通紙直後に大サイズの記録紙
を通紙したときに発生する端部での高温オフセットを改
善して、信頼性を向上させつつ高画質を実現することの
できる安価な定着装置を提供することを目的としてい
る。
最大記録紙サイズの記録紙の全幅に対応する幅にわたっ
て基体を加熱するのに適した幅に形成し、裏面の発熱層
を、表面の発熱層よりも狭い幅に形成することにより、
定着ローラの表面を、製造工程を削減しつつ簡単、か
つ、容易に平坦化し、より一層安価で定着性能の良好な
定着装置を提供することを目的としている。
面の発熱層の一方の発熱層を、最大記録紙サイズよりも
小さい所定の小記録紙サイズの記録紙の幅に対応する幅
にわたって基体を加熱するのに適した幅に形成し、他方
の発熱層を、一方の発熱層の端部から最大記録紙サイズ
の記録紙の幅に対応する幅にわたって基体を加熱するの
に適した幅にわたって形成することにより、少ない発熱
層で、各種記録紙サイズの記録紙の幅に対応した幅にわ
たって基体を加熱し、より一層安価で、定着性能の良好
な定着装置を提供することを目的としている。
その単位面積当たりの発熱量が、表面の発熱層の単位面
積当たりの発熱量より大きく設定することにより、表面
の発熱層から記録紙に供給される熱量と、裏面の発熱層
から記録紙に供給される熱量を簡単かつ容易に等しく
し、発熱層に熱量を供給する熱量制御を容易なものとし
て、より一層安価で、定着性能のより一層良好な定着装
置を提供することを目的としている。
表面の発熱層と裏面の発熱層のうち、いずれか一方の発
熱層が他方の発熱層よりも基体の軸方向において長く形
成されているとともに、表面の発熱層と裏面の発熱層の
いずれかあるいは両方の発熱層により、基体の軸方向に
おいて搬送されてくる複数の記録紙サイズの記録紙のう
ち最大記録紙サイズの記録紙の全幅に対応する幅にわた
って基体を加熱する定着ローラの基体の表面と裏面に発
熱層を形成した後、当該発熱層の形成された基体を、所
定の離型層となる物質の懸濁液中に浸けて、表面の発熱
層と裏面の発熱層の表面に離型層を一度に形成すること
により、離型層を簡単、かつ、容易に形成して、製造工
程を削減しつつ、定着性能の良好な定着ローラを簡単、
かつ、安価に製造することのできる定着ローラの製造方
法を提供することを目的としている。
着装置は、ローラ状の基体に所定の加熱手段が配設され
た定着ローラと、前記定着ローラと圧接する加圧ローラ
と、を有し、前記定着ローラと前記加圧ローラとの圧接
部にトナー画像の付着された複数の記録紙サイズの記録
紙が搬送され、当該記録紙を回転する前記定着ローラと
前記加圧ローラにより圧接して搬送しつつ、前記定着ロ
ーラの熱により前記記録紙に付着された前記トナー画像
を前記記録紙に定着させる定着装置であって、前記定着
ローラは、前記加熱手段として、前記基体の表面と裏面
にそれぞれ発熱層が形成され、前記表面の発熱層と前記
裏面の発熱層は、一方の前記発熱層が他方の前記発熱層
よりも前記基体の軸方向において長く形成されるととも
に、いずれか一方あるいは両方の前記発熱層により前記
基体の軸方向において最大記録紙サイズの前記記録紙の
全幅に対応する幅にわたって前記基体を加熱し、前記搬
送されてくる記録紙の幅に応じて前記表面の発熱層と前
記裏面の発熱層を適宜加熱して、当該搬送されてくる記
録紙の幅全域にわたって前記基体を加熱することによ
り、上記目的を達成している。
面と裏面にそれぞれ発熱層を形成し、表面の発熱層と裏
面の発熱層のいずれか一方を他方よりも基体の軸方向に
おいて長く形成するとともに、いずれか一方あるいは両
方の発熱層により基体の軸方向において最大記録紙サイ
ズの記録紙の全幅に対応する幅にわたって基体を加熱
し、搬送されてくる記録紙の幅に応じて表面の発熱層と
裏面の発熱層を適宜加熱して、当該搬送されてくる記録
紙の幅全域にわたって基体を加熱するので、小サイズの
記録紙を連続通紙したときの端部温度の上昇を抑制し
て、記録紙サイズに関わらず定着ローラの通紙部の温度
を均一にすることができ、端部温度の上昇によって発生
する定着ローラの破損や紙送り時の紙シワの発生、さら
には、小サイズ記録紙の連続通紙直後に大サイズの記録
紙を通紙したときに発生する端部での高温オフセットを
改善して、信頼性を向上させつつ高画質を実現すること
ができる。
うに、前記定着ローラは、前記基体の一方側端部に配設
された所定の駆動部により回転駆動され、前記表面の発
熱層と前記裏面の発熱層は、前記基体の軸方向におい
て、一方の前記発熱層が前記最大記録紙サイズの記録紙
の全幅に対応する幅にわたって前記基体を加熱するのに
適した幅を有し、他方の前記発熱層が前記一方の発熱層
よりも狭い幅を有するとともに、前記基体の前記駆動部
の配設された側に片寄せされた状態で形成されていても
よい。
発熱層のうちの一方の発熱層を、最大記録紙サイズの記
録紙の幅に対応する幅にわたって基体を加熱するのに適
した幅に形成し、他方の発熱層を一方の発熱層よりも狭
い幅に形成するとともに、定着ローラを回転駆動する駆
動部の配設された側に片寄せされた状態で形成している
ので、簡単な構成で、駆動部への放熱による定着ローラ
の端部の温度低下を抑制して、定着ローラの通紙部の温
度を均一にすることができ、端部温度の上昇によって発
