JPH10237548A - 成形性に優れた冷延鋼板の製造方法 - Google Patents

成形性に優れた冷延鋼板の製造方法

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JPH10237548A
JPH10237548A JP3613197A JP3613197A JPH10237548A JP H10237548 A JPH10237548 A JP H10237548A JP 3613197 A JP3613197 A JP 3613197A JP 3613197 A JP3613197 A JP 3613197A JP H10237548 A JPH10237548 A JP H10237548A
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JP
Japan
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rolling
cold
steel sheet
rolled steel
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JP3613197A
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English (en)
Inventor
Takehide Senuma
武秀 瀬沼
Masayoshi Suehiro
正芳 末広
Naoki Yoshinaga
直樹 吉永
Tsutomu Okamoto
力 岡本
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 省エネルギーを念頭に置き、Ar3 変態点以
下の熱延を適切に行うことにより、優れた成形性を有す
る冷延鋼板の製造方法を提供する。 【解決手段】 重量比でC:0.08%以下、Al:
0.005%以上、0.1%以下、N:0.01%以
下、必要に応じてB:0.001%以上、11N/14
+0.002%以下を含有する鋼のスラブを熱延する際
に、730℃〜Ar3変態点の温度域での合計圧下率が
50%以上の圧延を、必要に応じて潤滑を施して摩擦係
数が0.2以下の条件で行い、730℃以上で仕上げた
後、750℃以下で巻き取り、その後、通常の酸洗を
し、合計圧下率が50〜85%の冷間圧延をし、再結晶
焼鈍を施すことを特徴とする成形性に優れた冷延鋼板の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形性に優れた冷
延鋼板の製造方法に関するものである。なお、ここでの
冷延鋼板は、表面処理原板を含むものである。
【0002】
【従来の技術】通常、加工用冷延鋼板はCQグレードと
称され、以下のような工程で製造されている。すなわ
ち、連続鋳造により製造されたスラブを1150℃から
1280℃に再加熱し、熱間圧延工程に供する。熱間圧
延は、一般に数回の粗圧延を行った後、5〜7スタンド
の連続熱間仕上圧延機でAr3 変態点以上の仕上温度で
行い、板厚2〜5mm程度の熱延板を製造する。
【0003】巻き取られた熱延コイルは、その後、酸洗
され、冷間圧延により0.4〜2mm程度の板厚に仕上
げられる。冷延コイルは、電解洗浄により表面に付着し
た油などを取り除いてから焼鈍に供される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のような製造方法
に対して、CO2 問題などの環境負荷を低減する製造方
法として、スラブ加熱温度の低温化あるいは連続鋳造か
らの直送熱延などが試行されているが、熱間圧延の仕上
温度がAr3 変態点以下になると粗大組織が形成され、
肌荒れやリジングなどの冷延鋼板の表面品位を劣化する
現象が顕在化する。また、ランクフォード値(r値)も
1以下となるため、CQ材としてはr値の要求規格値は
ないというものの、現状の製品より顕著にr値が低いと
成形トラブルの原因になり兼ねない。
【0005】そこで、本発明は、環境への負荷を低減す
る低温加熱および直接熱延を行っても、優れた成形性を
有する冷延鋼板の製造方法を提供することを目的とする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点を解決するためにAr3 変態点以下の熱間圧延条件
を検討した結果、ある温度範囲での合計圧下率がある値
を上回ることにより、冷延鋼板の表面品位は通常の製造
方法で製造したものと遜色がなくなるばかりでなく、延
性が向上し、降伏応力も低くなり、通常の製造方法で製
造した鋼板より加工性が勝ることを見出した。
【0007】また、Ar3 変態点以下の熱間圧延を潤滑
を施して行うと、特性の面内異方性が小さくなることも
明らかになった。本発明は、これらの知見に基づいてな
されたものであり、その要旨とするところは下記のとお
りである。 (1)重量比で、C:0.08%以下、Al:0.00
5%以上、0.1%以下、N:0.01%以下を含有す
る鋼のスラブを熱間圧延する際に、730℃〜Ar3
態点の温度域での合計圧下率が50%以上の圧延を行
い、730℃以上で仕上げた後、750℃以下で巻き取
り、その後、通常の酸洗をし、合計圧下率が50〜85
%の冷間圧延をし、再結晶焼鈍を施すことを特徴とする
成形性に優れた冷延鋼板の製造方法。
【0008】(2)前記鋼が、重量比で、さらに、B:
0.001%以上、11N/14+0.002%以下を
含有することを特徴とする上記(1)に記載の成形性に
優れた冷延鋼板の製造方法。 (3)730℃〜Ar3 変態点の温度域での合計圧下率
が50%以上の前記圧延を、潤滑を施して摩擦係数が
0.2以下の条件で行うことを特徴とする上記(1)ま
たは(2)記載の成形性に優れた冷延鋼板の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において、Cの上限を0.08%、Nの上限を
0.01%としたのは、これを超える量のC、Nの添加
は加工性の劣化を招くためである。Alの含有量の下限
を0.005%としたのは、脱酸を十分に行うためであ
る。Alの上限は、製鋼のノズル詰まりの観点から0.