生する定着ローラの破損や紙送り時の紙シワの発生、さ
らには、小サイズ記録紙の連続通紙直後に大記録紙サイ
ズの記録紙を通紙したときに発生する端部での高温オフ
セットを改善して、信頼性を向上させつつ高画質を実現
することができる。
に、前記表面の発熱層は、前記基体の軸方向において、
前記最大記録紙サイズの記録紙の全幅に対応する幅にわ
たって前記基体を加熱するのに適した幅を有し、前記裏
面の発熱層は、前記表面の発熱層よりも狭い幅を有して
いてもよい。
記録紙サイズの記録紙の全幅に対応する幅にわたって基
体を加熱するのに適した幅に形成し、裏面の発熱層を、
表面の発熱層よりも狭い幅に形成しているので、定着ロ
ーラの表面を、製造工程を削減しつつ簡単、かつ、容易
に平坦化することができ、定着装置をより一層安価で、
定着性能の良好なものとすることができる。
に、前記表面の発熱層と前記裏面の発熱層は、前記基体
の軸方向において、一方の前記発熱層が前記最大記録紙
サイズよりも小さい所定の小記録紙サイズの記録紙の幅
に対応する幅にわたって前記基体を加熱するのに適した
幅を有し、他方の前記発熱層が前記一方の発熱層の端部
から前記最大記録紙サイズの記録紙の幅に対応する幅に
わたって前記基体を加熱するのに適した幅にわたって形
成されていてもよい。
発熱層の一方の発熱層を、最大記録紙サイズよりも小さ
い所定の小記録紙サイズの記録紙の幅に対応する幅にわ
たって基体を加熱するのに適した幅に形成し、他方の発
熱層を、一方の発熱層の端部から最大記録紙サイズの記
録紙の幅に対応する幅にわたって基体を加熱するのに適
した幅にわたって形成しているので、少ない発熱層で、
各種記録紙サイズの記録紙の幅に対応した幅にわたって
基体を加熱することができ、定着装置をより一層安価
で、定着性能の良好なものとすることができる。
に、前記裏面の発熱層は、その単位面積当たりの発熱量
が、前記表面の発熱層の単位面積当たりの発熱量より大
きく設定されていてもよい。
積当たりの発熱量を、表面の発熱層の単位面積当たりの
発熱量より大きく設定しているので、表面の発熱層から
記録紙に供給される熱量と、裏面の発熱層から記録紙に
供給される熱量を簡単かつ容易に等しくすることがで
き、発熱層に熱量を供給する熱量制御を容易なものとし
て、定着装置をより一層安価で、より一層定着性能の良
好なものとすることができる。
法は、ローラ状の基体の表面と裏面にそれぞれ発熱層が
形成され、前記表面の発熱層と前記裏面の発熱層のう
ち、いずれか一方の前記発熱層が他方の前記発熱層より
も前記基体の軸方向において長く形成されているととも
に、前記表面の発熱層と前記裏面の発熱層のいずれかあ
るいは両方の前記発熱層により、前記基体の軸方向にお
いて搬送されてくる複数の記録紙サイズの記録紙のうち
最大記録紙サイズの前記記録紙の全幅に対応する幅にわ
たって前記基体を加熱する定着ローラの製造方法であっ
て、前記基体の表面と裏面に前記発熱層を形成した後、
当該発熱層の形成された前記基体を、所定の離型層とな
る物質の懸濁液中に浸けて、前記表面の発熱層と前記裏
面の発熱層の表面に前記離型層を一度に形成することに
より、上記目的を達成している。
の発熱層と裏面の発熱層のうち、いずれか一方の発熱層
が他方の発熱層よりも基体の軸方向において長く形成さ
れているとともに、表面の発熱層と裏面の発熱層のいず
れかあるいは両方の発熱層により、基体の軸方向におい
て搬送されてくる複数の記録紙サイズの記録紙のうち最
大記録紙サイズの記録紙の全幅に対応する幅にわたって
基体を加熱する定着ローラの基体の表面と裏面に発熱層
を形成した後、当該発熱層の形成された基体を、所定の
離型層となる物質の懸濁液中に浸けて、表面の発熱層と
裏面の発熱層の表面に離型層を一度に形成しているの
で、離型層を簡単、かつ、容易に形成することができ、
製造工程を削減しつつ、定着性能の良好な定着ローラを
簡単、かつ、安価に製造することができる。
を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述
べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるか
ら、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本
発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定す
る旨の記載がない限り、これらの態様に限られるもので
はない。
の製造方法の第1の実施の形態を示す図であり、本実施
の形態は、請求項1、請求項3、請求項5及び請求項6
に対応するものである。
の製造方法の第1の実施の形態を適用した定着装置1の
要部正面断面図である。
2と加圧ローラ3が圧接されており、加圧ローラ3は、
所定の付勢部材4、例えば、コイルバネあるいは板バネ
等により定着ローラ2に圧接されている。したがって、
定着ローラ2と加圧ローラ3は、図1中矢印で示すよう
に、所定の加圧力で圧接されている。
な筒状(中空形状)に形成された基板5の表面と裏面
(内面)に、それぞれ発熱層6、7が配設されており、
発熱層6及び発熱層7の表面には、それぞれ加熱手段と
しての離型層8、9が配設されている。
あるいは、Al、SUS等の金属で形成されており、定
着ローラ2の基体5を金属で形成するときには、発熱層
6及び発熱層7との間に、これら発熱層6及び発熱層7
と基体5との電気的絶縁を行うために、SiO2 あるい
はポリイミド等の樹脂材料等による絶縁層を配設する。
方向において定着装置1に供給される最大記録紙サイズ
の記録紙の幅方向全幅にわたって配設されているととも
に、基体5の周方向全域にわたって配設されており、基
体5の裏面側の発熱層7は、基体5の軸方向に対して発
熱層6よりも狭い幅、例えば、所定の小記録紙サイズの
記録紙の幅サイズに対応する幅にわたって配設されてい
るとともに、基体5の周方向全域にわたって配設されて
いる。
熱層、クロム、Ta2 N、RuO2、あるいは、Ag/
Pd等の発熱抵抗を溶射、塗布、印刷等により面状、あ
るいは、線状に形成されており、通電されることによっ
て発熱する。なお、定着ローラ2の基体5の内部である
裏面側の発熱層7は、基体5内部に溶射、塗布、印刷等
で形成するのが困難なときには、上記材料により別に作
製したコイル状の発熱抵抗を定着ローラ2の基体5に挿
入して、接着することにより、形成してもよい。また、
発熱層6及び発熱層7は、それぞれその基体5の軸方向
の長さの中心位置を、基体5の軸方向の中心位置とほぼ
一致させるように配設されている。
トナーとの離型性を向上させるとともに、他の部材と発
熱層6、7との接触で発熱層が損傷するのを防ぎ、ま
た、発熱抵抗体を電気的に絶縁する目的で発熱層6及び
発熱層7の表面に形成されており、テフロンなどの耐熱
樹脂により形成されている。
ーラ2の表面と裏面に発熱層6及び発熱層7を形成した
後、離型層8、9となる液状の耐熱樹脂に定着ローラ2
を浸漬して、定着ローラ2の表面の離型層8と裏面の離
型層9を一度に形成する。
PTEE(poly tetra fluoro ethylene;ポリテトラフ
ルオロエチレン)の粉体塗装により形成されるが、基体
5の裏面に粉体塗装を行うことは、困難である。
プを作る際のように、ディスパージョン加工により基体
5の表面の離型層8と裏面の離型層9を1工程で形成し
ている。
れた芯金10と、シリコンゴム等の離型性の良好なゴム
層11と、を備えており、上述のように、付勢部材4に
より定着ローラ2方向に付勢されて定着ローラ2と圧接
されることにより、定着ローラ2と加圧ローラ3の間
に、記録紙を搬送・加熱するためのニップ部(相互圧接
部)が形成される。
着装置1は、複写機、ファクシミリ装置あるいは電子写
真式プリンタ等の画像形成装置の定着装置として適用さ
れ、このような画像形成装置においては、印刷開始によ
り、帯電、露光、現像、転写という電子写真プロセスに
より、記録紙の表面にトナー画像を形成し、このトナー
画像の形成された記録紙を定着装置1に搬送して、定着
装置1で定着させる。このような画像形成装置において
は、使用される記録紙が1種類の記録紙サイズの記録紙
に限定されておらず、複数の記録紙サイズの記録紙にト
ナー画像を記録する。したがって、定着装置1にも、複
数の記録紙サイズの記録紙が搬送されてくることにな
る。
ズの記録紙(以下、小サイズ記録紙という。)に画像形
成装置で連続印字されたとすると、トナー画像の形成さ
れた小サイズ記録紙が、定着装置1、すなわち、定着ロ
ーラ2と加圧ローラ3とのニップ部に搬送され、定着ロ
ーラ2と加圧ローラ3により加熱・加圧されつつ搬送さ
れることにより、小サイズ記録紙上のトナー画像が小サ
イズ記録紙に定着される。このとき、小サイズ記録紙に
より定着ローラ2及び加圧ローラ3の熱エネルギーが奪
われることになる。
連続通紙すると、定着ローラ2の小サイズ記録紙が通過
する通紙部領域のみの熱エネルギーが奪われ、定着ロー
ラ2の表面の通紙部領域と非通紙部表面に温度差が生じ
る。同様に、定着ローラ2と接触している加圧ローラ3
も記録紙に熱を奪われ、加圧ローラ3表面の通紙部領域
と非通紙部領域にも温度差が生じる。
定着ローラ2の表面側と裏面側にそれぞれ発熱層6、7
を配設するとともに、表面側の発熱層6と裏面側の発熱
層7の定着ローラ2の軸方向の長さを異ならせて配設、
すなわち、表面側の発熱層6を定着ローラ2の軸方向に
定着装置1に供給される記録紙の幅方向全幅にわたって
配設し、裏面側の発熱層7を定着ローラ2の軸方向に対
して発熱層6よりも狭い幅にわたって配設しており、記
録紙の紙幅、例えば、記録紙のサイズ検知の信号や画像
形成装置の操作部によりオペレータが選択した紙幅に応
じて、通電する発熱層6、7を選択する。すなわち、最
大記録紙サイズの記録紙が通紙される場合には、最大記
録紙サイズに対応した発熱領域を持った発熱層である表
面側の発熱層6に通電し、最大記録紙サイズよりも幅の
狭い記録紙が通紙される場合には、幅の狭い方である裏
面側の発熱層7に通電する。
が変化し、定着ローラ2及び加圧ローラ3の端部の温度
上昇を、適切に抑制することができる。その結果、記録
紙サイズに関わらず定着ローラ2の通紙部の温度を均一
にし、端部温度の上昇によって発生する定着ローラ2の
破損や紙送り時の紙シワの発生、さらには、小記録紙サ
イズの記録紙の連続通紙を行った直後に大記録紙サイズ