1%とした。
【0010】Bは2次加工性の向上に寄与するので、用
途によっては、その効果が明瞭に現われる0.0002
%以上の添加が必要である。また、Bは、固溶NをBN
の形で鋼中から低減し、加工性を向上させる効果があ
る。この場合、その効果はB量の増加に伴い増えるが、
11N/14で飽和する。そして、過剰の添加は加工性
を劣化するので、上限を11N/14+0.002%と
した。
【0011】他の成分については特に限定しないが、強
度を高め、加工性を著しく悪くしない範囲であるMn≦
1%、Si≦1%、P≦0.1%の添加は、本発明の趣
旨を何ら損するものではない。次に、製造プロセス条件
の限定理由について述べる。730℃以上の温度で仕上
圧延をする理由は、これ未満の温度で仕上圧延を終了す
ると冷延鋼板の機械的性質および表面品質の劣化が起こ
る頻度が増えるためである。その原因は特定できない
が、熱延組織中の加工組織の残留と形成される集合組織
の影響が考えられる。
【0012】730℃以上、Ar3 変態点以下の温度で
合計圧下率が50%以上の圧延を行うという熱延条件を
限定したのは、この条件を満たすことにより冷間圧延、
焼鈍後に表面品位、r値の劣化がほとんど見られず、加
工用冷延鋼板として優れた特性を示すためである。この
原因は必ずしも明らかではないが、熱延板組織の大半が
比較的細かい再結晶粒組織を呈することと関連するもの
と考えられる。なお、この圧延において潤滑を施して摩
擦係数が0.2以下の条件で行うことによりr値の面内
異方性が小さくなることが明らかになった。
【0013】巻取温度を750℃以下と限定したのは、
これを超える温度で巻き取ると粗大粒が表面近傍に生成
し、表面品位の劣化が見られるためである。冷間圧延の
合計圧下率の下限を50%としたのは、これ未満の圧下
率では冷間圧延、焼鈍後に表面品位、r値の劣化が見ら
れ加工用冷延鋼板として優れた特性が得られないためで
ある。また、冷間圧延の合計圧下率の上限を85%とし
たのは、これを超える圧下率の増加はr値の劣化を招く
ためである。
【0014】冷間圧延後の再結晶焼鈍については、連続
焼鈍でも箱焼鈍でも構わない。また、連続焼鈍の後半で
溶融めっきを施すことも本発明の趣旨を損するものでは
ない。もちろん、焼鈍後電気めっきなどの表面処理を施
すことも本発明の趣旨を損するものではない。
【0015】
【実施例】以下に、本発明の実施例を比較例とともに説
明する。実施例には表1に示した成分組成を有する鋼を
用いた。プロセス条件と成品板の機械的性質を表2、表
3(表2のつづき)に示す。その他の製造条件は、厚み
250mmのスラブを1050℃で加熱し(ただし、実
験番号21、22の実施例は連続鋳造から直接熱延した
結果である)、板厚4mmに熱間圧延した後、酸洗し、
冷間圧延後、連続焼鈍で750℃で60秒保持後、40
0℃で250秒の過時効処理をした。スキンパス圧下率
は1%である。
【0016】r値は15%引っ張った材料の幅方向の減
少代を板厚方向の減少代で割ったもので、この値が大き
いほど深絞り性が良いと評価される。Δr値はその面内
異方性を表す指標で、それぞれr=(r0 +r90+2r
45)/4、Δr=(r0 +r 90−2r45)/2を意味す
る。ここで、r0 は圧延方向に平行に切り出した試験片
でのr値、r90は圧延方向に垂直に切り出した試験片で
のr値、r45は圧延方向と45°の方向に切り出した試
験片でのr値である。Δr値は、El、YP、TSなど
の機械的性質の異方性とも対応するので、異方性の代表
的指標として用いる。肌荒れ発生の有無はr値測定後の
試験片の表面を観察し、オレンジの皮の様な凹み肌が観
察されたり、圧延方向に平行縞模様が観察された場合、