の記録紙を通紙したときに発生する端部での高温オフセ
ットを改善して、定着装置1の信頼性を向上させつつ高
画質を実現することができる。
6及び発熱層7を、それぞれその定着ローラ2の軸方向
の長さの中心位置が、定着ローラ2の軸方向の中心位置
とほぼ一致するように配設されているが、小サイズ記録
紙用である基板2の裏面側の発熱層7は、定着ローラ2
の軸方向の中心位置に合わせて配設するものに限るもの
ではなく、記録紙が片寄せ方式、すなわち、定着ローラ
2の一方側に片寄った状態で搬送されてくるときには、
図2に示すように、当該片寄って搬送される記録紙の搬
送位置に合わせて、定着ローラ2の一方側に片寄らせた
状態で配設されていてもよい。
の表面側に記録紙の最大記録紙サイズに対応した幅サイ
ズ、すなわち、大記録紙サイズ幅の発熱層6を配設し、
基体5の裏面側に最大記録紙サイズよりも小さい記録紙
サイズの記録紙に対応した幅サイズ、すなわち、小記録
紙サイズ幅の発熱層7を配設しているが、これに限るも
のではなく、例えば、図3に示すように、定着ローラ2
の基体5の表面側に小記録紙サイズ幅の発熱層20とそ
の上に離型層21を形成し、基体5の裏面側に最大記録
紙サイズの発熱層22とその上に離型層23を配設して
もよい。
様に、記録紙が片寄せ方式で搬送されてくるときには、
図4に示すように、小記録紙サイズ幅の発熱層20及び
剥離層21を、当該片寄って搬送される記録紙の搬送位
置に合わせて、定着ローラ2の一方側に片寄らせた状態
で配設されていてもよい。
においても、その基体5の表面側の離型層8、21と裏
面側の離型層9、23を、上記図1の定着ローラ2と同
様に、ディスパージョン加工により1工程で形成するこ
とができる。
したように、最大記録紙サイズの発熱層6を基体5の表
面側に配設し、小記録紙サイズ幅の発熱層7を基体5の
裏面側に配設しているので、定着ローラ2の表面を平滑
化することができ、製造工程を削減してコストを低減さ
せつつ、定着性能を向上させることができる。
小記録紙サイズ幅の発熱層20を基体5の表面側に配設
すると、発熱層20の存在する領域と発熱層20の存在
しない領域とで段差が生じるため、定着性能を向上させ
るために、図5に示すように、小記録紙サイズ幅の発熱
層20により覆われていない基体5の表面に発熱層20
と同じ厚さの所定の部材24を記録紙の最大記録紙サイ
ズ幅まで配設するか、図6に示すように、小記録紙サイ
ズ幅の発熱層20を覆う離型層21を発熱層20で覆わ
れていない基体5の表面部分では、記録紙の最大記録紙
サイズ幅まで発熱層20の厚さの分だけ厚く形成する必
要がある。
に示したように、最大記録紙サイズの発熱層6を基体5
の表面側に配設し、その表面に離型層8を配設している
ため、図5及び図6に示したような他の部材や離型層2
1を小記録紙サイズ幅の発熱層20で覆われていない基
体5の表面部分に配設する必要がない。その結果、定着
ローラ2の製造工程、ひいては、定着装置1の製造工程
を削減してコストを低減させつつ、定着性能を向上させ
ることができる。
の製造方法の第2の実施の形態を示す図であり、本実施
の形態は、請求項2及び請求項6に対応するものであ
る。
形態と同様の定着装置に適用したものであり、本実施の
形態の説明において、上記第1の実施の形態と同様の構
成部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省
略する。
ラ31と加圧ローラ(図示略)が圧接されており、定着
ローラ31は、その基体5の一方側の端部、図7では左
側端部に、定着ローラ31を回転駆動するギア等の駆動
部32が取り付けられている。この駆動部32には、図
示しないが、駆動部32のギア等に歯合して駆動部32
を介して定着ローラ31を回転駆動するギア機構や駆動
モータ等の駆動機構が連携されている。したがって、定
着ローラ31の熱は、駆動部32を介して駆動機構等に
放熱され、駆動部32の取り付けられた基体5側の端部
側ほど温度が低下する。
最大記録紙サイズ幅の発熱層6が配設され、発熱層6上
に離型層8が形成されている。また、定着ローラ31
は、基体5の裏面に小サイズ幅の発熱層33が配設され
ており、発熱層33上には、離型層34が形成されてい
る。発熱層33は、基体5の上記駆動部32の取り付け
られた側の端部側に片寄らせた状態で基体5に配設され
ている。また、この定着装置30には、トナー画像の付
着された記録紙が駆動部32の設けられた側に片寄った
状態で搬送されてくる。
32の端部に取り付けられた駆動部32により回転駆動
されるが、この駆動部32を介して定着ローラ31の熱
が放熱されるため、定着ローラ31は、軸方向において
駆動部32の設けられた側の端部ほど温度が低くなり、
軸方向の温度分布が不均一になる傾向にある。
の記録紙も駆動部32側に片寄った状態で搬送され、小
サイズの記録紙が搬送されてくると、発熱層33を発熱
させ、大サイズの記録紙が搬送されてくると、発熱層6
を発熱させる。そして、この小記録紙サイズ幅の発熱層
33は、駆動部32側に片寄った状態で基体5に配設さ
れているため、基体5の駆動部32側の方が発熱層33
と発熱層6で挟まれた部分が大きく、基体5の駆動部3
2の取り付けられた側を反対側に比較して蓄熱を大きく
することができる。その結果、駆動部32側に片寄った
状態で配設された発熱層33により、駆動部32への放
熱を補償することができ、定着ローラ31の軸方向の温
度分布を均一にすることができる。したがって、基体5
の端部温度の上昇によって発生する定着ローラ31の破
損や紙送り時の紙シワの発生、さらには、小サイズ記録
紙の連続通紙直後に大記録紙サイズの記録紙を通紙した
ときに発生する基体5の端部での高温オフセットを改善
して、定着装置30の信頼性を向上させつつ高画質を実
現することができる。
大記録紙サイズの発熱層6を配設し、基体5の裏面に小
記録紙サイズ幅の発熱層33を配設しているが、逆に、
基体5の表面に小記録紙サイズ幅の発熱層33を配設
し、基体5の裏面に最大記録紙サイズの発熱層6を配設
してもよい。
いても、基体5の表裏の離型層8、34を、ディスパー
ジョン加工により1工程で形成することができる。
の製造方法の第3の実施の形態を示す図であり、本実施
の形態は、請求項4及び請求項6に対応するものであ
る。
形態と同様の定着装置に適用したものであり、本実施の
形態の説明においては、上記第1の実施の形態と同様の
構成部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を
省略する。
ラ41と加圧ローラ(図示略)が圧接されており、定着
ローラ41は、その基体5の裏面側に小記録紙サイズ幅
に対応した幅の発熱層7が基体5の軸方向中央位置を発
熱層7の中央位置と略一致させる状態で配設されてい
る。発熱層7上には、離型層9が配設されている。
熱層7の両端部位置から基体5の軸方向に対して最大記
録紙サイズの記録紙の幅に対応する位置まで発熱層42
a、42bが形成されており、各発熱層42a、42b
上には、それぞれ離型層43a、43bが配設されてい
る。これら基体5の表裏の離型層9及び離型層43a、
43bは、上記第1の実施の形態と同様に、ディスパー
ジョン加工により1工程で形成するこができる。
録紙が、記録紙の幅方向中央部と定着ローラ41の中央
部とが略一致する状態で搬送されてくる場合に好適であ
る。
5の裏面の発熱層7を、最大記録紙サイズよりも小さい
所定の小記録紙サイズの記録紙の幅に対応する幅にわた
って基体5を加熱するのに適した幅に形成し、表面の発
熱層42a、42bを、裏面の発熱層7の端部から最大
記録紙サイズの記録紙の幅に対応する幅にわたって基体
5を加熱するのに適した幅にわたって形成しているの
で、少ない発熱層7、42a、42bで、各種記録紙サ
イズの記録紙の幅に対応した幅にわたって基体5を加熱
することができ、定着装置40をより一層安価で、定着
性能の良好なものとすることができる。
サイズ幅の発熱層7を基体5の裏面側に配設し、基体5
の表面側に、小記録紙サイズ幅の発熱層7の両端部から
最大記録紙サイズの記録紙幅までの幅の発熱層42a、
42bを配設しているが、これに限るものではなく、例
えば、図9に示すように、定着装置44の定着ローラ4
5を、基体5の表面側に小記録紙サイズ幅の発熱層7と
離型層9を配設し、基体5の裏面側に、小記録紙サイズ
幅の発熱層7の両端部から最大記録紙サイズの記録紙幅
までの幅の発熱層42a、42bを配設したものとして
もよい。
の定着ローラ51は、基体5の表面に、基体5の一方側
に片寄せした状態で小記録紙サイズ幅の発熱層7と、発
熱層7上の離型層9と、を配設し、基体5の裏面に、小
記録紙サイズ幅の発熱層7の片寄せされた側と反対側の
端部付近から最大記録紙サイズ幅までの発熱層52と、
発熱層52上の離型層53と、を配設してもよい。
4の定着ローラ55を、図10の定着ローラ51とは逆
に、基体5の裏面に、基体5の一方側に片寄せした状態
で小記録紙サイズ幅の発熱層7と、発熱層7上の離型層
9と、を配設し、基体5の表面に、小記録紙サイズ幅の
発熱層7の片寄せされた側と反対側の端部付近から最大
記録紙サイズ幅までの発熱層52と、発熱層52上の離
型層53と、を配設してもよい。
54の定着ローラ51、54は、定着装置50、54に
記録紙が小記録紙サイズ幅の発熱層7が片寄せされて配
設された側に片寄せされた状態で搬送されてくる場合に
好適である。
0、44、50、54においても、基体5の表裏の離型
層8及び離型層43a、43b、53は、上記第1の実
施の形態と同様に、ディスパージョン加工により1工程
で形成するこができる。
の裏面の発熱層7、22、33、42a、42b、52
を、基体5の表面の発熱層6、7、20、42a、42
b、52よりも単位面積当たりの発熱量を大きくしても
よい。
2、33、42a、42b、52と基体5の表面の発熱
層6、7、20、42a、42b、52に同一の電力量
を供給した場合の基体5の表面の温度変化は、図12に
実線で示すように、表面の発熱層6、7、20、42
a、42b、52による基体5の表面の温度上昇の方
が、図12に一点鎖線で示す裏面の発熱層7、22、3
3、42a、42b、52による基体5の表面の温度上
昇よりも速く、また、表面の発熱層6、7、20、42
a、42b、52の熱は、その表面に形成された離型層
8、9、43a、43b、53を介して直接記録紙に供