肌荒れ発生ありと評価した。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】本発明の範囲を満足した実験番号1、2、
3、6、8、11、12、14、15、16、17、1
8、19、21、22の材料は、比較例に比べてYPが
低く、延性が優れ、r値も1.1以上を示す。また、潤
滑圧延をして摩擦係数が0.2以下とした材料は、小さ
いΔr値を示し、面内異方性が低減された。仕上温度が
本発明の範囲より低い実験番号5の材料は、延性の著し
い低下が見られた。Ar3 変態点以下、730℃以上の
温度での合計圧下率が40%と低い実験番号7の材料
は、熱延板に粗大粒が観察され、冷延板の機械的性質お
よび表面品質が劣化した。また、冷間圧延の合計圧下率
が40%と低い実験番号9の材料も冷延板の機械的性質
および表面品質が劣化した。一方、冷間圧延の合計圧下
率が高過ぎた実験番号13の材料のr値は低い。材料の
成分が本発明の範囲外の実験番号20の材料では、YP
が高く、伸び、r値が低い結果となった。巻取温度が7
64℃と高い実験番号4の場合、熱延板は粗大化し、冷
延板の機械的性質および表面品質の劣化が見られた。
【0021】実験番号10の材料は、従来の方法で製造
したもので、本発明鋼に比べてYPが高く、Elが低く
なり、加工性が劣る。
【0022】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、A
3 変態点以下で仕上圧延が終了しても加工性に優れた
冷延鋼板が製造できるようになり、CO2 問題などの環
境負荷を低減するスラブ加熱温度の低温化あるいは連続
鋳造からの直送熱延が可能になるため、本発明は、地球
環境保護の観点ならびに工業的な観点からも価値の高い
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 力 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で、C:0.08%以下、Al:
    0.005%以上、0.1%以下、N:0.01%以下
    を含有する鋼のスラブを熱間圧延する際に、730℃〜
    Ar3 変態点の温度域での合計圧下率が50%以上の圧
    延を行い、730℃以上で仕上げた後、750℃以下で
    巻き取り、その後、通常の酸洗をし、合計圧下率が50
    〜85%の冷間圧延をし、再結晶焼鈍を施すことを特徴
    とする成形性に優れた冷延鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記鋼が、重量比で、さらに、B:0.
    001%以上、11N/14+0.002%以下を含有
    することを特徴とする請求項1記載の成形性に優れた冷
    延鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 730℃〜Ar3 変態点の温度域での合
    計圧下率が50%以上の前記圧延を、潤滑を施して摩擦
    係数が0.2以下の条件で行うことを特徴とする請求項
    1または2記載の成形性に優れた冷延鋼板の製造方法。
JP3613197A 1997-02-20 1997-02-20 成形性に優れた冷延鋼板の製造方法 Withdrawn JPH10237548A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010125848A1 (ja) * 2009-04-28 2010-11-04 Jfeスチール株式会社 成形性、形状凍結性、表面外観に優れた冷延鋼板、およびその製造方法

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