給されるが、裏面の発熱層7、22、33、42a、4
2b、52の熱は、基体5と表面の発熱層6、7、2
0、42a、42b、52及び表面の発熱層6、7、2
0、42a、42b、52の表面に形成された離型層
8、9、43a、43b、53を介して記録紙に供給さ
れる。そのため、表面の発熱層6、7、20、42a、
42b、52と裏面の発熱層7、22、33、42a、
42b、52に同じ電力量を供給しても、基体5の表面
の温度上昇速度を同程度にすることが、定着性能を向上
させる上で重要である。
2a、42b、52と裏面の発熱層7、22、33、4
2a、42b、52に供給する電力量を制御して、基体
5の表面の温度上昇速度を同程度にしてもよいが、通電
制御が複雑になる。
a、42b、52と裏面の発熱層7、22、33、42
a、42b、52に同じ電力量を供給した際に、基体5
の表面の温度上昇が同じになるように、裏面の発熱層
7、22、33、42a、42b、52を、表面の発熱
層6、7、20、42a、42b、52よりも単位面積
当たりの発熱量を大きくすると、電力制御を簡単に、か
つ、安価に行うことができ、定着装置1、30、40、
44、50、54を安価なものとすることができるとと
もに、定着性能を向上させることができる。
3記録紙の定着装置を、以下に示すような条件で作成し
た。すなわち、基体表面の発熱層として、A3記録紙サ
イズ相当幅の発熱層を配設し、基体裏面の発熱層とし
て、A4記録紙サイズ相当幅の発熱層を配設した。
A4サイズ幅の記録紙を連続通紙したときの定着ローラ
の非通紙部の温度上昇を測定した。
発熱層のみを配設した定着装置についても測定を行っ
た。
の定着ローラの温度は、図13に示すような結果を得
た。すなわち、通紙部温度は、図13に実線で示すよう
に、180℃で一定しており、非通紙部温度は、100
℃から通紙枚数とともに徐々に上昇するが、50枚の連
続通紙を行っても、120℃であった。
に示すように、通紙部温度は、図14に実線で示すよう
に、略180℃で一定であるが、非通紙部温度は、図1
4に破線で示すように、略180℃から徐々に上昇し、
50枚連続通紙した段階で、230℃程度にまで上昇し
た。
例の定着装置に小サイズ(A4サイズ)の記録紙を連続
通紙した場合、比較例の場合に比較して、非通紙部の温
度上昇を大幅に抑制することができた。
あるA4記録紙を連続通紙した後、それよりも大きなサ
イズであるA3記録紙を通紙しても、ホットオフセット
やシワ等が発生せず、良好な画像が得られた。
態の定着装置の定着ローラの構成により、以下に示すよ
うな最大記録紙サイズがA3記録紙の定着装置を作成し
た。すなわち、基体表面の発熱層として、A3記録紙サ
イズ相当幅の発熱層を配設し、基体裏面の発熱層とし
て、A4記録紙サイズ相当幅の発熱層を駆動部側に片寄
せした状態で配設した。そして、以下の条件で、A3記
録用紙10枚を片寄せした状態で連続通紙した後、A4
記録用紙30枚を片寄せした状態で連続通紙し、定着ロ
ーラの温度分布を測定した。
2つの発熱層をその中心を基体の軸方向中心に合わせて
配設した定着装置を作成して、同様の条件で比較実験を
行って、その定着ローラの温度分布も同様に測定した。
示すような温度分布となった。すなわち、図15に一点
鎖線で示す比較例の場合、片寄せ状態で通紙される記録
紙の通紙部分でるあ定着ローラの駆動部側に温度低下が
発生するが、図15に実線で示す本実施例の場合、通紙
部分である定着ローラの駆動部側の温度低下が見られ
ず、定着ローラの軸方向の温度分布は、A4サイズの記
録紙の通紙部分において、ほぼ均一な温度となってい
る。
ローラを以下に示す手順により製造した。すなわち、第
1工程において、液晶ポリマーを用いて、厚さ1.0m
m、直径30mmの円筒状の基体を作成する。
面にAg/Pdからなる発熱層を塗布する。
して、導電性の樹脂材料を塗布する。
でマスキングする。
ジョン(樹脂分60wt%の水性コロイド懸濁液)に定
着ローラを浸漬し、引き上げて乾燥した後、焼結させて
基体の表裏両面の発熱層のそれぞれに離型層を作成す
る。
返し行って、基体の表裏両面の離型層を所定の厚みにす
る。
材を除去する。
基体の表裏両面の発熱層上に同時に離型層を形成するこ
とができ、定着ローラを簡単に、かつ、安価に製造する
ことができる。
適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は
上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもな
い。
ば、定着ローラの基体の表面と裏面にそれぞれ発熱層を
形成し、表面の発熱層と裏面の発熱層のいずれか一方を
他方よりも基体の軸方向において長く形成するととも
に、いずれか一方あるいは両方の発熱層により基体の軸
方向において最大記録紙サイズの記録紙の全幅に対応す
る幅にわたって基体を加熱し、搬送されてくる記録紙の
幅に応じて表面の発熱層と裏面の発熱層を適宜加熱し
て、当該搬送されてくる記録紙の幅全域にわたって基体
を加熱するので、小サイズの記録紙を連続通紙したとき
の端部温度の上昇を抑制して、記録紙サイズに関わらず
定着ローラの通紙部の温度を均一にすることができ、端
部温度の上昇によって発生する定着ローラの破損や紙送
り時の紙シワの発生、さらには、小サイズ記録紙の連続
通紙直後に大サイズの記録紙を通紙したときに発生する
端部での高温オフセットを改善して、信頼性を向上させ
つつ高画質を実現することができる。
表面の発熱層と裏面の発熱層のうちの一方の発熱層を、
最大記録紙サイズの記録紙の幅に対応する幅にわたって
基体を加熱するのに適した幅に形成し、他方の発熱層を
一方の発熱層よりも狭い幅に形成するとともに、定着ロ
ーラを回転駆動する駆動部の配設された側に片寄せされ
た状態で形成しているので、簡単な構成で、駆動部への
放熱による定着ローラの端部の温度低下を抑制して、定
着ローラの通紙部の温度を均一にすることができ、端部
温度の上昇によって発生する定着ローラの破損や紙送り
時の紙シワの発生、さらには、小サイズ記録紙の連続通
紙直後に大記録紙サイズの記録紙を通紙したときに発生
する端部での高温オフセットを改善して、信頼性を向上
させつつ高画質を実現することができる。
表面の発熱層を、最大記録紙サイズの記録紙の全幅に対
応する幅にわたって基体を加熱するのに適した幅に形成
し、裏面の発熱層を、表面の発熱層よりも狭い幅に形成
しているので、定着ローラの表面を、製造工程を削減し
つつ簡単、かつ、容易に平坦化することができ、定着装
置をより一層安価で、定着性能の良好なものとすること
ができる。
表面の発熱層と裏面の発熱層の一方の発熱層を、最大記
録紙サイズよりも小さい所定の小記録紙サイズの記録紙
の幅に対応する幅にわたって基体を加熱するのに適した
幅に形成し、他方の発熱層を、一方の発熱層の端部から
最大記録紙サイズの記録紙の幅に対応する幅にわたって
基体を加熱するのに適した幅にわたって形成しているの
で、少ない発熱層で、各種記録紙サイズの記録紙の幅に
対応した幅にわたって基体を加熱することができ、定着
装置をより一層安価で、定着性能の良好なものとするこ
とができる。
裏面の発熱層の単位面積当たりの発熱量を、表面の発熱
層の単位面積当たりの発熱量より大きく設定しているの
で、表面の発熱層から記録紙に供給される熱量と、裏面
の発熱層から記録紙に供給される熱量を簡単かつ容易に
等しくすることができ、発熱層に熱量を供給する熱量制
御を容易なものとして、定着装置をより一層安価で、よ
り一層定着性能の良好なものとすることができる。
法によれば、ローラ状の基体の表面の発熱層と裏面の発
熱層のうち、いずれか一方の発熱層が他方の発熱層より
も基体の軸方向において長く形成されているとともに、
表面の発熱層と裏面の発熱層のいずれかあるいは両方の
発熱層により、基体の軸方向において搬送されてくる複
数の記録紙サイズの記録紙のうち最大記録紙サイズの記
録紙の全幅に対応する幅にわたって基体を加熱する定着
ローラの基体の表面と裏面に発熱層を形成した後、当該
発熱層の形成された基体を、所定の離型層となる物質の
懸濁液中に浸けて、表面の発熱層と裏面の発熱層の表面
に離型層を一度に形成しているので、離型層を簡単、か
つ、容易に形成することができ、製造工程を削減しつ
つ、定着性能の良好な定着ローラを簡単、かつ、安価に
製造することができる。
第1の実施の形態を適用した定着装置の要部正面断面
図。
置を変化させた例の定着ローラの正面断面図。
置を変化させた他の例の定着ローラの正面断面図。
置を変化させたさらに他の例の定着ローラの正面断面
図。
発熱層と同じ厚さの他の部材を埋め込んだ例の定着ロー
ラの正面断面図。
発熱層と同じ厚さに離型層を埋め込んだ例の定着ローラ
の正面断面図。
第2の実施の形態を適用した定着装置の定着ローラの要
部正面断面図。
第3の実施の形態を適用した定着装置の定着ローラの要
部正面断面図。
置を変化させた例の正面断面図。
断面図。
置位置を変化させた例の正面断面図。
りの発熱量が同じ場合の表面の発熱層と裏面の発熱層に
よる基板表面の温度上昇を比較して示す図。
温度を示す図。
度を示す図。
と比較例の定着ローラの温度分布を示す図。
熱層 8、9、21、23、34、43a、43b、53 離
型層 10 芯金 11 ゴム層 24 部材 32 駆動部
Claims (6)
- 【請求項1】ローラ状の基体に所定の加熱手段が配設さ
れた定着ローラと、前記定着ローラと圧接する加圧ロー
ラと、を有し、前記定着ローラと前記加圧ローラとの圧
接部にトナー画像の付着された複数の記録紙サイズの記
録紙が搬送され、当該記録紙を回転する前記定着ローラ
と前記加圧ローラにより圧接して搬送しつつ、前記定着
ローラの熱により前記記録紙に付着された前記トナー画
像を前記記録紙に定着させる定着装置であって、前記定
着ローラは、前記加熱手段として、前記基体の表面と裏
面にそれぞれ発熱層が形成され、前記表面の発熱層と前
記裏面の発熱層は、一方の前記発熱層が他方の前記発熱
層よりも前記基体の軸方向において長く形成されるとと
もに、いずれか一方あるいは両方の前記発熱層により前
記基体の軸方向において最大記録紙サイズの前記記録紙
の全幅に対応する幅にわたって前記基体を加熱し、前記
搬送されてくる記録紙の幅に応じて前記表面の発熱層と
前記裏面の発熱層を適宜加熱して、当該搬送されてくる
記録紙の幅全域にわたって前記基体を加熱することを特
徴とする定着装置。 - 【請求項2】前記定着ローラは、前記基体の一方側端部
に配設された所定の駆動部により回転駆動され、前記表
面の発熱層と前記裏面の発熱層は、前記基体の軸方向に
おいて、一方の前記発熱層が前記最大記録紙サイズの記
録紙の全幅に対応する幅にわたって前記基体を加熱する
のに適した幅を有し、他方の前記発熱層が前記一方の発
熱層よりも狭い幅を有するとともに、前記基体の前記駆
動部の配設された側に片寄せされた状態で形成されてい
ることを特徴とする請求項1記載の定着装置。 - 【請求項3】前記表面の発熱層は、前記基体の軸方向に
おいて、前記最大記録紙サイズの記録紙の全幅に対応す
る幅にわたって前記基体を加熱するのに適した幅を有
し、前記裏面の発熱層は、前記表面の発熱層よりも狭い
幅を有していることを特徴とする請求項1または請求項
2記載の定着装置。 - 【請求項4】前記表面の発熱層と前記裏面の発熱層は、
前記基体の軸方向において、一方の前記発熱層が前記最
大記録紙サイズよりも小さい所定の小記録紙サイズの記
録紙の幅に対応する幅にわたって前記基体を加熱するの
に適した幅を有し、他方の前記発熱層が前記一方の発熱
層の端部から前記最大記録紙サイズの記録紙の幅に対応
する幅にわたって前記基体を加熱するのに適した幅にわ
たって形成されていることを特徴とする請求項1記載の
定着装置。 - 【請求項5】前記裏面の発熱層は、その単位面積当たり
の発熱量が、前記表面の発熱層の単位面積当たりの発熱
量より大きく設定されていることを特徴とする請求項1
から請求項4のいずれかに記載の定着装置。 - 【請求項6】ローラ状の基体の表面と裏面にそれぞれ発
熱層が形成され、前記表面の発熱層と前記裏面の発熱層
のうち、いずれか一方の前記発熱層が他方の前記発熱層
よりも前記基体の軸方向において長く形成されていると
ともに、前記表面の発熱層と前記裏面の発熱層のいずれ
かあるいは両方の前記発熱層により、前記基体の軸方向
において搬送されてくる複数の記録紙サイズの記録紙の
うち最大記録紙サイズの前記記録紙の全幅に対応する幅
にわたって前記基体を加熱する定着ローラの製造方法で
あって、前記基体の表面と裏面に前記発熱層を形成した
後、当該発熱層の形成された前記基体を、所定の離型層
となる物質の懸濁液中に浸けて、前記表面の発熱層と前
記裏面の発熱層の表面に前記離型層を一度に形成するこ
とを特徴とする定着ローラの製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05977497A JP3791861B2 (ja) | 1997-02-27 | 1997-02-27 | 定着装置及び定着ローラの製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP05977497A JP3791861B2 (ja) | 1997-02-27 | 1997-02-27 | 定着装置及び定着ローラの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10240056A true JPH10240056A (ja) | 1998-09-11 |
JP3791861B2 JP3791861B2 (ja) | 2006-06-28 |
Family
ID=13122982
Family Applications (1)
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JP05977497A Expired - Fee Related JP3791861B2 (ja) | 1997-02-27 | 1997-02-27 | 定着装置及び定着ローラの製造方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3791861B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6792239B2 (en) | 2000-12-22 | 2004-09-14 | Samsung Electronics Co., Ltd | Fusing roller assembly for electrophotographic image forming apparatus |
JP2015225112A (ja) * | 2014-05-26 | 2015-12-14 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 定着装置および画像形成装置 |
-
1997
- 1997-02-27 JP JP05977497A patent/JP3791861B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2015225112A (ja) * | 2014-05-26 | 2015-12-14 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 定着装置および画像形成装置 |
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